JP3295519B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3295519B2
JP3295519B2 JP04570194A JP4570194A JP3295519B2 JP 3295519 B2 JP3295519 B2 JP 3295519B2 JP 04570194 A JP04570194 A JP 04570194A JP 4570194 A JP4570194 A JP 4570194A JP 3295519 B2 JP3295519 B2 JP 3295519B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、傾斜部分を有する路
面、例えば轍等の凹凸を有する路面を高速走行する際に
発生する、ドライバーが予測できないタイヤの複雑な動
き、いわゆるワンダリングを抑制して直進安定性を向上
させた空気入りタイヤに関するものである。特に、直進
安定性の向上は、偏平率を小さくした高性能タイヤにお
いて必要である。
【0002】
【従来の技術】高性能タイヤは、車両の高出力化に伴
い、旋回時等に生じる遠心力に対抗できる横力を発生す
るための大きな横剛性を有し、また、高速走行時の駆動
・制動性能、操縦安定性等に優れていることが必要であ
るため、偏平率を小さくしてタイヤ接地幅を広くしたタ
イヤ形状を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高性能タイヤは、平坦
な路面では優れた操縦安定性を示すものの、轍の凹凸等
のような傾斜部分を有する路面を高速走行するようなと
きは、路面形状の凹凸に応じた不均一な力が部分的に作
用して複雑な挙動をとるようになる。例えば、偏平率を
小さくしたタイヤ、特に、へん平率が60%以下の乗用
車用タイヤは、図5(a)に示すような傾斜路面23を
走行する場合、一般に、傾斜路面23から受けるキャン
バースラストFcに起因する大きな横力Fyの作用によ
って直進安定性が損なわれるのである。
【0004】すなわち、図5(b)に示すように、タイ
ヤは、負荷荷重Wによって、路面の上方側21では、路
面23に対して強く押しつけられ、路面23の下方側2
2では、路面23から浮きぎみになる。そのため、タイ
ヤの前記上方側21では、負荷荷重Wにより、サイド部
24のたわみ変形に伴う矢印方向のカーカスプライの
倒れ込み変形が起こり、これに伴って、ベルト5が矢印
の方向に曲げ変形を生じるため、トレッドゴムに剪断
変形が生じる。その結果、タイヤのトレッドゴムには、
路面を上昇する方向(矢印)への剪断力が発生し、こ
の剪断力の接地面全体における合力がキャンバスラスト
Fcとなる。
【0005】そこで上記のような傾斜路面を上昇する方
向(矢印)への力がタイヤに作用すると、ワンダリン
グを生じて車両の直進安定性を損なうことになるため、
このワンダリングを防止する手段を開発することが必要
であった。
【0006】そこで本発明の目的は、前記傾斜路面上で
の直進安定性を向上させてワンダリングを抑制した空気
入りタイヤ、特に、偏平率の小さい高性能タイヤを開発
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明は、一対のビード間でトロイド状に延びる
カーカスのクラウン部の径方向外側にベルト及びトレッ
ド部を備え、該トレッド部が、幅方向中央部と両側方部
とからなり、トレッド円周を含む平面に沿う延在方向又
は該平面に対して幾分傾斜する延在方向に配設された複
数本の主溝を有する空気入りタイヤにおいて、トレッド
部の幅方向中央部の踏面が、規定空気圧にした状態で
は、トレッド部の両側方部の踏面を結ぶ踏面仮想輪郭よ
りも径方向内側にあり、かつ、さらに規定荷重を負荷し
た状態では、路面と接地してなり、該主溝が、その幅方
向断面で見て、溝底に向かってタイヤ赤道面から離隔す
る方向に実質傾斜した溝断面形状を有することを特徴と
する空気入りタイヤである。ここで踏面仮想輪郭とは、
トレッド部の幅方向断面内で、トレッド側方部踏面に接
する曲線のうち最も曲率が小さくなるような径方向外側
に凸の1〜2の曲率からなる曲線のことである。
【0008】また、第2発明は、一対のビード間でトロ
イド状に延びるカーカスのクラウン部の径方向外側にベ
ルト及びトレッド部を備え、該トレッド部が、幅方向中
央部と両側方部とからなり、トレッド円周を含む平面に
沿う延在方向又は該平面に対して幾分傾斜する延在方向
に配設された複数本の主溝を有する空気入りタイヤにお
いて、トレッド部の、幅方向中央部は、トレッド円周に
沿う間隔をおいて配設された複数本の横溝によって区分
された多数個のブロックで構成され、側方部がリブで構
成されており、該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底
に向かってタイヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜し
た溝断面形状を有することを特徴とする空気入りタイヤ
である。さらに、第3発明は、一対のビード間でトロイ
ド状に延びるカーカスのクラウン部の径方向外側にベル
ト及びトレッド部を備え、該トレッド部が、幅方向中央
部と両側方部とからなり、トレッド円周を含む平面に沿
う延在方向又は該平面に対して幾分傾斜する延在方向に
配設された複数本の主溝を有する空気入りタイヤにおい
て、トレッド部の幅方向中央部及び側方部とも、トレッ
ド円周に沿う間隔をおいて配設された複数本の横溝によ
って区分された多数個のブロックで構成され、かつ横溝
の幅及び配設本数の少なくとも一方を、幅方向中央部で
側方部よりも増加させ、該主溝が、その幅方向断面で見
て、溝底に向かってタイヤ赤道面から離隔する方向に実
質傾斜した溝断面形状を有することを特徴とする空気入
りタイヤである。さらにまた、第4発明は、一対のビー
ド間でトロイド状に延びるカーカスのクラウン部の径方
向外側にベルト及びトレッド部を備え、該トレッド部
が、幅方向中央部と両側方部とからなり、トレッド円周
を含む平面に沿う延在方向又は該平面に対して幾分傾斜
する延在方向に配設された複数本の主溝を有する空気入
りタイヤにおいて、トレッド部の幅方向中央部は、トレ
ッド円周に沿う間隔をおいて配設された複数本の横サイ
プによって区分された多数個のブロックで構成され、か
つ、トレッド部の陸部剛性を幅方向中央部で側方部より
も小さくし、該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底に
向かってタイヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜した
溝断面形状を有することを特徴とする空気入りタイヤで
ある。ここで、横溝または横サイプは、タイヤ赤道面に
対して30゜以上、傾斜していることが望ましい。
【0009】なお、第一及び第二発明でいうトレッド部
の幅方向中央部とは、タイヤ赤道面を中央位置にしてト
レッド幅の1/10から1/3までの範囲をいうことと
し、その範囲以外のトレッド部を側方部とする。また、
幾分傾斜して延びる主溝の「幾分傾斜」とは、トレッド
円周を含む平面に対して15°以下の傾斜を意味する。
【0010】さらに、上記の両発明は、トレッド部の幅
方向中央部に狭幅のベルト補強層を具えること、サイド
部の外皮ゴムに、タイヤの断面幅位置とトレッド接地端
位置との間でサイド部の円周に沿って切り欠き溝を配設
すること、好ましくは、この配設位置にて、外皮ゴム厚
みtに対する切り欠き溝の深さdの割合d/tが0.5
以上であること、規定空気圧の1/10の空気圧に充填
した空気入りタイヤを適用リムに装着してタイヤ車輪を
形成し、該タイヤ車輪の幅方向断面内で、ビードコアの
中心位置から、カーカスの外径位置までの距離Hと、カ
ーカスの断面幅位置までの距離hとをそれぞれ測定し、
前記距離Hに対する前記距離hの割合h/Hが0.67
より大きく0.80より小さい範囲にあること、がより
好ましい。なお、切り欠き溝は、サイド部の円周に沿っ
て連続的に設けても、断続的に設けてもよい。
【0011】第1発明に従う空気入りタイヤの代表的な
幅方向断面を図1に示し、図中1は空気入りタイヤ、2
はビード、3はカーカス、5はベルト、6はキャップ
層、7はレイヤー層、8はトレッド部、9a,9b,9
c,及び9dは主溝、10はトレッド部の幅方向中央
部、11及び12はトレッド部の側方部、16はトレッ
ド部の踏面仮想輪郭、17は切り欠き溝、20はベルト
補強層である。この空気入りタイヤ1は、一対のビード
2間でトロイド状に延びるラジアルカーカス3のクラウ
ン部4の径方向外側に2層のコードゴム引き層を積層配
置してなるベルト5及びトレッド部8を備えている。な
お、図1では、ベルト5と同幅程度の一枚のキャップ層
6及びこのキャップ層6の両端部を覆う一対の狭幅のレ
イヤー層7を配設し、さらに、トレッド部8の幅方向中
央部10には、2枚の狭幅ゴム引き層からなるベルト補
強層20を配置した。
【0012】このタイヤは、規定空気圧を充填した状態
では、幅方向中央部10の踏面13が踏面仮想輪郭16
よりも径方向内側にあり、かつ、さらに規定質量を負荷
した状態では、路面と接地する構成になっている。この
ため、踏面仮想輪郭16と幅方向中央部の踏面13との
タイヤ径方向距離Lを0.5〜3mmの範囲とすること
が好ましい。上記Lが0.5mm未満であると十分なワ
ンダリング抑制効果が得られず、また上記Lが3mmを
超えると上記踏面13が充分に接地できなくなるからで
ある。
【0013】またトレッド部8には、その円周を含む平
面に沿って延びる4本の主溝9a、9b、9c、及び9
dが配置され、タイヤ幅方向内側に位置する2本の主溝
9b及び9cを境界にして、トレッド部8を、幅方向中
央部10と両側方部11、12とに区分している。但
し、本発明では、必ずしも主溝9b及び9cによってト
レッド部8を区分する必要はない。さらに、主溝9a、
9b、9c、9dは、溝底に向かってタイヤ赤道面18
から離隔する実質傾斜を有している。この傾斜の角度
は、5〜15°の範囲であることが好ましい。なお、前
記実質傾斜は、全ての主溝に設ける必要はないが、少な
くとも幅方向外側の主溝9a、9dに設けることが好ま
しい。また、主溝9a、9b、9c、9dは、配設方向
にストレート状に延在する場合だけでなく、湾曲してい
てもよく、また、図1では、タイヤ1のサイド部24に
は、その全周に亘って環状に連なる切り欠き溝17を配
設した。
【0014】次に図2に、第2発明に従う空気入りタイ
ヤの代表的な断面斜視図を示す。この空気入りタイヤも
また、図1に示すタイヤと同様、一対のビード2間でト
ロイド状に延びるラジアルカーカス3のクラウン部4の
径方向外側に2層のコードゴム引き層を積層配置してな
るベルト5及びトレッド部8を備えている。図2でも、
キャップ層6と、その両端に狭幅のレイヤー層7とを配
設した。
【0015】このタイヤは、トレッド部の幅方向中央部
の踏面13が踏面仮想輪郭16と一致している点と、こ
の幅方向中央部がタイヤ赤道面18に対して直交して配
置された複数本の横溝19によって多数のブロックに分
割されている点が図1の場合と異なっている。図2にお
いてはトレッド部8の側方部がリブをなしているが、例
えば、多数のブロックに分割されていてもよく、その場
合は、上記幅方向中央部を分割する横溝19の幅を、側
方部に比べて広くしたり、横溝の本数を増やしたりする
ことが好ましい。加えて、横溝19は、溝底が開口部よ
りもタイヤ回転方向前方にくるよう傾斜していることが
より好ましい。
【0016】またトレッド部8には、4本の主溝9a、
9b、9c、及び9dが配置され、タイヤ幅方向内側に
位置する2本の主溝9b及び9cを境界にして、トレッ
ド部を、幅方向中央部と両側方部とに区分している。但
し、第2発明でも、必ずしも主溝9b及び9cによって
トレッド部が区分されている必要はない。さらに、主溝
9a、9b、9c、9dは、溝底に向かってタイヤ赤道
面から離隔する実質傾斜を有している。なお、主溝の種
々の条件については、第1発明に説明したのと同様であ
る。また、図2でも、タイヤ1のサイド部24には、そ
の全周に亘って環状の切り欠き溝17を配設した。
【0017】
【作用】第1発明の空気入りタイヤは、トレッド部8の
幅方向中央部10の踏面13が、規定空気圧にした状態
では、トレッド部8の踏面仮想輪郭16よりも径方向内
側にあり、かつ、さらに規定荷重を負荷した状態では、
路面と接地する構成であるため、図3に示すような傾斜
路面23にタイヤが完全に乗り上げた場合には、幅方向
中央部10の踏面13に位置するベルト5及びトレッド
部8が矢印の変形量が大きくなり、その結果、タイヤ
には、傾斜路面23を下降する方向(矢印)の力が作
用することになり、へん平率の小さい高性能タイヤで特
に顕著であった傾斜路面23を上昇する方向(矢印)
の力を打ち消す作用がある。
【0018】第2発明の空気入りタイヤは、トレッド部
8の幅方向中央部の踏面13が、その円周に沿う間隔を
おいて多数個のブロックに区分する横溝19又は横サイ
プを有する構成にすることにより、幅方向中央部の荷重
による圧縮方向の陸部剛性が低下することになって、幅
方向中央部の踏面13に位置するベルト5及びトレッド
部8が矢印方向の変形量が大きくなるため、第一発明
と同様な作用がある。
【0019】また、第1及び第2発明の空気入りタイヤ
は、いずれも、トレッド部8に配設した主溝9a、9
b、9c、9dが、溝底に向かってタイヤ赤道面18か
ら離隔する実質傾斜を有することにより、図4に示すよ
うにタイヤが部分的に傾斜路面23に乗り上げた場合
に、傾斜路面23からの反力FR に対するトレッド部8
の側方部の剛性が小さいため、矢印の方向に変形しや
すく、これにより、直進安定性を悪化させる傾斜路面か
らの反力FR を緩衝してタイヤに直接的な力が伝わるの
を防止することができる。
【0020】第一及び第二発明の空気入りタイヤはま
た、トレッド部8の幅方向中央部10に狭幅のベルト補
強層20を埋設することで、該部10のベルト5の伸び
が抑制され、トレッド部8の幅方向中央部10が、両側
方部11、12に比べてより一層径方向内側に位置する
ことになり、矢印方向の変形量がより大きくなるた
め、傾斜路面23を上昇する方向の力を打ち消す作用が
ある。
【0021】加えて、サイド部24の外皮ゴムに、タイ
ヤの断面幅位置とトレッド接地端位置との間でサイド部
24の円周に沿って切り欠き溝17を配設し、この配設
位置にて、外皮ゴム厚みtに対する切り欠き溝17の深
さdの割合d/tを0.5以上にすることにより、サイ
ド部24の倒れ込み変形(矢印)がベルト5に伝わる
のを遮断することができるため、ベルト5の矢印方向
の変形が抑制され、その結果、傾斜路面を上昇する方向
(矢印)の力の発生を抑制する作用がある。前記割合
d/tが0.5未満だと該部の曲げ剛性を十分に低減す
ることができず、上記の効果が得られないからである。
【0022】また、規定空気圧の1/10の空気圧に充
填した空気入りタイヤを適用リムに装着してタイヤ車輪
を形成し、このタイヤ車輪の幅方向断面内にて、ビード
コアの中心位置から、カーカスの外径位置までの距離H
と、カーカスの断面幅位置までの距離hとをそれぞれ測
定し、前記距離Hに対する前記距離hの割合h/Hを
0.67より大きく0.80より小さい範囲にすること
により、タイヤの断面幅位置からトレッド接地端位置に
わたるサイド部24の倒れ込み変形量が大きくなるた
め、タイヤが傾斜路面に部分的に乗り上げたときの傾斜
路面23からの反力FR を緩衝してタイヤに直接的な力
が伝わるのを防止することができる。前記割合h/H
は、0.67以下だと、上記の効果が十分に得られず、
0.80以上だと、カーカスの断面幅位置とトレッド接
地端位置との間にあるカーカス形状の最大曲率位置にお
ける曲率が大きくなりすぎて、該部の耐久性が低下する
からである。
【0023】
【実施例】次に、本発明に従う空気入りタイヤの具体的
な実施例を説明する。実施例1として試作したタイヤ
は、ベルト補強層をもたないこと以外は図1に示すタイ
ヤと構造が同じであり、タイヤサイズは235/45Z
R17である。このタイヤに埋設されたベルト5は、タ
イヤ赤道面18に対して22°の角度で傾斜配列したス
チールコードをゴム引きした2層の交差積層からなり幅
は約220mm、このベルトの径方向外側に配置される
キャップ層6は、タイヤ赤道面に対して微小角にて配列
したナイロンコードをゴム引きした層であって幅は23
6mm、このキャップ層の両端部を覆う1対のレイヤー
層7は、タイヤ赤道面18に対して微小角にて配列した
ナイロンコードをゴム引きした層であって幅は45mm
であった。
【0024】このタイヤは、トレッド幅が185mmで
あって、規定空気圧充填下にて、トレッド部8の幅方向
中央部10の踏面13がトレッド部8の踏面仮想輪郭1
6よりも1mmだけ径方向内側に(すなわち距離Lが1
mm)配置され、前記幅方向中央部10の踏面13の幅
は25mmであった。また、主溝9a、9b、9c、9
dは、それぞれ溝底に向かってタイヤ赤道面18から離
隔する傾斜を有し、この傾斜角度を、タイヤ赤道面18
に対して約15゜とした。
【0025】実施例2として試作したタイヤは、タイヤ
赤道面に対して微小角で配列したナイロンコードをゴム
引きした2層のベルト補強層を、キャップ層の径方向外
側でトレッド部の幅方向中央部にて45mmの幅に亘っ
て配置したこと以外は実施例1のタイヤと同様の構造お
よび形状とした。
【0026】実施例3として試作したタイヤは、トレッ
ド部の幅方向中央部踏面が踏面仮想輪郭と一致しており
(すなわち距離Lが0mm)、かつ、幅0.8mm、深
さ7mmの横サイプを、タイヤ赤道面に対して90°の
角度で、約15mmのトレッド円周に沿う間隔で配置し
たこと以外は実施例1のタイヤと同様の構造および形状
とした。
【0027】実施例4として試作したタイヤは、タイヤ
赤道面に対して微小角で配列したナイロンコードをゴム
引きした2層のベルト補強層を、キャップ層の径方向外
側でトレッド部の幅方向中央部にて45mmの幅に亘っ
て配置したこと以外は実施例3のタイヤと同様の構造お
よび形状とした。
【0028】実施例5として試作したタイヤは、トレッ
ド部の幅方向中央部に幅0.8mm、深さ7mmの横サ
イプを、タイヤ赤道面に対して90°の角度で、約15
mmのトレッド円周に沿う間隔で配置したこと以外は実
施例1のタイヤと同様の構造および形状とした。
【0029】実施例6として試作したタイヤは、タイヤ
赤道面に対して微小角で配列したナイロンコードをゴム
引きした2層のベルト補強層を、キャップ層の径方向外
側でトレッド部の幅方向中央部にて45mmの幅に亘っ
て配置したこと以外は実施例5のタイヤと同様の構造お
よび形状とした。
【0030】なお、比較のため、図6に示す構造に従う
同サイズのタイヤを従来例として試作した。このタイヤ
は、一対のビード間でトロイド状に延びるカーカスのク
ラウン部の径方向外側に、2層を積層配置してなるベル
トと、ベルトと同等幅のキャップ層と、このキャップ層
の両端部を覆う1対の狭幅のレイヤー層と、トレッド部
とを備えたラジアルタイヤであり、トレッド部は、4本
の主溝で区分したリブからなる。この従来例は、通常の
構造および形状を有したものであり、トレッド部の幅方
向中央部の踏面はトレッド部の踏面仮想輪郭と一致して
おり、また、幅方向中央部踏面もリブである。なお、ベ
ルト、キャップ層、及びレイヤー層は実施例1において
使用したものと同様のものを使用した。
【0031】試験は、上述した各タイヤを供試タイヤと
し、250kPaの規定空気圧にした供試タイヤを、負
荷荷重が650kgfの条件の下で、フラットベルト式
室内試験機において速度60km/hで走行させた。この
とき路面の傾斜角が5°となるよう設定された。評価
は、このときに発生するキャンバースラストFcを測定
することによって行い、従来例を100とする指数評価
で表わし、その結果を示した。ここで指数が小さいほど
良好であることを示している。
【0032】
【表1】
【0033】試験結果から、実施例1〜6は、いずれも
従来例に比べて、上記轍路面での直進安定性に優れてい
た。
【0034】
【発明の効果】第1及び第二発明によれば、いずれも、
図3に示すような傾斜路面23にタイヤが完全に乗り上
げた場合には、傾斜路面23を上昇する方向(矢印)
の力を抑制することができ、また、図4に示すようにタ
イヤが部分的に傾斜路面23に乗り上げた場合には、傾
斜路面23からの反力FR を緩衝してタイヤに直接的な
力が伝わるのを防止することができる。これにより傾斜
路面での直進安定性が向上し、ワンダリングが抑制され
る。
【0035】また、トレッド部8の幅方向中央部10に
狭幅のベルト補強層20を埋設することで、傾斜路面2
3を上昇する方向の力をより一層抑制できる。
【0036】加えて、サイド部24の外皮ゴムに、タイ
ヤの断面幅位置とトレッド接地端位置との間でサイド部
24の円周に沿って切り欠き溝17を配設し、この配設
位置にて、外皮ゴム厚みtに対する切り欠き溝の深さd
の割合d/tを0.5以上にすることにより、傾斜路面
23を上昇する方向の力の発生を抑制することができ
る。
【0037】さらに、規定空気圧の1/10の空気圧に
充填した空気入りタイヤを適用リムに装着してタイヤ車
輪を形成し、このタイヤ車輪の幅方向断面内にて、ビー
ドコア2の中心位置から、カーカス3の外径位置までの
距離Hと、カーカス3の断面幅位置までの距離hとをそ
れぞれ測定し、前記距離Hに対する前記距離hの割合h
/Hを0.67より大きく0.80より小さい範囲にす
ることにより、傾斜路面23からの反力FR を緩衝して
タイヤに直接的な力が伝わるのを防止することができ、
これは、タイヤが部分的に傾斜路面23に乗り上げた場
合の直進安定性の向上に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方
向断面図である。
【図2】第2発明に従う代表的な空気入りタイヤの断面
斜視図である。
【図3】第1及び第2発明のタイヤが傾斜路面に完全に
乗り上げた際の作用を説明するための図である。
【図4】第1及び第2発明のタイヤが傾斜路面に部分的
に乗り上げた際の作用を説明するための図である。
【図5】(a)は、傾斜路面に接地した状態における従
来タイヤの外形図であり、(b)は、そのタイヤの幅方
向断面を傾斜路面に接地した状態で示した図である。
【図6】従来例に使用したタイヤの幅方向断面図であ
る。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2 ビード 3 カーカス 4 クラウン部 5 ベルト 6 キャップ層 7 レイヤー層 8 トレッド部 9a,9b,9c,9d 主溝 10 幅方向中央部 11,12 側方部 13 幅方向中央部の踏面 14,15 側方部の踏面 16 トレッド部の踏面仮想輪郭 17 切り欠き溝 18 タイヤ赤道面 19 横溝(又は横サイプ) 20 ベルト補強層 21 タイヤの路面上方側 22 タイヤの路面下方側 23 傾斜路面 24 サイド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−202911(JP,A) 特開 平1−153303(JP,A) 特開 平5−262105(JP,A) 特開 平7−117414(JP,A) 特開 平4−50003(JP,A) 特開 平2−151506(JP,A) 特開 平3−92402(JP,A) 特開 平7−47812(JP,A) 特開 平6−255306(JP,A) 特開 平6−40220(JP,A) 特開 昭62−152902(JP,A) 特公 昭61−37122(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 - 11/06 B60C 9/02 B60C 9/04 B60C 9/06 B60C 9/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード間でトロイド状に延びるカ
    ーカスのクラウン部の径方向外側にベルト及びトレッド
    部を備え、該トレッド部が、幅方向中央部と両側方部と
    からなり、トレッド円周を含む平面に沿う延在方向又は
    該平面に対して幾分傾斜する延在方向に配設された複数
    本の主溝を有する空気入りタイヤにおいて、 トレッド部の幅方向中央部の踏面が、規定空気圧にした
    状態では、トレッド部の両側方部の踏面を結ぶ踏面仮想
    輪郭よりも径方向内側にあり、かつ、さらに規定荷重を
    負荷した状態では、路面と接地してなり、 該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底に向かってタイ
    ヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜した溝断面形状を
    有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 一対のビード間でトロイド状に延びるカ
    ーカスのクラウン部の径方向外側にベルト及びトレッド
    部を備え、該トレッド部が、幅方向中央部と両側方部と
    からなり、トレッド円周を含む平面に沿う延在方向又は
    該平面に対して幾分傾斜する延在方向に配設された複数
    本の主溝を有する空気入りタイヤにおいて、 トレッド部の、幅方向中央部は、トレッド円周に沿う間
    隔をおいて配設された複数本の横溝によって区分された
    多数個のブロックで構成され、側方部がリブで構成され
    ており、 該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底に向かってタイ
    ヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜した溝断面形状を
    有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 一対のビード間でトロイド状に延びるカ
    ーカスのクラウン部の径方向外側にベルト及びトレッド
    部を備え、該トレッド部が、幅方向中央部と両側方部と
    からなり、トレッド円周を含む平面に沿う延在方向又は
    該平面に対して幾分傾斜する延在方向に配設された複数
    本の主溝を有する空気入りタイヤにおいて、 トレッド部の幅方向中央部及び側方部とも、トレッド円
    周に沿う間隔をおいて配設された複数本の横溝によって
    区分された多数個のブロックで構成され、かつ横溝の幅
    及び配設本数の少なくとも一方を、幅方向中央部で側方
    部よりも増加させ、 該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底に向かってタイ
    ヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜した溝断面形状を
    有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 一対のビード間でトロイド状に延びるカ
    ーカスのクラウン部の径方向外側にベルト及びトレッド
    部を備え、該トレッド部が、幅方向中央部と両側方部と
    からなり、トレッド円周を含む平面に沿う延在方向又は
    該平面に対して幾分傾斜する延在方向に配設された複数
    本の主溝を有する空気入りタイヤにおいて、 トレッド部の幅方向中央部は、トレッド円周に沿う間隔
    をおいて配設された複数本の横サイプによって区分され
    た多数個のブロックで構成され、かつ、トレッド部の陸
    部剛性を幅方向中央部で側方部よりも小さくし、 該主溝が、その幅方向断面で見て、溝底に向かってタイ
    ヤ赤道面から離隔する方向に実質傾斜した溝断面形状を
    有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 トレッド部の幅方向中央部に狭幅のベル
    ト補強層を具えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 サイド部の外皮ゴムに、タイヤの断面幅
    位置とトレッド接地端位置との間でサイド部の円周に沿
    って切り欠き溝を配設した請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 規定空気圧の1/10の空気圧に充填し
    た空気入りタイヤを適用リムに装着してタイヤ車輪を形
    成し、該タイヤ車輪の幅方向断面内で、ビードコアの中
    心位置から、カーカスの外径位置までの距離(H)と、
    カーカスの断面幅位置までの距離(h)とをそれぞれ測
    定し、前記距離(H)に対する前記距離(h)の割合
    (h/H)が0.67より大きく0.80より小さい範
    囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の空気入りタイヤ。
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