JP3289021B2 - ヘベア属の植物からタンパク質を製造する方法 - Google Patents

ヘベア属の植物からタンパク質を製造する方法

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    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
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    • C12N15/8242Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
    • C12N15/8257Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits for the production of primary gene products, e.g. pharmaceutical products, interferon
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H1/00Processes for modifying genotypes ; Plants characterised by associated natural traits

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所望の遺伝子産物を発
現することができる遺伝子で形質転換された植物の製造
方法、および同じ性能を有する前記の遺伝子で形質転換
された植物のクローンに関する。さらに詳しくは、関連
する植物は大容積の分泌液を産生する種類の植物であ
り、その標的遺伝子産物は前記分泌液中に発現される。
最も好ましくは、その植物はゴムの植物〔ヘベア( Hev
ea)属の植物〕であり、かつその遺伝子は医薬として価
値のあるタンパク質産物をコードする遺伝子であり、そ
の産物は該植物によって産生されるラテックス中に収穫
されそのラテックスから抽出される。
【0002】
【従来の技術と課題】“異種”の遺伝子の発現によって
特定のタンパク質を産生させるために、酵母、真菌およ
び細菌のような各種の微生物を遺伝子で形質転換させる
方法は公知である。しかし微生物は、生存させて繁殖さ
せるには適切な条件を維持する必要がある。例えば周囲
温度、pH値および通気レベルは通常、慎重に制御する
必要があり、一方栄養素は注意深く調節した用量で培地
に添加し、排泄産物は除去しなければならない。外来性
微生物による汚染を回避するために厳重な無菌の実施を
まもらねばならい。したがって微生物は通常、精巧な醗
酵器またはバイオリアクターで培養され、これらの装置
は高価な保守がなされている工場内に収納されている。
このような固定費が、タンプク質の最終製品の高価格を
もたらしている。
【0003】ごく最近は、タバコの植物のような植物に
異種の遺伝子を導入することに注意が向けられている。
遺伝子による形質転換法をこのように適用することによ
って、作物の改善、および抽出可能で価値のある異種の
タンパク質(例えば抗体)の生物工学的製造を行うため
に種々の重要な遺伝子の特質を組込むことが可能になっ
ている。植物は、微生物と異なり、自らの状態に注意す
る傾向があり、日光、水および基本的な園芸学的な入力
はごくわずかしか必要とせず費用効率の高い原理で容易
に栽培することができる。種々の植物の種に異種の遺伝
子を導入できるいくつもの異なる方法が開発されてい
る。これらの方法としては次の方法がある。
【0004】− アグロバクテリウム( Agrobacterium
)属細菌のベクター系:このベクター系は異種の遺伝
子が挿入された細菌(アグロバクテリウム属)を植物の
組織に感染させる。植物細胞をアグロバクテリウム属の
細菌で形質転換する多くの方法はよく知られている( V
ancanneyt らの1990年の文献; Horsh らの198
5年の文献; Bevan の1984年の文献;および He
rrera - Estrella らの1983年の文献);
【0005】− バイオリスティックガン法( biolist
ic gun method )またはパーティクルガン法( parti
cle gun method ):この方法によれば、DNAをコ
ートした微細投射体を用いて、分裂組織または胚形成カ
ルスのような再生可能な組織に投射することによって、
無傷の細胞また組織に遺伝物質を直接送り込むことがで
きる。この微細投射体は植物細胞に侵入して導入すべき
遺伝物質の不活性な担体として作用する( Gordon - Ka
mm らの1990年の文献および Sanfard らの198
7年の文献)、胚形成カルス懸濁培養物に対する微小投
射体の投射によって、ユリノキ( Dayton らの1992
年の文献)、綿( Finer および McMullen の199
0年の文献)、トウモロコシ( Gordon - Kamm らの1
990年の文献)および大豆( McMulle および Fine
r の1990年の文献)の形質転換植物の産生に成功し
たことが実証されている。粒子投射によるDNA分配に
影響する種々のパラメータが定義されている( Klein
らの1988年の文献;Wang らの1988年の文
献);
【0006】− 異種の遺伝子を植物組織中に吸収させ
ることによる方法( Simon の1974年の文献);お
よび − エレクトロポレーション法である。 しかしこの方法を採用すると、標的産物を回収する際に
は収穫とともに、植物全体または植物の少なくともかな
りの部分が破壊される。植物がすっかり破壊されている
わけではない場合でも、その後の収穫が可能になるまで
再成長するには長い回復期間が必要である。その上に、
タバコのような植物からタンパク質の生成物を抽出する
こと(および上記のような目的のために通常使用される
大部分の微生物からの抽出)は組織固形分の均一化がも
たらされる。このことは比較的問題をはらむ非効率的な
操作である。
【0007】
【課題を解決するための手段】ブラジルのゴムの木であ
るヘベア ブラジリエンシス ムエル−アルグ( Hevea
brasiliensis Muell - Arg )はトウダイグサ科( f
amily Euphorbiaceae)に属し、天然ゴムを製造するた
めに約1世紀にわたって商業的に利用している。ヘベア
属には実際には9種類の種があるが、ヘベア ブラシリ
エンシスが最も広く栽培され商業的に価値が高い。その
理由はラテックスの収量が最も高いからである。
【0008】ラテックスは、“切りつけ法( tapping
)”として知られている方法で、伝統的にゴムの木か
ら分離されている。この方法は、帯状の樹皮を樹木の幹
から切取ってラテックスの流出を開始させる樹皮削除法
(次の切付けは同じ切取り部から樹皮の薄い層を削除す
ることによって実施される)か、または一つ以上の穴を
樹皮に作ってラテックスの流出を開始させる樹皮切り目
法によって実施できる。このように切付け法は、非破壊
的なラテックス回収法であり、繰返しかつ規則的な間隔
をおいて一般に一日置き毎に行うことができる。天然ゴ
ムはラテックスの約1/3を構成し、遠心分離のような
種々の分離法によって容易に分離することができる。
【0009】ゴムの木は、大容積の樹液または浸出液す
なわちラテックスを産生することができる殆ど類のない
木であり、ラテックスは有害な作用は全くなしで連続し
て収穫することができる。本発明の発明者らはゴムの木
のこの特性を遺伝子工学の技術とともに利用して、医薬
として価値のあるタンパク質などの標的産物を生産する
新しくかつ有利な手段を提供するものである。
【0010】本発明の第一の発明によれば、 i) 標的タンパク質をコードする遺伝子または前記遺伝
子のフラグメントを含有する、遺伝子で形質転換された
ヘベア属の木もしくは植物またはそのクローン植物から
ラテックスを収穫し、次いで、 ii) 前記ラテックスから標的タンパク質を回収する、
ことからなる、タンパク質の製造方法が提供される。
【0011】本発明の第二の発明によれば、以下のステ
ップからなる、遺伝子で形質転換されたへベア属の植物
からタンパク質を製造する方法が提供される: i) 植物組織中に、標的タンパク質産物の発現を制御す
るプロモーターおよび標的タンパク質産物をコードする
遺伝子または前記遺伝子のフラグメントを挿入し;次い
で ii) 前記組織から植物を再生し、その結果、その遺伝
子で形質転換された植物は、その産生するラテックス中
に標的タンパク質産物を発現し;次いで iii) 前記ラテックスから標的タンパク質産物を回収す
る。
【0012】本発明の第三の発明によれば、以下のステ
ップからなる、遺伝子で形質転換されたへベア属の植物
のクローン植物からタンパク質を製造する方法が提供さ
れる: i) 適切に遺伝子で形質転換されたへベア属の植物の芽
接ぎ、挿木または栄養繁殖を行うことによって、細胞中
に、標的タンパク質産物の発現を制御するプロモーター
および標的タンパク質産物をコードする遺伝子または前
記遺伝子のフラグメントを含有する染色体挿入断片を含
有し、その結果、前記標的タンパク質産物を、産生する
ラテックス中に発現するヘベア属の植物のクローン植物
を製造し;次いで ii) 前記ラテックスから標的タンパク質産物を回収す
る。
【0013】本発明の第二の発明の好ましい実施態様に
よれば、プロモーターおよび遺伝子または遺伝子フラグ
メントの挿入はアグロバクテリウム属細菌のベクター
系、バイオリスティックガン法またはパーティクルガン
法を用いて行われる。
【0014】本発明の第三の発明の好ましい実施態様に
よれば、遺伝子もしくは遺伝子フラグメントはヘベア属
の植物に対して異種のものであるか又は固有のものであ
る。
【0015】本発明の方法はヘベア属の植物のすべての
種に適用できるが、本願でヘベア属の植物と木を参照し
ているのはそのように解すべきである。しかしヘベア
ブラシリエンシスが特に好ましい。
【0016】本発明においてはヘベア属の植物を用い
る。というのは、この植物が産生する分泌液(すなわち
ラテックス)が、非破壊的に収穫し易く、処理が容易で
あり、かつ本来タンパク質が豊富である(それ故形質転
換植物中に異種タンパク質を産生させることが容易であ
る)からである。
【0017】本発明の根底にある方法は、三つの主要段
階に分かれる。すなわち i) 植物の遺伝子による形質転換(標的タンパク質など
の産物をコードする遺伝子であるDNA分子が植物の組
織の遺伝的補体に挿入される)。またその遺伝子にはプ
ロモーターが付随している必要があることは理解される
であろう。いわゆる“普遍”プロモーター(組織特異的
ではなく、樹液もしくは分泌液を含め、一般に植物のす
べての組織に遺伝子の発現を起こさせる)を利用できる
が、プロモーターはラテックス特異的の方が好ましい。
【0018】上記のように、植物に遺伝子を導入する各
種の方法は公知であり、そのどれでも利用することがで
きる。特に好ましいのはアグロバクテリウム属の細菌の
ベクター系であり、このベクター系は所望の遺伝子を予
め挿入されたアグロバクテリウム属の細菌を組織に感染
させるが、バイオリスティックガン法またはパーティク
ルガン法によって所望の遺伝子が組織中に微小投射体で
推進される。挿入された遺伝子または遺伝子フラグメン
トを有する植物組織は形質転換されれた組織として公知
である。ゴムの植物の場合、形質転換は、ヘベア属の植
物の花の雄ずい柱から採取した葯由来のカルス組織( a
nther derived callus tissue )に対して実施し
た。
【0019】形質転換法で導入されるプロモーターおよ
び遺伝子または遺伝子フラグメントは関連植物に対して
固有のものまたは異種のものであってもよい。プロモー
ターを修飾したり、またはその遺伝子の多数のコピーを
挿入することによって固有の遺伝子の発現を強化するこ
とができる。各種のタンパク質主体の産物、最も好まし
くは医薬として価値があるタンパク質の産物をコードす
る異種の遺伝子を導入することができる。
【0020】ii) 形質転換された組織からの植物の再
生すなわち植栽と栄養付与による成熟。例えば、組織培
養法によって、ヘベア属植物の形質転換されたカルス組
織は、胚の段階を経て、形質転換されてその遺伝補体中
に挿入遺伝子を有する小植物に再生される。その小植物
はやがて充分に成長し、形質転換されたゴムの木に成熟
し、挿入した遺伝子によって発現された標的タンパク質
などの産物がそのラテックス中に存在している。
【0021】iii) 植物または木が産生した分泌液中の
標的タンパク質などの産物の収穫と分泌液からの産物の
回収。ヘベア属の植物の場合、収穫される分泌液は勿論
ラテックスである。形質転換されたゴムの木が成長して
充分に成熟したならば、通常2〜5年後に、切付けが行
われラテックスが規則的な間隔をおいて収穫される。次
にラテックスは通常は遠心分離に付され、天然ゴム、水
性C−漿液およびいわゆる“ボトムフラクション( bot
tom fraction )”に分離される。標的タンパク質など
の産物はラテックスのどの部分にも含有されており、通
常の手段(例えば分離カラムクロマトグラフィー)によ
って抽出・精製することができる。産物はC−漿液また
はボトムフラクション中に存在している方が好ましい。
後者は主にルトイド( lutoid )で構成され、このルト
イドはそれ自体の漿液(B−漿液)が入っている、膜で
連結された小胞である。このB−漿液は、界面活性剤例
えばTriton X−100を用いるかまたは凍結と融解
を交互に行うことによってその膜を破裂させることによ
ってルトイドから放出させることができる。ラテックス
中で生体膜に結合されている標的タンパク質などの産物
はいずれもドデシル硫酸ナトリウムのごとき界面活性剤
で化溶化することによって回収することができる。
【0022】本発明は、タンパク質および非タンパク質
の広範囲の産物を合成するのに用いる新しい有利な手段
を提供するものである。本発明は医薬として価値のある
タンパク質産物を製造するのに特に適している。本発明
の技術は、産物の発現をコードする遺伝子が知られてい
るならば、ほとんどすべてのタンパク質主体の産物の合
成にほぼ適用できるであろう。挿入された遺伝子によっ
て直接コードされるタンパク質産物はそれ自体、植物内
で、異なる最終産物の産生反応を触媒する場合があるこ
とは理解されるのである。この異なる産物(タンパク質
または非タンパク質)は商業的に価値のある最終産物と
して収穫することができる。形質転換された植物または
木によって製造できる産物の例は次のとおりである。 (a) 糖尿病を治療するのに用いるインスリン。 (b) 血友病の治療に用いる血液凝固因子。 (c) 心臓治療用の血餅溶解活性化剤。 (d) 癌治療用の腫瘍壊死因子。 (e) 貧血治療用のエリトロポイエチン。 (f) ワクチン製造に用いるウイルスコートタンパク
質。 (g) “PHB”、ポリプロピレンに類似のプラスチッ
クであり、びん、包装材料などを製造するのに用いられ
る。
【0023】本発明に特にゴムの木を使用することは、
下記の特に注目すべき多数の有意な利点がある。 − 産生が連続的である。というのは標的タンパク質な
どの産物を含有するラテックスが規則的な間隔をおい
て、収穫されかつ産物の回収が簡単だからである。ラテ
ックスは流体であるから、標的産物の回収によって組織
の均質化が起こらない。 − この方法は環境に対してやさしい方法である。その
プロセスは太陽によって駆動されるのでエネルギー効率
が高く特に無公害である。 − ゴムの木は通常の園芸的維持以上に特別の注意を全
く必要としない、。したがってゴムの木の使用は費用効
率が高い。 − この方法は広範囲の標的産物に対して使用すること
ができる。 − ゴムの木から流出するラテックスは細菌および動物
ウイルスを全く含有していない、このことは遺伝子で形
質転換された微生物または動物が用いられるときに適用
する必要がある厳しい無菌の処置と対照的である。 − ゴムの木は、クローン繁殖または栄養繁殖が容易で
あり、最も普通には芽接ぎで行われる。他の方法には挿
木、marcotting または組織培養がある。したがって、
無制限の数の遺伝子が同一の植物(クローン)を、単一
の形質転換植物から生成させることができ、これらクロ
ーン植物はすべてそのラテックス中に所望の産物を発現
し続けることができる。 − ゴムの木は経済寿命が約30年である。この期間
中、遺伝子で形質転換された木は、標的産物の産生に加
えて、勿論そのラテックス中に天然ゴムを産生し続ける
が、ラテックスはゴムの木独特の価値のある商品であ
る。ゴムの木は最終的に伐採されると、価値ある南洋材
(ゴム材木)が得られ、輸出用および家具製造用に非常
に要望されている。これらの利点のいくつかは、本発明
に用いるのに適している他の分泌液産生植物も共有して
いる。
【0024】
【実施例】本発明は下記の実施例によってさらに説明す
る。実施例1はパーティクルガン法を用いるヘベア ブ
ラシリエンシスの遺伝子形質転換に関し、実施例2と3
はそれぞれ、アグロバクテリウム属細菌のベクター系お
よび吸入法を用いた場合を示す。酵素のグルクロニダー
ゼを標的タンパク質の例として用いるが、他の産物につ
いては、グルクロニダーゼの産生を制御する遺伝子を他
の産物の標的タンパク質に対して適切な遺伝子で置換し
て、同様の方法を一般に適用する。実施例には以下の略
語が引用される。
【0025】MB=ヘベア属植物の葯培養開始培地。 GUS/gus=β−グルクロニダーゼ。 NPTII/nptII=ネオマイシンホスホトランススフ
エラーゼ。 CAT/cat=クロラムフエニコールアセチルトラン
スフエラーゼ。 PCR=ポリメラーゼ連鎖反応。 ELISA=酵素結合イムノソルベルト検定法。 CaMV=カリフラワーモザオクウイルス
【0026】実施例 1 植物材料と組織培養 胚形成ヘベア葯カルスを、雄ずい柱の個々の葯から生成
させた。カルスはMB倍地上25℃で生成させて保持し
( Chen らの1984年の文献)、この培地に4週間お
いた後、形質転換するのに用いた。全組織培養法は Che
n らの1984年の文献に記載される手順にほぼ従っ
た。
【0027】植物発現ベクター 形質転換には以下のプロスミドを使用した。すなわち、
β−グルクロニダーゼ(gus)遺伝子を含有するpB
I221.1( Jefferson の1987年に文献);g
usとnptIIの遺伝子を含有するpMON9793
( Gasser 、Monsanto Company 、未発表);catと
nptIIの遺伝子を含有するpDE10(Rhodes 、 No
rwich 、英国);およびnptIIを含有するpHP2
3( Paszkowski および Saul の1988年の文献)
である。これらの遺伝子は強力なCaMV35Sプロモ
ーターの制御下にあった。組換えプラスミドはイー・コ
リ(E. Coli)中で増殖させ、アルカリ溶解法で単離
し、塩化カルシウム/臭化エチジウム密度勾配遠心分離
法で精製した( SambrooK 、Fritsch および Maniatis
の1989年の文献)。プラスミドDNAは260nm
波長光の吸光度とゲル電気泳動法によって定量した。
【0028】微細投射体投射法 プラスミドDNAを、すでに報告されているようにして
( Gordon - Kamm らの1990年の文献)タングステ
ン粒子上に沈澱させた。その沈澱混合物は、1.30m
gのタングステン粒子、25μgのプラスミドDNA、
1.1MのCaCl2 ・2H2 Oおよび8.7mMのス
ペルミジンを含有する合計容積575μlの混合物であ
った。上記の順序で成分を添加した後、混合物を4℃で
10分間攪拌し、500×gで5分間遠心分離し、次に
550μLの上澄み液を廃棄した。生成したペレット
を、残りの上澄み液25μL中に再懸濁させ、次いでこ
の懸濁液からの1μLのタングステン懸濁液を微細投射
体に充填し、バイオリスティックパーティクルガン( S
pearline Precision Engineering Ltd.、英国)
で標的に向って加速させた。葯カルスを Whatman 1号
フイルター紙のディスク(7cm)の中心に置き、これ
を、投射を行う前に、MB培地が入っているプラスチッ
ク製ペトリ皿(直径9cm)の中心に置いた。カルス培
養物を微細投射体停止プレートの下方5cmの位置にお
き、100μmメッシュのステンレス鋼のスクリーン
を、該停止板と組織の間の中ほどに置いて、タングステ
ン粒子分散を促進させた。各プレート上に1回ずつ投射
を行い、次いでカルスを、増殖チャンバー中暗所で25
℃にて短時間インキュベートした。
【0029】形質転換体の選択 投射後25℃にて暗所でインキュベートした後、カルス
をフイルター紙からおだやかに取外し、MB培地が入っ
ている新しいプレート上に置き、さらに、暗所で25℃
にて10日間インキュベートした。投射されたカルスと
対照を、100μg硫酸カナマイシンmL-1を含有する
MB選択培地に移した。抗生物質耐性のコロニーを、投
射を行ってから4週間後に単離し、100μg硫酸カナ
マイシンmL-1を含有する分化培地( differentiation
medium )に移し、25℃にて明るい所でインキュベ
ートした(250μEm-2-1)。これは茎と根の成長
を刺激したが、抗生物質選択がなくても、小パーセント
(3%)の体細胞胚が小植物( plantlet )に分化した
( Chen らの1981年の文献b)。
【0030】酵素検定NPTII :形質転換組織のNPTII活性をELISA法
キット(5 Prime -3 Prime 、Inc.、CP Labo
ratoreis 、英国から入手)を用いて測定した。抽出タ
ンパク質約400μgを検定毎に使用した。
【0031】GUS:ヘベア属植物の形質転換された葯
カルス、胚様体および根のβ−グルクロニダーゼの組織
化学分析を、Jefferson の1987年の文献の方法にし
たがって、基質5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ルグルクロニド(X - gluc)を用いて実施した。組織
はX - gluc を添加してから18〜36時間後に青色に
染色した細胞について試験した。 Nikon SZM−U
1:10ズーム両眼顕微鏡を使い、kodacolor タングス
テン160Tフイルムを用いて、顕微鏡写真を撮った。
GUS活性の蛍光分析検定を、基質4−メチル−ウンベ
リフエリル−β−D−グルクロニドを用いて実施した
( Jefferson らの1987年の文献)。
【0032】CAT:CATの活性を Gorman らの文献
1982年に記載されているようにして測定した。正の
対照を、1単位の細菌CAT酵素( Sigma 社)を用い
て、被投射組織の試料と平行して走行させた。負の対照
には、CAT緩衝液の試料と投射されていない胚様体か
らの抽出物とが含まれている。
【0033】DNA単離とPCRDNAの単離 :ゲノムDNAを Draper らの文献198
8年に記載されているプロテアーゼ法を用いて単離し
た。凍結乾燥したヘベアの組織50mgを、乳棒と入鉢
を用いて微細粉末に粉砕した。次にこの粉末にした組織
を400μLのプロテアーゼ緩衝液(100mMトリス
−HCL pH8.5、100mM NaCl、50m
M EDTA pH8.0、2.0%SDS、0.1m
gプロテナーゼKml-1)と充分に混合し、時々ゆるや
かに反転させながら37℃にて1〜2時間インキュベー
トした。得られた組織/緩衝液のホモジネートを、80
μLのフエノールと80mLの24:1(v/v)クロ
ロホルム/イソアミルアルコールで抽出した。水性相を
遠心分離によって分離し、抽出操作を繰返した。第2回
の抽出を行ってから集めた水性相を、0.54倍容積の
イソプロパノールを用い、−20℃で一夜沈澱させた。
翌日、沈澱を70%のエタノールで洗浄し、50μLの
TE緩衝液(10mMトリス−HCl pH8.0、1
0mM EDTA pH8.0)中に再懸濁させた。ヘ
ベアのゲノムDNAを制限( restriction )するため
に、2μLの10×BSA/スペルミジン(25mg
BSAmL-1 、40mMスペルミジン)を通常どおり
に、制限緩衝液に加えて、不純物の存在による問題を克
服した。
【0034】PCR:各PCR反応を、10mMトリス
−HCl pH8.8、50mMKCl、1.5mM
MgCl2 、50μL 鉱油、200μM dATP、
200μM dTTP、200μM dCTP、200
μM dGTP、Taqポリメラーゼ(0.5〜1.0
U)、DNA(2〜10ng)ならびにオリゴヌクレオ
チドのプライマー:5′GGTGGGAAAGCGCG
TTACAAG3′および5′GTTTACGCGTT
GCTTCCGCCA3′(400〜420位と159
9〜1579位はそれぞれGUS遺伝子中にある、Jeff
erson らの文献1986年)を含有する50μL中で実
施した。各プライマー100ngずつをPCR反応に使
った。Taqポリメラーゼは Amersham International
plc.社から入手した。変性温度は92℃であり、(変
性時間は1分間)、アニーリング温度は55℃であり
(アニーリング時間は20分間)、およびエクステンー
ション温度は72℃(期間は20分間)であった。反応
は、プログラマブル熱制御器( The Hybaid Thermal
Reactor )を用い、30サイクルをプログラムした。
TBE(0.9Mトリス−HCl 25mM EDTA
0.9mM H3BO3 )を走行緩衝液として用い、
試料を1.0%アガロース/臭化エチジウムゲル上を走
行させた後にDNAを検出した。
【0035】試験結果 形質転換と再生 採用したバイオリスティック法は、過度遺伝子発現の研
究を行うのに、大麦の胚に遺伝子を導入するため確立さ
れた方法にしたがった( M. G. K. Jones 、 Rothamste
d 、英国)。パーティクル投射法について使用した葯カ
ルスは高度に胚形成性のヘベア属植物クローン(クロー
ン受託番号11)から誘導した。投射されたカルスを選
択培地に転移させた所、カナマイシン耐性ミクロカルス
が非常にゆっくり成長するのが見えたが、これらの形質
転換カルスは健康のようであり、暗色の死にかかってい
る投射されていないカルス中に白色に見えた(図1)。
X− gluc を添加すると青色に着色する、抗生物質で選
択されたカルスと胚様体の百分率は、プラスミドpMO
N9793を用いて投射を行った後、カルスでは90%
に達し、胚様体では80%に達した。カナマイシンの選
択なしでpBI221.2を用いた場合、青色の着色の
百分率はカルスの場合60%に、胚様体の場合は70%
に達した(表2)。プラスミドpMON9793を用い
て投射されたカルスと胚様体が示した高い転移効率は恐
らくカナマイシン選択が原因であろう。
【0036】表2:GUS活性を発現するカルスと胚様
体の百分率 プラスミド 10 形質転換体 10 カルスの数 9 GUSを発現するカスルの数 8 百分率 90 pMON9793 10 葯カルス 10 胚様体 6 pBI221.2 7 葯カルス 60 胚様体 70
【0037】GUSについての組織化学的検定では、カ
ナマイシン選択なしで保持されたカルスに酵素活性の不
均一なパターンが再々示されたが、カナマイシン選択を
行った後のカルスには均一なパターンが示された。対照
の(投射されなかった)葯カルス、胚様体または根はい
ずれもX− gluc を使用したときに青色に染色されなか
った。これらの実験結果を図1および図2に示す顕微鏡
写真に要約してある。
【0038】GUS活性について組織化学的に染色して
得られた結果を蛍光分光検定法を用いて確認した(図
3)。GUSの蛍光活性は分析された形質転換胚様体の
90%に明確であった。そして形質転換された胚様体の
GUS活性は全般的に投射されていない対照の値と比べ
て4倍に増大した。
【0039】NPTIIのレベルを、形質転換されたカル
スについてELISA法を用いて定量した(図4)。全
般的にNPTIIタンパク質のレベルは、バックグランド
の対照の値の約4倍であり、28〜32ngNPTII/
mg全タンパク質の範囲であった。
【0040】gusをリポーター遺伝子として使用した
のに加えて、本発明の発明者らは、ヘベア属植物への遺
伝子の導入を監視するためにcat遺伝子を用いた。こ
れらの試験の結果は図5に示すオートラジオグラフに要
約されている。cat遺伝子を含有するプラスミドは投
射によって導入することができるので、ヘベア属植物の
カルスと胚様体組織に効率的に発現されることは明らか
である。投射されていない対照の組織には非常に低いレ
ベルのCAT活性しかみとめられなかった(図5のレー
ン3)。
【0041】ヘベア属植物のカルス中に導入されたリポ
ーター遺伝子の存在についての直接検査を、PCR法を
用いて実施した。gusの内部配列を増幅するのに Ham
illら(1991年の文献)の方法を用いた。30サイ
クルの増幅を行った後、0.8ngの少量の鋳型DNA
を使い、単一のバンドが、アガロース/臭化エチジウム
ゲル上に目視可能になった(図6)。この増幅されたバ
ンドはgusの遺伝子と大きさが同一であった。
【0042】最後に、本発明の発明者らは、パーティク
ル投射を行った後2個のヘベア属植物の小植物(無菌で
増殖させた)を再生させるように処理した(図7及び図
8)。その小植物は全く正常に見えた。そして根はX−
gluc で処理したところ青色に染色された。これらの小
植物のうちの一つにgus遺伝子が存在することは、カ
ルス由来のDNAに対して実施したのと同じPCRのプ
ロトコルを用いて確認した。図9に示すように、gus
遺伝子の増幅は、4.0ngの少量のヘベア属植物の葉
のDNAを用いて成功した。本発明の発明者らは、先に
述べたのと同じPCR条件を使用して、対照の(投射さ
れていない)カルス、胚様体または小植物のどれにもg
us遺伝子を増幅させることはできなかった。
【0043】これらの試験結果は、リポーター遺伝子の
検定、カナマイシン耐性の形質転換体の回収およびPC
R法の利用によって測定した場合、微細投射体/微細粒
子が異種DNAをヘベア ブラシリエンシスの細胞に導
入できることを示している。細胞内に運ばれたDNAは
微細投射体の表面から明らかに放出され、なんらかの受
動的または活性の機構によって、その遺伝子が発現され
る核内に輸送される。
【0044】実施例 2 I.カルス組織の形質転換 選択されたヘベア属植物の品種の雄花を Chlorox(5.
25% a.i.次亜塩素酸ナトリウム)で5分間消毒
し次いで滅菌蒸留水で数回洗浄した。葯を雄ずい柱から
切取り、MB培地に接種した(20個の葯/ペトリ
皿)。培養物を暗所にて25℃でインキュベートした。
【0045】アグロバクテリウム属細菌による遺伝子形
質転換 4週齢のヘベア属植物の葯カルスに、酵素のグルタロニ
ダーゼ(GUS)とネオマイシンホスホトランスフエラ
ーゼに対する遺伝子をもっているアグロバクテリウム
ツメフアシエンス(Agrobacterium tumefaciens )を感
染させた。後者の酵素の遺伝子は抗生物質カナマイシン
に対する耐性を与える。カルスは、アグロバクテリウム
ツメフアシエンス懸濁液pH5.8の一夜培養物中に
1分間浸漬し、次に7%のスクロースを含有しているが
ホルモンの補充なしの液状MB培地で希釈して、最終の
測定細菌集団数を3.7×108 細胞/mlにした。集
団密度の評価は一夜培養物の600nm波長光の吸光度
を測定することによって実施した。過剰の細菌懸濁液
を、滅菌 Whatman 1号フイルター紙を用いてカルスか
らブロットし、そのフイルター紙をペトリー皿に移し2
日間共生培養を行った。
【0046】カルスを、抗生物質のセホタキシム(25
0μg/ml)および Ticar(500μg/ml)を含
有するMB培地に移し前記のアグロバクテリウム属細菌
を絶滅させた。1週間後、カルスは、セホタキシムと T
icarを保持したまま選択プレート(MB、Km 100
μg/ml)上に置いた。セホタキシムと Ticarの濃度
は、続いて1週間間隔で行った継代培養中に徐々に低下
した。
【0047】II. 形質転換された小植物の再生 カルス培養物をMB培地の上にプレートし、1週間イン
キュベートし、次いで7日間毎に新しい培地に移した。
3週間後に、培養物を選択分化培地に移した。この相の
期間は、30日間後に新しい培地に移して約2カ月続け
る。培養物を再び暗所にて25℃でインキュベートし
た。開始培地(MB)と分化培地は、形質転換細胞を選
択するため硫酸カナマイシン(100μg/ml)を含
有させた。
【0048】分化培地中に約60日間置いた後、発育し
た胚様体を、茎と根を形成させるため発育培地に移し
た。得られた小植物を土壌に植え、栄養を与え成熟させ
ることができた。
【0049】ヘベア ブラシリエンシスの小植物は、ア
グロバクテリウム属細菌の仲介によってGUS遺伝子を
挿入した後再生させることに成功した。その小植物は正
常に見え、葉の試料はX− gluc で処理した後青色に染
色された。このことはGUS遺伝子の発現を示してい
る。形質転換されずに生体外で栽培されたヘベア属植物
の葉の試料は、同様にX− gluc で処理しても染色され
なかった。その結果を図10に示す。
【0050】実施例 3 アグロバクテリウムのベクター系の代わりに、遺伝子形
質転換を下記のように吸入法で行ったことを除いて、実
施例2の方法にほぼしたがって試験した。4週齢のヘベ
ア属植物の葯カルスを、37℃のインキュベーター中に
30分間置いて脱水した。カルスは、グルクロニダーゼ
に対する遺伝子を含有するDNA溶液(滅菌水中100
μgの pBI 221.1 DNA)中で30分間吸入さ
せた。培養物をMB培地に移し、続いて分化培地に移し
た。しかし実施例2と異なり、培地は硫酸カナマイシン
を含有していなかった。
【0051】なお、本明細書中にて引用した文献および
本発明に関連する文献のリストを下表に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】クロモゲン基質X− gluc で処理した後のヘベ
ア属植物の組織のGUS活性を示す写真(いずれも25
倍の倍率)である。(A) は対照のカルス、(B) は3週齢
の投射された葯カルス由来の細胞である。
【図2】クロモゲン基質X− gluc で処理した後のヘベ
ア属植物の組織のGUS活性を示す写真(いずれも25
倍の倍率)である。(C) は対照の胚様体、(D) はパーテ
ィクル投射を行った後の胚様体である。
【図3】被投射ヘベア属植物の胚様体(T.E.)のG
US活性を対照の値(U.T.E.)と比べて示す棒グ
ラフである。結果は、平均値±s.d.;n=20個の
胚様体として示している。
【図4】被投射ヘベア属植物のカルスのNPTIIタンパ
ク質のレベルを対照の値と比較して示す棒グラフであ
る。結果は、nptII遺伝子を投射した3種のプラスミ
ド(方法の項参照)について示してある。数値は平均値
±s.d.;n=x繰返し数で示してある。
【図5】予めプラスミド pDE 10で投射されたヘ
ベア属植物の組織のCAT活性を示すオートラジオグラ
フの写真である。〔14C〕クロラムフエニコール(C
AP)、〔14C〕1−アセチルクロラムフエニコール
(1−CAP)、および〔14C〕3−アセチルクロラ
ムフエニコール(3−CAP)の位置を示している。レ
ーン1:正の対照として用いた市販のCAT(Sigm
a社)、レーン2:負の対照(緩衝液のみ含有)、レー
ン3:対照の(投射されていない)葯カルス、レーン4
〜6:硫酸カナマイシンで選択してから3週間後の各種
の形質転換葯カルス、レーン7:硫酸カナマイシンの存
在下、投射されたカルスから再生された胚組織。
【図6】x週齢のヘベア属植物の抗生物質で選択された
カルスから単離したDNA由来のgus遺伝子の増幅を
示す写真である。レーン1:1kbラダー(ladde
r)、レーン2:500ngのDNA、レーン3:10
0ngのDNA、レーン4:20ngのDNA、レーン
5:4ngのDNA、レーン6:0.8ngのDNA。
【図7】(E) 図1に示すパーティクル投射を受けた組織
から成長したヘベア属小植物、クロモゲン基質X− glu
c で処理した後のGUS活性;25倍率の写真を示す。
【図8】(F) 対照の根;(G) 形質転換胚様体から再生し
た根;のいずれも25倍率の写真を示す。
【図9】再生したヘベア ブラシリエンシス小植物から
単離したゲノムDNAのPCRによるgus遺伝子の検
出を示す写真である。レーン1:1kbラダー;レーン
2:対照(投射されていない)植物由来の4.0ngの
DNA;レーン3:形質転換カルス由来の4.0ngの
DNA;レーン4:形質転換胚様体由来の4.0ngの
DNA;レーン5:形質転換されたヘベア属小植物の単
一の葉から単離した4.0ngのDNA。
【図10】(H) はX− gluc 中でインキュベートされた
葉の試料の表面の写真(10倍)である。形質転換され
ていない試料(上方)は染色されていないが形質転換さ
れた試料(下方)は青色に染色されている。(I) はX−
gluc 中でインキュベートされた葉の試料の断面の写真
(31倍)である。形質転換されていない試料(上方)
は染色されていないが形質転換された試料(下方)は青
色に染色されている。
フロントページの続き (72)発明者 パプサミイ・アロキアライ マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャ ラン、アンパング 260 ザ・ラバー・ リサーチ・インスティテュート・オブ・ マレーシア内 (72)発明者 カイ・フォング・チョング マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャ ラン、アンパング 260 ザ・ラバー・ リサーチ・インスティテュート・オブ・ マレーシア内 (72)発明者 ワン・ヤーコブ・ワン・アブダル・ラハ マン マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャ ラン、アンパング 260 ザ・ラバー・ リサーチ・インスティテュート・オブ・ マレーシア内 (72)発明者 ホーング・イエート・ヤング マレーシア国クアラ、ルンプール、ジャ ラン、アンパング 260 ザ・ラバー・ リサーチ・インスティテュート・オブ・ マレーシア内 (72)発明者 ステファン・エー・ボッフィー 英国エーエル10 9エービー、ハートフ ォードシャー、ハットフィールド、カレ ッジ、レイン、ハットフィールド、キャ ンパス (番地なし) ユニヴァーシテ イ、オブ、ハートフォードシャー内 (72)発明者 ヘドウィン・ジョンズ 英国エーエル10 9エービー、ハートフ ォードシャー、ハットフィールド、カレ ッジ、レイン、ハットフィールド、キャ ンパス (番地なし) ユニヴァーシテ イ、オブ、ハートフォードシャー内 (72)発明者 ロバート・ジェイ・スレイター 英国エーエル10 9エービー、ハートフ ォードシャー、ハットフィールド、カレ ッジ、レイン、ハットフィールド、キャ ンパス (番地なし) ユニヴァーシテ イ、オブ、ハートフォードシャー内 (56)参考文献 J.nat.Rubb.Res. (1991)Vol.6,No.1,p.55 −61 山田泰之ら編,現代化学増刊20植物バ イオテクノロジー▲II▼,株式会社東 京化学同人,1991年9月20日,p.257 −258 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12P 21/00 - 21/02 A01H 5/00 C12N 5/10 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i) 標的タンパク質をコードする遺伝子
    または前記遺伝子のフラグメントを含有する、遺伝子で
    形質転換されたヘベア属の木もしくは植物またはそのク
    ローン植物からラテックスを収穫し、次いで、 ii) 前記ラテックスから標的タンパク質を回収する、 ことからなる、タンパク質の製造方法。
  2. 【請求項2】 以下のステップからなる、遺伝子で形質
    転換されたへベア属の植物からタンパク質を製造する方
    法: i) 植物組織中に、標的タンパク質産物の発現を制御す
    るプロモーターおよび標的タンパク質産物をコードする
    遺伝子または前記遺伝子のフラグメントを挿入し;次い
    で ii) 前記組織から植物を再生し、その結果、その遺伝
    子で形質転換された植物は、その産生するラテックス中
    に標的タンパク質産物を発現し;次いで iii) 前記ラテックスから標的タンパク質産物を回収す
    る。
  3. 【請求項3】 植物がヘベア・ブラシリエンシスである
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 プロモーターおよび遺伝子または遺伝子
    フラグメントの挿入がアグロバクテリウム属細菌のベク
    ター系を用いて行われる請求項2又は3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 プロモーターおよび遺伝子または遺伝子
    フラグメントの挿入がバイオリスティックガン法または
    パーティクルガン法を用いて行われる請求項2又は3に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 以下のステップからなる、遺伝子で形質
    転換されたへベア属の植物のクローン植物からタンパク
    質を製造する方法: i) 適切に遺伝子で形質転換されたへベア属の植物の芽
    接ぎ、挿木または栄養繁殖を行うことによって、細胞中
    に、標的タンパク質産物の発現を制御するプロモーター
    および標的タンパク質産物をコードする遺伝子または前
    記遺伝子のフラグメントを含有する染色体挿入断片を含
    有し、その結果、前記標的タンパク質産物を、産生する
    ラテックス中に発現するヘベア属の植物のクローン植物
    を製造し;次いで ii) 前記ラテックスから標的タンパク質産物を回収す
    る。
  7. 【請求項7】 植物がヘベア・ブラシリエンシスである
    請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 遺伝子もしくは遺伝子フラグメントがヘ
    ベア属の植物に対して異種のものである請求項6又は7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 遺伝子もしくは遺伝子フラグメントがヘ
    ベア属の植物に対して固有のものである請求項6又は7
    に記載の方法。
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