JP3293175B2 - チップペーパの裁断装置 - Google Patents

チップペーパの裁断装置

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JP3293175B2 JP16587892A JP16587892A JP3293175B2 JP 3293175 B2 JP3293175 B2 JP 3293175B2 JP 16587892 A JP16587892 A JP 16587892A JP 16587892 A JP16587892 A JP 16587892A JP 3293175 B2 JP3293175 B2 JP 3293175B2
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    • A24C5/473Cutting the connecting band
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フィルタ付きシガレ
ットの製造システムにおいて、そのフィルタアタッチメ
ントに組み込まれるチップペーパの裁断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルタアタッチメントは、シガレット
とフィルタとにチップペーパ片を巻付けて、フィルタ付
きシガレットを製造する装置であり、それ故、フィルタ
アタッチメントには、チップペーパ片を得るために、長
尺なチップチップペーパからチップペーパ片を裁断して
形成する裁断装置が組み込まれている。
【0003】この種の裁断装置の1つに、例えば特公昭
61−54559号公報に開示されている非接触型の裁
断装置が知られている。この公知の裁断装置は、受けド
ラム、刃付きドラム及びこの刃付きドラムの両側に設け
られた一対のフリーローラを備えており、これらフリー
ローラを受けドラムに転接させることで、刃付きドラム
の各裁断刃と受けドラムの外周面との間には常時、所定
のギャップが確保されている。
【0004】従って、これらドラムが互いに逆向きに回
転駆動され、そして、受けドラムと刃付きドラムとの間
に供給されたチップペーパが裁断刃により裁断されて
も、受けドラムに対して刃付きドラムの各裁断刃が衝突
することはなく、この結果、その裁断時、衝突による裁
断音を大幅に低減できるばかりでなく、受けドラムや裁
断刃の摩耗をも低減できる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した非
接触型の裁断装置にあっては、チップペーパの裁断性能
が前述した受けドラムと裁断刃との間で規定される前記
ギャップの大小に大きく左右されるから、所望の裁断性
能を確保するには、ギャップの大きさを一定に維持しな
ければならない。
【0006】しかしながら、近年、フィルタアタッチメ
ントの高速化に伴い、受けドラムや刃付きドラムに要求
される回転速度も上昇し、このため、受けドラムに常時
転接状態にあるフリーローラの過熱を避けることができ
ない。フリーローラの温度上昇が過度になると、フリー
ローラの熱膨張量もまた大きくなって、前記ギャップの
拡大を招き、この結果、チップペーパの安定した裁断が
実施不能になってしまう。
【0007】この発明は、上述した事情に基づいてなさ
れたもので、その目的とするところは、フリーローラに
熱膨張が発生しても、前記ギャップの拡大を抑制し、安
定したチップペーパの裁断を可能とするチップペーパの
裁断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、2本の紙巻
たばこ間にフィルタプラグを配置した集合体に、チップ
ペーパ片を巻付けて2本分のフィルタ付きシガレットを
得るべく、片面に糊が塗布されたチップペーパを裁断し
て前記チップペーパ片を形成し、この後、前記チップペ
ーパ片を前記集合体に向けて供給するチップペーパの裁
断装置であって、一方向に回転され、この回転に伴い、
前記チップペーパを外周面に沿って移送させる受けドラ
ムと、前記受けドラムの近傍に並列にして配置され、そ
の外周面に周方向に等間隔を存して複数の裁断刃を有
し、前記受けドラムとは逆向きに回転される刃付きドラ
ムと、前記刃付きドラムの両側に配置され、前記受けド
ラムの外周面に転接して前記受けドラムの外周面と前記
裁断刃の刃先との間に所定のギャップを確保する一対の
フリーローラと、前記各フリーローラと前記刃付きドラ
ムのドラム軸との間にそれぞれ配置され、前記ドラム軸
に対して前記フリーローラを回転自在に支持する軸受と
を備え、前記両ドラムの回転に伴い、前記受けドラムの
外周面上の前記チップペーパを前記受けドラムとは非接
触の前記裁断刃により周期的に裁断して個々に分離可能
な前記チップペーパ片を形成する裁断装置を前提とし、
前記刃付きドラムのドラム軸両端を回転自在に支持し、
前記受けドラムに対して前記刃付きドラムおよび前記フ
リードラムを接離可能にする一対の揺動アームと、これ
揺動アームを前記受けドラムに向けて回動付勢し、
フリーローラを前記受けドラムに押圧する押圧手段
と、前記フリーローラの熱膨張を示す温度上昇を検出す
る温度センサと、前記温度センサにより検出した前記フ
リーローラの温度上昇に基づき、前記押圧手段の押圧力
を増加させることで前記フリーローラの熱膨張量に起
因する前記ギャップの増加を補償すべく前記軸受を変形
させ、前記ギャップを一定に維持する押圧力増加手段と
さらに備えている(請求項1)好ましくは、裁断装
置は、フリーローラの温度上昇を抑制する放熱手段をさ
らに備えている(請求項2)。
【0009】
【作用】上述した裁断装置によれば、フリーローラの熱
膨張を示す温度上昇温度センサにより検出されると、
このフリーローラの温度上昇に応じ、押圧力増加手段
は、受けドラムに対するフリーローラの押圧力を増加さ
せる。押圧力の増加は、フリーローラを回転支持してい
る軸受を変位させ、この結果、フリーローラの熱膨張に
起因するギャップの増加が補償され、前記ギャップ
定に維持される。一方、裁断装置にフリーローラのため
の放熱手段が備えられていると、フリーローラの温度上
昇、つまり、熱膨張が抑制され、前記押圧増加手段のか
かる負荷が軽減される。
【0010】
【実施例】図1を参照すると、フィルタ付きシガレット
を製造するフィルタアタッチメントが概略的に示されて
いる。このフィルタアタッチメントは基台フレーム1を
備えており、この基台フレーム1の右側部分にはドラム
列2が配置されている。このドラム列2は図1でみて右
側から左側に延び、その左端はチップペーパ片の巻付け
部に3に連なっている。ドラム列2は多数のドラムから
なり、各ドラムの外周面には等間隔を存して多数の溝が
設けられている。ドラム列2の右端に位置する溝付きド
ラムには、図示しない巻上機にて製造された紙巻たばこ
2本分のたばこロッドが供給されるようになっている。
【0011】ドラム列2に供給されたたばこロッドは、
ドラム列2の各溝付きドラムの回転により、順次左側に
位置する溝付きドラムの溝に移し変えられ、そして、巻
付け部3に向けて搬送される。ここで、ドラム列2の途
中にある溝付きドラムには回転ナイフ4が備えられてお
り、この回転ナイフ4は、その溝付きドラムの回転によ
り、搬送されてくるたばこロッドを個々の紙巻たばこに
切断する。更に、この後、切断して得た2本の紙巻たば
こ間には、これらが前述した巻付け部3に向けて搬送さ
れる過程で、所定の間隔が確保されるようになってい
る。
【0012】図2を参照すると、たばこロッドから個々
の紙巻たばこを形成し、そして、これら紙巻たばこ間に
所定の間隔を形成するまでの処理の流れが図2中A1領
域で示されている。図2中、TR,TSはたばこロッド、
紙巻たばこを夫々示している。一方、図1に示されてい
るように、ドラム列2の上方にはホッパ5が配置されて
おり、このホッパ5には図示されていないけれども多数
のフィルタロッドが収容されている。ホッパ5とドラム
列2との間は、ドラム列2と同様なドラム列6によって
接続されており、ドラム列6はホッパ5内のフィルタロ
ッドを1本ずつ取り出し、そして、個々のフィルタロッ
ドを所定長さのフィルタプラグに等分して切断した後、
これらフィルタプラグをドラム列2上の紙巻たばこ間に
供給可能となっている。具体的には、ホッパ5の直下に
あるドラム列6の溝付きドラムには例えば2枚の回転ナ
イフ7が備えられており、これら回転ナイフ7はその溝
付きドラムの回転に伴いフィルタロッドが搬送されてき
たとき、フィルタロッドを3個に等分して切断する。
【0013】また、回転ナイフ7を備えた溝付きドラム
によりも下流側にある1つの溝付きドラムは、いわゆる
グレーディングドラムとして構成されている。このグレ
ーディングドラムは1本のフィルタロッドから得た3個
のフィルタプラグをその搬送方向に順次整列させる機能
を有しており、これにより、ドラム列6の下流端からは
1個ずつのフィルタプラグがドラム列2に供給されるこ
とになる。ここで、ドラム列2に供給されるフィルタプ
ラグは、2本の紙巻たばこ間に既に確保されている間隔
の部位に配置され、この後、フィルタプラグは2本の紙
巻たばこと共に巻付け部3に向けて搬送される。
【0014】図2中A2領域は、フィルロッドから個々
のフィルタプラグを得て、そして、1個のフィルタプラ
グを2本の紙巻たばこTS間に配置するまでの処理の流
れを示している。なお、図2中、FR,FPはフィルタロ
ッド、フィルタプラグを夫々示しており、フィルタプラ
グFPは紙巻たばこTSに装着されるべきフィルタチップ
2本分の長さを有している。
【0015】ドラム列2上で、その中央にフィルタプラ
グFPが配置された2本の紙巻たばこTSは、そのドラム
列の終端部分の溝付きドラム上において、フィルタプラ
グFP側に移動されてフィルタプラグFPの両端に密着
、その処理は図2中A3領域で示されている。従っ
て、ドラム列2から巻付け部3へは2本の紙巻たばこT
S間に1個のフィルタプラグFPが位置した状態で、これ
らが供給されることになる。
【0016】一方、巻付け部3には、糊付けされたチッ
プペーパ片もまた供給されるようになっており、その供
給装置は図1中、基台フレーム1の左端上部から巻付け
部3に亘って配置されている。先ず、供給装置の上流側
から説明すると、上流には一対のロール7,8が備えら
れており、これらロール7,8は、長尺なチップペーパ
Pを巻回したものである。なお、チップペーパPの幅は
フィルタプラグFPの長さよりも十分に長く設定されて
いる。
【0017】図1に示した状態では、ロール7からチッ
プペーパPが繰り出されており、繰り出されたチップペ
ーパPは供給経路を規定する多数のガイドローラ9によ
り案内されながら、巻付け部3に向けて導かれている。
供給経路の途中には、ロール7,8側に位置してチップ
ペーパPの蓄積部10が配置されており、この蓄積部1
0は、フィルタアタッチメントの運転停止時などにおい
て、巻付け部3側でのチップペーパPつまりチップペー
パ片の供給速度と、ロール側でのチップペーパPの繰り
出し速度との間の差を吸収したり、また、チップペーパ
Pの接続時などにおいて、予めチップペーパPを一時的
に蓄えておくために設けられている。
【0018】ここで、チップペーパPの接続に関して説
明すると、蓄積部10の上流側に位置して接続部11が
配置されており、この接続部11には他方のロール8か
ら繰り出されたチップペーパPの先端が予め導かれてい
る。従って、蓄積部10にある程度の量のチップペーパ
Pが蓄えてあれば、一方のロール7のチップペーパPが
無くなって、その終端が接続部11に達したとき、終端
側の供給を止めた状態で、この終端に他方のロール8か
ら繰り出されているチップペーパPの先端を接続でき、
この接続の際にも蓄積部10からチップペーパPの供給
を継続することができる。
【0019】チップペーパPの供給経路において、巻付
け部3側には糊付け装置12が配置されており、この糊
付け装置12は、図示しない糊容器内の糊にその一部が
浸かりながら回転する糊供給ローラ13と、一方におい
て糊供給ローラ13に転接され、他方においてはチップ
ペーパPの一方の面に転接されている糊転写ローラ14
から構成されている。従って、糊容器から糊供給ローラ
13に付着した糊は、糊供給ローラ13と糊転写ローラ
14とが互いに転接していることから、所定の厚みとな
って糊転写ローラ14に移し変えられ、そして、この糊
転写ローラ14からチップペーパPの一方の面に転写さ
れることになる。なお、糊付け装置12は上述の構成に
代えて、特公昭63−43077号公報に開示された構
成ものであってもよい。
【0020】更に、糊付け装置12の直上流及び直下流
側にはプレヒータ15及びポストヒータ16が夫々配置
されており、これらプレヒータ15及びポストヒータ1
6は、チップペーパPの搬送面を規定するガイドプレー
トの表面に発熱シートを張り付けて構成されている。従
って、図1から明らかなように、プレヒータ15はチッ
プペーパPの糊付けされるべき面を加熱し、これに対
し、ポストヒータ16はチップペーパPの糊付け面とは
反対側の面を加熱するものとなっている。更に、この実
施例の場合、ポストヒータ16は、温風ヒータ17と組
み合わされており、この温風ヒータ17はチップペーパ
Pの糊付け面に温風を吹き付けるもので、これにより、
その糊付け面を効果的に予備乾燥させることができる。
【0021】そして、チップペーパPの供給経路には、
その終端に位置して裁断装置18が配置されており、こ
の裁断装置18は、糊付け後のチップペーパPを所定長
さずつのチップペーパ片に裁断可能となっている。即
ち、裁断装置18は主として、その外周面が負圧による
吸引面として形成された受けドラムとしてのコークドラ
ム19と、このコークドラム19の近傍に位置した刃付
きドラム20とから構成されており、これらは互いに逆
向きに同一の周速で回転駆動可能となっている。従っ
て、糊付けされたチップペーパPがコークドラム19に
達すると、チップペーパPはその糊付け面とは反対側の
面がコークドラム19の吸引面に吸い付けられ、そし
て、コークドラム19の回転とともに巻付け部3に向け
て供給される。一方、図1には図示されていないけれど
も、刃付きドラム20の外周面には周方向に等間隔を存
して裁断刃が設けられており、従って、コークドラム1
9の吸引面上を搬送されるチップペーパPは刃付きドラ
ム20の各裁断刃により裁断されて、チップペーパ片と
なり、この後、チップペーパ片はコークドラム19の回
転に伴い、巻付け部3に向けて供給される。
【0022】ここで、巻付け部3は、前述したドラム列
2の終端に位置する溝付きドラムに連なるようにして配
置され、ドラム列2から供給される2本の紙巻たばこT
S及びその中央に位置したフィルタプラグFPを受け取
り、そして、これらをコークドラム19との間で転動さ
せながら、巻付け部3から図1中左方に延びるドラム列
21に供給する機能を有している。
【0023】従って、巻付け部3に2本の紙巻たばこT
S及びフィルタプラグFPが供給されると同時に、コーク
ドラム19からチップペーパ片が2本の紙巻たばこTS
に跨るようにして供給されると、チップペーパ片はフィ
ルタプラグFP及びこのフィルタプラグFP側に位置する
2本の紙巻たばこの端部に接着され、そして、これら紙
巻たばこ及びフィルタプラグが前述したようにして転動
する際、これらにチップペーパ片が巻付けられて、2本
の紙巻たばこ及びフィルタプラグは相互に接続され、こ
の結果、連続した2本分のフィルタ付きシガレットが得
られることとなる。
【0024】なお、チップペーパ片が紙巻たばこ及びフ
ィルタプラグに接着される際、コークドラム19側の吸
引力は解除されるようになっている。また、図2中、A
4領域は、巻付け部3へのチップペーパ片の供給から、
このチップペーパ片の巻付けまでの処理の流れを示して
おり、PCはチップペーパ片を示し、そして、このチッ
プペーパ片PCの糊付け面は斜線を施して示してある。
【0025】この後、連続した2本分のフィルタ付きシ
ガレットは、ドラム列21の各溝付きドラム上を搬送さ
れる過程において、1つの溝付きドラムに備えられてい
る回転ナイフ22により、そのフィルタプラグの中央か
ら切断されて、個々のフィルタ付きシガレットとなり、
そして、フィルタ付きシガレットは、その向きが揃えら
れて、搬送コンベアに移し変えられ、この搬送コンベア
により後段の包装機に向けて供給される。このような処
理の流れは、図2中A5領域で示されている。なお、図
2中、FCはフィルタプラグFPを切断して得たフィルタ
チップを示している。
【0026】次に、図3乃至図4を参照すると、前述し
た裁断装置18が詳図されており、以下に裁断装置18
の構成について詳細に説明する。先ず、コークドラム1
9のドラム軸23は、その一端が基台フレーム1に回転
自在に支持されているのは勿論のこと、その他端は図3
に示されているように支持プレート24の一端部に回転
自在に支持されている。図示されていないけれども、ド
ラム軸23の一端は、駆動機構(図示しない)に連結さ
れており、この駆動機構により、コークドラム19は所
定の方向に回転駆動可能となっている。
【0027】支持プレート24は、図3から明かなよう
に、コークドラム19のドラム軸23側から上方に立ち
上がった後、右方に向けて、斜め上方に一旦延びてから
更に斜め下方に延びる形状を有し、基台フレーム1との
間に所定の間隔を存して平行に配置されている。支持プ
レート24の他端は、支持ブロック25を介して基台フ
レーム1に固定されており、支持ブロック25は、図4
から明かなように基台フレーム1から突設されている。
【0028】そして、支持プレート24の中央部と基台
フレーム1との間には、揺動軸30が架け渡されてい
る。この揺動軸30はコークドラム19のドラム軸23
と平行に延び、その両端は支持プレート24及び基台フ
レーム1に対し、管状のホルダを介して支持されてい
る。揺動軸30には、一対の揺動アーム31,32の上
端が平軸受33を介して回動自在に支持されており、ま
た、揺動軸30において、揺動アーム31,32の上端
間にはスペーサスリーブ34が取り付けられている。
【0029】揺動アーム31,32の下端部には、ドラ
ム軸36の両端部が転がり軸受37を介して回転自在に
支持されている。このドラム軸36は、前述したコーク
ドラム19のドラム軸23と平行に延び、その中央部は
拡径した大径部36aとして形成されている。ドラム軸
36の基台フレーム1側に位置する一端は、揺動アーム
32から突出し、そして、オルダム継手38を介して入
力軸39に連結されている。オルダム継手38は、基台
フレーム1に取り付けられており、入力軸39には入力
ギヤ40が取り付けられている。
【0030】入力ギヤ40には図示しないギヤ列を介し
て回転駆動力が伝達されるようになっており、これによ
り、ドラム軸36は、入力ギヤ40とともに回転駆動可
能となっている。また、オルダム継手38は、例え揺動
アーム31,32が揺動しても、入力軸39とドラム軸
36との間の軸線のずれを吸収するために設けられてい
る。
【0031】ドラム軸36には、その大径部36aの両
側に位置して、一対のフリーローラ42が取り付けられ
ている。これらフリーローラ42は、熱膨張率の小さい
超硬合金からなっており、その一方のフリーローラ42
の取付構造は、図5及び図6に詳図されている。即ち、
ドラム軸36には、その大径部36aと軸受37との間
に位置して、環状のギャップを存してスリーブ43が取
り付けられており、このスリーブ43上には更にキー4
4を介して調整ホルダ45が取り付けられている。この
調整ホルダ45は、図6から明かなように、転がり軸受
48の装着面45aを偏心させて構成されている。従っ
て、調整ホルダ45はドラム軸36に対して偏心されて
いる。
【0032】調整ホルダ45と対応する揺動アーム31
とは、複数の連結ボルト46を介して一体的に連結され
ており、これら連結ボルト46は、図3に示されている
ように、揺動アーム31に形成した円弧孔31aを貫通
して調整ホルダ45にねじ込まれている。更に、軸受3
7側のスリーブ43の一端部は、調整ホルダ45から突
出したねじ部として形成されており、このねじ部にはナ
ット47が螺合されている。
【0033】そして、前述したフリーローラ42は、調
整ホルダ45の外周面に前述した一対の転がり軸受48
を介して回転自在に取り付けられ、一方、一対のホルダ
リング49a,49bにより両側から挟持されている。こ
れらホルダリング49a,49bとフリーローラ42とは
複数の連結ボルト50を介して相互に連結されており、
従って、ホルダ49a,49bはフリーローラ42と一体
に回転するものとなっている。
【0034】ホルダリング49a,49bは熱伝導性に優
れた金属材料からなり、各ホルダリグには、詳細には図
示されていないけれども、羽根状の溝からなる放熱フィ
ン51が設けられている。なお、転がり軸受48の保護
のために、防塵用シール53が設けられており、この防
塵用シール53は、ホルダリング49a,49bに接する
ようにして、ドラム軸36における大径部36aの切欠
溝部と調整ホルダ45の一端部とに夫々取り付けられて
いる。更に、フリーローラ42には、ホルダリング49
a,49bに跨るようにしてフリーローラ42を貫通した
複数のヒートパイプ52が内蔵されている。これらヒー
トパイプ52は、その内部に作動液を減圧封入したもの
で、図6に示されているように連結ボルト50間に位置
付けられ、フリーローラ42と放熱フィン51との間を
ホルダリング49a,49bを介して熱的に接続してい
る。
【0035】なお、他方のフリーローラ42の取り付け
構造は同様なものであから、その説明及び図示は省略す
る。そして、図5にも示されているようにドラム軸36
の大径部36aには、刃付きドラム54が取り付けられ
ている。この刃付きドラム54は、フリーローラ42と
同様な超硬合金からなり、その外周面には複数の裁断刃
55が設けられている。これら裁断刃55は、刃付きド
ラム54の周方向に等間隔を存して配置されており、そ
の刃先はドラム軸36の軸線方向に延びている。更に、
図示しないけれども、各裁断刃55の刃先は、その横断
面が台形形状をなし、この形状はコークドラム19とは
非接触にしてチップペーパPの裁断をなす上で好適した
ものとなる。
【0036】そして、前述した支持ブロック25には、
図3及び図4に示されているように、一対のエアシリン
ダ56,57が取り付けられている。これらエアシリン
ダ56,57のピストンロッドには、プッシャロッド5
8,59が連結されており、これらプッシャロッド5
8,59は、支持ブロック25内のガイド60を貫通し
て、対応する揺動アーム31,32に向かって延び、そ
して、その先端は、揺動アーム31,32の下端部に当
て金61を介して側方から当接されている。
【0037】従って、一対のエアシリンダ56,57に
空圧が供給されると、プッシュロッド58,59は、揺
動アーム31,32をコークドラム19側に向けて回動
付勢し、この結果、一対のフリーローラ42は、図6中
矢印で示すようにコークドラム19の外周面に所定の押
圧力で押し付けられることになる。ここで、一対のフリ
ーローラ42がコークドラム19の外周面に転接された
状態にあるとき、刃付きドラム54の裁断刃55は、そ
の刃先がコークドラム19の外周面に対し、チップペー
パPの厚みよりも十分に小さな所定のギャップを存して
回転可能となっている。それ故、一対のフリーローラ4
2とコークドラム19とが相互に転接された状態で、コ
ークドラム19及び刃付きドラム54が互いに逆向きに
回転されても、各裁断刃55はコークドラム19の周面
に接触することはなく、チップペーパPをチップペーパ
片PCに裁断する。
【0038】更に、前述したエアシリンダ56,57
は、図7に示した制御ブロックによって、その供給圧が
制御可能となっており、以下には、この制御ブロックに
ついて説明する。制御ブロックは、先ず、非接触型の赤
外線温度センサ62は図3に示されているように、支持
ブロック25にステー63を介して取り付けられてい
る。赤外線温度センサ62は、測定対象物であるフリー
ローラ42から放射された赤外線の量を検出し、その赤
外線量に基づき、フリーローラ42の温度を検出可能と
なっている。例えば、赤外線温度計62は、30°C乃
至70°Cの範囲でフリーローラ42の温度を検出可能
となっている。
【0039】赤外線温度センサ62からのセンサ信号即
ちフリーローラ42の温度に対応したセンサ信号は、次
の電圧変換器64にて電圧信号に変換され、更に、増幅
器65により増幅され、演算型の電圧電流変換器66に
入力される。電圧電流変換器66では、入力電圧を所定
の演算式に基づいて出力電流に変換し、この出力電流を
電−空レギュレータ67に供給する。
【0040】ここで、電圧電流変換器66の入力電圧を
Xi、出力電流をXoとすれば、演算式は次式で表すこと
ができる。 Xo=k・Xi±B なお、kは比例定数、Bはバイアス値である。電−空レ
ギュレータ67は、エアシリンダ56(57)とエア供
給源(図示しない)との間に介挿され、電圧電流変換器
65からの出力電流Xoに基づき、エアシリンダ56
(57)への供給圧、つまり、そのエア圧を制御する機
能を有する。
【0041】次に、上述した裁断装置18の作用につい
て説明する。先ず、エアシリンダ56,57には、一定
のエア圧が供給されており、これにより、一対の揺動ア
ーム31,32つまり一対のフリーローラ42は一定の
押圧力でもって回転中のコークドラム19に押し付けら
れている。従って、コークドラム19と刃付きドラム5
4が互いに逆向きに回転駆動されると、コークドラム1
9と刃付きドラム54の各裁断刃55との間には一定の
ギャップが規定されている。
【0042】このような状態で、前述したようにチップ
ペーパPがコークドラム19と刃付きドラム54との間
を前記ギャップを通過するようにして供給されると、こ
のチップペーパPは各裁断刃55の刃先によるくさび効
果によって、所定長さずつのチップペーパ片に裁断さ
れ、この後、裁断されたチップペーパ片は巻付け部3に
向けて供給される。
【0043】チップペーパPの裁断中、刃付きドラム5
4の各裁断刃55は、コークドラム19と接触すること
なく回転されているから、裁断に伴う騒音や裁断刃55
の摩耗を大きく低減できる。また、一対の揺動アーム3
1,32は、押圧手段即ちエアシリンダ56、57によ
り、コークドラム19側に向けて常時回動付勢された状
態にあるので、チップペーパPの裁断中、例えコークド
ラム19の回転に振れが発生しても、一対のフリーロー
ラ42がコークドラム19の外周面から離れるようなこ
とはない。即ち、コークドラム19に回転振れが発生し
ても、この回転振れに追従して揺動アーム31,32が
揺動できるから、一対のフリーローラ42はコークドラ
ム19の外周面に確実に転接した状態に維持される。
【0044】この結果、刃付きドラム54の裁断刃55
とコークドラム19の外周面との間のギャップもまた常
時一定に維持されることになり、チップペーパPの裁断
を確実且つ安定して実施可能となる。また、ギャップを
確実に確保できるから、刃付きドラム54の裁断刃55
がコークドラム19に衝突して、これら裁断刃55の刃
先が損傷することもない。
【0045】一方、裁断装置18の作動中、一対のフリ
ーローラ42は常時コークドラム19に転接した状態に
あるから、これらフリーローラ42は摩擦熱により、そ
の温度が上昇し、この温度上昇はフリーローラ42の熱
膨張を生起する。このようにしてフリーローラ42に熱
膨張が発生すると、コークドラム19と各裁断刃55と
の間のギャップが拡大してしまい、チップペーパPの裁
断が確実に実施されないことになる。
【0046】しかしながら、上述の実施例にあっては、
フリーローラ42の温度を赤外線温度計62により検出
し、その温度上昇に基づき、エアシリンダ56,57の
エア圧を制御するようにしてあるから、フリーローラ4
2が熱膨張しても前記ギャップを一定に維持することが
できる。即ち、フリーローラ42の温度上昇が赤外線温
度計62により検出されると、その熱膨張に応じた入力
電圧Xiが電圧変換器64及び増幅器65を介して電圧
電流変換器66に供給される。そして、この電圧電流変
換器66からは、入力電圧Xiに基づいて出力電流Xoが
算出され、この出力電流Xoが電−空レギュレータ67
に供給されることになる。
【0047】電−空レギュレータ67は、出力電流Xo
即ちフリーローラ42の熱膨張に応じて、エアシリンダ
56,57のエア圧を増加させ、コークドラム19に対
するフリーローラ42の押圧力が増加される。このよう
な押圧力の増加は、フリーローラ42の転がり軸受48
をそのフリーローラ42の熱膨張分だけ変位させること
になり、この結果、前記ギャップが一定に維持されるこ
とになる。
【0048】ここで、図8を参照すれば、荷重に対する
軸受48の変位特性が示されており、この変位特性に
は、荷重の増加に対し、その変位量が比例して増加する
と考えられる比例領域R(完全な直線ではないが非常に
緩やかで直線に近い曲線領域)が存する。従って、エア
シリンダ56,57に与えられる初期のエア圧により、
軸受48に予め比例領域R内の変位量を与えた状態で、
前記ギャップを規定しておけば、前述したようにフリー
ローラ42の熱膨張に応じ、エアシリンダ56,57の
エア圧を増加制御することで、前記ギャップを高精度に
して一定に維持可能となる。
【0049】また、フリーローラ42に複数のヒートパ
イプ52が内蔵され、しかも、これらヒートパイプ52
は放熱フィン51に対して熱的に接続されているので、
フリーローラ42の熱はヒートパイプ52及び放熱フィ
ン51により効果的に逃がされる。従って、前記ギャッ
プを一定に維持するにあたり、エアシリンダ56,57
の増圧制御にかかる負担を軽減できることになる。
【0050】更に、刃きドラム54の各裁断刃55
は、その切れ味を維持するために定期的に再研削される
ことになるが、この再研削が実施されると、各裁断刃5
5における刃先円の減少を招き、前述したギャップが拡
大してしまう。しかしながら、一実施例の場合、フリー
ローラ42は軸受48を介して偏心した調整ホルダ45
に支持されているから、その揺動アームに対しての調整
ホルダ45の回転角位置を調整すれば、コークドラム1
9とフリーローラ42の転接点とドラム軸36の軸線と
の間の距離を可変でき、この場合でも、前記ギャップを
簡単にして所望の大きさに維持可能となる。
【0051】なお、調整ホルダ45の調整は、揺動アー
ムと調整ホルダ45とを連結する連結ボルト46を外
し、揺動アームに対し、調整ホルダ45を所定の回転角
だけ回転させることで実施可能である。この発明は、上
述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形
が可能である。例えば、一実施例では、一方のフリーロ
ーラ42の温度を検出し、その検出結果に基づき、両エ
アシリンダ56,57のエア圧を制御するようにした
が、各フリーローラ42の温度を別々の赤外線温度セン
サにて検出し、これらの検出結果に基づき、各エアシリ
ンダのエア圧を独立して制御することも可能である。
【0052】また、一実施例の電圧電流変換器66は、
入力電圧Xiを比例制御に基づいて、出力電流Xoに変換
するものであるが、この電圧電流変換器に代えて、比例
制御のみならず、微分制御や積分制御を加えたいわゆる
PID制御に基づき、出力電流を決定するコントローラ
を使用してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のチップ
ペーパの裁断装置(請求項1)によれば、押圧手段によ
り揺動アームを受けドラム側に向けて回動付勢し、刃付
きドラム両側の一対のフリーローラを受けドラムに所定
の押圧力でもって押し付ける一方、温度センサによりフ
リーローラの熱膨張量を示す温度上昇を検出し、その熱
膨張量に基づき、押圧増加手段にり、受けドラムに対
するフリーローラの押圧力を増加させるようにしたか
ら、たとえ、フリーローラ熱膨張に起因して受けドラ
ムと裁断刃との間のギャップが増加しようとしても
リーローラの押圧力を増加させることでフリーローラを
回転支持する軸受変位してその熱膨張分を吸収で
き、前記ギャップを常時一定に維持可能となる。この結
果、刃付きドラムの各裁断刃によるチップペーパの裁断
を長期に亘り安定して実施可能となる。そして、裁断装
置にフリーローラのための放熱手段が備えられいれば
(請求項2)、押圧手段にかかる負荷を軽減することが
できる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルタアタッチメントの概略正面図である。
【図2】フィルタアタッチメント内での紙巻たばこ及び
フィルタロッドの処理の流れを示した図である。
【図3】フィルタアタッチメント内のチップペーパの裁
断装置を示した拡大正面図である。
【図4】図3中、IV−IV線に沿う裁断装置の断面図
である。
【図5】図4中、フリーローラの取付部分の拡大図であ
る。
【図6】図5の取付部分の横断面図である。
【図7】エアシリンダのエア圧を制御する制御ブロック
図である。
【図8】荷重に対する軸受の変位特性を示したグラフで
ある。
【符号の説明】
1 基台フレーム 19 コークドラム(受けドラム) 30 揺動軸 31,32 揺動アーム 36 ドラム軸 42 フリーローラ 45 調整ホルダ 48 軸受 51 放熱フィン 52 ヒートパイプ 53 防塵用シール 54 刃付きドラム 55 裁断刃 56,57 エアシリンダ(押圧手段) 58,59 プッシロッド 62 非接触式赤外線温度計 64 電圧変換器 66 演算型電圧電流変換器 67 電−空レギュレータ(押圧力増加手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の紙巻たばこ間にフィルタプラグを
    配置した集合体に、チップペーパ片を巻付けて2本分の
    フィルタ付きシガレットを得るべく、片面に糊が塗布さ
    れたチップペーパを裁断して前記チップペーパ片を形成
    し、この後、前記チップペーパ片を前記集合体に向けて
    供給するチップペーパの裁断装置であって、 一方向に回転され、この回転に伴い、前記チップペーパ
    を外周面に沿って移送させる 受けドラムと、前記 受けドラムの近傍に並列にして配置され、その外周
    面に周方向に等間隔を存して複数の裁断刃を有し、前記
    受けドラムとは逆向きに回転される刃付きドラムと、前記 刃付きドラムの両側に配置され、前記受けドラムの
    外周面に転接して前記受けドラムの外周面と前記裁断刃
    の刃先との間に所定のギャップを確保する一対のフリー
    ローラと、 前記各フリーローラと前記刃付きドラムのドラム軸との
    間にそれぞれ配置され、前記ドラム軸に対して前記フリ
    ーローラを回転自在に支持する軸受とを備え、 前記両ドラムの回転に伴い、前記受けドラムの外周面上
    の前記チップペーパを前記 受けドラムとは非接触の前記
    裁断刃により周期的に裁断して個々に分離可能な前記
    ップペーパ片を形成する裁断装置において、 前記刃付きドラムのドラム軸両端を回転自在に支持し、
    前記受けドラムに対して前記刃付きドラムおよび前記フ
    リードラムを接離可能にする一対の揺動アームと、これら 揺動アームを前記受けドラムに向けて回動付勢
    し、前記フリーローラを前記受けドラムに押圧する押圧
    手段と、 前記フリーローラの熱膨張量を示す温度上昇を検出する
    温度センサと、前記温度センサ により検出した前記フリーローラの温度
    上昇に基づき、前記押圧手段の押圧力を増加させること
    前記フリーローラの熱膨張量に起因する前記ギャッ
    プの増加を補償すべく前記軸受を変形させ、前記ギャッ
    プを一定に維持する押圧力増加手段とを具備したことを
    特徴とするチップペーパの裁断装置。
  2. 【請求項2】 前記フリーローラの温度上昇を抑制する
    放熱手段をさらに備えることを特徴とする請求項1のチ
    ップペーパの裁断装置。
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