JP2012152882A - ビトリファイド多層砥石車 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転破壊強度を向上させ、かつ軟結合度のポーラスタイプ砥石でありながら製造時にヒビ割れもなく安定生産することのできるビトリファイド多層砥石車を提供することにある。
【解決手段】外層、中間層及び内層からなる3層構造のビトリファイド多層砥石車であって、外層及び中間層の砥石粒度は、内層の砥石粒度より粗く、かつ外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることを特徴とするビトリファイド多層砥石車。
【選択図】図1
【解決手段】外層、中間層及び内層からなる3層構造のビトリファイド多層砥石車であって、外層及び中間層の砥石粒度は、内層の砥石粒度より粗く、かつ外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることを特徴とするビトリファイド多層砥石車。
【選択図】図1
Description
本発明は、研削砥石の技術分野に属するものであり、特に軟結合度のポーラスタイプ砥石のビトリファイド多層砥石車に関するものである。
鉄鋼等の金属からなる部材の研削、特にその表面の研削又は研磨のための工具として、ビトリファイド砥石が広く使用されている。このビトリファイド砥石は、アルミナ等の砥粒をガラス質のビトリファイド結合材により結合して、該結合材により多数の砥粒を分散して保持したものである。
円盤形状の砥石車は中央部に設けられた取り付け穴を研削機の駆動回転軸に適合させフランジで締め付けて固定するため、高速で回転した場合にフランジの脇(フランジで挟持されるフランジ取り付け部より径方向に僅かに外側の部分)に最も大きな引っ張り応力が作用する。この引っ張り応力が砥石強度を超えた場合に、砥石車の破壊事故が発生することになる。従って、高速回転時の破壊を未然に防ぐために従来からフランジの脇から取り付け穴部までの間の砥石部強度を高め破壊を防止することが試みられている。しかしながら、フランジ取り付け部と研削使用部との強度差が大きく開いている場合に両者の高温領域での収縮差が大きく、製造時に焼成させると境界面に応力がかかり、砥石車表面にヒビ割れが発生することがある。中でも結合度が低くて柔らかいポーラスタイプ砥石車では製造時に顕著にヒビ割れが発生していた。
特許文献1では、円環状のビトリファイド砥石外周部にレジノイド砥石からなる円盤状のコアー部を接着させた2重構造ビトリファイド砥石車が開示されている。しかしながら、外周部とコアー部をそれぞれ別々に製造し、その後接着させるので工程数が多くなるものであった。
そこで、本発明者らは、ビトリファイド砥石のみの外層と内層からなる2層構造のポーラスタイプ砥石のビトリファイド砥石車の製造を行った。しかしながら、外層配合物と内層配合物の焼成時の高温領域での収縮量の差が大きく、外層−内層界面に応力がかかり、砥石車表面にヒビ割れが発生してしまった。
本発明の目的は、回転破壊強度を向上させ、かつ軟結合度のポーラスタイプ砥石でありながら製造時にヒビ割れもなく安定生産することのできるビトリファイド多層砥石車を提供することにある。
本発明に従って、外層、中間層及び内層からなる3層構造のビトリファイド多層砥石車であって、外層及び中間層の砥石粒度は、内層の砥石粒度より粗く、かつ外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることを特徴とするビトリファイド多層砥石車が提供される。
本発明のビトリファイド多層砥石車は、フランジ取り付け領域として機能する内層の砥石粒度を外層及び中間層の粒度に比べて細かくし、内層、中間層の砥石密度を外層に比べて高くすることにより回転破壊強度を向上させることが可能となった。また、外層、中間層、内層の順に焼成時の収縮量を段階的に変化させるように砥粒の配合を調整した3層構造とすることにより、製造時の焼成時におけるヒビ割れのない軟結合度のポーラスタイプ砥石のビトリファイド多層砥石車を安定的に製造することが可能となった。
以下に、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明に係る3層構造のビトリファイド多層砥石車を示す概略断面図である。図1に示されるように、ビトリファイド多層砥石車は外層、中間層及び内層からなる3層構造を有し、外層及び中間層の砥石粒度(砥粒粒度)は、内層の砥石粒度より粗く、かつ外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることを特徴とする。
本発明のビトリファイド多層砥石車においては、回転破壊強度を上げるためにフランジ取り付け領域として機能する内層の砥石粒度を外層及び中間層の砥石粒度に比べ細かくすることで結合度が高まり高速回転時の破壊を防止することができる。本発明の多層砥石車において研削を主に担う外層の結合度は、K以下の軟結合度である。
また、本発明のビトリファイド多層砥石車においては、外層、中間層、内層の順に焼成時の収縮量を段階的に変化させるように砥石の配合を調整した3層構造とすることにより、軟結合度のポーラスタイプ砥石であっても製造時の焼成時におけるヒビ割れのないビトリファイド多層砥石車を安定的に製造することが可能となった。本発明における砥石車は、例えば、直径は300〜1100mmであり、厚さは25〜305mmであるが、これに限定されるものではない。ポーラスタイプ砥石とは、アルミナ等の砥粒をガラス質のビトリファイド結合材により結合して無数の気孔が形成された多孔質組織である。
本発明で用いられるビトリファイド砥石の砥粒としては、通常用いられるアルミナ砥粒や炭化ケイ素砥粒を挙げることができる。これらは、それぞれ、JIS−R6111に規定されている白色アルミナ質研削材、淡紅色アルミナ質研削材、解砕型アルミナ質研削材、黒色炭化ケイ素質研削材、緑色炭化ケイ素質研削材及びセラミック砥粒を用いることができる。これらの砥粒は1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を混合したものを用いてもよい。
本発明に係るビトリファイド多層砥石車は、外層及び中間層の砥石粒度が、内層より砥石粒度が粗く、外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることが必須である。外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュより粗いと、砥粒と結合剤の保持力が弱くなり、高速回転に耐えることが困難となる。一方、砥石粒度が120メッシュをより細かくなると焼成時の収縮量が大きくなり多層構造では焼成後にヒビ割れを発生し易くなる。内層の砥石粒度としては48メッシュ〜150メッシュであることが好ましい。
本発明に係るビトリファイド多層砥石車は、中間層及び内層が、外層より砥石密度が高いことが、フランジ取り付け領域付近の強度を高めることから好ましく、中間層及び内層の砥石密度は、外層の砥石密度に対して密度比が1.0よりも大きく、1.1以下であることが強度の観点からより好ましい。
また、本発明に係るビトリファイド多層砥石車は、中間層及び内層の曲げ強度が、前記外層の曲げ強度に対して曲げ強度比1.1〜1.6であることが好ましい。曲げ強度比が1.1未満であると強度が不足し砥石が使用中に破壊し易くなり、1.6を超えると外層−中間層界面にヒビ割れが発生し、砥石が使用中に破壊し易くなる。
本発明で用いられるビトリファイド系結合剤としては、例えばSiO2及びAl2O3を含み、更にCaO、MgO、K2O、Na2O等のその他の成分のうちのいくつかを含むものを用いることができる。
本発明における3層構造のビトリファイド多層砥石車の作製方法は、上記アルミナ砥粒等の砥粒と上記ビトリファイド系結合剤を、砥粒:結合剤が体積比91:9〜74:26となるようにそれぞれ混合し、外層、中間層、内層の3種類の配合物を調製する。調製した配合物を図1に示されるような寸法サイズの異なる2種類の金枠を用いて、ホイール形状に金型枠内に型込めして、外層、中間層、内層の順に型込めしてプレス成型する。プレス成型された砥石を50〜100℃で2〜144時間乾燥させた後、最高温度900〜1400℃、好ましくは1200〜1350℃、更に好ましくは1250〜1300℃で3〜20時間温度保持して焼成させる。このように比較的高温で焼成することにより、組織の良好な砥石を作製することができる。
本発明によるビトリファイド多層砥石車の被削材としては、例えば、鋼材、鋳物、セラミックス、ゴム等が挙げられ、これらの研削に最適である。
<砥石密度比算出方法>
本発明に規定する砥石密度比は、各外層、中間層、内層の配合物により作製した砥石を準備し、重量と体積測定値から砥石密度を求め、外層の砥石密度に対する中間層、内層の砥石密度の比率を密度比として算出した。
・砥石密度(g/cc)=砥石重量(g)/砥石体積(cc)
・砥石密度比
外層に対する中間層の砥石密度比=中間層の砥石密度/外層の砥石密度
外層に対する内層の砥石密度比=内層の砥石密度/外層の砥石密度
本発明に規定する砥石密度比は、各外層、中間層、内層の配合物により作製した砥石を準備し、重量と体積測定値から砥石密度を求め、外層の砥石密度に対する中間層、内層の砥石密度の比率を密度比として算出した。
・砥石密度(g/cc)=砥石重量(g)/砥石体積(cc)
・砥石密度比
外層に対する中間層の砥石密度比=中間層の砥石密度/外層の砥石密度
外層に対する内層の砥石密度比=内層の砥石密度/外層の砥石密度
<曲げ強度比算出方法>
本発明に規定する曲げ強度比は、各外層、中間層、内層の配合物により作製した砥石を準備し、装置としてTOYO BALDWIN社製TENSILON/STM-F500BPを用いてJIS R 1601「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」の装置及び器具に記載されている固定形3点曲げ試験ジグによる3点曲げ強さ測定を行い、砥石試験片が折れた時の最大荷重を試験片寸法で単位換算して曲げ強度を求め、外層の曲げ強度に対する中間層、内層の曲げ強度の比率を曲げ強度比として算出した。
・3点曲げ強度σb3=3PL/2wt2
σb3:3点曲げ強度(MPa)
P:試験片が破壊したときの最大荷重(N)
L:支点間距離(mm)
W:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)
・曲げ強度比
外層に対する中間層の曲げ強度比=中間層の曲げ強度/外層の曲げ強度
外層に対する内層の曲げ強度比=内層の曲げ強度/外層の曲げ強度
本発明に規定する曲げ強度比は、各外層、中間層、内層の配合物により作製した砥石を準備し、装置としてTOYO BALDWIN社製TENSILON/STM-F500BPを用いてJIS R 1601「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」の装置及び器具に記載されている固定形3点曲げ試験ジグによる3点曲げ強さ測定を行い、砥石試験片が折れた時の最大荷重を試験片寸法で単位換算して曲げ強度を求め、外層の曲げ強度に対する中間層、内層の曲げ強度の比率を曲げ強度比として算出した。
・3点曲げ強度σb3=3PL/2wt2
σb3:3点曲げ強度(MPa)
P:試験片が破壊したときの最大荷重(N)
L:支点間距離(mm)
W:試験片の幅(mm)
t:試験片の厚さ(mm)
・曲げ強度比
外層に対する中間層の曲げ強度比=中間層の曲げ強度/外層の曲げ強度
外層に対する内層の曲げ強度比=内層の曲げ強度/外層の曲げ強度
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に説明する。
ビトリファイド砥石の砥粒として、白色アルミナ砥粒(WA)、解砕型アルミナ砥粒(HA)、淡紅型アルミナ砥粒(PA)、緑色炭化ケイ素砥粒(GC)をそれぞれ少なくとも1種以上組み合わせて用いた。
(実施例1)
外層には、60メッシュの白色アルミナ砥粒、54メッシュの解砕型アルミナ砥粒、54メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には60メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には80メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これら砥粒とビトリファイド系結合剤(SiO2=50重量%、Al2O3=14重量%、CaO、MgO、K2O、Na2O等のその他=36重量%)を、砥粒:結合剤が88体積%:12体積%となるようにそれぞれ混合し、外層、中間層、内層の3種類の配合物を調製した。
外層には、60メッシュの白色アルミナ砥粒、54メッシュの解砕型アルミナ砥粒、54メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には60メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には80メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これら砥粒とビトリファイド系結合剤(SiO2=50重量%、Al2O3=14重量%、CaO、MgO、K2O、Na2O等のその他=36重量%)を、砥粒:結合剤が88体積%:12体積%となるようにそれぞれ混合し、外層、中間層、内層の3種類の配合物を調製した。
得られた配合物を図1に示されるような寸法サイズの異なる2種類の金枠を用いて、ホイール形状に金型枠内に型込めして、外層、中間層、内層の順に型込めしてプレス成型し、1250℃で9時間温度保持して焼成することにより、ビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を観察したところ、ヒビ割れは発見されず良好な多層砥石車であった。
次に、得られたビトリファイド多層砥石車を回転試験機に取り付け、4800m/分の高速回転試験を行ったが破壊には至らず、フランジ取り付け部及びその近傍にも異常は見られなかった。結果を表1に示す。
(実施例2)
外層には、46メッシュの白色アルミナ砥粒、36メッシュの解砕型アルミナ砥粒、36メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には46メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には54メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同じ製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
外層には、46メッシュの白色アルミナ砥粒、36メッシュの解砕型アルミナ砥粒、36メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には46メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には54メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同じ製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を確認したところ、ヒビ割れは発見されず良好な多層砥石車であった。
次に、得られたビトリファイド多層砥石車を回転試験機に取り付け、4800m/分の高速回転試験を行ったが破壊には至らず、フランジ取り付け部及びその近傍にも異常は見られなかった。結果を表1に示す。
(実施例3)
外層には、120メッシュの白色アルミナ砥粒、100メッシュの解砕型アルミナ砥粒、100メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には120メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には150メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
外層には、120メッシュの白色アルミナ砥粒、100メッシュの解砕型アルミナ砥粒、100メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合したものを、中間層には120メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には150メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を確認したところ、ヒビ割れは発見されず良好な多層砥石車であった。
次に、得られたビトリファイド多層砥石車を回転試験機に取り付け、4800m/分の高速回転試験を行ったが破壊には至らず、フランジ取り付け部及びその近傍にも異常は見られなかった。結果を表1に示す。
(実施例4)
外層には54メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒、中間層には60メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒、内層には80メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒を用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
外層には54メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒、中間層には60メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒、内層には80メッシュの緑色炭化ケイ素砥粒を用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を確認したところ、ヒビ割れは発見されず良好な多層砥石車であった。
次に、得られたビトリファイド多層砥石車を回転試験機に取り付け、4800m/分の高速回転試験を行ったが破壊には至らず、フランジ取り付け部及びその近傍にも異常は見られなかった。結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1として、実施例1の外層の配合物だけの1層構造とした以外は、実施例1と同様にして作製した。焼成後に目視観察してもヒビ割れは発見されなかった。
比較例1として、実施例1の外層の配合物だけの1層構造とした以外は、実施例1と同様にして作製した。焼成後に目視観察してもヒビ割れは発見されなかった。
次に、高速回転試験を行ったが回転速度3600m/分付近で砥石が破壊した。結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例2として、実施例1の中間層の部分を外層の配合物に代え、外層と内層からなる2層構造とした以外は、実施例1と同様にして作製した。焼成後に目視観察すると外層と内層の収縮率差の影響で外層〜内層界面付近にヒビ割れが見られた。また、高速回転試験を行っても回転速度1000m/分付近で砥石が破壊した。結果を表2に示す。
比較例2として、実施例1の中間層の部分を外層の配合物に代え、外層と内層からなる2層構造とした以外は、実施例1と同様にして作製した。焼成後に目視観察すると外層と内層の収縮率差の影響で外層〜内層界面付近にヒビ割れが見られた。また、高速回転試験を行っても回転速度1000m/分付近で砥石が破壊した。結果を表2に示す。
(比較例3)
外層には、36メッシュの白色アルミナ砥粒、24メッシュの解砕型アルミナ砥粒、24メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合した平均の砥石粒度が26.4メッシュのものを、中間層には36メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には46メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
外層には、36メッシュの白色アルミナ砥粒、24メッシュの解砕型アルミナ砥粒、24メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合した平均の砥石粒度が26.4メッシュのものを、中間層には36メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には46メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を確認したところ、ヒビ割れは発見されず良好な多層砥石車であったが、高速回転試験で3600m/分付近で砥石が破壊した。結果を表2に示す。
(比較例4)
外層には、150メッシュの白色アルミナ砥粒、120メッシュの解砕型アルミナ砥粒、120メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合した平均の砥石粒度が126メッシュのものを、中間層には150メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には180メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
外層には、150メッシュの白色アルミナ砥粒、120メッシュの解砕型アルミナ砥粒、120メッシュの淡紅型アルミナ砥粒を重量比1:2:2で混合した平均の砥石粒度が126メッシュのものを、中間層には150メッシュの白色アルミナ砥粒のみを、内層には180メッシュの白色アルミナ砥粒のみを用いた。これらの砥粒を実施例1と同様の製造方法でビトリファイド多層砥石車を作製した。
得られたビトリファイド多層砥石車の表面を目視でヒビ割れの発生有無を確認したところ、外周面と内周面付近の数箇所にヒビ割れが確認された。また、高速回転試験を行っても1000m/分付近で砥石が破壊した。結果を表2に示す。
Claims (3)
- 外層、中間層及び内層からなる3層構造のビトリファイド多層砥石車であって、外層及び中間層の砥石粒度は、内層の砥石粒度より粗く、かつ外層及び中間層の砥石粒度が36メッシュ〜120メッシュであることを特徴とするビトリファイド多層砥石車。
- 前記中間層及び内層の砥石密度が、前記外層の砥石密度に対して密度比1.0より大きく、1.1以下である請求項1に記載のビトリファイド多層砥石車。
- 前記中間層及び内層の曲げ強度が、前記外層の曲げ強度に対して曲げ強度比1.1〜1.6である請求項1又は2に記載のビトリファイド多層砥石車。
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