JP3285830B2 - 熱可塑性樹脂成形品の製造方法およびこの製造方法に用いる熱可塑性樹脂成形品の製造装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品の製造方法およびこの製造方法に用いる熱可塑性樹脂成形品の製造装置

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  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂、特
に、溶融粘度が高くて溶融成形が困難な樹脂、熱分解し
やすい樹脂、低沸点の添加剤もしくは熱分解しやすい添
加剤等を含む樹脂などの樹脂材料を用いた成形品の製造
方法およびこの製造方法に用いる熱可塑性樹脂成形品の
製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の中には、溶融粘度が高く
て溶融成形が困難な樹脂や、分解しやすい樹脂、低沸点
の添加剤もしくは熱分解しやすい添加剤を有する樹脂な
ど、成形が困難な樹脂材料(以下、「難成形樹脂」と記
す)がある。
【0003】たとえば、粘度が高く溶融成形が困難な樹
脂としては、超高分子量ポリエチレン、超高重合度ポリ
塩化ビニル、高塩素化度ポリ塩化ビニル、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリイミド等が挙げられる。
【0004】熱分解しやすい樹脂としては、ポリ乳酸、
ポリヒドロキシブチレート等の生分解生樹脂、高塩素化
度ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル等が挙げられ
る。
【0005】たとえば、従来、難成形樹脂のうち、溶融
粘度が高く溶融成形が困難な樹脂から成形品を成形する
には、次のような方法が採られている。
【0006】(1)コンプレッション(圧縮)成形ある
いはラム押出成形などにより、板状あるいは棒状の成形
品を作成し、この成形品を切削などの切り出し加工によ
り所望の製品に賦形する方法。
【0007】(2)難成形樹脂を有機溶媒に溶解し、キ
ャスティング(注型)法により、フィルム化またはシー
ト化する方法。
【0008】(3)難成形樹脂に有機溶媒を加えて得ら
れる分散物または混合物を加熱溶融した後賦形し、賦形
後に有機溶媒を揮散させる方法(特公平4−47608
号公報等参照)。
【0009】しかしながら、上記(1)の方法は、生産
性が極めて悪いという欠点がある。また、(2)、
(3)の方法では、得られる成形品の物性の低下を防止
するため、成形後に加熱して溶媒を揮散させなければな
らないが、完全に溶媒を揮散させるのに大掛かりな装置
が必要であるとともに、成形時間もかかり生産性が悪い
上、そのまま溶媒を揮散させたのでは環境汚染を招く恐
れがある。したがって、溶媒の回収を行わなければなら
ず、回収設備等の設備コストが嵩むと言う問題がある。
【0010】そこで、有機溶媒に代えて環境汚染を招く
恐れのない二酸化炭素ガス(以下、「炭酸ガス」と記
す)などの常温・常圧で気体状態のガス(以下、「ガ
ス」とのみ記す。)を常圧または高圧状態で熱可塑性樹
脂に含浸させ、微細な独立セル構造の発泡体を射出成形
する方法が、すでに提案されている(特開平8−851
28号公報参照)。
【0011】すなわち、上記方法は、射出成形装置のホ
ッパとスクリュ内蔵シリンダとの間に気密容器である一
つの耐圧チャンバを設け、まず、ペレット形状の原料熱
可塑性樹脂(以下、「原料樹脂」と記す)をホッパから
室温状態に保った耐圧チャンバに供給し、この耐圧チャ
ンバ内で原料樹脂にガスを常圧でまたは高圧状態で含浸
させて易可塑化状態のガス含浸樹脂とする。つぎに、こ
のガス含浸樹脂を可塑化装置としての射出成形機に供給
し、射出成形機内で混練して可塑化したのち、得られた
可塑化樹脂を金型に射出して発泡成形品を得るようにな
っている。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】ところで、熱可塑性
樹脂へのガスの含浸量は、図9および図10に示すごと
く、圧力と時間に依存する。そこで、一定量のガスを樹
脂に含浸するためには、1)一定圧力に耐圧チャンバ内
を保つ、2)飽和含浸量に必要な時間以上、耐圧チャン
バ内に樹脂を放置しておく必要がある。また、上記1)
の要件を満たすためには、耐圧チャンバの空間を成形機
から遮断された密閉状態にする必要がある。
【0013】したがって、上記方法の場合、所定量のガ
ス含浸樹脂が耐圧チャンバから射出成形機に供給された
後でないと、つぎのガス含浸工程を実施することができ
ないと言う問題がある。
【0014】すなわち、連続的に成形を行うために、ガ
ス含浸と成形機への樹脂の供給を同時に行った場合(常
に耐圧チャンバと成形機とを接続している場合)は、成
形機からのガス漏れにより圧力が安定しない。また、初
期に成形機に供給される樹脂は、十分なガス含浸時間が
確保されないため、ガス含浸量が少なく、難成形樹脂の
粘度低下が不十分で成形不良を生じたり、ガス含浸量が
非常に少ない場合は全く成形ができないなどの問題を引
き起こす恐れが生じたりする。特に、発泡体を成形する
場合、製品毎に発泡倍率が異なるなどの問題を引き起こ
す恐れが生じてしまう。
【0015】したがって、上記の方法では、結果として
樹脂溶解過程と成形過程とを時間的に分解したバッチ方
式とせざるを得ない。
【0016】因みに、原料樹脂として、粘度平均分子量
が100万以上の超高分子量ポリエチレンのペレット
(サイズφ4mm×2.3mm)に常温(20℃)、ガス圧
10.0MPaで炭酸ガスを含浸させたところ、飽和含
浸量に達するまでの時間(以下、「飽和含浸時間」と記
す)は、1960分であった。従って、この1960分
間は、射出成形機への樹脂の供給を一旦停止しなければ
ならなかった。
【0017】本発明は、このような事情に鑑みて、難成
形樹脂であっても、効率よく成形品を製造することがで
きる熱可塑性樹脂成形品の製造方法およびこの製造方法
に用いる熱可塑性樹脂成形品の製造装置を提供すること
を目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1にかかる熱可塑性樹脂成形品の製
造方法(以下、「請求項1の製造方法」と記す)は、常
温・常圧で気体状態のガスを、気密容器に充填し気密容
器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所定のガス含浸量
のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、ガス含浸工程で
得られたガス含浸樹脂を供給路を介して気密容器に接続
された可塑化装置へ供給する樹脂供給工程と、供給され
たガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化したのち、得ら
れた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形状の成形品を得
る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形品の製造方法に
おいて、複数の気密容器を供給路に並列に可塑化装置に
接続し、1つの気密容器からガス含浸樹脂を可塑化装置
へ供給すると同時に、他の気密容器でガス含浸工程を実
施し、1つの気密容器からのガス含浸樹脂の供給が規定
量に達すると、ガス含浸工程が終了した他の気密容器か
らのガス含浸樹脂の供給に切り替えるとともに、供給の
終わった気密容器に順次新しい原料熱可塑性樹脂を充填
してガス含浸工程を実施するようにした。
【0019】本発明の請求項2にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項2の製造方法」と記
す)は、常温・常圧で気体状態のガスを、気密容器に充
填し気密容器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所定の
ガス含浸量のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、ガス
含浸工程で得られたガス含浸樹脂を供給路を介して気密
容器に接続された可塑化装置へ供給する樹脂供給工程
と、供給されたガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化し
たのち、得られた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形状
の成形品を得る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形品
の製造方法において、複数の気密容器を直列に接続する
とともに、供給路を介して最も下手の気密容器を可塑化
装置に接続し、最も下手の気密容器中のガス含浸樹脂が
可塑化装置に供給されている間に、上手側の他の気密容
器によってガス含浸工程を実施し、最も下手の気密容器
中のガス含浸樹脂が規定量供給されると、前記供給路を
遮断し、上手側の気密容器で予めガス含浸されたガス含
浸樹脂を順次下手側の気密容器に移し替えたのち、再び
最も下手の気密容器中のガス含浸樹脂を可塑化装置に供
給を開始するようにした。
【0020】本発明の請求項3にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項3の製造方法」と記
す)は、常温・常圧で気体状態のガスを、気密容器に充
填し気密容器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所定の
ガス含浸量のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、ガス
含浸工程で得られたガス含浸樹脂を供給路を介して気密
容器に接続された可塑化装置へ供給する樹脂供給工程
と、供給されたガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化し
たのち、得られた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形状
の成形品を得る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形品
の製造方法において、ガス含浸工程時に気密容器中の原
料熱可塑性樹脂を、室温を越え、原料熱可塑性樹脂の溶
融温度未満の温度に加熱するようにした。
【0021】本発明の請求項4にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項4の製造方法」と記
す)は、請求項1ないし請求項3のいずれかの製造方法
の構成に加えて、ガス含浸工程時に、ガスを気密容器内
で高圧状態にしておくようにした。
【0022】本発明の請求項5にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項5の製造方法」と記
す)は、請求項1ないし請求項4のいずれか製造方法の
構成に加えて、可塑化装置が射出成形機であって、射出
成形機の計量完了時に供給路を閉じるようにした。
【0023】本発明の請求項6にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項6の製造方法」と記
す)は、請求項1、請求項4、および請求項5のいずれ
かの製造方法の構成に加えて、可塑化装置が射出成形機
であって、L≧Lm /(N−1)×t1 /t2 〔但し、
Lは気密容器からのガス含浸樹脂の1回の供給量、Lm
は成形品の容量、Nは気密容器の数、t1 は気密容器で
のガスの飽和含浸に要する時間、t2 は1回の成形に要
する時間である。〕の式を満足する同容量のN個の気密
容器を用いるようにした。
【0024】本発明の請求項7にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項7の製造方法」と記
す)は、請求項1または請求項4の製造方法の構成に加
えて、成形装置が押出成形機であって、L≧M/(N−
1)×t1 /3600〔但し、Lは気密容器からのガス
含浸樹脂の1回の供給量、Nは気密容器の数、t1 は気
密容器でのガスの飽和含浸に要する時間、Mは押出成形
機の単位時間あたりの押出量である。〕の式を満足する
同容量のN個の気密容器を用いるようにした。
【0025】本発明の請求項8にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項8の製造方法」と記
す)は、請求項1,請求項2,請求項4、請求項5、請
求項6および請求項7のいずれかの製造方法の構成に加
えて、ガス含浸工程時に気密容器中の原料熱可塑性樹脂
を室温を越え、原料熱可塑性樹脂の溶融温度未満の温度
まで加熱するようにした。
【0026】本発明の請求項9にかかる熱可塑性樹脂成
形品の製造方法(以下、「請求項9の製造方法」と記
す)は、請求項3または請求項8の製造方法の構成に加
えて、気密容器にジャケットを設け、このジャケット内
に加熱媒体を供給して気密容器中の原料熱可塑性樹脂を
加熱するようにした。
【0027】本発明の請求項10にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造方法(以下、「請求項10の製造方法」と
記す)は、請求項3または請求項8の製造方法の構成に
加えて、気密容器にヒータを設け、このヒータによって
気密容器中の原料熱可塑性樹脂を加熱するようにした。
【0028】本発明の請求項11にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造方法(以下、「請求項11の製造方法」と
記す)は、請求項1なしい請求項6および請求項8〜請
求項10のいずれかの製造方法の構成に加えて、可塑化
装置が射出成形機であって、計量完了時から射出完了ま
での間、気密容器から射出成形機へのガス含浸樹脂の供
給路を閉鎖し、射出完了時から計量完了までの間、気密
容器から射出成形機へのガス含浸樹脂の供給路を開放状
態にするようにした。
【0029】一方、本発明の請求項12にかかる熱可塑
性樹脂成形品の製造装置(以下、「請求項12の製造装
置」と記す)は、原料熱可塑性樹脂と常温常圧でガス状
態のガスとを一旦貯留し、ガスを原料熱可塑性樹脂に含
浸可能な気密容器と、この気密容器に供給路を介して接
続されて気密容器から供給された樹脂を可塑化する可塑
化装置と、この可塑化装置から供給される可塑化装置で
可塑化された可塑化樹脂を所望の形状に賦形する金型と
を備える熱可塑性樹脂成形品の製造装置において、前記
気密容器を複数個有し、これらの気密容器が、前記供給
路に並列に接続されているとともに、供給路との連通状
態を個々に遮断可能なバルブを備えている構成とした。
【0030】本発明の請求項13にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項13の製造装置」と
記す)は、請求項12の製造装置の構成に加えて、ガス
含浸済みのガス含浸樹脂が1つの気密容器から可塑化装
置へ規定量送られると、バルブを閉じてこの気密容器と
供給路との間を遮断するとともに、所定量のガスが含浸
されたガス含浸樹脂入りの他の気密容器または最もガス
含浸時間の長いガス含浸樹脂が入った気密容器のバルブ
を開放するとともに、供給の終わった気密容器に順次新
しい原料熱可塑性樹脂を充填してガス含浸を行うように
制御する制御手段を備えている構成とした。
【0031】本発明の請求項14にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項14の製造装置」と
記す)は、請求項12または請求項13の構成に加え
て、可塑化装置が射出成形機であって、全ての気密容器
が以下の式(1)を満足する同一容量L´に形成されて
いる構成とした。
【0032】 L´≧Lm /(N−1)×t1 /t2 ・・・(1) 〔但し、Lm は成形品の容量、Nは気密容器の数、t1
は気密容器でのガスの飽和含浸に要する時間、t2 は1
回の成形に要する時間である。〕 本発明の請求項15にかかる熱可塑性樹脂成形品の製造
装置(以下、「請求項15の製造装置」と記す)は、請
求項12または請求項13の構成に加えて、可塑化装置
が押出成形機であって、全ての気密容器が以下の式
(2)を満足する同一容量L´に形成されている構成と
した。
【0033】 L´≧M/(N−1)×t1 /3600・・・(2) 〔但し、Nは気密容器の数、t1 は気密容器でのガスの
飽和含浸に要する時間、Mは押出成形機の単位時間あた
りの押出量である。〕 本発明の請求項16にかかる熱可塑性樹脂成形品の製造
装置(以下、「請求項16の製造装置」と記す)は、原
料熱可塑性樹脂と常温常圧でガス状態のガスとを一旦貯
留可能な気密容器と、この気密容器に樹脂供給路を介し
て接続されて気密容器から供給された樹脂を可塑化する
可塑化装置と、この可塑化装置から供給される可塑化装
置で可塑化された可塑化樹脂を所望の形状に賦形する金
型とを備える熱可塑性樹脂成形品の製造装置において、
前記気密容器が、内部に充填された原料熱可塑性樹脂の
加熱手段を備えている構成とした。
【0034】本発明の請求項17にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項17の製造装置」と
記す)は、請求項12〜請求項16のいずれかの製造装
置の構成に加えて、気密容器が内部に充填された原料熱
可塑性樹脂の加熱手段を備えている構成とした。
【0035】本発明の請求項18にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項18の製造装置」と
記す)は、請求項16または請求項17の製造装置の構
成に加えて、加熱媒体の供給により気密容器内を加熱す
るジャケットが、加熱手段として気密容器の周囲に設ら
れている構成とした。
【0036】本発明の請求項19にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項19の製造装置」と
記す)は、請求項18の製造装置において、加熱媒体と
して温水を用いるようにした。
【0037】本発明の請求項20にかかる熱可塑性樹脂
成形品の製造装置(以下、「請求項20の製造装置」と
記す)は、請求項16または請求項17の製造装置にの
いて、加熱手段としてヒータが設けられている構成とし
た。
【0038】本発明において、熱可塑性樹脂とは、熱を
加えると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化するプ
ラスチックの総称をいい、この中には、溶融粘度が高く
て溶融成形が困難な樹脂や、熱分解しやすい樹脂、低沸
点の添加剤もしくは熱分解しやすい添加剤を含有する樹
脂などの難成形樹脂も含む。
【0039】溶融粘度が高い溶融成形が困難な樹脂とし
ては、たとえば、超高分子量ポリエチレン、高塩素化度
ポリ塩化ビニル、超高重合度ポリ塩化ビニル、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリイミドなどが挙げられる。
【0040】一方、熱分解しやすい樹脂としては、ポリ
乳酸,ポリヒドロキシブチレート等の生分解性樹脂、高
塩素化度ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが
挙げられる。
【0041】また、本発明における可塑化装置として
は、ガス含浸樹脂を可塑化して金型に供給することがで
きれば、特に限定されないが、たとえば、射出成形機や
押出成形機が挙げられる。
【0042】成形方法は、樹脂材料を熱や可塑剤などで
流動化状態にし、金型内に充填して成形し、金型内で冷
却固化する方法であれば、特に限定されないが、射出成
形、押出成形、プレス成形、ブロー成形などが挙げられ
る。
【0043】本発明において、含浸とは、ガスが溶解し
た状態または収着した状態を意味する。また、本発明に
おいて、可塑化とは、流動性を備えておれば、特に限定
されないが、通常、溶融状態を意味する。
【0044】本発明において使用されるガスとしては、
常温・常圧で気体状態で、含浸によって原料樹脂を劣化
させることがなく、易可塑化できれば、特に限定されな
いが、たとえば、無機ガスや、フロンガス,低分子量の
炭化水素などの有機ガス等が挙げられるが、ガスの回収
が不要という点で無機ガスが好ましい。
【0045】上記無機ガスとしては、特に限定されれな
いが、たとえば、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、
ヘリウム、酸素などが挙げられ、これらを単独で用いた
り、2種以上併用することができる。
【0046】なお、上記した無機ガスのうち、炭酸ガス
が、樹脂に対する溶解度が高く、樹脂の溶融粘度の低下
が大きいため最も好ましい。
【0047】所定のガス含浸量とは、目標の粘度低下率
を達成するのに必要なガス量もしくは目標の発泡倍率を
達成するために必要なガス量であり、目的の成形品およ
びガスの種類、樹脂の種類によってそれぞれ任意に決定
される値であるが、通常、予め設定された一定圧力およ
び一定温度での樹脂に含浸できる最大ガス量(以下、
「飽和含浸量」と記す)とすることが好ましい。
【0048】すなわち、ガスは、前述のように、一定圧
力下で、時間の経過とともに、図10に示すような曲線
を描きながら、樹脂に含浸されていき飽和含浸量に達す
るようになっている。
【0049】したがって、ガスの含浸量Sを安定させる
ためには、所定含浸量を以下の式で決定される飽和含浸
量とすることが好ましい。
【0050】なお、飽和含浸量Sは、以下の式(イ)お
よび式(ロ)から求めることができる。
【0051】
【数1】 また、熱可塑性樹脂にガスを溶融させるのに要する時間
は、以下の〜のいずれかの方法により予め決定する
ことができる。
【0052】 図10に示したように、予め実験によ
りガス含浸量と時間の関係を測定する。
【0053】 熱可塑性樹脂とガスにより決定される
含浸係数を基に、以下の式(ハ)〜式(ホ)によって必
要含浸量到達時間を算出する。
【0054】
【数2】 浸透度(拡散係数とも呼ばれ、ガスと樹脂の種類に
よって決まる定数)に微少時間dt、熱可塑性樹脂の見
掛け表面積(ペレット等の表面積であって、多孔質部分
等の内表面積は含まない)A、微少厚みdtp 、微少厚
みの圧力差ΔPを掛け、微少時間後のガス浸透量を算出
する。これを積算し、目的のガス含浸量に到達した時間
を所定のガス含浸時間とする。
【0055】気密容器としては、ガスの圧力に耐えるこ
とができるとともに、ガスを均一に含浸させることがで
きれば、特に限定されないが、内部に樹脂ペレット等の
原料樹脂を攪拌する攪拌手段を備えたものが好ましい。
【0056】また、気密容器は、計量手段が設けられ、
この計量手段によって所定量の原料樹脂が気密容器内に
供給されたことが検知されると、原料樹脂の供給路が遮
断されるような構造とし、気密容器内に原料樹脂を定量
供給することができるようにしておくことが好ましい。
【0057】計量手段としては、特に限定されないが、
たとえば、タイマーを用いて成形時間を検出し樹脂使用
量を算出する方法、重量測定法、光反射法などが挙げら
れる。
【0058】気密容器へのガスの供給は、ガスボンベか
ら直接行っても良いし、プランジャーポンプ等の送気手
段を用いて加圧供給してもよい。
【0059】また、気密容器の原料樹脂供給口、ガス含
浸樹脂排出口およびガス供給口には、通常開閉バルブが
設けられるが、開閉バルブとしては、たとえば、高圧に
耐えられるY字型弁を回転モーターにより開閉させる手
段が挙げられる。
【0060】請求項1の製造方法において、気密容器が
3つ以上並列に設けられている場合、1つの気密容器か
らのガス含浸樹脂の供給が完了した後、他の気密容器の
うち、ガスの含浸時間の長いもの、あるいは、所定のガ
ス含浸時間以上のものを選択し、切り替えて他の気密容
器への切り替えるようにする。
【0061】請求項1および請求項2の製造方法におい
て、規定量とは、気密容器内に少し残っている場合も含
むが、気密容器の数を最小にすると言うことを考慮する
と、完全に空の状態を規定量とすることが好ましい。
【0062】請求項3および請求項8の製造方法におい
て、加熱温度は、室温を越え、原料熱可塑性樹脂の溶融
温度未満の温度に限定されるが、できるだけ溶融温度に
近い方が好ましい。
【0063】請求項4の製造方法において、高圧とは、
樹脂の種類によっても異なるが、1MPa以上の圧力状
態を示しており、特に超臨界状態(炭酸ガスの場合、
7.2MPa以上かつ31℃以上)であることが好まし
い。
【0064】請求項6の製造方法において、計算式の算
出根拠は、以下のとおりである。すなわち、1つの気密
容器中のガス含浸樹脂の消費時間をtc (秒)、1つの
気密容器のガス含浸樹脂終了からつぎのガス含浸樹脂開
始までの時間をts (秒)、気密容器からのガス含浸樹
脂の1回の供給量をL、成形品の容量をLm 、気密容器
の数をN、気密容器でのガスの飽和含浸に要する時間を
1 (秒)、1回の成形に要する時間をt2 (秒)とし
たとき、 tc =L/Lm ×t2s =tc ×(N−1)=L/Lm ×t2 ×(N−1)
となる。ここで、連続成形を行うための必要条件は以下
となる。 ts ≧t1 、すなわち、L/Lm ×t2 ×(N−1)≧
1 となる。この式を変形すると、L≧Lm /(N−
1)×t1 /t2 となる。
【0065】また、請求項14の製造装置のように、気
密容器の容量L´=Lとすることが好ましい。
【0066】可塑化装置として射出成形機を用いた場合
の気密容器の容量L´は、その上限がないが、射出成形
機の最大樹脂消費量をLi によって決定されるLi
(N−1)×t1 /t2 の大きさがあれば十分で、経済
的理由を考慮すると、L´≦L i /(N−1)×t1
2 を満足することがより好ましい。
【0067】請求項7の製造方法は、連続的に成形品を
得ることができる押出成形機にガス含浸樹脂を連続的に
供給するための気密容器の容量を規定したものであり、
その計算の算出根拠は、以下のとおりである。
【0068】すなわち、1つの気密容器中のガス含浸樹
脂の消費時間をtc (秒)、1つの気密容器のガス含浸
樹脂終了からつぎのガス含浸樹脂開始までの時間をts
(秒)、気密容器からのガス含浸樹脂の1回の供給量を
L、気密容器の数をN、気密容器でのガスの飽和含浸に
要する時間をt1 (秒)、押出成形機の単位時間あたり
の押出量をM(kg/時間)としたとき、 tc =L/(M/3600) ts =tc ×(N−1)=L/(M/3600)×(N
−1)となる。ここで、連続成形を行うための必要条件
は以下となる。 ts ≧t1 、すなわち、L/(M/3600)×(N−
1)≧t1 となる。この式を変形すると、L≧M/(N
−1)×t1 /3600となる。
【0069】また、請求項15の製造装置のように、気
密容器の容量L´=Lとすることが好ましい。
【0070】可塑化装置として押出成形機を用いた場
合、気密容器の容量L´は、その上限がないが、押出成
形機の最大押出量M’により決定される、M’/(N−
1)×t1 /3600の大きさがあれば十分で、経済的
理由を考慮すると、L´≦M’/(N−1)×t1 /3
600を満足することがより好ましい。
【0071】請求項9の製造方法において、ジャケット
内に供給する加熱媒体としては、特に限定されないが、
たとえば、水や、油などの液体、空気などの気体、さら
には、ゲル状物など半流動物などが挙げられる。
【0072】また、加熱媒体の供給方法としては、特に
限定されないが、たとえば、射出成形の金型温度を調整
するための温調機より温水を供給する方法などが挙げら
れる。
【0073】請求項10の製造方法および請求項20の
製造装置において、ヒータとしては、特に限定されない
が、たとえば、マントルヒータ、シーズヒータ、鋳込ヒ
ータ、温風ヒータ、赤外線ヒータ、カートリッジヒー
タ、バンドヒータ、セラミックヒータ、高周波加熱器な
どが挙げられる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0075】図1は、本発明にかかる請求項1の製造方
法および請求項12の製造装置の1つの実施の形態をあ
らわしている。
【0076】この製造方法は、まず、図1に示すような
製造装置Aを用意する。すなわち、この製造装置Aは、
1つのホッパー2と、気密容器としての二つの耐圧チャ
ンバ3a、3bと、ガスボンベ4a、4bと、供給路と
なるストレージタンク5と、可塑化装置としての射出成
形機6と、金型7とを備えている。
【0077】ホッパー2は、原料熱可塑性樹脂(以下、
「原料樹脂」と記す)が貯留されるようになっていると
ともに、下端が2つのバルブ22a,22bを備えた開
閉自在な排出口21a,21bに分かれている。
【0078】各排出口21a,21bは、容量L´の耐
圧チャンバ3a,3bにそれぞれ接続されている。すな
わち、耐圧チャンバ3a,3bは、バルブ22a,22
bの開閉によって排出口21a,21bを介してホッパ
ー2内の原料樹脂が供給されるようになっている。
【0079】また、耐圧チャンバ3a(3b)は、その
容量L´が、射出成形機6の1回の成形に要する時間を
2 、成形品の容量をLm とした時、L´≧Lm /(2
−1)×t1 /t2 の式を満足するように設定されてい
る。
【0080】さらに、耐圧チャンバ3a,3bは、バル
ブ31a,31bを備えた供給口32a,32bを介し
て後述するストレージタンク5に並列に接続されている
とともに、それぞれガスボンベ4a,4bからガスバル
ブ41a(41b)および減圧弁42a(42b)が設
けられたガス供給管43a(43b)を介して減圧され
て送られてくる炭酸ガスが供給されるようになってい
る。
【0081】すなわち、ホッパー32から供給された原
料樹脂を炭酸ガス雰囲気中に所定時間曝すことによって
飽和含浸状態のガス含浸樹脂を得ることができるように
なっている。そして、1回のガス含浸工程で得られたガ
ス含浸樹脂が完全に耐圧チャンバ3a(3b)からスト
レージタンク5に供給されるようになっている。つま
り、耐圧チャンバ3a(3b)からのガス含浸樹脂の1
回の供給量L=L´となっている。
【0082】また、耐圧チャンバ3a,3b内で原料樹
脂が飽和含浸状態のガス含浸樹脂になるまでの時間t1
は、耐圧チャンバ3a,3b内のガス含浸樹脂が、すべ
て消費される、すなわち、後述するようにストレージタ
ンク5に全て供給される時間より短くなるように設定さ
れている。
【0083】さらに、耐圧チャンバ3a,3bは、耐圧
チャンバ3a,3b中のガスを排気するバルブ付きの排
気口33a,33bと、計量手段(図示せず)を備えて
いる。
【0084】計量手段は、耐圧チャンバ3a,3b内に
所定量の原料樹脂がホッパー2から供給されたことを検
知すると、制御手段がバルブ22a,22bおよび排気
口33a,33bを自動的に閉じるようになっている。
【0085】ストレージタンク5は、耐圧チャンバ3a
(3b)から供給されたガス含浸樹脂を一旦貯留するこ
とができるようになっているとともに、射出成形機6と
の間に開閉バルブ51を備え、開閉バルブ51を開放す
ることによって貯留されたガス含浸樹脂を射出成形機6
に供給できるようになっている。
【0086】射出成形機6は、ストレージタンク5を介
して供給されたガス含浸樹脂を加熱混練して、可塑化状
態、すなわち、溶融状態の樹脂としたのち、金型7に射
出して、成形品を得ることができるようになっている。
【0087】開閉バルブ51は、射出成形機6からの信
号を受けて、計量完了時から射出完了まで閉じた状態に
なり、射出完了時から計量完了時まで開放した状態にな
るようになっている。
【0088】そして、この製造装置Aの動作を説明する
と、以下の通りになる。
【0089】 排気口33a(33b)を開放すると
ともに、バルブ31a(31b)およびガスバルブ41
a(41b)を閉鎖した状態で、バルブ22a(22
b)を開放し、排出口21a(21b)から原料樹脂を
耐圧チャンバ3a(3b)に充填する。
【0090】 所定量の原料樹脂が耐圧チャンバ3a
(3b)に充填されたことが計量手段によって検知され
ると、制御手段が信号をバルブ22a(22b)、排気
口33a(33b)およびガスバルブ41a(41b)
に送り、バルブ22a(22b)および排気口33a
(33b)を閉させるとともに、ガスバルブ41a(4
1b)を開放し、耐圧チャンバ3a(3b)内に炭酸ガ
スを供給する。
【0091】 予め求められた飽和含浸時間が経過し
て飽和量のガスが含浸したガス含浸樹脂を得られたの
ち、制御手段がガスバルブ41a(41b)およびバル
ブ31a(31b)へ信号を送り、ガスバルブ41a
(41b)を閉じさせるとともに、バルブ31a(31
b)を開放し、供給口32a(32b)を介してガス含
浸樹脂をストレージタンク5に供給するとともに、バル
ブ51を開放し、射出成形機6にストレージタンク5内
のガス含浸樹脂を供給し、射出成形機6内でガス含浸樹
脂を加熱混練して可塑化状態である溶融樹脂としたの
ち、この溶融樹脂を金型7内に射出して成形品を得る。
【0092】 耐圧チャンバ3a(3b)内のガス含
浸樹脂がすべてストレージタンク5に供給されると、制
御手段がバルブ31a(31b)へ信号を送りバルブ3
1a(31b)を閉じさせて再び〜の工程を行うと
ともに、他方の耐圧チャンバ3b(3a)のバルブ31
b(31a)を開放し、他方の耐圧チャンバ3b(3
a)中のガス含浸樹脂を同様にしてストレージタンク5
へのガス含浸樹脂の供給を開始する。
【0093】この製造方法によれば、以上のように、耐
圧チャンバ3a,3bを並列に設け、耐圧チャンバ3a
(3b)が、L´=L≧Lm /(N−1)×t1 /t2
の式を満足する容量L´に形成され、一方の耐圧チャン
バ3a(3b)からガス含浸樹脂を供給している間に、
他方の耐圧チャンバ3b(3a)内で新しい原料樹脂へ
の炭酸ガスの含浸を完了するようにしたので、ストレー
ジタンク5内には、常に、所定量の炭酸ガスが含浸さ
れ、易可塑化状態になったガス含浸樹脂が貯留されてい
ることになる。
【0094】したがって、ガス含浸待ちがなくなり、連
続的に成形を行うことができるようになり、生産性が向
上する。
【0095】また、含浸速度を上げるために、ガス圧を
上げる必要がなくなり、小さい耐圧性の気密容器で済
み、装置の製造コストも低減できる。
【0096】さらに、射出成形機6において、射出樹脂
の計量完了時から射出完了までの間、開閉バルブ51を
閉鎖し、射出完了時から計量完了までの間、開閉バルブ
51を開放するようにしたので、耐圧チャンバ3a(3
b)内の密閉状態が確保され、耐圧チャンバ3a(3
b)内の圧力変動が抑えられる。
【0097】したがって、耐圧チャンバ3a(3b)内
のガス含浸樹脂中に含浸されたガス量が安定し、品質の
よい成形品がより安定して得られる。
【0098】図2は本発明にかかる請求項2の製造方法
の1つの実施の形態をあらわしている。
【0099】この製造方法は、まず、図2に示すような
製造装置Bを用意する。すなわち、この製造装置Bは、
下手側の耐圧チャンバ(以下、「下部チャンバ」と記
す)3cと上手側の耐圧チャンバ(以下、「上部チャン
バ」と記す)3dの2つの耐圧チャンバを気密容器とし
て備え、この下部チャンバ3cと上部チャンバ3dとが
バルブ31dを介して直列に接続されている。また、上
部チャンバ3dにホッパ2bのバルブ22c付きの排出
口21cから原料樹脂が供給されるようになっていると
ともに、下部チャンバ3cと射出成形機6とがバルブ3
1cを介して接続され、下部圧チャンバ3cからガス含
浸樹脂を射出成形機6に供給するようにした以外は、製
造装置Aと同様の構造になっている。
【0100】図2中、33c,33dは排気口、4c,
4dはガスボンベ、41c,41dはガスバルブ、42
c,42dは減圧弁、43c,43dはガス供給管であ
る。
【0101】この製造装置Bを用いた熱可塑性樹脂成形
品の製造方法は、下部チャンバ3c内のガス含浸樹脂
が、射出成形機6に供給されている間に上手側の上部チ
ャンバ3dにホッパ2bから原料樹脂を供給したのち、
バルブ22cおよびバルブ31dを閉鎖した状態で、ガ
スバルブ41dを開放しガスボンベ4dの炭酸ガスを上
部チャンバ3d内に充填し、原料樹脂に炭酸ガスを含浸
させるガス含浸工程を実施する。
【0102】そして、下部チャンバ3c内のガス含浸樹
脂が、空に近づくと、バルブ22cを開放し、上部チャ
ンバ3d内で予めガスが含浸されたガス含浸樹脂を射出
成形機6での樹脂消費速度より速い速度で下部チャンバ
3cに供給するとともに、ガスバルブ41cを開放しガ
スボンベ4cの炭酸ガスを上部チャンバ3c内に充填
し、下部チャッバ3c内のガス含浸樹脂の飽和含浸状態
を確保する。
【0103】上部チャンバ3d内のガス含浸樹脂がすべ
て下部チャンバ3cに供給し終わった時、バルブ31
d,バルブ41cを閉じ、再び上部チャンバ3dでガス
含浸工程を実施する。
【0104】この製造方法によれば、下部チャンバ3c
内のガス含浸樹脂が空になる前に、予め上部チャンバ3
dでガス含浸樹脂を得、このガス含浸樹脂を下部チャン
バ3dに供給するようにしたので、ガス含浸待ちがなく
なり、連続的に成形を行うことができるようになり、生
産性が向上する。
【0105】また、含浸速度を上げるために、ガス圧を
上げる必要がなくなり、小さい耐圧性の気密容器で済
み、装置の製造コストも低減できる。
【0106】さらに、下部チャンバ3cでもガス含浸可
能としたので、より安定したガス含浸状態のガス含浸樹
脂を射出成形機6に供給することができる。
【0107】図3は本発明にかかる請求項3の製造方法
の1つの実施の形態をあらわしている。
【0108】この製造方法は、まず、図3に示すような
製造装置Cを用意する。すなわち、この製造装置Cは、
気密容器としての耐圧チャンバ3eが直接射出成形機6
に1つだけ接続され、ホッパ(図示せず)から供給され
た原料樹脂に耐圧チャンバ3e内でガスを含浸させるよ
うになっているとともに、耐圧チャンバ3eが、チャン
バ本体35と、このチャンバ本体35の周壁を覆うジャ
ケット36とを備え、ジャケット36に加熱媒体として
温水を通すことによってチャンバ本体35を加熱するこ
とができるようになっている。
【0109】すなわち、温水は、温調機38で温度調整
されて温水供給ホース38aからジャケット36に送ら
れ、ジャケット36内に蛇管状に配管された温水流路3
9、温水排水ホース38bを通り、温調機38へ戻ると
言う経路で循環するようになっている。
【0110】ガスは、ガスボンベ34eからガス供給管
43eの途中に設けられた加圧ポンプ42eを介して加
圧されて、耐圧チャンバ3eに送られるようになってい
る。
【0111】また、耐圧チャンバ3eは、接点付きの圧
力計37が設けられていて、この圧力計37によって耐
圧チャンバ3e内のガス圧を測定されるようになってい
るとともに、圧力計37によって測定されたガス圧に応
じてガス供給管43eのバイパス45eに設けられた電
磁弁44eを開閉して耐圧チャンバ3e内のガス圧を一
定に調整できるようになっている。
【0112】なお、図3中、21eは排出口、22eは
バルブ、31eはバルブ、32eは供給口、33eは安
全弁、41eはガスバルブである。
【0113】そして、この製造装置Cを用いた熱可塑性
樹脂成形品の製造方法は、まず、ジャケット36に温水
を通し、チャンバ本体35を、常温を越える原料樹脂の
溶融温度より少し低い温度まで加熱するとともに、バル
ブ31eおよびガスバルブ41eを閉じた状態で、バル
ブ22eを開放し排出口21eからホッパ2e内の原料
樹脂をチャンバ本体35に供給する。
【0114】つぎに、バルブ22eを閉じ、ガスバルブ
41eを開放して炭酸ガスをチャンバ本体35内に充填
し、原料樹脂に炭酸ガスを含浸させるガス含浸工程を実
施する。
【0115】ガス含浸工程が終了すると、バルブ31e
を開放し、チャンバ本体35内のガス含浸樹脂1を射出
成形機6に供給し、射出成形を行う。
【0116】そして、チャンバ本体35内のガス含浸樹
脂が空になると、再び同様の工程を繰り返すようになっ
ている。
【0117】この製造方法によれば、チャンバ本体35
が加熱されていて、ガス含浸工程において、原料樹脂が
常温を越える原料樹脂の溶融温度より少し低い温度まで
加熱されるので、従来の常温によるガス含浸に比べ含浸
速度が速く、ガス含浸待ちの時間が短縮できる。
【0118】被含浸物(ここでは高密度ポリエチレン)
へガスが拡散していく速度は、拡散係数が大きい程被含
浸物内にガスが速く拡散し、含浸時間が短くなる。因み
に、図4に示す、高密度ポリエチレンに対する炭酸ガス
の拡散係数と、温度との関係を見ると、高密度ポリエチ
レンの場合、室温に対し、含浸温度つまり耐圧チャンバ
の温度を80℃にすると、拡散係数を10.3倍にする
ことができることがわかる。
【0119】したがって、上記のように、含浸に要する
時間を短縮でき、生産効率を向上させることができる。
【0120】しかも、チャンバ本体35内にガスを充填
すると同時に原料樹脂が溶融状態になるまでチャンバ本
体35内を高温高圧状態にすれば、確かに、時間的には
ガス含浸に要する時間が短縮されるのであるが、耐圧チ
ャンバ35と射出成形機6との接続部などで、溶融した
樹脂同士が融着するブロッキング現象を示し、射出成形
機6への樹脂の供給が困難となる恐れがあるが、この製
造方法によれば、樹脂の溶融温度未満の加熱温度である
ため、ブロッキング等の問題もなく効率よく製造するこ
とができる。
【0121】本発明にかかる熱可塑性樹脂成形品の製造
方法は、上記の実施の形態に限定されない。
【0122】たとえば、製造装置Aおよび製造装置Bの
場合も、製造装置Cと同様に耐圧チャンバにジャケット
等の加熱手段を設け、原料樹脂を加熱できるようにして
も構わない。
【0123】また、製造装置Bの場合、上部チャンバの
容量と下部チャンバの容量とを異ならせても構わない。
【0124】上記の製造装置A〜Cでは、耐圧チャンバ
にホッパーから原料樹脂を供給するようにしていたが、
耐圧チャンバの上部開口部に蓋を設け、この蓋をボルド
止めなどの方法で開閉式として、ボルトを弛めて蓋を取
り除き、開放された上部開口部から耐圧チャンバに原料
樹脂を供給するようにしても構わない。
【0125】上記の製造装置A〜Cでは、ガス供給管の
途中に減圧弁を設け、ガスボンベのガスを減圧状態で耐
圧チャンバに供給するようになっていたが、耐圧チャン
バ内の圧力値は、必要ガス含浸量により決定される。し
たがって、減圧弁はなくても構わない。また、加圧ポン
プ等を設けて高圧化しても構わない。
【0126】製造装置Aでは、複数個の耐圧チャンバと
成形機の接続部に各耐圧チャンバと接続したストレージ
タンク5を設け、成形機への樹脂供給口を1点とするよ
うにしているが、2か所以上から成形機に供給できるよ
うにしても構わない。
【0127】製造装置Cでは、蛇管状に配管された循環
配管に温水を通してチャンバ本体を加熱するようにして
いたが、ジャケットをタンク状にしてこのタンク下端か
ら温水を入れ、上端から排出させるようにしても構わな
い。
【0128】また、製造装置Cでは、ジャケットがチャ
ンバ本体の側周面を覆うのみであったが、チャンバ本体
の全周面を囲むようにしても構わない。
【0129】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0130】(実施例1)図1に示した製造装置Aを用
い、以下のようにして射出成形品の製造を行った。
【0131】〔製造条件〕 耐圧チャンバ3a,3bの容量:10600cm3 原料樹脂:ポリプロピレン(jpo社製、MK411
B) 供給ガス:炭酸ガス 供給ガス圧:1.0MPa 含浸時間:2時間 成形品容量:30cm3 開閉バルブ22a、22bを開き二つの耐圧チャンバ3
a、3bにホッパー2より原料樹脂を投入後、開閉バル
ブ22a、22bを閉じ、耐圧チャンバ3a,3bを密
閉状態とした。
【0132】その後、ガスボンベ4a、4bから減圧弁
32a、32bにて1.0MPaに減圧した炭酸ガス
を、ガスバルブ41a、41bを経て供給した。
【0133】ガスバルブ41a、41bを閉じ、耐圧チ
ャンバ3a、3b内を1.0MPaに保持した状態で飽
和含浸時間である2時間放置し、炭酸ガスを樹脂に含浸
させた。
【0134】つぎに、バルブ31aおよびバルブ51を
開き、耐圧チャンバ3aからストレージタンク5を経て
射出成形機6にガス含浸樹脂を供給し、射出成形機6内
で可塑化を行い、成形品容量30cm3 の金型7に射出
して金型7形状の成形品を成形サイクル30秒で連続的
に成形した。
【0135】また、成形開始から160分後に耐圧チャ
ンバ3a内の樹脂が空となったので、バルブ41aおよ
びバルブ31aを閉じバルブ31bを開き、耐圧チャン
バ3b内のガス含浸樹脂を同様にして射出成形機6に供
給し、成形を続けるとともに、耐圧チャンバ3aに新た
に原料樹脂を供給し、バルブ41aを開き、減圧弁を介
して1.0MPaの炭酸ガスを耐圧チャンバ3aに充填
し、耐圧チャンバ3a内を1.0MPaに保持した状態
で放置した。
【0136】すなわち、耐圧チャンバ3a,3bで交互
にガス含浸工程を行い、射出成形機6にガス含浸樹脂を
途切れることなく供給するようにした。
【0137】上記操作を繰り返すことにより24時間連
続的に成形不良を発生せず成形を行うことが可能であっ
た。
【0138】また、各成形毎の射出時の最高圧力を圧力
センサーで調べ、その結果を、ガスを含浸させなかった
原料樹脂のみを直接射出成形機6に供給した場合の結果
とを合わせて図5に示した。
【0139】図5に示すように、実施例1の製造方法に
よれば、成形初期より24時間後の2880ショットま
で、炭酸ガスを含浸していない樹脂に対し、圧力を約3
0%低減した状態で、安定的に成形することが可能であ
ることがわかる。
【0140】(比較例1)1つの耐圧チャンバ(容量:
10600cm3 )のみが射出成形機にバルブを介して直
接接続された以外は、実施例1と同様の製造装置を用意
し、まず、バルブを開放して耐圧チャンバのガス含浸樹
脂を射出成形機に供給し、実施例1と同様にして成形品
を連続的に成形した。
【0141】約160分後に耐圧チャンバ内のガス含浸
樹脂が空になると、一旦バルブを閉じて耐圧チャンバに
原料樹脂を供給し、実施例1と同様にしてガス含浸工程
を実施するとともに、25分後にバルブを開放し、耐圧
チャンバ内のガス含浸樹脂を射出成形機に再び供給を開
始した。すなわち、25分間は、原料樹脂および炭酸ガ
スのの供給作業時間が必要なため成形を停止した。
【0142】そして、耐圧チャンバが空になる毎に上記
工程を繰り返し、24時間成形を続けた。なお、上述の
ように、160分毎に25分の成形停止時間が必要なた
め、2530ショットと実施例1の約87.8%の成形
品しか成形することができなかった。
【0143】さらに、各成形毎の射出時の最高圧力を圧
力センサーで調べ、その結果を、ガスを含浸させなかっ
た原料樹脂のみを直接射出成形機6に供給した場合の結
果とを合わせて図6に示した。
【0144】図6に示すように、比較例1の場合、成形
初期から320ショットまでは、酸ガスの含浸時間を充
分に確保したため、本発明と同様に炭酸ガスを含浸して
いない樹脂に対して約30%の圧力低減効果が得られて
いる。しかし、耐圧チャンバに新しい原料樹脂を供給し
た後(321ショット以降)の成形では、成形開始当初
に、ほとんど圧力低下効果が得られていない。その後、
除々に樹脂への炭酸ガスの含浸量が増大するために圧力
も徐々に低下し、最終的に本発明と同レベルまでの圧力
が見られる。
【0145】また、実施例1および比較例1で得られた
各ショット毎の成形品の重量変化を合わせて調べたとこ
ろ、図6に示すように、本発明の製造方法である実施例
1の方法を用いた場合、成形品の重量もバラツキがなく
良好であったのに対し、従来の製造方法である比較例1
の方法を用いた場合、一つの耐圧チャンバだけではガス
の含浸量が一定ではないため、成形ショット毎の圧力変
動が大きく、ショートショット不良で極端に重量の低い
ものも見られ、成形品の寸法・重量の安定が得られない
ことがよく分かる。
【0146】(実施例2)図3に示す製造装置Cの容量
が10600cm3 のチャンバ本体35に原料樹脂として
ポリプロピレン(jpo社製、MK411B)を供給
し、ジャケット36の温水流路39に90℃の温水を循
環させながら、加圧ポンプ42eによって10MPaに
加圧された炭酸ガスをチャンバ本体35内に充填し、こ
の状態を保ちながら、一定時間毎にバルブ31eをわず
かに開き、少量のガス含浸樹脂を抽出し、その重量を測
定し、以下の式(ヘ)を用いて一定時間毎の炭酸ガス含
浸率を算出した。
【0147】
【数3】 (比較例2)ジャケット36に温水を循環させず、チャ
ンバ本体35内を20℃に保った以外は、実施例2と同
様にして一定時間毎の炭酸ガス含浸率を算出した。
【0148】上記実施例2および比較例2で算出した一
定時間毎の炭酸ガス含浸率の時間に対する炭酸ガス含浸
率をプロットしたところ、図8のような増加曲線をそれ
ぞれ示した。
【0149】図8から、実施例2のように90℃に加熱
すれば、136分でガスが飽和状態まで含浸され、比較
例2のように20℃では1960分かかることがわか
る。
【0150】すなわち、ガスの含浸に要する時間が1/
14になり、生産効率が向上することがよくわかる。
【0151】
【発明の効果】本発明にかかる熱可塑性樹脂成形品の製
造方法および製造装置は、以上のように構成されている
ので、汎用熱可塑性樹脂は勿論のこと、難成形樹脂であ
っても、効率よく成形品を製造することができる。特に
汎用熱可塑性樹脂に関しては大幅に成形圧力を低減で
き、金型の小型化、成形時に発生する製品内の圧力分布
の低減が図れ寸法精度向上が図れる。
【0152】特に請求項6および請求項14のようにす
れば、ガス含浸待ち時間がなくなり、射出成形を連続的
に行えるとともに、安定した品質の成形品を得ることが
できる。
【0153】また、請求項7および請求項15のように
すれば、ガス含浸待ち時間がなくなり、難成形樹脂であ
ってもスムーズに安定した品質で押出成形を行うことが
できる。
【0154】また、請求項11のようにすれば、気密容
器中のガス含浸樹脂中に含浸されたガス量の変動が少な
く、より品質の安定した成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の製造方法の1つの実施の形態を説明
する製造装置の模式図である。
【図2】請求項2の製造方法の1つの実施の形態を説明
する製造装置の模式図である。
【図3】請求項3の製造方法の1つの実施の形態を説明
する製造装置の模式図である。
【図4】樹脂含浸時の温度とガス拡散係数の関係をあら
わすグラフである。
【図5】実施例1の製造方法を24時間実施した時の、
1回の射出成形毎の射出圧の測定結果の変化を、従来の
製造方法の場合と比較したグラフである。
【図6】比較例1の製造方法を24時間実施した時の、
1回の射出成形毎の射出圧の測定結果の変化を、従来の
製造方法の場合と比較したグラフである。
【図7】実施例1および比較例1の1回の射出成形毎に
得られた成形品の製品重量の変化を比較したグラフであ
る。
【図8】実施例2と比較例2のガス含浸率の時間経過を
比較したグラフである。
【図9】ガス圧力と飽和ガス含浸量との関係をあらわす
グラフである。
【図10】一定ガス圧下のガス含浸量の時間経過をあら
わすグラフである。
【符号の説明】
3a〜3e 耐圧チャンバ(気密容器) 5 ストレージタンク(供給路) 6 射出成形機(可塑化装置) 7 金型 8 原料樹脂 36 ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 101:12 B29K 101:12

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温・常圧で気体状態のガスを、気密容器
    に充填し気密容器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所
    定のガス含浸量のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、
    ガス含浸工程で得られたガス含浸樹脂を供給路を介して
    気密容器に接続された可塑化装置へ供給する樹脂供給工
    程と、供給されたガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化
    したのち、得られた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形
    状の成形品を得る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形
    品の製造方法において、複数の気密容器を前記供給路に
    並列に接続し、1つの気密容器からガス含浸樹脂を可塑
    化装置へ供給すると同時に、他の気密容器でガス含浸工
    程を実施し、1つの気密容器からのガス含浸樹脂の供給
    が規定量に達すると、ガス含浸工程が終了した他の気密
    容器からのガス含浸樹脂の供給に切り替えるとともに、
    供給の終わった気密容器に順次新しい原料熱可塑性樹脂
    を充填してガス含浸工程を実施することを特徴とする熱
    可塑性樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】常温・常圧で気体状態のガスを、気密容器
    に充填し気密容器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所
    定のガス含浸量のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、
    ガス含浸工程で得られたガス含浸樹脂を供給路を介して
    気密容器に接続された可塑化装置へ供給する樹脂供給工
    程と、供給されたガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化
    したのち、得られた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形
    状の成形品を得る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形
    品の製造方法において、複数の気密容器を直列に接続す
    るとともに、供給路を介して最も下手の気密容器を可塑
    化装置に接続し、最も下手の気密容器中のガス含浸樹脂
    が可塑化装置に供給されている間に、上手側の他の気密
    容器によってガス含浸工程を実施し、最も下手の気密容
    器中のガス含浸樹脂が規定量供給されると、前記供給路
    を遮断し、上手側の気密容器で予めガス含浸されたガス
    含浸樹脂を順次下手側の気密容器に移し替えたのち、再
    び最も下手の気密容器中のガス含浸樹脂を可塑化装置に
    供給を開始することを特徴とする熱可塑性樹脂成形品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】常温・常圧で気体状態のガスを、気密容器
    に充填し気密容器内で原料熱可塑性樹脂に含浸させて所
    定のガス含浸量のガス含浸樹脂を得るガス含浸工程と、
    ガス含浸工程で得られたガス含浸樹脂を供給路を介して
    気密容器に接続された可塑化装置へ供給する樹脂供給工
    程と、供給されたガス含浸樹脂を可塑化装置内で可塑化
    したのち、得られた可塑化樹脂を金型へ供給して金型形
    状の成形品を得る成形工程とを備える熱可塑性樹脂成形
    品の製造方法において、ガス含浸工程時に気密容器中の
    原料熱可塑性樹脂を、室温を越え、原料熱可塑性樹脂の
    溶融温度未満の温度に加熱することを特徴とする熱可塑
    性樹脂成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】ガス含浸工程時に、ガスを気密容器内で高
    圧状態にしておく請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】可塑化装置が射出成形機であって、射出成
    形機の計量完了時に供給路を閉じる請求項1〜請求項4
    のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】可塑化装置が射出成形機であって、L≧L
    m /(N−1)×t1 /t2 〔但し、Lは気密容器から
    のガス含浸樹脂の1回の供給量、Lm は成形品の容量、
    Nは気密容器の数、t1 は気密容器でのガスの飽和含浸
    に要する時間、t2 は1回の成形に要する時間であ
    る。〕の式を満足する同容量のN個の気密容器を用いる
    請求項1、請求項4、および、請求項5のいずれかに記
    載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】可塑化装置が押出成形機であって、L≧M
    /(N−1)×t1 /3600〔但し、Lは気密容器か
    らのガス含浸樹脂の1回の供給量、Nは気密容器の数、
    1は気密容器でのガスの飽和含浸に要する時間、Mは
    押出成形機の単位時間あたりの押出量である。〕の式を
    満足する同容量のN個の気密容器を用いる請求項1また
    は請求項4に記載の熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】ガス含浸工程時に気密容器中の原料熱可塑
    性樹脂を室温を越え、原料熱可塑性樹脂の溶融温度未満
    の温度に加熱する請求項1,請求項2,請求項4、請求
    項5、請求項6および請求項7のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】気密容器にジャケットを設け、このジャケ
    ット内に加熱媒体を供給して気密容器中の原料熱可塑性
    樹脂を加熱する請求項3または請求項8に記載の熱可塑
    性樹脂成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】気密容器にヒータを設け、このヒータに
    よって気密容器中の原料熱可塑性樹脂を加熱する請求項
    3、請求項8および請求項9のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】可塑化装置が射出成形機であって、計量
    完了時から射出完了までの間、気密容器から射出成形機
    へのガス含浸樹脂の供給路を閉鎖し、射出完了時から計
    量完了までの間、気密容器から射出成形機へのガス含浸
    樹脂の供給路を開放状態にする請求項1、請求項2、請
    求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項8,請
    求項9および請求項10のいずれかに記載の熱可塑性樹
    脂成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】原料熱可塑性樹脂と常温常圧でガス状態
    のガスとを一旦貯留し、ガスを原料熱可塑性樹脂に含浸
    可能な気密容器と、この気密容器に供給路を介して接続
    されて気密容器から供給された樹脂を可塑化する可塑化
    装置と、この可塑化装置から供給される可塑化装置で可
    塑化された可塑化樹脂を所望の形状に賦形する金型とを
    備える熱可塑性樹脂成形品の製造装置において、前記気
    密容器を複数個有し、これらの気密容器が、前記供給路
    に並列に接続されているとともに、供給路との連通状態
    を個々に遮断可能なバルブを備えていることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  13. 【請求項13】ガス含浸済みのガス含浸樹脂が1つの気
    密容器から可塑化装置へ規定量送られると、バルブを閉
    じてこの気密容器と供給路との間を遮断するとともに、
    所定量のガスが含浸されたガス含浸樹脂入りの他の気密
    容器または最もガス含浸時間の長いガス含浸樹脂が入っ
    た気密容器のバルブを開放するとともに、供給の終わっ
    た気密容器に順次新しい原料熱可塑性樹脂を充填してガ
    ス含浸を行うように制御する制御手段を備えている請求
    項12に記載の熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  14. 【請求項14】可塑化装置が射出成形機であって、全て
    の気密容器が以下の式(1)を満足する同一容量L´に
    形成されている請求項12または請求項13に記載の熱
    可塑性樹脂成形品の製造装置。 L´≧Lm /(N−1)×t1 /t2 ・・・(1) 〔但し、Lm は成形品の容量、Nは気密容器の数、t1
    は気密容器でのガスの飽和含浸に要する時間、t2 は1
    回の成形に要する時間である。〕
  15. 【請求項15】可塑化装置が押出成形機であって、全て
    の気密容器が以下の式(2)を満足する同一容量L´に
    形成されている請求項12または請求項13に記載の熱
    可塑性樹脂成形品の製造装置。 L´≧M/(N−1)×t1 /3600・・・(2) 〔但し、Nは気密容器の数、t1 は気密容器でのガスの
    飽和含浸に要する時間、Mは押出成形機の単位時間あた
    りの押出量である。〕
  16. 【請求項16】原料熱可塑性樹脂と常温常圧でガス状態
    のガスとを一旦貯留可能な気密容器と、この気密容器に
    樹脂供給路を介して接続されて気密容器から供給された
    樹脂を可塑化する可塑化装置と、この可塑化装置から供
    給される可塑化装置で可塑化された可塑化樹脂を所望の
    形状に賦形する金型とを備える熱可塑性樹脂成形品の製
    造装置において、前記気密容器が、内部に充填された原
    料熱可塑性樹脂の加熱手段を備えていることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  17. 【請求項17】気密容器が内部に充填された原料熱可塑
    性樹脂の加熱手段を備えている請求項12〜請求項16
    のいずれかに記載の熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  18. 【請求項18】加熱手段が気密容器の周囲に設けられ、
    加熱媒体の供給により気密容器内を加熱するジャケット
    である請求項16または請求項17に記載の熱可塑性樹
    脂成形品の製造装置。
  19. 【請求項19】加熱媒体が温水である請求項18に記載
    の熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
  20. 【請求項20】加熱手段がヒータである請求項16また
    は請求項17に記載の熱可塑性樹脂成形品の製造装置。
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