JP3296278B2 - 内燃機関のシリンダライナ連結体の製造方法 - Google Patents

内燃機関のシリンダライナ連結体の製造方法

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JP3296278B2
JP3296278B2 JP35555497A JP35555497A JP3296278B2 JP 3296278 B2 JP3296278 B2 JP 3296278B2 JP 35555497 A JP35555497 A JP 35555497A JP 35555497 A JP35555497 A JP 35555497A JP 3296278 B2 JP3296278 B2 JP 3296278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のシリン
ダの内壁を形成するシリンダライナ同士を複数接合して
なるシリンダライナ連結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のシリンダブロックに形成され
たシリンダには、その内壁部分に、シリンダブロックと
は異なる材料にて形成されたシリンダライナが取り付け
られたタイプのものが存在する。シリンダが複数ある場
合には、複数のシリンダライナ同士を連結するために、
例えば、シリンダブロックの鋳造時にシリンダライナの
外周面全体を鋳ぐるむ構成を採用している。
【0003】最近、エンジンの軽量化および小型化のた
めに、複数シリンダのボア間ピッチを短縮化する傾向に
あり、このため、前記シリンダライナの配置間隔は極め
て狭くなる傾向にある。しかし、シリンダライナの間隔
をあまりに狭くしてしまうと、両側をシリンダライナに
挟まれた部分は、特に両側のシリンダからの熱が伝達さ
れやすく、高温になりやすい。このため、熱変形により
ボア形状が歪み、オイル消費やフリクションが悪化する
おそれがあった。
【0004】この問題を解決するためには、シリンダラ
イナ間に冷却水通路を形成することが必要であるが、上
述したごとく、シリンダライナの間隔を狭したために、
鋳造時にシリンダライナ間に冷却水通路を形成すること
が困難となった。
【0005】このようにシリンダライナの外周面全体を
鋳ぐるんでいる場合に冷却水路を確保する技術として、
シリンダブロックのデッキ面から、シリンダライナ間の
鋳物部分に研削砥石にてスリットを入れる方法が提案さ
れれている(実開昭59−175649号公報)。
【0006】また、シリンダライナ自体を一体に形成し
た後に、シリンダライナ間を冷却するために、シリンダ
ライナ間にドリルで貫通孔を形成し、該貫通孔内に熱伝
導性の高い材料を鋳込む技術も知られている(実開平4
−123344号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の技術で
は、デッキ面からシリンダライナ間の狭い部分にスリッ
トを形成するため、デッキ面での冷却水のシールが困難
となると共に、スリット幅も自ずと狭くかつ浅くならざ
るを得ず、冷却水の流量が少なくなる。しかもシリンダ
ライナの上部の極めて一部のみの冷却であり十分な冷却
効果が期待できなかった。
【0008】また、後者の技術のごとく、シリンダライ
ナ間にドリルで貫通孔を形成しようとすると、シリンダ
ブロック外壁が障害となって、最適な位置に貫通孔を開
けるのが困難であった。シリンダブロック外壁に作業用
の孔を開口すれば、シリンダライナ間の最適な位置に貫
通孔を開けることはできるが、作業後にシリンダブロッ
ク外壁の孔を塞ぐ作業が必要となり、製造コストが悪化
するという問題が発生した。
【0009】本発明は、シリンダライナの間隔が狭い状
況下においても、容易かつ十分な冷却水通路をシリンダ
ライナ間に設けることができるシリンダライナ連結体
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項のシリンダライ
ナ連結体の製造方法は、内燃機関の複数シリンダの内壁
を形成するシリンダライナ同士を接合するシリンダライ
ナ連結体の製造方法であって、外周面から突出する突出
部が設けられたシリンダライナ及びそのシリンダライナ
に接合される相手方のシリンダライナの内部空間に、同
内部空間の内径よりもわずかに小さい外径の円柱状ロッ
ド電極をそれぞれ挿入し、 前記円柱状ロッド電極同士を
近づけて、前記突出部の設けられたシリンダライナをそ
の突出部の先端にて前記相手方のシリンダライナの外周
面または突出部の先端に接触させ、 前記円柱状ロッド電
極同士を近づける方向に加圧し、該円柱状ロッド電極間
に電流を流すことで、この接触した部分を溶接すること
により前記突出部の周囲に空間を残したままシリンダラ
イナ同士を接合することを特徴とする。
【0020】このようにして、単なる接合により、シリ
ンダライナ間に冷却水が十分に流れるシリンダライナ連
結体を形成できるので、極めて製造が容易であり、製造
コストを抑制できる。また円柱(円柱状ロッド電極)に
て円筒内面を押圧するので、加圧溶接時にシリンダライ
ナを変形させることがない。また、単に通電加熱により
接触部を溶融させるのみで、シリンダライナ間に冷却水
が十分に流れるシリンダライナ連結体を形成できるの
で、極めて容易に製造でき、製造コストを抑制できる。
【0021】なお、請求項に示したごとく、前記隣接
するシリンダライナ同士は、各々、自己の外周面から突
出して設けられた突出部を有し、相互に、前記突出部の
先端にて、相手方のシリンダライナの外周面に接触さ
せ、この接触した部分を溶接することとしてもよい。こ
のようにすることにより、隣接する両方のシリンダライ
ナの外周面に相互に接合部を形成することができ、一方
のシリンダライナの外周面に接合部が偏らないので、接
合に伴う歪みも少なくて済む。
【0022】また、請求項に示したごとく、前記突出
部は、前記シリンダライナの外周面の周方向に延びる突
条であってもよい。この突条が形成されたシリンダライ
ナを用いることにより、シリンダライナの外周面の回転
位相に関係なく、接合を均一に行うことができ、シリン
ダライナ連結体の製造が一層容易となる。
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された内燃機関のシリンダライナ連結体2
の構成を表す斜視図であり、図2はその正面図である。
【0025】本シリンダライナ連結体2は、4つのシリ
ンダライナ4,6,8,10が、直線状に配列され、そ
の外周面4a,6a,8a,10aにて連結されて形成
されている。
【0026】連結前の各シリンダライナ4,6,8,1
0の構成を図3の正面図および図4の縦断面図に示す。
なお、図3,4では1つのシリンダライナ4について説
明するが、他のシリンダライナ6,8,10について
も、シリンダライナ4と同一形状であるので、シリンダ
ライナ4を代表として説明し、他のシリンダライナ6,
8,10については説明は省略する。
【0027】シリンダライナ4は円筒状をなし、図3,
4に示すごとく、その外周面4aの内、上端側と下端側
とに、縁部突条12,14(突出部に相当する)がリン
グ状に全周を取り巻いている。また、両縁部突条12,
14の間の外周面4aには、縁部突条12,14よりも
2倍の突出量で突出した4つの中間突条16,18,2
0,22(突出部に相当する)が、縁部突条12,14
と平行に外周面4aの全周を取り巻いている。
【0028】これら、縁部突条12,14および中間突
条16,18,20,22の間隔d1,d2,d3,d
4,d5は、2:2:2:2:1となるように形成され
ている。したがって、4つのシリンダライナ4,6,
8,10を交互に上下逆方向に配列して、各外周面4
a,6a,8a,10aを接触させると、隣接するシリ
ンダライナ(シリンダライナ4とシリンダライナ6、シ
リンダライナ6とシリンダライナ8、シリンダライナ8
とシリンダライナ10)間においては、縁部突条12の
先端部12aと縁部突条14の先端部14aとが接触
し、中間突条16,18,20,22の先端部16a,
18a,20a,22aは、それぞれ隣接するシリンダ
ライナ4,6,8,10の外周面4a,6a,8a,1
0aに接触する。この状態で、接触部分を接合すると、
図2に示したごとくのシリンダライナ連結体2が形成さ
れる。
【0029】この接合方法としては、例えば、抵抗溶接
の一種である抵抗プロジェクション溶接にて接合するこ
とができる。この抵抗プロジェクション溶接は、例え
ば、図5(a)に示すごとく行われる。
【0030】すなわち、シリンダライナ4の内部空間4
bおよびシリンダライナ6の内部空間6bにそれぞれ、
内部空間4b,6bの内径よりもわずかに小さい外径の
円柱状ロッド電極30,32を挿入する。そして、円柱
状ロッド電極30,32に設けられたライナ固定ピン3
0a,30b,32a,32bにて、シリンダライナ
4,6を正確な配置に固定する。
【0031】次に、円柱状ロッド電極30,32同士を
近づけて、シリンダライナ4の外周面4aとシリンダラ
イナ6の外周面6aとを接触させる。このことにより、
図5(b)に示すごとく、隣接するシリンダライナ4,
6間において、縁部突条12の先端部12aと縁部突条
14の先端部14aとが接触し、中間突条16,18,
20,22の先端部16a,18a,20a,22a
は、それぞれ隣接するシリンダライナ4,6の外周面4
a,6aに接触する。
【0032】この状態で、円柱状ロッド電極30,32
同士を近づける方向に加圧し、円柱状ロッド電極30,
32間に電流を流すことにより、縁部突条12の先端部
12aと縁部突条14の先端部14aとの接触部分、お
よび中間突条16,18,20,22の先端部16a,
18a,20a,22aと、シリンダライナ4,6の外
周面4a,6aとの接触部分に電流が集中して流れるこ
とにより、前記接触部分が発熱し、特に、前記接触部分
の近傍の縁部突条12,14の一部分および中間突条1
6,18,20,22の一部分が溶融して、相手方に溶
接される。このことにより、2つのシリンダライナ4,
6間が接合される。
【0033】このように接合されたシリンダライナ4,
6の連結体の内、シリンダライナ6に対して、同様に内
部空間8bに円柱状ロッド電極を挿通したシリンダライ
ナ8を、外周面6a,8a同士で接触させて通電すれ
ば、シリンダライナ4,6間と同様にシリンダライナ
6,8間が溶接される。こうして、3つのシリンダライ
ナ4,6,8の連結体が形成される。
【0034】そして、このシリンダライナ4,6,8の
連結体の内、シリンダライナ8に対して、同様に内部空
間10bに円柱状ロッド電極を挿通したシリンダライナ
10を、外周面8a,10a同士で接触させて通電すれ
ば、シリンダライナ8,10間が溶接される。こうし
て、4つのシリンダライナ4,6,8,10からなるシ
リンダライナ連結体2が完成する。
【0035】このように形成されたシリンダライナ連結
体2は、シリンダライナ4,6,8,10の外周面4
a,6a,8a,10a同士が直接接合しているのでは
なく、縁部突条12,14および中間突条16,18,
20,22を介して接合しているので、単に接合したの
みでも、図2に示したごとく、シリンダライナ連結体2
の一方側から他方側へ冷却水が十分に流動できる空間2
a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,2i
が、縁部突条12,14および中間突条16,18,2
0,22の周囲に自ずと確保される。
【0036】次に、このシリンダライナ連結体2を組み
込んでシリンダブロックを製造するには、例えば次のよ
うにする。図6に示すごとく、シリンダブロックの鋳型
40,42,44,46にシリンダライナ連結体2を組
み込む。このとき鋳型内の溶湯が満たされる空間にはシ
リンダライナ連結体2の外周面4a,6a,8a,10
aの下部2mが露出される。この状態で、図示矢印Sで
示すごとくアルミニウム合金の溶湯を注湯する。
【0037】この鋳型40,42,44,46から鋳物
が取り出されると、図7の縦断面図に示すごとく、シリ
ンダライナ連結体2の外周面4a,6a,8a,10a
の下部2mがアルミニウム合金で鋳ぐるまれることによ
りシリンダライナ連結体2を組み込んだシリンダブロッ
ク50が得られる。
【0038】なお、この後に、シリンダヘッドが取り付
けられるデッキ面50aやボアの内面52の面精度を上
げるための研削・研磨等がなされる。なお、既に、シリ
ンダライナ連結体2に組み立てる前のシリンダライナ
4,6,8,10にてボアの内面52には溶射、メッ
キ、クラッディング等により硬化層が形成されている。
【0039】以上説明した本実施の形態によれば、以下
の効果が得られる。すなわち、シリンダライナ連結体2
は、隣接するシリンダライナ4,6,8,10の内の一
方のシリンダライナの外周面4a,6a,8a,10a
に突出して設けられた縁部突条12,14および中間突
条16,18,20,22の先端部12a,14a,1
6a,18a,20a,22aと、他方のシリンダライ
ナ4,6,8,10の縁部突条12,14の先端部12
a,14aあるいは外周面4a,6a,8a,10aと
を接合することにより、図2に示したごとく、すべての
シリンダライナ4,6,8,10が縁部突条12,14
および中間突条16,18,20,22の周囲に空間2
a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,2i
を残したまま一体に接合されている。
【0040】この空間2a〜2iはシリンダライナを接
合した後に研削やドリルにて形成するものではないの
で、空間2a〜2iは冷却水が十分に流れ、十分に冷却
することができるように極めて高い自由度で形成するこ
とができる。本実施の形態では、後述するごとくシリン
ダブロック50に組み込まれる際にアルミニウム合金で
塞がれていない空間2a,2b,2c,2d,2e,2
fが、実際の冷却水通路としての役目を果たす。しか
も、この構造では、縁部突条12,14および中間突条
16,18,20,22の存在により、冷却水通路内で
のシリンダライナ4,6,8,10の表面積が増加して
冷却効率も高くなる。
【0041】これを、図7に示したごとくに、シリンダ
ライナ連結体2の外周面すべてを鋳ぐるむことなく、空
間2a〜2iの一部を冷却水通路54に露出してシリン
ダブロック50に組み付ければ、空間2a,2b,2
c,2d,2e,2fが、実際の冷却水通路としての役
目を果たし、シリンダブロック50内においてシリンダ
ライナ4,6,8,10の間に十分な冷却水を導入する
ことが可能となり、シリンダライナ4,6,8,10の
間を十分に冷却することができる。
【0042】このように、シリンダライナ4,6,8,
10の間隔が狭い状況下においても、容易かつ十分な冷
却水通路をシリンダライナ4,6,8,10間に設ける
ことができ、熱変形によりボア形状が歪むことがなく、
オイル消費やフリクションが悪化することもない。
【0043】また、突出部が、シリンダライナ4,6,
8,10の全周囲をリング状に取り巻く縁部突条12,
14および中間突条16,18,20,22として形成
されているので、シリンダライナ4,6,8,10の外
周面4a,6a,8a,10aの回転位相に関係なく、
接合を均一に行うことができ、シリンダライナ連結体2
の製造が一層容易となる。
【0044】また、図3に示したごとく、縁部突条1
2,14および中間突条16,18,20,22の間隔
d1,d2,d3,d4,d5は、2:2:2:2:1
の関係となっているため、シリンダライナ4,6,8,
10を交互に正逆の姿勢に配列すると、隣接するシリン
ダライナ4,6,8,10同士は、相互に、自己の外周
面4a,6a,8a,10aに突出して設けられた縁部
突条12,14および中間突条16,18,20,22
の先端部12a,14a,16a,18a,20a,2
2aと、相手方のシリンダライナ4,6,8,10の外
周面4a,6a,8a,10aとを接触させて接合する
ことができる。このように隣接する両方のシリンダライ
ナ4,6,8,10の外周面4a,6a,8a,10a
に相互に接合部が形成されることから、隣接する一方の
シリンダライナ4,6,8,10の外周面4a,6a,
8a,10aに接合部が偏ることがないので、接合に伴
うシリンダライナ連結体2の歪みも少なくて済む。
【0045】また、全く同一形状のシリンダライナ4,
6,8,10を交互に正逆の姿勢に配列して接合するの
みで、上述したシリンダライナ連結体2の構成が可能と
なるので、シリンダライナ4,6,8,10は1種類で
済み、製造コストの上昇が抑えられる。
【0046】また、シリンダブロック50には、各シリ
ンダライナ4,6,8,10において、その縁部突条1
2,14および中間突条16,18,20,22の1つ
または2つが鋳ぐるまれるので、シリンダライナ連結体
2は極めて強固にシリンダブロック50に固定される。
【0047】また、本実施の形態では、接合方法とし
て、抵抗溶接の一種である抵抗プロジェクション溶接に
て接合しているとともに、この抵抗プロジェクション溶
接にては、円柱状ロッド電極30,32を内部空間4
b,6b,8b,10bに挿入して加圧している。この
ように円柱(円柱状ロッド電極30,32)にて円筒内
面(内部空間4b,6b,8b,10b)を押圧するの
で、加圧溶接時にシリンダライナ4,6,8,10を変
形させることがない。また、単に通電加熱により接触部
を溶融させるのみで、シリンダライナ4,6,8,10
間に冷却水が十分に流れるシリンダライナ連結体2を形
成できるので、極めて容易に製造でき、製造コストを抑
制できる。
【0048】[実施の形態2]図8の正面図に実施の形
態2としてのシリンダライナ連結体102を示す。実施
の形態1のシリンダライナ連結体2と異なるのは、図9
に示すごとく、2種類のシリンダライナ104,10
6,108,110が用いられている点である。
【0049】第1の種類であるシリンダライナ104,
108は、上端の縁部に、実施の形態1の縁部突条12
と同形状の縁部突条112を有しているが、下端の縁部
には縁部突条は存在しない。また、シリンダライナ10
4,108の外周面104a,108aには、実施の形
態1の中間突条16,18,20,22と同形状である
が、数が1つ多い5つの中間突条116,118,12
0,122,124が形成されている。ただし、実施の
形態1の場合とは異なり、これら5つの中間突条116
〜124は、シリンダライナ104,108の外周面1
04a,108aにおいて、上方に偏って配置されてい
る。したがって、外周面104a,108aの下方部分
には円筒曲面がそのまま露出している。この下方部分の
円筒曲面は溶接部104b,108bとして、後述する
シリンダブロックに溶接される部分である。
【0050】第2の種類であるシリンダライナ106,
110は、第1の種類であるシリンダライナ104,1
08と同じく、上端の縁部に、実施の形態1の縁部突条
12と同形状の縁部突条114を有しているが、下端の
縁部には縁部突条は存在しない。また、その外周面10
6a,110aには、実施の形態1の中間突条16,1
8,20,22と同形状であるが、数が1つ多い5つの
中間突条126,128,130,132,134が形
成されている。これら5つの中間突条126〜134
は、シリンダライナ106,110の外周面106a,
110aにおいて上方に偏って配置されているが、第1
の種類であるシリンダライナ104,108の中間突条
116〜124よりも、中間突条間隔の半分の距離、上
方に偏って配置されている。また、外周面106a,1
10aの下方部分には円筒曲面がそのまま露出してい
る。この下方部分の円筒曲面は溶接部106b,110
bとして、後述するシリンダブロックに溶接される部分
である。
【0051】この2種類のシリンダライナ104,10
6,108,110を、交互に配置して、実施の形態1
の場合と同様に、抵抗プロジェクション溶接により、縁
部突条112の先端部112aと縁部突条114の先端
部114aとが接合され、中間突条116,118,1
20,122,124の先端部116a,118a,1
20a,122a,124aが外周面106a,110
aに接合され、中間突条126,128,130,13
2,134の先端部126a,128a,130a,1
32a,134aが外周面104a,108aに接合さ
れることで、図8に示したごとくのシリンダライナ連結
体102が形成される。
【0052】このように形成されたシリンダライナ連結
体102は、シリンダライナ104,106,108,
110の外周面104a,106a,108a,110
a同士が直接接合しているのではなく、縁部突条11
2,114および中間突条116,118,120,1
22,124,126,128,130,132,13
4を介して接合しているので、単に接合したのみでも、
図8に示したごとく、シリンダライナ連結体102の一
方側から他方側へ冷却水が十分に流動できる空間102
a,102b,102c,102d,102e,102
f,102g,102h,102i,102j,102
kが、縁部突条112,114および中間突条116〜
134の周囲に自ずと確保される。
【0053】このシリンダライナ連結体102を組み込
んでシリンダブロックを製造するには、例えば次のよう
にする。図10に示すごとく、シリンダライナ連結体1
02の溶接部104b,106b,108b,110b
を、既に成形されているシリンダブロック壁140の冷
却水空間142の下部に形成されたシリンダライナ収納
部144に挿入し、溶接部104b,106b,108
b,110bとシリンダライナ収納部144とを溶接す
る。この溶接は、例えば、アーク溶接、レーザ溶接、電
子ビーム溶接等により行うことができる。
【0054】このようにして、図11の縦断面図に示す
ごとく、シリンダライナ連結体102の外周面104
a,106a,108a,110aの下部の溶接部10
4b,106b,108b,110bが溶接により接合
固定され、溶接部104b,106b,108b,11
0bより上の部分が冷却水通路154内に配置されたシ
リンダブロック150が完成する。
【0055】なお、この後に、シリンダヘッドが取り付
けられるデッキ面150aやボアの内面152の面精度
を上げるための研削・研磨等がなされる。なお、実施の
形態1の場合と同じく、既に、シリンダライナ連結体1
02に組み立てる前のシリンダライナ104,106,
108,110にてボアの内面152には溶射、メッ
キ、クラッディング等により硬化層が形成されている。
【0056】以上説明した本実施の形態によれば、シリ
ンダライナ104,106,108,110の間隔が狭
い状況下においても、単にシリンダライナ104,10
6,108,110間を接合するのみで、シリンダライ
ナ104,106,108,110間に冷却水が十分に
流れる空間102a,102b,102c,102d,
102e,102f,102g,102h,102i,
102j,102kが自ずと確保される。このことによ
り、シリンダライナ104,106,108,110間
を十分に冷却できるシリンダライナ連結体102を極め
て容易に製造でき、製造コストを抑制できる。
【0057】なお、2種類のシリンダライナ104,1
06,108,110を用いている点、およびシリンダ
ライナ連結体102が溶接にてシリンダブロック150
に組み込まれるという点を除いては、本実施の形態のシ
リンダライナ連結体102およびシリンダブロック15
0に関しては実施の形態1の場合と同様な効果が得られ
る。
【0058】[その他の実施の形態]・前記各実施の形
態において、シリンダライナの外周面に設ける突条は必
要な部分に設けられているのみでもよく、また突出部と
しては突条でなく突起でもよい。すなわち、相手のシリ
ンダライナと接合した場合に突出部の周囲に冷却水通路
となり得る空間が自ずと形成されるもので有ればよい。
したがって、突条は、シリンダライナの軸に斜めに、す
なわち螺旋状に配置してもよく、軸方向に延びるように
配置してもよく、ジグザグに形成してもよい。
【0059】・前記各実施の形態において、突条の先端
部は面で有ったが、図12の縦断面図に示すシリンダラ
イナ連結体202のごとく、突条216,218,22
0,222の先端が稜として尖っているものでもよい。
突出部として突起を用いた場合も同じであり、突起の先
端が面でもよく、ピークとして尖っていてもよい。
【0060】・前記実施の形態2のシリンダライナ連結
体102は実施の形態1と同じく鋳ぐるむことによりシ
リンダブロックに組み込んでもよい。・前記各実施の形
態において、突条は、シリンダライナの外周面の全周に
わたっていたが、シリンダライナの外周面の内、隣接す
るシリンダライナとの接合方向のみ設けて、全周には設
けないようにしてもよい。
【0061】・前記実施の形態2では、突条はシリンダ
ライナの一方に偏って配置されていたが、シリンダライ
ナの中央に偏って配置されてもよい。また、シリンダラ
イナの上下両端に偏って配置されてもよい。
【0062】・前記各実施の形態では、4つのシリンダ
ライナからなる4連のシリンダライナ連結体の例を示し
たが、2連でも、3連でも、あるいは5連以上のシリン
ダライナ連結体においても適用でき、同様な効果を生じ
る。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【発明の効果】請求項のシリンダライナ連結体の製造
方法は、単なる接合により、シリンダライナ間に冷却水
が十分に流れるシリンダライナ連結体を形成でき、極め
て製造が容易となり、製造コストを抑制できる。また円
柱(円柱状ロッド電極)にて円筒内面を押圧するので、
加圧溶接時にシリンダライナを変形させることがない。
また、単に通電加熱により接触部を溶融させるのみで、
シリンダライナ間に冷却水が十分に流れるシリンダライ
ナ連結体を形成できるので、極めて容易に製造でき、製
造コストを抑制できる。
【0071】請求項に示したごとく、前記隣接するシ
リンダライナ同士を、各々、自己の外周面から突出して
設けられた突出部を有し、相互に、前記突出部の先端に
て、相手方のシリンダライナの外周面に接触させ、この
接触した部分を溶接することとした場合は、隣接する両
方のシリンダライナの外周面に相互に接合部を形成する
ことができ、一方のシリンダライナの外周面に接合部が
偏らないので、接合に伴う歪みも少なくて済む。
【0072】請求項に示したごとく、前記突出部を、
前記シリンダライナの外周面の周方向に延びる突条とし
た場合には、この突条が形成されたシリンダライナを用
いることにより、シリンダライナの外周面の回転位相に
関係なく、接合を均一に行うことができ、シリンダライ
ナ連結体の製造が一層容易となる。
【0073】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としてのシリンダライナ連結体
の斜視図。
【図2】 実施の形態1としてのシリンダライナ連結体
の正面図。
【図3】 実施の形態1における連結前のシリンダライ
ナの正面図。
【図4】 実施の形態1における連結前のシリンダライ
ナの縦断面図。
【図5】 実施の形態1におけるシリンダライナの抵抗
溶接説明図。
【図6】 実施の形態1におけるシリンダブロックの製
造説明図。
【図7】 実施の形態1におけるシリンダブロックの縦
断面図。
【図8】 実施の形態2としてのシリンダライナ連結体
の正面図。
【図9】 実施の形態2における連結前の2種類のシリ
ンダライナの正面形状説明図。
【図10】 実施の形態2におけるシリンダブロックの
製造説明図。
【図11】 実施の形態2におけるシリンダブロックの
縦断面図。
【図12】 変形例としてのシリンダライナの縦断面
図。
【符号の説明】
2…シリンダライナ連結体、2a,2b,2c,2d,
2e,2f,2g,2h,2i…空間、2m…シリンダ
ライナ連結体の外周面の下部、4,6,8,10…シリ
ンダライナ、4a,6a,8a,10a…シリンダライ
ナの外周面、4b,6b,8b,10b…シリンダライ
ナの内部空間、12,14…縁部突条、12a,14a
…縁部突条の先端部、16,18,20,22…中間突
条、16a,18a,20a,22a…中間突条の先端
部、30,32…円柱状ロッド電極、30a,30b,
32a,32b…ライナ固定ピン、40,42,44,
46…鋳型、50…シリンダブロック、50a…デッキ
面、52…ボアの内面、54…冷却水通路、102…シ
リンダライナ連結体、102a,102b,102c,
102d,102e,102f,102g,102h,
102i,102j,102k…空間、104,10
6,108,110…シリンダライナ、104a,10
6a,108a,110a…外周面、104b,106
b,108b,110b…シリンダライナ連結体の外周
面の下部の溶接部、112,114…縁部突条、112
a,114a…縁部突条の先端部、116,118,1
20,122,124,126,128,130,13
2,134…中間突条、116a,118a,120
a,122a,124a,126a,128a,130
a,132a,134a…中間突条の先端部、140…
シリンダブロック壁、142…冷却水空間、144…シ
リンダライナ収納部、150…シリンダブロック、15
0a… デッキ面、152…ボアの内面、154…冷却
水通路、202…シリンダライナ連結体、216,21
8,220,222…突条。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02F 1/00 F02F 1/00 K (56)参考文献 特開 平4−224263(JP,A) 特開 平4−203253(JP,A) 特開 平8−177612(JP,A) 特開 昭62−77149(JP,A) 特開 平5−10206(JP,A) 特開 平6−81709(JP,A) 特開 平9−206917(JP,A) 特開 平9−164488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/00 - 1/42 B22D 19/08 B23K 11/00 B23K 11/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の複数シリンダの内壁を形成す
    るシリンダライナ同士を接合するシリンダライナ連結体
    の製造方法であって、 外周面から突出する突出部が設けられたシリンダライナ
    及びそのシリンダライナに接合される相手方のシリンダ
    ライナの内部空間に、同内部空間の内径よりもわずかに
    小さい外径の円柱状ロッド電極をそれぞれ挿入し、 前記円柱状ロッド電極同士を近づけて、前記突出部の設
    けられたシリンダライナをその突出部の先端にて前記相
    手方のシリンダライナの外周面または突出部の先端に接
    触させ、 前記円柱状ロッド電極同士を近づける方向に加圧し、該
    円柱状ロッド電極間に電流を流すことで、この接触した
    部分を溶接することにより前記突出部の周囲に空間を残
    したままシリンダライナ同士を接合する ことを特徴とす
    るシリンダライナ連結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記隣接するシリンダライナ同士は、各
    々、自己の外周面から突出して設けられた突出部を有
    し、相互に、前記突出部の先端にて、相手方のシリンダ
    ライナの外周面に接触させ、この接触した部分を溶接す
    ることを特徴とする請求項1記載のシリンダライナ連結
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記突出部は、前記シリンダライナの外
    周面の周方向に延びる突条であることを特徴とする請求
    項1または2記載の内燃機関のシリンダライナ連結体の
    製造方法。
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