JPH0958215A - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

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JPH0958215A
JPH0958215A JP7219281A JP21928195A JPH0958215A JP H0958215 A JPH0958215 A JP H0958215A JP 7219281 A JP7219281 A JP 7219281A JP 21928195 A JP21928195 A JP 21928195A JP H0958215 A JPH0958215 A JP H0958215A
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JP
Japan
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tread
rubber
layer
belt
radial tire
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JP7219281A
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Takashi Kaneko
隆 金子
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動・乗り心地性能を維持しつつ、旋回時の
コーナリングフォースを増大する事により、操縦安定性
を向上できるラジアルタイヤに関する。 【解決手段】 一対のビードとこれに連なる少なくとも
一層のカーカスプライのクラウン部の半径方向外側にベ
ルトコードが互いに交差する少なくとも2層のベルト層
と、最外部にトレッド部を備え、前記トレッド部が接地
表面側にキャップゴム、ベルト層側にベースゴムを有す
るラジアルタイヤにおいて、(1)前記ベースゴムは中
央赤道面より、通常の走行時に接地するトレッド有効幅
の20%またはそれ以上離れた地点から軸方向外側へそ
れぞれ延び、かつ前記キャップゴムよりJIS 硬度A が少
なくとも5°以上高い、硬質の分離ゴム層とし、(2)
トレッド部の幅方向中央部の踏面が規定空気圧にした状
態では、トレッド部の両側方部の踏面を結ぶ踏面仮想輪
郭よりも径方向内側にあり、かつ、さらに規定荷重を負
荷した状態では、路面と接地してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、振動・乗り心地性
を維持したまま、操縦性を向上させたラジアルタイヤに
関する。ここで、本明細書で使用される用語について説
明すると、「トレッドの有効幅」とは、通常路上を直進
するときトレッドが接地する幅であり、便宜上規定の内
圧を充填したときに、JATMA 規格に定めるタイヤ最大負
荷能力の70%の荷重をタイヤに対し平板上に加えたと
きの接地幅としている。
【0002】
【従来の技術】ラジアルタイヤにおいて、旋回時のコー
ナーリングフォースを増大させて操縦性を向上させるた
めには、剛性の高いゴムをトレッドゴムに使用したり、
カーカスコード、サイドゴム、及びビードフィラーゴム
他の補強材からなるケース部に剛性の高い構造、材料を
使用してケース剛性を高めたりするなどの方法がある。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】ラジアルタイヤにおい
て、コーナーリング走行時のコーナーリングフォースを
増大させ操縦性を向上させるためには、一般的には剛性
の高いトレッドゴムを使用して、トレッド層全体の剪断
剛性が向上させ大きなコーナリングフォースを得る方法
があるが、路面からの外乱入力をトレッドゴムで効果的
に吸収することができず、突起乗り越し時のハーシュネ
スや路面凹凸に起因するロードノイズ等の振動・乗り心
地性能が悪化してしまうという問題がある。また、ケー
ス部に剛性の高い構造、材料を使用してケース剛性を高
める方法の場合は、タイヤ軸方向の変形に対する剛性、
いわゆる横剛性が高くなり、大きなコーナリングフォー
スを得ることができる反面、同時にタイヤ半径方向の変
形に対する剛性、いわゆる縦剛性も大きくなってしま
い、路面からの外乱入力をタイヤサイド部で効果的に吸
収することができず、これもまたハーシュネスやロード
ノイズ等の振動・乗り心地性能が悪化してしまうという
問題がある。
【0004】いずれの場合も大きなコーナリングフォー
スと引き換えに振動・乗り心地性が悪化するなどの問題
が発生する。最近では高い操縦安定性が求められるスポ
ーツタイプの車両に装着される偏平率の低いタイヤにお
いても、振動・乗り心地性能に関する要求は高いものが
あり、この操縦安定性と振動・乗り心地性の両立は急務
である。
【0005】発明者は、直進時と旋回時の接地性の違い
を詳細に研究し、振動・乗り心地性を犠牲にすることな
く、コーナーリングフォースを増大させて操縦性を向上
できるラジアルタイヤを提供するべく検討を実施した。
本発明は上述した従来のラジアルタイヤの問題点を解決
するものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために次のような構成を採用したものである。即
ち、一対のビードとこれに連なる少なくとも一層のカー
カスプライのクラウン部の半径方向外側にベルトコード
が互いに交差する少なくとも2層のベルト層と、最外部
にトレッド部を備え、前記トレッド部が接地表面側にキ
ャップゴム、ベルト層側にベースゴムを有するラジアル
タイヤにおいて、(1)前記ベースゴムは中央赤道面よ
り、通常の走行時に接地するトレッド有効幅の20%ま
たはそれ以上離れた地点から軸方向外側へそれぞれ延
び、かつ前記キャップゴムよりJIS 硬度A が少なくとも
5°以上高い、硬質の分離ゴム層とし、(2)トレッド
部の幅方向中央部の踏面が規定空気圧にした状態では、
トレッド部の両側方部の踏面を結ぶ踏面仮想輪郭よりも
径方向内側にあり、かつ、さらに規定荷重を負荷した状
態では、路面と接地してなる。
【0007】タイヤがコーナリングするときは、トレッ
ドの旋回外側の接地長さが増大し、それによって接地面
積が増加するが、その割合は、タイヤ赤道面から遠いほ
ど、より大きくなる。旋回時に接地面積の増加が大き
い、タイヤ赤道面からトレッド有効幅の20%またはそ
れ以上離れた地点からタイヤ軸方向外側の領域に硬ゴム
からなる分離ゴム層を配置しているので、当該領域の分
離ゴム層を含むトレッド層のタイヤ軸方向剪断剛性を高
めることができ、大きなコーナリングフォースを得るこ
とができる。またタイヤ赤道面からトレッド有効幅の2
0%またはそれ以上離れた地点からタイヤ軸方向外側の
領域にのみ硬ゴム層を設けているので、トレッドセンタ
ー領域を含むトレッド層全体での剛性の上昇を最小限に
抑えることができるので、突起乗り越し時のハーシュネ
スや路面凹凸に起因するロードノイズ等の振動・乗り心
地性能の悪化も最小限に抑えることができる。
【0008】さらに、トレッド部の幅方向中央部の踏面
が規定空気圧にした状態では、トレッド部の両側方部の
踏面を結ぶ踏面仮想輪郭よりも径方向内側にあり、か
つ、さらに規定荷重を負荷した状態では、路面と接地し
てなることにより、旋回時の接地面旋回外側領域で発生
する、コーナリングフォースと逆向きの、即ち旋回外側
へ向かう力を小さくすることができるので、大きなコー
ナリングフォースを得ることができる。
【0009】旋回中のタイヤは、自身のコーナリングフ
ォースにより、図5に示すように旋回内側に変形する。
この時負荷荷重によって旋回外側では路面に対して強く
押しつけられる一方、旋回内側では路面から浮き気味に
なる。前記接地長の変化はこの作用の一つの現れである
が、タイヤ旋回外側ではこのとき負荷荷重Wによる押し
つけのため、サイド部のたわみ変形にともなう矢印方
向のカーカスプライの倒れ込み変形が起こり、これにと
もなって、ベルトが矢印の方向に曲げ変形を生じるた
め、トレッドゴムに剪断変形が生じる。その結果、この
変形の及ぶ領域に於いてタイヤのトレッドゴムには旋回
外側図5中のF1の方向への剪断力が発生するため、こ
の剪断力の合力の分だけコーナリングフォースが目減り
する。
【0010】トレッド部の幅方向中央部の踏面が規定空
気圧にした状態では、トレッド部の両側方部の踏面を結
ぶ踏面仮想輪郭よりも径方向内側にあり、かつ、さらに
規定荷重を負荷した状態では、路面と接地する構成とす
ることにより、図6に示すような旋回中、タイヤが旋回
内側方向に変形した状態には、タイヤ赤道付近に位置す
るベルト及びトレッド部が矢印の方向への変形量が大
きくなり、ベルトが矢印の方向に曲げ変形を生じるた
め、これによるトレッドゴム剪断変形が生じる結果、タ
イヤにはコーナリングフォースと同方向の力図6中のF
2の方向が作用することになり、前述のコーナリングフ
ォースと逆向きの力を打ち消す作用が発生するのであ
る。
【0011】さらに、上記の課題を解決するために、本
発明のラジアルタイヤでは、次の構成を採用している。
即ち、一対のビードとこれに連なる少なくとも一層のカ
ーカスプライのクラウン部の半径方向外側にベルトコー
ドが互いに交差する少なくとも2層のベルト層と、最外
部にトレッドを具え、前記トレッドが接地表面側にキャ
ップゴム、ベルト層側にベースゴムを有するラジアルタ
イヤにおいて、(1)前記ベースゴムは中央赤道面よ
り、通常の走行時に接地するトレッド有効幅の20%ま
たはそれ以上離れた地点から軸方向外側へそれぞれ延
び、かつ前記キャップゴムよりJIS 硬度A が少なくとも
5゜以上高い、硬質の分離ゴム層とし、(2)前記ベル
ト層のタイヤ半径外側の幅方向中央部に狭幅のベルト補
強層を備えている。
【0012】ベルト層のタイヤ半径外側の幅方向中央部
に狭幅のベルト補強層を備えたことにより、当該部分の
ベルトの延びが抑制され、トレッドの幅方向中央部が、
両側方部に比べてより一層径方向内側に位置することに
なり、矢印方向の変形量がより大きくなるため、更に
コーナリングフォースと逆向きの力を打ち消す作用が大
きい。
【0013】また、トレッド部の幅方向中央部の踏面が
規定空気圧にした状態では、トレッド部の両側方部の踏
面を結ぶ踏面仮想輪郭よりも径方向内側にあり、かつ、
さらに規定荷重を負荷した状態では、路面と接地してな
り、しかもベルト層のタイヤ半径外側の幅方向中央部に
狭幅のベルト補強層を備えるようにした場合、上記に説
明した作用が一層増幅されるので好ましい。
【0014】分離ゴム層を、その軸方向内側端から、同
方向外側に向かって厚みが増加するようにし、楔状の断
面形状を形成させているために、接地長の伸びの大きい
領域において、その接地長の延び量に応じて分離硬ゴム
層の厚みを増加させることで、より効果的に大きなコー
ナリングフォースを得るものである。
【0015】そして、分離ゴム層は、中央赤道面からト
レッド有効幅の40〜45%の位置に於いて最大厚みを
有しているために、中央赤道面からトレッド有効幅の4
0〜45%より外側の領域に於いては、前述の旋回外側
でのサイド部の大きな倒れ込みに起因する、ベルトの図
5の矢印方向への曲げ変形が大きく、トレッドの剪断
変形が大きいため、この領域にまで硬度の高い分離ゴム
層を延ばしてしまうと、この剪断変形により旋回外側へ
の力即ちコーナリングフォースと逆向きの力が大きくな
って、接地長の延びを利用したコーナリングフォースの
増加が目減りしてしまうからである。このような中央赤
道面からトレッド有効幅の40〜45%より外側の領域
にまで硬ゴムからなる分離ゴム層を配置する場合には、
タイヤ接地端より幾分外側のサイド部の外皮ゴムに、周
方向に連続的にあるいは断続的に連なる切り欠き溝を設
けたり、圧縮剛性の非常に小さいゴムを挿入するなどし
て、旋回外側でのサイド部の大きな倒れ込み変形の影響
をベルト部に伝えない配慮をすることが好ましい。
【0016】トレッドゴムより軟らかいベースゴム層
を、実質的に前記挿入ゴム層の存在しないトレッドセン
ター領域に、トレッド層のタイヤ半径方向内側に隣接し
て設けた場合は次の作用があり好ましい。即ち、接地長
の伸びが小さいためにコーナリング時のコーナリングフ
ォースへの影響が小さく、かつ直進時の接地長が最も長
く路面外乱の影響を受け易いタイヤセンター領域に、ト
レッドゴムより軟らかいゴム層を設けることで、コーナ
リングフォース増大のための硬ゴム挿入にともなう、振
動・乗り心地性の悪化を改良するものである。
【0017】上記のベースゴムのJIS 硬度A をトレッド
ゴムのJIS 硬度A より少なくとも5゜以上小さいとした
のは、十分に振動・乗り心地を改善効果を発揮させるた
めに必要であり5°より小さいと十分な効果は得られな
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき説明する。図
7はラジアルタイヤの断面図であり、図1は本発明によ
るタイヤの第1実施例である。本発明のタイヤは、トロ
イド状ラジアルカーカスに於ける周上に非伸長性ベルト
層と補助ベルト層及びとレッドを順次備え、トレッドが
接地表面側にキャップゴム、ベルト層側にベースゴムが
占めている。そしてこのベースゴムは、中央赤道面よ
り、通常の走行時に接地するトレッド有効幅Wtの20
%またはそれ以上離れた距離S隔たる地点Pから軸方向
外側へそれぞれ延び、かつ上記キャップゴムよりJIS 硬
度A が少なくとも5゜高い、硬質の分離ゴム層よりなる
ものとする。
【0019】本発明においてカーカスは、ポリエステ
ル、レーヨンで代表される有機繊維コードを赤道面と実
質上直交する向きに配列したプライの少なくとも1枚、
通常2枚とし、またベルト層は、スチールコードを赤道
面に対し15〜30゜の角度で配列した2枚の層を、そ
れらのコードが交差するように重ね合わせ、その周囲
に、ナイロンなど熱収縮性コードを数本並べてゴム引き
したストリップの周方向螺旋状巻回によって形成した補
助層よりなる、公知の構造を適用することができる。図
1に示す実施例のトレッドに於いては、硬質のゴムから
なる分離ゴム層が赤道面からトレッド有効幅Wtの20
%以上隔たる地点に始まり、トレッド有効幅の基点であ
る接地端に向かって厚みが増加し、トレッドの側端のや
や手前で厚みを減じ終端する、楔状の断面形状を形成し
ている。
【0020】分離ゴム層の最大厚みHsをなす頂点Q
は、通常トレッドに刻まれた溝の底に刻まれた溝の底に
設けられる、摩耗限界を示すためのウエアインジケータ
ーのレベルまでとするが、分離ゴム層に硬度のみではな
く、耐摩耗性、耐スキッド性等を配慮したゴムを適用す
ることにより、頂点はウエアインジケーターのレベルを
超えて高い位置に設けることができる。なお図1では、
分離ゴム層の溝底のかかる部分は、それによってくびれ
るため、変形楔形状を呈することになる。
【0021】さらに規定空気圧充填下に於いてトレッド
部の幅方向中央部の踏面がトレッド部の踏面仮想輪郭よ
りも内側に配置されている。トレッド部の幅方向中央部
の踏面とトレッド部の踏面仮想輪郭との距離Lは、その
目的から0.5〜3mmの範囲とすることが望ましい。
0.5mm未満であると十分な作用が得られず、また3m
m を超えると上記踏面が十分に接地できなくなるからで
ある。
【0022】図2は本発明に於ける第2実施例のトレッ
ド断面図である。この実施例の特徴は、トレッド部の幅
方向中央部に幅狭のベルト補強層を備えたこととトレッ
ド部の幅方向中央部の踏面とトレッド部の踏面仮想輪郭
との距離Lが0mmにある。それ以外は第1実施例のタ
イヤと同様である。図2に於いて、幅狭のベルト補強層
はナイロンなど熱収縮性コードを数本並べてゴム引きし
たストリップの周方向螺旋状巻回によって形成した2層
としているが、1層あるいは2層以上の層としてもよ
い。該ベルト補強層については、硬ゴムからなる分離ゴ
ム層が実質的に存在しない領域に設置するのが好まし
く、更に好ましくは有効トレッドはばの10〜15%に
するのがよい。
【0023】図3は本発明に於ける第3実施例のトレッ
ド断面図である。この実施例の特徴は、第1実施例に加
えてトレッド部の幅方向中央部に幅狭のベルト補強層を
備えたことにある。それ以外は第1実施例のタイヤと同
様である。図3に於いて、幅狭のベルト補強層はナイロ
ンなど熱収縮性コードを数本並べてゴム引きしたストリ
ップの周方向螺旋状巻回によって形成した1層としてい
るが、2層あるいはそれ以上の層としてもよい 図4は、本発明に於ける第4実施例のトレッド断面であ
る。この実施例の特徴は、一対の分離ゴム層に挟まれた
領域に軟質の中間ベースゴム層を設けた点にある。中間
ベースゴム層は、図4に示したような等厚みに限らず、
例えば蒲鉾や波型に設けることもできるし、分離ゴム層
と軸方向に所定距離を置いて設けることもできる。この
中間ベースゴムの硬度は、キャップゴムのそれより5゜
以上小さくするとしているが、トレッド全体の剛性低下
への影響から、下限値としては45°程度である。
【0024】次に、本発明に於けるタイヤの効果を確か
めるべく、225/50R16サイズの乗用車用ラジア
ルタイヤを使用し、図1に示す硬ゴムからなる楔状分離
ゴム層を設け、規定空気圧充填下に於いてトレッド部の
幅方向中央部の踏面がトレッド部の踏面仮想輪郭よりも
内側に配置された実施例1、および図2に示す楔状ゴム
層とトレッド部の幅方向中央部に幅狭のベルト補強層を
2層備えた実施例2と図3に示す実施例1、2を組み合
わせた実施例3および図4に示す楔状ゴム層とトレッド
部の幅方向中央部に幅狭のベルト補強層を1層と楔状ゴ
ム層に挟まれた領域に軟ゴムからなる中間ゴム層を備え
た実施例4に、トレッド全体をキャップゴムと同一のゴ
ムによって形成した比較例1および楔状分離ゴム層のみ
を設けた比較例2のタイヤを交え、実車による操縦性お
よび振動・乗り心地性テストを行った。
【0025】テストタイヤのトレッドの詳細は、表1に
示す。これらテストタイヤにおいて、カーカスは、ポリ
エステルコードを赤道面と実質上直交する向きに配列し
たプライの2枚であること、ベルト層は、スチールコー
ドを赤道面に対し約22゜の角度で互いに交差する向き
に重ね合わせた全幅約200mmの2枚の層であるこ
と、その周囲にナイロンコードを数本並べてゴム引きし
たストリップの周方向螺旋状巻回によって形成した、全
幅210mmのキャップ1層とこのキャップ層の両端部
を覆う幅30mmのレイヤー層1対を有することなどい
ずれも同一である。
【0026】
【表1】
【0027】これらのタイヤを使用リム7JJー16、
内圧2.3kgf/cm2 に調整して排気量3000c
cのスポーツタイプ車に4輪とも装着し、操縦性と振動
・乗り心地性のフィーリング試験に供した。その結果を
比較例1のタイヤ装着時を100とする指数評価(指数
は大ほど良好)にて表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、本発明による実
施例は、振動・乗り心地性能の大幅な悪化を招くことな
く、操縦性能が良好であることがわかる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、タ
イヤトレッド内側ショルダー部に硬ゴムから成る挿入ゴ
ム層を効果的に配置することにより、コーナリング時に
最も接地長の長くなる区域のトレッド部剪断剛性を向上
できると同時に、旋回時トレッド旋回外側接地面で発生
する、コーナリングフォースと逆向きの力を打ち消す力
を発生できるため、旋回時のコーナーリングフォースが
増大し、振動・乗り心地性を犠牲にすることなく高い操
縦安定性を有するラジアルタイヤを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施例のタイヤクラウン部
断面図。
【図2】同じく第2実施例のタイヤクラウン部断面図。
【図3】同じく第3実施例のタイヤクラウン部断面図。
【図4】同じく第4実施例のタイヤクラウン部断面図。
【図5】旋回中のタイヤの挙動を説明するための図であ
る。
【図6】旋回中のタイヤの赤道面近傍のベルト及びトレ
ッドの挙動を説明するための図である。
【図7】ラジアルタイヤの断面図。
【符号の説明】
1 ラジアルタイヤ 2 ビード 3 カーカス 4 クラウン部 5 ベルト 6 補強ベルト層 7 トレッド部 8 キャップゴム 9 ベースゴム(分離ゴム層) 10 中間ゴム層 11 トレッド部の踏面仮想輪郭 12 主溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビードとこれに連なる少なくとも
    一層のカーカスプライのクラウン部の半径方向外側にベ
    ルトコードが互いに交差する少なくとも2層のベルト層
    と、最外部にトレッド部を備え、前記トレッド部が接地
    表面側にキャップゴム、ベルト層側にベースゴムを有す
    るラジアルタイヤにおいて、(1)前記ベースゴムは中
    央赤道面より、通常の走行時に接地するトレッド有効幅
    の20%またはそれ以上離れた地点から軸方向外側へそ
    れぞれ延び、かつ前記キャップゴムよりJIS 硬度A が少
    なくとも5°以上高い、硬質の分離ゴム層とし、(2)
    トレッド部の幅方向中央部の踏面が規定空気圧にした状
    態では、トレッド部の両側方部の踏面を結ぶ踏面仮想輪
    郭よりも径方向内側にあり、かつ、さらに規定荷重を負
    荷した状態では、路面と接地してなる、ことを特徴とす
    るラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 一対のビードとこれに連なる少なくとも
    一層のカーカスプライのクラウン部の半径方向外側にベ
    ルトコードが互いに交差する少なくとも2層のベルト層
    と、最外部にトレッドを具え、前記トレッドが接地表面
    側にキャップゴム、ベルト層側にベースゴムを有するラ
    ジアルタイヤにおいて、(1)前記ベースゴムは中央赤
    道面より、通常の走行時に接地するトレッド有効幅の2
    0%またはそれ以上離れた地点から軸方向外側へそれぞ
    れ延び、かつ前記キャップゴムよりJIS 硬度A が少なく
    とも5゜以上高い、硬質の分離ゴム層とし、(2)前記
    ベルト層のタイヤ半径外側の幅方向中央部に狭幅のベル
    ト補強層を備える、ことを特徴とするラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記ベルト層のタイヤ半径外側の幅方向
    中央部に狭幅のベルト補強層を備えることを特徴とする
    請求項1記載のラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記分離ゴム層は、その軸方向内側端か
    ら、同方向外側に向かって厚みが増加し、楔状の断面形
    状を形成することを特徴とする請求項1乃至3記載のラ
    ジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記分離ゴム層は、中央赤道面からトレ
    ッド有効幅の40〜45%の位置に於いて最大厚みを有
    する請求項4記載のラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記一対の分離ゴム層の間に、上記キャ
    ップゴムより軟質の中間ベースゴム層を備えることを特
    徴とする、請求項1乃至5記載のラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 上記中間ベースゴム層は、キャップゴム
    に対しJIS 硬度A が5゜以上の差を有することを特徴と
    する請求項6記載のラジアルタイヤ。
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