JP3284749B2 - ラザニア及びラザニアの製造法 - Google Patents

ラザニア及びラザニアの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラザニア(ミートソー
ス、ホワイトソース、挽肉等と幅広パスタを交互に重ね
た料理)を簡単に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来ラザニアを製造する場合、容器にソ
ース(一般的にはミートソースまたは溶かしたバター)
を充填し、その上にボイルした平パスタを敷き、その後
再度ソースを充填し、更に平パスタを敷きその上にソー
スを充填し、この工程を繰り返すことにより、パスタと
ソースの層状構造(通常は2〜4層のことが多い)を作
っていた。
【0003】しかしこの方法であるとソースの充填およ
びパスタを敷く回数が多く、非常に手間がかかる。ま
た、平パスタは薄く保型性が非常に悪く、パスタの敷き
込みの作業性は大変悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の製造プロセスの有する課題、すなわちソースの充
填および平パスタの敷く回数を減少させるともにパスタ
の保型性を向上させ、パスタの敷き込み作業性の向上
等、作業性を改善することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、事前に2枚のめん帯
8、9の間にソース層7を充填し、サンドイッチ様なも
のを調製後、トレー1のサイズに合わせてカットシール
し、めん帯5、6でソース層7を覆った袋状パスタ3を
調製し、これをトレー2に投入することで、パスタの敷
込みとソースの充填を同時に行うことを可能にした。ま
た、パスタの保型成を向上させることによりハンドリン
グ性を改善し、生産を容易に行うことを可能とした。
【0006】すなわち本願発明は、 (1)めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソース層
7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パスタ3を
ボイルまたは蒸し後、ソース層2を充填したトレー1に
投入することを特徴とするラザニアの製造法; (2)めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソース層
7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パスタ3を
ボイルまたは蒸し後、トレー1に投入し、その後ソース
層4を積層することを特徴とするラザニアの製造法; (3)めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソース層
7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パスタ3を
ボイルまたは蒸し後、ソース層2を充填したトレー1に
投入し、その後ソース層4を積層することを特徴とする
ラザニアの製造法; (4)(1)ないし(3)記載の製造法によって得られ
るラザニアである。
【0007】一般にラザニアとは、ミートソース、ホワ
イトソース、平パスタをそれぞれ相互に重ねて作ったグ
ラタン(オーブン等で焼きあげる料理)である。しかし
ここでいうラザニアとは、トレー内に肉等の具材等を含
有するソース層と平パスタが交互に重ねられたものであ
る。
【0008】本発明に用いられるトレー1は素材、形状
の限定を受けない。通常用いられるものでよい。
【0009】本発明に用いられるめん帯5、6、8、9
は素材、製造法の限定を受けない。めん帯の配合は一般
的なパスタと同様デュラム粉を主体としたものでも強力
粉を主体としたものでも、例えば餃子の皮等配合でもよ
い。また製めんは手打ちやエクストルーダー等の装置を
使用しても何等問題はない。
【0010】トレー1に充填するソース層2、ボイルま
たは蒸し後トレー1に投入する袋状パスタ3に積層する
ソース層4は素材の限定を受けない。具体的にはミート
ソース、ホワイトソースがあげられる。ソース層には肉
等の具材が含まれていても良い。
【0011】めん帯6の上方に積層されるソース層7は
素材の限定を受けない。ミートソース、ホワイトソース
などがあげられる。またミートソース、ホワイトソース
などで味付けされた肉等も用いることができる。
【0012】特に、ハンバーグの様な肉ベースの具やス
リミベースの具等、加熱後固まるものは袋状パスタ3の
保型性が著しく向上するので大量調製時は特に好まし
い。
【0013】本発明にいう袋状パスタ3(図2、3)は
以下のようにして製造される。あらかじめめん帯を調製
し、ミートソースやホワイトソース等のソース層7をめ
ん帯8上に敷き、もう一枚のめん帯9を重ね合わせ後、
トレー1の形状に合わせた大きさにシール、カット(パ
イシートカッター等使用)し、めん帯5、6で覆われた
袋状パスタ3を調製する(図4)。
【0014】大量生産時は、エクストルーダーを使用し
幅広の長いめん帯8、めん帯9の2枚を調製し、めん帯
8の上にデポジッターでミートソース等のソース層7を
絞り出し、その上にめん帯9をのせ、パイカッターでト
レー1のサイズにシールカットすることで袋状パスタ3
を調製することで、大量、かつ容易に袋状パスタ3を調
製することが出来る。
【0015】袋状パスタ3はトレー1に投入する前にボ
イルや蒸し等の加熱を行い所定の硬さに調整する。この
時2枚のめん帯5、6で袋状にすることで強度が増し、
パスタのボイル時の切れや折れが防止され作業性が向上
する。更に、加熱済み袋状パスタを事前に凍結後トレー
に投入することで、袋状パスタの保形成がアップし折れ
やしなりが防止でき、トレー1への投入の作業性が著し
く向上する。
【0016】本発明のラザニアは以下のようにして製造
される。あらかじめソース層2を充填したトレー1に袋
状パスタ3を投入後その上にソース層4を充填し、必要
に応じて粉チーズやシュレットチーズを表面に振りかけ
て目的とするラザニア得る(図1)。更にソース層4の
上に袋状パスタ3を投入し、その上にソース層を充填す
る操作を繰り返すことで好みの層数のラザニアも容易に
得ることができる。ソース層2又は4を充填しない場合
に得られるものも本発明のラザニアである。
【0017】本発明のラザニアには、急速凍結やレトル
ト処理を行うことで保存性を付与することもできる。
【0018】このようにして得られたラザニアは、オー
ブンやオーブントースター等で調理することで通常の方
法で製造したラザニアと遜色の無い品質を得ることがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0020】(実施例 冷凍ラザニアの製造) 市販強力粉100部、割ほぐした全卵35部、食塩1部
を合わせ、手でよく混練後、生地玉を調製した。調製し
た生地玉はラップにくるみ室温にて30分放置し熟成し
た。熟成後の生地玉をめん棒で圧延し、幅約30cm、
長さ90cm、厚み0.8mmめん帯を3枚調製した。
【0021】3枚のめん帯のうちの1枚のめん帯8に市
販ミートソース(缶詰め)をのせた。具体的には図4に
示すようにめん10cm2あたり30gとなるよう絞り
袋でのせた。もう1枚のめん帯9を上から合わせ、パイ
カッターを使用して図2、3に見られる10cm角にシ
ール、カットされた袋状パスタ3を作った。この袋状パ
スタ3は3分間ボイルされた。
【0022】ソース層2として市販ミートソース60g
(缶詰め)を充填したトレー1(実際にはグラタン皿
(10×10cm))にボイルされた袋状パスタ3を投
入し、その上にソース層4として市販ホワイトソース6
0gを層状に充填した。最後に、粉チーズ(パルメザン
チーズ)をふりかけ、急速凍結し、ビニールの袋に密閉
し、そして−18℃に保存した。
【0023】対照として一般的なラザニアの製法による
ものも行った。すなわち、上記で調製した残りの1枚の
めん帯をパイカッターを使用して10cm角に2枚切り
出し、お互いが付着したり切れのないよう慎重に3分間
ボイルした。事前に市販ミートソース60g(缶詰め)
を充填したグラタン皿(10×10cm)に、ボイルし
ためん帯を敷込んだ。すなわち、両手でめん帯の両端を
持って慎重に敷込み、その上にミートソース30gを層
状に充填し、更にその上にもう1枚のボイル後のめん帯
を1枚目と同様慎重に敷込み、そのめんの上に市販ホワ
イトソース60gを層状に充填した。最後に、粉チーズ
(パルメザンチーズ)をふりかけ、急速凍結し、ビニー
ルの袋に密閉し、そして−18℃に保存した。
【0024】本発明品と対照品を−18℃1週間冷凍保
存した後、コンベクションオーブン(250℃)で15
分加熱調理後、試食したところ本発明より調製したテス
ト品は対照品に比較し遜色がなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明のラザニアの製造法では、袋状パ
スタ3をあらかじめ製造するので、2枚のパスタとソー
スを同時に充填することが出来る。これは工程の簡略化
につながる。
【0026】のみならず、袋状にすることでめん帯の強
度が上がり保型性が向上するおかげで、ボイル時のパス
タの切れが防止される。さらに、めん帯をトレーに敷込
む場合、これまで両手で行っていたものが、片手で行え
るようになる。すなわち、作業性が大きく改良される。
【0027】さらには、めん帯の強度が上がり保型性が
向上するおかげで、敷込み時に歪みが生じなくなる。し
たがって敷込み作業に気を使わなくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラザニアの断面図。
【図2】袋状パスタ3。
【図3】袋状パスタ3の断面図。
【図4】袋状パスタ3の製造工程。
【符号の説明】
1:トレー 2、4:ソース層 3:袋状パスタ 5、6、8、9:めん帯 7:ソース層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−13977(JP,A) 特開 平3−272672(JP,A) 特開 平4−341148(JP,A) 特開 昭59−132864(JP,A) 特開 平7−222573(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/48 A23L 1/16 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソ
    ース層7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パス
    タ3をボイルまたは蒸し後、ソース層2を充填したトレ
    ー1に投入することを特徴とするラザニアの製造法。
  2. 【請求項2】めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソ
    ース層7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パス
    タ3をボイルまたは蒸し後、トレー1に投入し、その後
    ソース層4を積層することを特徴とするラザニアの製造
    法。
  3. 【請求項3】めん帯6の上方にソース層7を積層し、ソ
    ース層7の上方にめん帯5を積層して得られる袋状パス
    タ3をボイルまたは蒸し後、ソース層2を充填したトレ
    ー1に投入し、その後ソース層4を積層することを特徴
    とするラザニアの製造法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3記載の製造法によって得
    られるラザニア。
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