JP3287494B2 - 脱穀機の二番還元装置 - Google Patents

脱穀機の二番還元装置

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JP3287494B2 JP5486293A JP5486293A JP3287494B2 JP 3287494 B2 JP3287494 B2 JP 3287494B2 JP 5486293 A JP5486293 A JP 5486293A JP 5486293 A JP5486293 A JP 5486293A JP 3287494 B2 JP3287494 B2 JP 3287494B2
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田 耕 治 郎 嶋
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セイレイ工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、脱穀機の二番還元装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脱穀機における二番還元の移送手段とし
ては、スロワを用いるもの、オ−ガによるものなどがある
が、スロワによる移送手段に比べてオ−ガによる移送手
段の方が移送の確実さ、移送経路確定の自由度などの点
で有利なので、より多く見受けられる。そして、一般的
に、オ−ガによる二番還元用の移送手段は、オ−ガを内装
した筒ケ−スの下端の受継ケ−ス部を二番樋の移送終端
部に連通接続して装設し、二番コンベアから受継ケ−ス
内に送り込まれてくる二番物(未脱穀粒を含む不完全処
理物)をオ−ガで単に揚上移送して、筒ケ−ス上端部の送
出口から扱室又は処理室、若しくは選別装置部に向けて
還元するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の二番還
元用移送手段においては、二番コンベアから引き継いだ
時と殆ど同じ不完全処理状態の二番物が、扱室又は処理
室などの所要箇所に向けて還元されるだけであるから、
そのような二番物の還元により扱胴等に過大な付加が掛
ることになってエンジンの回転低下や詰まり等の不具合
が発生し易く、殊に、早期稲収穫又は、湿材を処理するコ
ンバイン用脱穀機にあってはその傾向が一段と激しくな
る難点があり、更に、前記二番物を選別装置部に還元する
と、二番物に混じる単粒は選別漏下されても、枝梗付粒の
離脱処理はされないのでそれが悪循環する現象が生起し
たりロスが増大することになり、これに選別物の絶対量
が多くなることも重なって選別性能が低下するという難
点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記難点を解
消することを目的としてなされたものであり、この目的
を達成するために次の技術手段を講じている。すなわ
ち、本発明における脱穀機の二番還元装置(11)は、二番コ
ンベア(10)からの二番物をオ−ガによる移送手段でもっ
て所要箇所に移送還元する脱穀機において、前記オ−ガ
の移送方向における二番コンベア(10)と二番還元装置(1
1)との受継部の構成を、受継ケ−ス部(13)の内方に延出
した二番コンベア(10)終端部に跳上げ翼(22)を設け、
、二番還元装置(11)始端部の下方オ−ガ(A2)に、上方
オ−ガ(A1)の回転軸(26)より大径なる回転胴(30)を装着
し、該下方オ−ガ(A2)の回転胴(30)に、上方オ−ガ(A1)
の螺旋体(27)に対して大径なる下螺旋体(31)と上螺旋体
(32)を設け、下螺旋体(31)と上螺旋体(32)との間に扱歯
(33)群を連設固装し、前記扱歯(33)群に対応させて切刃
(34)群を設けたものとしている。尚、実施例では二番還元
装置(11)始端部の下方オ−ガ(A2)の構成を、前記上方オ
−ガ(A1)の螺旋体(27)に対して大径なる下螺旋体(31)と
上螺旋体(32)を固装し、該下螺旋体(31)と上螺旋体(32)
の間に、上方オ−ガ(A1)の螺旋体(27)に対して大径なる
扱歯(33)群を配設した構成を特徴としてある。
【0005】
【発明の効果】本発明装置は、二番コンベア(10)からの
二番物をオ−ガによる移送手段でもって所要箇所に移送
還元する脱穀機において、オ−ガの移送方向における二
番コンベア(10)と二番還元装置(11)との受継部の構成
を、受継ケ−ス部(13)の内方に延出した二番コンベア(1
0)終端部に跳上げ翼(22)を設け、一方、二番還元装置(11)
始端部の下方オ−ガ(A2)に、上方オ−ガ(A1)の回転軸(2
6)より大径なる回転胴(30)を装着し、該下方オ−ガ(A2)
の回転胴(30)に、上方オ−ガ(A1)の螺旋体(27)に対して
大径なる下螺旋体(31)と上螺旋体(32)を連設固装し、又
該下螺旋体(31)と上螺旋体(32)の間に上方オ−ガ(A1)の
螺旋体(27)に対して大径なる扱歯(33)群を配設固装し
て、、前記扱歯(33)群に対応させて切刃(34)を設けたの
で、受継部で二番物の移送状態が停滞しがちな箇所で、二
番コンベア(10)終端部の跳上げ翼(22)で跳上げ拡散され
た二番物を、二番還元装置(11)の下方オ−ガ(A2)の下螺
旋体(31)の大径化によって高められた周速と、扱歯群及
び切刃の脱穀作用で、受継ぎ部において二番物の取込み
向上と搬送性能向上し、更に、二番還元物中に含まれる
枝梗付粒の脱粒と藁屑の切断処理と移送作用が連続的に
行われ、二番還元物の流れを二番還元装置全体に亘って
良好にする事ができ、揚上移送途上での詰まりを低減し、
還元先である選別装置部での選別作用も円滑にし、二番
物の滞留時間や総量を減少して高能率な作業を可能にす
ることができる。
【0006】
【実施例】図1は本発明装置が実施される脱穀機の一例
を示し、(1)は扱室、(2)は扱胴、(3)は処理排塵室、(4)は処
理胴、(5)は吸引排塵機、(6)は扱室のクリンプ網の下方か
ら吸引排塵機の下方にかけて位置させて設けられた揺動
選別体、(7)は唐箕、(8)は一番樋に横設された一番コンベ
ア、(9)は一番樋の移送終端側に連通連設された揚穀筒、
(10)は二番樋に横設された二番コンベア、(11)は二番樋
の移送終端側に連通連設された二番還元装置であり、こ
の二番還元装置に本発明が施される。
【0007】二番還元装置(11)は、円筒ケ−ス(12)の下
端の受継ケ−ス部(13)を、二番樋の移送終端部側に連通
接続して取付けられ、二番コンベア(10)から受継ケ−ス
部(13)内に送り込まれてくる二番物を円筒ケ−ス(12)に
内装されたオ−ガでもって揚上移送して、円筒ケ−ス上
端部の送出口(14)から揺動選別体(6)の始端部寄り部位
に向けて送出還元するように設けられるのであるが、そ
の要部構造が図2〜図4に拡大して示されている。
【0008】図2〜図4において、二番還元装置(11)に
おける円筒ケ−ス(12)の上半部(12a)はパイプ材で形成
されるが、円筒ケ−ス(12)の下半部(12b)及び受継ケ−ス
部(13)は、断面半円状に成型された二枚の板材(15)、(1
6)を合せ面で接合し、それらの周縁耳部を蝶ボルト(17)
など適宜の固着手段で合着して形成されている。
【0009】そして、二枚の板材(15)、(16)は、脱穀機の
側壁(18)に沿う方向の合せ面で接合されるものとなって
おり、一方の板体(15)は、受継ケ−ス部(13)となる下方部
分を二番樋の移送終端部側に連通させて脱穀機側に固着
して設けられ、他方の板体(16)は、前記板体(15)の外側に
対応位置させ、下端部をヒンジ(19)などの回動軸着手段
で板体(15)側に取付け、軸着部を中心にして開閉可能な
蓋体(として設けるか(図4参照)、若しくは、板体(15)に
対して取外し可能に設けられる。
【0010】尚、二枚の板材(15)、(16)の合接によって
形成された円筒ケ−スの下半部(12b)及び受継ケ−ス部
(13)の下方端部は、閉塞体(20)によって閉塞される様に
なっている。また、円筒ケ−スの下半部(12b)は、上半部
(12a)に対比してはるかに大径に形成されるが、上方の一
部分が先細り状に縮径されて上(12a)のパイプ径に合致
して連なるように形成されている。
【0011】上記のような円筒ケ−ス(12)及び受継ケ−
ス部(13)が所定の部位に取付けられた状態で、また、受継
ケ−ス部(13) の内方に二番コンベア(10) のコンベア軸
(21)が延出位置し、その延出部分に跳上げ翼(22)が設け
られ、二番コンベア(10)で移送した二番物を円筒ケ−ス
の下半部(12b)内に跳ね上げるように構成される。
【0012】又、前記コンベア軸(21)の軸端部は、ギアボ
ックス(23)に挿入され、その挿入部分に駆動ベベルギア
(24)が楔着されてギアボックス(23)に回転自在に軸受支
持される。そして、前記ギアボックス(23)内において、駆
動ベベルギア(24)に被動ベベルギア(25)が噛合され、被
動ベベルギア(25)がギアボックス(23)に回転自在に軸受
支持され、その軸孔に、前記円筒ケ−ス(12)に内装される
オ−ガの回転軸(26)の下方端部を抜き挿し可能に楔合し
得るようになっている。
【0013】オ−ガは円筒ケ−スの上半部(12a)の内方
に位置する上方オ−ガ(A1)と、下半部(12b)の内方に位置
する下方オ−ガ(A2)とに分割形成され、上方オ−ガ(A1)
は前記回転軸(26)に螺旋体(27)を一体的に固装して形成
されるが、下方オ−ガ(A2)は、円筒ケ−ス下半部(12b)の
内方に所定の様に位置させてその軸受孔に前記回転軸(2
6)を差し込むと、回転軸(26)に設けられた駆動突起(28)
が下方オ−ガ(A2)側の受具(29)に係合して回転伝達状態
となり、且つ、上方オ−ガ(A1)に一連に連なるものとなっ
ている。
【0014】下方オ−ガ(A2)は、前記回転軸(26)に軸装
する回転胴(30)と、回転胴の下部外周に固装される下螺
旋体(31)と、回転胴(30)の上部外周に固装される上螺旋
体(32)と、回転胴(30)の上下方向中間部に植設配備され
る扱歯(33)群と、扱歯(33)群に対応して設けられる切刃
(34)群などによって構成させている。
【0015】扱歯(33)群は、切刃(34)群と協同して二番
物を扱ぎ処理するが、下螺旋体(31)から受け継いだ二番
物に扱ぎ作用を与えながら、その二番物を上螺旋体(32)
に受け渡す移送機能をも果たすものとなっている。そし
て、扱歯(33)群および切刃(34)群の扱ぎ作用によって枝
梗から分離された穀粒の落下を阻止しながら上螺旋体(3
2)に向けて良好に揚上搬送する為に、扱歯(33)群に対応
する円筒ケ−ス下半部(12b)の内壁面にリ−ド(35)が設
けられている。尚、切刃(34)群は蓋体として開閉自在に
設けられている板体(16)側に着脱自在に取付けられてい
る。
【0016】
【作用】次に、上記のように構成された二番還元装置(1
1)の作用を説明すると、オ−ガの回転軸(26)は、二番コン
ベア(10)のコンベア軸(21)からギアボックス(23)内の駆
動ベベルギア(24)および被動ベベルギア(25)を介して伝
達される動力でもって所期の方向に回転駆動される。す
ると、回転軸(26)に一体的に設けられている上方オ−ガ
(A1)が回転するのは勿論であるが、下方オ−ガ(A2)も駆
動突起(28)と受具(29)との係合によって同様に回転され
る。そうして、二番コンベア(10)から受継ケ−ス部(13)
に送込まれ、跳上げ翼(22)でもって跳ね上げられる二番
物が、下方オ−ガ(A2)の下螺旋体(31)によって揚上移送
される。
【0017】下螺旋体(31)からの二番物が、扱歯(33)群
からなる部分に至ると、扱歯(33)群と切刃(34)群とによ
る扱ぎ作用を受けながら、扱歯(33)群の移送作用でもっ
て上螺旋体(32)に受渡されるのであるが、この部分は上
方オ−ガ(A1)よりも大径になっていて周速が早いから効
果的に二番物の取込み性能向上と扱ぎ作用が行われるこ
ととなり、それによって枝梗から離脱された穀粒も、円筒
ケ−ス下半部(12b)の内壁面に設けられているリ−ド(3
5)によって落下を阻止されながら他の二番物と共に揚上
移送される。しかして、上方オ−ガ(A1)に引継がれた二
番物は、さらに揚上移送され円筒ケ−ス(12)上端部の送
出口(14)から揺動選別体(6)の始端部寄り部位に送出さ
れるのである。
【0018】なお、実施例のものは、円筒ケ−ス(12)の下
半部(12b)を、脱穀機の側壁(18)に沿う方向の合せ面で接
合する二枚の半円状板材(15)、(16)で形成し、外側の板体
(16)を開閉可能又は着脱可能な蓋体(16)にして設け、そ
の蓋体(16)によって覆われる部分に下方オ−ガ(A2)を収
納位置させ、下方オ−ガ(A2)の中心部に上方から回転軸
(26)を挿し込めば、下方オ−ガ(A2)が回転軸(26)に連動
結合されるように構成しているので、二番還元装置全体
としての組立分解が容易であり、また、メンテナンスや清
掃なども、蓋体として設けられた板体(16)を開くことに
よって容易に行うことができ、清掃作業時には、下方支点
で開放した板体(16)をトレイとして利用して、それに取
出し物を収容することにより、穀粒を散乱させずに回収
できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置が実施された脱穀機を示す断面概略
図である。
【図2】本発明装置の要部を拡大した一部破断側面図で
ある。
【図3】図2をイ−イ線で切断した断面図である。
【図4】本発明装置のケ−ス構造を示す概略図である。
【符号の説明】
A1 上方オーガ A2 下方オーガ 1 扱室 6 揺動選別体 10 二番コンベア 11 二番還元装置 12 円筒ケ−ス 12a 円筒ケ−スの上半部 12b 円筒ケ−スの下半部 13 受継ケ−ス部 15 板体 16 板体(蓋体) 21 コンベア軸 26 回転軸 27 螺旋体 30 回転胴 31 下螺旋体 32 上螺旋体 33 扱歯 34 切刃

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二番コンベア(10)からの二番物をオ−ガ
    による移送手段でもって所要箇所に移送還元する脱穀機
    において、前記オ−ガの移送方向における二番コンベア
    (10)と二番還元装置(11)との受継部の構成を、受継ケ−
    ス部(13)の内方に延出した二番コンベア(10)終端部に跳
    上げ翼(22)を設け、一方、二番還元装置(11)始端部の下方
    オ−ガ(A2)に、上方オ−ガ(A1)の回転軸(26)より大径な
    る回転胴(30)を装着し 該下方オ−ガ(A2)の回転胴(30)
    に、上方オ−ガ(A1)の螺旋体(27)に対して大径なる下螺
    旋体(31)と上螺旋体(32)を設け、前記下螺旋体(31)と上
    螺旋体(32)の間に扱歯(33)群と切刃(34)を連設固装し
    ている事を特徴とする脱穀機の二番還元装置。
  2. 【請求項2】 二番コンベア(10)からの二番物を所要箇
    所に移送還元するオ−ガの構成の中で、二番コンベア(1
    0)と二番還元装置(11)との受継部側の構造を、受継ケ−
    ス部(13)の内方に延出した二番コンベア(10)終端部に跳
    上げ翼(22)を設け、一方、二番還元装置(11)始端部の下方
    オ−ガ(A2)に、上方オ−ガ(A1)の回転軸(26)より大径な
    る回転胴(30)を装着し 該下方オ−ガ(A2)の回転胴(30)
    に、上方オ−ガ(A1)の螺旋体(27)に対して大径なる下螺
    旋体(31)と上螺旋体(32)及び扱歯(33)群を連設固装し
    前記下螺旋体(31)と上螺旋体(32)の間に上方オ−ガ(A1)
    の螺旋体(27)に対して大径なる扱歯(33)群を配設した
    を特徴とする脱穀機の二番還元装置。
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