JP3295786B2 - 機器の制御装置 - Google Patents

機器の制御装置

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジン等の機器の制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば特開平4ー15943
9号公報に記載されているように、自動車用エンジン等
の機器において、実際の機器の動特性をモデル化したハ
ードモデルと、機器に対する制御ロジックと同一の制御
ロジックからなるソフトモデルとを組み合わせることに
より、実験室レベルで機器の制御をシュミレーションで
きるようにしたものが知られている。また、このような
ハードモデルとソフトモデルの組み合わせを実機エンジ
ンに搭載し、シュミレーションの結果を実制御系に反映
させ、予測によって機器の制御を補償するようにした現
代制御が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機器の動特性をモデル
化したハードモデルと、機器に対する制御ロジックと同
一の制御ロジックからなるソフトモデルの組み合わせを
実機エンジンに搭載しシュミレーション結果を実制御系
に反映させるようにするには、機器の固体差や経年変化
等に対してハードモデルの動特性を補正して常に実機の
動特性と一致させておく必要があり、そのためには、機
器の入力と出力との対応関係に対してハードモデルにお
ける入力と出力との対応関係が一致するようハードモデ
ルの動特性を調整する同定手段を設けることが考えられ
る。しかし、この種のモデルの場合には、例えば自動車
用エンジンの場合に、運転者に感じとられない範囲での
シュミレーションはできるが、例えば、エンストさせる
ようなモードのシュミレーションを行って、それを回避
する制御ロジックを学習したいような場合でも、そのよ
うな運転に支障のあるシュミレーションは実際上行うこ
とができなかった。
【0004】本発明は、機器の動作に悪影響を与えるこ
となく機器の実際の動特性に適応した自由な実験モード
を実行することのできる機器の制御装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る機器の制御
装置は、機器と、該機器を実際に制御する実制御系とか
らなる実制御モデルと、機器に対する入力と該入力に対
応した機器の出力との関係に基づいて機器の動特性をモ
デル化したハードモデルと、上記機器に対する入力とそ
の入力を共有し、上記実制御系と同じ制御ロジックを備
えたソフトモデルとからなる同定モデルと、該同定モデ
ルのハードモデル特性を機器の実際の動特性に一致させ
る同定手段と、上記同定モデルにおけるハードモデルと
同様のハードモデルと上記同定モデルにおけるソフトモ
デルと同様のソフトモデルとからなり、上記実制御モデ
ルおよび上記同定モデルに対する入力とはその入力を共
有化しないチューニングモデルと、該チューニングモデ
のソフトモデルに対する入力系パラメータを変更して
その結果を評価することにより該チューニングモデル
ソフトモデルに対する入力系パラメータの最適値を選択
するチューニング手段と、該チューニング手段により
択された入力系パラメータの最適値上記実制御系に対
する入力系パラメータとする入力系パラメータ変更手段
を備えたことを特徴とする。
【0006】本発明に係る機器の制御装置は、機器がエ
ンジンである場合に、エンジンの運転状態に応じてチュ
ーニング条件となるパラメータに優先度をつける優先度
設定手段を設けることができる。そして、その優先度設
定手段は、具体的には、エンジンの高負荷運転時には加
速増量等の出力要求制御系のチューニング条件となるパ
ラメータの優先度を高くするものとすることができ、ま
た、エンジンの低負荷運転時にはアイドル・スピード・
コントロール装置によるバイパスエアを利用した、減速
時のスロットルバルブの閉速度を緩和するダッシュポッ
ト補正等のエンスト防止制御系のチューニング条件とな
るパラメータの優先度を高くするものとすることができ
る。
【0007】また、機器がエンジンである場合は、エン
ジンの運転状態に応じてチューニングの制御対象に優先
度をつける優先度設定手段を設けることができ、その場
合に、例えば、エンジンの低負荷運転時には燃料噴射制
御よりもアイドル・スピード・コントロールの優先度を
高くするようにできる。
【0008】また、本発明に係る機器の制御装置は、使
用頻度の高いパラメータに対しチューニング優先度を高
くする手段を備えたものとすることができる。
【0009】
【作用】本発明によれば、同定モデルのモデル特性を機
器の実際の動特性に一致させる同定処理が行われるとと
もに、チューニングモデルに対する入力系パラメータを
変更してその結果を評価することにより該チューニング
モデルのソフトモデルに対する入力系パラメータの最適
値が選択され、その選択された入力系パラメータの最適
値が実制御系に対する入力系パラメータとされる。この
チューニング処理は、機器の動作と関係なく実施される
ものであり、機器の動作に悪影響を与えることなく随時
行える。
【0010】また、機器がエンジンである場合に、高負
荷運転時には加速増量等の出力要求制御系のチューニン
グ条件となるパラメータの優先度を高くするようにした
り、低負荷運転時にはアイドル・スピード・コントロー
ル装置によるバイパスエアを利用したダッシュポット補
正等のエンスト防止制御系のチューニング条件となるパ
ラメータの優先度を高くするなど、エンジンの運転状態
に応じてチューニング条件となるパラメータに優先度を
つけることで、一層効果的なチューニングが行える。
【0011】機器がエンジンである場合には、また、エ
ンジンの低負荷運転時には燃料噴射制御よりもアイドル
・スピード・コントロールの優先度を高くするなど、エ
ンジンの運転状態に応じてチューニングの制御対象に優
先度をつけることにより、やはり、チューニングが一層
効果的となる。
【0012】また、使用頻度の高いパラメータのチュー
ニング優先度が高くされることによって、やはり一層効
果的なチューニングが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】図1は本発明の一実施例の全体システムを
示すブロック図である。この実施例は、エンジンのIS
C(アイドル・スピード・コントロール),点火時期制
御,燃料噴射制御等に適用したものであって、実機エン
ジン1とこれを実際に制御する実制御系10とからなる
リアルモデル(実制御モデル)100と、実機エンジン
1に対応して仮想実体を構成するハードモデル2と、実
制御系10と等価なパラメータを備えるとともに実制御
系10と入力を共有するソフトモデル20とからなる同
定モデル200と、実機エンジン1に対応して仮想実体
を構成するハードモデル3と実制御系10と等価なパラ
メータを備えるが、実制御系10および上記ソフトモデ
ル20とは入力および出力を共有しないソフトモデル3
0とからなるチューニングモデル300とで形成されて
いる。
【0015】実制御系10は、フィードバック制御用の
積分回路11と、現代制御のパラメータとなるオブザー
バ回路12とを備えている。図2はこの実制御系10の
全体図であり、図3は積分回路11の特性式を示す詳細
図、図4はオブザーバ回路12の特性式を示す詳細図で
ある。図3において、KIは積分回路11の制御定数
(積分定数)である。また、図4において、K1〜K7
オブザーバ回路12の制御定数である。オブザーバ回路
12の特性式では、出力値NEの今回値と前回値、およ
び後述のDFBの前回値DFBi-1から5回前までの値
が用いられる。
【0016】ISCの場合に、実制御系10には目標ア
イドル回転数N0が入力され、当該N0と実エンジン回転
数NEが減算器13に入力され、該減算器13の出力が
積分回路11に入力される。
【0017】オブザーバ回路12は、実際のエンジン回
転数NEと実機エンジン1に対するデューティ比に基づ
いて所定の制御値を演算する。そして、オブザーバ回路
12で演算された制御値と積分回路11の出力値との偏
差がもう一つの減算器14によって演算され、その演算
結果を示す減算器14の出力DFBが実機エンジン1に
対する入力値(ISCDuty)とされるとともにオブ
ザーバ回路12への入力値とされる。
【0018】同定モデル200のソフトモデル20は、
実機エンジン1の動特性をモデル化した同定用のハード
モデル2を制御する。このハードモデル2は、実機エン
ジン1の入力値に対する出力値との対応関係に基づいて
設定されていて、実機エンジン1の動特性と完全に一致
している状態では、同じ入力値に対して出力値が同じに
なる。
【0019】また、このハードモデル2を制御するソフ
トモデル20は、実制御系10と同じ制御ロジックとな
るよう設定されていて、フィードバック制御用の積分回
路21と、オブザーバ回路22とを備えている。その積
分回路21の特性式は図3と同様であり、オブザーバ回
路22の特性式は図4と同様である。そして、このソフ
トモデル20には実制御系10と共通の目標アイドル回
転数N0が入力され、当該N0とハードモデル2の出力N
Eが減算器23に入力され、該減算器23の出力が積分
回路21に入力される。また、オブザーバ回路22は、
ハードモデル2の出力NEとハードモデル2に対するデ
ューティ比に基づいて所定の制御値を演算する。そし
て、オブザーバ回路22で演算された制御値と積分回路
21の出力値との偏差がもう一つの減算器24によって
演算され、その演算結果を示す減算器24の出力DFB
がハードモデル2に対する入力値とされるとともにオブ
ザーバ回路22への入力値とされる。
【0020】チューニングモデル300のソフトモデル
30は、同定モデル200におけるハードモデル2と同
じ設定のハードモデル3を制御する。このハードモデル
3は、同定モデル200におけるハードモデル2と同
様、実機エンジン1の入力値に対する出力値との対応関
係に基づいて設定されていて、実機エンジン1の動特性
と完全に一致している状態では、同じ入力値に対して出
力値が同じになる。
【0021】また、このハードモデル3を制御するソフ
トモデル30は、同定モデルのソフトモデル20と同じ
制御ロジックとなるよう設定されていて、フィードバッ
ク制御用の積分回路31と、オブザーバ回路32とを備
えている。その積分回路31の特性式は図3と同様であ
り、オブザーバ32の特性式は図4と同様である。そし
て、このソフトモデル30には実制御系10の入力とは
異なるパターンで目標アイドル回転数N0が入力され、
当該N0とハードモデル3の出力NEが減算器33に入力
され、該減算器33の出力が積分回路31に入力され
る。また、オブザーバ回路32は、ハードモデル3の出
力NEとハードモデル3に対するデューティ比に基づい
て所定の制御値を演算する。そして、オブザーバ回路3
2で演算された制御値と積分回路31の出力値との偏差
がもう一つの減算器34によって演算され、その演算結
果を示す減算器34の出力DFBがハードモデル3に対
する入力値とされるとともにオブザーバ回路32への入
力値とされる。
【0022】上記リアルモデル100,同定モデル20
0およびチューニングモデル300は、コンピュータの
CPUが構成する全体管理部40によって管理される。
そして、後述のように、やはりCPUが構成する同定部
分41を介して同定モデル200におけるハードモデル
2の動特性を調整する同定が行われ、また、実制御系1
0および同定モデル200におけるソフトモデル20の
制御パラメータや制御ロジックを最適化するチューニン
グが行われる。全体管理部40は、各モデルの入出力を
観測し、比較し、その結果によって同定およびチューニ
ングを行わせ、また、制御結果を推定して対策するとい
ったことを行う。
【0023】図5は、上記同定モデル200におけるハ
ードモデル2の詳細図である。この図において、P1〜
P5は各パラメータ部分である。P3は吸気流量Q,燃
料噴射量Tpおよび点火時期Igの関数としてエンジン
発生トルクTEngを算出するトルクテーブル(エンジン
モデル)であって、その流量Qを演算する部分がP1
(TVO−Q1流量マップ),P2(ISCDuty−
2流量マップ)およびP4(流量おくれモデル)であ
る。また、P5は燃料噴射量(INJパルス)の過渡お
くれを演算する燃料おくれモデルである。ここで、P1
でのTVOはスロットル開度、P2でのDutyはIS
C信号のデューティ比を示す。P1およびP2の出力は
加算器51により加算され、P4で過渡処理された後、
P3に入力される。また、P6は、ポンピングロスと
か、エアコンその他の補機による損失トルクTHを算出
する損失トルクモデルである。P3で算出されたエンジ
ン発生トルクTEngからP6で算出された損失トルクTH
が減算器52によって減算され、減算された後のトルク
Tは慣性モデルP7に入力され、エンジン回転数Neに
変換される。なお、P7においてIおよびKは制御定数
である。
【0024】図5において、P1〜P5の各パラメータ
は、各々がマップ状のデータ群であり、この内、P1,
P2およびP3は後述の同定において第1優先とされる
定常パラメータ部分であり、P4およびP5は第2優先
の過渡パラメータ部分である。また、P6とP7は変動
が少ないために実験値を固定値として入れておくもので
ある。
【0025】つぎに、この実施例における同定法を図6
のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0026】図6のS1〜S12は同定処理のステップ
を示すものであって、まず,S1で実機エンジン1に対
して多くの入力が変化しているかどうかを判定する。具
体的には、スロットル開度TVOの変化量ΔTVOが所
定値K1より大きく、ISCデューティの変化量を示す
DFBの変化量ΔDFBが所定値K2より大きく、かつ
目標回転数N0の変化量ΔN0が所定値K3より大きいと
きは、多入力変化中と判定する。そして、S1の判定が
YESのときは、以下の処理を行うことなくリターンす
る。
【0027】S1の判定でNOのときは、S2へ進み、
定常エラーつまり定常運転状態における実機エンジン1
とハードモデル2との一致度合を示す評価関数Hiの値
が所定値KTより小さいかどうかを判定する。この評価
関数Hiは、後述のように、小さいほど一致度合が高い
ことを示すものである。
【0028】S2の判定がNOつまり評価関数Hiが所
定値KTより大きく一致度合が低いというときは、S3
へ進み、現在実機エンジン1が定常運転中かどうかを判
定する。そして、定常運転中でなければ、そのままリタ
ーンし、定常運転中であれば、S4〜S7の処理によっ
て、まず定常運転時におけるハードモデル20の同定を
行う。この定常運転時における同定は、図5におけるP
1,P2およびP3の時定数等の制御定数を最適化する
ことにより行う。なお、手順としては、こうして定常運
転時における同定を行い定常エラーの評価関数Hiが所
定値KTより小さくなった後で、後述のS9〜12にお
いて過渡運転時の同定を行うことになる。
【0029】S4では、P1,P2およびP3の各々の
ハードモデルパラメータの組み合わせを実研計画法マッ
プから選出する。ここで、実研計画法マップというの
は、P1の場合のTVO−Qマップ,P2の場合のIS
CDuty−Qマップ,P3の場合のTVOとQ,T
p,Igを入力としてTEngを出力とするトルクテーブ
ルのデータから、1番からn番までの組み合わせを設定
するものである。
【0030】つぎに、S5では、S4において選択され
た1番からn番までの組み合わせで順次作動させて、同
定モデル200の出力値NEとリアルモデル100の出
力値NEとの偏差eTを二乗したものを所定時間積分する
評価関数Hiを演算する。そして、S6でそれぞれの組
み合わせにおけるHiを記憶し、S7において、Hiが
最小の組み合わせを最適なものとしてハードモデル20
の制御定数を変更する。
【0031】こうして定常運転時の同定が終了し、S2
の判定がYESとなったときは、S8へ進んで、実機エ
ンジンの運転状態が過渡運転時かどうかを判定する。具
体的には、エンジン回転数NEの変化量ΔNEが所定値K
4より大きく、かつΔDFBが所定値K5より大きいとき
は過渡運転時と判定する。そして、この判定がNOのと
きは、そのままリターンし、判定がYESで過渡運転時
というときは、S9〜S12の処理によって過渡運転時
におけるハードモデル20の同定を行う。この過渡運転
時における同定は、図5におけるP4およびP5のハー
ドモデルパラメータを最適化するものである。その具体
的手順は定常運転時の同定を行うS4〜S7の手法と実
質的に同じであるので、説明を省略する。
【0032】図7はチューニングを実行するフローチャ
ートである。ここでのチューニングは、実制御系10お
よび同定モデル200におけるソフトモデル20の制御
定数のチューニングである。具体的には、積分回路1
1,21の積分定数KIおよびオブザーバ回路12,2
2のチューニングを行う。このフローチャートはT1〜
T11のステップからなり、スタートすると、まず、T
1でKIのチューニングが完了しているかどうかを見
る。そして、最初はこの判定はNOであって、その場合
はT2へ進み、T2〜T5の処理によってKIのチュー
ニングを行う。
【0033】T2では、積分定数KIについて、実研計
画法マップにより、1番からn番まで、KIの設定値を
0.01〜1.0の範囲で選択し入れ替える。
【0034】つぎに、T3では、T2において選択され
た1番からn番までの設定値で順次作動させて、i番目
(i=1〜n)の設定値についてのエラー度合を示す評
価関数Heiを演算する。この評価関数Heiは、例え
ば、入力に対して出力の遅れがない状態を最適状態とす
る評価関数で、図5のハードモデル2において過渡おく
れモデルであるP4およびP5を除いた場合がベストと
なるものであり、具体的には、図8に示すように、図5
のハードモデル2からP4およびP5を除いたモデルの
出力回転数をNExとし、図1の同定モデルに200にお
ける出力回転数をNEyとしたときに、NExとNEyの偏差
の絶対値eTを二乗したものを所定時間積分したものと
される。この評価関数Heiは小さいほど好ましい。
【0035】T3で順次演算した評価関数Heiは、T
4で記憶する。そして、1番目からn番目までの積分定
数KIについて一通りの評価関数Heiを記憶した後、
T5でHeiが最小となるKIを選出し、これを最適な
ものとして実制御系10およびソフトモデル20の積分
定数KIを変更する。
【0036】T1の判定がYESのときは、T6に進
み、T5で最小として選出された評価関数Heが所定値
Kより大きいかどうかを判定する。そして、この判定が
YESのときは、積分定数KIの最適化だけでは十分な
評価が得られなかったということで、このときは、T7
〜T10の処理によってオブザーバ回路12,22の制
御定数K1〜K7のチューニングを行い、Heiが最小と
なるK1〜K7を選出し、これを最適なものとしてオブ
ザーバ回路12,22の制御定数K1〜K7を変更す
る。その具体的手順はT2〜T5の手法と実質的に同じ
であるので、説明は省略する。
【0037】同定処理およびチューニング処理の手順は
以上のとおりであるが、実際には、それぞれパターン数
が多く、1パターンにかかる時間も長いため、学習後長
い時間が経過したパターンについては必ずしも実機にマ
ッチしたパラメータにならないという問題が生じ得る。
そこで、つぎのような方法でパターンに優先度をつけ、
効果的な学習が行えるようにしている。
【0038】その一つは、運転状態に応じてチューニン
グ条件となるTVO,ΔTVO,NE,ΔNE等のパラメ
ータに優先度をつける方法である。例えば、高負荷運転
時にはレスポンス要求が高いということで、TVOの大
きい加速増量等の制御から優先して学習し、また、低負
荷運転時にはエンストしやすいと判断して、TVOの小
さいダッシュポット補正等を優先して学習する。
【0039】また、制御対象に応じて優先度をつける方
法もある。例えば、低負荷運転時にはISC系のパラメ
ータを噴射制御系のパラメータより優先する。また、点
火トラクション制御中は点火リタードのチューニングを
他のパラメータより優先させる。
【0040】そのほかに、使用頻度に応じて優先度をつ
ける方法もある。例えば、各パターンのパターン適合度
Wiの時間積分が最も大きいパターンほど優先させる。
【0041】なお、本発明はエンジン以外の機器にも広
く適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、機器の動作に悪影響を与えることなく機器の実際の
動特性に適応した制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体システムを示すブロッ
ク図。
【図2】本発明の一実施例における実制御系の全体図。
【図3】本発明の一実施例における積分回路の特性式を
示す詳細図。
【図4】本発明の一実施例におけるオブザーバ回路の特
性式を示す詳細図。
【図5】本発明の一実施例におけるハードモデルの詳細
図。
【図6】本発明の一実施例の同定を実行するフルーチャ
ート。
【図7】本発明の一実施例のチューニングを実行するフ
ルーチャート。
【図8】本発明の一実施例のチューニングにおける評価
関数の説明図
【符号の説明】
1 実機エンジン 2 ハードモデル(同定モデル) 3 ハードモデル(チューニングモデル) 10 実制御系 20 ソフトモデル(同定モデル) 30 ソフトモデル(チューニングモデル) 100 リアルモデル 200 同定モデル 300 チューニングモデル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−117653(JP,A) 特開 平2−99745(JP,A) 特開 平4−209940(JP,A) 特開 平2−263202(JP,A) 特開 平4−252833(JP,A) 特開 昭54−58116(JP,A) 特開 昭56−38542(JP,A) 特開 平6−324713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 1/00 - 21/02 F02D 41/00 - 41/40 F02D 43/00 - 45/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器と、該機器を実際に制御する実制御
    系とからなる実制御モデルと、 機器に対する入力と該入力に対応した機器の出力との関
    係に基づいて機器の動特性をモデル化したハードモデル
    と、上記機器に対する入力とその入力を共有し、上記実
    制御系と同じ制御ロジックを備えたソフトモデルとから
    なる同定モデルと、 該同定モデルのハードモデル特性を機器の実際の動特性
    に一致させる同定手段と、 上記同定モデルにおけるハードモデルと同様のハードモ
    デルと上記同定モデルにおけるソフトモデルと同様のソ
    フトモデルとからなり、上記実制御モデルおよび上記同
    定モデルに対する入力とはその入力を共有化しないチュ
    ーニングモデルと、 該チューニングモデルのソフトモデルに対する入力系パ
    ラメータを変更してその結果を評価することにより該チ
    ューニングモデルのソフトモデルに対する入力系パラメ
    ータの最適値を選択するチューニング手段と、 該チューニング手段により選択された入力系パラメータ
    の最適値上記実制御系に対する入力系パラメータとす
    る入力系パラメータ変更手段を備えたことを特徴する
    機器の制御装置。
  2. 【請求項2】 機器がエンジンであり、エンジンの運転
    状態に応じてチューニング条件となるパラメータに優先
    度をつける優先度設定手段を備えた、請求項1記載の機
    器の制御装置。
  3. 【請求項3】 優先度設定手段は、エンジンの高負荷運
    転時には出力要求制御系のチューニング条件となるパラ
    メータの優先度を高くするものである、請求項2記載の
    機器の制御装置。
  4. 【請求項4】 優先度設定手段は、エンジンの低負荷運
    転時にはエンスト防止制御系のチューニング条件となる
    パラメータの優先度を高くするものである、請求項2記
    載の機器の制御装置。
  5. 【請求項5】 優先度設定手段は、エンジンの高負荷運
    転時には加速増量制御系のチューニング条件となるパラ
    メータの優先度を高くするものである、請求項2記載の
    機器の制御装置。
  6. 【請求項6】 優先度設定手段は、エンジンの低負荷運
    転時にはアイドル・スピード・コントロール装置による
    バイパスエアを利用した、減速時のスロットルバルブの
    閉速度を緩和するダッシュポット補正系のチューニング
    条件となるパラメータの優先度を高くするものである、
    請求項2記載の機器の制御装置。
  7. 【請求項7】 機器がエンジンであり、エンジンの運転
    状態に応じてチューニングの制御対象に優先度をつける
    優先度設定手段を備えた、請求項1記載の機器の制御装
    置。
  8. 【請求項8】 優先度設定手段は、チューニングの制御
    対象として、エンジンの低負荷運転時には燃料噴射制御
    よりもアイドル・スピード・コントロールの優先度を高
    くするものとした請求項7記載の機器の制御装置。
JP19393693A 1993-07-10 1993-07-10 機器の制御装置 Expired - Fee Related JP3295786B2 (ja)

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