JP3284347B2 - 塩類濃度の高い排水中のほう素除去方法 - Google Patents

塩類濃度の高い排水中のほう素除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩類濃度の高い排
水中のほう素除去方法に係り、特に表面処理工場や産業
廃棄物処分場などの有害物質を処理した後の塩類濃度の
高い排水、塩類濃度が高く炭酸塩、有機物を含む排水中
のほう素除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表面処理工場や産業廃棄物処分場
の排水中に含まれるほう素の除去は、排水中の他の有害
物質を処理した後、グルカミン形のイオン交換樹脂でほ
う素を選択的に吸着するキレート樹脂法で行われてい
る。また、めっき排水中に含まれるほう素については、
めっき排水中にニッケルイオン共存下でマグネシウムイ
オンを添加して、ほう素、マグネシウム及びニッケルの
不溶化物として共沈させるほう素の除去法を提案した
(特願平11−29902)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のキレート樹脂法
による排水中のほう素除去では、吸着量が少なくまた処
理能力も小さい。またキレート樹脂に飽和に吸着したほ
う素を溶離液で回収するが、回収したほう素溶液の処分
が困難であるという問題がある。さらに、キレート樹脂
は高価であり、大量の排水を処理するにはコストがかか
るという問題がある。また、先に提案した、めっき洗浄
排水中のほう素をニッケルイオン共存下でマグネシウム
イオンを添加して不溶化物として除去処理する方法で
は、溶存物質が少ない排水に対しては効果的にほう素を
除去することができ、コストも安価で有効である。しか
しながら、表面処理工場や産業廃棄物処分場等の総合排
水で有害物質を処理した後の塩類浪度の高い排水や、有
機物を生物処理した後の有機物及び炭駿塩が多い排水中
のほう素は、充分に除去することができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためのもので、重金属の有害物質の処理を行いそ
の処理反応で生成した塩類濃度の高い排水で電気伝導率
として500mS(ジーメンス)/m以上となるような
塩類を含んでいるもので、かつ炭酸塩及び有機物を含み
前記有機物の全有機炭素量が300mg/L以上である
排水のpHを2以下に保ち空気曝気または真空脱気して
二酸化炭素を除去する処理を行った後に、排水にマグネ
シウムイオンを含む溶液と2価の鉄イオンを含む溶液1
00mg/L〜500mg/Lとを添加し、次いで水酸
化ナトリウム溶液を添加してpH10.5〜11.5に
調節し、ほう素及びマグネシウムの不溶解物質を生成さ
せ、前記不溶解物質を分離することによりほう素を除去
することを特徴とする塩類濃度が高く炭酸塩及び有機物
を含む排水中のほう素除去方法である。
【0005】また、本発明は、重金属の有害物質の処理
を行いその処理反応で生成した塩類濃度の高い排水で電
気伝導率として500mS(ジーメンス)/m以上とな
るような塩類を含んでいるもので、かつ炭酸塩及び有機
物を含み前記有機物の全有機炭素量が300mg/L以
上である排水のpHを2以下に保ち空気曝気または真空
脱気して二酸化炭素を除去する処理、活性炭吸着処理し
て有機物を除去を行った後に、排水にマグネシウムイオ
ンを含む溶液を添加し、次いで水酸化ナトリウム溶液を
添加してpH10.5〜11.5に調節し、ほう素及び
マグネシウムの不溶解物質を生成させ、前記不溶解物質
を分離することによりほう素を除去することを特徴とす
る塩類濃度が高く炭酸塩及び有機物を含む排水中のほう
素除去方法である。
【0006】また、本発明の塩類濃度が高く炭酸塩及び
有機物を含む排水中のほう素除去方法は、水酸化ナトリ
ウム溶液を添加して調節するpHが、10.7〜11.
2であることを特徴とするものである。また、本発明の
塩類濃度が高く炭酸塩及び有機物を含む排水中のほう素
除去方法は、マグネシウムイオンを含む溶液が、塩化マ
グネシウム溶液又は硫酸マグネシウム溶液であることを
特徴とするものである。また、本発明の塩類濃度が高く
炭酸塩及び有機物を含む排水中のほう素除去方法は、マ
グネシウムイオンを含む溶液のマグネシウムイオン量
が、排水中のほう素の重量比で30〜70倍であること
を特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の塩類濃度の高い排水中のほう素除去方
法は、排水にマグネシウムイオンを含む溶液を添加し、
次いで水酸化ナトリウム溶液を添加してpH10.5〜
11.5、好ましくは10.7〜11.2に調節し、マ
グネシウムの水酸化物である、ほう素及びマグネシウム
の不溶解物質を生成させるものである。
【0008】このpHの範囲で、ほう素は、解離しない
ほう酸(HBO)と解離によってマイナスイオンが
生ずるほう酸(HBO )が混在する。なお、解離
しないほう酸がHBOとして、解離によってマイナス
イオンが生ずるほう酸がBO として、これらが混在
する場合もある。また、マグネシウムイオンは、水酸化
物生成の初期に生ずるプラスを帯びた水酸化マグネシウ
ム(MgOH)と解離しない水酸化マグネシウム[M
g(OH)〕が混在する。水酸化ナトリウム溶液を加
えて、pH10.5〜11.5、好ましくは10.7〜
11.2に保持して、解離しないほう酸(HBO
と解離によってマイナスイオンが生ずるほう酸(H
)、プラスを帯びた水酸化マグネシウム(MgO
)と解離しない水酸化マグネシウム(Mg(OH)
)が、混在している溶液を攪拌することによって、マ
イナスイオンを帯びたほう酸(HBO )と、プラ
スを帯びた水酸化マグネシウム(MgOH)とが反応
して不溶解物質になると考えられる。また同時に、解離
しない水酸化マグネシウム(Mg(OH))に解離し
ないほう酸(HBO)を吸着させて共沈させると考
えられる。
【0009】また、塩類濃度の高く炭酸塩を含む排水の
場合には、排水のpHを2以下に保ち空気曝気または真
空脱気して二酸化炭素を除去する処理を行った後に、マ
グネシウムイオンを含む溶液を添加し、次いで水酸化ナ
トリウム溶液を添加してpH10.5〜11.5、好ま
しくは10.7〜11.2に調節し、マグネシウムの水
酸化物である、ほう素及びマグネシウムの不溶解物質を
生成させるものである。また、塩類濃度の高く炭酸塩及
び有機物を含む排水の場合には、排水のpHを2以下に
保ち空気曝気または真空脱気して二酸化炭素を除去する
処理を行った後に、マグネシウムイオンを含む溶液と2
価の鉄イオンを含む溶液を添加し、次いで水酸化ナトリ
ウム溶液を添加してpH10.5〜11.5、好ましく
は10.7〜11.2に調節し、マグネシウムの水酸化
物である、ほう素及びマグネシウムの不溶解物質を生成
させるものである。
【0010】有機物を多く含む排水は生物処理が行われ
るが、この生物処理した後の排水には、多くの炭酸塩と
ある程度の有機物が含まれている。このような排水にマ
グネシウムイオンを含む溶液を添加すると、炭酸マグネ
シウムが形成されるだけで、本発明の意図するほう素の
処理には作用しない。そこで排水のpHを2以下に保
ち、空気曝気または真空脱気して二酸化炭素を除去する
ものである。炭酸塩はpHによってその存在が変わり、
アルカリ性では炭酸イオン(CO 2−)、中性では炭
酸水素イオン(HCO )、酸性で二酸化炭素(CO
)の気体として存在するものであり、排水のpHを2
以下に保持することにより除去することかできるもので
ある。また、鉄イオンを含む溶液を添加することによっ
て有機物を吸着すると同時に有機物と化合しているほう
素も吸着されると考えられる。有機物の影響を少なくす
ることができるものである。
【0011】なお、先に提案しためっき排水中のほう素
除去法(特願平11−29902)、即ちめっき排水に
ニッケルイオン共存下でマグネシウムイオン、水酸化ナ
トリウム溶液を添加してpH9.5〜11に調節して不
溶化物として除去処理する方法により、塩類濃度の高い
排水、また塩類濃度が高く炭酸塩や有機物を含む排水を
処理しても、マグネシウムの水酸化物の生成が少なく、
ほう素及びマグネシウムの不溶解物質として除去するこ
とができない。そこで本発明は、先に提案しためっき排
水中のほう素除去方法とは、ニッケルイオン共存下では
ないこと、pH10.5〜11.5と高い範囲にしたこ
と、また炭酸塩や有機物を多く含む排水では、pHを2
以下に保ち空気曝気または真空脱気の処理をすること、
2価の鉄イオンを含む溶液を添加すること等の相違する
工程により、塩類濃度の高い排水、また塩類濃度が高く
炭酸塩や有機物を含む排水中のほう素を、マグネシウム
の水酸化物であるほう素及びマグネシウムの不溶解物質
として生成させて除去したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】表面処理排水や産業廃業物処分場
排水中には多種類の有害物質を含むため、複数の処理技
術を組み合わせて有害物質の処理が行われている。ほう
素の除去処理は、ある程度他の有害物質を処理した後で
除去した方が処理しやすい。しかし、有害物質の処理に
使用された薬品類によって、排水中の塩類濃度は高くな
っている。さらに、産業廃棄物処分場の排水のように有
機物が多い場合、生物処理が行われ有機物が二酸化炭素
と水に分解されるが、処理した水は、pHが中性からア
ルカリ性であるため、炭酸塩がほぼ飽和状態で排水中に
含まれている。本発明は、このような塩類濃度が高く炭
酸塩及び有機物が含まれる排水中のほう素を除去処理す
るものである。
【0013】本願発明が、ほう素除去をしようとする塩
類濃度の高い排水とは、例えば、排水処理後の処理排水
中に主に溶解している硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム
のような塩類を含むものである。これは、銅、亜鉛、ニ
ッケルなどの重金属の有害物質の処理に使用される水酸
化ナトリウム、硫酸、塩酸によって処理反応で硫酸ナト
リウムや塩化ナトリウムが生成し、処理後の排水中に溶
存して塩類の濃度が高くなっている。具体的には電気伝
導率として500mS(ジーメンス)/m以上となるよ
うな塩類を含んでいるものである。また排水に含まれる
有機物については、酢酸、シュウ酸、クエン酸等の有機
酸、高分子化合物、アミノ酸のようなものを含むもので
あり、全有機炭素量として300mgC/L以上の有機
物を含むものでは、鉄イオンを含む溶液の添加、活性炭
吸着処理を行うものである。
【0014】本発明の排水中のほう素の処理方法につい
て、具体的に示せば、塩類濃度の高い排水に塩化マグネ
シウム又は硫酸マグネシウム溶液を添加し、5〜10%
の水酸化ナトリウム溶液でpHを10.5〜11.5、
好ましくは10.7〜11.2に調節し、10分間攪拌
し、不溶解物質を生成させ、凝集沈殿法によって固液分
離してほう素を除去処理するものである。塩類濃度が高
く炭酸塩を含む排水には、硫酸溶液を添加してpHを2
以下に保ち、30分間空気曝気あるいは真空脱気して二
酸化炭素を除去し、塩化マグネシウム又は硫酸マグネシ
ウム溶液を添加し、5〜10%の水酸化ナトリウム溶液
でpHを10.5〜11.5、好ましくは10.7〜1
1.2に調節し、10分間攪拌し、不溶解物質を生成さ
せ、凝集沈殿法によって固液分離してほう素を除去処理
するものである。また、塩類濃度が高く有機物及び炭酸
塩を含む排水には、硫酸溶液を添加してpHを2以下に
保ち、30分間空気曝気あるいは真空脱気して二酸化炭
素を除去し、塩化鉄溶液と塩化マグネシウム又は塩化鉄
溶液と硫酸マグネシウム溶液を添加し、5〜10%の水
酸化ナトリウム溶液でpHを10.5〜11.5、好ま
しくは10.7〜11.2に調節し、10分間攪拌し、
不溶解物質を生成させ、凝集沈殿法によって固液分離し
てほう素を除去処理するものである。
【0015】また、塩類濃度が高く有機物及び炭酸塩を
含む排水であって、全有機炭素量として300mgC/
L以上の有機物を含む排水には、硫酸溶液を添加してp
Hを2以下に保ち、30分間空気曝気あるいは真空脱気
して二酸化炭素を除去し、そして添加する塩化鉄溶液と
塩化マグネシウム又は塩化鉄溶液と硫酸マグネシウム溶
液については、2価の鉄イオンを含む溶液を100mg
/L〜500mg/L添加する。次いで5〜10%の水
酸化ナトリウム溶液でpHを10.5〜11.5に調節
して、共沈法によってほう素、鉄及びマグネシウムの不
溶解物を生成させ、固液分離して有機物を含む排水中の
ほう素を除去処理するものである。また、マグネシウム
イオンを含む溶液のマグネシウムイオン量が、排水中の
ほう素の重量比で30〜70倍であることが好ましく、
5〜10%水酸化ナトリウム溶液を添加してpH10.
5〜11.5に調節し、撹拌することにより、排水中に
ふくまれているほう素のほとんどが、マグネシウムと不
溶解物質である水酸化物を生成するものである。また、
活性炭吸着処理は、塩類濃度が高く有機物及び炭酸塩を
含む排水の有機物を活性炭に吸着させるもので、排水を
粒状・粉状の活性炭の層を通して処理するもの、排水に
粉状・粒状の活性炭を添加して吸着処理するものであ
る。
【0016】
【比較例1】本発明の比較例1を示す。ほう素の除去処
理しようとする排水の水質は、pH7.3、電気伝導率
1062mS/m、全有機炭素量、20mgC/L、ほ
う素量9.6mgB/Lを含む産業廃棄物処分場浸出水
処理放流水で、この塩類濃度の高い排水中のほう素の処
理について説明する。この排水200mlに塩化マグネ
シウム溶液を3g/Lの割合で添加し、10%の水酸化
ナトリウム溶液で、pHを10.7〜11.0に調節
し、10分間維持して不溶解物質を生成させ、ろ紙5C
を用いて固液分離をした。その結果、排水中に9.6m
gB/L含まれていたほう素が除去処理により、1.0
mgB/Lに減少した。また、同じ排水200mlに、
ニッケルイオン共存下で塩化マグネシウム溶液を3g/
Lの割合で添加し、10%の水酸化ナトリウム溶液でp
Hを10前後に調節し、10分間維持して不溶解物質を
生成させ、ろ紙3Cを用いて固液分離をした。その結
果、マグネシウムの水酸化物の生成も少なくほう素を除
去するこができなかった。
【0017】
【比較例2】排水水質としてpH6.6、電気伝導率1
000mS/m、全有機炭素量20mgC/L、ニッケ
ルイオン量500mg/L、ほう素量61mgB/Lを
含むめっき総合排水処理工程の排水の塩類濃度の高い排
水中のほう素の処理について説明する。この排水200
mlに塩化マグネシウム溶液を3g/Lの割合で添加
し、10%の水酸化ナトリウム溶液でpHを10.8〜
11.0に調節し、10分間維持して不溶解物質を生成
させ、ろ紙5Cを用いて固液分離をした。その結果、排
水中に61mgB/L含まれていたほう素を、7mgB
/Lに除去することができた。また、同じ排水200m
lに、ニッケルイオン共存下で塩化マグネシウム溶液を
3g/Lの割合で添加し、10%の水酸化ナトリウム溶
液でpHを10前後に調節し、10分間維持して不溶解
物質を生成させ、ろ紙5Cを用いて固液分離をした。そ
の結果、マグネシウムの水酸化物の生成も少なくほう素
36mgB/Lまでにしか除去することがきなかった。
【0018】
【比較例3】排水水質としてpH8.4、電気伝導率9
83mS/m、全炭素量212mgC/L、全有機炭素
量49mgC/L、ほう素量15mgB/Lを含む産業
廃棄物処分場浸出水処理工程水(生物処理後水)の塩類
濃度が高く炭酸塩の多い排水中のほう素の処理について
説明する。排水に硫酸溶液を添加してpHを2以下に保
ち、30分間曝気して二酸化炭素を除去した。その後、
排水200mlに塩化マグネシウム溶液を3g/Lの割
合で添加し、水酸化ナトリウム溶液でpHを10.7〜
11.0に調節し、10分間維持して不溶解物質を生成
させ、ろ紙5Cを用いて固液分離をした。その結果、排
水中に15mgB/Lを含まれるほう素が、1.3mg
B/Lに除去処理された。
【0019】
【実施例1】排水水質としてpH8.2、電気伝導率9
10mS/m、全炭素量1000mgC/L、全有機炭
素量300mgC/L、ほう素量75mgB/Lを含む
産業廃棄物処分場浸出水の塩類濃度が高く炭酸塩及び有
機物が多い排水中のほう素の処理について説明する。排
水に硫酸溶液を添加してpHを2以下に保ち、300分
間空気曝気して二酸化炭素を除去した。その後、排水2
00mlに塩化鉄溶液を100mg/Lと塩化マグネシ
ウム溶液を3g/Lの割合で添加し、水酸化ナトリウム
溶液でpHを10.7〜11.0に調節し、10分間維
持して不溶解物質を生成させ、ろ紙5Cを用いて固液分
離をした。その結果排水中に75mgB/Lを含まれる
ほう素が、12mgB/Lに除去処理された。
【0020】
【実施例2】実施例2は、上記実施例1と同様の産業廃
棄物処分場浸出水について有機物を活性炭処理した排水
中のほう素の除去処理を行ったものである。排水に硫酸
溶液を添加してpHを2以下に保ち、30分間空気曝気
して二酸化炭素を除去した。その後、活性炭吸着処理を
行い全有機炭素量300mgC/Lを30mgC/Lに
した。炭酸及び有機物を除去処理した排水200mlに
塩化マグネシウム溶液を3g/Lの割合で添加し、水酸
化ナトリウム溶液でpHを10.7〜11.0に調節
し、10分間維持して不溶解物質を生成させ、ろ紙5C
を用いて固液分離をした。その結果、排水中に75mg
B/Lを含まれるほう素が、11mgB/Lに除去処理
された。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
塩類濃度の高い排水中のほう素を除去するには、マグネ
シウムイオンを含む溶液を添加して水酸化ナトリウム溶
液でpHを10.5〜11.5、好ましくは10.7〜
11.2に調節し、共沈法によってほう素及びマグネシ
ウムの不溶解物質を生成させ、これを固液分離すること
により効果的に、かつ充分にほう素を除去することがで
きるという効果を有する。また、塩類濃度の高く、有機
物及び炭酸塩を含む排水は、pHを2以下に保って空気
曝気あるいは真空脱気によって二酸化炭素を除去し、有
機物の影響を防ぐために2価の鉄イオン溶液を添加し、
共沈剤としてマグネシウムイオンを添加し、水酸化ナト
リウム溶液でpHを10.7〜11.2に調節し、共沈
法によってほう素、マグネシウム及び鉄の不溶解物質を
生成させ、これを固液分離し、効果的に、かつ充分にほ
う素を除去することができるという効果を奏するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58 C02F 1/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重金属の有害物質の処理を行いその処理反
    応で生成した塩類濃度の高い排水で電気伝導率として5
    00mS(ジーメンス)/m以上となるような塩類を含
    んでいるもので、かつ炭酸塩及び有機物を含み前記有機
    物の全有機炭素量が300mg/L以上である排水のp
    Hを2以下に保ち空気曝気または真空脱気して二酸化炭
    素を除去する処理を行った後に、排水にマグネシウムイ
    オンを含む溶液と2価の鉄イオンを含む溶液100mg
    /L〜500mg/Lとを添加し、次いで水酸化ナトリ
    ウム溶液を添加してpH10.5〜11.5に調節し、
    ほう素及びマグネシウムの不溶解物質を生成させ、前記
    不溶解物質を分離することによりほう素を除去すること
    を特徴とする塩類濃度が高く炭酸塩及び有機物を含む排
    水中のほう素除去方法。
  2. 【請求項2】重金属の有害物質の処理を行いその処理反
    応で生成した塩類濃度の高い排水で電気伝導率として5
    00mS(ジーメンス)/m以上となるような塩類を含
    んでいるもので、かつ炭酸塩及び有機物を含み前記有機
    物の全有機炭素量が300mg/L以上である排水のp
    Hを2以下に保ち空気曝気または真空脱気して二酸化炭
    素を除去する処理、活性炭吸着処理して有機物を除去を
    行った後に、排水にマグネシウムイオンを含む溶液を添
    加し、次いで水酸化ナトリウム溶液を添加してpH1
    0.5〜11.5に調節し、ほう素及びマグネシウムの
    不溶解物質を生成させ、前記不溶解物質を分離すること
    によりほう素を除去することを特徴とする塩類濃度が高
    く炭酸塩及び有機物を含む排水中のほう素除去方法。
  3. 【請求項3】水酸化ナトリウム溶液を添加して調節する
    pHが、10.7〜11.2であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の塩類濃度が高く炭酸塩及び有機
    物を含む排水中のほう素除去方法。
  4. 【請求項4】マグネシウムイオンを含む溶液が、塩化マ
    グネシウム溶液又は硫酸マグネシウム溶液であることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩類濃度が
    高く炭酸塩及び有機物を含む排水中のほう素除去方法。
  5. 【請求項5】マグネシウムイオンを含む溶液のマグネシ
    ウムイオン量が、排水中のほう素の重量比で30〜70
    倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の塩類濃度が高く炭酸塩及び有機物を含む排水中のほ
    う素除去方法。
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