JP3286002B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP3286002B2
JP3286002B2 JP6635693A JP6635693A JP3286002B2 JP 3286002 B2 JP3286002 B2 JP 3286002B2 JP 6635693 A JP6635693 A JP 6635693A JP 6635693 A JP6635693 A JP 6635693A JP 3286002 B2 JP3286002 B2 JP 3286002B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DRAM、マイクロ波
デバイス用に供される高誘電体薄膜、不揮発性半導体メ
モリ、圧電焦電センサ、トランデューサ、アクチュエー
タに利用される強誘電体薄膜、各種の機能性薄膜の形成
に好適な薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成技術は、各種の半導体電子デバ
イスの技術発展と共に著しい進歩を遂げてきた。例え
ば、絶縁膜として利用される酸化物薄膜は主にスパッタ
リング等の物理的成膜法により形成されているが、成膜
温度の低減、組成制御性、表面被覆性、密着性等の改良
を目的として有機化合物を薄膜原料に用いる化学的成膜
法も多用されている。
【0003】前記酸化物薄膜の用途に関して、近年、単
なる絶縁膜としてだけでなく、種々の分野に応用されて
いる。具体的には、液晶ディスプレー等に使用される酸
化インジウム−錫(ITO)、酸化インジウム−アンチ
モン等の透明導電性酸化膜;半導体メモリ等の素子集積
度の向上のためのキャパシタの誘電体膜に利用される酸
化タンタル、チタン酸バリウムのような高い誘電率を持
つ酸化物系薄膜;不揮発性メモリ、圧電フィルタ、超音
波トランスデューサ、赤外センサ、パイロビジコン等の
応用が期待されるPZT(チタンジルコン酸鉛)やチタ
ン酸バリウムに代表される酸化物強誘電体の薄膜;など
の多種多用の用途において機能性酸化物薄膜が要求され
ており、各々の材料に適した薄膜形成方法が求められて
いる。
【0004】このような機能性酸化物薄膜を基板上に形
成する一般的な薄膜形成方法としては、スパッタ法、真
空蒸着法、イオンプレーティング、クラスタイオンビー
ム法、イオンビームスパッタ法、レーザーアブレーショ
ン法等の真空環境で成膜を行う物理的成膜法と、ゾルゲ
ル法、有機化合物熱分解法(MOD法)で代表される溶
液塗布法、化学気相蒸着法(CVD法)等の化学的成膜
法がある。
【0005】ところで、前述した機能性酸化物薄膜はい
かに高密度で欠陥の少ない薄膜を形成するかが最終的な
物性を決定する。3元系、4元系の複雑な化合物組成で
は、正確な組成制御も重要な要素である。さらに、結晶
相に起因する機能を有する材料については結晶化度、粒
径の制御を正確に行う必要がある。
【0006】前述した物理的成膜法と一部の化学的成膜
法では、結晶化反応を制御するために基板を目的化合物
の結晶化温度近傍に加熱して成膜する方法が一般に採用
されている。しかしながら、低圧もしくは真空下で加熱
された基板上に膜形成を行う場合には、化合物の構成元
素中の飽和蒸気圧の高い一部の元素もしくは化合物が蒸
発して組成ずれを起こし易くなる。これを防止する手段
としては、蒸発等により欠乏が予想される元素を予めタ
ーゲットや気化原料に過剰添加することが行われてい
る。しかしながら、結晶化した後の膜組成を化学量論組
成に合致させることは非常な困難を伴う。さらに、真空
中での成膜の場合には酸素の欠乏も同様に起こり易く、
スパッタ原子を一部酸素で置換したり、酸素ラジカル、
酸素イオン等を成膜槽内に導入して対処する必要が有り
反応過程を一層複雑化している。
【0007】いずれの成膜方法を用いた場合も、成膜直
後の状態では完全に結晶化した膜にはなり得ず、この部
分結晶膜または非晶質、さらには有機残基を含む。この
ため、前記部分酸化膜を拡散炉等の電気炉を用いて所定
の温度にて焼成することにより結晶化膜を得る方法が一
般的に採用されている。前記焼成温度は、バルクセラミ
ックスに比べて数百度低いものの、薄膜は高温の炉内に
長時間曝されるため、成膜時と同様に一部の元素が薄膜
から脱離して構成元素比率が化学量論組成からずれて、
完全な結晶膜を形成することが困難になる。その結果、
強誘電体のような結晶相が機能発現の根拠となる薄膜で
は結晶化した強誘電相の一部に常誘電性の欠陥部が発生
するため、本来の強誘電特性が低下するという問題があ
った。
【0008】また、従来の殆どの成膜方式では成膜装置
から取り出した薄膜を直接電気炉などの加熱装置にて焼
成する方式をとっているため、薄膜内部での温度上昇は
比較的緩慢になり、結晶成長の初期過程で発生する核の
密度の稀薄になる。その結果、結晶成長は前記少ない核
を中心に周囲の未結晶状態の酸化物が取り込まれながら
徐々になされる。したがって、結晶化反応の効率が低下
し、しかも長時間の焼成にも係わらず非晶質部が残った
り、最終的に形成される結晶粒子も数ミクロンから数十
オングクトロームまでの幅広い粒径分布を持った不均一
な膜になるため、所望の特性を有する薄膜を再現性よく
形成することが困難になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来例で列
挙したような薄膜、特に酸化物薄膜の形成における諸問
題に鑑み、電子デバイスを構築するにあたって必須の機
能性薄膜、特に酸化物系薄膜の形成に適した、緻密で欠
陥の少ない高品質の結晶化酸化物薄膜を容易かつ効率的
に形成し得る薄膜形成装置を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決する手段】本発明に係わる薄膜形成装置
は、金属アルコキシドと溶媒を主成分とする原料溶液を
霧化するための第1霧化部材と、 水またはアルコールと
加水分解触媒とからなる第2の溶液を霧化するための第
2霧化部材と、 基体の支持部材を有し、前記第1霧化部
材で生成された原料溶液の霧状物および前記第2の霧化
部材で生成された第2の溶液の霧状物を気相中で反応さ
せてその反応生成物を前記基体上に推積するための反応
槽と、 前記反応成膜槽内のガスを排気するための排気部
材と、 前記反応成膜槽内に設けられ、前記原料溶液の霧
化物と前記第2溶液の霧化物を反応させ際に紫外線を照
射するための紫外線照射部材と、 前記基体上の堆積膜を
1℃/秒〜200℃/秒の昇温速度で急速加熱するため
の急速加熱手段とを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0011】前記加水分解触媒としては、触媒性有機酸
または塩基性化合物を挙げることができる。前記急速加
熱手段としては、各種の急速加熱ランプを加熱源として
内蔵したものを挙げることができる。特に、目的とする
1℃/秒〜200℃/秒の昇温速度を得るためには高速
加熱の性能に優れたハロゲンランプ、赤外線ランプなど
の加熱源を内蔵することが好ましい。また、前記急速加
熱手段は前記加熱源と高周波加熱や抵抗加熱と併用した
構造にしたり、熱線を基体に集中するための反射部材お
よび集熱部材を配置したりすることも可能である。さら
に、加熱される基体上の薄膜温度を測定して加熱源の出
力を制御する構造にすることも可能である。
【0012】本発明に係わる薄膜形成装置は、基体への
成膜工程に先立って洗浄処理等を行う前処理手段や高品
質の薄膜が形成されたか否かを確認検査するための検査
手段を具備することを許容する。
【0013】
【作用】本発明によれば、金属アルコキシドと溶媒を主
成分とする原料溶液を霧化するための第1霧化部材と、
水またはアルコールと加水分解触媒とからなる第2の溶
液を霧化するための第2霧化部材と、基体の支持部材を
有し、前記第1霧化部材で生成された原料溶液の霧状物
および前記第2の霧化部材で生成された第2の溶液の霧
状物を気相中で反応させてその反応生成物を前記基体上
に推積するための反応槽と、前記反応成膜槽内のガスを
排気するための排気部材とを備えることによって、形成
される薄膜中に含有される有機官能基を極力低減した薄
膜を容易に得ることができる。 すなわち、シリコン酸化
膜のMOCVD材料として使用されるテトラエトキシシ
ラン(TEOS)に代表される金属アルコキシドは、ほ
とんどの金属元素が同様の化合物を形成可能であり、非
常に広範囲の金属を扱えることから、ゾルゲル法、MO
D法の原料として一般的に使用されている。これら金属
アルコキシドの一般的性質としては、水又はアルコール
の存在下で容易に加水分解を起こして金属酸素結合−M
−O−M−でなる重合物を形成する。ゾルゲル法は、こ
の特性を十分に利用して非常に複雑な組成の酸化物を合
成するものである。化学重合反応を利用して酸化物結晶
構造と類似の金属酸素結合を形成するため、複合化合物
の場合でも何処も均一で組成分布がない結晶膜を低温で
形成し得る、優れた手法である。 これに対して従来のC
VD法では前記化学反応を利用せず、金属アルコキシド
のガスを単純に基体上に推積する際、前記金属アルコキ
シドを熱分解して薄膜を形成する方法である。したがっ
て、得られる薄膜は組成分布、膜密度、結晶化温度のい
ずれの点でも満足するものではない。 本発明に係わる薄
膜形成装置において、第1霧化部材により金属アルコキ
シドをバブリング、加熱、超音波振動等により霧化し、
第2霧化部材により水またはアルコールと加水分解触媒
との混合物(第2の溶液)を霧化し、前記金属アルコキ
シドの霧状物と前記第2の溶液の霧状物とを気相で加水
分解反応を起こさせる反応成膜槽を備えた構成にするこ
とによって、前記加水分解反応の副生成物が金属アルコ
キシドから反応脱離したアルコールと水で、反応物はア
ルコキシドの重 合物であるため、減圧状態で容易に分離
されて金属酸素結合−M−O−M−でつながった反応物
のみを基体上に推積できる。したがって、形成される薄
膜中に含有される有機官能基を極力低減した薄膜を容易
に得ることができる。 また、前記反応成膜槽内で前記原
料液の霧状物と前記第2の溶液の霧状物を加水分解する
際に前記反応成膜槽内に配置された紫外線照射部材から
紫外線を照射することによって、さらに効果的に成膜す
ることができる。つまり、紫外線短波長の高エネルギー
をもって金属元素とアルコキシル基の解離をより速やか
に進行させることができるため、加水分解反応を前記原
料液の霧状物と前記第2の溶液の霧状物が会合する地点
から基体に到達するまでの短時間で促進することができ
る。 さらに、前記基体上の堆積膜を急速加熱手段により
1℃/秒〜200℃/秒の昇温速度で急速加熱すること
によって、部分的に有機溶媒、有機官能基が残留した低
密度の膜から、ほとんど酸化が完了した非晶質膜もしく
は微小な結晶核が無数に存在する部分結晶膜を形成する
ことができる。すなわち、前記急速加熱手段により成膜
直後の薄膜を極短時間加熱で加熱(以後この工程を仮焼
と呼ぶ)することにより、本焼成に先立って予め薄膜内
部に大量の微小核を発生させて均一な結晶化を促進し、
かつ粒径の揃った緻密な強誘電体薄膜のような酸化物薄
膜を短時間で形成することが容易に行うことができる。
また、前記急速加熱手段による急速加熱処理は最終的に
形成される多層膜の少なくとも1回の加熱処理で薄膜の
結晶性を改善することが可能であるが、好ましくは前記
加熱処理を各層毎もしくは一定の薄膜毎に複数回行うこ
とにより、より効果的に酸化物結晶膜を形成することが
できる。
【0014】さらに、前記急速加熱による仮焼処理は非
常に短時間で効果を発揮するために、薄膜組成中の蒸発
欠乏し易い化合物が失われにくく、組成の制御が容易に
なると言う副次的な長所もある。したがって、本発明は
結晶性の酸化物薄膜を形成するのに最適な薄膜形成装置
を提供できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0016】参照例1 図1は、参照例1におけるゾルゲル法、MOD法等の湿
式塗布法に適した薄膜製造装置を示す概略図である。処
理室1は、隔壁2により左右に区画されている。ゲート
3は、前記隔壁2に取り付けられている。原液タンク4
は、前記処理室の右側の室に配置されている。原料溶液
5は、前記原料タンク4内に収容されている。原料供給
管6は、一端が前記タンク4内の前記原料溶液5に浸漬
されている。基板を保持して回転させる回転板7を有す
るスピンナー8は、前記処理室1の右側の室に配置され
ている。前記原料溶液5は、例えば前記タンク3内を加
圧したり、前記供給管6に介装された溶液供給装置(図
示せず)により前記供給管6を通して前記スピンナー8
の回転板7に保持された基板に供給される。例えばハロ
ゲンランプからなる加熱源9が内蔵された急速加熱器1
0は、前記処理室1の左側の室に配置されている。搬送
治具11は、前記スピンナー8の回転板7に保持された
基板を前記ゲート3を通して前記急速加熱器10に搬送
するものである。
【0017】このような構成によれば、スピンナー8の
回転板7に基板12を自動装着し、原液タンク4内の原
料溶液5を原料供給管6を通して前記基板12表面に所
定の量供給し、前記回転板7を所望の速度で回転するこ
とにより前記基板12表面に薄膜がスピンコートされ
る。
【0018】成膜工程が終了されると、搬送治具11に
より前記基板12はスピンナー8から処理室1の隣接す
る左側の室に配置された急速加熱器10に移送され、前
記加熱器10に内蔵した加熱源9により所定の加熱プロ
セスで急速昇温加熱される。この急速加熱過程でスピン
コートにより形成された前記基板12表面の液膜中の有
機溶媒、有機官能基部分が燃焼気化して非晶質酸化膜か
らなる仮焼膜となる。さらに加熱時の保持温度を目的と
する薄膜の結晶化温度以上に設定することによって、仮
焼膜内部には後の焼成工程において結晶成長核として作
用する無数の微結晶が形成され、前記結晶成長核の初期
密度分布に応じた非常に高密度の結晶膜が得られる。
【0019】前記急速加熱器10は多段ステップにわた
る加熱機能を有し、まず200〜300℃程度の温度で
溶媒乾燥を行なった後、500℃以上の仮焼を行なえる
機能を有し、目的用途に応じて雰囲気ガスの種類、流量
の制御が自由に行なえる機能を有することが望ましい。
また、前記急速加熱器10は乾燥工程ではホットプレー
ト、仮焼工程ではランプ加熱というように2つ以上の工
程と各々専用の装置として存在しても効果は同じであ
る。
【0020】前記急速加熱器10による仮焼工程が終了
し、十分に温度の低下した基板12は再度搬送治具11
によってスピンナー8へ戻り、次層の塗布工程(成膜工
程)に入る。このように成膜工程、搬送工程、仮焼工程
を繰り返して所定の膜厚の薄膜が表面に形成された基板
12は、搬送治具11によって薄膜製造装置の内部また
は外部に用意されたキャリアに保管され、次の基板の成
膜が開始される。また、前記仮焼膜が形成された基板は
外部に設けられた電気炉内で十分に加熱されて結晶化
し、所望の強誘電体薄膜等の酸化物薄膜が形成される。
【0021】(強誘電体薄膜形成例) まず、前述した図1に示す薄膜形成装置を用い、酢酸
鉛、ジルコニウムイソプロポキシド、チタンイソプロポ
キシドのアルコール溶液を塗布原料として基体である白
金電極上にスピンナーにより100nmの塗膜を3層積
層して各層毎に50℃/秒の昇温速度で650℃、30
秒間の仮焼処理を行った。つづいて、前記薄膜形成装置
から取り出した塗膜を有する白金電極を電気炉内で70
0℃、60分間の本焼成を行って300nmの強誘電体
[Pb(Zr0.40Ti0.60)O3 ]の薄膜(参照例1
を得た。
【0022】得られた強誘電体薄膜と、急速加熱処理を
省略した以外、前記薄膜形成と同様な方法により得られ
た強誘電体薄膜(比較例1)とを電子顕微鏡を用いて粒
径を測定した。その結果、急速加熱により仮焼処理を施
した参照例1の強誘電体薄膜は面内で平均粒径が60n
mであった。これに対し、比較例1では平均粒径が25
0nm以上で、最大数μmと極端に大きな結晶粒が観察
された。
【0023】次に、前記2種の強誘電体薄膜上に白金電
極(上部電極)を成膜して100μm×100μm寸法
の強誘電体キャパシタをそれぞれ作製した。これらキャ
パシタについて、上下電極間に±6V、5kHzのサイ
ン波を印加してソーラー・タワー回路を用いて残留分極
量を測定した。その結果、仮焼を施した強誘電体薄膜を
有するキャパシタは30μC/cm2 であり、比較例1
の強誘電体薄膜を有するキャパシタが16μC/cm2
であるのに比べて著しく上回り、前記急速加熱処理によ
って電気特性の優れた強誘電体薄膜を形成できることが
わかった。
【0024】(酸化亜鉛薄膜形成例) まず、前述した図1に示す薄膜形成装置を用い、亜鉛2
エトキシエトキシドとビスマス2エトキシエトキシドを
含むエチルセロソルブ溶液を塗布原料として基体である
白金電極上にスピンナーにより44nmの塗膜を5層積
層して各層毎に100℃/秒の昇温速度で550℃、3
0秒間の仮焼処理を行った。つづいて、前記薄膜形成装
置から取り出した塗膜を有する白金電極を電気炉内で6
00℃、60分間の本焼成を行って220nmの薄膜
参照例1)を得た。
【0025】また、前記仮焼処理を0.5℃/秒の昇温
速度で550℃、30秒間行った以外、前述したのと同
様な方法により220nmの薄膜(比較例2)と、急速
加熱処理を省略した以外、前記薄膜形成と同様な方法に
より同厚さの薄膜(比較例3)とを形成した。
【0026】得られた各薄膜上に白金電極(上部電極)
を成膜して100μm×100μm寸法の誘電体キャパ
シタをそれぞれ作製した。これらキャパシタについて、
電気特性を測定した。その結果、比較例2、3の薄膜は
いずれも上下電極の短絡によって電気特性の測定が不可
能であった。これに対し、参照例1の薄膜は良好なバリ
スタ特性を示した。
【0027】また、得られた参照例1および比較例2、
3の薄膜について電子顕微鏡を用いて粒径を測定した。
その結果、急速加熱により仮焼処理を施した本発明の薄
膜は面内で平均粒径が35nmの酸化亜鉛粒子が均一に
充填され、それら粒子の粒界に酸化ビスマスが拡散され
た良好な微細構造であることが確認された。これに対
し、比較例2、3の薄膜は酸化亜鉛の結晶が観察された
が、結晶粒の大きさがまちまちで、大きな結晶粒は薄膜
の厚さ方向に貫通したり、粒界の厚さも不均一な多孔質
膜であった。このため、上部電極が前記薄膜内部まで貫
通して短絡することが判明した。
【0028】以上のような薄膜形成例から明らかなよう
に成膜後の急速加熱処理が薄膜の結晶性および膜物性を
決定する重要な因子であることがわかる。
【0029】なお、参照例1の薄膜形成装置において原
料溶液の供給系は複数の組成が異なる機能薄膜を塗布し
得るように複数設けることが好ましい。
【0030】また、参照例1の薄膜形成装置において急
速加熱器10は必ずしもスピンナー8と別個に設けられ
る必要はなく、加熱源をスピンナーの回転板の上方に配
置して成膜しながら直接加熱することも可能である。
【0031】参照例2 図2は、参照例2における同一の成膜装置及び急速加熱
器を一組として複数配列した多層膜を得る最も基本的な
構成からなる薄膜形成装置の要部を示す概略図である。
処理室1内には回転板71 を有する第1スピンナー
1 、例えばハロゲンランプからなる加熱源91 を有す
る第1急速加熱器101 、回転板72 を有する第2スピ
ンナー82 、同様なランプ加熱源92 を有する第2急速
加熱器102がそれぞれ例えば左端から順次配列されて
いる。前記各スピンナー81 、82 の回転板71 、72
に保持された基板には、原料タンク内に収容された原料
溶液が原料液供給管を通してそれぞれ供給される。前記
各加熱源91 、92 としては、例えば高速加熱の性能に
優れたハロゲンランプ、赤外線ランプが用いられる。
【0032】このような構成によれば、第1スピンナー
1 の回転板71 に基板12を自動装着し、原液タンク
(図示せず)内の原料溶液を原料供給管(図示せず)を
通して前記基板12表面に所定の量供給し、前記回転板
1 を所望の速度で回転することにより前記基板12表
面に薄膜がスピンコートされる。
【0033】塗布工程(成膜工程)が終了されると、前
記基板12は前記第1スピンナー81 から搬送治具(図
示されず)により隣接する第1急速加熱器101 内を搬
送され、第1急速加熱器101 の上下に内蔵された加熱
源91 により所定の加熱プロセスで急速昇温加熱され
る。
【0034】第1急速加熱器101 による第1層の仮焼
工程が終了されると、前記基板12は搬送治具(図示せ
ず)により第2スピンナー82 に搬送され、次層の塗布
工程に入る。この時、前記第1スピンナー81 を共通に
用いてもよい。第2層の塗布が終了されると、前記基板
12は搬送治具(図示せず)により第2急速加熱器10
2 内に搬送され、ここで仮焼される。このように塗布工
程、搬送工程、仮焼工程を繰り返して所定の膜厚の薄膜
が形成された前記基板12は、搬送治具11によって薄
膜製造装置の内部または外部に用意されたキャリアに保
管され、次の基板の成膜が開始される。また、前記仮焼
膜が形成された基板は外部に設けられた電気炉内で十分
に加熱されて結晶化し、所望の強誘電体薄膜等の酸化物
薄膜が形成される。
【0035】なお、前記参照例2における原料溶液の供
給系は複数の組成が異なる機能薄膜を塗布し得るように
各スピンナーに各々異なる組成の溶液を配してもよい。
【0036】また、前記参照例1、2では塗布装置(成
膜装置)としてスピンナーを用いたが、グラビア印刷用
のロールコーターやディッピング装置等の他の湿式塗布
装置を用いて、本発明に従って急速加熱装置と一体型を
なした薄膜製造装置を構成することにより、半導体基板
のような円盤状基板だけでなく、テープ状基体や他形状
成形物の表面にも用途に応じた薄膜を形成することがで
きる。
【0037】さらに、前記参照例1、2の薄膜形成装置
による全工程は空調された無塵環境下で行なうのが好ま
しく、それに応じた諸設備を具備することを許容する。
【0038】参照例3 図3は、参照例3における成膜装置としてロールコータ
を使用し、基体としてプラスチックフィルム、金属箔等
の長尺フィルムを使用した薄膜形成装置を示す概略図で
ある。例えば長尺フィルム状基体21が巻回された供給
ロール22の後段には、ロールコータ23が配置されて
いる。前記ロールコータ23は、原料溶液24が収容さ
れた容器25と、前記原料溶液24に一部が浸漬された
転写ロール26と、前記転写ロール26表面への原料溶
液の塗布量を調節するためのブレード27と、前記転写
ロール26と接触して回転する2つの当ロール28a、
28bとから構成されている。例えばハロゲンランプか
らなる加熱源29が内蔵された急速加熱器30は、前記
ロールコータ23の後段に配置されている。巻取ロール
31は、前記急速加熱器30の後段に配置されている。
送りロール32は、前記供給ロール21と前記ロールコ
ータ23の間、前記ロールコータ23と前記急速加熱器
30の間および前記急速加熱器30と前記巻取ロール3
1の間にそれぞれ配置されている。
【0039】このような構成によれば、ロールコータ2
3の転写ロール26および当てロール28a、28bを
回転させた状態で、供給ロール22に巻回された長尺フ
ィルム状基体21を送りロール32を経由して前記ロー
ルコータ23の転写ロール26と当てロール28a、2
8bの間に通過させると、前記長尺フィルム状基体21
の片面に原料溶液が塗布されて所望の厚さの塗膜が形成
される。原料溶液が塗布された前記長尺フィルム状基体
21を、送りロール32を経由して急速加熱器30に供
給すると、前記急速加熱器30に内蔵された加熱源29
により所定の加熱プロセスで急速昇温加熱され、参照
1と同様に仮焼膜が前記長尺フィルム状基体21表面に
形成される。仮焼処理がなされた前記長尺フィルム状基
体21は、巻取ロール31に巻き取られて次の焼成工程
へ送られる。
【0040】参照例4 図4は、参照例4における成膜装置としてディッピング
部材を使用し、基体として光学ファイバ等の繊維状基体
を使用した薄膜形成装置を示す概略図である。例であ
る。例えば光学ファイバ41が巻回された供給ロール4
2の上方には、底部に微細な孔が開口された容器43が
配置されている。原料溶液44は、前記容器43内に収
容されている。塗布量を調節するためのスリッタ45
は、前記容器43の上部に配置されている。例えばハロ
ゲンランプからなる加熱源46が内蔵された急速加熱器
47は、前記容器43の上方に配置されている。巻取ロ
ール48は、前記急速加熱器47の後段に配置されてい
る。送りロール49は、前記急速加熱器47と前記巻取
ロール48の間に配置されている。
【0041】このような構成によれば、供給ロール42
に巻回された光学ファイバ41を容器43底部の微細な
孔を通して前記容器43内の原料溶液44およびスリッ
タ45に通過させると、前記光学ファイバ41に原料溶
液が塗布されて所望の厚さの塗膜が形成される。原料溶
液が塗布された前記光学ファイバ41を急速加熱器47
に供給すると、前記急速加熱器47に内蔵された加熱源
46により所定の加熱プロセスで急速昇温加熱され、実
施例1と同様に仮焼膜が前記光学ファイバ41表面に形
成される。仮焼処理がなされた前記光学ファイバ41
は、巻取ロール49に巻き取られて次の焼成工程へ送ら
れる。
【0042】なお、参照例3、4における急速加熱器の
構成は任意に変更することができる。すなわち、塗布直
後の塗膜を乾燥させるために前記急速加熱器の前段に低
温に保持された乾燥装置を配置したり、更には前記急速
加熱器の全長を必要に応じて長く取り、内部に温度分布
を設けて焼成工程をも同時に行なう構造にすることも可
能である。
【0043】参照例5 図5は、参照例5における原料溶液を霧化して所定の基
体上に気相推積させる薄膜形成装置を示す概略図であ
る。加熱槽51内には、加熱源としての加熱液体52が
収容されている。タンク53は、その底部付近が前記加
熱槽51の加熱液体52に浸漬されている。原料溶液5
4は、前記タンク53内に収容されている。ガス供給管
55の一端は、前記タンク53内の原料溶液54に挿入
され、所望のガスを前記供給管55を通して前記原料溶
液に供給すると共に前記加熱液体52で前記原料溶液5
4を加熱してバブリングすることにより前記タンク53
の非原料溶液空間に原料溶液の霧状物が生成される。バ
ルブ56は、前記供給管55に介装されている。成膜槽
57は、前記タンク53に隣接して配置されている。基
体を保持する円板状のホルダ58は、前記成膜槽57内
に配置されている。原料溶液の霧状物を輸送する輸送管
59は、一端が前記タンク53の非原料溶液空間に挿入
され、他端は前記ホルダ58の直上の前記成膜槽57に
位置されている。例えばハロゲンランプ60が複数本配
列された急速加熱器61は、前記輸送管59の他端が位
置する部位より上方の前記成膜槽57内に配置されてい
る。主に酸素を含む酸化性ガスを導入するためのガス導
入管62は、前記成膜槽57の側壁に挿入されている。
排気管63は、前記ガス導入管62と反対側の前記成膜
槽57の側壁に挿入されている。
【0044】このような構成によれば、加熱槽51内の
加熱液体によりタンク53内の原料溶液54を加熱する
と共に所望のガスをガス供給管55を通してタンク53
内の原料溶液54に供給すると、前記原料溶液54がバ
ブリングされて前記タンク53の非原料溶液空間に原料
溶液の霧状物が生成される。排気管63を通して成膜槽
57内のガスを排気して減圧状態にすると、前記原料溶
液の霧状物が輸送管59を通して前記成膜槽57内のホ
ルダ48に予め保持された基板64に輸送され、液膜と
して前記基板64表面に堆積される。この時、前記基板
64は必要に応じて加熱されてもよい。
【0045】前記基板64表面での推積膜厚が所定の厚
みに到達すると、一旦前記原料溶液の霧状物の輸送を停
止して、ガス導入管62から酸化反応促進用酸化性ガス
(例えば酸素)を導入しながら、前記急速加熱器61の
複数本のランプ60を点灯すると、前記基板64表面の
液膜が所定の加熱プロセスで急速昇温加熱されて仮焼さ
れる。この時点で仮焼された薄膜は、部分的に有機溶
媒、有機官能基が残留した低密度の膜からほとんど酸化
が完了した非晶質膜もしくは微小な結晶核を無数に含ん
だ部分結晶膜となる。
【0046】急速昇温加熱による第1層の仮焼工程が終
了されると、同様な手順により原料溶液の霧状物の輸送
が開始されて成膜を再開される。所定の膜厚を有する薄
膜を形成するまでに行なう急速加熱処理、仮焼の頻度
は、仮焼による薄膜の体積収縮、基板と薄膜の熱膨張率
の差、加熱効率及び結晶核の発生効率等を考慮して決定
される。このように推積工程、仮焼工程を繰り返して所
定の膜厚の薄膜が形成された基板64は、図示しない搬
送治具によって薄膜製造装置の内部または外部に用意さ
れたキャリアに保管され、次の基板の成膜が開始され
る。また、前記仮焼膜が形成された基板は外部に設けら
れた電気炉内で十分に加熱されて結晶化し、所望の強誘
電体薄膜等の酸化物薄膜が形成される。
【0047】また、原料溶液の供給系を複数設けて組成
が異なる積層構造を有する機能薄膜を形成することも容
易に行なことができる。
【0048】実施例 図6は、実施例における原料溶液(金属アルコキシ
ド)および水またはアルコールを霧化して所定の基体上
に気相推積させる薄膜形成装置を示す概略図である。第
1加熱槽711 内には、加熱液体721 が収容されてい
る。第1タンク731 は、その底部付近が前記加熱槽7
1 の加熱液体721 に浸漬されている。金属アルコキ
シド溶液74は、前記タンク731 内に収容されてい
る。第1ガス供給管751 の一端は、前記タンク731
内の金属アルコキシド溶液74に挿入され、所望のガス
を前記第1ガス供給管751 を通して前記金属アルコキ
シド溶液74に供給すると共に前記加熱液体721 で前
記金属アルコキシド溶液74を加熱してバブリングする
ことにより前記タンク731 の非原料溶液空間に金属ア
ルコキシド溶液の霧状物が生成される。第1バルブ76
1 は、前記供給管751に介装されている。
【0049】第2加熱槽712 内には、加熱液体722
が収容されている。第2タンク732 は、その底部付近
が前記加熱槽712 の加熱液体722 に浸漬されてい
る。例えば水および加水分解触媒の混合溶液(第2の溶
液)77は、前記タンク732内に収容されている。第
2ガス供給管752 の一端は、前記タンク732 内の混
合溶液77に挿入され、所望のガスを前記第2ガス供給
管752 を通して前記混合溶液77に供給すると共に前
記加熱液体722 で前記混合溶液77を加熱してバブリ
ングすることにより前記タンク732 の非原料溶液空間
に前記混合溶液の霧状物が生成される。第2バルブ76
2 は、前記供給管752 に介装されている。
【0050】反応成膜槽78は、前記第1、第2のタン
ク731 、732 の中間に隣接して配置されている。基
体を保持する円板状のホルダ79は、前記成膜槽78内
に配置されている。前記金属アルコキシド溶液の霧状物
を輸送するための第1輸送管801 は、一端が前記第1
タンク731 の非原料溶液空間に挿入され、他端は前記
反応成膜槽78内に挿入されている。前記混合溶液の霧
状物を輸送するための第2輸送管802 は、一端が前記
第2タンク732 の非原料溶液空間に挿入され、他端は
前記成膜槽78に前記第1輸送管801 の他端と対向す
るように挿入されている。
【0051】例えばハロゲンランプ81を複数本配列さ
れた急速加熱器82は、前記各輸送管801 、802
他端が位置する部位より上方の前記成膜槽78内に配置
されている。主に酸素を含む酸化性ガスを導入するため
のガス導入管83は、前記成膜槽78の前記第1輸送管
801 が挿入される側の側壁に挿入されている。排気管
84は、前記ガス導入管83と反対側の前記成膜槽78
の側壁に挿入されている。
【0052】このような構成によれば、第1加熱槽71
1 内の加熱液体721 により第1タンク731 内の金属
アルコキシド溶液74を加熱すると共に所望のガスを第
1ガス供給管751 を通して前記タンク731 内の前記
金属アルコキシド溶液74に供給すると、前記金属アル
コキシド溶液74がバブリングされて前記タンク731
の非原料溶液空間に金属アルコキシド溶液の霧状物が生
成される。また、第2加熱槽712 内の加熱液体722
により第2タンク732 内の水および加水分解触媒の混
合溶液(第2の溶液)77を加熱すると共に所望のガス
を第2ガス供給管752 を通して前記タンク732 内の
前記混合溶液77に供給すると、前記混合溶液77がバ
ブリングされて前記タンク732 の非原料溶液空間に混
合溶液の霧状物が生成される。排気管84を通して反応
成膜槽78内のガスを排気して減圧状態にすると、前記
金属アルコキシド溶液の霧状物が第1輸送管801 を通
して前記反応成膜槽78内に輸送されると共に、前記混
合溶液の霧状物が第2輸送管802 を通して前記反応成
膜槽78内に前記金属アルコキシド溶液の霧状物と対向
するように輸送されて気相で加水分解反応が生じる。こ
の加水分解反応の副生成物は、金属アルコキシドから反
応脱離したアルコールと水であり、反応物はアルコキシ
ドの重合物であるから減圧状態で容易に分離されて金属
酸素結合−M−O−M−でつながった反応物のみがホル
ダ79に予め保持された基板85上に推積される。その
結果、前記基板85上に有機官能基が極力低減された薄
膜を容易に形成することができる。
【0053】前記加水分解反応の過程で前記金属アルコ
キシド溶液の霧状物と前記混合溶液の霧状物の反応を前
記反応成膜槽78内部に設けた紫外線ランプ(図示され
ず)を照射しながら行うと、さらに効果的に成膜するこ
とが可能である。すなわち、紫外線短波長の高エネルギ
ーをもって金属元素とアルコキシル基の脱離をより速や
かに進行させ、加水分解反応を前記アルコキシドの霧状
物と加水分解剤の霧状物が会合する地点から前記基板8
5に到達するまでの短時間に加速することができる。ま
た、槽内でアルコキシドの霧状物を反応させず、槽の前
段に反応槽を設けてもよい。
【0054】前記基板85表面での推積膜厚が所定の厚
みに到達すると、一旦、前記金属アルコキシドおよび混
合溶液の霧状物の輸送を停止して、ガス導入管83から
酸化反応促進用酸化性ガス(例えば酸素)を導入しなが
ら、前記急速加熱器82の複数本のランプ81をオンす
ると、前記基板85表面の薄膜が所定の加熱プロセスで
急速昇温加熱されて仮焼される。この時点で仮焼された
薄膜は、部分的に有機溶媒、有機官能基が残留した低密
度の膜からほとんど酸化が完了した非晶質膜もしくは微
小な結晶核を無数に含んだ部分結晶膜となる。
【0055】急速加熱器82による第1層の仮焼工程が
終了されると、同様な手順により各霧状物の輸送が開始
されて成膜を再開される。その後、参照例5と同様な焼
成工程を経ることにより所望の強誘電体薄膜等の酸化物
薄膜が形成される。
【0056】なお、前記参照例5、実施例1においては
原料溶液等の霧化をガスのバブリングによって行った
が、前記原料溶液に超音波振動を加えて霧化してもよ
い。
【0057】また、前記実施例において水および加水
分解触媒の混合溶液の代わりにアルコールおよび加水分
解触媒の混合溶液を用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれはD
RAM、マイクロ波デバイス用に供される高誘電体薄膜
や、最近不揮発性半導体メモリ応用に熱い注目を浴びて
おり圧電焦電センサ、トランデューサやアクチュエータ
にも利用できる強誘電体薄膜、更には透明導電膜、高耐
圧絶縁膜等の電子デバイスを構築するにあたって必須の
機能性薄膜、特に酸化物系薄膜の形成に適した、緻密で
欠陥の少ない高品質の薄膜を容易に形成し得る薄膜形成
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参照例1における薄膜形成装置を示す概略図。
【図2】参照例2における薄膜形成装置を示す概略図。
【図3】参照例3における薄膜形成装置を示す概略図。
【図4】参照例4における薄膜形成装置を示す概略図。
【図5】参照例5における薄膜形成装置を示す概略図。
【図6】本発明の実施例における薄膜形成装置を示す
概略図。
【符号の説明】
731 、732 …タンク、82…急速加熱器、85…基
板、751 、752 …ガス供給管、78…反応成膜槽、
79…ホルダ、801 、802 …輸送管、83…ガス導
入管、84…排気管。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−172742(JP,A) 特開 平4−247623(JP,A) 特開 昭57−10240(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/31 H01L 21/8242 H01L 27/108 H01L 41/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシドと溶媒を主成分とする
    原料溶液を霧化するための第1霧化部材と、 水またはアルコールと加水分解触媒とからなる第2の溶
    液を霧化するための第2霧化部材と、 基体の支持部材を有し、前記第1霧化部材で生成された
    原料溶液の霧状物および前記第2の霧化部材で生成され
    た第2の溶液の霧状物を気相中で反応させてその反応生
    成物を前記基体上に推積するための反応槽と、 前記反応成膜槽内のガスを排気するための排気部材と、 前記反応成膜槽内に設けられ、前記原料溶液の霧化物と
    前記第2溶液の霧化物を反応させ際に紫外線を照射する
    ための紫外線照射部材と、 前記基体上の堆積膜を1℃/秒〜200℃/秒の昇温速
    度で急速加熱するための急速加熱手段と を具備したこと
    を特徴とする薄膜形成装置。
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