JP3295615B2 - 土留支保用切梁の係止構造 - Google Patents

土留支保用切梁の係止構造

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JP3295615B2
JP3295615B2 JP08730297A JP8730297A JP3295615B2 JP 3295615 B2 JP3295615 B2 JP 3295615B2 JP 08730297 A JP08730297 A JP 08730297A JP 8730297 A JP8730297 A JP 8730297A JP 3295615 B2 JP3295615 B2 JP 3295615B2
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宣明 飯田
民治 飯村
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日鐵建材工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス管、上・下水
道管、電線・電話ケーブル等の埋設管を敷設するために
掘削した溝の土留支保のために使用する切梁の係止構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】埋設管の敷設工事の多くは通常開削工法
により行われている。例えば、管埋設深さまで掘削した
溝の両側に矢板を並べて打ち込み、腹起こし材をこれに
沿って水平に当てがい、溝内において相対向する支柱間
および/または腹起こし材間を切梁で支持して土圧によ
る矢板の倒れ込みを防止しつつ埋設管の延長方向に掘削
を進行する方法がある。
【0003】支柱間および/または腹起こし材間に架設
する切梁としては、特開平8−277528号公報に記
載されている切梁が有効である。これは、図6に示すよ
うに直交する2本の回転軸25、26を基端22側に有
する伸縮自在な切梁20である。すなわち、切梁20は
水圧ジャッキ21等により伸縮自在であって、基端22
側には土留支保構造の支柱や腹起こし材に切梁を取り付
けるための鈎板24との間に垂直な回転軸25とこれに
直交する水平な回転軸26とを有する。また、先端23
側には、相対向する支柱または腹起こし材に切梁20を
取り付ける横板27を有する。
【0004】このような切梁20を、図7に示すよう
に、支柱10と相対向する支柱10との間に、および/
または腹起こし材17と相対向する腹起こし材17との
間に架設すれば、掘削溝の内壁に建て込んだ矢板18の
間隔を保持する土留支保構造を構成することができる。
【0005】支柱10等に取り付けた切梁20は、管を
吊り下ろす等のため退避させる必要があるときには、ま
ず図8(a)に示す状態で水圧ジャッキ21の押圧力を
解除し、図8(b)に示すように垂直な回転軸25を中
心として水平旋回させ、腹起こし材17と略平行な状態
とする。次に、図8(c)に示すように水平な回転軸2
6を中心に垂直転回させて腹起こし材17の上部に載置
する。これにより、切梁20は支柱10や腹起こし材1
7と同一面内まで退避させることができ、切梁20の太
さが作業の邪魔になることがないので、その分掘削溝の
幅を狭くすることが可能である。
【0006】掘削溝内に作業者が入らないで上記切梁の
退避操作を行う具体的な手段については、特願平7−2
38940号明細書および図面に所定のレバーを用いる
方法が記載されている。すなわち、棒材の上端に操作用
ハンドルを設け、棒材の下端に二股部材を固設すると共
に棒材の下端部に棒片を水平軸で軸支した操作用レバー
1を用い、まず図9(a)に示すように、棒材2の下端
に固設した二股部材4で切梁20の基端近傍を上方から
挟み、垂直な回転軸を中心に切梁20を水平旋回させて
図9(b)に示すように腹起こし材17と略平行状態と
する。次に、図10(a)に示すように、切梁20の重
心点と基端との範囲内において、棒材2の下端部に軸支
した棒片5を下方から切梁20と腹起こし材17との隙
間に挿入して棒片5の先端を腹起こし材17の上側へ引
っ掛け、棒片5の先端を引っ掛けたまま棒材2を引き上
げて、水平な回転軸を中心に切梁20を垂直転回させて
図10(b)に示すように腹起こし材17の上方に載置
する。この方法によれば、掘削溝の土留支保構造におけ
る切梁の退避に際して、作業者が溝内に入らないで地上
からの操作により、切梁を支柱や腹起こし材と同一面内
まで退避させることができ、掘削溝の幅を狭くすること
が可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示した従来の切梁20は、鈎板24で支柱や腹起こし材
に引掛けて取り付けていたため、操作用レバー1でまず
図9に示すように水平回動させる場合は特に問題ない
が、図10に示すように上方に引き上げて垂直転回させ
て腹起こし材17の上方に載置する際、取付構造上、基
端22まで持ち上げられて鈎板24が支柱や腹起こし材
から上方に抜け易いという問題を内在していたので、慎
重な垂直転回操作が必要であった。
【0008】そこで本発明は、垂直転回させて腹起こし
材の上方へ載置するためにレバーで上方に引き上げて
も、基端が支柱や腹起こし材から抜けてしまう恐れのな
い土留支保用切梁の係止構造を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の〜
の通りである。
【0010】 直交する2本の回転軸を基端側に有す
る伸縮自在な切梁を相対向する支柱間および/または腹
起こし材間に架設する掘削溝の土留支保構造における土
留支保用切梁の係止構造において、前記切梁の基端を差
込板とし、支柱側または腹起こし材側に1つあるいは2
つ以上の差込用金具を備え、前記差込板を必要部位の前
記差込用金具に差し込んで切梁を係止することを特徴と
する土留支保用切梁の係止構造。
【0011】 支柱の腹起こし支持材に前記差込用金
具を備えた前記の土留支保用切梁の係止構造。
【0012】 腹起こし材に沿って摺動自在な枠に1
つの前記差込用金具を備えた前記の土留支保用切梁の
係止構造。
【0013】 腹起こし材に前記差込用金具を直接固
着した前記の土留支保用切梁の係止構造。
【0014】 背面に矢板の端部に係止する係止部材
を有し、底面にボルト受台を介して矢板を押圧する推力
ボルトを有する上下位置の調整が自在な腹起こし支持材
に前記差込用金具を備えた前記の土留支保用切梁の係
止構造。
【0015】 前記差込板を差込用金具に対して上下
方向に差し込む前記〜のいずれかの土留支保用切梁
の係止構造。
【0016】 前記差込用金具の上部に差込板の上方
への抜けを防止する設定・解除自在のストッパーを備え
た前記の土留支保用切梁の係止構造。
【0017】 前記差込板を差込用金具に対して水平
方向に差し込む前記〜のいずれかの土留支保用切梁
の係止構造。
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】図1に本発明の土留支保用切梁の
係止構造の例を示す。図1(a)に示すように、切梁2
0の基端は差込板28としてあり、切梁20と差込板2
8との間には直交する2本の回転軸25、26を有す
る。差込板というのは、後述の差込用金具に差込み係止
することができる板ということであり、図示のように端
部の差込み部分の板厚を薄くして段差を付けてもよい
し、均一な厚みの板でもよい。要は、2本の回転軸2
5、26を中心とする旋回を妨げないように差込用金具
に差し込んで係止できるということである。一方、図1
(b)に示すように、支柱10の腹起こし支持材14に
は差込用金具11とその下部のストッパー12が備えて
ある。そして、図1(c)に示すように、差込板28を
差込用金具11に沿ってストッパー12に当接するまで
差し込むことにより、切梁20を支柱10に係止するこ
とができる。
【0020】差込板28と差込用金具11との隙間が狭
い場合は、図10に示したように上方に引き上げても差
込板28が上方に抜けてしまうことはほとんどないが、
隙間が広めの場合は、後述する設定・解除自在のストッ
パー13を差込用金具11の上部に設ければよい。ま
た、差込方向を水平方向とすることもできる。
【0021】図2には、腹起こし材17に沿って摺動自
在な枠16に差込用金具11を備えた例を示す。図2
(d)、(e)に示すように枠16は断面C型または□
型で、枠内に腹起こし材17を嵌装することにより枠1
6は腹起こし材17に沿って摺動自在であるが、横方向
に抜けることはない。枠16は腹起こし材17に沿って
摺動自在であるため、掘削現場の状況に応じて腹起こし
材17上の適切な位置に切梁を係止することができる。
【0022】図2(b)、(c)には、差込方向の例を
示す。図2(b)は前記差込板を上下方向に差し込むた
めの差込用金具11を示し、図1に示したものと同様に
下部にストッパー12を備えている。また、上部には設
定・解除自在のストッパー13を備え、切梁の差込板を
差込用金具11に差し込んで係止したのち、ストッパー
13を差込板の上に回転させて、切梁を上方に引き上げ
たときに差込板が差込用金具11から抜けてしまうのを
防止する。これに対し、図2(c)は前記差込板を水平
方向に差し込むための差込用金具11を示し、ストッパ
ー12は横に設けてある。この場合、切梁を引き上げて
も差込板が上方に抜ける恐れはないため、ストッパー1
3に相当するものは不要である。
【0023】図3は腹起こし材17に差込用金具11を
直接固着した例を示す。切梁は腹起こし材17の両端部
および中央部の3箇所で使用することが多いため、この
ように予め腹起こし材17に差込用金具11を溶接等に
よって直接固着しておくこともできる。この場合、枠に
腹起こし材を嵌装するという作業は不要となるが、現場
の状況に応じて切梁の係止位置を変更することはできな
い。差込方向やストッパー13については前述の例と同
様である。
【0024】また、特願平8−344510号明細書お
よび図面には、図11、12に示すように、土留壁を構
成する矢板9の上下方向の適切な位置に固定し、腹起こ
し材17を支持することができる腹起こし支持材15が
記載されているが、図4に、この腹起こし支持材15に
差込用金具11を備えた本発明の土留支保用切梁の係止
構造の例を示す。この腹起こし支持材15の背面には矢
板9の端部9aに係止する係止部材31を有し、矢板9
に沿って上下方向に位置を変更することができる。そし
て、底面にはボルト受台32を介して矢板9を押圧する
推力ボルト33を有し、推力ボルト33で矢板9を押圧
することにより上下方向の所望の位置に腹起こし支持材
15を固定することができる。この場合、差込方向やス
トッパーについては前述と同様である。
【0025】図5には、切梁の基端22自体を腹起こし
材に沿って摺動自在な枠16とした例を示す。この場合
は腹起こし材の任意の位置に切梁20を係止することが
でき、垂直転回のため上方に引き上げても抜けることは
ない。ただし、枠16が切梁20と一体のままではかさ
ばって腹起こし材を嵌装する作業等に不便となるので、
切梁20の本体を水圧ジャッキ21と2本の回転軸2
5、26との間で着脱自在としておき、腹起こし材上の
所望の位置まで枠16を摺動させた後、切梁20の本体
を固着すればよい。枠16の断面形状については、図2
(d)に示したC型も採用可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明により、切梁を垂直転回させるた
めに上方に引き上げたときに切梁の基端まで持ち上げら
れてしまうことを防止でき、切梁を腹起こし材の上方に
載置する退避作業を確実に行うことができる。また、切
梁は必要に応じて支柱や腹起こし材の所望の位置に係止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土留支保用切梁の係止構造を示す図で
あり、同図(a)は切梁の基端を差込板とした例を、同
図(b)は支柱の腹起こし支持材に差込金具を備えた例
を、同図(c)は切梁の基端の差込板を差込金具に差し
込んで係止する例を示す。
【図2】本発明の土留支保用切梁の係止構造を示す図で
あり、同図(a)は腹起こし材に沿って摺動自在な枠に
差込用金具を備えた例を、同図(b)、(c)は差込方
向の例を、同図(d)、(e)は枠の断面形状の例を示
す。
【図3】腹起こし材に差込用金具を直接固着した本発明
の土留支保用切梁の係止構造の例を示す図である。
【図4】上下位置の調整が自在な腹起こし支持材に差込
用金具を備えた本発明の土留支保用切梁の係止構造の例
を示す図である。
【図5】切梁の基端を腹起こし材に沿って摺動自在な枠
とした本発明の土留支保用切梁の係止構造の例を示す図
である。
【図6】直交する2本の回転軸を基端側に有する伸縮自
在な切梁の例を示す図である。
【図7】直交する2本の回転軸を基端側に有する伸縮自
在な切梁を用いた土留支保構造の例を示す図である。
【図8】直交する2本の回転軸を基端側に有する伸縮自
在な切梁を回転、退避させる状況を示す図である。
【図9】切梁の退避操作方法の水平旋回段階を示す図で
ある。
【図10】切梁の退避操作方法の垂直転回段階を示す図
である。
【図11】上下位置の調整が自在な腹起こし支持材の例
を示す側面図である。
【図12】上下位置の調整が自在な腹起こし支持材の例
を示す底面図である。
【符号の説明】
1 操作用レバー 2 棒材 4 二股部材 5 棒片 9 矢板 9a 端部 10 支柱 11 差込用金具 12 ストッパー 13 ストッパー 14 腹起こし支持材 15 腹起こし支持材 16 枠 17 腹起こし材 18 矢板 19 継足支柱 20 切梁 21 水圧ジャッキ 22 基端 23 先端 24 鈎板 25 垂直な回転軸 26 水平な回転軸 27 横板 28 差込板 31 係止部材 32 ボルト受台 33 推力ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−59988(JP,A) 特開 平8−277528(JP,A) 特開 昭58−127832(JP,A) 特開 平9−59985(JP,A) 実開 昭64−53241(JP,U) 実開 昭61−15335(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交する2本の回転軸を基端側に有する
    伸縮自在な切梁を相対向する支柱間および/または腹起
    こし材間に架設する掘削溝の土留支保構造における土留
    支保用切梁の係止構造において、前記切梁の基端を差込
    板とし、支柱側または腹起こし材側に1つあるいは2つ
    以上の差込用金具を備え、前記差込板を必要部位の前記
    差込用金具に差し込んで切梁を係止することを特徴とす
    る土留支保用切梁の係止構造。
  2. 【請求項2】 支柱の腹起こし支持材に前記差込用金具
    を備えた請求項1記載の土留支保用切梁の係止構造。
  3. 【請求項3】 腹起こし材に沿って摺動自在な枠に1つ
    の前記差込用金具を備えた請求項1記載の土留支保用切
    梁の係止構造。
  4. 【請求項4】 腹起こし材に前記差込用金具を直接固着
    した請求項1記載の土留支保用切梁の係止構造。
  5. 【請求項5】 背面に矢板の端部に係止する係止部材を
    有し、底面にボルト受台を介して矢板を押圧する推力ボ
    ルトを有する上下位置の調整が自在な腹起こし支持材に
    前記差込用金具を備えた請求項1記載の土留支保用切梁
    の係止構造。
  6. 【請求項6】 前記差込板を差込用金具に対して上下方
    向に差し込む請求項1〜5のいずれか記載の土留支保用
    切梁の係止構造。
  7. 【請求項7】 前記差込用金具の上部に差込板の上方へ
    の抜けを防止する設定・解除自在のストッパーを備えた
    請求項6記載の土留支保用切梁の係止構造。
  8. 【請求項8】 前記差込板を差込用金具に対して水平方
    向に差し込む請求項1〜5のいずれか記載の土留支保用
    切梁の係止構造
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