JP3285851B2 - チップコンベア及び固液分離装置 - Google Patents

チップコンベア及び固液分離装置

Info

Publication number
JP3285851B2
JP3285851B2 JP31925299A JP31925299A JP3285851B2 JP 3285851 B2 JP3285851 B2 JP 3285851B2 JP 31925299 A JP31925299 A JP 31925299A JP 31925299 A JP31925299 A JP 31925299A JP 3285851 B2 JP3285851 B2 JP 3285851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coolant
conveyor
housing
solid
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31925299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001138171A (ja
Inventor
行雄 榎本
Original Assignee
榎本工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 榎本工業株式会社 filed Critical 榎本工業株式会社
Priority to JP31925299A priority Critical patent/JP3285851B2/ja
Publication of JP2001138171A publication Critical patent/JP2001138171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3285851B2 publication Critical patent/JP3285851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切り屑等の切削チ
ップを含むクーラント中から切削チップを分離・回収す
るチップコンベア及び固液分離装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、旋盤などの工作機械において
は、ワーク及び工具の温度上昇に基づく変形などを防止
するため、切削ポイントに向けクーラントが噴射供給さ
れる。そして、前記切削ポイントに向け噴射供給された
クーラントは、切り屑等の切削チップを含んでチップコ
ンベア内に取り入れられ、そのクーラントの中から切削
チップが取り除かれた後、再び噴射供給用のクーラント
として利用される。このような、チップコンベアとして
は、例えば特開平8−112736号公報に示すような
ものが挙げられる。
【0003】すなわち、図9及び図10に示すように、
この従来のチップコンベア51は、ハウジング52と無
端状の搬送ベルト53とを備え、クーラントタンク54
の上面に載置固定される構成となっている。そして、図
9に示すように、前記ハウジング52は上方が開放さ
れ、その一端側は図示しないが斜め上方に曲折されてお
り、その先端部に図示しないチップ排出口が形成されて
いる。また、前記ハウジング52の内部には、その底部
に沿うように搬送ベルト53が配設されており、その搬
送ベルト53は図示しない駆動手段により循環移動し
て、クーラントC中の切削チップTを前記チップ排出口
へ搬送するようになっている。
【0004】また、図10に示すように、前記ハウジン
グ52の前側壁下方位置には、クーラント排出口55が
形成されている。そして、クーラント排出口55の外方
には、クーラント排出口55と連通する連通口56を有
し、且つ上部が開口した付加ボックス57が取り付けら
れている。この付加ボックス57の前側側壁57aは他
の3つの側壁より高さが低くなっており、付加ボックス
57内に流入したクーラントCは前記前側側壁57aの
上端部からオーバーフローするようになっている。
【0005】ここで、前記付加ボックス57は、その上
部開口の面積が大きければ大きいほど、前記前側側壁5
7aからオーバーフローするクーラントCの流速が遅く
なるように設計されている。そして、前記付加ボックス
57の下方には、フィルター装置58が配置され、同装
置58を介してオーバーフローしたクーラントCは前記
クーラントタンク54に流入するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
チップコンベア51では次のような問題があった。即
ち、図10に示すように、ハウジング52の内側面と搬
送ベルト53の端面との間には、搬送ベルト53が回転
駆動するものであることや、組付精度のバラツキなどに
起因するクリアランスというものがある程度は存在す
る。そのため、このクリアランスを通過して微細な切削
チップTaがハウジング52の底に沈降すると、この微
細な切削チップTaを含んだクーラントCが、クーラン
ト排出口55、連通口56、付加ボックス57及び前側
側壁57aを介してフィルター装置58に向け排出され
る。従って、この微細な切削チップTaが堆積すること
によりフィルター装置58のフィルターの目詰まりを招
きその除去作業のために作業コストを上昇させていた。
【0007】又、付加ボックス57が、ハウジング52
の前側壁外方に突出するように配置されているため、図
10からも明らかなように、チップコンベア51の設置
面積が大きくなってしまうという問題があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされたものであって、その目的は、固液分
離精度を向上させたチップコンベア及び固液分離装置を
提供することにある。
【0009】本発明のその他の目的は、固液分離装置を
備えたチップコンベアの設置面積を小さくすることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、固液分離装置に係る請求項1に記載の発明は、切削
チップの混入したクーラントが流入するハウジングと、
同ハウジング内に配設されて前記クーラント中の切削チ
ップを搬送するコンベアとを有するチップコンベアに装
備される固液分離装置であって、前記ハウジング内にお
けるコンベア移動領域の上方に配設されてクーラントの
液面に静止面域を形成可能な静止面域形成手段と、前記
静止面域が形成されるコンベア移動領域の上方に配設さ
れて前記クーラントを静止面域においてオーバーフロー
させるためのオーバーフロー手段と、同オーバーフロー
手段にてオーバーフローしたクーラントを排出するため
のクーラント排出手段とを有することを要旨とする。従
って、請求項1に記載の発明においては、クーラントが
ハウジング内に流入すると、ハウジング内においてクー
ラントの液面が上昇し、所定以上の高さになると静止面
域が形成される。そして、静止面域内の液面がオーバー
フロー手段よりも高くなると、クーラントはクーラント
排出手段により排出される。
【0011】また、前記静止面域形成手段は、ハウジン
グ内におけるクーラントの液面に所定の静止面域を区画
形成して同静止面域を他の面域と隔絶する隔壁であるこ
とを要旨とする。従って、ハウジング内のクーラントの
液面において、静止面域は隔壁にて確実に他の面域と隔
てられる。
【0012】請求項に記載の発明は、請求項1に記載
の固液分離装置において、前記オーバーフロー手段は、
一つ又は複数の堰壁であり、同堰壁の上端部は静止面域
内においてクーラントの液面に対し全て同じ高さとなる
ように形成されていることを要旨とする。従って、請求
に記載の発明においては、請求項1の発明の作用に
加えて、静止面域内の液面が堰壁よりも高くなったと
き、クーラントは全ての堰壁を介して均等にオーバーフ
ローする。
【0013】請求項に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の固液分離装置において、前記オーバーフ
ロー手段は、クーラント排出手段の一部を構成している
ことを要旨とする。従って、請求項に記載の発明にお
いては請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加え
て、オーバーフロー手段をオーバーフローしたクーラン
トは速やかに排出される。
【0014】また、チップコンベアに係る請求項に記
載の発明は、切削チップの混入したクーラントが流入す
るハウジングと、同ハウジング内に配設されて前記クー
ラント中に切削チップを搬送するコンベアと、前記請求
項1乃至請求項のうちいずれか1項に記載の固液分離
装置とを有することを要旨とする。従って、請求項
記載の発明においては、前記請求項1乃至請求項のう
ちいずれか1項に記載の発明の作用とほぼ同様の作用を
なす。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を固液分離装置一体
型のチップコンベアに具体化した一実施形態を図1〜図
5に従って説明する。
【0016】図1〜図3に示すように、本実施形態のチ
ップコンベア11は、旋盤等の図示しない工作機械の近
傍に配置されるハウジング12と、同ハウジング12内
に収容されるコンベア13と、前記ハウジング12上に
載置固定されるケーシング14とから構成されている。
前記ハウジング12は、基端側から先端側(図2におい
て右側から左側)へ水平に延びる下側水平部12aと、
同下側水平部12aの先端部から上方へ斜めに延びる上
昇部12bと、同上昇部12bの上端部から先端側へ水
平に延びる上側水平部12cとを有し、全体形状が側面
視において略横くの字状をなすように形成されている。
前記下側水平部12aは、その長手方向全体に亘り上面
が開口されており、前記上側水平部12cは、その下面
にチップ排出口12d(図2参照)が開口形成されてい
る。
【0017】前記コンベア13は、多数のヒンジプレー
トがリンク機構を介して連結された無端状の搬送体であ
り、前記ハウジング12における下側水平部12aの基
端部と上側水平部12cの先端部にそれぞれ回転可能に
支持された図示しない一対のスプロケット間に掛装され
ている。また、前記コンベア13の表面上には所定間隔
をおいて複数の掻き板15が立設され、同掻き板15に
より搬送時において切り屑等の切削チップTを係止可能
とされている。従って、前記コンベア13は、図示しな
い駆動モータが駆動されると、図1において反時計回り
に(即ち、図3においては上側のコンベア部分が右から
左へ、又、下側のコンベア部分が左から右へ移動するよ
うに)周回移動する。
【0018】そして、その周回移動中に前記上側のコン
ベア部分の表面上に沈降した切削チップTを前記ハウジ
ング12の下側水平部12aから上側水平部12cまで
搬送する。そして、同上側水平部12cにおいてコンベ
ア13が反転することにより、前記切削チップTをチッ
プ排出口12d(図2参照)から同排出口12dの下方
に配置された図示しない回収ボックス内へ落下排出する
ようになっている。なお、図2において、前記コンベア
13は図示が省略してある。
【0019】又、前記ケーシング14は、前記ハウジン
グ12における下側水平部12aの上面開口と対応する
ように平面略四角環状をなすように形成された環状壁部
材であり、その下端部が前記ハウジング12の下側水平
部12a上に溶接固定されている。従って、前記ケーシ
ング14の上端開口部18から前記切削チップTの混入
したクーラントCが流入すると、同クーラントCは前記
ハウジング12の下側水平部12a内に流入するように
なっている。そして、前記下側水平部12a内が満杯に
なると、クーラントCの液面は前記ケーシング14内ま
で上昇するようになっている。その意味で、このケーシ
ング14は前記ハウジング12と同様にチップコンベア
11におけるハウジング構成要素のひとつである。又、
図1に示すように、前記ケーシング14における前側側
壁の先端側(左端側)には複数(本実施形態では5つ)
の四角形状をなす透孔19が水平方向へ等間隔に形成さ
れている。
【0020】図1〜図3に示すように、前記ケーシング
14の前後両側壁間には前記各透孔19と対応する位置
に複数(本実施形態では5つ)の断面略チャンネル状を
なす樋部材21が水平方向へ等間隔に架設されている。
前記各樋部材21は前端部(図1において手前側の端
部)が前記各透孔19から僅かにケーシング14の外部
へ突出するように設けられ、それらの突出端を左右及び
下側から囲むようにケーシング14の前側側壁外面には
排液案内部20が設けられている。
【0021】前記各樋部材21のうちハウジング12の
長手方向(左右方向)において最も先端側(図2におい
て左側)に位置する樋部材21は、先端側となる左壁部
がケーシング14の上端近傍まで延びる隔壁21Aとし
て構成されると共に、基端側となる右壁部が前記隔壁2
1Aよりも高さの低い堰壁21bとして構成されてい
る。一方、前記各樋部材21のうち最も基端側(図2に
おいて右側)に位置する樋部材21は、基端側となる右
壁部がケーシング14の上端近傍まで延びる隔壁21B
として構成されると共に、先端側となる左壁部が前記隔
壁21Bよりも高さの低い堰壁21aとして構成されて
いる。又、前記最先端側及び最基端側の両樋部材21の
間に位置する他の3つの樋部材21は左右各壁部が前記
各堰壁21a,21bと同一高さの堰壁21a,21b
として構成されている。
【0022】従って、前記ケーシング14内においてク
ーラントCの液面が上昇し、当該液面が図3に示すよう
に前記隔壁21A,21Bの下端部に届くようになる
と、前記ケーシング14内において両隔壁21A,21
B間にはクーラントCの静止面域が形成されることにな
る。そして、その状態から更に液面が上昇して当該液面
が前記各樋部材21の各堰壁21a,21bの上端部を
越える高さになると、クーラントCは各堰壁21a,2
1bを乗り越えて(オーバーフローして)各樋部材21
内へ流入する。そして、同樋部材21内から前記透孔1
9を介してケーシング14外へ排出されるようになって
いる。なお、本実施形態では、前記樋部材21によりク
ーラント排出手段が構成されると共に、堰壁21a,2
1bによりオーバーフロー手段が構成され、前記隔壁2
1A,21Bにより静止面域形成手段が構成されてい
る。そして、これら樋部材21と堰壁21a,21b及
び隔壁21A,21Bは、ハウジング12における下側
水平部12a(即ち、コンベア移動領域)の上方に配設
されて固液分離装置22を形成している。
【0023】次に、上記のように構成された本実施形態
のチップコンベア11及び固液分離装置22の作用につ
いて説明する。さて、ケーシング14の開口部18か
ら、切削チップTを含むクーラントCが上方から流入す
ると、同クーラントCの液面が図3に示す状態となる。
すると、クーラントCに含まれている多数の切削チップ
Tのうち比重の大きい切削チップT1は、コンベア13
上に沈降する。そして、コンベア13上に沈降した切削
チップT1は、前記掻き板15に引っかかり、ケーシン
グ14の下側水平部12aから上昇部12bを経て上側
水平部12cまで搬送される。そして、コンベア13が
上側水平部12cで反転すると、切削チップT1はチッ
プ排出口12dから図示しないチップ回収容器に落下し
回収される。
【0024】また、ケーシング14内の液面においてク
ーラントCの流入に伴い発生する波紋は、両隔壁21
A,21B間の液面に伝わらないため、両隔壁21A,
21B間には液面の非常に静かな静止面域が形成され
る。またこのとき、両隔壁21A,21B間の静止面域
には、隔壁21A,21Bの隔絶機能により他の面域に
浮かぶ切削チップT2が流れてこなくなる。
【0025】次に、前記静止面域においてクーラントC
の液面が堰壁21a,21bの上端部付近まで上昇した
ときの作用を図3を用いて説明する。ケーシング14内
に溜まったクーラントCは、コンベア13の駆動にて常
に攪拌されているため、クーラントC中の小さな切削チ
ップT3は沈降せずにクーラントC中に浮遊したままの
状態になっている。そのため、クーラントCをそのまま
排出すると、前記小さな切削チップT3が一緒に排出さ
れてしまい固液分離精度が悪くなってしまう。
【0026】そこで本実施形態では、コンベア13の上
方の静止面域内に所定高さを有して堰壁21a,21b
を備えた樋部材21を等間隔に5個設けている。そのた
め、互いに隣り合う両樋部材21の堰壁21aと堰壁2
1bとの間には上下方向に細長いクーラント流入域Sが
形成され、同流入域Sに位置するクーラントCは攪拌に
よる影響が少なくなり、そのクーラントC中に混入され
ている切削チップT3の沈降が促進される。詳しく述べ
ると、前記流入域Sにおいては下部から上部に向かうに
つれて次第に攪拌の影響が小さくなる。そのため、前記
流入域Sの下部において浮遊する小さな切削チップT3
及び前記流入域Sの上部において浮遊する微細な切削チ
ップT3もそれらの沈降作用を阻害する攪拌の影響をほ
とんど受けなくなるのである。
【0027】また、前記クーラント流入域Sを形成して
いる堰壁21a,21bは、その上下方向長さが長けれ
ば長いほど、前記流入域Sに流入するクーラントC中の
切削チップT3には沈降作用がはたらく。しかし、堰壁
21a,21bの上下方向長さが長くなると、クーラン
トCが堰壁21a,21bをオーバーフローする上で次
のような不具合が生じることがある。
【0028】この点について、図4に実線で示す堰壁2
1a,21b(以下、「堰壁A」とする。)と、それよ
り上下方向長さが長い二点鎖線で示す堰壁21a,21
b(以下、「堰壁B」とする。)との比較にて説明す
る。前提条件として、堰壁Aの上下方向長さ(以下、
「高さ」という。)をH、堰壁Bの高さをH+hとす
る。また、隔壁21A,21Bの外側におけるクーラン
トCの液面高さと堰壁Aの上端部の高さとの差をHcと
する。そして、堰壁21a,21bの前後方向長さをL
とする。
【0029】このような前提条件で、堰壁Aの上端部を
クーラントCがオーバーフローするときのオーバーフロ
ー断面積Daは、 Da=Hc×L となる(図5(a)参照)。
【0030】一方、堰壁Bの上端部をクーラントCがオ
ーバーフローするときのオーバーフロー断面積Dbは、 Db=(Hc−h)×L となる(図5(b)参照)。
【0031】そのため、Da>Dbとなり、断面積の小
さいオーバーフロー断面積Dbの方がオーバーフローす
るときの流速が速くなる。すなわち、堰壁21a,21
bが高くなると、オーバーフローする流速が速くなって
しまい、本来、沈降するはずの微細な切削チップT3ま
でオーバーフローしてしまう不具合が生じる。
【0032】そこで、本実施形態では、上記のクーラン
トCがオーバーフローするときの流速が速くなる不具合
を解決するために、5個の樋部材21をケーシング14
の前後両側壁間に設けている。そして、隔壁21A,2
1Bを除く合計8個の堰壁21a,21bを全て同じ高
さに形成している。また、その一つ一つの堰壁21a,
21bは、できる限り長くすべく、ケーシング14前後
両側壁間いっぱいに形成されている。その結果、堰壁長
さを充分に確保し、オーバーフロー断面積の縮小を解消
している。従って、本実施形態では、堰壁21a,21
bの高さ(上下方向長さ)が切削チップT3の沈降作用
を促進するのに充分な程度にあっても、オーバーフロー
するクーラントCの流速を遅くすることができ、オーバ
ーフローするクーラントC中に切削チップT3が混入し
ていることがほとんどない。
【0033】また、本実施形態では、各樋部材21を等
間隔に設けている。これを例えば、各樋部材21間の間
隔が異なるようにすると、間隔の大きいクーラント流入
域Sにおける流量が多くなり、その間隔の大きい流入域
Sに接する堰壁21a,21bをオーバーフローするク
ーラントCの流速が速くなってしまう。そうすると、せ
っかく複数の樋部材21を設けたとしても所望する効果
が得られない。ゆえに、本実施形態では、各樋部材21
間の間隔を等間隔に形成させている。
【0034】上記のような構成のため、静止面域内でク
ーラントCの液面が堰壁21a,21bより高くなる
と、クーラントCは、全ての堰壁21a,21bに対し
略同時に同じ流量及び同じ流速でオーバーフローする。
そして、クーラントCが堰壁21a,21bをオーバー
フローすると、そのクーラントCは樋部材21内、透孔
19、排液案内部20を介してケーシング14外へ排出
される。また、透孔19はコンベア13より上方に架設
された樋部材21の内部と連通しているため、たとえ、
ハウジング12の内側面とコンベア13の端面との隙間
に微細な切削チップT4が侵入しても、その微細な切削
チップT4が透孔19から排出されることはない。
【0035】排液案内部20から排出されたクーラント
Cは、図示しない濾過ボックスに落下し、濾過される。
このとき既にクーラントCには切削チップT3がほとん
ど含まれていないが、この濾過によって、より一層クー
ラントCに含まれる切削チップT3が減少する。前記濾
過ボックスにて濾過されたクーラントCは、図示しない
クーラントタンク内に貯蔵され、図示しない供給装置に
て、前記工作機械のクーラント噴出口に供給され、加工
ポイントに再び噴出される。
【0036】従って、本実施形態のチップコンベア11
によれば、以下のような特徴を得ることができる。 (1)本実施形態では、コンベア移動領域としての下側
水平部12aの上方に静止面域を形成する一対の隔壁2
1A,21Bを形成し、その静止面域内においてクーラ
ントCをオーバーフローさせて排出している。即ち、固
液分離装置22が静止面域内に配置されている。従っ
て、本実施形態のチップコンベア11においては、透孔
19から排出されるクーラントCに切削チップTがほと
んど含まれることなく固液分離精度を向上させることが
できる。
【0037】(2)本実施形態では、オーバーフロー手
段としての堰壁21a,21bがコンベア移動領域とし
ての下側水平部12aの上方に形成されている。そのた
め、従来技術のようにコンベア移動領域の外側方にオー
バーフロー手段を設けたときに比べて、固液分離装置2
2を備えたチップコンベア11の配置面積を小さくする
ことができる。
【0038】(3)本実施形態では、クーラントCの液
面が両隔壁21A,21Bの下端部よりも上昇したと
き、ケーシング14内において静止面域内の液面と他の
面域の液面とを両隔壁21A,21Bにて隔てている。
従って、静止面域内の液面を静かにすることができると
共に、静止面域内には他の面域の液面に浮かぶ切削チッ
プT2が流れてこなくなり、固液分離精度を向上させる
ことができる。
【0039】(4)本実施形態では、堰壁21a,21
bの高さが切削チップT3の沈降作用を促進するのに充
分な程度に形成されている。そのため、同堰壁21a,
21bを有する各樋部材21間のクーラント流入域Sに
おいてクーラントCにはコンベア13の駆動にて起こる
攪拌の影響がほとんどない。従って、前記流入域Sにお
けるクーラントC中の切削チップT3には沈降促進作用
がはたらくため、堰壁21a,21bをオーバーフロー
するクーラントCには切削チップTがほとんど含まれて
いることがない。
【0040】(5)本実施形態では、ケーシング14の
前後両側壁間に堰壁21a,21bを有する断面チャン
ネル形状の5個の樋部材21を形成している。従って、
例えば1個のみの樋部材21を設けたときに比べて堰壁
のトータル長さが長くなり、堰壁21a,21bの上面
を越えるクーラントCの流速を遅くでき、排出されるク
ーラントCには切削チップTがほとんど含まれているこ
とがない。加えて、各堰壁21a,21bの高さが同じ
に形成されているため、例えば堰壁高さがそれぞれ違う
場合のように堰壁をオーバーフローするクーラントCの
流速がそれぞれ異なり、流速の速い部分ではオーバーフ
ローする切削チップTの量が増える等ということがな
い。しかも、各樋部材21は等間隔をおいて形成されて
おり、各クーラント流入域Sの間隔が同じなので、オー
バーフローするクーラントC中に切削チップTが混じる
ことを一層少なくすることができる。
【0041】(6)本実施形態の樋部材21は、クーラ
ント排出手段であると共に、オーバーフロー手段として
の堰壁21a,21bを有している。従って、堰壁21
a,21bをオーバーフローしたクーラントCを速やか
に透孔19まで導くことができる。
【0042】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよい。 ・前記実施形態では、5個の透孔19と、それに対応す
る5個の樋部材21とを形成していたが、いくつ形成し
てもよい。このようにしても、前記実施形態の(1)〜
(4)、(6)と同様の効果を奏する。特に、透孔19
及び樋部材21を5個より多く形成すると、ケーシング
14から排出されるクーラントCの流速は前記実施形態
より遅くなり、さらに固液分離精度を向上することがで
きる。
【0043】・前記実施形態では、四角形状の透孔19
と、それに対応する断面チャンネル形状の樋部材21と
を形成していた。これを図6(a)に示すように、逆三
角形状の透孔30と、クーラント排出手段としての断面
V字状の樋部材31を形成してもよい。この場合、樋部
材31には、オーバーフロー手段としての堰壁31a,
31bと、静止面域形成手段としての隔壁31A,31
Bを形成する。又は、図6(b)に示すように、半円形
状の透孔33と、それに対応するクーラント排出手段と
しての断面半円弧状の樋部材34を形成してもよい。こ
の場合、樋部材34には、オーバーフロー手段としての
堰壁34a,34bと、静止面域形成手段としての隔壁
34A,34Bを形成する。このようにしても、前記実
施形態と同様の効果を奏する。
【0044】・図7に示すように、静止面域形成手段と
しての隔壁35A,35Bを、樋部材21から独立して
形成してもよい。この場合、隔壁35A,35Bは、樋
部材21の底部付近高さから、ケーシング14の開口縁
付近高さまで延設し、隔壁35A,35Bとそれに隣接
する堰壁21a,21bとの間隔は前述した各樋部材2
1間の間隔の半分に形成する。このようにしても前記実
施形態と同様の効果を奏する。
【0045】・前記実施形態では、堰壁21a,21b
を有する樋部材21にて、オーバーフロー手段とクーラ
ント排出手段とを形成させていた。これを図8(a)に
示すように、一つ又は複数のクーラント排出手段として
の管部材36を形成させ、その上端部をオーバーフロー
手段としての堰壁36aとしてもよい。この場合、堰壁
36aは前記静止面域が形成されるコンベア移動領域の
上方に位置し、管部材36の下端部はケーシング14の
前側壁面下部に形成された透孔37に連結する。そし
て、上記の隔壁35A、35Bを同様に形成する。この
ようにしても、前記実施形態における(1)〜(3)、
(6)と同様の効果を奏する。また、管部材36が複数
個設けられている場合、上記効果に加えて(5)と同様
の効果を奏する。
【0046】・また図8(b)に示すように、樋部材2
1の代わりに、前記静止面域が形成されるコンベア移動
領域の上方にクーラント排出手段としての漏斗部材38
を設け、その上部側壁をオーバーフロー手段としての堰
壁38aとしてもよい。この場合、漏斗部材38の下部
導出部38bとケーシング14の前側壁面下部に形成さ
れた透孔39とを連結する。そして、上記の隔壁35
A、35Bを同様に形成する。このようにしても、前記
実施形態における(1)〜(3)、(6)と同様の効果
を奏する。
【0047】・本実施形態の固液分離装置22が設けら
れたケーシング14を、例えば、既存のチップコンベア
の上部に設けてもよい。このようにしても、前記実施形
態における(1)〜(6)と同様の効果を奏するととも
に、既存のチップコンベアの上部に、例えば溶接にて固
液分離装置22が設けられたケーシング14を取り付け
るだけで、本実施形態の固液分離装置一体型のチップコ
ンベア11と同様の固液分離精度を上げることができ
る。
【0048】・本実施形態では、固液分離装置22は、
ハウジング12の上方に載置固定されるケーシング14
内に形成され、同ケーシング14が溶接にてハウジング
12と一体にされていた。これを、ハウジング12にお
ける下側水平部12aの上部開口部を上方に向け延出さ
せ、その延出部に隔壁21A,21B及び堰壁21a,
21b等からなる静止面域形成手段、オーバーフロー手
段、クーラント排出手段を形成させてもよい。このよう
にしても、前記実施形態における(1)〜(3)、
(6)と同様の効果を奏する。
【0049】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、オーバ
ーフローして排出されるクーラント中に切削チップがほ
とんど含まれることがないので、固液分離精度を向上さ
せることができる。又、固液分離装置を備えたチップコ
ンベアの設置面積を小さくすることができる。
【0050】また、隔壁にてオーバーフローする静止面
域の液面が他の面域の液面と隔てられるため、静止面域
内の液面を静かにすることができ、オーバーフローする
クーラント中に切削チップが混入する恐れをなくすこと
ができる。
【0051】請求項に記載の発明によれば、請求項
記載の発明の効果に加えて、堰壁をオーバーフローす
るクーラントの流速を遅くすることができ、オーバーフ
ローするクーラント中に切削チップの混入量が増えるこ
とがない。
【0052】請求項に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、オーバーフ
ローしたクーラントを速やかに排出することができる。
【0053】請求項に記載の発明によれば、請求項1
乃至請求項のうちいずれか1項に記載の発明と同様の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるチップコンベアの概略斜
視図。
【図2】 同じくチップコンベアの概略平面図。
【図3】 図2におけるA−A線一部断面図。
【図4】 同じくクーラントのオーバーフロー説明図。
【図5】 (a)堰壁高さHのときのクーラントのオー
バーフロー説明図、(b)堰壁高さH+hのときのクー
ラントのオーバーフロー説明図。
【図6】 (a)(b)は、本実施形態における堰壁の
別例を示す概略説明図。
【図7】 同じく隔壁の別例を示す概略説明図。
【図8】 (a)(b)は、同じく樋部材の別例を示す
概略説明図。
【図9】 従来技術における概略分解斜視図。
【図10】 図9におけるB−B線矢視断面図。
【符号の説明】 11…チップコンベア、12…ハウジング、13…コン
ベア、21…クーラント排出手段としての樋部材、21
a,21b…オーバーフロー手段としての堰壁、21
A,21B…静止面域形成手段としての隔壁、22…固
液分離装置、31…クーラント排出手段としての樋部
材、31a,31b…オーバーフロー手段としての堰
壁、34…クーラント排出手段としての樋部材、34
a、34b…オーバーフロー手段としての堰壁、35
A,35B…静止面域形成手段としての隔壁、36…ク
ーラント排出手段としての管部材、36a…オーバーフ
ロー手段としての堰壁、38…クーラント排出手段とし
ての漏斗部材、38a…オーバーフロー手段としての堰
壁。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削チップの混入したクーラントが流入
    するハウジングと、同ハウジング内に配設されて前記ク
    ーラント中の切削チップを搬送するコンベアとを有する
    チップコンベアに装備される固液分離装置であって、前
    記ハウジング内におけるコンベア移動領域の上方に配設
    されてクーラントの液面に静止面域を形成可能な静止面
    域形成手段と、前記静止面域が形成されるコンベア移動
    領域の上方に配設されて前記クーラントを静止面域にお
    いてオーバーフローさせるためのオーバーフロー手段
    と、同オーバーフロー手段にてオーバーフローしたクー
    ラントを排出するためのクーラント排出手段とを有し、 前記静止面域形成手段は、ハウジング内におけるクーラ
    ントの液面に所定の静止面域を区画形成して同静止面域
    を他の面域と隔絶する隔壁であることを特徴と する固液
    分離装置。
  2. 【請求項2】 前記オーバーフロー手段は、一つ又は複
    数の堰壁であり、同堰壁の上端部はクーラントの液面に
    対し全て同じ高さとなるように形成されている請求項1
    に記載の固液分離装置。
  3. 【請求項3】 前記オーバーフロー手段は、クーラント
    排出手段の一部を構成している請求項1又は請求項2に
    記載の固液分離装置。
  4. 【請求項4】 切削チップの混入したクーラントが流入
    するハウジングと、同ハウジング内に配設されて前記ク
    ーラント中に切削チップを搬送するコンベアと、前記
    求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の固液分
    離装置とを有するチップコンベア。
JP31925299A 1999-11-10 1999-11-10 チップコンベア及び固液分離装置 Expired - Lifetime JP3285851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31925299A JP3285851B2 (ja) 1999-11-10 1999-11-10 チップコンベア及び固液分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31925299A JP3285851B2 (ja) 1999-11-10 1999-11-10 チップコンベア及び固液分離装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001138171A JP2001138171A (ja) 2001-05-22
JP3285851B2 true JP3285851B2 (ja) 2002-05-27

Family

ID=18108129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31925299A Expired - Lifetime JP3285851B2 (ja) 1999-11-10 1999-11-10 チップコンベア及び固液分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3285851B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001138171A (ja) 2001-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100228260B1 (ko) 여과장치 및 여과시스템
JP3283862B2 (ja) チップコンベア及びそれに用いるチップ分離・回収装置
JP3510611B2 (ja) 分離機能を有する切粉搬出コンベヤ装置
JP5433823B2 (ja) チップ搬送コンベヤ装置
JPS5830316A (ja) 冷却・潤滑媒体分離浄化装置
JP3579329B2 (ja) チップコンベア及びそれに用いるチップ分離・回収装置
JP2018161689A (ja) クーラント処理装置
US4731180A (en) Water-solids separator and wiper blade
JP3285851B2 (ja) チップコンベア及び固液分離装置
US4437991A (en) Filter apparatus
JP3752185B2 (ja) 切削液濾過装置
JP3510610B2 (ja) 切粉分離装置
JPS63123656A (ja) チツプコンベヤ
JP2008238286A (ja) チップコンベア
JPH04183553A (ja) チップコンベア
JP2006159393A (ja) クーラント濾過装置
JP6761335B2 (ja) 切削油の回収装置
JPS5916085Y2 (ja) 逆流式ク−ラント濾過装置
JP3571688B2 (ja) 濾過装置を備えた切粉搬出コンベヤ装置
JPH01176412A (ja) ろ過装置におけるろ過ケーキ払落し・排出装置
JP4723294B2 (ja) クーラント・切粉分離機能を有するクーラント誘導板
JP2001205017A (ja) 濾過装置
JPH0655404A (ja) 切削液の濾過装置
JP3086177B2 (ja) 切削液と切削屑の分離装置
JPH0529801Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3285851

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110308

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110308

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140308

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term