JP3286260B2 - 作業車 - Google Patents

作業車

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JP3286260B2
JP3286260B2 JP06992399A JP6992399A JP3286260B2 JP 3286260 B2 JP3286260 B2 JP 3286260B2 JP 06992399 A JP06992399 A JP 06992399A JP 6992399 A JP6992399 A JP 6992399A JP 3286260 B2 JP3286260 B2 JP 3286260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に駆動昇降自
在に作業装置を連結し、走行機体側から作業クラッチを
介して前記作業装置に動力を供給するよう構成してある
作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】上記作業車において、従来では、例えば
乗用型田植機であると、圃場での苗植付け作業走行の枕
地旋回の際、昇降操作スイッチを操作すると、植付クラ
ッチを切り操作するとともに、苗植付装置を接地下降姿
勢から強制上昇させ、それに連動して機械的に左右の線
引きマーカを引き上げるように構成されていた。そして
旋回走行が終了して苗植付装置を下降させる際には、再
び昇降操作スイッチを操作して苗植付装置を下降させ
る。そして植付クラッチは、別途設けた植付クラッチ入
り切り用操作具を操作することで入り操作するように構
成したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構造による
と、枕地旋回の際には、苗植付装置における苗植付け作
動を停止して苗植付装置を泥面から上昇させるととも
に、ステアリング操作して機体を旋回させた後、再度、
苗植付装置を下降させて条合わせができた時点で苗植付
け作動を再開させるとともに、線引きマーカの左右切り
換え操作も必要であり、操縦操作が煩雑なものとなる。
しかも、操縦者によっては旋回の手前で機体の走行速度
を減速させる必要もあって、特に未熟練者にとっては行
い難い操作となっていた。そこで、このような旋回操作
中の操作の煩雑さを解消することだけを考えるのなら、
例えば、苗植付装置の昇降操作を切り換え式のスイッチ
で行い、かつ、このスイッチの上昇用操作に連動して植
付クラッチを自動で入り切り操作するよう連係すること
が考えられなくもない。しかしながら、このような単な
る連動構造においては、次のような問題がある。つま
り、苗植付装置を下降作動させる場合には、苗植付装置
の下降操作と植付クラッチの入り操作とを常に同じタイ
ミングで行うと、圃場の深さによって苗植付装置が接地
した時点で作業クラッチが入るのか、それよりも前もし
くは後で作業クラッチが入るのかを調整できず、適正な
操作タイミングで作業クラッチを入り操作することがで
きない。このため、クラッチ入り操作専用の操作具を別
途設ける必要があり、構造の複雑化を避け得ないととも
に操作の煩雑さを解消するものには成りがたい。本発明
は、苗植付装置の昇降を昇降操作具の操作で行う点に着
目して、枕地旋回中の煩わしい操作を省いて、苗植付け
作動に際して苗植付装置を操縦者の所望の状態に切り換
え設定できるように、かつ、その切り換え状態の確認を
容易に行えるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明における作業車の
特徴構成は、走行機体に駆動昇降自在に作業装置を連結
し、この作業装置を上昇させる状態と接地下降させる状
態とに切換自在なスイッチを有する昇降操作具を操縦ハ
ンドルの近傍に備えるとともに、前記作業装置を駆動す
る入り状態と作業装置の駆動を停止する切り状態とに切
換自在な作業クラッチを設け、前記昇降操作具の上昇操
作により作業クラッチを切り操作して作業装置を上昇さ
せ、下降操作では作業装置の作業クラッチの切りを維持
して作業装置を下降する状態と、作業クラッチの入りを
伴う作業装置の下降する状態とを選択するように、前記
昇降操作具の操作を判別する判別手段での判別結果に基
づいて前記作業装置の昇降ならびに作業クラッチの入り
切り操作を行うように構成するとともに、前記作業クラ
ッチの作動状態を表示する表示装置を有する点にある。
【0005】
【作用】本発明の特徴構成によると、苗植付装置に対す
る昇降操作具の下降操作に際しての操作を判別して、下
降操作時に作業クラッチを自動で入り操作させる状態
と、そのような自動入り操作を行わない状態とのいずれ
かを選択できるので、機体を旋回させた後、すぐに植付
け作動を再開するときは、自動入り状態にすることで煩
わしさ無く、植付け作業を再開でき、旋回走行の際に枕
地を整地フロート等によって整地したいような場合に
は、前記自動入り操作を行わない状態にして苗植付け作
動が開始されるのを防止できることになる。したがっ
て、昇降操作具の操作の判別結果に基づいて、苗植付装
置の昇降操作と、作業クラッチの入り切り選択とを行え
るものであり、操縦者は回向時に必要なこれらの各操作
を1つの操作具による操作で行える。その結果、複数の
操作具を持ち替える操作や各操作具の操作方向を選択す
るなどの、操作の煩雑さを回避して、ハンドルによる回
向操作に専念でき、効率のよい作業が行える。また、
降操作具がスイッチ操作されるものであり、これが操縦
ハンドルの近傍に設けられるものであることと、昇降操
作具によって操作される作業クラッチの作動状態を表示
する表示装置を備えていることとの相乗により、機体旋
回時などの各種操作が輻輳する状況下での苗植付装置の
昇降操作とクラッチ操作との簡 便化を図ることができ
る。 つまり、スイッチ操作される昇降操作具は、その操
作が操縦ハンドルを把持した状態でも簡便に行えるもの
である反面、作業クラッチの入り切り選択をするにあた
り、従来のように操作具が目的の操作位置に停止すると
いう、明確な形で操作結果が現れるのではなく、昇降操
作具の操作状態の判別という、操縦者にとっては、操作
結果として明確には把握し難い条件が採用されているの
であるが、本発明では、その操作結果を、操作感覚とい
う割と熟練を要する技に頼らず、操縦部に設けた表示手
段で認識することができるので、不慣れな操縦者でも作
業クラッチの所要の状態を操作ミスなく選定することが
できる。
【0006】
【発明の効果】本発明の上記特徴構成によると、操縦者
は回向時に必要な各操作、つまり昇降装置の昇降操作
と、作業クラッチの入り切り選択を1つの操作具による
操作で行えるので、複数の操作具を持ち替える操作や各
操作具の操作方向を選択するなどの、操作の煩雑さを回
避して、ハンドルによる回向操作に専念でき、効率のよ
い作業が行える。また、作業クラッチの入り切り選択を
するにあたり、その操作による選択結果を、操作感覚と
いう割と熟練を要する技に頼らず、操縦部に設けた表示
手段で認識することができるので、スイッチ操作による
簡便な操作を行える昇降操作具を用いて、不慣れな操縦
者でも作業クラッチの所要の状態を簡便に、かつ操作ミ
スなく選定し易いという利点がある。
【0007】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図3
に作業車の一例である乗用型田植機を示している。この
田植機は乗用型走行機体の後部に平行四連リンク機構1
を介して昇降自在並びに前後軸芯周りで左右ローリング
自在に苗植付装置2を連結して構成してある。苗植付装
置2は前後軸芯Y周りで回動自在にフレーム兼用の植付
伝動ケース4に支持され、この植付伝動ケース4に、一
定ストロークで往復横移動する苗のせ台5、苗のせ台5
の下端部から一株づつ植付け用苗を取り出して圃場に植
付ける複数の植付機構6、左右に並列配備した3個の接
地フロート7等を備えてなり、油圧シリンダ10の伸縮
駆動により昇降作動するよう構成してある。
【0008】そして、前記油圧シリンダ10に対する油
圧制御弁Vは電磁式に構成され、この電磁制御弁Vは、
マイクロコンピュータを備えた制御装置13により駆動
制御するよう構成してある。つまり、図1に示すよう
に、機体の運転座席15の横側に配備した昇降レバー1
6の揺動操作に基づくポテンショメータPM1の出力に
より、人為的に上昇作動、下降作動並びに中立停止状態
を現出できるよう構成し、操縦部パネル17に設けた昇
降操作具としての押し操作式昇降スイッチSW1によ
り、上昇作動と下降作動とを交互に現出できるよう構成
してある。
【0009】又、植付作業状態では、苗植付装置2の対
地高さを所定値に維持する昇降制御手段Aを制御装置1
3に制御プログラム形式で備えてある。即ち、機体中央
の接地フロート7を後部支点周りで上下揺動自在に支持
するとともに、苗植付装置2の対地高さの変化に伴うこ
の接地フロート7の前部側における接地圧変動に基づく
相対上下動をポテンショメータPM2により検出して、
このポテンショメータPM2の出力値が所定の設定領域
内に収まるよう制御装置13が油圧シリンダ10の電磁
制御弁Vを制御して苗植付装置2を所定対地高さに維持
するのである。そして、前記昇降スイッチSW1の作動
に伴って苗植付装置2が最大上昇位置まで上昇作動する
際に、苗植付装置2が最大上昇位置近くまで上昇したこ
とを検出するリミットスイッチSW2を走行機体の後輪
フェンダ部29に取付け、上昇作動に伴ってリンク機構
1の途中部が接当作用して検出作動するよう構成し、こ
のリミットスイッチSW2の検出作動に基づいて油圧シ
リンダ10の上昇側駆動を自動停止させるよう構成して
ある。走行機体側からの動力を、作業クラッチとしての
植付クラッチ21、伝動軸22を介して断続自在に苗植
付装置2に供給するよう構成し、前記植付クラッチ21
は減速機構付き電動モータMにより入り切り操作するよ
う構成してある。
【0010】前記苗植付装置2の左右両側には、横外方
に突出して未植付け領域に走行目標線を描く作用姿勢と
機体内方側に引退する格納姿勢とに切り換え自在な線引
きマーカ23R,23Lを備えてあり、この線引きマー
カ23R,23Lは図2に示すように、作用姿勢に向け
てバネ24で揺動付勢するとともに、苗植付装置2の上
昇操作時に後リンク1aの相対変化姿勢に伴ってローラ
25により操作ワイヤ26を引き操作して引退姿勢にな
るよう連係してある。そして、この引退姿勢において自
動で係止保持してその姿勢を維持するロック機構27
R,27Lを夫々設け、このロック機構27R,27L
のロック保持を選択的に解除した状態で苗植付装置2を
下降させると、選択された側の線引きマーカが作用姿勢
に設定されるよう構成してある。そして、この各ロック
機構27R,27Lを左右交互に順次的に解除作動させ
る電磁ソレノイド28R,28Lを設けてある。
【0011】前記昇降操作スイッチSW1の苗植付装置
2上昇操作時の操作形態を判別する第1操作形態判別手
段Bを備え、この第1操作形態判別手段Bの判別結果に
基づいて、前記苗植付装置2の上昇作動に伴って前記ロ
ック機構27R,27Lのロック状態を左右順次的に切
り換え作動させる状態と、その作動を牽制する状態とに
切り換えるよう構成してある。又、昇降操作スイッチS
W1の苗植付装置2下降操作時の操作形態を判別する第
2操作形態判別手段Cを備え、この第2操作形態判別手
段Bの判別結果に基づいて、前記苗植付装置2の下降作
動に伴って植付クラッチ21を自動で入り操作させる状
態と、自動クラッチ入り操作を牽制する状態とに切り換
えられるよう構成してある。前記各操作形態判別手段
B,Cは制御装置13に制御プログラム形式で備えら
れ、制御装置13は以下のように制御を実行する。
【0012】図4,図5に植付け作業における制御フロ
ーチャートを示す。昇降レバー16が苗植付装置2下降
位置に操作されている状態で昇降操作スイッチSW1が
操作されると、電動モータMを駆動して植付クラッチ2
1を切り操作するとともに、電磁制御弁Vを駆動して前
記リミットスイッチSW2の検出状態を判断しながら苗
植付装置2を最大上昇位置まで上昇操作する〔ステップ
1〜4〕。昇降操作スイッチSW1の上昇用操作時間t
1が所定時間T1以上であるときは、前記電磁ソレノイ
ド28R,28Lを切り換え操作して線引きマーカ23
R,23Lの左右切り換えを行う〔ステップ5,6〕。
尚、前記操作時間t1が短いときは、電磁ソレノイドS
Lの駆動を行わず、線引きマーカ23R,23Lの左右
切り換えを牽制する。そして、再度、昇降操作スイッチ
SW1が操作されると、電磁制御弁Vを駆動して苗植付
装置2を接地下降させるとともに、昇降操作スイッチS
W1の下降用操作時間t2が所定の設定時間T2よりも
長いときは、前記ポテンショメータPM2の出力の変化
より検知した接地時点から所定の設定時間T3経過する
と、電動モータMを駆動して植付クラッチ21を自動で
入り操作させる〔ステップ7〜12〕。そして、前記下
降用操作時間t2が短いときは、苗植付装置2を接地下
降させ植付クラッチ21は切り状態を維持する。尚、植
付クラッチ21が入り操作されたときは、操縦部パネル
17に設けた表示手段の一例である植付状態表示ランプ
44を青色に点灯させ、植付クラッチ21が切り状態の
ときは赤色に点灯表示させる〔ステップ13、15〕。
又、そのときに作用状態になっている線引きマーカ23
R,23Lが左右いずれの側であるかを、操縦部パネル
17に備えたマーカランプ45を表示させる〔ステップ
14〕。
【0013】〔別実施例〕 前記昇降操作スイッチSW1は押し操作式のものに代え
て揺動操作式に構成してもよく、このとき前記ステップ
5及びステップ9における操作形態の判別は、操作方向
の違いによって判別するようにしてもよい。又、苗植付
装置2が下降した後、植付クラッチ21を入り操作させ
る構成は、時間経過により自動で入り操作するものに代
えて専用の操作具により入り操作させるものであっても
よい。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御ブロック図
【図2】線引きマーカ支持部の正面図
【図3】田植機の全体側面図
【図4】制御フローチャート
【図5】制御フローチャート
【符号の説明】
2 作業装置 21 作業クラッチ 44 表示手段 SW1 昇降操作具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 A01B 71/02 A01B 63/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に駆動昇降自在に作業装置を連
    結し、この作業装置を上昇させる状態と接地下降させる
    状態とに切換自在なスイッチを有する昇降操作具を操縦
    ハンドルの近傍に備えるとともに、 前記作業装置を駆動する入り状態と作業装置の駆動を停
    止する切り状態とに切換自在な作業クラッチを設け、前記昇降操作具の上昇操作により作業クラッチを切り操
    作して作業装置を上昇させ、下降操作では作業装置の作
    業クラッチの切りを維持して作業装置を下降する状態
    と、作業クラッチの入りを伴う作業装置の下降する状態
    とを選択するように、前記昇降操作具の操作を判別する
    判別手段での判別結果に基づいて前記作業装置の昇降な
    らびに作業クラッチの入り切り操作を行うように構成す
    るとともに 、 前記作業クラッチの作動状態を表示する表示装置を有す
    る作業車。
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