JP3287739B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3287739B2
JP3287739B2 JP19954695A JP19954695A JP3287739B2 JP 3287739 B2 JP3287739 B2 JP 3287739B2 JP 19954695 A JP19954695 A JP 19954695A JP 19954695 A JP19954695 A JP 19954695A JP 3287739 B2 JP3287739 B2 JP 3287739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体が担持す
るトナー像を中間転写体に転写し、この中間転写体に転
写されたトナー像を転写材に転写することにより画像形
成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成
装置に関する。
【0002】上記に於て像担持体は、例えば電子写真感
光体、静電記録誘電体、磁気記録磁性体等である。
【0003】また、中間転写体は、ローラ形状体(ドラ
ム形状体)、ベルト形状体等である。
【0004】また、転写材は、転写紙、記録紙、印刷
紙、カード、封筒、葉書等であり、材質は紙に限らな
い。
【0005】さらに、上記画像形成装置の画像形成プロ
セスは、例えば電子写真プロセス、静電記録プロセス、
磁気記録プロセス等である。
【0006】
【背景技術】像担持体としての感光体に形成される複数
色のトナー像を中間転写体に順次重ねて1次転写し、こ
の中間転写体に形成された複数色のトナー像よりなるカ
ラー画像(或いは多色画像)を転写材に一括して2次転
写することによりカラー画像を得るカラー画像形成装置
が知られている。
【0007】しかし、上記に述べた中間転写体を使用し
た画像形成装置においては、中間転写体から紙などの転
写材への2次転写の後に、中間転写体上に転写残トナー
が存在し、この残トナーの除去が一つの技術的課題とな
っている。
【0008】上記課題を解決するための手段としては例
えば、中間転写体に弾性ブレードを当接、離間させ、中
間転写体上のトナーを掻き取るタイプ(特開昭56−1
53357号公報、特開平5−303310号公報等)
がある。
【0009】また中間転写体に当接離間するファーブラ
シを設け、このファーブラシに中間転写体上の2次転写
残トナーと逆極性のバイアスを印加して残トナーを回収
し、そして、この残トナーを一旦金属ローラ等のバイア
スローラに付着させてから、ブレードで掻き取る、とい
った構成のものもある。
【0010】また、中間転写体上の残留トナーを感光体
に電界で戻し、感光体のクリーナでこの残留トナーを回
収することが、特開平4−340564号公報、特開平
5−297739号公報、特開平1−105980号公
報等で提案されている。
【0011】ここで、いずれの提案においても、感光体
に戻されるトナーは、感光体に形成されるトナー像の極
性と同極性である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の述べた
中間転写体のクリーニングには以下に述べるような弱点
があった。
【0013】即ち、クリーニングブレードの様な機械的
に中間転写体上のトナーを掻き取るタイプのクリーニン
グ装置では、ブレードが離間した際にブレード部分に堆
積したトナーが中間転写体上に残留し、次プリントプロ
セスの画像上にブレード跡を発生させるという問題が生
じる。また長期間の使用により、ブレードと、このブレ
ードが対向する中間転写体が摩耗し、中間転写体の表層
の劣化による転写効率の低下、トナーのクリーニングブ
レード摺り抜け等の問題をも生じてしまう。
【0014】またファーブラシを用いて中間転写体上の
残トナーを回収する装置は、クリーニング装置が大型、
複雑化し、コスト高になってしまう、といった欠点があ
る。
【0015】また、感光体に形成されるトナー像の極性
と同極性を有する中間転写体上の残留トナーを感光体に
戻す場合、通常の転写工程とは別に、残留トナーを感光
体に逆転写するための工程を設ける必要がある。従っ
て、所定時間の間に像形成を行うことができる転写材の
枚数の低下、いわゆるスループットの低下といった問題
点がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明は、トナー像を担持する像担持体と、中間転
写体と、前記像担持体が担持するトナー像を第1の転写
位置で前記中間転写体に転写するために、前記中間転写
体に電圧を印加する電圧印加手段と、前記中間転写体に
転写されたトナー像を第2の転写位置で転写材に転写す
る転写手段と、を有する画像形成装置において、前記中
間転写体が担持するトナーを前記像担持体が担持するト
ナー像の帯電極性とは逆極性に帯電する帯電手段を備
え、前記像担持体と前記中間転写体との間の空隙にかか
る電圧がPASCHEN則に従う放電電圧よりも小さく
なるように、前記電圧印加手段が前記中間転写体に電圧
を印加することにより、前記像担持体が担持するトナー
像の前記中間転写体への転写と、前記帯電手段によって
帯電されたトナーの前記像担持体への転写と、を同時に
行うことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施例を説明
する電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置
(複写機あるいはレーザプリンタ)概略断面図である。
中間転写体として中低抗の弾性ローラ5を、2次接触転
写手段として転写ベルト6を使用している。
【0018】以下にこの装置のフルカラー画像形成時の
印字動作について説明する。
【0019】1は像担持体として繰り返し使用される回
転ドラム型の電子写真感光体(以下感光体ドラムと記
す)であり、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロセ
ススピード)をもって回転駆動される。
【0020】感光体ドラム1は回転過程で、1次帯電ロ
ーラ2によりマイナスの所定電位に一様に帯電処理さ
れ、次いで不図示の画像露光手段(カラー原稿画像の色
分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル
画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力す
るレーザースキャナによる走査露光系等)による画像露
光3を受けることにより目的のカラー画像の第1の色成
分像(例えばイエロー成分像)に対応した静電潜像が形
成される。なお、感光体ドラム1の芯金は図1で示すよ
うに接地されている。
【0021】次いで、その静電潜像が第1現像器41
(イエロー現像器)の現像スリーブ上のマイナスに帯電
された第1色であるイエロートナーYにより現像され
る。
【0022】このイエローのトナーを現像する時に不図
示の高圧電源により現像スリーブにバイアスが印加され
るタイミングを図11の「Y現像バイアス」に示す。図
11のタイミング図においてハイレベルで現像バイアス
が出力され、ローレベルで出力がオフとなる。以降シー
ケンス図においてはハイ、ローに対する論理は他の項目
も含め同様なものとする。
【0023】現像器41・42・43・44(イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラック)の各現像器は不図示
の回転駆動装置によって現像器支持部40が図中矢印の
方向に回転し、各々の現像器が現像過程で感光体ドラム
1と対向するように配設されている。
【0024】中間転写体5は矢示の時計方向に感光体ド
ラム1とほぼ同じ周速度をもって回転駆動されている。
【0025】感光体ドラム1上に形成担持された上記第
1色のイエロートナー画像は、感光体ドラム1と中間転
写体5とのニップ部(第1の転写位置)を通過する過程
で、電圧印加手段としての1次転写バイアス電源29に
よって中間転写体5の芯金に印加されるプラスの1次転
写バイアスにより形成される電界と、圧力により、中間
転写体5の外周面に中間転写されていく。以後この行程
を1次転写という。
【0026】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次感光体ドラム1上に現像され、中間転写体
5上に重畳転写される。
【0027】各色のトナーを現像する時に不図示の高圧
電源により現像スリーブにバイアスが印加されるタイミ
ングを図11の「M現像バイアス」、「C現像バイア
ス」、「Bk現像バイアス」に示す。また、1次転写バ
イアスの印加タイミングを図11の「1次転写バイア
ス」に示す。
【0028】6は転写ベルトであり、中間転写体5に対
応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してあ
る。転写ベルト6はバイアスローラ62とテンションロ
ーラ61とによって支持される。そして、バイアスロー
ラ62には、2次転写バイアス源28によって1次転写
バイアス電源29により印加されるバイアスより高い電
位のプラスの2次転写バイアスが印加され、テンション
ローラ61は接地されている。
【0029】感光体ドラム1から中間転写体5への第1
〜第4色のトナー画像の1次転写工程において、中間転
写体5をクリーニングするために中間転写体5上のトナ
ーの帯電を行うローラ8(以下、クリーニングローラ8
と呼ぶ)、及び、転写ベルト6は中間転写体5から接離
可能に設けられている。
【0030】図1に示すようにクリーニングローラ8は
端部をバネにより支持され、支持枠がカム84により矢
印x方向に動くことにより中間転写体5に接離する。
【0031】ここで図1はローラ8が中間転写体5に接
触する位置にある状態を示し、カム84が180°回転
することによってローラ8は不図示の離間位置に移動す
る。
【0032】中間転写体5上に重畳転写された合成カラ
ートナー画像の転写材Pへの転写は、転写ベルト6が中
間転写体5に当接されると共に、不図示の給紙カセット
からレジストローラ11、転写前ガイド10を通過して
中間転写体5と転写ベルト6との当接ニップ(第2の転
写位置)に所定のタイミングで転写材Pが給送され、同
時に2次転写バイアスがバイアス電源28からバイアス
ローラ62に印加されることによって行われる。
【0033】この2次転写バイアスにより中間転写体5
から転写材Pへ合成カラートナー画像が転写される。以
後この行程を2次転写という。
【0034】この2次転写のタイミングは図11の「2
次転写バイアス」で示されるタイミングでバイアスが印
加され、2次転写バイアスの印加前後に転写ベルト6の
中間転写体5への接離が行われる。
【0035】ここで本実施形態では、図11で示される
ようにコンピュータなどから1度のプリントスタート信
号を装置に入力することによって複数材の転写材に連続
して像形成を行う場合、2次転写は4色目のブラックの
1次転写が行われる回転で行われるため、1次転写工程
と2次転写工程は一部オーバーラップする。
【0036】トナー画像転写を受けた転写材Pは定着器
15へ導入され加熱定着される。
【0037】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写体
5上の転写残トナーはクリーニングローラ8によって帯
電されて感光体ドラム1に戻されることにより、クリー
ニングされる。
【0038】このタイミングを図11の「クリーニング
ローラ作動」に示す。
【0039】クリーニングローラ8は不図示のモータと
クラッチにより駆動されるカム84により中間転写体5
の帯電位置に当接され、高圧電源27により当接中にプ
ラスのバイアスが印加されることにより中間転写体5上
の転写残トナーをプラスに帯電する。そして、このトナ
ーは2枚目の転写材に形成するためのイエロートナー像
の1次転写と同時に感光体ドラム1に逆転写され、感光
体ドラム1上のクリーナ13により1次転写残トナーと
ともに回収される。
【0040】クリーニングローラ8は転写残トナーの後
端が上記帯電位置を通過した後離間される。
【0041】次に、連続画像形成における最終の転写材
(図11では2枚目の転写材)への像形成シーケンスを
説明する。このとき、中間転写体5は2次転写残トナー
クリーニングのため最低、転写残トナー後端が感光体ド
ラム1と中間転写体5とのニップ部を通過するまで回転
を続け、その間、感光体ドラム1上へ中間転写体5上の
転写残トナーを戻すために1次転写バイアスの印加が継
続される。このとき感光体ドラム1から中間転写体5へ
のトナー像の1次転写は行われない。これ以外は1枚目
の転写材への像形成シーケンスと同様である。
【0042】図12にモノカラー時の8枚連続画像形成
時のシーケンスを示す。
【0043】動作タイミングとしては上記フルカラー時
の4色目以降の動作を繰り返すこととなる。
【0044】最終頁の印字後もフルカラー時と同様であ
る。
【0045】また、以上ではフルカラー2枚連続、モノ
カラー8枚連続印字の場合の例を示したが、連続印字で
なく、1度の像形成開始信号の入力によって1枚の転写
材に像形成する場合は最終頁の印字のシーケンスと同様
である。
【0046】以下、本実施形態における中間転写体5の
クリーニングについてさらに詳細に説明する。
【0047】本実施形態では、すでに説明したように、
感光体ドラム1から中間転写体5への1次転写と同時
に、中間転写体5上の2次転写残トナーを、感光体ドラ
ム1に逆転写して戻している。
【0048】そのメカニズムを説明する。中間転写体5
に形成されたトナー像は、このトナー像の帯電極性(負
極性)とは逆極性の2次転写バイアスがバイアスローラ
62に印加されることによって転写ベルト6に送られた
転写材Pに転写される。このとき、転写材Pに転写され
ずに中間転写体5に残留する2次転写残トナーは、2次
転写工程の際に、強力なトナーとは逆極性の電界を受け
て、正規の帯電極性(本実施例では負極性)とは逆極性
(正)に帯電されて中間転写体5上に残っているトナー
が多い。
【0049】しかし、全ての2次転写残トナーが正極性
に反転しているわけではなく、部分的には中和され電荷
を持たないトナーや、負極性を維持しているトナーも存
在している。
【0050】この現象は以下の様な実験をおこなう事に
よって確認された。
【0051】図1に示す本体装置構成を持つレーザプリ
ンタで、単色テキストパターン、ベタ白パターンの2枚
連続通紙をする。
【0052】中間転写体のクリーニングを行わない場
合、2枚目のベタ白パターンには、前プリントのテキス
トパターンの2次転写残トナーがゴーストのように現れ
る。
【0053】このとき2次転写バイアス値を上下に振っ
て観たところ、ゴーストの発生の様子がバイアス値によ
って異なり、転写バイアスが過剰に高い方がゴースト発
生のレベルが良くなっている事が観察された。
【0054】ところで、転写効率は、ある転写バイアス
値でピークを持ち、過剰なバイアスを印加すると転写効
率が低下することが知られている。
【0055】上記検討での挙動が、従来の転写効率の挙
動とは異なっていたため、2次転写後の中間転写体5上
と感光体ドラム1上を観察した。過剰の2次転写バイア
ス印加後、中間転写体5上のトナーは非常に多く、2次
転写効率は低下したが、同時に感光体ドラム1上にもト
ナーが存在し、そのパターンの様子から、明らかに中間
転写体5上のトナーが感光体ドラム1に転写されて戻っ
ている事が確認された。
【0056】以上の検討結果よりトナーは、強い2次転
写バイアスによって2次転写工程時に逆極性に反転す
る、という挙動を執ることが確認された。
【0057】しかし、中間転写体5上の2次転写残トナ
ーは先述したように、部分的には中和されたトナーや、
負極性を維持しているトナーも存在しているため、完全
には感光体ドラム1に戻らず、連続プリント時の次プリ
ント画像にゴーストとして現れる。
【0058】また最適転写バイアスよりも高い方に外れ
て使用すると、転写電流過剰による画像劣化が激しくな
るため実用的にはなり得ない。
【0059】そこで本発明者らは、部分的には中和され
電荷を持たないトナーや、負極性を維持しているトナー
をも、逆極性に反転させる帯電手段8を、2次転写位置
後、1次転写位置前に設けることにした。
【0060】その結果、2次転写残トナーのほとんど全
てを感光体ドラム1に戻すことが可能となる事を、本発
明者らは確認した。
【0061】ここで、2次転写残トナーの逆転写と、感
光体ドラム1上のトナーの1次転写とを同時に行うため
には、感光体ドラム1と中間転写体5との転写位置(第
1の転写位置)において、それぞれのトナーの帯電量が
小さくなったり、極性が反転したりしてしまうことを防
止する必要がある。
【0062】なお、トナーは絶縁性であるために、逆極
性のトナー同士が短時間で電荷を相殺して中和したり、
極性が反転したりすることは無い。
【0063】そこで本実施形態では、感光体ドラム1と
中間転写体5との間の空隙にかかる電圧がPasche
n則に従う放電電圧よりも小さくなるように、1次転写
バイアス電源29による1次転写バイアスを設定した。
【0064】即ち、第1の転写位置において放電が発生
することを防止することにより、第1の転写位置におい
てトナーの帯電量が小さくなったり、極性が反転したり
してしまうことを防止している。
【0065】以下に中間転写体5上の2次転写残トナー
が、感光体ドラム1上に転移するための最適1次転写バ
イアスがどの様に決まるか述べる。
【0066】図2は通常雰囲気中での感光体ドラム1と
中間転写体5との間の空隙(GAP)と放電電圧の関係
を示した図で、図2中実線は修正Paschen曲線と
言われる、一般的な空隙と放電開始電圧の関係を示す曲
線である(R.M SCHAFFRT著、電子写真、共
立出版、参照)。
【0067】他の点線、破線は1次転写バイアスVa
パラメータとし、空気間隙、即ち感光体ドラム1と中間
転写体5とのGAP(z)を変化させた場合に、そのG
APにかかる電圧Vg〔V〕の変化を表している。Vg
〔V〕は以下の計算式から求まる計算値である。
【0068】 Vg=(Va+Vc)z/(Ls/Ks+Ld/Kd+z) …(1) ここで、 Vc:第1の転写位置直前における感光体ドラム1上の
暗電位 Va:中間転写体5に印加される1次転写バイアス
〔V〕 Ls:感光体ドラム表層(光導電層)の厚さ〔μm〕 Ld:中間転写体表層51(誘電体層)の厚さ〔μm〕 z:感光体ドラム1(光導電層)と中間転写体5(誘電
体層51)との間の空隙〔μm〕 Ks:感光体ドラム表層の比誘電率 Kd:中間転写体表層51の比誘電率 である。
【0069】本実施形態では以下の条件で計算した。V
a:−550〔V〕、Ls:30〔μm〕、Ld:30
〔μm〕、Ks:3、Kd:3である。ここで本計算にお
いてVcは1次帯電ローラ2が1次帯電位置において感
光体ドラム1に与える電位を用いた。即ち、感光体ドラ
ム1上の電位は第1の転写位置に達するまでに多少減衰
するが、少なくとも1次帯電位置における電位で計算し
た結果、放電が発生しなければ良い。
【0070】図2のグラフは前記条件の下、1次転写バ
イアスVa=100、300、500〔V〕の時に、G
AP:zを可変としてプロットしている。
【0071】図2において、1次転写バイアスVaが3
00Vの場合、Vgの曲線が修正Paschen曲線と
交わっている。即ち、感光体ドラム1と中間転写体5と
のGAPで放電が生じる。
【0072】従ってこの放電により電荷が転移して、中
間転写体5上のトナーが逆帯電される、と考えられる。
【0073】換言すれば、ローラ8によって正極性に帯
電され、感光体ドラム1に転移可能な状態になっている
2次転写残トナーが、上記放電で負極性に再帯電され、
感光体ドラム1上に転移できなくなる現象が生じてい
る。
【0074】修正Paschen曲線とGAP間電圧曲
線が交わるところのVaは何Vなのか、を計算により求
めたところ、本実施形態における放電の閾値電圧はVa
=279.4Vであった。
【0075】従って、上記条件下において1次転写同時
クリーニングが良好に実現できる1次転写バイアスは2
79.4V以下に設定しなければならない事になる。
【0076】この場合、1次転写バイアスVaと感光体
ドラム1の1次帯電電位との電位差は550+279.
4=829.4Vとなる。
【0077】ここで、修正Paschen曲線は空隙z
が8μm〜100μmの間にあるとき、以下の式で近似
できる。
【0078】Vg=312+6.2z …(2)
【0079】従って式(1)と(2)を組み合わせると
次の2次方程式を得る。
【0080】 6.2z2−(Va+Vc−312−6.2×(Ls/Ks+Ld/Kd))z +312×(Ls/Ks+Ld/Kd)=0 …(3)
【0081】よって、以下の関係(4)を満たすことに
よって式(3)は解を持たず、放電は発生しない。
【0082】 (Va+Vc−312−6.2×(Ls/Ks+Ld/Kd))2 −4×6.2×312×(Ls/Ks+Ld/Kd)<0 …(4)
【0083】従って、式(a)を満たすことによって、
中間転写体5上の正極性に帯電された2次転写残トナー
は感光体ドラム1へ転写され、感光体ドラム1上の負極
性に帯電されたトナー像は中間転写体5へ転写されると
いった各々独立した挙動をとる。
【0084】本実施形態においては、中間転写体5上の
2次転写残トナーを帯電する帯電手段として、接触型の
帯電手段、具体的には複数層を有する弾性ローラを2次
転写残トナーを帯電するクリーニングローラ8として用
いた。
【0085】図3に本発明で実際に使用した中間転写体
クリーニングローラ8の概略断面図を示す。
【0086】本実施例で用いた中間転写体クリーニング
ローラ8は、例えば円筒状の導電性支持体上83に少な
くともゴム、エラストマー、樹脂よりなる弾性層82を
有するローラ形状、更にはその弾性層の上層に一層以上
の被覆層81を有するローラ形状のものである。
【0087】円筒状の導電性支持体83は中間転写体5
に撓むことなくニップが長手方向に均等となるような剛
性を持って当接可能な材質であれば良く、アルミニウ
ム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや
金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ
る。
【0088】弾性層82は、中間転写体5と隙間無く当
接できる硬度を有している事、印加されるバイアスに対
して、ある程度の電気的耐圧を有していれば良い。
【0089】具体的なゴム材質としてはアクリロニトリ
ルーブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロ
プレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリ
ルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。抵
抗値としては体積抵抗率で107〜1011Ωcm(1k
V印加時)が望ましい。中間転写体クリーニングローラ
の求められる抵抗値については後述する。
【0090】被覆層81の材質は、中間転写体クリーニ
ングを実現する上で重要なファクターとなる。というの
は中間転写体クリーニングローラに求められる機能は、
感光体ドラム1上を帯電する帯電ローラと同様だからで
ある。
【0091】感光体ドラム1上を帯電する帯電ローラ
は、抵抗値が非常に安定していて、表面の微視的な抵抗
ムラが無い場合は単層構成のローラでも機能を満足する
ことができる。これは帯電が感光体ドラム表面材質と帯
電ローラ材質との間に電圧が印加された状態で生じる放
電に依るものであり、放電に寄与する静電容量は抵抗値
で決まってしまうためである。
【0092】従って、抵抗制御と表面の微視的な抵抗ム
ラを抑えるためにも、2層構成として機能分離し、下層
の弾性層82で大まかな抵抗値に制御し、表層の被覆層
81で微調整する方が材料選択肢の拡大、コスト等、製
造上の面からも望ましい。
【0093】上記の観点から、本実施例においては2層
構成を採っているのだが、被覆層81に用いられる材質
としては、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等
に、導電材として酸化チタン、酸化スズ等の金属酸化物
を分散し、抵抗制御したものが望ましい。
【0094】また被覆層としてシート状の樹脂を巻き付
けるタイプでも構わない。
【0095】被覆層の抵抗は、中間転写体5と接して放
電するために充分な表面抵抗を有している必要がある。
その値としては、106〜1015Ω(1kV印加時)が
有効である。
【0096】表面抵抗の測定には100×100mmの
導電性シートに、同様な条件で被覆層を塗布したサンプ
ルを作り、Advantest社製 R8340A及び
R12704を用い、印加電圧1kV、dischar
ge 5sec、charge 30sec及びmea
sure 30secの条件で測定した値である。
【0097】本実施例で使用した中間転写体クリーニン
グローラ8の構成は、外径φ14mmのステンレス製芯
金83上に、弾性体82として厚さt=3mmのNB
R、体積抵抗率109Ωcm(1kV印加時)を構成
し、被覆層81として、ナイロン樹脂であるメトキシメ
チル化ポリアミドに酸化チタンを分散したものを用い
た。その厚さは30μm、表面抵抗値は108Ωであ
る。外径は約φ20mmである。
【0098】上記ローラの実使用抵抗を図6に示す方法
で測定した。ここで言う実使用抵抗とは、弾性層82、
被覆層81を含め、中間転写体クリーニングローラ8と
しての抵抗のことである。
【0099】図6において、不図示の回転駆動体によっ
てアルミシリンダ71が回転し、それにならって中間転
写体クリーニングローラ8が従動回転する。その当接圧
は、図1の装置における使用状態と同等としており、総
圧1Kgfである。中間転写体クリーニングローラ8の
芯金には、高圧電源73より一定の直流電圧Vdcが印
加される。中間転写体クリーニングローラ8の弾性層8
2、被覆層81を通過して流れる電流は、アルミシリン
ダ71に流入し、標準抵抗72を介して接地される。標
準抵抗72の両端の電圧をVr〔V〕とすると、中間転
写体クリーニングローラ8の抵抗値Rcは次式によって
与えられる。
【0100】Rc〔Ω〕= 106/Vr〔V〕 その結果中間転写体クリーニングローラ8の実使用抵抗
は4×108Ωであった。
【0101】本発明者らの検討に依れば、中間転写体ク
リーニングローラ8に望まれる実使用抵抗値は、上記測
定方法で5×105〜1×109Ωの範囲で使用可能であ
ることが分かった。
【0102】また被覆層81の厚みは5〜100μmで
効果があることを確認した。
【0103】次に本実施例に用いた中間転写体5の説明
を図4を用いて行う。
【0104】本実施例に用いる中間転写体5は、例えば
円筒状の導電性支持体上に少なくともゴム、エラストマ
ー、樹脂よりなる弾性層を有するローラ形状、更にはそ
の弾性層の上層に一層以上の被覆層を有するローラ形状
のものである。
【0105】図4は中間転写体5の概略断面図で、53
は剛体である円筒状導電性支持体、52は弾性層、51
は表層である。
【0106】円筒状導電性支持体53としては、アルミ
ニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボ
ンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることが
でき、その形状としては、上述したような円筒状や、円
筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施し
たもの等が挙げられる。本実施例で用いた芯金51は厚
さ3mmのアルミニウムの円筒の内部に補強を施したも
のである。
【0107】中間転写体5に用いる弾性層52の厚み
は、転写ニップの形成、回転による色ズレ、材料コスト
等の面で0.5〜7mmが望ましく、また、表層51の
膜厚は、下層の弾性層の柔軟性を、更にその上層あるい
は感光体ドラム1表面に伝えるために、薄層にすること
が好ましく、具体的には20〜200μmが望ましい。
本実施例で用いた中間転写体5の弾性層52の厚みは5
mm、表層51の膜厚は30μmであり、トータルの外
径はφ180mmである。
【0108】また弾性層52は抵抗値のみを重視しアク
リロニトリルーブタジエンゴム(NBR)に導電材とし
てケッチェンブラックを分散して体積抵抗率を制御した
ものを用いた。
【0109】その他使用できる弾性層52のゴム材質と
しては、先の中間転写体クリーニングローラ8の弾性層
82と同様の材質が挙げられる。
【0110】また導電材としては例えば、カーボンブラ
ック、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等を用いること
ができる。また、樹脂に導電剤を分散させるのではな
く、導電性樹脂を用いることも考えられる。具体的に
は、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、
ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセ
チレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。
【0111】体積抵抗率の測定は上記弾性層52を10
0×100mm、厚さを適宜のシート状に切り出しAd
vantest社製 R8340A及びR12704を
用い、印加電圧1kV、discharge 5se
c、charge 30sec及びmeasure 3
0secの条件で測定した。
【0112】中間転写体5の表層51は2次転写残トナ
ーのクリーニング性に大きく影響するために重要であ
る。表層51にはウレタン樹脂をバインダーに、抵抗制
御の導電材としてほう酸アルミニウムウィスカー50
部、離型性向上を目的としてPTFEパウダー400
部、を分散したものを用いた。PTFEパウダーの分散
量が多いため、表層51の誘電率はPTFEの誘電率と
ほぼ近くなる。
【0113】その表層抵抗を先述と同様の測定方法で測
定したところ、5××108Ω(1kV印加時)であっ
た。本発明者らの検討に依れば、表層抵抗が1010Ω
(1kV印加時)以下であればクリーニング性、転写効
率が良いことが分かった。
【0114】表層抵抗がこれ以上高ければ、中間転写体
5上の電荷がディケーし難く、中間転写体クリーニング
ローラ8によって帯電されたトナーが、強力に中間転写
体5上に静電吸着してしまい、感光体ドラム1に転移し
難くなるためである。その結果として中間転写体5上に
は常にトナーが付着した状態になってしまう。
【0115】また表層抵抗の下限は、クリーニング性で
はなく2次転写効率、飛び散り等の画像性で決まるの
で、ここでの詳細な説明は省くが、本発明者らの検討で
は、107Ω(1kV印加時)以上あれば、2次転写効
率、画質ともに5×108Ω(1kV印加時)の場合と
同様なレベルになった。
【0116】弾性層52、表層51を含む実使用抵抗は
107Ω(1kV印加時)であった。中間転写体5の実
使用抵抗の測定方法も先述の中間転写体クリーニングロ
ーラ8と同様、図6に示す測定系と同様の手法で行っ
た。
【0117】次に、本実施例で用いたトナーについて説
明する。
【0118】今回検討に用いたトナーは、例えば懸濁重
合法で製造された低軟化物質を5〜30重量%含み、形
状係数SF1が100〜120、形状係数SF2が10
0〜120、粒径が5〜7μmの実質的球形である非磁
性一成分微粒径重合トナーである。
【0119】トナーの形状が球形に限りなく近づくと、
転写効率が高くなると言われている。これは、個々のト
ナーの表面エネルギーが小さくなって、流動性が高ま
り、感光体ドラムなどに対する吸着力(鏡映力)が弱ま
って、転写電界の影響が受けやすくなるためと考えられ
る。
【0120】尚、ここでいう形状係数SF1とは、図7
に示す様に、球状物質の形状の丸さの割合を示す数値で
あり、球状物質を2次元平面上に投影してできる楕円状
図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割
って、100π/4を乗じた時の値で表される。
【0121】つまり形状係数SF1の次式、 SF1={(MXLNG)2/ AREA}×(100
π/4) で定義されるものである。
【0122】形状係数SF2は、図8に示す様に、物質
の形状の凹凸の割合を示す数値であり、物質を2次元平
面上に投影してできる図形の周長PERIを図形面積A
REAで割って、100π/4を乗じた時の値で表され
る。
【0123】つまり形状係数SF2の次式、 SF2={(PERI)2 / AREA}×(100π
/4) で定義されるものである。
【0124】本実施例では、日立製作所製FE−SEM
(S−800)を用い、トナー像を100回無作為にサ
ンプリングし、その画像情報は、インターフェースを介
して、ニコレ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入
して解析を行い、上式より算出したものである。
【0125】上記重合トナーの概略構成図を図5に示
す。
【0126】図5に示すように重合トナー9は、その製
造法上球形となる。本実施例ではコア93にエステル系
ワックスを内包し、樹脂層92にスチレンーブチルアク
リレート、表層91にスチレンーポリエステルという構
成の重合トナーを用いた。その比重は約1.05であ
る。3層構成となっている理由は、コアにワックスを内
包することで、定着工程でのオフセット防止効果が得ら
れ、また表層に樹脂層を設けることによって帯電効率の
アップを図っているためで、また実際に使用時には、ト
リボ安定化のためにオイル処理したシリカを外添してい
る。
【0127】本実施例で使用した、上記トナーのトリボ
(Q/M)はおよそ−20μC/gである。
【0128】次に本実施例で使用した感光体ドラム1
は、外径がφ60のOPCで、電荷発生層(Carri
er Generation Layer)として、
0.2〜0.3μmのフタロシアニン化合物を用い、そ
の上層の電荷輸送層(Carrier Transfe
r Layer、以下CT層)には、バインダーのポリ
カーボネート(以下PC)中にヒドラゾン化合物を分散
して、厚さを30μmとしたものを用いた。ここでポリ
カーボネートの比誘電率は約3である。
【0129】本実施例では2次転写手段として転写ベル
ト6を用いている。転写ベルト6を支持しているバイア
スローラ62とテンションローラ61は、同じ材質で構
成しても、他の材質で構成していても一向に構わない。
本実施例では体積抵抗率5×107(1kV印加時)の
NBRを用いた。硬度はJIS Aで30〜35度であ
る。両ローラはφ8mmのSUS芯金上に外径φ20m
mになるように構成した。
【0130】上記ローラ62の材質としては、体積抵抗
率が1×106〜1×1010Ω・cm(1kV印加時)
で制御され、電圧依存性(高電圧を印加すると抵抗が下
がる)が著しく悪いものでなければよい。他に挙げられ
る材質としては、EPDM、ウレタンゴム、CR等適当
な導電剤が分散可能なもので有ればよい。
【0131】次に転写ベルト6であるが、その外径寸法
はφ80×300mmのチューブ形状で、厚さは100
μm、体積抵抗率は108Ω・cm〜1015Ω・cm
(1kV印加時)である。
【0132】本実施形態では、シリコン変性ポリカーボ
にカーボンを分散し、体積抵抗率1011Ωcm、表面抵
抗1012〜1013Ωに制御した樹脂ベルトを用いた。
【0133】転写ベルト6として使用可能な他の素材と
して、樹脂系はポリカーボネート(PC)、ナイロン
(PA)、ポリエステル(PET)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)、ポリサルフォン(PSU)、ポリ
エーテルサルフォン(PEI)、ポリエーテルイミド
(PEI)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミ
ド(TPI)、熱硬化性ポリイミド(PI)、PESア
ロイ、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンテ
トラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等があり、
エラストマー系ではポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱硬化性
エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、
ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性
エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリエチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢
酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱
可塑性エラストマー、等が挙げられる。
【0134】その他の条件は、中間転写体5の感光体ド
ラム1に対する当接圧は2Kgf。中間転写体クリーニ
ングローラ8の中間転写体5に対する当接圧1Kgf。
転写ベルト6の中間転写体5に対する当接圧は5Kgf
である。
【0135】感光体ドラム1上 暗電位(1次帯電による非画像部電位):Vd=−55
0V 明電位(レーザ露光による画像部電位):Vl=−15
0V 現像方法:非磁性1成分ジャンピング現像 現像バイアス:Vdc=−400V、Vac=1600
Vpp、周波数=1800Hz プロセススピード:120mm/sec 図9は感光体ドラム1から中間転写体5への1次転写に
おける、1次転写バイアスと感光体ドラム1上に残存す
る、1次転写残トナー濃度の関係を示している。残トナ
ー濃度の測定は、感光体ドラム上の残トナーをテーピン
グしMacbeth濃度計を用いて行っている。
【0136】図9において、1次転写残トナー濃度は、
約300V付近から飽和して最小値を示しており、広い
範囲で高い転写効率を示すことが分かる。
【0137】図10は単色の転写時、1次転写バイアス
をパラメータとし、中間転写体上に残存する2次転写残
トナー濃度の、2次転写バイアス依存性を示すグラフで
ある。残トナー濃度の測定は、上記同様、中間転写体上
の残トナーをテーピングしMacbeth濃度計を用い
て行っている。このとき中間転写体上のトナー量M/S
〔mg/cm2〕は、単色で0.5〔mg/cm2〕、ト
ナートリボは、約−20〔μC/g〕である。また2次
転写バイアスは1次転写バイアスの影響がでるのを避け
るために、定電流制御方式で印加バイアスを設定してい
る。
【0138】図9において、1次転写バイアスが低い方
が2次転写残トナー濃度が低くなっている、つまり2次
転写効率が高いことが分かる。具体的には、1次転写バ
イアスが100〜250V程度まではほぼ変わらず全体
的に残濃度が低い値となっているが、バイアスを500
V、1.0kVと上げると2次転写残トナー量が次第に
多くなって行くことが分かる。
【0139】これは、1次転写時に高いバイアスでトナ
ーが転写されると、感光体ドラム1と中間転写体5のニ
ップ近傍でのPaschen則に従う放電で、トナーが
逆極性に反転し、2次転写時に効率の良い転写が行われ
ないためである。
【0140】従って、1次転写バイアスは、Pasch
en則に従う放電電圧以下、本実施例においては27
9.4V以下が好ましい。
【0141】図13に、1次転写バイアスと中間転写体
クリーニングローラ8に印加するバイアスを可変とした
ときに、中間転写体上のクリーニング性がどの様に変化
するか、を表す表を示す。2次転写バイアスは定電流1
5μA一定で行った。2次転写バイアスを定電流制御し
た理由は、1次転写バイアスの影響を受けないようにし
たためである。つまり、2次転写時には1次転写バイア
スが振れても、中間転写体5に対して一定の転写バイア
ス(転写電流)が印加できるようにしたためである。
【0142】図13において、1次転写バイアスが30
0V以上となると全く中間転写体5上をクリーニングで
きておらず、250V以下でクリーニングが実現されて
いるのが分かる。
【0143】これは、先述した様に、1次転写バイアス
が高いと1次転写ニップ部での放電の影響で、1次転写
される感光体ドラム1上のトナーと2次転写残トナーが
帯電され、各々、中間転写体5に転写されようとする電
界、感光体ドラム1に戻ろうとする電界が弱まってしま
ったためである。
【0144】プロセススピード:120mm/sec ところで、中間転写体クリーニングを行うには、可能な
限り中間転写体5上の2次転写残トナーが少ない方がよ
い。
【0145】この残トナー量が多いと、中間転写体クリ
ーニングローラ8で残トナーを帯電し、感光体ドラム1
に戻すときに、強い電界をかける必要がでてくる。強い
電界で中間転写体5のクリーニングを実施した場合、既
に2次転写時に逆極性(正)に帯電されて中間転写体5
に残留したトナーさえも更に強く帯電するため、異常に
高い電荷を有するトナーが発生してしまう。
【0146】図14は、上記現象を模式的に表した図で
ある。
【0147】図14を用いてこの現象を説明する。1次
転写前の感光体ドラム1上のトナー94のトリボQ/M
〔μC/g〕が約−20〔μC/g〕であるとき、1次
転写直後のトリボはほとんど変化しない。これは第1の
転写位置において放電が発生しないためである。これは
1次転写バイアスを高くすると、トナーは1次転写でも
若干反転し、結果的に2次転写効率が落ちてしまう、と
いう現象が確認されたためで、2次転写効率を上げるた
め前記バイアス値に設定した。
【0148】中間転写体上に1次転写されたトナーはト
リボ約−20〔μC/g〕を保持したまま、2次転写行
程に入り紙に転写されるが、このときは比較的高い、2
次転写の最適バイアスで転写される。
【0149】2次転写後に中間転写体5上に転写残とし
て残るトナー95は、この2次転写で大半のトナーが逆
極性に反転する。このときの中間転写体上のトリボを測
定したところ、+10〜20〔μC/g〕であった。
【0150】更に中間転写体クリーニングローラ8に任
意のバイアスを印加し、残トナー95の殆どを逆極性に
反転させてやると、結果的に帯電されたトナー96のト
リボは+40〜50〔μC/g〕と大きくなる。
【0151】この様にトナーが強プラスに電荷を帯びる
ため、感光体ドラム1に再転写して戻るのである。
【0152】しかし、このトナー量が多かったり、異常
に強プラスに帯電されるトナーが生じてしまうと、図1
3に示すように、1次転写時、1次転写しようとするト
ナー94と感光体ドラム1に戻ろうとするトナー96と
が入れ違う際、戻ろうとするトナー96の帯電量が大き
いため、1次転写するトナー94を引きつけて、再び感
光体ドラム1に引き戻してしまう。
【0153】実際の画像としては、連続プリントの2枚
目以降に、前プリント時に中間転写体5に残った2次転
写残トナーの跡がゴーストの様に現れてしまう。本発明
者らはこの現象をクリーニングゴーストと呼ぶことにし
た。
【0154】従って、本実施例の中間転写体のクリーニ
ングを実施するには、感光体ドラム1に戻るトナー96
の量と電荷量をある程度制御し、クリーニング不良とネ
ガゴーストの双方が発生しないようにする必要がある。
本発明者らは、この制御を2次転写バイアスと中間転写
体クリーニングローラ8に印加するバイアス値で行っ
た。
【0155】2次転写残トナーの量は先述の図10に示
すように、2次転写バイアスが約12〜18μAで最小
になるのが分かっているので、この範囲のバイアス値、
15μAに設定した。
【0156】トナー96の電荷量の制御は、中間転写ク
リーニングローラ8に印加するバイアス値と1次転写バ
イアス値で行った。その結果を図14に示す。
【0157】図15は、この中間転写体クリーニングロ
ーラ8と1次転写時に中間転写体5に印加するバイアス
値を振って、クリーニング不良とネガゴーストのラチチ
ュードを確認した表である。
【0158】図15において、1次転写バイアスが50
V〜200Vの場合、クリーニング不良とネガゴースト
のラチチュードがある。しかし1次転写バイアスが、2
50Vの場合は両者のラチチュードが非常に狭くなって
いる。
【0159】ところで1次転写バイアスが50Vの場合
は、1次転写効率が極端に悪くなってしまい、最終的に
得られる画像が貧しいものになってしまうため、使用に
は適さない。
【0160】1次転写バイアスが250Vの場合は、中
間転写体クリーニングローラ8に印加するバイアスを比
較的大きくしなければクリーニングできないため、ネガ
ゴーストとのラチチュードが狭くなっている。従ってこ
のラチチュードが1番広くなる1次転写バイアスを選択
するのが望ましい。
【0161】本実施形態では、以上の検討の下に1次転
写バイアスをVa=100V、2次転写バイアスをVb
2=15μAに設定し、弾性帯電ローラタイプの中間転
写体クリーニング手段を使用し、クリーニングバイアス
を30μA定電流制御に設定し、先述のレーザプリンタ
で100,000イメージ連続プリント試験を実施し
た。
【0162】その結果、中間転写クリーニングに関係す
る画像不良はいっさい生じず、また中間転写体クリーニ
ングローラ8も、中間転写体5に従動回転であるため摩
耗せず、トナー付着による汚れも発生しなかった。
【0163】以上述べたように、1次転写同時中間転写
体クリーニングが可能であるため、カラーレーザプリン
タ、カラー複写機などで連続プリントする場合など、1
枚プリントアウトする毎に中間転写体上をクリーニング
するステップに入らなくても良いことから、大幅なスル
ープット向上が実現できる。
【0164】また接触、非接触を問わない帯電器のみで
の中間転写体のクリーニングが実現されるため、構成が
非常に簡単となり低コストのクリーニング手段が提供出
来る。
【0165】更にブレードクリーニング、ファーブラシ
クリーニング等に較べ、使用するパーツに機械的損傷を
与えることが無くなるので、長期使用にも充分耐え、安
定した中間転写体クリーニング手段を提供することがで
きる。
【0166】本実施形態における条件下では1次転写バ
イアスを100Vに設定したが、100〜200V程度
の範囲であれば同様の効果が得られるのは言うまでもな
い。
【0167】また本実施例では、単色連続プリントの場
合を述べたが、4色多重転写の連続プリント時の場合に
おいても、1枚目の2次転写残トナークリーニングと同
時に次プリントの1色目1次転写を実行しても、なんら
問題ないことは言うまでもない。
【0168】本実施例では、外径φ20mmの中間転写
体クリーニングローラを用いたが、本発明者らの検討に
依れば、外径がφ12〜30mm程度のローラであれ
ば、同様の機能を果たすことが確認された。
【0169】また、トナーとして懸濁重合法により製造
された重合トナーを用いたが、通常の粉砕法で製造され
たトナーを用いても、1次転写バイアスと中間転写体ク
リーニングバイアスを最適化してやることによって、同
様の効果が得られる。
【0170】また、2次転写手段として、ベルト転写方
式を用いだが、従来のコロナ転写、転写ローラ方式を用
いても、本発明の効果に代わりはない。
【0171】(第2の実施形態)本発明の第3実施形態
は、中間転写体クリーニング手段として非接触帯電手段
であるコロナ帯電器を用いた。
【0172】コロナ帯電器が中間転写体クリーニング手
段としてのメリットは、非接触であるため、当該離間す
る必要が無く、構成が非常に簡単となり、低コストで実
現できる点と、耐久による劣化の心配がない点、更に中
間転写体へのコロナ放電のタイミングが、例えば1次転
写などの他の工程に左右されず、自由に設定できる点な
どが挙げられる。
【0173】図16に中間転写体クリーニング手段とし
てコロナ帯電器16を組み込んだレーザプリンタの概略
構成図を示す。中間転写体クリーニング手段を除く、他
の構成要素の作用、例えば中間転写体5の構成・材質、
感光体ドラム1上の電位関係等、は先述の第1の実施例
中の図1のレーザプリンタと同様であるため、ここでの
説明は省略し、コロナ帯電器16による中間転写体クリ
ーニング手段について詳述する。
【0174】中間転写体クリーニングコロナ帯電器16
の中間転写体5への放電のタイミングは、単色連続パタ
ーンのプリント時には、1次転写と同時、また4色多重
転写時は、4色目の1次転写が終了したと同時に放電さ
せるようにした。
【0175】図17のコロナ帯電器16を中間転写体ク
リーニング手段に用いた場合の印加バイアスの定義の仕
方を示す。コロナ帯電器16によって中間転写体8に流
れる放電電流Icは、高圧電源162より定電流制御で
電流Isをコロナワイアー160に電流を流し、シール
ド板161に流れる電流Irを差し引いた値、即ち Ic=Is−Ir で求められる。本実施形態では放電電流Icの値を中間
転写体クリーニングバイアスとして、放電電流Icと中
間転写クリーニング性の関係を検討した。
【0176】その結果を図18に示す。このときの2次
転写バイアスも15μAである。
【0177】コロナ帯電器は先の実施形態で述べた、弾
性ローラタイプ等の接触帯電手段よりも帯電効率が高い
ため、少ない放電電流でも充分中間転写体上の2次転写
残トナーを帯電できる。従って中間転写体上のクリーニ
ング性も向上し、弾性ローラタイプの接触帯電手段を用
いた場合よりも、1次転写バイアスのラチチュードが広
くなり、100〜250Vの範囲でクリーニング性とネ
ガゴーストのラチチュードが得られる。
【0178】本実施形態では、1次転写バイアスを20
0V、2次転写バイアス値を先の実施例1同様15μA
に、クリーニング電流Ic=20μAに設定し、先述の
レーザプリンタで100,000イメージ連続プリント
試験を実施したところ、中間転写体クリーニングに関係
する画像不良はいっさい生じず、安定した中間転写体ク
リーニングが実現できた。
【0179】また1次転写バイアスを100〜250V
のどの値に設定しても同様の効果が得られた。
【0180】更に接触帯電タイプに較べ非接触コロナ帯
電器は、汚れ、耐久性等の面で優れているため、製品の
本体寿命まで無交換使用できるというメリットもある。
【0181】(第3の実施形態)図19に本発明の第2
の実施形態を説明するための、レーザプリンタの概略断
面図を示す。
【0182】本実施形態の特徴は、中間転写体としてベ
ルトタイプのものを用い、2次転写手段として従来の転
写ローラ、そして中間転写体クリーニング手段として第
1の実施例で述べた弾性ローラ8を用いたところにあ
る。
【0183】図19において、各工程でのおおよその機
能については、実施形態1と同様であるので、ここでは
中間転写ベルト20と転写ローラ30の説明を主に行
う。
【0184】先述の実施形態1同様、感光ドラム1上に
形成担持された第1色のイエロートナー画像は、感光ド
ラム1と中間転写ベルト20、その背面にあるバイアス
ローラ21とのニップ部を通過する過程で、バイアスロ
ーラ21に印加される1次転写バイアス29により形成
される電界により、中間転写ベルト20の外周面に中間
転写されていく。
【0185】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0186】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写体5上に重畳転写され、目的のカ
ラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成され
る。
【0187】30は転写ローラで、中間転写ベルト20
に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設して
ある。転写ローラ30には、2次転写バイアス源28に
よって所望の2次転写バイアスが印加される。
【0188】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次
転写バイアスは、トナーとは逆極性(+)でバイアス電
源29から印加される。
【0189】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第4色のトナー画像の順次転写実行工程におい
て、転写ローラ30及び中間転写ベルトクリーナ8は中
間転写ベルト20から接離可能としている。
【0190】中間転写ベルト20上に重畳転写された合
成カラートナー画像の転写材Pへの転写は、転写ローラ
30が中間転写ベルト20に当接されると共に、不図示
の給紙カセットからレジストローラ11、転写前ガイド
10を通過して中間転写ベルト20と転写ローラ30と
の当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送さ
れ、同時に2次転写バイアスがバイアス電源28か転写
ローラ30に印加される。この2次転写バイアスにより
中間転写ベルト20から転写材Pへ合成カラートナー画
像が転写される。
【0191】中間転写ベルト20は図19に示すよう
に、4本の支持軸(21、22、23、24)で指示さ
れ、不図示の回転駆動装置によって、図中矢印の方向に
回転している。支持軸(21、22、23、24)は全
て同材質で、バイアスローラ21を除き他の3本は電気
的にはフロートとしている。支持軸(21、22、2
3、24)は、同じ材質で構成しても、他の材質で構成
していても一向に構わない。本実施例では体積抵抗率5
×107 (1kV印加時)のNBRを用いた。硬度はJ
IS Aで30〜35度である。両ローラはφ8のSU
S芯金上に外径φ16になるように構成した。
【0192】上記ローラの材質としては、体積抵抗率が
1×106 〜1×106 Ω・cm(1kV印加時)で制
御され、電圧依存性(高電圧を印加すると抵抗が下が
る)が著しく悪いものでなければよい。他に挙げられる
材質としては、EPDM、ウレタンゴム、CR等適当な
導電剤が分散可能なもので有ればよい。
【0193】中間転写ベルト20の材質としては、導電
性ウレタンシート上に離型層としてPTFEパウダー分
散のフッ素樹脂をコートしたベルトを用いた。表層の厚
さは50μm、全体としての厚さは2mm、体積抵抗率
は106 Ω・cm〜1010Ω・cm(1kV印加時)で
良好な特性が得られるが、本実施例では体積抵抗率2×
109 Ω・(1kV印加時)、表層の比誘電率が約4.
5である中間転写ベルト20を用いた。
【0194】転写ローラ30としては、φ8のSUS芯
金上に肉厚6mmのEPDM、という構成とし、単層状
態での体積抵抗率は、導電剤としてケッチェンブラッ
ク、酸化亜鉛ウィスカーを分散して、6×106 Ω・c
m(1kV印加時)とした。
【0195】中間転写体クリーニングローラ8の構成・
材質は第1の実施形態で詳述したローラと同様なので、
ここでの説明は省略する。
【0196】本実施形態においては、感光体ドラム1上
の暗電位Vc=−700V、明電位V1=−150Vと
し、他の現像条件等は、先の第1の実施形態同様であ
る。
【0197】感光体ドラム1上の暗電位Vc、中間転写
ベルトの表層の肉厚、誘電率等の値が変わると、Pas
chen則に従う放電開始電圧Vgが変わる。
【0198】Vg〔V〕は以下の計算式から求まる計算
値であるから、 Vg=(Va+Vc)z/(Ls/Ks+Ld/Kd+
z) 上式に Vc:−700〔V〕、Ls:50〔μm〕、Ld:3
0〔μm〕、Ks:4.5、Kd:3、 上記値を代入して、GAP間電圧曲線を求めた。
【0199】図20に本実施形態での条件下におけるG
AP間電圧曲線を示す。
【0200】図20において、1次転写バイアスVaが
300V以上で、Vgの曲線が修正Paschen曲線
と交わっている。
【0201】次に1次転写バイアスが何V以下であれ
ば、この放電が生じなくなるか、換言すれば修正Pas
chen曲線とGAP間電圧曲線が交わるところのVa
は何Vなのか、を先述の第1の実施例同様計算によりを
求めたところ、放電の閾値電圧はVa=145.3Vで
あった。
【0202】従って、上記条件下において1次転写同時
クリーニングが実現できる1次転写バイアスは145.
3V以下に設定しなければならない事になる。
【0203】この場合、1次転写バイアスVaと感光体
ドラム1上の電位差は700+145.3=845.3
Vとなる。
【0204】本実施形態では、以上の検討の下に、2次
転写バイアスをVb2=15μAに設定し、中間転写体
クリーニングローラ8と1次転写時に中間転写ベルト5
に印加するバイアス値を振って、クリーニング不良とネ
ガゴーストのラチチュードを確認した。
【0205】図21において、1次転写バイアスが50
V〜140Vの場合、クリーニング不良とネガゴースト
のラチュードがある。しかし1次転写バイアスが、20
0Vの場合は両者のラチチュードがなくなっている。
【0206】1次転写バイアスをVa=50Vの場合
は、第1の実施形態でも述べたが最終的に得られる画像
が貧しいものになってしまうので、使用には適さない。
【0207】従って本実施形態の場合は、100〜14
0V程度の値で使用するのが望ましいと言える。
【0208】本実施形態では、以上の検討の下に、1次
転写バイアスをVb1=100V、2次転写バイアスを
Vb2=15μAに設定し、弾性帯電ローラタイプの中
間転写体クリーニング手段を使用し、クリーニングバイ
アスを30μA定電流制御に設定し、先述のレーザプリ
ンタで100,000イメージ連続プリント試験を実施
したところ、中間転写体クリーニングに関係する画像不
良はいっさい生じず、安定した中間転写ベルトクリーニ
ングが実現できた。
【0209】中間転写ベルトを用いたレーザプリンタ
は、装置構成ユニットが比較的自由配置できるので、装
置の小型化が可能となるメリットがある。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、2
次転写終了後に中間転写体に残留したトナーを像担持体
が担持するトナー像の帯電極性に対して逆極性に帯電す
ることにより、1次転写と同時に中間転写体をクリーニ
ングすることが可能となり、中間転写体をクリーニング
するための特別な工程に要する時間を短縮し、所定時間
の間に像形成を行うことのできる転写材の枚数を向上さ
せることが可能となる。
【0211】像担持体と中間転写体との間の空隙にかか
る電圧がPASCHEN則に従う放電電圧よりも小さく
なるように、電圧印加手段が中間転写体に電圧を印加す
るため、前記像担持体が担持するトナー像の前記中間転
写体への転写と、前記第2帯電手段によって帯電された
トナーの前記像担持体への転写と、を同時に良好に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のレーザプリンタの概
略断面図。
【図2】第1の実施形態の条件下における、感光体ドラ
ムと中間転写体のGAPとPaschen則に従う放電
電圧の関係を示すグラフを示す図。
【図3】第1の実施形態のレーザプリンタに組込んだ中
間転写体クリーニングローラの概略断面図。
【図4】中間転写体の拡大断面図。
【図5】本発明で使用した重合トナーの概略断面図。
【図6】本発明で使用した中間転写体クリーニングロー
ラ及び中間転写体の実使用抵抗測定器の概略断面図。
【図7】形状係数SF1の説明図。
【図8】形状係数SF2の説明図。
【図9】本発明の説明で用いたレーザプリンタの1次転
写電圧と感光体ドラム上1次転写残トナー濃度の関係を
示すグラフ。
【図10】本発明の説明で用いたレーザプリンタの2次
転写バイアスと中間転写体上2次転写残トナー濃度の関
係を示すグラフ。
【図11】フルカラー時の動作シーケンス図。
【図12】モノカラー時の動作シーケンス図。
【図13】弾性帯電ローラの中間転写体クリーニング1
次転写バイアス依存性を示す図。
【図14】クリーニングネガゴーストのメカニズム説明
図。
【図15】弾性帯電ローラの中間転写体クリーニング性
とネガゴーストの1次転写バイアス依存性を示す図。
【図16】本発明の第2の実施形態で中間転写体クリー
ニング手段としてコロナ帯電器を用いたレーザプリンタ
の概略断面図。
【図17】本発明の第2の実施形態のコロナ帯電器によ
る中間転写体クリーニング手段を示す図。
【図18】コロナ帯電クリーニング手段の中間転写体ク
リーニング特性を示す図。
【図19】本発明の第3の実施形態の中間転写体ベルト
を用いたレーザプリンタの概略断面図。
【図20】第3の実施形態の条件下における、感光体ド
ラムと中間転写体のGAPとPaschen則に従う放
電電圧の関係を示すグラフ。
【図21】第3の実施形態の中間転写体クリーニング特
性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 月田 辰一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 西村 克彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−271211(JP,A) 特開 平5−333706(JP,A) 特開 平6−324579(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/16 G03G 15/01

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を担持する像担持体と、中間転
    写体と、前記像担持体が担持するトナー像を第1の転写
    位置で前記中間転写体に転写するために、前記中間転写
    体に電圧を印加する電圧印加手段と、前記中間転写体に
    転写されたトナー像を第2の転写位置で転写材に転写す
    る転写手段と、を有する画像形成装置において、 前記中間転写体が担持するトナーを前記像担持体が担持
    するトナー像の帯電極性とは逆極性に帯電する帯電手段
    を備え、前記像担持体と前記中間転写体との間の空隙に
    かかる電圧がPASCHEN則に従う放電電圧よりも小
    さくなるように、前記電圧印加手段が前記中間転写体に
    電圧を印加することにより、前記像担持体が担持するト
    ナー像の前記中間転写体への転写と、前記帯電手段によ
    って帯電されたトナーの前記像担持体への転写と、を同
    時に行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記中間転写体には前記像担持体が担持
    するトナー像が前記第1の転写位置で順次重ねて転写さ
    れ、この中間転写体に転写されたトナー像は前記第2の
    転写位置で転写材に一括して転写されることを特徴とす
    る請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記中間転写体は、トナー像を担持する
    誘電体層と、この誘電体層の背面に設けられた導電層
    と、を備え、前記電圧印加手段は前記導電層に電圧を印
    加することを特徴とする請求項1または請求項2の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記装置は、前記像担持体にトナー像を
    形成する像形成手段を有し、この像形成手段は前記像担
    持体をこの像担持体が担持するトナー像の帯電極性と同
    極性に帯電する1次帯電器を備えることを特徴とする請
    求項3の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記像担持体はトナー像を担持する光導
    電層を備え、この光導電層の厚さをLs(μm)、比誘
    電率をKsとし、前記誘電体層の厚さをLd(μm)、比
    誘電率をKdとし、前記電圧印加手段が前記導電層に印
    加する電圧をVa、前記第1の転写位置直前における前
    記光導電層の暗部電位をVc、としたとき、 (Va+Vc−312−6.2×(Ls/Ks+Ld
    d))2−4×6.2×312×(Ls/Ks+Ld
    d)<0 を満たすことを特徴とする請求項4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記装置は、前記像担持体を清掃する清
    掃手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記装置に装置外部から1度の像形成開
    始信号を入力することによって複数枚の転写材に連続し
    て像形成を行うとき、ある転写材への転写終了後に前記
    中間転写体に残留したトナーを前記像担持体へ転写する
    工程と、次の転写材に転写するために前記中間転写体に
    前記像担持体のトナー像を転写する工程と、が同時に行
    われることを特徴とする請求項1乃至請求項6の像形成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記装置に装置外部から1度の像形成開
    始信号を入力することによって1枚の転写材に像形成を
    行うとき、転写材への転写終了後、前記像担持体のトナ
    ー像を前記中間転写体に転写することを行わずに、前記
    中間転写体に残留したトナーを前記像担持体に転写する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の画像形成装
    置。
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