JP3392056B2 - 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法 - Google Patents

樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法

Info

Publication number
JP3392056B2
JP3392056B2 JP17911598A JP17911598A JP3392056B2 JP 3392056 B2 JP3392056 B2 JP 3392056B2 JP 17911598 A JP17911598 A JP 17911598A JP 17911598 A JP17911598 A JP 17911598A JP 3392056 B2 JP3392056 B2 JP 3392056B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
grindstone
core portion
vitrified
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP17911598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000006029A (ja
Inventor
雄磨 和田
勝利 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritake Co Ltd filed Critical Noritake Co Ltd
Priority to JP17911598A priority Critical patent/JP3392056B2/ja
Publication of JP2000006029A publication Critical patent/JP2000006029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3392056B2 publication Critical patent/JP3392056B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビトリファイド砥
石組織から成る外周砥石部と、専らその外周砥石部を支
持するための樹脂製コアー部とを有するビトリファイド
砥石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビトリファイド砥石は、たとえば、砥粒
が無機結合剤により結合されて成るビトリファイド砥石
組織により内周部から外周部にわたって一様に構成され
ている。或いは、ビトリファイド砥石組織から成る外周
砥石部の内周に合成樹脂を含浸させて補強したことによ
り構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のビトリファイド砥石は、たとえば高速研削
において必ずしも充分な強度を得ることができず、研削
時の回転に耐えることができない場合があった。たとえ
ば、近年の高速研削たとえば3600〜4800m/min
程度の高速研削となると、従来のビトリファイド砥石で
は、多孔質且つ軟質結合のビトリファイド砥石組織で対
処するのが普通であるが、高速化の要求が高まるに伴っ
てコア部に必要とされる高強度化とは相反することにな
り、コア部強度がネックとなっていたのである。
【0004】本発明は以上の事情を背景としてなされた
ものであり、その目的とするところは、強度が一層改善
された高強度のコアー部或いは支持部を有するビトリフ
ァイド砥石を提供することにある。
【0005】本発明者等は以上の事情に基づいて種々検
討を重ねた結果、好ましくは120番以下であって好ま
しくは酸化珪素ガラスがコーティングされた砥材を骨材
としてエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂によって相互
におよび外周砥石部の内側に結合させたコアー部、或い
は、少なくとも半硬化状態のフェノール樹脂がコーティ
ングされることにより流動性が高められた砥材をそのフ
ェノール樹脂によって相互におよび外周砥石部の内側に
結合させたコアー部を用いると、従来のビトリファイド
砥石よりも格段に高い強度が得られることを見いだし
た。本発明はこのような知見に基づいて為されたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、本第1
発明の要旨とするところは、砥粒が無機結合剤により結
合されたビトリファイド砥石組織から成る外周砥石部の
内側に、専らその外周砥石部を支持するための樹脂製コ
アー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法であっ
て、(a) 焼成後のビトリファイド砥石から得られる砥石
廃棄物の粉粒体を含む、無機粒体の表面に酸化珪素質ガ
ラスが固着した骨材を、用意する工程と、(b)骨材と所
定の熱硬化性樹脂とを混合することにより前記コアー部
の材料を調整する調整工程と、(c) その調整工程により
調整された前記コアー部の材料を、前記外周砥石部の内
側に充填する充填工程と、(d) その充填工程により充填
されたコアー部の材料を硬化させることによりそのコア
ー部を前記外周砥石部の内側に固着するコアー部硬化工
程とを、含むことにある。
【0007】
【第1発明の効果】このようにすれば、骨材と所定の熱
硬化性樹脂とを混合することにより調整されたコアー部
の材料が、外周砥石部の内側に充填された状態で硬化さ
れることにより、上記骨材を含む樹脂製のコアー部が外
周砥石部の内側に固着される。コアー部の材料を硬化さ
せることによりそのコアー部が外周砥石部の内側に固着
されるので、接着剤を用いないで高い接着強度が得られ
ることによって、コアー部を有するビトリファイド砥石
が一層高強度とされる。また、無機粒体の表面に固着し
た酸化珪素質ガラスは、樹脂との親和性が高く、骨材と
樹脂との結合力が高められるので、高強度のコアー部を
有するビトリファイド砥石が得られる。さらに、使用済
ビトリファイド砥石などの産業廃棄物が再利用され、環
境保全に寄与できる利点がある。
【0008】
【0009】
【第1発明の他の態様】 また、好適には、前記骨材は、
120番以下の粒度を有する炭化珪素或いはアルミナか
ら成る粒体である。このようにすれば、一層高強度のビ
トリファイド砥石が得られる。
【0010】また、好適には、前記調整工程は、前記骨
材100重量部に対して20乃至50重量部の範囲内で
液状樹脂を混合するものである。このようにすれば、硬
化後の砥石強度を低下させない範囲で骨材と液状樹脂と
の混合体の好適な流動性が得られるので、流動不全によ
る歩留りの低下やコアー部の接着力低下が防止される。
【0011】また、好適には、前記調整工程は、前記
石廃棄物粉粒体と液状エポキシ樹脂とを混合することに
より流動性の混合流体を調整し、前記充填工程は、その
混合流体を前記外周砥石部の内側に流し込むものであ
る。このようにすれば、使用済ビトリファイド砥石など
の産業廃棄物が再利用され、環境保全に寄与できる利点
がある。
【0012】また、好適には、前記コアー部硬化工程に
よって硬化させられたコアー部は、300kg/cm2以上の
曲げ強度(抗折強度)、および500kg/mm2以上の弾性
率を有するものである。このようにすれば、高速回転可
能な強度を有するビトリファイド砥石が得られる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施例のビトリファイ
ド砥石10を示している。このビトリファイド砥石10
は、全体として円盤状を成し、専らワークを研削するた
めに砥粒が無機結合剤により結合されたビトリファイド
砥石組織から成る外周砥石部12と、その内周側に専ら
外周砥石部12を支持するために固着された樹脂製の支
持部すなわちコアー部14を有している。上記外周砥石
部12のビトリファイド砥石組織は、よく知られたもの
であり、炭化珪素(SiC)質或いは溶融アルミナ(A
2 3 )質などの砥粒或いは砥材が、酸化珪素(Si
2 )などを主成分とするガラス質の無機結合剤(ビト
リファイドボンド)により結合されるとともに連続或い
は不連続の無数の気孔が形成された多孔質の組織であ
る。このような組織は、研削に際して、ワークに摺接す
る研削面の砥粒が適度に破砕或いは脱落して砥粒の切れ
刃の再生が好適に行われるようになっている。
【0024】また、上記樹脂製コアー部14は、炭化珪
素(SiC)質或いは溶融アルミナ(Al2 3 )質、
4 C質、TiC質などの一般砥粒、またはその表面の
一部或いは全部に酸化珪素(SiO2 )を主成分とする
ガラス質が固着したものを骨材とし、その骨材を重量比
で60%以上含む液状のエポキシ樹脂が硬化させられる
ことにより高強度で構成されたものである。
【0025】図2は、上記ビトリファイド砥石10の製
造工程の要部を示している。図において、砥石原料調整
工程20では、外周砥石部12の原料、たとえば炭化珪
素質、溶融アルミナ質などの一般砥粒と、酸化珪素(S
iO2 )を主成分とするガラス質を形成するための珪石
粉、長石粉、粘土、ガラスフリットなどの混合体から成
る無機結合剤(ビトリファイドボンド)と、成形時にお
いてある程度の相互粘結力を発生させるためのデキスト
リンなどの粘結剤と、必要に応じて混合されるクルミ粉
や無機バルーンのような気孔形成剤とが所定の重量比で
混合される。たとえば、上記砥粒として粒度が60番の
WA(ホワイトアランダム)94重量部に対して、6重
量部の無機結合剤、6重量部のクルミ粉、2重量部のデ
キ水が、よく知られた混合機により混合される。続く砥
石部成形工程22では、上記混合原料が成形金型内に充
填された状態でプレス機械によって比較的高圧で加圧さ
れることにより、図1の外周砥石部12に示すような円
環状の成形体が一体的に得られる。次いで、砥石部焼成
工程24では、その円環状の成形体が焼成窯内において
たとえば1300°Cの焼成温度で焼結されることによ
り結合され、ビトリファイド砥石組織を有する外周砥石
部12が作成される。なお、上記無機結合剤の化学成分
は、たとえばSiO2 が60%、Al2 3 が20%、
Na2 3 が5%、K2 Oが5%、CaOが3%、Mg
Oが2%、B2 3 が5%であって、酸化珪素SiO2
を主成分とするものである。
【0026】骨材精製工程26では、炭化珪素(Si
C)質或いは溶融アルミナ(Al2 3 )質などの砥
粒、またはその表面の一部或いは全部に酸化珪素(Si
2 )を主成分とするガラス質が固着したものたとえば
仕上粉を骨材として精製する。炭化珪素質或いは溶融ア
ルミナ質などの砥粒表面に酸化珪素(SiO2 )を主成
分とするガラス質が固着したものは、たとえば、使用済
で小径となったビトリファイド砥石或いは欠け不良、寸
法不良などにより検査不合格となった焼成後のビトリフ
ァイド砥石、或いは後述の焼成後の仕上工程42におい
て削り屑として排出される仕上粉(ファン粉)などの砥
石廃棄物を破砕し且つ分級することにより、所定粒度た
とえば80番、100番、120番の骨材として得られ
る。たとえば、上記削り粉は、砥粒は87.5容積%程
度であり、無機結合剤(ビトリファイドボンド)は1
2.5容積%程度である。また、このときに骨材として
用いられる砥粒は、相互の砥粒の強度や熱膨張率が略同
じであるので、たとえばアランダム系であれば、WA、
PA(ピンクアランダム)、A(アランダム)の混合体
でもよい。
【0027】次いで、コアー部原料調整工程28では、
上記の骨材に対して好ましくは熱硬化性の液状樹脂であ
る結合剤が所定の割合で加えられる。たとえば骨材10
0重量部に対して50重量部の液状エポキシ樹脂が加え
られる。その後、それらがよく知られた混合機により混
合されることにより、流動性のあるコアー部原料が調整
される。そして、充填工程すなわち流し込み工程30に
おいて、上記コアー部原料調整工程28により調整され
た流動性のあるコアー部原料が、図3に示すように、前
記砥石部焼成工程24において焼成された環状の外周砥
石部12の内周側へ流し込まれることにより、その内周
側空間に充填される。図3は、コアー部原料32を収容
する混合容器34が傾斜されることにより、水平な基台
36上に垂直に立設された円柱状の心棒38と同心とな
るように位置決めされた外周砥石部12の内周側へ、コ
アー部原料32がその流動性を利用してその外周砥石部
12の厚み寸法と同等或いはそれよりも僅かに大きい深
さとなるまで流し込まれる状態を示している。
【0028】続いて、コアー部硬化工程40では、上記
コアー部原料32に含まれる液状樹脂の硬化条件が整え
られることにより、外周砥石部12の内周側へ流し込ま
れたコアー部原料32が硬化させられて相互に結合させ
られると同時に外周砥石部12の内周面にも結合され
る。たとえば、コアー部原料32に含まれる液状樹脂が
常温硬化型であれば常温において、高温硬化型であれば
その硬化温度に設定されたオーブン内において予め設定
された硬化時間だけ保持される。上記コアー部原料32
に液状エポキシ樹脂が用いられる場合には、たとえば6
0°Cの硬化温度が用いられる。
【0029】そして、仕上工程42では、外周砥石部1
2の内周側へ流し込まれたコアー部原料32が硬化させ
られたビトリファイド砥石10の表面が、ドレッシング
工具や切削工具を用いて1乃至2mm程度の深さだけ削除
されることにより、そのビトリファイド砥石10の外径
寸法、真円度、厚み寸法などが整えられる。砥石部成形
工程22や流し込み工程30では、上記の削り代だけ大
きい寸法となるように外周砥石部12およびコアー部1
4が成形されている。
【0030】上記の各工程を経ることによって、PAが
用いられた外周砥石部12と、120番のアランダム系
仕上げ粉100部に液状エポキシ樹脂50部を混合して
硬化させた樹脂製コアー部(外径400mmφ)14とか
ら成る、外径610mmφ×32mmt×内径304.8mm
φのビトリファイド砥石10が製造されるとき、その組
成および強度はたとえば図4に示されるものが得られる
と共に、破壊回転強度はたとえば図5に示されるものが
得られる。比較例は、上記PAが用いられた外周砥石部
と同様のビトリファイド砥石組織を全体に有する同様寸
法のビトリファイド砥石である。本実施例の工程により
製造されたビトリファイド砥石10は、図6の試料4に
相当するものであり、図4に示すように比較例(外周砥
石部と同じ組織)に対して倍近くの曲げ強度(45MP
a)が得られ、図5に示すように破壊回転速度が14%
以上高くなった。また、コアー部14の骨材として産業
廃棄物である仕上粉が用いられるので、産業廃棄物が再
利用され、環境保全に寄与できる利点がある。
【0031】また、図6の試料1乃至7は、上記の工程
を用いるとき、砥材の材料や液状樹脂の混合比を変化さ
せて実験したときの結果を示している。ここで、前述の
本発明の効果を得るための値として、コアー部14の曲
げ強度(抗折強度)が300kg/cm2以上、弾性率が50
0kg/mm2以上が必要であり、それらの値が基準値とな
る。図6の試料1乃至7から明らかなように、珪砂から
なる骨材の粒度が1000番である試料1は、曲げ強度
および弾性率において上記の基準値を下回るが、試料2
乃至試料7に示すように、炭化珪素質或いはアルミナ質
の骨材、または表面に酸化珪素質ガラスが固着した炭化
珪素質或いはアルミナ質骨材(削り粉)の粒度が120
番以下であれば、曲げ強度および弾性率において上記の
基準値を充分に上回るので、高速研削或いは重研削時の
回転に充分に耐え得るビトリファイド砥石10の強度が
得られることが明らかとなった。特に、試料4乃至試料
7に示すように、骨材としては、表面に酸化珪素質ガラ
スが固着したもの程、エポキシ樹脂を始めとする液状樹
脂との親和性が高いことから、高い強度が得られた。ま
た、骨材100重量部に対して20乃至50の範囲の重
量部で液状樹脂を混合するものであると、充分な強度が
得られるが、その液状樹脂の重量比が低い程高い強度が
得られるが、液状樹脂が20重量部を下回るとコアー部
原料32の流動性が失われて作業性が低下し、50重量
部を上回ると骨材が不足して充分な強度が得られない。
【0032】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通する部分に
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】図7は、前記ビトリファイド砥石10を製
造するための他の工程例を示している。図において、コ
ーテッドサンド製造工程50では、骨材精製工程26に
より精製された150番以下、好適には60〜120番
の骨材、すなわち炭化珪素質砥粒、溶融アルミナ質砥
粒、或いはそれらの表面一部または全部に酸化珪素質ガ
ラス(砥石の無機結合剤)が固着した無機粒子(たとえ
ば仕上粉として知られる砥石廃棄物)の表面に、骨材1
00に対して1乃至10の重量比の熱硬化性樹脂である
フェノール樹脂が半硬化状態でコーティングされること
により、JISR6126−1970試験法の落下速度
が30g/sec 以上となるまでに流動性が高められたレジ
ンコーテッドサンドが製造される。この半硬化状態と
は、後述の加圧や加熱によって充分な成形結合性や結合
力が補償される範囲で充填時の流動性を高めるために、
液状フェノール樹脂が上記骨材の表面にコーティングさ
れた後に硬化すなわち適度な分子量となるように重合を
適度に進行させて砂状流動性を付与した状態である。上
記無機粒子に被覆されるレジンは、たとえばフェノール
にホルムアルデヒトを反応させたノボラックをアルコー
ルに溶解しておき、ヘキサメチレンテトラミンを必要量
添加したものであり、コールドコート法により上記無機
粒子に被覆される。
【0034】次いで、調整工程52では、上記レジンコ
ーテッドサンド100重量部に対して10乃至30重量
部の範囲内の予め設定された値となるように、骨材にコ
ーティングされたものと同系統の熱硬化性樹脂である比
較的乾いた粉体状或いは粉末状の熱硬化性樹脂であるフ
ェノール樹脂がレジンコーテッドサンドに加えられてそ
れと混合されることにより、流動性のあるコアー部原料
が調整される。上記粉末状のフェノール樹脂は、たとえ
ば微粉であり、30重量部を越えて過度に添加される
と、レジンコーテッドサンドの流動性が損なわれる。
【0035】充填工程54では、前記図3に示されるも
のと同様の状態で、上記調整工程52で調整された流動
性のあるコアー部原料が、砥石部焼成工程24において
焼成された環状の外周砥石部12の内周側へ流し込まれ
ることにより、その内周側空間に充填されるとともに、
プレス装置によって1〜60kg/cm2程度の比較的小さな
圧力で加圧されることにより、コアー部原料が外周砥石
部12の内周側空間内において均質化且つ緻密化され且
つ外周砥石部12の内周壁面に食い込むとともに、表面
に半硬化状態のフェノール樹脂がコーティングされたレ
ジンコーテッドサンドがある程度相互に結合される。
【0036】続くコアー部硬化工程56では、上記レジ
ンコーテッドサンドの半硬化状態の被覆樹脂であるフェ
ノール樹脂の硬化条件が整えられることにより、レジン
コーテッドサンドが外周砥石部12の内周側空間内にお
いて緻密に充填された状態で硬化させられて、レジンコ
ーテッドサンドが相互に結合され且つ外周砥石部12の
内周面に結合されることにより、充分な強度のコアー部
14が構成される。たとえば、上記コアー部硬化工程5
6では、外周砥石部12の内周側空間内においてレジン
コーテッドサンドが緻密に充填されたものが、たとえば
200°Cの硬化温度で5〜15分程度の比較的短時間
の硬化時間だけ保持される。尚、場合によっては、その
後に1〜2時間程度の間、150°C程度の温度で保持
されることもある。そして、仕上工程42において、レ
ジンコーテッドサンドの硬化後に表面に仕上げが施され
ることにより、図1に示すビトリファイド砥石10が得
られる。
【0037】上記の各工程を経ることによってビトリフ
ァイド砥石10が製造されるとき、図2の工程のよう
に、液状樹脂或いはそれを含む流体状のコアー部原料3
2を製造作業において取り扱う必要がなく、さらさらの
粉状のレジンコーテッドサンドを流し込む作業や、それ
を抑えるプレス作業を行うだけでよいので、作業が容易
となるとともに作業環境が大幅に改善される。また、コ
アー部14において骨材を結合させるために用いられる
樹脂量が比較的少なくすむので、コアー部14の強度を
容易に得ることができるとともに、コアー部14の硬化
作業の時間が比較的短時間となる利点がある。また、レ
ジンコーテッドサンドの中心粒体すなわちコアー部14
の骨材として、産業廃棄物である仕上粉が用いられ得る
ので、その場合には、産業廃棄物が再利用され、環境保
全に寄与できる利点がある。
【0038】図6の試料8乃至11は、上記の工程によ
り外周砥石部12の内周側空間内においてレジンコーテ
ッドサンドを充填し且つ硬化することにより高強度のコ
アー部14を作成する場合に、砥材或いは骨材の材料を
変化させたときの実験した結果を示している。ここで、
前述と同様に、本発明の効果を得るための値として、コ
アー部14の曲げ強度(抗折強度)が300kg/cm2
上、弾性率が500kg/mm2以上が必要であり、それらの
値が基準値となる。図6の試料8乃至11から明らかな
ように、珪砂からなる骨材(粒度80)を用いた試料8
は、曲げ強度および弾性率において上記の基準値を下回
るが、試料9乃至試料11に示すように、炭化珪素質或
いはアルミナ質の骨材、または表面に酸化珪素質ガラス
が固着したアルミナ質骨材(削り粉)(粒度80)を用
いると、曲げ強度および弾性率において上記の基準値を
充分に上回るので、高速研削或いは重研削時の回転に充
分に耐え得るビトリファイド砥石10の強度が得られる
ことが明らかとなった。特に、試料11に示すように、
骨材としては、表面に酸化珪素質ガラスが固着したもの
程、フェノール樹脂との親和性が高いことから、高い強
度が得られた。なお、データは示されていないが、骨材
100重量部に対して1乃至15重量部の範囲で骨材の
表面を覆うために用いられる熱硬化性樹脂および熱硬化
性樹脂粉体を用いるものであると、充分に好適な強度が
得られる。その熱硬化性樹脂の重量比が低すぎると結合
力が低下してコアー部14の強度が得られ難くなり、熱
硬化性樹脂の重量比が高すぎても、骨材が不足して強度
が得られ難くなる。
【0039】以上、本発明の一実施例を図面を用いて説
明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0040】たとえば、前述の実施例において、円環状
の外周砥石部12の内周側に固着されたコアー部14は
円盤状であったが、多角形状であってもよい。
【0041】また、前述の実施例において、図2のコア
ー部原料調整工程28では液状のエポキシ樹脂が用いら
れていたが、液状フェノール樹脂などの液状の熱硬化性
樹脂が用いられてもよいし、図7のコーテッドサンド製
造工程50では、無機粒子の表面に半硬化状態のフェノ
ール樹脂がコーティングされていたが、半硬化状態のエ
ポキシ樹脂がコーティングされても差し支えない。
【0042】また、前述の実施例において、図2のコア
ー部原料調整工程28や流し込み工程30などでは、必
要に応じて真空脱泡が施されても差し支えない。
【0043】また、前述の実施例において、骨材を用意
する工程に対応する骨材精製工程26は必ずしも設けら
れていなくてもよく、骨材を用意する工程として骨材を
購入する工程が設けられていてもよい。同様に、レジン
コーテッドサンドを用意する工程に対応するコーテッド
サンド製造工程50は必ずしも設けられていなくてもよ
く、レジンコーテッドサンドを用意する工程としてレジ
ンコーテッドサンドを購入する工程が設けられていても
よい。
【0044】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法によって製造され
たビトリファイド砥石を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例のビトリファイド砥石を製造する
方法の要部を説明する工程図である。
【図3】図2の流し込み工程を説明する図である。
【図4】図2の製造方法により製造されたビトリファイ
ド砥石車の構造および曲げ強度を示す図である。
【図5】図2の製造方法により製造されたビトリファイ
ド砥石車の破壊回転強度を示す図である。
【図6】図2および図7の製造方法により種々の試料を
製造したときの実験結果を示す図である。
【図7】図1の実施例のビトリファイド砥石を製造する
他の方法の要部を説明する工程図である。
【符号の説明】
10:ビトリファイド砥石(ビトリファイド砥石車) 12:外周砥石部 14:コアー部 26:骨材精製工程(骨材を用意する工程) 28:コアー部原料調整工程(調整工程) 30:流し込み工程(充填工程) 32:コアー部硬化工程 50:コーテッドサンド製造工程(レジンコーテッドサ
ンドを用意する工程) 54:充填工程 56:コアー部硬化工程
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−234474(JP,A) 特開 昭62−68283(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24D 3/00 310 B24D 3/00 340 B24D 3/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒が無機結合剤により結合されたビト
    リファイド砥石組織から成る外周砥石部の内側に、専ら
    該外周砥石部を支持するための樹脂製コアー部を有する
    ビトリファイド砥石車の製造方法であって、焼成後のビトリファイド砥石から得られる砥石廃棄物の
    粉粒体を含む、無機粒体の表面に酸化珪素質ガラスが固
    着した骨材を、用意する工程と、 骨材と所定の熱硬化性樹脂とを混合することにより前
    記コアー部の材料を調整する調整工程と、 該調整工程により調整された前記コアー部の材料を、前
    記外周砥石部の内側に充填する充填工程と、 該充填工程により充填されたコアー部の材料を硬化させ
    ることにより該コアー部を前記外周砥石部の内側に固着
    するコアー部硬化工程とを、含むことを特徴とする樹脂
    製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記骨材は、120番以下の粒度を有す
    る炭化珪素或いはアルミナから成る粒体である請求項
    樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記調整工程は、前記骨材100重量部
    に対して20乃至50重量部の範囲内で液状樹脂を混合
    するものである請求項1または2のいずれかの樹脂製コ
    アー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法。
  4. 【請求項4】記調整工程は、前記砥石廃棄物粉粒体
    と液状エポキシ樹脂とを混合することにより流動性の混
    合流体を調整し、前記充填工程は、該混合流体を前記外
    周砥石部の内側に流し込むものである請求項1乃至
    いずれかの樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石
    車の製造方法。
JP17911598A 1998-06-25 1998-06-25 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法 Expired - Lifetime JP3392056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17911598A JP3392056B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17911598A JP3392056B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000006029A JP2000006029A (ja) 2000-01-11
JP3392056B2 true JP3392056B2 (ja) 2003-03-31

Family

ID=16060283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17911598A Expired - Lifetime JP3392056B2 (ja) 1998-06-25 1998-06-25 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3392056B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039331A (ja) 2001-08-01 2003-02-13 Noritake Co Ltd 樹脂製コア部を有する砥石車とその製造方法及び再利用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000006029A (ja) 2000-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1314516C (zh) 制备附聚物磨料颗粒的喷雾干燥方法和磨料制件
JP2704044B2 (ja) 結合研磨物品用収縮減少性組成物
JP3373797B2 (ja) 樹脂含浸補強ビトリファイド砥石およびその製造方法
JP4309357B2 (ja) ハイブリッド結合剤を用いて固定された砥粒物品
KR100861723B1 (ko) 센터리스 연삭방법
CA2267681C (en) Silicon carbide abrasive wheel
CN101316684B (zh) 一种固结模具和制造固结模具的方法
CN100467180C (zh) 玻璃化超级磨具及其制造方法
CN1652897A (zh) 轧辊磨削方法
US5989114A (en) Composite grinding and buffing disc with flexible rim
TW200538237A (en) Porous vitrified grinding wheel and method for production thereof
WO1999028086A1 (fr) Meule resinoide
JP2003039331A (ja) 樹脂製コア部を有する砥石車とその製造方法及び再利用方法
JPS63256364A (ja) 多孔質型超砥粒砥石
JP3392056B2 (ja) 樹脂製コアー部を有するビトリファイド砥石車の製造方法
JP3363798B2 (ja) 2重構造ビトリファイド砥石車
JP3350459B2 (ja) 複合砥石の製造方法
JP2678288B2 (ja) 超砥粒ビトリファイドボンド砥石及び製造方法
JP3273020B2 (ja) 砥石廃棄物を原料とするビトリファイド砥石の製造方法
JP2003117836A (ja) 高能率研削加工用レジンボンド砥石
JP2004142085A (ja) ビトリファイド研削砥石及びその製造方法
JPS63256365A (ja) 多孔質型砥石
JP2000226568A (ja) 固体潤滑剤を含む樹脂含浸ビトリファイド砥石
JP2002127020A (ja) 研削砥石の再生方法
JP2000246647A (ja) ビトリファイド超砥粒砥石及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090124

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100124

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120124

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130124

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130124

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term