JPH07332500A - 金属ガスケット及びその製造方法 - Google Patents
金属ガスケット及びその製造方法Info
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- JPH07332500A JPH07332500A JP6119065A JP11906594A JPH07332500A JP H07332500 A JPH07332500 A JP H07332500A JP 6119065 A JP6119065 A JP 6119065A JP 11906594 A JP11906594 A JP 11906594A JP H07332500 A JPH07332500 A JP H07332500A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特にステンレス鋼からなるシム板と基板との
連続溶接を排除することにより、溶接時の熱による基板
の変形を防止するとともに、点溶接部と未溶接部との境
界で破損が生じるのを防止し、さらにシム板と基板との
溶接強度を一層向上させることができる金属ガスケット
及びその製造方法を提供すること。 【構成】 ステンレス鋼板等からなる基板にシリンダボ
ア孔等を形成するとともに、このシリンダボア孔の周縁
の平坦部にシム板19を配設し、このシム板19の幅内
で第一の円Xと第二の円Yとの異径の円の軌跡に沿って
複数の各々非接触なナゲット20X,20Yを形成する
ことにより、平坦部にシム板19を固着した。
連続溶接を排除することにより、溶接時の熱による基板
の変形を防止するとともに、点溶接部と未溶接部との境
界で破損が生じるのを防止し、さらにシム板と基板との
溶接強度を一層向上させることができる金属ガスケット
及びその製造方法を提供すること。 【構成】 ステンレス鋼板等からなる基板にシリンダボ
ア孔等を形成するとともに、このシリンダボア孔の周縁
の平坦部にシム板19を配設し、このシム板19の幅内
で第一の円Xと第二の円Yとの異径の円の軌跡に沿って
複数の各々非接触なナゲット20X,20Yを形成する
ことにより、平坦部にシム板19を固着した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属ガスケット及びそ
の製造方法に係り、特に、シリンダボアに対応して形成
した孔の周縁に環状のシム板が固着された金属ガスケッ
トと、その固着の際に適用して好適な金属ガスケットの
製造方法に関する。
の製造方法に係り、特に、シリンダボアに対応して形成
した孔の周縁に環状のシム板が固着された金属ガスケッ
トと、その固着の際に適用して好適な金属ガスケットの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンその他の内燃
機関を構成するシリンダブロックとこの上に取り付けた
シリンダヘッドとの接合面には、この接合面から燃焼ガ
ス,冷却水,潤滑油等の流体の漏洩を防止するため種々
のガスケットを介装し、ボルト等の締結具で双方を締め
付けることによりシール機能を付与している。従来、こ
のようなガスケットとしては、アスベスト材,化学繊維
材あるいはカーボンシート材等から形成した所謂ソフト
ガスケットが提供されているが、このソフトガスケット
は、その素材による不可避的な問題として、内燃機関の
運転に伴う経時劣化ならびに耐熱性の確保が困難である
といった欠点があるため、近年では、耐熱性,耐圧縮
性,耐久性に富み、良好な復元性(バネ特性)及び熱伝
導性を有する金属製のガスケットが広く使用されるよう
になってきているのは周知の通りである。
機関を構成するシリンダブロックとこの上に取り付けた
シリンダヘッドとの接合面には、この接合面から燃焼ガ
ス,冷却水,潤滑油等の流体の漏洩を防止するため種々
のガスケットを介装し、ボルト等の締結具で双方を締め
付けることによりシール機能を付与している。従来、こ
のようなガスケットとしては、アスベスト材,化学繊維
材あるいはカーボンシート材等から形成した所謂ソフト
ガスケットが提供されているが、このソフトガスケット
は、その素材による不可避的な問題として、内燃機関の
運転に伴う経時劣化ならびに耐熱性の確保が困難である
といった欠点があるため、近年では、耐熱性,耐圧縮
性,耐久性に富み、良好な復元性(バネ特性)及び熱伝
導性を有する金属製のガスケットが広く使用されるよう
になってきているのは周知の通りである。
【0003】ところで、特に内燃機関の燃焼室,すなわ
ちシリンダボアの周囲においては、高温・高圧の燃焼ガ
スが発生する上、温度及び圧力の変化が非常に大きいた
め、この部分のシール性が不完全であるとシリンダボア
内部の燃焼ガスの利用が不完全となり、圧力低下を引き
起こす可能性がある。したがって、金属ガスケットのシ
リンダボア近くをシールする部分には、シリンダボアに
対応して形成したシリンダボア孔と同心円状にビードを
形成し、この金属ガスケットが前記ボルト等の締結具に
よりシリンダヘッドとシリンダブロックとの間で締め付
けられるときに発生する反発力を利用して、金属ガスケ
ットとシリンダヘッドもしくはシリンダブロックとの接
合面間に発生する面圧を高め、これにより前記シリンダ
ボアの周囲におけるシール性を向上させている。
ちシリンダボアの周囲においては、高温・高圧の燃焼ガ
スが発生する上、温度及び圧力の変化が非常に大きいた
め、この部分のシール性が不完全であるとシリンダボア
内部の燃焼ガスの利用が不完全となり、圧力低下を引き
起こす可能性がある。したがって、金属ガスケットのシ
リンダボア近くをシールする部分には、シリンダボアに
対応して形成したシリンダボア孔と同心円状にビードを
形成し、この金属ガスケットが前記ボルト等の締結具に
よりシリンダヘッドとシリンダブロックとの間で締め付
けられるときに発生する反発力を利用して、金属ガスケ
ットとシリンダヘッドもしくはシリンダブロックとの接
合面間に発生する面圧を高め、これにより前記シリンダ
ボアの周囲におけるシール性を向上させている。
【0004】ここで、通常の金属ガスケットにおいて、
前記シリンダボア孔の周囲に形成されるビードと当該シ
リンダボア孔との間には、シリンダボア孔の打ち抜きプ
レスとビードの成形プレスとの位置ずれを補償するた
め、基板のその他の部位と同じ平坦部が形成されてい
る。そして、このような金属ガスケットを介装してシリ
ンダヘッドとシリンダブロックとを締め付けると、前記
ビードの反発力からその近くに高い面圧が発生する一
方、シリンダブロックあるいはシリンダヘッドのうち、
当該ビードの接触部位が互いに離れるように変形するた
め、金属ガスケットの前記平坦部においてシリンダヘッ
ドもしくはシリンダブロックによる金属ガスケットの締
め付け力は低下し、いずれかの間に隙間ができてしまう
こともある。このような状態のエンジンを運転すると、
前記金属ガスケットのうち、それへの締め付け力の低下
している平坦部からビードにかけて振動が発生し、同時
にエンジンの燃焼工程で発生するシリンダボア内圧の増
減に伴って金属ガスケットへの締め付け力が変化して当
該ビードに振動が発生し、これらの振動や締め付け力の
変動によって特に動きの規制されるビードの部位に疲労
破壊が発生する可能性がある。
前記シリンダボア孔の周囲に形成されるビードと当該シ
リンダボア孔との間には、シリンダボア孔の打ち抜きプ
レスとビードの成形プレスとの位置ずれを補償するた
め、基板のその他の部位と同じ平坦部が形成されてい
る。そして、このような金属ガスケットを介装してシリ
ンダヘッドとシリンダブロックとを締め付けると、前記
ビードの反発力からその近くに高い面圧が発生する一
方、シリンダブロックあるいはシリンダヘッドのうち、
当該ビードの接触部位が互いに離れるように変形するた
め、金属ガスケットの前記平坦部においてシリンダヘッ
ドもしくはシリンダブロックによる金属ガスケットの締
め付け力は低下し、いずれかの間に隙間ができてしまう
こともある。このような状態のエンジンを運転すると、
前記金属ガスケットのうち、それへの締め付け力の低下
している平坦部からビードにかけて振動が発生し、同時
にエンジンの燃焼工程で発生するシリンダボア内圧の増
減に伴って金属ガスケットへの締め付け力が変化して当
該ビードに振動が発生し、これらの振動や締め付け力の
変動によって特に動きの規制されるビードの部位に疲労
破壊が発生する可能性がある。
【0005】したがって、最近では、前記基板の平坦部
にビードの高さより厚さの薄い環状のシム板を溶着さ
せ、重なったこれらシム板と基板とをシリンダブロック
とシリンダヘッドとで圧着させ、これにより、平坦部か
らビードにかけて発生する振動振幅を抑制し、さらにシ
ム板を介した平坦部にも反発力を発生させて前記ビード
にかかる締め付け力を分散し、燃焼工程で発生するシリ
ンダボア内圧の増減やエンジン部材の温度変化に伴う体
積変化によるこれら振動や締め付け力の変動を抑制して
ビードの疲労破壊を防止しようとしている。
にビードの高さより厚さの薄い環状のシム板を溶着さ
せ、重なったこれらシム板と基板とをシリンダブロック
とシリンダヘッドとで圧着させ、これにより、平坦部か
らビードにかけて発生する振動振幅を抑制し、さらにシ
ム板を介した平坦部にも反発力を発生させて前記ビード
にかかる締め付け力を分散し、燃焼工程で発生するシリ
ンダボア内圧の増減やエンジン部材の温度変化に伴う体
積変化によるこれら振動や締め付け力の変動を抑制して
ビードの疲労破壊を防止しようとしている。
【0006】そこで、上述のような平坦部にシム板を溶
着させる方法として、従来一般にはヤグ(YAG)レー
ザによる溶接が広く採用されており、このような溶接方
法の典型的な例としては、特開平4─157263号公
報に開示されたものがある。すなわち、この方法は、図
6に示すように、金属製の基板1にプレス加工によりシ
リンダボア孔2を形成するとともに、このシリンダボア
孔2の周縁に沿ってボア孔ビード3を形成する。次い
で、ボア孔ビード3が突出した側の平坦部1a上にシム
板4を配設し、このシム板4の全周にわたり複数の点溶
接部(ナゲット)5を形成するが、この際、相互に隣接
する中心間の間隔が点溶接部5の各々の直径以下となる
ように溶接する。したがって、実質的には、各点溶接部
5が部分的に重合されて連続した溶接部分が形成される
ことになり、よって適切な溶接強度が確保されるとして
いる。
着させる方法として、従来一般にはヤグ(YAG)レー
ザによる溶接が広く採用されており、このような溶接方
法の典型的な例としては、特開平4─157263号公
報に開示されたものがある。すなわち、この方法は、図
6に示すように、金属製の基板1にプレス加工によりシ
リンダボア孔2を形成するとともに、このシリンダボア
孔2の周縁に沿ってボア孔ビード3を形成する。次い
で、ボア孔ビード3が突出した側の平坦部1a上にシム
板4を配設し、このシム板4の全周にわたり複数の点溶
接部(ナゲット)5を形成するが、この際、相互に隣接
する中心間の間隔が点溶接部5の各々の直径以下となる
ように溶接する。したがって、実質的には、各点溶接部
5が部分的に重合されて連続した溶接部分が形成される
ことになり、よって適切な溶接強度が確保されるとして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の溶接方法は、以下に述べるような欠点を有してい
る。すなわち、連続した溶接部分を形成すると、溶接時
の熱によって基板1に歪みが発生して大きな変形をきた
し、金属ガスケットの寸法精度が低下してしまう。ま
た、相互に隣接する点溶接部の重合された部分は、一方
の点溶接部の溶接時に一度溶解され、さらに他方の点溶
接部の溶接時にもう一度溶解されることで二度溶解され
ることになるが、このように重複した溶接を行うと、基
板1をなす金属の結晶粒が著しく粗大化し、点溶接部が
形成されない他の未溶接部に対して硬度差・内部応力差
が非常に大きくなる。これによって、エンジンの運転に
伴って金属ガスケットの特にシリンダボア孔2に近い部
分に振動が発生した際,又はシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの熱膨張率の差により応力が発生した際に
は、前記点溶接部と未溶接部との境界で各々が分離して
しまう恐れがある。
来の溶接方法は、以下に述べるような欠点を有してい
る。すなわち、連続した溶接部分を形成すると、溶接時
の熱によって基板1に歪みが発生して大きな変形をきた
し、金属ガスケットの寸法精度が低下してしまう。ま
た、相互に隣接する点溶接部の重合された部分は、一方
の点溶接部の溶接時に一度溶解され、さらに他方の点溶
接部の溶接時にもう一度溶解されることで二度溶解され
ることになるが、このように重複した溶接を行うと、基
板1をなす金属の結晶粒が著しく粗大化し、点溶接部が
形成されない他の未溶接部に対して硬度差・内部応力差
が非常に大きくなる。これによって、エンジンの運転に
伴って金属ガスケットの特にシリンダボア孔2に近い部
分に振動が発生した際,又はシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの熱膨張率の差により応力が発生した際に
は、前記点溶接部と未溶接部との境界で各々が分離して
しまう恐れがある。
【0008】一方、上記従来の溶接方法によれば、連続
した溶接部分が一つのシム板4に対して実質的に一列
(一輪)であるため、シム板4における溶接部分の面積
に対して未溶接部分の面積が広く、この未溶接部分が前
記振動の影響を受け易くなり、破損を誘発する恐れがあ
る。さらに、上記公報で説明されるような適切な溶接強
度が確保されるとしても、一列のみの溶接部分ではさら
に強靱な溶接強度を得ることが困難である。
した溶接部分が一つのシム板4に対して実質的に一列
(一輪)であるため、シム板4における溶接部分の面積
に対して未溶接部分の面積が広く、この未溶接部分が前
記振動の影響を受け易くなり、破損を誘発する恐れがあ
る。さらに、上記公報で説明されるような適切な溶接強
度が確保されるとしても、一列のみの溶接部分ではさら
に強靱な溶接強度を得ることが困難である。
【0009】本発明は、上記の問題を解決し得るもので
あって、その目的は、溶接時の熱による基板の変形を防
止するとともに、点溶接部と未溶接部との境界で破損が
生じるのを防止し、さらにシム板と基板との溶接強度を
一層向上させることができる金属ガスケット及びその製
造方法を提供することにある。
あって、その目的は、溶接時の熱による基板の変形を防
止するとともに、点溶接部と未溶接部との境界で破損が
生じるのを防止し、さらにシム板と基板との溶接強度を
一層向上させることができる金属ガスケット及びその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の金属ガスケット
及びその製造方法のうち、請求項1に記載の発明は、孔
を形成した金属製の基板に、前記孔の周縁に配設した環
状金属板を固着してなる金属ガスケットにおいて、前記
環状金属板の幅内で前記孔側とその逆側との異径の円に
沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成したことを特
徴としている。なお、前記円は前記孔の形状に応じて真
円でない場合もある。
及びその製造方法のうち、請求項1に記載の発明は、孔
を形成した金属製の基板に、前記孔の周縁に配設した環
状金属板を固着してなる金属ガスケットにおいて、前記
環状金属板の幅内で前記孔側とその逆側との異径の円に
沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成したことを特
徴としている。なお、前記円は前記孔の形状に応じて真
円でない場合もある。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記異径の円に沿った複数の各々非接
触な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分においてピッ
チを大きくし、締め付け面圧の強い部分においてピッチ
を小さくしたことを特徴としている。請求項3に記載の
発明は、請求項1に記載の発明において、前記異径の円
に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け面圧
の弱い部分において一方の円では他方の円よりピッチを
大きくしたことを特徴としている。
の発明において、前記異径の円に沿った複数の各々非接
触な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分においてピッ
チを大きくし、締め付け面圧の強い部分においてピッチ
を小さくしたことを特徴としている。請求項3に記載の
発明は、請求項1に記載の発明において、前記異径の円
に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け面圧
の弱い部分において一方の円では他方の円よりピッチを
大きくしたことを特徴としている。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記異径の円に沿った複数の各々非接
触な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分において一方
の円のみに形成したことを特徴としている。請求項5に
記載の発明は、金属製の基板に孔を形成するとともに、
この孔の周縁に環状金属板を配設し、この環状金属板の
全周にわたって複数の点溶接部を形成して当該環状金属
板を前記基板に固着する金属ガスケットの製造方法にお
いて、前記環状金属板の幅内で前記孔側とその逆側との
異径の円に沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成す
ることを特徴としている。
の発明において、前記異径の円に沿った複数の各々非接
触な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分において一方
の円のみに形成したことを特徴としている。請求項5に
記載の発明は、金属製の基板に孔を形成するとともに、
この孔の周縁に環状金属板を配設し、この環状金属板の
全周にわたって複数の点溶接部を形成して当該環状金属
板を前記基板に固着する金属ガスケットの製造方法にお
いて、前記環状金属板の幅内で前記孔側とその逆側との
異径の円に沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成す
ることを特徴としている。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記円の一方に沿って互いに等間隔又
は略等間隔で点溶接部を形成した後、前記円の他方に沿
って互いに等間隔又は略等間隔で点溶接部を形成するこ
とを特徴としている。請求項7に記載の発明は、請求項
6に記載の発明において、前記一方の円に沿って形成し
た互いに隣接する二つの点溶接部の間で前記他方の円に
沿って点溶接部を形成することを特徴としている。
の発明において、前記円の一方に沿って互いに等間隔又
は略等間隔で点溶接部を形成した後、前記円の他方に沿
って互いに等間隔又は略等間隔で点溶接部を形成するこ
とを特徴としている。請求項7に記載の発明は、請求項
6に記載の発明において、前記一方の円に沿って形成し
た互いに隣接する二つの点溶接部の間で前記他方の円に
沿って点溶接部を形成することを特徴としている。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記円の一方に沿って形成される点溶
接部と、前記円の他方に沿って形成される点溶接部と、
を同時に平行して形成することを特徴としている。
の発明において、前記円の一方に沿って形成される点溶
接部と、前記円の他方に沿って形成される点溶接部と、
を同時に平行して形成することを特徴としている。
【0015】
【作用】本発明の金属ガスケット及びその製造方法のう
ち、請求項1に記載の発明によれば、基板に形成した孔
(特にシリンダボアに対応する孔)の周縁に配設された
環状金属板が、当該環状金属板の幅内で前記孔側とその
逆側との異径の円に沿って複数の各々非接触な点溶接部
を形成することによって固着されている。このように、
点溶接部が各々非接触となっているため、点溶接部は複
数回の加熱を受けないから、溶接時の熱による基板の歪
みが抑制されるとともに、環状金属板は部分的に重複し
た点溶接部を有しないので、未溶接部に対する硬度差・
内部応力差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境
界において分離し、脱落が発生するのが防止される。さ
らに、点溶接部が異径の円に沿って複数形成されてい
る,すなわち一つの環状金属板に対して二列(二輪)の
溶接部分が形成されているため、環状金属板の未溶接部
分が小さくなり、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分
の振動振幅が抑制されるとともに、固着強度が著しく向
上する。
ち、請求項1に記載の発明によれば、基板に形成した孔
(特にシリンダボアに対応する孔)の周縁に配設された
環状金属板が、当該環状金属板の幅内で前記孔側とその
逆側との異径の円に沿って複数の各々非接触な点溶接部
を形成することによって固着されている。このように、
点溶接部が各々非接触となっているため、点溶接部は複
数回の加熱を受けないから、溶接時の熱による基板の歪
みが抑制されるとともに、環状金属板は部分的に重複し
た点溶接部を有しないので、未溶接部に対する硬度差・
内部応力差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境
界において分離し、脱落が発生するのが防止される。さ
らに、点溶接部が異径の円に沿って複数形成されてい
る,すなわち一つの環状金属板に対して二列(二輪)の
溶接部分が形成されているため、環状金属板の未溶接部
分が小さくなり、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分
の振動振幅が抑制されるとともに、固着強度が著しく向
上する。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け
面圧の弱い部分(例えば通常のエンジンにおけるシリン
ダブロックとシリンダヘッドとを締め付けるボルトに対
応して形成した各孔の間の部分)においてピッチを大き
くし、締め付け面圧の強い部分においてピッチを小さく
している。これによって、環状金属板と基板との固着強
度を充分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みが抑
制され、さらに余分な溶接を省くことで作業の効率が向
上される。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け
面圧の弱い部分(例えば通常のエンジンにおけるシリン
ダブロックとシリンダヘッドとを締め付けるボルトに対
応して形成した各孔の間の部分)においてピッチを大き
くし、締め付け面圧の強い部分においてピッチを小さく
している。これによって、環状金属板と基板との固着強
度を充分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みが抑
制され、さらに余分な溶接を省くことで作業の効率が向
上される。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円では他方の円より
ピッチを大きくしている。これによって、環状金属板と
基板との固着強度を確保しつつ溶接時の熱による基板の
歪みが抑制される一方、余分な溶接を省くことで作業の
効率が向上される。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円では他方の円より
ピッチを大きくしている。これによって、環状金属板と
基板との固着強度を確保しつつ溶接時の熱による基板の
歪みが抑制される一方、余分な溶接を省くことで作業の
効率が向上される。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円のみに形成してい
る。これによって、環状金属板と基板との固着強度を充
分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みが抑制され
る一方、余分な溶接を省くことで作業の効率が向上され
る。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円のみに形成してい
る。これによって、環状金属板と基板との固着強度を充
分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みが抑制され
る一方、余分な溶接を省くことで作業の効率が向上され
る。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、基板に孔
(特にシリンダボアに対応する孔)を形成するととも
に、この孔の周縁に環状金属板を配設し、この環状金属
板と基板とを固着させる際に、環状金属板の幅内で孔側
とその逆側との異径の円に沿って複数の各々非接触な点
溶接部を形成する。このように、点溶接部を各々非接触
にすると、溶接時の熱による基板の歪みが抑制されると
ともに、環状金属板が部分的に重複して溶接されないた
め、未溶接部に対する硬度差・内部応力差が小さくな
り、溶接部分と未溶接部分との境界における分離破損の
発生が防止される。また、異径の円に沿って複数の点溶
接部を形成すると、環状金属板の未溶接部分を小さく
し、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分の振動振幅が
抑制されるとともに、固着強度が著しく向上される。
(特にシリンダボアに対応する孔)を形成するととも
に、この孔の周縁に環状金属板を配設し、この環状金属
板と基板とを固着させる際に、環状金属板の幅内で孔側
とその逆側との異径の円に沿って複数の各々非接触な点
溶接部を形成する。このように、点溶接部を各々非接触
にすると、溶接時の熱による基板の歪みが抑制されると
ともに、環状金属板が部分的に重複して溶接されないた
め、未溶接部に対する硬度差・内部応力差が小さくな
り、溶接部分と未溶接部分との境界における分離破損の
発生が防止される。また、異径の円に沿って複数の点溶
接部を形成すると、環状金属板の未溶接部分を小さく
し、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分の振動振幅が
抑制されるとともに、固着強度が著しく向上される。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、前記点溶
接部を形成する際に、一方の円に沿って互いに等間隔又
は略等間隔で点溶接部を形成した後、他方の円に沿って
互いに等間隔又は略等間隔で点溶接部を形成する。した
がって、固着される環状金属板の径及び幅に対応して点
溶接部の径及び隣接する点溶接部の間隔を適宜設定する
と、的確に点溶接部を形成することができ、これによっ
て溶接精度が向上される一方、溶接作業を簡素化するこ
とが可能となる。
接部を形成する際に、一方の円に沿って互いに等間隔又
は略等間隔で点溶接部を形成した後、他方の円に沿って
互いに等間隔又は略等間隔で点溶接部を形成する。した
がって、固着される環状金属板の径及び幅に対応して点
溶接部の径及び隣接する点溶接部の間隔を適宜設定する
と、的確に点溶接部を形成することができ、これによっ
て溶接精度が向上される一方、溶接作業を簡素化するこ
とが可能となる。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、一方の円
に沿って形成した互いに隣接する二つの点溶接部の間で
他方の円に沿って点溶接部を形成する。このような方法
にしたがうと、前記両軌跡のそれぞれに沿って当該円の
径方向に並べて点溶接部を形成する場合に比べ、環状金
属板の幅を有効に活用できるので点溶接部の径を大きく
することができ、これによって環状金属板の未溶接部分
を一層小さくすることが可能になるとともに、固着強度
を一層向上させることが可能となる。
に沿って形成した互いに隣接する二つの点溶接部の間で
他方の円に沿って点溶接部を形成する。このような方法
にしたがうと、前記両軌跡のそれぞれに沿って当該円の
径方向に並べて点溶接部を形成する場合に比べ、環状金
属板の幅を有効に活用できるので点溶接部の径を大きく
することができ、これによって環状金属板の未溶接部分
を一層小さくすることが可能になるとともに、固着強度
を一層向上させることが可能となる。
【0022】請求項8に記載の発明によれば、一方の円
に沿って形成される点溶接部と、他方の円に沿って形成
される点溶接部と、を同時に平行して形成する。この場
合は、両軌跡に沿う点溶接部を同時に形成するため、溶
接作業の効率化を図ることが可能となる。
に沿って形成される点溶接部と、他方の円に沿って形成
される点溶接部と、を同時に平行して形成する。この場
合は、両軌跡に沿う点溶接部を同時に形成するため、溶
接作業の効率化を図ることが可能となる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1ないし図5は、本発明の実施例を示す図
であって、これらの図において、図1は典型的な金属ガ
スケット11の平面構成図であり、図2は金属ガスケッ
ト11の要部詳細図であり、図3は図2のA部拡大図で
あり、図4は金属ガスケット11の要部断面図である。
説明する。図1ないし図5は、本発明の実施例を示す図
であって、これらの図において、図1は典型的な金属ガ
スケット11の平面構成図であり、図2は金属ガスケッ
ト11の要部詳細図であり、図3は図2のA部拡大図で
あり、図4は金属ガスケット11の要部断面図である。
【0024】図1を参照すると、金属ガスケット11
は、ステンレス鋼等の金属製の基板12からなり、シリ
ンダブロックのシリンダボア(燃焼室)に対応した複数
個(本実施例においては3個)のシリンダボア孔13
と、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとを結合す
る締結ボルトの配設位置に対応したボルト孔14と、図
示しないピストン等の各摺動部分に潤滑油を供給するオ
イルギャラリ等に対応した油孔15と、燃料の燃焼やピ
ストン等の摺動によって温度上昇するシリンダブロッ
ク,シリンダヘッドに冷却水を供給するウォータジャケ
ットの内側の部分に位置した水孔16と、が形成されて
いる。勿論、これらの孔13〜16は、この金属ガスケ
ット11をシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に
介装してエンジンを構築したとき、前記エンジンの各部
位に連通するようになっている。
は、ステンレス鋼等の金属製の基板12からなり、シリ
ンダブロックのシリンダボア(燃焼室)に対応した複数
個(本実施例においては3個)のシリンダボア孔13
と、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとを結合す
る締結ボルトの配設位置に対応したボルト孔14と、図
示しないピストン等の各摺動部分に潤滑油を供給するオ
イルギャラリ等に対応した油孔15と、燃料の燃焼やピ
ストン等の摺動によって温度上昇するシリンダブロッ
ク,シリンダヘッドに冷却水を供給するウォータジャケ
ットの内側の部分に位置した水孔16と、が形成されて
いる。勿論、これらの孔13〜16は、この金属ガスケ
ット11をシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に
介装してエンジンを構築したとき、前記エンジンの各部
位に連通するようになっている。
【0025】また、シリンダボア孔13の周縁部には、
他の部位と同等に平坦な平坦部17を介して、その外周
に略円形のボア孔ビード18が形成されている(図4参
照)。このボア孔ビード18は、基板12の外側面から
さらに外側に突出する山状に湾曲された突条であり、主
にプレス加工等により成形されてその内側は凹陥溝部と
なる。
他の部位と同等に平坦な平坦部17を介して、その外周
に略円形のボア孔ビード18が形成されている(図4参
照)。このボア孔ビード18は、基板12の外側面から
さらに外側に突出する山状に湾曲された突条であり、主
にプレス加工等により成形されてその内側は凹陥溝部と
なる。
【0026】一方、前記平坦部17には、前記ボア孔ビ
ード18の高さより厚さの薄いステンレス等からなる環
状のシム板19が固着されている。このシム板19は、
図4に示すように、その内周面が前記シリンダボア孔1
3の内周面に一致するように形成(必ずしも一致する必
要はないが)されており、以下に詳述するように、この
例ではヤグ(YAG)レーザ溶接によりその全周にわた
ってナゲット(点溶接部)20が形成されることによ
り、前記金属ガスケット11に一体的に溶着されてい
る。
ード18の高さより厚さの薄いステンレス等からなる環
状のシム板19が固着されている。このシム板19は、
図4に示すように、その内周面が前記シリンダボア孔1
3の内周面に一致するように形成(必ずしも一致する必
要はないが)されており、以下に詳述するように、この
例ではヤグ(YAG)レーザ溶接によりその全周にわた
ってナゲット(点溶接部)20が形成されることによ
り、前記金属ガスケット11に一体的に溶着されてい
る。
【0027】ここで、前記ナゲット20は、図2及び図
3に示すように、シム板19の幅内で第一の円X(内側
の円)及び第二の円Y(外側の円)の軌跡に沿って、各
々非接触に複数形成されている。さらに詳しくは、図2
に符号Oで示すのはシリンダボア孔13の中心であり
(したがってシム板19の中心点でもある)、この中心
Oを基準としてシム板19の幅内で径の異なる二つの円
(第一の円X及び第二の円Y)が決定されており、ナゲ
ット20は、第一の円Xに沿い且つ互いに等間隔離れて
シム板19の全周にわたって形成されている(ナゲット
20X)一方、第二の円Yに沿い且つ各ナゲット20X
の間に位置するようにシム板19の全周にわたって形成
されている(ナゲット20Y)。
3に示すように、シム板19の幅内で第一の円X(内側
の円)及び第二の円Y(外側の円)の軌跡に沿って、各
々非接触に複数形成されている。さらに詳しくは、図2
に符号Oで示すのはシリンダボア孔13の中心であり
(したがってシム板19の中心点でもある)、この中心
Oを基準としてシム板19の幅内で径の異なる二つの円
(第一の円X及び第二の円Y)が決定されており、ナゲ
ット20は、第一の円Xに沿い且つ互いに等間隔離れて
シム板19の全周にわたって形成されている(ナゲット
20X)一方、第二の円Yに沿い且つ各ナゲット20X
の間に位置するようにシム板19の全周にわたって形成
されている(ナゲット20Y)。
【0028】なお、ナゲット20は、図4に示すよう
に、ヤグレーザが直接照射されるシム板19の表面では
直径Dの大きさで形成されるが、基板12の表面では前
記直径Dより小径の直径dの大きさで形成されることに
なる(これら直径D及びdは、ヤグレーザの強弱によっ
て決定されることはいうまでもない)。ところが、実際
に平坦部17とシム板19とが溶接されている境界部分
は、直径dの大きさであるから、ナゲットとは直径dの
大きさに相当する前記境界部分を指す。
に、ヤグレーザが直接照射されるシム板19の表面では
直径Dの大きさで形成されるが、基板12の表面では前
記直径Dより小径の直径dの大きさで形成されることに
なる(これら直径D及びdは、ヤグレーザの強弱によっ
て決定されることはいうまでもない)。ところが、実際
に平坦部17とシム板19とが溶接されている境界部分
は、直径dの大きさであるから、ナゲットとは直径dの
大きさに相当する前記境界部分を指す。
【0029】そこで、これら各々のナゲット20を非接
触で形成するには、例えば以下に述べる寸法にしたがう
とよい。すなわち、まず、各円X,Yにおいて隣接する
ナゲット20を非接触とするには、各々の中心間距離を
直径d以上とすればそれでよい。そこで、第一の円Xに
沿うナゲット20Xと第二の円Yに沿うナゲット20Y
とを非接触とするには、この例では第一の円Xに沿うナ
ゲット20Xの中心と、前記中心Oとを結ぶ直線Rを基
準とすると、当該直線Rに平行であって且つ第二の円Y
に沿うナゲット20Yの中心を通る直線R′を仮定し
て、これら直線R,R′間の距離をP1 とする一方、第
一の円Xと第二の円Yとの半径の差をP2としたとき、
条件“d≧P1 且つd≧P2 ”を満たすようにするので
ある。なお、この場合は直線Rを基準としたが、第二の
円Yに沿うナゲット20Yの中心と、前記中心Oとを結
ぶ直線を基準としても、寸法に若干の差が生じるだけで
前記条件は同一である。
触で形成するには、例えば以下に述べる寸法にしたがう
とよい。すなわち、まず、各円X,Yにおいて隣接する
ナゲット20を非接触とするには、各々の中心間距離を
直径d以上とすればそれでよい。そこで、第一の円Xに
沿うナゲット20Xと第二の円Yに沿うナゲット20Y
とを非接触とするには、この例では第一の円Xに沿うナ
ゲット20Xの中心と、前記中心Oとを結ぶ直線Rを基
準とすると、当該直線Rに平行であって且つ第二の円Y
に沿うナゲット20Yの中心を通る直線R′を仮定し
て、これら直線R,R′間の距離をP1 とする一方、第
一の円Xと第二の円Yとの半径の差をP2としたとき、
条件“d≧P1 且つd≧P2 ”を満たすようにするので
ある。なお、この場合は直線Rを基準としたが、第二の
円Yに沿うナゲット20Yの中心と、前記中心Oとを結
ぶ直線を基準としても、寸法に若干の差が生じるだけで
前記条件は同一である。
【0030】次に、上記の金属ガスケット11の製造方
法を、特に基板12の平坦部17にシム板19を溶接す
る方法を中心に説明する。ここでは前記溶接に当たって
レーザ溶接機を用いることとする。一般的なレーザ溶接
機は、テーブル,押さえ台及びフォーカスヘッド等を備
えてなるものであり、前記テーブルには金属ガスケット
11のシリンダボア孔13に対応する開口部が形成さ
れ、また、前記押さえ台はテーブルの開口部に嵌合する
ように形成されてその上端部に径方向に突出する押さえ
部が形成されている。このようなレーザ溶接機は、ヤグ
レーザを繰り返しパルス駆動し、フォーカスヘッドによ
って高密度のレーザパワーを集光すると、これを吸収し
た金属が急速に加熱されて溶融状態となる。これによ
り、溶着させる金属にはパルスに応じて複数の点溶接部
が形成される仕組みとなっている。
法を、特に基板12の平坦部17にシム板19を溶接す
る方法を中心に説明する。ここでは前記溶接に当たって
レーザ溶接機を用いることとする。一般的なレーザ溶接
機は、テーブル,押さえ台及びフォーカスヘッド等を備
えてなるものであり、前記テーブルには金属ガスケット
11のシリンダボア孔13に対応する開口部が形成さ
れ、また、前記押さえ台はテーブルの開口部に嵌合する
ように形成されてその上端部に径方向に突出する押さえ
部が形成されている。このようなレーザ溶接機は、ヤグ
レーザを繰り返しパルス駆動し、フォーカスヘッドによ
って高密度のレーザパワーを集光すると、これを吸収し
た金属が急速に加熱されて溶融状態となる。これによ
り、溶着させる金属にはパルスに応じて複数の点溶接部
が形成される仕組みとなっている。
【0031】そこで、まずステンレス鋼板をプレス加工
することにより、基板12にシリンダボア孔13が形成
されるとともに、ボア孔ビード18が形成される。ま
た、この基板12には同時に油孔15,水孔16,平坦
部17等も形成され、これによって金属ガスケット11
の素材が形成される。一方、この工程とは別に、ステン
レス鋼板をプレス加工することにより、シム板19が形
成される。
することにより、基板12にシリンダボア孔13が形成
されるとともに、ボア孔ビード18が形成される。ま
た、この基板12には同時に油孔15,水孔16,平坦
部17等も形成され、これによって金属ガスケット11
の素材が形成される。一方、この工程とは別に、ステン
レス鋼板をプレス加工することにより、シム板19が形
成される。
【0032】次いで、このようにして形成した金属ガス
ケット11の基板12をレーザ溶接機のテーブルに載置
し、この基板12の平坦部17にシム板19を配設する
が、この際、シム板19の内周がシリンダボア孔13の
周縁に一致するように配設する。すなわち、押さえ台の
下部をテーブルの開口部内に嵌合し、押さえ台にシム板
19の内縁部を当接させ、シム板19をテーブルと押さ
え台との間に挟持し、ボルト等によって双方を固定す
る。この後、フォーカスヘッドに対しテーブルをシム板
19の周上に沿って移動させながらシム板19にレーザ
光線を照射し、シム板19をその全周にわたり基板12
の平坦部17に溶接する。
ケット11の基板12をレーザ溶接機のテーブルに載置
し、この基板12の平坦部17にシム板19を配設する
が、この際、シム板19の内周がシリンダボア孔13の
周縁に一致するように配設する。すなわち、押さえ台の
下部をテーブルの開口部内に嵌合し、押さえ台にシム板
19の内縁部を当接させ、シム板19をテーブルと押さ
え台との間に挟持し、ボルト等によって双方を固定す
る。この後、フォーカスヘッドに対しテーブルをシム板
19の周上に沿って移動させながらシム板19にレーザ
光線を照射し、シム板19をその全周にわたり基板12
の平坦部17に溶接する。
【0033】この溶接においては、最初に第一の円Xの
軌跡に沿って互いに等間隔(実際は、円周率πが超越数
であるため、完全な等間隔とはならない場合が殆どであ
る)でナゲット20Xを形成した後、互いに隣接する当
該ナゲット20Xの間で第二の円Yの軌跡に沿ってナゲ
ット20Yを形成していくが、この際予めシリンダボア
孔13の径,シム板19の幅にしたがい、上述した条件
“d≧P1 且つd≧P 2 ”を的確に満たすように、レー
ザ溶接機のヤグレーザの強弱,テーブルの移動を制御す
る(これは、通常レーザ溶接機に備わっているコントロ
ーラによって行うとよい)。
軌跡に沿って互いに等間隔(実際は、円周率πが超越数
であるため、完全な等間隔とはならない場合が殆どであ
る)でナゲット20Xを形成した後、互いに隣接する当
該ナゲット20Xの間で第二の円Yの軌跡に沿ってナゲ
ット20Yを形成していくが、この際予めシリンダボア
孔13の径,シム板19の幅にしたがい、上述した条件
“d≧P1 且つd≧P 2 ”を的確に満たすように、レー
ザ溶接機のヤグレーザの強弱,テーブルの移動を制御す
る(これは、通常レーザ溶接機に備わっているコントロ
ーラによって行うとよい)。
【0034】一方、この手順とは別に、第一の円Xに沿
って形成されるナゲット20Xと、第二の円Yに沿って
形成されるナゲット20Yとを同時に平行して形成して
もよい。この場合は、照射されるヤグレーザをフォーカ
スヘッドにより複数に分岐させる等をして、一度のテー
ブルの移動に対して例えば一対のナゲット20X,20
Yを形成すればよく、このようにして溶接を行えば、溶
接のための作業効率が促進される。なお、この場合、ナ
ゲット20Xの個数に対して、ナゲット20Yの個数は
一つ多く形成されることになるため、ナゲット20Yの
最後の一つを形成するときは、その部分のみにヤグレー
ザを照射するとよい。
って形成されるナゲット20Xと、第二の円Yに沿って
形成されるナゲット20Yとを同時に平行して形成して
もよい。この場合は、照射されるヤグレーザをフォーカ
スヘッドにより複数に分岐させる等をして、一度のテー
ブルの移動に対して例えば一対のナゲット20X,20
Yを形成すればよく、このようにして溶接を行えば、溶
接のための作業効率が促進される。なお、この場合、ナ
ゲット20Xの個数に対して、ナゲット20Yの個数は
一つ多く形成されることになるため、ナゲット20Yの
最後の一つを形成するときは、その部分のみにヤグレー
ザを照射するとよい。
【0035】また、この他に、例えばフォーカスヘッド
を固定し、基板12の一つのシリンダボア孔13の中心
Oを支点とし、当該基板12を回転させる等、あまたの
方法が考えられるが、要は被溶接物となる基板12及び
シム板19とフォーカスヘッドとを相対的に移動させれ
ばよいのである。このように基板12とシム板19とを
溶接した金属ガスケットと、図6に示した従来の溶接方
法により形成した金属ガスケットとを、溶着面積に着目
して比較すると、所見によれば以下のような結果が得ら
れた。すなわち、この度は、シム板19の内径を81m
m,外径を83mm,幅を2mmとし、ナゲット20の径d
を0.5mmとし、これらは両方法とも同一として評価し
た。 1)従来の方法により製造された金属ガスケットの場
合:ナゲット20の中心間距離を0.3mmとし、前記中
心Oを支点として直径82mmの円に沿い、隣接するナゲ
ットを重合させつつ溶接部分を形成すると、当該溶接部
分の面積は約120.6mm2 となった。 2)本発明の方法により製造された金属ガスケットの場
合:上記した条件におけるP1 を0.3mm,P2 を0.
5mmとし、第一の円Xの直径を81.6mm,第二の円Y
の直径を82.6mmとして溶接部分を形成すると、当該
溶接部分の面積は約167.7mm2 となった。
を固定し、基板12の一つのシリンダボア孔13の中心
Oを支点とし、当該基板12を回転させる等、あまたの
方法が考えられるが、要は被溶接物となる基板12及び
シム板19とフォーカスヘッドとを相対的に移動させれ
ばよいのである。このように基板12とシム板19とを
溶接した金属ガスケットと、図6に示した従来の溶接方
法により形成した金属ガスケットとを、溶着面積に着目
して比較すると、所見によれば以下のような結果が得ら
れた。すなわち、この度は、シム板19の内径を81m
m,外径を83mm,幅を2mmとし、ナゲット20の径d
を0.5mmとし、これらは両方法とも同一として評価し
た。 1)従来の方法により製造された金属ガスケットの場
合:ナゲット20の中心間距離を0.3mmとし、前記中
心Oを支点として直径82mmの円に沿い、隣接するナゲ
ットを重合させつつ溶接部分を形成すると、当該溶接部
分の面積は約120.6mm2 となった。 2)本発明の方法により製造された金属ガスケットの場
合:上記した条件におけるP1 を0.3mm,P2 を0.
5mmとし、第一の円Xの直径を81.6mm,第二の円Y
の直径を82.6mmとして溶接部分を形成すると、当該
溶接部分の面積は約167.7mm2 となった。
【0036】したがって、この結果によれば、本発明の
方法により基板12とシム板19とを溶着させると、約
40mm2 程度溶接部分の面積を増加させることができ
る。これによって、シム板19の未溶接部分が小さくな
り、エンジンの運転に伴う当該未溶接部分の振動振幅が
抑制されるとともに、固着強度が向上される。しかも、
本発明の方法によれば、ナゲット20が各々非接触とな
っているため、溶接時の熱による基板12の歪みが抑制
されるとともに、シム板19は部分的に重複した点溶接
部を有しないので、未溶接部に対する硬度差・内部応力
差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境界におい
て亀裂が発生し、各々が分離するのを防止することがで
きる。
方法により基板12とシム板19とを溶着させると、約
40mm2 程度溶接部分の面積を増加させることができ
る。これによって、シム板19の未溶接部分が小さくな
り、エンジンの運転に伴う当該未溶接部分の振動振幅が
抑制されるとともに、固着強度が向上される。しかも、
本発明の方法によれば、ナゲット20が各々非接触とな
っているため、溶接時の熱による基板12の歪みが抑制
されるとともに、シム板19は部分的に重複した点溶接
部を有しないので、未溶接部に対する硬度差・内部応力
差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境界におい
て亀裂が発生し、各々が分離するのを防止することがで
きる。
【0037】なお、上記の例では、シム板19の全周に
わたってナゲット20を形成した場合について説明した
が、例えば金属ガスケット11において、前記各ボルト
孔14の間に位置する部分(図1で例えば点線で囲んだ
部分S)は、図7ないし図9に示すような位置にナゲッ
ト20を形成してもよい。すなわち、図7に示すもの
は、前記部分Sに該当する範囲L内では、第一の円Xの
みにナゲット20を形成し、図8に示すものは、第一の
円Xに沿ったナゲット20Xを前記範囲L以外の部分に
形成したナゲット20Xと等間隔で形成する一方、第二
のYに沿ったナゲット20Yを範囲L内では間隔を大き
くして形成し、図9に示すものは、前記範囲L内におい
て第一及び第二の円X,Yに沿ったナゲット20X,2
0Yを、それぞれ範囲L以外の部分に形成したナゲット
20X,20Yの間隔より大きく形成している。
わたってナゲット20を形成した場合について説明した
が、例えば金属ガスケット11において、前記各ボルト
孔14の間に位置する部分(図1で例えば点線で囲んだ
部分S)は、図7ないし図9に示すような位置にナゲッ
ト20を形成してもよい。すなわち、図7に示すもの
は、前記部分Sに該当する範囲L内では、第一の円Xの
みにナゲット20を形成し、図8に示すものは、第一の
円Xに沿ったナゲット20Xを前記範囲L以外の部分に
形成したナゲット20Xと等間隔で形成する一方、第二
のYに沿ったナゲット20Yを範囲L内では間隔を大き
くして形成し、図9に示すものは、前記範囲L内におい
て第一及び第二の円X,Yに沿ったナゲット20X,2
0Yを、それぞれ範囲L以外の部分に形成したナゲット
20X,20Yの間隔より大きく形成している。
【0038】つまり、前記範囲L内の部分は、その両側
においてボルトで堅固に締結されることにより、締め付
け面圧が当該範囲L以外の部分より弱くなる。したがっ
て、この範囲L内の部分は、範囲L以外の部分よりナゲ
ット20を少なく形成しても、充分な溶接強度を確保で
きることになる。それゆえ、上記図7ないし図9に示す
ようにナゲット20を形成すれば、シム板19と平坦部
17との充分な溶接強度を確保しつつ、溶接作業の手間
を省いて効率化を促進することができ、また、ナゲット
20の個数が少ないため、当該ナゲット20の形成時に
おける熱の影響を少なくすることができ、基板12の変
形を抑制することができる。
においてボルトで堅固に締結されることにより、締め付
け面圧が当該範囲L以外の部分より弱くなる。したがっ
て、この範囲L内の部分は、範囲L以外の部分よりナゲ
ット20を少なく形成しても、充分な溶接強度を確保で
きることになる。それゆえ、上記図7ないし図9に示す
ようにナゲット20を形成すれば、シム板19と平坦部
17との充分な溶接強度を確保しつつ、溶接作業の手間
を省いて効率化を促進することができ、また、ナゲット
20の個数が少ないため、当該ナゲット20の形成時に
おける熱の影響を少なくすることができ、基板12の変
形を抑制することができる。
【0039】ここで、実際の溶接にあっては、例えばシ
ム板19の全周における前記範囲Lの位置を指定し、コ
ントローラによってフォーカスヘッドと基板12及びシ
ム板19を固定したテーブルとを相対的に移動させ、範
囲L内においては上記図7ないし図9に示したようにナ
ゲット20を形成するとよいが、結果として図7ないし
図9のようにナゲット20を形成することができれば、
具体的にはいかなる方法を採用してもよい。
ム板19の全周における前記範囲Lの位置を指定し、コ
ントローラによってフォーカスヘッドと基板12及びシ
ム板19を固定したテーブルとを相対的に移動させ、範
囲L内においては上記図7ないし図9に示したようにナ
ゲット20を形成するとよいが、結果として図7ないし
図9のようにナゲット20を形成することができれば、
具体的にはいかなる方法を採用してもよい。
【0040】なお、本実施例では、金属ガスケット11
の平坦部17にシム板19を溶着させる場合について説
明したが、例えば金属ガスケット11の他の部位に金属
板を溶着させる際に本発明の方法を適用したとしても同
様の効果を得ることができる。また、レーザ溶接に限ら
ず、他の溶接方法(例えばスポット溶接等)に本発明の
方法を適用することも勿論可能である。
の平坦部17にシム板19を溶着させる場合について説
明したが、例えば金属ガスケット11の他の部位に金属
板を溶着させる際に本発明の方法を適用したとしても同
様の効果を得ることができる。また、レーザ溶接に限ら
ず、他の溶接方法(例えばスポット溶接等)に本発明の
方法を適用することも勿論可能である。
【0041】さらに、本実施例で説明した条件“d≧P
1 且つd≧P2 ”は飽くまで一例であって、特許請求の
範囲において記したように環状金属板の幅内で異径の円
に沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成するといっ
た範疇から外れなければ、他の条件にしたがうことも勿
論可能である。例えば、シム板19の幅に余裕がある場
合は、図5に示すように、前記直線Rと第一の円X,第
二の円Yのそれぞれの交点を中心として、この直線R上
にナゲット20X,20Yを形成してもよい。また、本
実施例では第一の円Xと第二の円Yとの二つの円のそれ
ぞれに沿ってナゲットを形成したが、第三の,第四の円
…と二つ以上でも可能である。しかしながら、実際はシ
ム板19の幅とナゲットの径との兼ね合いで、二列(二
輪)でナゲットを形成するのが最適である。
1 且つd≧P2 ”は飽くまで一例であって、特許請求の
範囲において記したように環状金属板の幅内で異径の円
に沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成するといっ
た範疇から外れなければ、他の条件にしたがうことも勿
論可能である。例えば、シム板19の幅に余裕がある場
合は、図5に示すように、前記直線Rと第一の円X,第
二の円Yのそれぞれの交点を中心として、この直線R上
にナゲット20X,20Yを形成してもよい。また、本
実施例では第一の円Xと第二の円Yとの二つの円のそれ
ぞれに沿ってナゲットを形成したが、第三の,第四の円
…と二つ以上でも可能である。しかしながら、実際はシ
ム板19の幅とナゲットの径との兼ね合いで、二列(二
輪)でナゲットを形成するのが最適である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の金属ガスケット及びその製造方法によれば、以下の効
果を得ることができる。請求項1に記載の発明によれ
ば、点溶接部が各々非接触となっているため、溶接時の
熱による基板の歪みが抑制されるとともに、環状金属板
は部分的に重複した点溶接部を有しないので、未溶接部
に対する硬度差・内部応力差が小さくなり、溶接部分と
未溶接部分との境界において亀裂が発生し、各々が分離
するといった破損を防止することができる。さらに、点
溶接部が異径の円に沿って複数形成されているため、環
状金属板の未溶接部分が小さくなり、エンジンの運転に
伴う前記未溶接部分の振動振幅が抑制されるとともに、
固着強度を著しく向上させることができる。
の金属ガスケット及びその製造方法によれば、以下の効
果を得ることができる。請求項1に記載の発明によれ
ば、点溶接部が各々非接触となっているため、溶接時の
熱による基板の歪みが抑制されるとともに、環状金属板
は部分的に重複した点溶接部を有しないので、未溶接部
に対する硬度差・内部応力差が小さくなり、溶接部分と
未溶接部分との境界において亀裂が発生し、各々が分離
するといった破損を防止することができる。さらに、点
溶接部が異径の円に沿って複数形成されているため、環
状金属板の未溶接部分が小さくなり、エンジンの運転に
伴う前記未溶接部分の振動振幅が抑制されるとともに、
固着強度を著しく向上させることができる。
【0043】請求項2に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け
面圧の弱い部分においてピッチを大きくし、締め付け面
圧の強い部分においてピッチを小さくしたことで、環状
金属板と基板との固着強度を充分に確保しつつ溶接時の
熱による基板の歪みを抑制することができ、さらに余分
な溶接を省くことで作業の効率を向上させることができ
る。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、締め付け
面圧の弱い部分においてピッチを大きくし、締め付け面
圧の強い部分においてピッチを小さくしたことで、環状
金属板と基板との固着強度を充分に確保しつつ溶接時の
熱による基板の歪みを抑制することができ、さらに余分
な溶接を省くことで作業の効率を向上させることができ
る。
【0044】請求項3に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円では他方の円より
ピッチを大きくしたことで、環状金属板と基板との固着
強度を充分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みを
抑制することができ、さらに余分な溶接を省くことで作
業の効率を向上させることができる。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円では他方の円より
ピッチを大きくしたことで、環状金属板と基板との固着
強度を充分に確保しつつ溶接時の熱による基板の歪みを
抑制することができ、さらに余分な溶接を省くことで作
業の効率を向上させることができる。
【0045】請求項4に記載の発明によれば、前記異径
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円のみに形成したこ
とで、環状金属板と基板との固着強度を充分に確保しつ
つ溶接時の熱による基板の歪みを抑制することができ、
さらに余分な溶接を省くことで作業の効率を向上させる
ことができる。
の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を、前記締め
付け面圧の弱い部分において一方の円のみに形成したこ
とで、環状金属板と基板との固着強度を充分に確保しつ
つ溶接時の熱による基板の歪みを抑制することができ、
さらに余分な溶接を省くことで作業の効率を向上させる
ことができる。
【0046】請求項5に記載の発明によれば、点溶接部
を各々非接触にすることで、溶接時の熱による基板の歪
みが抑制されるとともに、環状金属板が部分的に重複し
て溶接されないため、未溶接部に対する硬度差・内部応
力差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境界にお
ける破損の発生が防止される。また、異径の円に沿って
複数の点溶接部を形成すると、環状金属板の未溶接部分
を小さくし、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分の振
動振幅が抑制されるとともに、固着強度が著しく向上さ
せることができる。
を各々非接触にすることで、溶接時の熱による基板の歪
みが抑制されるとともに、環状金属板が部分的に重複し
て溶接されないため、未溶接部に対する硬度差・内部応
力差が小さくなり、溶接部分と未溶接部分との境界にお
ける破損の発生が防止される。また、異径の円に沿って
複数の点溶接部を形成すると、環状金属板の未溶接部分
を小さくし、エンジンの運転に伴う前記未溶接部分の振
動振幅が抑制されるとともに、固着強度が著しく向上さ
せることができる。
【0047】請求項6に記載の発明によれば、固着され
る環状金属板の径及び幅に対応して点溶接部の径及び隣
接する点溶接部の間隔を適宜設定すると、的確に点溶接
部を形成することができ、これによって溶接精度を向上
させることができる一方、溶接作業を簡素化することが
できる。請求項7に記載の発明によれば、両軌跡のそれ
ぞれに沿って当該円の径方向に並べて点溶接部を形成す
る場合に比べ、環状金属板の幅を有効に活用できるので
点溶接部の径を大きくすることができ、これによって環
状金属板の未溶接部分を一層小さくすることができると
ともに、固着強度を一層向上させることができる。
る環状金属板の径及び幅に対応して点溶接部の径及び隣
接する点溶接部の間隔を適宜設定すると、的確に点溶接
部を形成することができ、これによって溶接精度を向上
させることができる一方、溶接作業を簡素化することが
できる。請求項7に記載の発明によれば、両軌跡のそれ
ぞれに沿って当該円の径方向に並べて点溶接部を形成す
る場合に比べ、環状金属板の幅を有効に活用できるので
点溶接部の径を大きくすることができ、これによって環
状金属板の未溶接部分を一層小さくすることができると
ともに、固着強度を一層向上させることができる。
【0048】請求項8に記載の発明によれば、両軌跡に
沿う点溶接部を同時に形成するため、溶接作業の効率化
を図ることができる。
沿う点溶接部を同時に形成するため、溶接作業の効率化
を図ることができる。
【図1】本実施例で説明した金属ガスケットの平面構成
図である。
図である。
【図2】図1の金属ガスケットに形成したナゲットの一
例を示す部分詳細図である。
例を示す部分詳細図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】図1の金属ガスケットにおけるシリンダボア孔
近くの断面図である。
近くの断面図である。
【図5】本実施例で説明したナゲットの他の例を示す部
分詳細図である。
分詳細図である。
【図6】従来の金属ガスケットの一例を示す要部詳細図
である。
である。
【図7】本実施例で説明したナゲットの他の例を示す部
分詳細図である。
分詳細図である。
【図8】同他の例を示す部分詳細図である。
【図9】同他の例を示す部分詳細図である。
11 金属ガスケット 12 基板 13 シリンダボア孔 19 シム板(環状金属板) 20 ナゲット(点溶接部) A 第一の円 B 第二の円
Claims (8)
- 【請求項1】 孔を形成した金属製の基板に、前記孔の
周縁に配設した環状金属板を固着してなる金属ガスケッ
トにおいて、前記環状金属板の幅内で前記孔側とその逆
側との異径の円に沿った複数の各々非接触な点溶接部を
形成したことを特徴とする金属ガスケット。 - 【請求項2】 前記異径の円に沿った複数の各々非接触
な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分においてピッチ
を大きくし、締め付け面圧の強い部分においてピッチを
小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の金属ガス
ケット。 - 【請求項3】 前記異径の円に沿った複数の各々非接触
な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分において一方の
円では他方の円よりピッチを大きくしたことを特徴とす
る請求項1に記載の金属ガスケット。 - 【請求項4】 前記異径の円に沿った複数の各々非接触
な点溶接部を、締め付け面圧の弱い部分において一方の
円のみに形成したことを特徴とする請求項1に記載の金
属ガスケット。 - 【請求項5】 金属製の基板に孔を形成するとともに、
この孔の周縁に環状金属板を配設し、この環状金属板の
全周にわたって複数の点溶接部を形成して当該環状金属
板を前記基板に固着する金属ガスケットの製造方法にお
いて、前記環状金属板の幅内で前記孔側とその逆側との
異径の円に沿って複数の各々非接触な点溶接部を形成す
ることを特徴とする金属ガスケットの製造方法。 - 【請求項6】 前記円の一方に沿って互いに等間隔又は
略等間隔で点溶接部を形成した後、前記円の他方に沿っ
て互いに等間隔又は略等間隔で点溶接部を形成すること
を特徴とする請求項5に記載の金属ガスケットの製造方
法。 - 【請求項7】 前記一方の円に沿って形成した互いに隣
接する二つの点溶接部の間で前記他方の円に沿って点溶
接部を形成することを特徴とする請求項6に記載の金属
ガスケットの製造方法。 - 【請求項8】 前記円の一方に沿って形成される点溶接
部と、前記円の他方に沿って形成される点溶接部と、を
同時に平行して形成することを特徴とする請求項5に記
載の金属ガスケットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6119065A JPH07332500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6119065A JPH07332500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07332500A true JPH07332500A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14752035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6119065A Pending JPH07332500A (ja) | 1994-05-31 | 1994-05-31 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07332500A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6164661A (en) * | 1996-07-31 | 2000-12-26 | Taiho Kogyo Co., Ltd. | Cylinder head gasket |
EP1072827A3 (de) * | 1999-07-24 | 2002-05-22 | Federal-Mogul Sealing Systems GmbH | Matallische Zylinderkopfdichtung |
JP2003200852A (ja) * | 2001-10-25 | 2003-07-15 | Toyota Motor Corp | 中空構造体 |
JP2005114053A (ja) * | 2003-10-08 | 2005-04-28 | Ishikawa Gasket Co Ltd | 金属ガスケット |
WO2012124405A1 (ja) * | 2011-03-16 | 2012-09-20 | 日本ガスケット株式会社 | シリンダヘッドガスケット |
JP2013183470A (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-12 | Kyocera Corp | 圧電アクチュエータ |
WO2018011932A1 (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 新日鐵住金株式会社 | ガスケット |
WO2018011933A1 (ja) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 新日鐵住金株式会社 | 積層金属板接合体 |
CN107914083A (zh) * | 2016-10-11 | 2018-04-17 | 丰田自动车株式会社 | 焊接方法和焊接结构 |
JP2020034035A (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 日本ガスケット株式会社 | ガスケット |
-
1994
- 1994-05-31 JP JP6119065A patent/JPH07332500A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6164661A (en) * | 1996-07-31 | 2000-12-26 | Taiho Kogyo Co., Ltd. | Cylinder head gasket |
EP1072827A3 (de) * | 1999-07-24 | 2002-05-22 | Federal-Mogul Sealing Systems GmbH | Matallische Zylinderkopfdichtung |
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JPWO2018011932A1 (ja) * | 2016-07-14 | 2018-11-08 | 新日鐵住金株式会社 | ガスケット |
JPWO2018011933A1 (ja) * | 2016-07-14 | 2018-11-22 | 新日鐵住金株式会社 | 積層金属板接合体 |
CN107914083A (zh) * | 2016-10-11 | 2018-04-17 | 丰田自动车株式会社 | 焊接方法和焊接结构 |
US10946478B2 (en) | 2016-10-11 | 2021-03-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Welding method and welded structure |
JP2020034035A (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 日本ガスケット株式会社 | ガスケット |
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