JP3363798B2 - 2重構造ビトリファイド砥石車 - Google Patents

2重構造ビトリファイド砥石車

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JP3363798B2
JP3363798B2 JP24839698A JP24839698A JP3363798B2 JP 3363798 B2 JP3363798 B2 JP 3363798B2 JP 24839698 A JP24839698 A JP 24839698A JP 24839698 A JP24839698 A JP 24839698A JP 3363798 B2 JP3363798 B2 JP 3363798B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビトリファイド砥
石組織から成る環状の外周砥石部と、専らその外周砥石
部を支持するためにその内周側に接着された円盤状のコ
アー部とを有する2重構造ビトリファイド砥石車に関
し、特に研削性能を得つつ超高速研削を可能とする技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】研削加工の分野においては、研削能率を
上げるためなどを目的として、ますます高周速のビトリ
ファイド砥石車が求められている。このような高周速の
ビトリファイド砥石車では、極めて大きな遠心力が作用
するため、特に、その中央部に設けられた取付穴付近の
強度が十分に得られるか否かがその使用周速を決定する
重要な鍵となっている。従来より、研削砥石車の使用周
速(破壊強度よりも十分に低く設定された周速)を可及
的に高めて高速研削を行うための研究が行われており、
現在では、一般砥石においても3600m/分程度の使
用周速を可能とするレベルまでに到達している。
【0003】しかしながら、上記3600m/分程度の
使用周速よりも33%程度高い使用周速、たとえば超高
速研削と称されるような4800m/分程度の使用周速
を実用的に製造できる技術は未だ提供されていない。こ
のような超高速研削砥石すなわち超高周速用の砥石とし
ては、ビトリファイド砥石組織の結合度を高めることに
より強度を高めた単一組織の高周速用ビトリファイド砥
石車や、超砥粒砥石車のように、鋼鉄、アルミニウム合
金などの金属材料、FRPとして知られるガラス繊維強
化樹脂などを用いて高強度のコアー(内周)部を製造
し、その外周にビトリファイド砥石を接着した2重構造
ビトリファイド砥石車が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の高周速用の砥石車は、以下に述べるように種々の欠
点があり、いずれも研削性能と高周速とを経済性的に両
立させることができなかった。すなわち、単一組織の高
周速用ビトリファイド砥石車は、高強度を得るためその
ビトリファイド砥石組織の結合度を高めていることか
ら、たとえばK以下の軟結合度を採用することは不可能
であり、そのように結合度が高められると研削焼けを生
じ易く満足な研削性能が得られないという欠点があっ
た。これに対してコアー部の外周にビトリファイド砥石
組織からなる外周砥石部を接着する形式の2重構造砥石
車は、専ら研削に関与するビトリファイド砥石の結合度
を研削性能に合わせて選択できるため、高速研削時の研
削性能が得られるけれども、種々の欠点があった。先
ず、鋼鉄製コアー部の外周にビトリファイド砥石を接着
した2重構造ビトリファイド砥石は、コアー部が重く、
高速回転させる駆動モータや重量が大きくなったりして
研削盤への負担が大きくなるという欠点があった。ま
た、アルミニウム合金製コアー部の外周にビトリファイ
ド砥石を接着した2重構造ビトリファイド砥石は、機械
への負担が比較的小さくなるが、コアー部の熱膨張が外
周部のビトリファイド砥石に比較して大きいので、ビト
リファイド砥石にクラックなどが発生する可能性があっ
た。また、ガラス繊維強化樹脂製コアー部の外周にビト
リファイド砥石を接着した2重構造ビトリファイド砥石
は、コアー部の熱膨張が小さく重量も比較的小さいけれ
ども、材料費が高く、超砥粒砥石車に比較して製造コス
ト割合が大きくなり易く、しかも製造工程が複雑である
ため高価となるという欠点があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景としてなされた
ものであり、その目的とするところは、上記の研削性能
が得られ且つ超高速研削が可能な2重構造ビトリファイ
ド砥石車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、本発明
は以上の事情を背景として為なされたものであり、その
要旨とするところは、超高速研削に用いる2重構造のビ
トリファイド砥石車であって、(a) 砥粒が無機結合剤に
より結合されたビトリファイド砥石組織から成る円環状
の外周砥石部と、(b) その外周砥石部の内周面に接着さ
れ、骨材が熱硬化性樹脂により結合された緻密な組織か
ら成り、80MPa以上の曲げ強度と20GPa以上の
弾性率とを有する円盤状のコアー部とを含み、(c) 前記
コアー部は、10%以下の気孔率を有する緻密な組織で
あり、カーボン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維などの
強化繊維を含み、(d) 前記コアー部の骨材は、溶融アル
ミナ質、炭化珪素質、2酸化珪素質、ジルコニア質のい
ずれかから成り且つ60乃至100番の粒度を有する無
機質粒体であり、(e) 前記コアー部の熱硬化性樹脂は、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含むことに
ある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、砥粒が無機結合
剤により結合されたビトリファイド砥石組織から成る円
環状の外周砥石部の内周面に、骨材が熱硬化性樹脂によ
り結合されたレジノイド砥石組織から成り、80MPa
以上の曲げ強度と20GPa以上の弾性率とを有する円
盤状のコアー部が接着されていることから、専ら研削に
関与する外周砥石部のビトリファイド組織の結合度が研
削性能を得るための結合度たとえばI、H、K程度の軟
結合度を用いることができるので、研削焼けのない高い
研削性能が得られる。また、コアー部は、骨材が熱硬化
性樹脂により結合されたレジノイド砥石組織から成り、
80MPa以上の曲げ強度と20GPa以上の弾性率と
を備えているので、砥石車の中央部の取付穴付近に位置
する部分に高い強度が得られて、4800m/分程度の
使用周速となる超高速研削が十分に可能となる。また、
コアー部の製造には既存のレジノイド砥石製造設備を利
用できるので、コストダウンや品質管理が容易となる。
また、ビトリファイド組織と比較して気孔率が大幅に小
さくされて緻密化されているので、その曲げ強度が高く
なるとともに弾性率が高くなって、超高周速を可能とす
るための高い強度が好適に得られる。また、このコアー
部は、10×10 -6 以下の熱膨張係数とされる。このよ
うにすれば、コアー部の外周に接着される円環上の外周
砥石部のクラックが好適に防止される。また、前記コア
ー部はカーボン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維などの
強化繊維を含むものであることから、その曲げ強度が高
くなるので、超高周速を可能とするための高強度が好適
に得られる。 また、60乃至100番の粒度の無機質粒
体が骨材として用いられるので、超高周速を可能とする
ための高強度が好適に得られる。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための第2の手段および効果】 第2発
明の要旨とするところは、超高速研削に用いる2重構造
のビトリファイド砥石車であって、(a) 砥粒が無機結合
剤により結合されたビトリファイド砥石組織から成る円
環状の外周砥石部と、(b) その外周砥石部の内周面に接
着され、骨材が熱硬化性樹脂により結合された緻密な組
織から成り、80MPa以上の曲げ強度と20GPa以
上の弾性率とを有する円盤状のコアー部とを含み、(c)
前記円環状の外周砥石部の内周面と前記円盤状のコアー
部の外周面とには、軸心に対して同じ角度で傾斜するテ
ーパ面がそれぞれ形成されたものである。このようにす
れば、砥粒が無機結合剤により結合されたビトリファイ
ド砥石組織から成る円環状の外周砥石部の内周面に、骨
材が熱硬化性樹脂により結合されたレジノイド砥石組織
から成り、80MPa以上の曲げ強度と20GPa以上
の弾性率とを有する円盤状のコアー部が接着されている
ことから、専ら研削に関与する外周砥石部のビトリファ
イド組織の結合度が研削性能を得るための結合度たとえ
ばI、H、K程度の軟結合度を用いることができるの
で、研削焼けのない高い研削性能が得られる。また、コ
アー部は、骨材が熱硬化性樹脂により結合されたレジノ
イド砥石組織から成り、80MPa以上の曲げ強度と2
0GPa以上の弾性率とを備えているので、砥石車の中
央部の取付穴付近に位置する部分に高い強度が得られ
て、4800m/分程度の使用周速となる超高速研削が
十分に可能となる。また、コアー部の製造には既存のレ
ジノイド砥石製造設備を利用できるので、コストダウン
や品質管理が容易となる。また、円環状の外周砥石部の
内周面と前記円盤状のコアー部の外周面とには、軸心に
対して同じ角度で傾斜するテーパ面がそれぞれ形成され
ていることから、接着作業が容易となって接着むらが好
適に防止されるとともに、心ずれやそれに起因する動バ
ランス修正作業負担が好適に抑制される。
【0012】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例の2重構造ビト
リファイド砥石車10を示している。この2重構造ビト
リファイド砥石車10は、全体として円盤状を成し、専
らワークを研削するために砥粒が無機結合剤により結合
されたビトリファイド砥石組織から成る円環状の外周砥
石部12と、その内周側に専ら外周砥石部12を支持す
るために固着された、骨材が熱硬化性樹脂により結合さ
れた、レジノイド砥石組織と略同様の比較的緻密な組織
から成る円盤状のコアー部14を有している。上記外周
砥石部12のビトリファイド砥石組織は、よく知られた
ものであり、炭化珪素(SiC)質或いは溶融アルミナ
(Al2 3 )質、ジルコニア質などの砥粒或いは砥材
が、2酸化珪素(SiO2 )などを主成分とするガラス
質の無機結合剤(ビトリファイドボンド)により結合さ
れるとともに連続或いは不連続の無数の気孔が形成され
た多孔質の組織である。このような組織は、よく知られ
ているように、たとえば7×10-6程度の熱膨張率を有
し、研削に際して、ワークに摺接する研削面の砥粒が適
度に破砕或いは脱落して砥粒の切れ刃の再生が好適に行
われるようになっている。
【0014】以上のように構成された外周砥石部12
は、上記無機結合剤を構成する種々の材質やそれらの割
合が選択されることにより、研削焼けを防止して超高速
研削性能を高めるために比較的柔らかな、K以下の軟質
の軟結合度、たとえばI、H、K程度の結合度(JIS R
6004)を備えたビトリファイド砥石組織とされている。
また、結合度の如何にかかわらず、単体としてのビトリ
ファイド砥石を製造した場合に、破壊周速が9000m
/分以下、好適には8000m/分以下の強度を有する
ビトリファイド砥石が好適に用いられる。
【0015】また、上記コアー部14は、60乃至10
0番程度、好適には80番程度の粒子であって、炭化珪
素(SiC)質或いは溶融アルミナ(Al2 3 )質、
ジルコニア質などの砥粒、その表面の一部或いは全部に
2酸化珪素(SiO2 )を主成分とするガラス質が固着
したもの、或いは他の同様な耐火物原料などの無機質粒
体を骨材とし、その骨材を40容積%以上、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂のようなそれらを結合させるための
熱硬化性樹脂を45容積%以上、そして必要に応じてカ
ーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの補強材
(強化繊維)を1〜20容積%程度含み、その熱硬化性
樹脂が硬化させられることによって構成されたレジノイ
ド砥石組織と同様の組織から成るものである。
【0016】また、上記のように構成されたコアー部1
4は、超高周速を実現することを目的として特にその中
央部の取付穴16付近の強度を高めるために、よく知ら
れたレジノイド砥石組織よりも熱硬化性樹脂の割合を多
くするなどして、気孔率が10容積%以下の極めて緻密
な組織とされ、或いは必要に応じて補強材(強化繊維)
が加えられることにより、曲げ強度が80MPa以上、
弾性率が20GPa以上の高強度とされており、外周砥
石部12のクラックを防止する意味で熱膨張係数は10
×10-6以下とされている。
【0017】図2の断面図に示すように、上記円環状の
外周砥石部12の内周面18は、中心線に対して1〜3
度の範囲内、好適には2度程度の角度θで傾斜したテー
パ面状に形成されているとともに、上記コアー部14の
外周面20も、同様に、中心線に対して1〜3度の範囲
内、好適には2度程度の角度θで傾斜したテーパ面状に
形成されており、それら外周砥石部12の内周面18と
コアー部14の外周面20とが接着剤層22を介して相
互に接着されることにより相互に一体的に結合されてい
る。図2では、理解を容易とするために実際よりは大幅
に厚く描かれているが、上記接着剤層22はたとえば
0.2乃至0.6mm程度の厚みであり、その接着剤層2
2にはたとえばエポキシ樹脂系接着剤或いはフェノール
樹脂系接着剤のような熱硬化性樹脂系の接着剤が用いら
れる。
【0018】上記接着剤層22の厚みが0.2mmを下ま
わる場合には、接着むらが発生し易くなって接着強度が
ばらつき、0.6mmを越える場合には、外周砥石部12
とコアー部14との心ずれが発生し易くなって動バラン
スに影響が出易くなる。また、上記内周面18および外
周面20の角度θは、たとえば1度乃至3度の範囲、好
ましくは1.5度から2.5度の範囲が好適に用いられ
る。角度θが1.5度よりも小さい場合には接着剤を均
一に介在させる作業が困難となって接着むらが発生し易
くなり、1度よりも小さい場合には接着剤を均一に介在
させる作業が極端に困難となって接着むらが発生するこ
とが避けられない。また、角度θが2.5度よりも大き
い場合には外周砥石部12とコアー部14との心ずれが
発生し易くなり、3度よりも大きい場合には外周砥石部
12とコアー部14との心ずれが大きくなって、たとえ
砥石の仕上げ工程において外周形状が整えられても重心
の心ずれが解消されず、動バランス修正作業負担が大き
くなる。
【0019】なお、一般的な形状の砥石車に用いる場合
には、図2に示すように、2重構造ビトリファイド砥石
車10の外形をD、コアー部14の内径をdとすると、
そのコアー部14の外形は(D+d)/2以下とされて
いる。一般的な形状の砥石車では、超砥粒砥石に比較し
て研削比が小さいので、超高速研削を可能とし且つ砥石
使用代を確保するためにコアー部14の外形を必要且つ
十分な大きさとするための条件である。
【0020】図3は、上記2重構造ビトリファイド砥石
車10の製造工程の要部を示している。図において、砥
石原料調整工程30では、外周砥石部12の原料、たと
えば炭化珪素質砥粒(SiC砥粒)、溶融アルミナ質砥
粒(Al2 3 砥粒)などの砥粒と、酸化珪素(SiO
2 )を主成分とするガラス質を形成するための珪石粉、
長石粉、粘土、ガラスフリットなどの混合体から成る無
機結合剤(ビトリファイドボンド)と、成形時の保型性
を高めるためにある程度の相互粘着力を発生させるデキ
ストリンなどの粘結剤と、必要に応じて混合される有機
物或いは無機バルーンのような気孔形成剤とが所定の重
量比で混合される。たとえば、上記砥粒として粒度が6
0番のWA(ホワイトアランダム)94重量部に対し
て、6重量部の無機結合剤、6重量部のクルミ粉、2重
量部のデキ水が、よく知られた混合機により混合され
る。
【0021】続く砥石部成形工程32では、上記混合原
料が成形金型内に充填された状態でプレス装置によって
比較的高圧で加圧されることにより、図1の外周砥石部
12に示すような円環状の成形体が得られるとともに、
このような未焼成段階において寸法仕上げが切削工具な
どを用いて行われる。次いで、砥石部焼成工程34で
は、その円環状の成形体が焼成窯内において無機結合剤
の溶融温度に対応させた焼成温度たとえば900℃程度
乃至1300℃程度の焼成温度で焼成されることにより
結合され、ビトリファイド砥石組織を有する外周砥石部
12が作成される。因みに、上記の無機結合剤の化学成
分は、たとえばSiO2 が60%、Al23 が20
%、Na2 3 が5%、K2 Oが5%、CaOが3%、
MgOが2%、B2 3 が5%であって、酸化珪素Si
2 を主成分としていることが判る。
【0022】穴仕上げ工程36では、砥石部焼成工程3
4を経て焼成された外周砥石部12のテーパ面状の内周
面18の径や傾斜角度θが予め設定された公差内となる
ように、外周砥石部12の内周面18がドレッシング工
具、切削工具を用いて削除されることにより、テーパ面
状の内周面18が予め設定された径寸法およびテーパ角
度に仕上げられる。
【0023】コアー部原料調整工程42では、炭化珪素
(SiC)質或いは溶融アルミナ(Al2 3 )質、ジ
ルコニア質などの砥粒、またはその表面の一部或いは全
部に酸化珪素(SiO2 )を主成分とするガラス質が固
着したものたとえば焼成後のビトリファイド砥石の仕上
粉(仕上屑、所謂ファン粉)などを骨材として精製し、
80番程度の粒度のものが選別される。次いで、その骨
材を40容積%以上に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂
のようなそれらを結合させるための粉体状および液状の
熱硬化性樹脂を合わせて45容積%以上、そして必要に
応じてカーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維など
の補強材(強化繊維)を1〜20容積%程度が加えられ
て混合されることにより、コアー部原料が調整される。
【0024】続くコアー部成形工程44では、上記のよ
うにして調整されたコアー部原料が所定の金型内に充填
され、且つプレス装置によって押圧されることにより、
図2に示すような円盤状の成形体に成形される。次い
で、コアー部焼成工程46では、円盤状の成形体に所定
の熱処理温度で所定時間熱処理を施すことにより硬化さ
せる。この工程46は熟成工程とも称されるものであ
り、その熱処理温度および熱処理時間は、上記熱硬化性
樹脂を硬化させるためのよく知られた値であって、たと
えば200度程度の温度および24時間程度の時間であ
る。
【0025】コアー部仕上げ工程48では、上記の工程
46によって加熱硬化させられた円盤状成形体に対し
て、その外周面20の径および傾斜角度θが予め設定さ
れた公差内となるように、コアー部14の外周面20が
ドレッシング工具、切削工具を用いて削除されることに
より、テーパ面状の外周面20が予め設定された径寸法
およびテーパ角度に仕上げられる。
【0026】上記の工程を経て製造された2重構造ビト
リファイド砥石車10は、砥粒が無機結合剤により結合
されたビトリファイド砥石組織から成る円環状の外周砥
石部12の内周面18に、骨材が熱硬化性樹脂により結
合された略レジノイド砥石組織と同様の緻密な組織から
成り、80MPa以上の曲げ強度と20GPa以上の弾
性率とを有する円盤状のコアー部14が接着されて構成
されることから、専ら研削に関与する外周砥石部12の
ビトリファイド組織の結合度が研削性能を得るための結
合度たとえばI、H、K程度の軟結合度を用いることが
できるので、研削焼けのない高い研削性能が得られる。
また、コアー部14は、骨材が熱硬化性樹脂により結合
されたレジノイド砥石組織から成り、80MPa以上の
曲げ強度と20GPa以上の弾性率とを備えているの
で、砥石車の中央部の取付穴付近に位置する部分に高い
強度が得られて、4800m/分程度の使用周速となる
超高速研削が十分に可能となる。
【0027】以下、上記のような工程で構成される2重
構造ビトリファイト砥石車10の実験例を説明する。
【0028】
【実験例1】本実験例1では、図4に示すように、前記
コアー部14においてその骨材(砥材)量および熱硬化
性樹脂(ボンド)量を変化させて前述の工程に従って製
造した5種類のコアー部試料No.1乃至No.5と、図5に示
す、前記外周砥石部12においてその無機結合剤(ボン
ド)量を変化させて前述の工程に従って製造した2種類
の外周砥石部試料No.1乃至No.2とを前記2重構造ビトリ
ファイド砥石車10と同様に相互に接着して組み合わせ
ることにより、7種類の2重構造ビトリファイド砥石車
試料(組み合わせ品試料)No.1-1乃至No.1-5およびNo.2
-1乃至No.2-2を作成し、それら7種類の2重構造ビトリ
ファイド砥石車試料No.1-1乃至No.1-5およびNo.2-1乃至
No.2-2の破壊周速が測定され、その測定結果は図6に示
されている。なお、この破壊周速とは、2重構造ビトリ
ファイド砥石が破壊に至ったときの周速である。また、
たとえば2重構造ビトリファイド砥石車試料No.1-1と
は、コアー部試料No.1と外周砥石部試料No.1とが組合せ
られたものであり、2重構造ビトリファイド砥石車試料
No.2-2とは、コアー部試料No.2と外周砥石部試料No.2と
が組合せられたものである。
【0029】砥石車の使用周速は、安全上の配慮から、
その回転破壊周速の1/2程度に決定されるのが一般的
である。この観点から言うと、上記図6において、超高
速研削と称される4800m/分程度の使用周速を満足
できるものは、2重構造ビトリファイド砥石車試料No.1
-1乃至No.1-3およびNo.2-1乃至No.2-2であり、2重構造
ビトリファイド砥石車試料No.1-4およびNo.1-5は不十分
である。この測定値からは、コアー部14の物性として
は、少なくとも80MPa以上の曲げ強度および20G
Pa以上の弾性率を備えたものであればよいことが判
る。
【0030】
【実験例2】本実験例2では、上記2重構造ビトリファ
イド砥石車試料No.1-1乃至No.1-5およびNo.2-1乃至No.2
-2と同様の大きさ(外形および内径寸法および厚み寸
法)ではあるが、上記外周砥石試料No.1およびNo.2と同
じ単一材料で全体を構成した比較品砥石車試料No.1およ
びNo.2の破壊周速が測定され、その測定結果が図7に示
されている。この図7から明らかなように、前記図6に
示す2重構造ビトリファイド砥石車試料No.1-1乃至No.1
-5およびNo.2-1乃至No.2-2は、外周砥石部試料No.1およ
びNo.2と同じ単一材料で全体を構成した比較品砥石車試
料No.1およびNo.2とを対比すると、回転破壊強度が大幅
に優れていることが判る。
【0031】
【実験例3】本実験例3では、コアー部14を構成する
骨材を3種類の砥粒でそれぞれ構成した3種類のコアー
部試料の物性と、その3種類のコアー部試料を同じ構成
の外周砥石部試料たとえば外周砥石部試料No.1と組合せ
たときの回転破壊強度が測定され、図8に示されてい
る。この図8から明らかなように、粒度が80番の溶融
アルミナ質砥粒を骨材として用いたコアー部と、粒度が
80番の炭化珪素質砥粒を骨材として用いたコアー部
と、粒度が80番の酸化珪素ガラス質でコーティングさ
れた溶融アルミナ質砥粒を骨材として用いたコアー部と
の間では、物性および回転破壊強度にはそれ程差異がな
いが、酸化珪素ガラス質でコーティングされた溶融アル
ミナ質砥粒(仕上げ粉)を骨材として用いたコアー部
が、曲げ強度、弾性率、回転破壊強度において僅かに優
れている。砥粒にコーティングされた酸化珪素ガラス質
は熱硬化性樹脂との親和性および結合強度が高いためと
考えられる。
【0032】以上、本発明の一実施例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0033】たとえば、前述の実施例において、円環状
の外周砥石部12の内周側に固着されたコアー部14は
円盤状であったが、多角形状であってもよい。
【0034】また、前述の実施例において、図3のコア
ー部原料調整工程42では、必要に応じて真空脱泡が施
されても差し支えない。
【0035】また、前述の実施例のコアー部原料調整工
程42では、骨材が精製されていたが、それに代えて、
購入などによって予め用意された精製後の骨材が用いら
れてもよい。
【0036】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の2重構造ビトリファイド砥
石車を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例の2重構造ビトリファイド砥石車
の要部を示す断面図である。
【図3】図1の2重構造ビトリファイド砥石車の製造工
程を説明する図である。
【図4】実験例1において用いられたコアー部試料No.1
乃至No.5の組成および物性をそれぞれ示す図表である。
【図5】実験例1において用いられた外周砥石部試料N
o.1およびNo.2の組成および物性をそれぞれ示す図であ
る。
【図6】実験例1の2重構造ビトリファイド砥石車試料
(組み合わせ品試料)No.1-1乃至No.1-5およびNo.2-1乃
至No.2-2の破壊周速度をそれぞれ示す図表である。
【図7】実験例2の比較品砥石車No.1およびNo.2の破壊
周速度をそれぞれ示す図表である。
【図8】実験例3の骨材が異なる3種類のコアー部試料
の組成および物性と、それを用いたときの破壊周速度を
それぞれ示す図表である。
【符号の説明】
10:2重構造ビトリファイド砥石車 12:外周砥石部 14:コアー部 18:内周面(テーパ面) 20:外周面(テーパ面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−234474(JP,A) 特開 平5−285848(JP,A) 特開 平6−15575(JP,A) 特開 平10−138150(JP,A) 特開2000−6029(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 310 B24D 3/14 B24D 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高速研削に用いる2重構造のビトリフ
    ァイド砥石車であって、 砥粒が無機結合剤により結合されたビトリファイド砥石
    組織から成る円環状の外周砥石部と、 該外周砥石部の内周面に接着され、骨材が熱硬化性樹脂
    により結合された緻密な組織から成り、80MPa以上
    の曲げ強度と20GPa以上の弾性率とを有する円盤状
    のコアー部とを含み 前記コアー部は、10%以下の気孔
    率を有し、カーボン繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維な
    どの強化繊維を含むものであり、 前記コアー部の骨材は、溶融アルミナ質、炭化珪素質、
    2酸化珪素質、ジルコニア質のいずれかから成り且つ6
    0乃至100番の粒度を有する無機質粒体であり、 前記コアー部の熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、エポ
    キシ樹脂のいずれかを含む ことを特徴とする2重構造ビ
    トリファイド砥石車。
  2. 【請求項2】 超高速研削に用いる2重構造のビトリフ
    ァイド砥石車であって、 砥粒が無機結合剤により結合されたビトリファイド砥石
    組織から成る円環状の外周砥石部と、 該外周砥石部の内周面に接着され、骨材が熱硬化性樹脂
    により結合された緻密な組織から成り、80MPa以上
    の曲げ強度と20GPa以上の弾性率とを有する円盤状
    のコアー部とを含み、 前記円環状の外周砥石部の内周面と前記円盤状のコアー
    部の外周面とには、軸心に対して同じ角度で傾斜するテ
    ーパ面がそれぞれ形成されたことを特徴とする2重構造
    ビトリファイド砥石車。
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