JP3292127B2 - 給水栓および消火・給水栓 - Google Patents

給水栓および消火・給水栓

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JP3292127B2
JP3292127B2 JP02912898A JP2912898A JP3292127B2 JP 3292127 B2 JP3292127 B2 JP 3292127B2 JP 02912898 A JP02912898 A JP 02912898A JP 2912898 A JP2912898 A JP 2912898A JP 3292127 B2 JP3292127 B2 JP 3292127B2
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俊▲のぶ▼ 菅沼
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株式会社デック
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、災害時などに市民
に水を供給する給水栓、および、同時に消火栓としても
機能する消火・給水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】震災などの災害時における防災対策とし
て、災害発生後のガス・電気・水の安定供給が挙げられ
る。このうち、特に「水」は生存のために最も重要なも
のである。従来、このような断水時の水の供給手段とし
ては、給水車が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記給水車による給水
は、道路の通行が確保されていないと行うことができな
い。しかしながら、震災時などは、道路の陥没、家屋の
倒壊、火災などにより給水車が走行できないことがあ
る。また、水の大量供給は不可能である。
【0004】ところで、災害発生後に各家庭において断
水になっても、水道の本管部分には水が供給されている
ということがある。例えば、アパート・マンションなど
の集合住宅では、水道管から上部の給水タンクに一旦水
を汲み上げてから各戸に水を供給する構造となっている
が、停電により汲み上げを行うポンプが駆動せず、給水
ができなくなったり、あるいは、各戸に至る枝管の部分
において、水道管が破損したりその接続が外れたりした
場合などが考えられる。したがって、本願発明者は、ま
ず、水道管の本管に近い部分に給水栓を設ければ、各家
庭において断水しても、災害時に給水を行うことができ
ると考えた。
【0005】このような給水栓は、できるだけ数多く設
置して、災害発生時には不特定多数の人が利用できるよ
うにすることが好ましい。このように不特定多数が利用
可能な給水栓としては、給水栓を路面から突出させて設
けたり、あるいは給水栓を建物の外部に露出させて設け
たりすることが考えられるが、このような構成では以下
に述べる問題がある。
【0006】すなわち、常時、不特定多数の人が利用可
能であると、いたずらなどにより水を出し放しにして多
量の水が漏水してしまったり、あるいは盗水などのおそ
れがある。また、冬期には、水が凍ってしまって、給水
できなくなることがある。さらに、寒冷地にあっては、
給水栓が雪に埋もれてしまい自動車が誤って衝突してし
まうおそれもある。
【0007】そこで、本願出願人は、上述の問題を解決
するため、発明の第1段階として、特開平7−1132
54号公報に記載の消火栓の技術を給水栓に適用した技
術を発明した。
【0008】この公報に記載の消火栓は、地下に埋設さ
れた水道管に接続されて弁操作部が地表付近に導出され
た弁と、この弁の流出口に地下で下端部が接続されて、
上端部が地表付近に配置された下部パイプと、この下部
パイプの上端部に摺動可能に嵌装された上部パイプと、
この上部パイプの上部に設けられた放水口とを備えたも
ので、非使用時は、上部パイプを、地表付近の地上ある
いは地下に沈下させておき、使用時には、弁操作部を操
作すれば、水圧による上部パイプが下部パイプに対して
上方に摺動し、放水口から放水可能となる。この技術で
は、通常は、弁の水道管側までしか水が存在しておら
ず、これは地下であるから殆ど凍結することが無く、し
たがって、冬期でも消火栓として使用することができ、
また、雪に埋もれた場合でも車などが衝突するおそれが
ないというものである。よって、この従来技術の消火栓
の放水口に変えて、蛇口を取り付ければ、非使用時は、
蛇口を隠し、使用時には、上部パイプと共に蛇口が表れ
る給水栓を提供することができる。この給水栓によれ
ば、非使用時において、冬期における凍結防止、雪に埋
もれた際の自動車の衝突の防止、いたずらによる水漏れ
防止を図ることができる。
【0009】しかしながら、上記発明の第1段階の技術
にあっても、以下に述べる解決すべき問題を残してい
た。すなわち、上述の技術は消火栓であるため、放水時
に水圧が必要である。したがって、弁は、下部パイプと
水道管とを接続した状態と遮断した状態とのみ切り替え
る構造となっており、また、下部パイプと水道管とを遮
断した時には、下部パイプ内に残った水を外部に逃がす
とともに地中の水の浸入を防止する自動排水手段が設け
られている構造となっている。そこで、給水栓を考えた
場合、水道管における水圧に基づいて給水するのは当然
であるが、さらに本願出願人は、非常時において高い給
水性能を発揮させるにはどのようにしたら良いか研究し
た結果、水道管側に水圧が無くても水道管に残っている
水を利用可能としたいと考えた。すなわち、本願出願人
は、災害時において水道管が途中で分断されるなどして
水圧がかからない状態となっても、水道管内には大気圧
の水が多量に残っていることを知見し、その結果、災害
時に、このように水圧がなくても水道管に残っている水
を給水可能とすれば給水性能が高まり、非常時に極めて
有効となると考えた。
【0010】ところが、上記従来技術にあっては、弁を
開いて大気圧の水を下部パイプに導入させた場合、自動
排水手段により排水され、給水することができない。一
方、この自動排水手段を廃止した場合、いったん下部パ
イプに導入された水が排水されないものであり、例え
ば、設置時に正常に機能するかどうかテストを行って、
下部パイプ側に水を導入した後、弁を閉じると、下部パ
イプの水がそのまま残って、時間の経過とともに腐って
しまい、給水初期に、この腐った水が給水されるという
衛生上の問題が生じる。
【0011】本発明は、上述の問題に着目してなされた
もので、使用時に、不特定多数の人が利用可能とすると
ともに、冬期でも凍結することなく給水可能とし、非使
用時に、雪に埋まっても自動車が衝突するのを防止し、
さらに、いたずらなどによる漏水あるいは盗水を防止可
能とすべく出没式構造とした給水栓および消火・給水栓
において、水道管内の水圧が無い状態で残っている水を
利用可能とし、かつ、非使用時には下部パイプに水が残
ったり、外部から水が浸入しないようできるようにする
ことを主たる目的とする。さらに本発明は、給水時の給
水性能の向上、利便性の向上、品質向上、汎用性の向
上、設置コストの低減を図ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の給水栓は、内部に、流入口2a側の流入室
2m、流出口2側の流出室2n、さらに底部室2qが
形成され、地表付近に導出された弁操作部4と連結され
た弁体4aが上下の軸方向に摺動可能に設けられ、この
弁体4aには、少なくとも中間ランド4cと、下部ラン
ド4dとが設けられ、地下に埋設された水道管1よりも
低い位置に配置されるように前記水道管1に前記流入口
2aが接続されている弁2と、軸を鉛直方向に向けて地
中に埋設され、下端部に前記弁2の流出口2cが接続さ
れた下部パイプ3と、この下部パイプ3の上端部に軸方
向に摺動可能に嵌装され、上端を地表付近に配置させた
埋没位置から地表に起立した突出位置の範囲で上下移動
可能に支持された上部パイプ8と、この上部パイプ8の
上端部に設けられた給水用の蛇口51と、やはりこの上
部パイプ8の上端部に設けられたポンプの吸入ホースを
挿入可能な挿入口54aと、この挿入口54aを塞ぐ封
止栓53と、前記弁2の底部室2qに設けられ、外部か
ら弁内への水の浸入を防止するとともに弁内の水を排出
可能に構成された排水手段28と、を備え、前記弁2
は、弁操作部4の操作により、中間ランド4cが流入室
2mと流出室2nとを画成している状態で、下部ランド
4dが流出室2nと底部室2qと連通させる位置関係
である止水ポジションと、下部ランド4dが流出室2n
と底部室2qとを画成している状態で、中間ランド4c
が流入室2mと流出室2nとを連通させる位置関係であ
る給水ポジションとに切り替え可能に構成され、少なく
とも給水ポジションにおいて、水道管1内の圧力が充分
な水圧の時に前記弁2の流出口2cから下部パイプ3に
流入した水が下部パイプ3ならびに上部パイプ8内の空
気を加圧し、上部パイプ8を上昇させ、地上に突出した
蛇口51により給水を可能とし、また水道管1内の圧力
が低くても前記弁2の流出口2cから下部パイプ3の下
部に水が導入されるようになっていることを特徴とす
る。この給水栓では、非使用時には、上部パイプを埋設
位置に配置し、蛇口を地表付近に隠しておき、また、弁
操作部を操作して弁を止水ポジションとし、流入口を流
出口ならびに排水手段と遮断するとともに流出口を排水
手段に連通させておく。したがって、冬期において雪に
埋まったとしても自動車の衝突から回避することがで
き、また、蛇口をいたずらなどから守ることができる。
さらに、下部パイプに水が残っている場合、その水は、
流出口から排水手段側に流れ、排水手段から外部に排出
され、また、外部の水は、排水手段により遮断され、弁
内に浸入することはない。よって、下部パイプに水が残
って、これが腐敗するということがないとともに、冬期
に下部パイプ内で水が凍結することがない。給水栓の使
用時には、弁操作部を操作して弁を給水ポジションに切
り替え、流入口と流出口とを連通させるとともに流入口
ならびに流出口を排水手段と遮断する。したがって、水
道管に充分な水圧がある場合には、水道管の水が弁を介
して下部パイプ、さらに上部パイプに導入される、上部
パイプは水圧により下部パイプに対して上方の突出位置
に摺動する。そして、蛇口を開けば給水できる。一方、
水道管に水圧が無い場合、水道管に水が存在していれ
ば、その水が、水道管よりも低い位置に配置されている
弁内に流れ込み、流出口から下部パイプの下部に導入さ
れる。よって、手動ポンプなどの吸入手段を用いること
により下部パイプの水を取り出して給水することが可能
である。この時、排水手段は、流入口および流出口とは
遮断されるから、弁の水が外部に排水されることはな
い。
【0013】前記蛇口は複数設けることが好ましい(請
求項2)。この構成では、給水時には、同時に複数の蛇
口から給水でき、高い給水効率が得られる。
【0014】前記上部パイプの上端部には、手動ポンプ
の吸入ホースを挿入可能な挿入口を設け、この挿入口を
封止栓により塞いでおくことが好ましい(請求項3)。
この構成では、上述の給水時において、水道管に充分な
水圧が無い場合、封止栓を外して挿入口を開き、この挿
入口から手動ポンプの給水ホースを、その先端が下部パ
イプの下部に導入された水に達するまで差し込む。した
がって、手動ポンプを操作して給水することができ、高
い利便性が得られる。
【0015】前記挿入口を上部パイプに固着した取付座
に貫通形成し、前記取付座には、手動ポンプに形成され
た雌ねじあるいは雄ねじと螺合可能な雄ねじあるいは雌
ねじを形成され、両ねじを螺合させて手動ポンプを取り
付けられるよう構成するのが好ましい(請求項4)。こ
の構成では、上記手動ポンプの使用時に、止水栓を外し
た後、手動ポンプに形成されたねじと、取付座に形成さ
れたねじとを螺合させて取り付ける。したがって、手動
ポンプが、上部パイプにしっかりと取り付けられ、手動
ポンプの操作を行い易く、高い利便性が得られる。ま
た、挿入口と手動ポンプとの間のシール性も良くなり、
給水性能の向上が図られる。
【0016】前記弁の流入口と水道管の底面とを流入側
継手を介して接続する一方、前記弁の流出口と下部パイ
プの下端とを流出側継手を介して接続するのが好ましい
(請求項5)。この構成では、水道管に充分な水圧が無
い場合の給水時に、水道管に残っている水を水道管に残
すことなく、弁を介して下部パイプの下端に導入するこ
とができ、給水性能の向上を図ることができる。
【0017】前記排水手段は、弁の下端部に形成された
底部室に一端が接続され、他端の開口端が上方に向けら
れた水抜き管と、この水抜き管の開口端を上から塞ぐ水
よりも質量が大きく形成された弁体とで構成することが
好ましい(請求項6)。この構成では、弁を止水ポジシ
ョンとして流入口と排水手段とを連通させた時に、下部
パイプ内の水が残っている場合には、その水が、流入口
から底部室に流れ込み、さらに、この底部室から水抜き
管を通り弁体を押し上げて流出する。一方、弁の外部の
水は、水抜き管に浸入しようとしても、弁体を押さえ付
けることになり浸入できない。
【0018】前記上部パイプの上端部に空気抜き弁を設
けるのが好ましい(請求項7)。この構成では、給水栓
の使用時において、水道管に充分な水圧がある場合、上
部パイプが水圧により上昇するが、この時、上部・下部
両パイプ内の空気が空気抜き弁により排出され、蛇口を
開いた時に、即座に水が供給され、ウォータハンマ現象
による打音の発生が無く、品質向上を図ることができ
る。
【0019】前記空気抜き弁は、上部パイプ内の空気の
存在により落下して空気抜き通路を開き、上部パイプ内
の水位の上昇によって浮上して空気抜き通路を閉塞する
フロート弁体を備えた自動開閉弁とするのが好ましい
(請求項8)。この構成では、水圧により上部パイプが
上昇する時に、同時に、自動的に空気が空気抜き通路か
ら排出され、水位が上昇すると、フロート弁体が浮上し
て空気抜き通路を自動的に閉塞し、利便性が向上する。
【0020】前記上部パイプの下端と下部パイプの上端
に、上部パイプの突出位置を規定するための互いに当接
可能な環状のストッパをそれぞれ付設するのが好ましい
(請求項9)。この構成では、上部パイプが上昇した時
に、両パイプにそれぞれ付勢されているストッパどうし
が当接して、突出位置が規定され、利便性が向上する。
【0021】前記上部パイプおよび下部パイプの各周壁
と、両パイプに付属の前記両ストッパとによって包囲さ
れた空間を緩衝室として構成し、前記上部パイプまたは
下部パイプのいずれか一方の周壁と、他方のパイプに付
属の前記ストッパとの間に絞りを形成するのが好ましい
(請求項10)。この構成では、上部パイプが上昇した
時に、この上昇に伴って緩衝室の容積が縮まり、その容
積変化分の空気が絞りを通過し、減衰作用が得られる。
したがって、上部パイプの上昇が緩やかに成され、か
つ、突出位置に達した時のストッパどうしの当接も緩や
かに成され、また、衝突音の発生やストッパなどの破損
を防止でき、品質向上を図ることができる。
【0022】前記上部パイプの上部に消化栓用の放水口
を設けることが好ましい(請求項11)。この構成で
は、消火栓としても使用でき、利便性が向上する。ま
た、消火栓が必要な個所に本消化・給水栓を設置すれ
ば、同時に給水栓が設置されることになり、また、給水
栓が必要な個所に本消化・給水栓を設置すれば、同時に
消火栓が設置されることになるため、汎用性が高くなる
とともに、給水栓を設置するコストを低減できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。この実施の形態は、請求項11
に記載した発明である消火・給水栓の実施形態である。
【0024】図1において、1は、地下に埋設された水
道管1である。そして、この水道管1の底面には、弁2
が流入側継手41を介して接続されている。そして、前
記弁2は、流出側継手42を介して下部パイプ3の下端
に接続されている。また、前記弁2には、後述する弁体
4aを操作する弁操作部4が地表5付近の地下まで突出
されている。
【0025】図2に基づいて、弁2の構造を詳細に説明
する。図2は弁2の断面図であって、この弁2は、図中
右端部に位置して前記流入継手41が接続される流入口
2aが開口された流入管2bと、図中左端部に位置して
前記流出継手42が接続される流出口2cが開口された
流出管2dと、図中上端部に位置した上部管2eと、図
中下端部に位置して上部管2eと同軸の下部管2fとの
4つの管部が十字状に設けられている。そして、流入管
2bと下部管2fとの間には、縦壁2gが下面から上方
に立ち上げられ、一方、流出管2dと上部管2eとの間
には、縦壁2hが上面から下方に垂下されている。ま
た、縦壁2gの上端部と縦壁2hの下端部は環状の周壁
2jで連結されている。したがって、弁2の内部は、周
壁2jの内周で形成される穴を挟んで、流入口2a側の
流入室2mと流出口2b側の流出室2nとに画成され、
また、下部管2fの下側には、キャップ2pを装着して
底部室2qが形成されている。
【0026】さらに、弁2の内部には、前記弁操作部4
と連結された弁体4aが上下の軸方向に摺動可能に設け
られている。この弁体4aは、前記上部管2eの内周に
周接されるOリングが外周に装着された上部ランド4b
と、前記周壁2jの内周に周接されるOリングが外周に
装着された中間ランド4cと、前記下部管2fの内周に
周接されるOリングが外周に装着された下部ランド4d
とが設けられている。そして、各ランド4b,4c,4
dは、図において実線で示すように、中間ランド4cが
周壁2jに当接して、流入室2mと流出室2nとを画成
している状態では、上部ランド4bが上部管2eの下端
部に配置されるとともに、下部ランド4dが下部管2f
よりも下方に配置されて、流出室2nと底部室2qとが
連通される位置関係に設けられ、かつ、図において想像
線で示すように、下部ランド4dが下部管2fの上端部
に当接して流出室2nと底部室2qとを画成している状
態では、中間ランド4cが周壁2jを離れて流入室2m
と流出室2nとを連通させるとともに、上部ランド4b
が上部管2eの上端部に配置されるような位置関係に設
けられている。本明細書では、上述の実線で示す弁体4
aの位置を止水ポジションと称し、一方、想像線で示す
弁体4aの位置を給水ポジションと称するものである。
【0027】また、前記弁2の下端部に装着されたキャ
ップ2pには、排水手段としての自動排水弁28が設け
られている。この自動排水弁28は、前記キャップ2p
の側面から一端が貫通され、他端が上方に立ち上げられ
た水抜き管28aと、この水抜き管28aの上端部に装
着されているとともに側面に小孔が穿設されたキャップ
28bと、前記キャップ28bの内部に僅かに上下移動
可能な状態で前記水抜き管28aの開口端を塞いで設け
られた球状の弁体28cとを備えている。この弁体28
cは、例えば、スチールなどの金属や合成樹脂などを素
材とし、比重が1よりも重く形成されており、周囲が水
で覆われても水抜き管28aの開口端から浮き上がるこ
とのない構成となっている。
【0028】前記弁操作部4は、前記弁体4aに連結さ
れたスピンドル4eの上端部に設けられ、四角柱形状に
形成されている。そして、前記スピンドル4eには、前
記上部管2eに結合された外筒管2rの内周に形成され
た雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。これら両
ねじの螺合に基づいて、前記弁操作部4にハンドル4h
を取り付けてこれを回転させることにより、前記弁体4
aが、前記給水ポジションと止水ポジションの範囲で上
下に移動するよう構成されている。なお、前記ハンドル
4hは、図示のように直接弁操作部4に装着するように
構成してもよいし、あるいは、下端が前記弁操作部4に
装着可能に形成された棒状の部材の上端部に設けて、間
接的に装着するようにしてもよい。また、前記弁2の下
端の自動排水弁28の部分は、水は通すが砂や土の侵入
を防止する透水管7で図1に示すように覆われている。
【0029】前記下部パイプ3の上端には、上部パイプ
8が地上に出没できるように、すなわち図1において実
線で示す埋没位置と図において想像線で示す突出位置の
範囲で上下移動可能に嵌装されている。前記下部パイプ
3の少なくとも上部分と上部パイプ8はピット9内に配
置されていて、上部パイプ8は、完全に地下までピット
9内に沈下させることができるようになっている。しか
しながら、沈下させた状態で上部パイプ8が地上に若干
突出していても実用上は問題ない。いずれにせよ、この
ピット9は、上部パイプ8を沈下させた後で適当な蓋に
よって閉塞される。
【0030】上部パイプ8の上端部付近には、複数の給
水用の蛇口51と、1つの放水口10および空気抜き弁
6が設けられている。すなわち図3の平面図に示すとお
り、上部パイプ8の軸線に直交して、消火栓として使用
される1つの放水口10が設けられ、その放水口10に
は、それぞれ開閉弁11および放水口キャップ12が設
けられている。前記空気抜き弁6も上部パイプ8の軸線
に直交して設けられており、この空気抜き弁6は、両パ
イプ3,8内の空気を排出し、また場合によっては両パ
イプ3,8内に空気を導入するよう構成されている。蛇
口51は、合計4個設けられており、2個1組の蛇口5
1が上部パイプ8から軸線に直交して設けられた枝管5
2にそれぞれ接続されている。蛇口51は、それぞれ離
間して配置させることにより同時に使用し易くなってい
る。なお、上部パイプ8に設ける蛇口51の数、及び放
水口10の数は任意である。
【0031】また、上部パイプ8の上端部には、封止栓
53が設けられている。この封止栓53は、図4の断面
図に示すように、内周に雌ねじが形成されており、上部
パイプ8の上端部に溶接により固着された取付座54の
外周に形成された雄ねじに螺合させて取り付けられる。
なお、前記取付座54には挿入口54aが軸方向に貫通
形成されている。また、図において53aは、シール用
のゴム製のパッキンであり、53bは、角棒口である。
【0032】上部パイプ8の上端の取付座54には手動
ポンプとしてのウイングポンプ55を取り付けることが
できる。図5はウイングポンプ55の側面図であり、ウ
イングポンプ55は、吐出管56、ポンプ部57、把手
58、吸入ホース59、取付ナット60を有しており、
取付ナット60には、図示は省略するが内周に前記封止
栓53と同様の雌ねじが形成されている。ウイングポン
プ55を取付座54に取り付ける場合、封止栓53を外
して取付座54の挿入口54aから吸入ホース59を挿
入させ、取付座54と取付ナット60とを螺合させるこ
とにより、図6に示すように上部パイプ8に取り付ける
ことができる。このウイングポンプ55は、把手58を
往復揺動させるとポンプ部57が吸入ホース59からの
吸入と吐出管56からの吐出を繰り返すよう構成されて
いる。なお、ウイングポンプ55は、ピット9内に設置
しておくのが好ましい。また、吸入ホース59は、塩化
ビニルなどの可撓性を有した素材により形成されてお
り、図1に想像線で示すように上部パイプ8を突出位置
に配置させた状態において、ウイングポンプ55を上部
パイプ8に取り付けたときに、その先端が下部パイプ3
の下端部に達する長さに設定されている。また、ウイン
グポンプ55の上部パイプ8への取り付けは、上述の構
造に限られることはなく、例えば、単に挿入口に挿入す
るだけの構造でもよく、この場合、吸入ホース58の基
端部の外周にゴムなどのシール性を有した素材を装着
し、挿入時にこの部分が弾性変形して挿入口の内周と圧
接するようにする。また、吐出管56は、「コ」の字形
状に形成して真下方向に水を吐出するよう構成している
が、この形状は任意である。
【0033】図7には、下部パイプ3と上部パイプ8の
嵌合部分の構造が詳細に示されている。下部パイプ3の
上端の内周側には、連結管13を介して円筒状のストッ
パ14が止めねじ44で付設されており、下部パイプ3
内に挿入される上部パイプ8の下端の外周側にはやはり
上部に緩衝板46が固定された円筒状のストッパリング
15が止めねじ45で付設されている。下部パイプ3と
連結管13ならびに上部パイプ8とストッパ15の結合
は、溶接またはねじ止めなどによって任意に行うことが
できる。しかし、連結管13とストッパ14との結合
は、組立・分解を考慮してねじ止めにより行うと有利で
ある。
【0034】シールリング16が、下部パイプ3に付属
のストッパ14の内周面に備えられていて上部パイプ8
の外周面に摺動可能に当接している。しかし、下部パイ
プ3の内周面と上部パイプ8に付属のストッパ15の外
周面との間には、絞りとして作用する僅かな隙間17が
設けられていて、これによって両ストッパ14,15と
両パイプ3,8の周壁との間に緩衝室18が構成されて
いる。この緩衝室18は、図7に示された実施形態に限
られるものではない。例えば、下部パイプ3に付属のス
トッパ14と上部パイプ8との間に僅かな隙間を設け
て、上部パイプ8に付属のストッパ15と下部パイプ3
との間をシールリングによって密封する形態や、上部パ
イプ8と下部パイプ3の嵌装関係を逆にした形態(つま
り図7の配置を上下逆転した形態)も利用可能である。
【0035】上部パイプ8の上端に付設される空気抜き
弁6は、例えば図8に示すような構成を有している。こ
の空気抜き弁6は、上部パイプ8の上端にシール板19
を介して螺着されたキャップ20と、キャップ20の下
面に装着された複数の縦スリット21を有する円筒形状
の弁体ケース22と、キャップ20に形成された空気抜
き通路としての通孔23を開閉するための、弁体ケース
22内に収容された合成樹脂性のフロート弁体24とか
ら構成され、このフロート弁体24の比重は1よりも小
さい。なお、25は、フロート弁体24のための弾性の
弁座であり、26は、上部パイプ8内へのごみの侵入を
防ぐ保護カバーである。この保護カバー26にも、キャ
ップ20と同様に空気抜き通路としての通孔27が設け
られていて、各通孔23,27は、空気抜きに際して所
定の絞り作用を奏するような大きさを有している。
【0036】次に、実施の形態の作用を説明する。 a)非使用時 実施の形態の消火・給水栓を使用しない時には、図1の
実線で示すように上部パイプ8を埋没位置に配置させ、
消火・給水栓を、地下のピット9内に配置させておく。
そして、この時、弁2は、弁操作部4に取り付けたハン
ドル4hの回転操作に基づいて図2の実線で示す止水ポ
ジジョンに配置させておく。なお、このハンドル4h
は、通常時は、弁操作部4から取り外してピット9内に
保管しておく。
【0037】したがって、水道管1内の水は、弁2にお
いて流入室2m内に達しているが、この流入室2mは、
弁体4aの中間ランド4cにより流出室2nならびに底
部室2qとは遮断されており、下部パイプ3に達するこ
とはない。また、何らかの理由により下部パイプ3に水
が浸入しても、下部パイプ3は、弁2の流出室2nなら
びに底部室2qと連通されており、その水は、底部室
に流入した後、自動排水弁28において、弁体28c
を持ち上げて水抜き管28aから外部に流出する。ま
た、弁2の外部に雨水や地下水が存在していても、自動
排水弁28により弁2への浸入は妨げられる。よって、
上述の非使用状態では、冷寒期にあっても、下部パイプ
3内で水が凍結することがなく、また、雪に埋もれて
も、自動車などがこの消火・給水栓に衝突することもな
い。さらに、簡単に蛇口51を開くことができないとと
もに、例えピット9の蓋を開けて蛇口51を開いたとし
ても、下部パイプ3および上部パイプ8内には水が存在
しておらず、いたずらなどによる水漏れは生じ難い。
【0038】b)使用時 次に、消火・給水栓を使用する場合を説明するが、この
説明にあたり、まず、水道管1に充分な水圧(2〜3気
圧程度の水道の一般的な水圧)が存在している場合を説
明する。上述のように地下に位置している実施の形態の
消火・給水栓を、給水栓あるいは消火栓として使用する
には、まず、図示しない蓋をピット9から取り外し、次
に弁操作部4にハンドル4hを取り付け、このハンドル
4hを回転させて、弁2を通常の止水ポジション(図2
実線)から給水ポジション(図2想像線)に切り替え
る。すると水道管1内の水は、弁2の流入室2mから流
出室2nを通って下部パイプ3内に急激に流出する。な
お、このように弁体4aを止水ポジションから給水ポジ
ションに移動させる時に、流入室2mの水圧は中間ラン
ド4cと上部ランド4bとに均等に作用するために、水
圧が弁体4aの移動を妨げることはない。また、弁2を
給水ポジションとした時には、弁2の底部室2qは、弁
体4aの下部ランド4dにより、両室2m,2nに対し
て遮断されているから、水が自動排水弁28により排水
されることはない。
【0039】そして、下部パイプ3に急激に流入した水
は、下部パイプ3ならびに上部パイプ8内の空気を加圧
し、これによって同空気を空気抜き弁6を通して大気中
へ押し出す。この場合、押し出される空気は、空気抜き
弁6を通過する際に所定の絞り抵抗を受けるので、これ
に起因して高められた内部の空気圧により上部パイプ8
は自重に抗して徐々に上昇される。さらに、上部パイプ
8の上昇運動は、図7に示された緩衝室18によって一
層効果的に緩衝される。この緩衝力は緩衝室18内部に
閉じ込められた空気及び水が極めて幅狭な隙間17を通
過して外に出ようとすることにより発生する。これによ
り上部パイプ8は緩やに上昇される。
【0040】この上部パイプ8の上昇は、図1に想像線
で示唆した位置において、両パイプ3,8に付属の両ス
トッパ14,15が当接することにより停止される。
の後、上部パイプ8の上端まで水位が上昇すると、空気
抜き弁6のフロート弁体24が弁座25に着座して空気
抜き用の通孔23,27を閉じる。こうして、地上に突
出した蛇口51により給水を行うことができるととも
に、放水口10を従来の消火栓と同様に使用することが
できる。なお、蛇口51の使用時にあっては、本実施の
形態では1度に4つの蛇口51を使用できるから、高い
給水性能が得られる。
【0041】次に、使用後に、給水栓を再び地下に沈下
させるには、弁操作部4を介して弁2を止水ポジション
に切り替えればよい。この切り替えにより弁2の流出室
2nは、底部室2qと連通される一方で、流入室2mと
は遮断されるため、両パイプ3,8内の水圧が自動排水
弁28の弁体28cにかかって、自動排水弁28が開弁
する。よって、両パイプ3,8および流出室2n,底部
室2q内の水は、外部に排水され、これに伴って上部パ
イプ8は自重により降下する。上部パイプ8が下限位置
に達して停止すると、空気抜き弁6を介して上部パイプ
8ならびに下部パイプ3内に空気が導入される。最後
に、ハンドル4hを弁操作部4から取り外して所定の位
置に戻し、ピット9の開口を適当な蓋によって塞ぐ。
【0042】以上は、通常の使用方法である、次に、水
道管1の水圧が低い場合について説明する。すなわち、
震災などの災害発生時には、水道管1の本管が途中で切
断され、水道管1内が大気圧となることも充分にあり得
る。しかしながら、このように水道管1が大気圧になっ
ている場合、外部と差圧が無いことから、水道管1の内
部には水が残っていることが多い。本実施の形態の消火
・給水栓では、このような水を有効に給水することが可
能である。
【0043】上述のように、水道管1に充分な水圧がな
い場合、弁操作部4を操作して弁2を止水ポジションか
ら給水ポジションに切り替えると、水道管1に残ってい
る水が、水道管1と同じ高さの水位となるまで下部パイ
プ3の下部に流れ込む。しかしながら、大気圧よりも大
きな圧力が無いから、上部パイプ8は上述の水圧が存在
する場合のように上昇することはない。このように、上
部パイプ8が上昇しないことにより、操作者は、水圧が
低いことを知ることができる。
【0044】このような場合、操作者は、上部パイプ8
を人力により引き上げるか、あるいは、上部パイプ8が
下がった状態のままで、上部パイプ8の上端に設けられ
ている封止栓53を外し、それにより現れた取付座54
の挿入口54aにウイングポンプ55の吸入ホース59
を差し込んだ後、取付ナット60を取付座54に螺合し
て、図6に示すようにウイングポンプ55を固定させ
る。吸入ホース59は、下部パイプ3の下端部まで達す
る長さを有しているから、その先端は、水道管1から流
れ込んだ水の中に差し込まれる。また、吸入ホース59
は可撓性を有しているから上部パイプ8が上昇していな
い場合でも、全長を挿入口54aから差し込むことがで
きる。この状態で、把手58を往復揺動させると、下部
パイプ3の下部の水が吸い上げられて吐出管56から吐
出される。
【0045】このように、本実施の形態では、水道管1
の本管が途中で切断されるなどして充分な水圧がなくて
も、この消火・給水栓が設置されている部分に水が残っ
ている場合には、この水を吸い上げて給水することがで
き、極めて高い給水能力を発揮するものであり、災害発
生時などに極めて有効である。加えて、本実施の形態で
は、流入継手41を水道管1の底面に開口して接続さ
せ、一方、流出継手42を下部パイプ3の下端に同軸に
接続させているため、水道管1に残っている水の最後の
一滴まで弁2内に取り込むことができ、吸入ホース59
を弁2の最低部の底部室2qまで差し込まされることに
より、この水を取り出すことができる。さらに、本実施
の形態では、ウイングポンプ55をピット9内に設置す
るようにすれば、誰でも簡単に下部パイプ3の下部に存
在する水を外部に給水することができる。
【0046】以上、図面により実施の形態を説明してき
たが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更
や追加などがあっても本発明に含まれる。例えば、実施
の形態では、水道管1に水圧が無い場合に下部パイプ3
の下部に導いた水を、外部に取り出す手段として、上部
パイプ8の上端部に設けた挿入口54aと、この挿入口
54aから差込可能な吸入ホース59を備えたウイング
ポンプ55とを示したが、本実施の形態のように、下部
パイプ3まで水を導くことができれば、種々の手段によ
り取り出し可能であるから、これらに限定されるもので
はない。すなわち、上部パイプに挿入口54aのよう
な穴が設けられていれば、種々のポンプを用いて水を外
部に取り出すことができるし、挿入口54aのような穴
が無い場合であっても、蛇口51に何らかの吸引手段を
取り付ければ内部の水を外部に取り出すことは可能であ
る。また、空気抜き弁6は、設けた方がウォータハンマ
現象を回避でき好ましいものであるが、この空気抜き弁
6を設けなくても、蛇口51や放水口10を開けば内部
の空気は排出されるため、必ずしも必要なものではな
い。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。 a)給水栓の非使用時には、上部パイプを埋設位置に配
置し、蛇口を地表付近に隠しておくことができるため、
冬期において雪に埋まったとしても自動車の衝突から回
避することができ、また、蛇口をいたずらなどから守る
ことができる。また、非使用時に、弁を止水ポジション
とし、流入口を流出口ならびに排水手段と遮断するとと
もに流出口を排水手段に連通させておけば、下部パイプ
に水が残っている場合、その水は、流出口から排水手段
側に流れ、排水手段から外部に排出され、また、外部の
水は、排水手段により遮断され、弁内に浸入することは
ないため、下部パイプに水が残ってこれが腐敗するとい
うことがないとともに、冬期に下部パイプ内で水が凍結
することがない。
【0048】b)給水栓の使用時には、弁を給水ポジシ
ョンに切り替えれば、自動的に上部パイプが上昇し、か
つ、蛇口を開いて給水でき、使い勝手に優れる。さら
に、水道管に水圧が無い場合でも、水道管に水が存在し
ていれば、その水が、水道管よりも低い位置に配置され
ている弁内に流れ込み、流出口から下部パイプの下部に
導入され、よって、手動ポンプなどの吸入手段を用いる
ことにより下部パイプの水を取り出して給水することが
可能であり、かつ、この時、排水手段は、流入口および
流出口とは遮断されるから、弁の水が外部に排水される
ことはないものであり、高い給水性能が得られる。
【0049】請求項2記載の発明は、蛇口を複数設けた
ため、給水時に、同時に複数の蛇口から給水でき、高い
給水効率が得られるという効果を奏する。
【0050】請求項3記載の発明は、上部パイプの上端
部に、手動ポンプの吸入ホースを挿入可能な挿入口を設
けたため、水道管に充分な水圧が無い場合において下部
パイプに導いた水を、手動ポンプを操作して給水するこ
とができ、高い利便性が得られるという効果を奏する。
【0051】請求項4記載の発明は、挿入口を上部パイ
プに固着した取付座に貫通形成し、取付座には、手動ポ
ンプに形成された雌ねじあるいは雄ねじと螺合可能な雄
ねじあるいは雌ねじを形成され、両ねじを螺合させて手
動ポンプを取り付けられるよう構成したため、手動ポン
プの使用時に、手動ポンプを上部パイプにしっかりと取
り付けることができ、手動ポンプの操作を行い易く、高
い利便性が得られ、かつ、挿入口と手動ポンプとの間の
シール性も良くなり、給水性能の向上が図られるという
効果を奏する。
【0052】請求項5記載の発明は、弁の流入口と水道
管の底面とを流入側継手を介して接続する一方、弁の流
出口と下部パイプの下端とを流出側継手を介して接続し
たため、水道管に充分な水圧が無い場合の給水時に、水
道管に残っている水を水道管に残すことなく、弁を介し
て下部パイプの下端に導入することができ、給水性能の
向上を図ることができるという効果を奏する。
【0053】請求項6記載の発明は、排水手段を、弁の
下端部に形成された底部室と、この底部室に一端が接続
され、他端の開口端が上方に向けられた水抜き管と、こ
の水抜き管の開口端を上から塞ぐ水よりも質量が大きく
形成された弁体とで構成したため、弁を止水ポジション
としたときには、下部パイプ内に残っている水が自動的
に排出される一方、弁の外部の水は弁内に浸入すること
が無いものであり、高い利便性が得られるという効果を
奏する。
【0054】請求項7記載の発明は、上部パイプの上端
部に空気抜き弁を設けた構成としたため、水道管に充分
な水圧がある場合に、上部パイプが水圧により上昇した
ときに、上部・下部両パイプ内の空気が空気抜き弁によ
り排出され、蛇口を開いた時に、即座に水が供給され、
ウォータハンマ現象による打音の発生が無く、品質向上
を図ることができるという効果を奏する。
【0055】請求項8記載の発明は、空気抜き弁を、上
部パイプ内の空気の存在により落下して空気抜き通路を
開き、上部パイプ内の水位の上昇によって浮上して空気
抜き通路を閉塞するフロート弁体を備えた自動開閉弁と
したため、水圧により上部パイプが上昇する時に、同時
に、自動的に空気が空気抜き通路から排出され、水位が
上昇すると、フロート弁体が浮上して空気抜き通路を自
動的に閉塞し、利便性が向上するという効果を奏する。
【0056】請求項9記載の発明は、上部パイプの下端
と下部パイプの上端に、上部パイプの突出位置を規定す
るための互いに当接可能な環状のストッパをそれぞれ付
設したため、上部パイプが上昇した時に、両パイプにそ
れぞれ付勢されているストッパどうしが当接して、突出
位置が規定され、利便性が向上するという効果を奏す
る。
【0057】請求項10記載の発明は、上部パイプおよ
び下部パイプの各周壁と、両パイプに付属の前記両スト
ッパとによって包囲された空間を緩衝室として構成し、
前記上部パイプまたは下部パイプのいずれか一方の周壁
と、他方のパイプに付属の前記ストッパとの間に絞りを
形成したため、上部パイプが上昇した時に、上部パイプ
の上昇が緩やかに成され、かつ、突出位置に達した時の
ストッパどうしの当接も緩やかに成され、また、衝突音
の発生やストッパなどの破損を防止でき、品質向上を図
ることができるという効果を奏する。
【0058】請求項11記載の発明は、記上部パイプの
上端部に消火栓用の放水口を設けたため、1つの消火・
給水栓を、給水栓としても、消火栓としても使用でき、
利便性が向上するものであり、また、消火栓が必要な個
所に本消化・給水栓を設置すれば、同時に給水栓が設置
されることになり、一方、給水栓が必要な個所に本消化
・給水栓を設置すれば、同時に消火栓が設置されること
になり、汎用性が高くなるとともに、給水栓を設置する
コストを低減できるという効果を奏する。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態の消火・給水栓を示す側面図
である。
【図2】同形態の要部の断面図である。
【図3】同形態の要部の平面図である。
【図4】同形態の要部の断面図である。
【図5】同形態で使用するウイングポンプの側面図であ
る。
【図6】同形態のウイングポンプの取付状態の側面図で
ある。
【図7】同形態の上部パイプと下部パイプの嵌合部の一
断面図である。
【図8】同形態の空気抜き弁の断面図である。
【符号の説明】
1 水道管 2 弁 2a 流入口 2b 流入管 2c 流出口 2d 流出管 2e 上部管 2f 下部管 2g 縦壁 2h 縦壁 2j 周壁 2m 流入室 2n 流出室 2p キャップ 2q 底部室 2r 外筒管 3 下部パイプ 4 弁操作部 4a 弁体 4b 上部ランド 4c 中間ランド 4d 下部ランド 4h ハンドル 5 地表 6 空気抜き弁 7 透水管 8 上部パイプ 9 ピット 10 放水口 11 開閉弁 12 放水口キャップ13 連結管 14 ストッパ 15 ストッパリング 16 シールリング 17 隙間 18 緩衝室 19 シール板 20 キャップ 21 縦スリット 22 弁体ケース 23 通孔 24 フロート弁体 25 弁座 26 保護カバー 27 通孔 28 自動排水弁 28a 水抜き管 28b キャップ 28c 弁体 41 流入継手 42 流出継手 45 止めねじ 46 緩衝板 51 蛇口 52 枝管 53 封止栓 53a パッキン 53b 角棒口 54 取付座 54a 挿入口 55 ウイングポンプ 56 吐出管 57 ポンプ部 58 把手 59 吸入ホース 60 取付ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−113254(JP,A) 特開 平8−209753(JP,A) 特開 平9−279644(JP,A) 実開 平3−21473(JP,U) 実公 平3−15644(JP,Y2) 実公 平2−7980(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03B 9/04 E03B 9/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に、流入口2a側の流入室2m、流
    出口2側の流出室2n、さらに底部室2qが形成さ
    れ、地表付近に導出された弁操作部4と連結された弁体
    4aが上下の軸方向に摺動可能に設けられ、この弁体4
    aには、少なくとも中間ランド4cと、下部ランド4d
    とが設けられ、地下に埋設された水道管1よりも低い位
    置に配置されるように前記水道管1に前記流入口2aが
    接続されている弁2と、 軸を鉛直方向に向けて地中に埋設され、下端部に前記弁
    2の流出口2cが接続された下部パイプ3と、 この下部パイプ3の上端部に軸方向に摺動可能に嵌装さ
    れ、上端を地表付近に配置させた埋没位置から地表に起
    立した突出位置の範囲で上下移動可能に支持された上部
    パイプ8と、 この上部パイプ8の上端部に設けられた給水用の蛇口5
    1と、 やはりこの上部パイプ8の上端部に設けられたポンプの
    吸入ホースを挿入可能な挿入口54aと、この挿入口5
    4aを塞ぐ封止栓53と、 前記弁2の底部室2qに設けられ、外部から弁内への水
    の浸入を防止するとともに弁内の水を排出可能に構成さ
    れた排水手段28と、 を備え、 前記弁2は、弁操作部4の操作により、中間ランド4c
    が流入室2mと流出室2nとを画成している状態で、
    部ランド4dが流出室2nと底部室2qと連通させる
    位置関係である止水ポジションと、下部ランド4dが流
    出室2nと底部室2qとを画成している状態で、中間ラ
    ンド4cが流入室2mと流出室2nとを連通させる位置
    関係である給水ポジションとに切り替え可能に構成さ
    れ、少なくとも給水ポジションにおいて、水道管1内の
    圧力が充分な水圧の時に前記弁2の流出口2cから下部
    パイプ3に流入した水が下部パイプ3ならびに上部パイ
    プ8内の空気を加圧し、上部パイプ8を上昇させ、地上
    に突出した蛇口51により給水を可能とし、また水道管
    1内の圧力が低くても前記弁2の流出口2cから下部パ
    イプ3の下部に水が導入されるようになっていることを
    特徴とする給水栓。
  2. 【請求項2】 前記蛇口51が複数設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の給水栓。
  3. 【請求項3】 前記ポンプが手動ポンプ55である請求
    項1または2の記載の給水栓。
  4. 【請求項4】 前記挿入口54aが上部パイプ8に固着
    された取付座54に貫通形成されており、前記取付座5
    4には、手動ポンプ55に形成された雌ねじあるいは雄
    ねじと螺合可能な雄ねじあるいは雌ねじが形成され、両
    ねじを螺合させて手動ポンプ55が取り付けられるよう
    構成されていることを特徴とする請求項3記載の給水
    栓。
  5. 【請求項5】 前記弁2の流入口2aと水道管1の底面
    とが流入側継手41を介して接続されている一方、前記
    弁2の流出口2cと下部パイプ3の下端とが流出側継手
    42を介して接続されていることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれかに記載の給水栓。
  6. 【請求項6】 前記排水手段28が、弁2の下端部に形
    成された底部室2qに一端が接続され、他端の開口端が
    上方に向けられた水抜き管28aと、この水抜き管28
    aの開口端を上から塞ぐ水よりも質量が大きく形成され
    た弁体28cと、を備えていることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の給水栓。
  7. 【請求項7】 前記上部パイプ8の上端部には空気抜き
    が設けられていることを特徴とする請求項1ないし
    のいずれかに記載の給水栓。
  8. 【請求項8】 前記空気抜き弁が、上部パイプ8内の
    空気の存在により落下して空気抜き通路を開き、上部パ
    イプ8内の水位の上昇によって浮上して空気抜き通路を
    閉塞するフロート弁体24を備えた自動開閉弁であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の給
    水栓。
  9. 【請求項9】 前記上部パイプ8の下端と下部パイプ3
    の上端には、上部パイプ8の突出位置を規定するための
    互いに当接可能な環状のストッパ14、15がそれぞれ
    付設されていることを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれかに記載の給水栓。
  10. 【請求項10】 前記上部パイプ8および下部パイプ3
    の各周壁と、両パイプに付属の前記両ストッパ14、1
    とによって包囲された空間が緩衝室18として構成さ
    れ、前記上部パイプ8または下部パイプ3のいずれか一
    方の周壁と、他方のパイプに付属の前記ストッパ14,
    15との間に絞り17が形成されていることを特徴とす
    る請求項9に記載の給水栓。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の給水栓において、前記上部パイプ8の上部に消火栓用
    の放水口10が設けられていることを特徴とする消火・
    給水栓。
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