JPH065018Y2 - 排気マニホールド - Google Patents

排気マニホールド

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JPH065018Y2
JPH065018Y2 JP1988040284U JP4028488U JPH065018Y2 JP H065018 Y2 JPH065018 Y2 JP H065018Y2 JP 1988040284 U JP1988040284 U JP 1988040284U JP 4028488 U JP4028488 U JP 4028488U JP H065018 Y2 JPH065018 Y2 JP H065018Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、内燃機関に用いられる、溶接構造の鋼製排気
マニホールドに関する。
〈従来の技術〉 従来の溶接構造の鋼製マニホールドとしては例えば以下
に示すようなものがある(実開昭62−108516号
公報等参照)。
即ち、第7図に示すように、メインパイプ1又はブラン
チパイプ2とフランジ3、及び、メインパイプ1とブラ
ンチパイプ2とが各々本溶接により全周にわたって接合
されている。その接合の仕方は、第8図及び第9図に示
すように、本溶接ビード11及び12によって溶接組付され
ている。
また、上記の本溶接による接合の他に、第10図に示すよ
うに仮溶接として点付溶接をも行うことがある。この点
付溶接の仕方は第11図に示すように本溶接ビード11とは
別箇所に点付溶接ビード13を位置させてから、本溶接を
行う場合と、第12図に示すように点付溶接ビード14の上
から本溶接ビード12を施す場合とがある。
この点付溶接を行う目的は主に、本溶接のみを実施した
場合(第7図〜第9図)の溶接時熱応力による組付精度
劣化、組付位置変化を防ぐため、又は一部部品使用時の
剛性への寄与を補うためである。
更に、本溶接ビードの材料は、メインパイプ1,ブラン
チパイプ2,フランジ3が同じ金属結晶構造を有する材
料(いわゆる共材)を用いる場合には、熱疲労亀裂対策
の面から当然のことながら共材を用い、点溶接ビードの
材料についても共材を用いることが一般的である。
〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、このような従来の溶接構造の鋼製排気マ
ニホールドにあっては、仮溶接としての点付溶接におい
て、メインパイプ1,ブランチパイプ2,フランジ3の
共材を用いていたため、第13図に示すように、使用時に
点溶接ビード13箇所にクラックが生じた場合、そのクラ
ックは、O点を起点としてメインパイプ1又はブランチ
パイプ2に進展し、やがて貫通穴となり、排気通路31を
通る排気ガスが大気側に洩れてしまい、エンジン性能及
び耐久性を劣化させるという問題点があった。
本考案は、このような従来の問題点に鑑み、点付溶接ビ
ードのクラックがメインパイプ又はブランチパイプまで
進展しないようにすることを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このため、本考案は、使用温度範囲で同じ金属結晶構造
を有する複数の鋼製部材を、本溶接部と、それと別箇所
に施される点付溶接部とにより接合してなる排気マニホ
ールドにおいて、点付溶接材料を前記鋼製部材とは異な
る金属結晶構造を有する材料とした構成とする。
〈作用〉 上記の構成によると、点付溶接材料として鋼製部材とは
使用温度範囲で異なる金属結晶構造を有する材料を使用
するため、点付溶接ビードで発生したクラックが相接す
る鋼製部材まで進展することを防止できる。
〈実施例〉 以下に本考案の一実施例を第1図〜第6図に基づいて説
明する。
先ず、本考案の点溶接材料を選択するために行ったテス
トピース試験の結果を説明する。
第2図及び第3図は引張試験用テストピース形状を示
す。テストピースはフランジ材料21及びメインパイプ材
料(又はブランチパイプ材料)22を重ね合わせ、直径約
5mm(一定)の点付溶接23を行った。
次に、テストピースに用いた材質を第5図の表に示す。
フランジ材料21とメインパイプ材料(又はブランチパイ
プ材料)22には、同じ金属結晶構造即ちbcc(体心立
方)構造を示す材料の中から、フランジ材料21としては
炭素鋼(S10C)を、メインパイプ材料(又はブラン
チパイプ材料)22としては耐熱鋼(SUS430)を用
いた。これと共に点付溶接材料としては同じbcc構造
を有する材料2種類、即ち、耐熱鋼SUSY430及び
炭素鋼SWY11(S10C相当)を比較材として、ま
た異なる金属結晶構造、即ちfcc(面心立方)構造を
有する材料から、耐熱鋼(SUSY309)及び70%C
u−30%Znの黄銅合金の2種類を用いた。
以上のように準備されたテストピースを引張試験に供し
て引張破断後のビード破断位置を比較した。試験条件と
して、第3図に示すように曲げ応力等の影響を除いて単
軸引張となるように当て金24を用いた。また試験温度
は、部品として使用した場合の点付溶接部の実測最高温
度から400℃とした。
テストピース試験結果を第5図の表の最右欄に示す。ビ
ード破断位置は、メインパイプ材料(又はブランチパイ
プ材料)及びフランジ材料と同じ金属結晶構造(bcc
構造)を示す点付溶接材料(SUSY430,SWY1
1)の場合にはビード境界と一部ビード内であった。従
って実部品では第13図に示すような排気ガス洩れ不都合
が発生する可能性が高い。これに対してメインパイプ材
料(又はブランチパイプ材料)及びフランジ材料とは異
なる金属結晶構造(fcc構造)を示す点付溶接材料
(SUSY309,70%Cu−30%Zn合金)の場合に
は、ビード破断位置は完全にビード内のみであった。従
って、実部品では第1図に示すように、排気ガスが大気
側に洩れるようなことはないと推測される結果が得られ
た。
次に、テストピースで確認した内容と同様にして、実際
に、排気マニホールド部品を製造し、エンジン台上耐久
試験で評価した結果について説明する。
材質は第6図の表に示すように第5図の表に示している
ものと同じ材質を適用した。
また、排気マニホールド部品の組立工程を第4図に示
す。先ず、それぞれの部品を複数の点付溶接で仮溶接
し、その後、全周にわたって本溶接を施す。尚、本溶接
後、溶接時の残留応力除去のため歪取焼鈍を行う。
エンジン排気量としては、V型6気筒3を用い、最高
回転数を6000rpmとして、全負荷条件での冷熱サイク
ル耐久試験を500サイクルまで行い、耐久終了時での1
つのエンジン当たりの点付溶接総数24中の、ビード破
断位置の比較を行った。
台上試験結果を第6図の表に示す。第6図の表から分か
るようにメインパイプ材料(又はブランチパイプ材料)
及びフランジ材料と使用温度範囲で同じ金属結晶構造を
示すSUSY430,SWY11の点付溶接ビードはそ
のほとんどがビード境界で破断し、且つその一部は第13
図に示すようにメインパイプ(又はブランチパイプ)に
もクラックが進展して貫通亀裂となっているものもあっ
た。これに対して使用温度範囲で異なる金属結晶構造を
示すSUSY309と70%Cu−30%Znでは、第1図
に示すように、全数がビード内のみで破断し、排気ガス
が大気側に洩れるようなメインパイプ(又はプランチパ
イプ)内へのクラックはなかった。
尚、点付溶接部がその後の本溶接によって重ねて溶接さ
れる場合には排気マニホールド使用時の熱膨張・収縮に
よる熱応力の差を生じにくくさせるため、本溶接材料と
ほぼ等しい線膨張係数を有する、即ち同じ金属結晶構造
を有する点付溶接材料を使用するのは、従来どおりであ
る。
これにより、部品使用時に点付溶接ビードで破断して
も、その破断クラックはビード内でのみで進展するので
メインパイプ等の貫通亀裂を引き起こすことを防止でき
る。
〈考案の効果〉 以上説明したように、本考案によれば、点溶接部が本溶
接によって重ねて溶接されない場合に、点付溶接材料と
して、互いに溶接接合される少なくとも2個以上の鋼製
部材とは異なる金属結晶構造を有する材料を使用したた
め、部品使用時に点付溶接ビードで破断しても、その破
断クラックはビード内でのみで進展するのでメインパイ
プ等の貫通亀裂を引き起こさず、従って排気ガスが大気
側に洩れて、部品の性能・耐久寿命の劣化がないという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る一実施例を示す断面図、第2図は
テストピースの平面図、第3図は同上の側面断面図、第
4図は組立て工程図、第5図及び第6図はテスト結果を
示す表図、第7図は本溶接のみの排気マニホールドの全
体図、第8図は第7図のA−A断面図、第9図は第7図
のB−B断面図、第10図は点付溶接を有する排気マニホ
ールドの全体図、第11図は第10図のC−C断面図、第12
図は第10図のD−D断面図、第13図は従来の問題点を示
す断面図である。 1…メインパイプ、2…ブランチパイプ、3…フラン
ジ、11,12…本溶接ビード、13,14…点付溶接ビード

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用温度範囲で同じ金属結晶構造を有する
    複数の鋼製部材を、本溶接部と、それと別箇所に施され
    る点付溶接部とにより接合してなる排気マニホールドに
    おいて、点付溶接材料を前記鋼製部材とは異なる金属結
    晶構造を有する材料としたことを特徴とする排気マニホ
    ールド。
JP1988040284U 1988-03-29 1988-03-29 排気マニホールド Expired - Lifetime JPH065018Y2 (ja)

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JPH01143679U JPH01143679U (ja) 1989-10-02
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