JP2022097412A - ガス燃料船二重管構造及び同構造の製作方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような二重管構造のガス燃料管を船内に配置するには,所定長の二重管同士の接続箇所に対して、内管100は完全溶け込みの突合せ溶接をする必要があり、外管101の接合については、外管の接合箇所を外側から覆うスリーブを縦方向に2分割にした半割形状のスリーブ(以下、「半割スリーブ」とも称する)で塞ぎ、この半割スリーブの半割切断部分を溶接し、その後、外管101と半割スリーブの間を接合(隅肉溶接)にて接合するようにしている。
ところが、外管101を外側から覆うスリーブは、元の形状から半割りに切断する必要があり、この半割り切断の際に、半割スリーブ104a、104b自体に歪みが生じて変形してしまうという問題があり、また、半割スリーブ104a、104bの切断面を完全溶け込み突合せ溶接を行う際に、溶接熱の影響を受けることでも熱変形が生じ、これらのことから溶接された半割スリーブ104の断面形状が真円にならないという問題があった。
図7に示すように、半割スリーブ104a、104bの切断面に対して完全溶け込み突合せ溶接をした後、当該溶接接合部に対してRT検査を実施する際には、内部の内管100も一緒に撮影されてしまい、接合内部の小さな傷などが視認できない可能性などがあり、品質検査判定に困難が伴うなどの問題があった。
また、本願請求項2に係る発明は、ガス燃料船二重管構造の製作方法において、内管の完全溶け込み突合せ溶接作業及びその溶接部の非破壊検査に必要な作業の離間間隔に外管を配置するステップと、外管に当該離間間隔より長いスライドスリーブを外管外周に挿通するステップと、内管の完全溶け込み突合せ溶接作業及びその溶接部の非破壊検査の終了後に当該スライドスリーブを摺動させて当該離間間隔を覆うステップと、スライドスリーブの両端と外管との間を隅肉溶接で接合するステップと、からなることを特徴とする。
そして、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載のガス燃料船二重管構造において、前記離間間隔が200mmであることを特徴とする。
さらに、本願請求項4に係る発明は、前記請求項2に記載のガス燃料船二重管構造の製作方法において、前記離間間隔が200mmであることを特徴とする。
また、本願請求項5に係る発明は、ガス燃料船二重管構造において、外管と内管を同心に外管内端部近傍に溶接配置する断面T字状内管サポート部材と、内管サポート部材上に内管を把持するUボルトと、を有することを特徴とする。
そして、本願請求項6に係る発明は、前記請求項5に記載のガス燃料船二重管構造において、 断面T字状サポート部材が、高さ調整シムプレートと、高さ調整シムプレート上に内管に接して配置されるPTFEシートとを有し、Uボルトが、内周面にピラフロン材を有するピラフロンUボルトであることを特徴とする。
(1)半割スリーブを使用しないので、突合せ溶接箇所が少ない形状とすることができ、鋼船規則GF編で要求されるRT検査を実施する箇所を少なくすることが可能となり、現場の作業を軽減できるガス燃料船二重管構造及び同構造の製作方法とすることができる。
(2)外管を外側からスライドさせて覆う環状のスリーブ形状としたので、予め半割りする等の作業や半割り切断面の溶接接合時の溶接熱による影響を受けることがなく真円を維持できるスリーブ形状としたので、ガス燃料船二重管の接合作業の作業効率が格段に向上することとなる。
(3)内部を流れる流体の温度変化の影響や、船体のホギング・サギング、船体運動の加速度の影響で内管と外管で変位・伸縮が異なる二重管において、内管と外管はそれぞれの動きに追従することなく一定位置に固定することができる。
(4)二重管の外管と内管を固定する際に容易に、かつ確実に外管の芯に対して内管の芯が重なるような施工ができ、さらに施工設置後の二重管の内管・外管が動く際に、メタルタッチ箇所がないので、金属接触による摩耗が原因となる内管の破損及びスパークが起きないという効果を奏する。
図1(a)に示すように、ガス燃料船の所定長の気化された天然ガス燃料ス供給二重菅の接合においては、まず、内管100溶接時又は内管100突合せ溶接部105のRT検査実施時にはスライドスリーブ2は,これらの作業の邪魔にならない所へスライドさせておく(図1(a))。
その離間間隔の隙間で内管100同士の完全溶け込み突合せ溶接を行う。
しかる後、内管100の突合せ溶接部105のRT検査を行う。
次に、内管100の溶接部105のRT検査が終了した後にスライドスリーブ2を前述の離間管間隔を覆う位置(正規の位置)にスライドさせる(図1(c))。
しかる後、スライドスリーブ2の両端を2つの外管101、101に隅肉溶接を行う。
なお、外管101、101とスライドスリーブ2の両端との溶接は隅肉溶接となるため、鋼船規則等では非破壊検査は義務付けられてなく、この面からも作業効率の格段の向上ができることとなる。
また、半割りスリーブ104a、104bを用いるものではないので、半割りスリーブ104a、104bを作製する際の形状変形や半割りスリーブ104a、104の切断面の突合せ溶接を行う必要がないので、溶接熱変形も生じることがなく、現場作業の効率が向上する。
図2(a)は、実施例2に係る内管サポート部材の斜視図、図2(b)は、同内管サポート部材に使用するピラフロンUボルト中央部の断面概略図である(「ピラフロン」は登録商標)。
なお、PTFEとは、摩擦係数が非常に低い特性を有するポリテトラフルオロエチレン4フッ化エチレン樹脂「通称:テフロン(登録商標)R」をいい(https://kashima-kagaku.com/material/ptfe/)、また、ピラフロン(登録商標)は、ふっ素樹脂「PTFE」をベースレジンとした日本ピラー工業株式会社の各種シール材・すべり材製品をいう(https://premium.ipros.jp/pillar/product/category/27087/)。
また、ピラフロンUボルト14は、U字状ボルトの内側に凹切欠き14aを形成し、この凹切欠き14aに摺動材たるピラフロン材14bを介装させた構造とするものである。
図3に示すような組み立てを行った後、狭隘な外管101の端部近傍に溶接する。この結果、所定長の外管101の端部内に実施例2に係る内管サポート部材10を取付けることができることなる。
2 スライドスリーブ
10 本実施例2に係る内管サポート部材
11 T型サポート
12 SUS製高さ調整シムプレート
13 PTFEシート
14 ピラフロンUボルト
14a 凹切欠き
14b ピラフロン材
15a、15b 上ナット
16a、16b 下ナット
100 内管
101 外管
103 内管用サポート
104、104a、104b 半割りスリーブ
105 溶接部
106 X線発生器
107 フィルム
108 架台
Claims (6)
- 所定長のガス燃料船のガス供給二重管の内管の完全溶け込み突合せ溶接作業及びその溶接部の非破壊検査に必要な作業の離間間隔に配置される外管と、
当該離間間隔を覆う長さで、外管外周を摺動可能なスライドスリーブと、
スライドスリーブ両端と外管との間の隅肉溶接部と、
を有することを特徴とするガス燃料船二重管構造。 - 内管の完全溶け込み突合せ溶接作業及びその溶接部の非破壊検査に必要な作業の離間間隔に外管を配置するステップと、
外管に当該離間間隔より長いスライドスリーブを外管外周に挿通するステップと、
内管の完全溶け込み突合せ溶接作業及びその溶接部の非破壊検査の終了後に当該スライドスリーブを摺動させて当該離間間隔を覆うステップと、
スライドスリーブの両端と外管との間を隅肉溶接で接合するステップと、
からなることを特徴とするガス燃料船二重管構造の製作方法。 - 前記離間間隔が200mmであることを特徴とする請求項1に記載のガス燃料船二重管構造。
- 前記離間間隔が200mmであることを特徴とする請求項2に記載のガス燃料船二重管構造の製作方法。
- 外管と内管を同心に外管内端部近傍に溶接配置する断面T字状内管サポート部材と、
内管サポート部材上に内管を把持するUボルトと、
を有することを特徴とするガス燃料船二重管構造。 - 断面T字状サポート部材が、高さ調整シムプレートと、
高さ調整シムプレート上に内管に接して配置されるPTFEシートとを有し、
Uボルトが、内周面にピラフロン材を有するピラフロンUボルトであることを特徴とする請求項5に記載のガス燃料船二重管構造。
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