JP3282452B2 - 排水中のセレン除去方法 - Google Patents

排水中のセレン除去方法

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JP3282452B2 JP17661295A JP17661295A JP3282452B2 JP 3282452 B2 JP3282452 B2 JP 3282452B2 JP 17661295 A JP17661295 A JP 17661295A JP 17661295 A JP17661295 A JP 17661295A JP 3282452 B2 JP3282452 B2 JP 3282452B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セレンが溶存する排水
からセレンを容易に、かつ効果的に除去する排水中のセ
レン除去方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】銅などの金属製錬における電解
沈澱物の処理排水には、セレンが比較的高濃度に溶存す
ることがあり、この場合、排水処理においてセレンを除
去する必要がある。一般に、セレンは水溶液中で亜セレ
ン酸イオン(SeO3 2-、SeO4 2-)の形態で溶存し
ている。そこで、処理排水に含まれるセレンを除去する
方法として、従来、(イ) Ag+ 、Cu2+、Fe3+の水溶
性イオンを加えて不溶性のセレン酸塩として沈澱除去す
る方法、(ロ) イオン交換樹脂によって吸着除去する方
法、(ハ) SeO3 2-を含む排水にFe2+を加え、更に、
Cu2+を加えてSeO3 2-によるFe2+の酸化と加水分
解を促し、Fe(OH)3 を沈澱させ、この沈殿と共に
還元されたセレンを共沈させる方法(特公昭48-30558
号)等が知られている。
【0003】ところが、排水中に含まれる亜セレン酸イ
オンのうちSeO4 2-はCu2+の共存下ではFe2+によ
っては還元固定され難く、排水中から除去するのが難し
い。また従来の処理方法では、中和剤や還元剤などを多
量に加えるために発生する澱物の量が多大であり、その
廃棄処理に問題を残す。さらに、澱物中のセレン濃度も
低く、除去効果が低い。
【0004】従来の上記処理方法に代えて、(ニ) 陽極の
周囲に鉄イオンが局所的に過剰に溶存する状態でセレン
含有排水を電解することにより、水酸化鉄の沈澱と共に
セレンを共沈させる方法(特開平5-147907号)や、(ホ)
セレンと反応して難溶性塩を形成するBaやAgなどの
金属塩と、SeO4 2-を含有しない塩化鉄などの可溶性
鉄塩を2段階に区分して排水に添加し、排水を酸性に維
持して鉄塩とセレンを共沈させる方法(特開平5-78105
号)、(ヘ) セレン含有排水をアルカリ性にして共存する
金属イオンを水酸化物として予め沈澱除去した後に、ア
ルカリ性下で硫酸鉄などの鉄塩を加え、水酸化鉄を生成
させると共にセレンを還元して水酸化鉄に吸着させ、こ
れに高分子凝集剤を添加してセレン含有物を凝集沈澱さ
せる方法(特開平6-79286 号)などが提案されている。
【0005】これらの処理方法(ニ)〜(ヘ)は以前の方法
(イ)〜(ヘ)よりもセレンの除去効果が優れる利点を有して
いるが、処理工程がやや繁雑であり、より簡便でしかも
除去効果の高い処理方法が求められている。
【0006】
【課題解決の手段】本発明は、従来の上記課題を解決し
た処理方法を提供するものであり、排水中のセレン酸イ
オンを酸性下でヒドラジンによって還元し、セレン澱物
を生成させることを特徴とする排水中のセレン除去方法
であり、本発明の方法によれば容易に、しかも効果的に
排水中からセレンを除去することができ、また澱物の量
も少ない利点を有する。
【0007】すなわち、本発明によれば以下の構成から
なる排水中のセレン除去方法が提供される。 (1)セレンを含む排水に、セレンに対して1〜3倍当
量のヒドラジンないしヒドラジニウム塩、および鉱酸を
加え、硫酸濃度50〜550g/l相当の強酸性下で、7
0℃〜110℃℃以上に加熱してセレン含有澱物を生成
させ、該澱物を固液分離することにより排水中からセレ
ンを除去することを特徴とするセレンの除去方法。 (2)セレンを含む排水に、ヒドラジンないしヒドラジ
ニウム塩および鉱酸と共に鉄または鉄化合物を加えて加
熱する上記(1)に記載するセレンの除去方法。 (3)セレン含有排水が金属製錬排液である上記(1)ま
たは(2)に記載するセレンの除去方法。 (4)上記(1)〜(3)の何れかの処理工程を繰り返すセレ
ンの除去方法。
【0008】
【具体的な説明】本発明の除去方法は、まず、セレンを
含有する排水にヒドラジンを加え、酸性下で加熱してセ
レン含有澱物を生成させる。ヒドラジンは一般に市販さ
れている一水和物(N2 4 ・H2 O)でも良く、また
無水物でも良い。ヒドラジンは強力な還元剤であり、ヒ
ドラジンを加えることにより排水中に溶存するセレン酸
イオン(SeO3 2-、SeO4 2-)は何れもセレンに還
元される。ヒドラジンの添加量はセレンに対して1〜1
0倍当量、好ましくは1〜3倍当量が適当である。ヒド
ラジンの量がこれより少ないとセレンの除去効果が低
く、また10倍量を上回ってもセレンの除去率は変わら
ない。
【0009】排水にヒドラジンを加えてセレン含有澱物
を生成させるために、ヒドラジンと共に硫酸または塩酸
の鉱酸を加えて排水を酸性、好ましくは強酸性に保つ。
鉱酸の量は排水を強酸性にする量であればよい。ヒドラ
ジンを単独に加えても排水が酸性下でなければセレンが
除去されない。具体的には、排水中の硫酸濃度は5〜6
00 g/lが適当であり、50〜550 g/lが好ましい。
なお、処理前の排水が硫酸5 g/l以上の酸濃度であるも
のは、硫酸などを加えなくてもある程度のセレン除去効
果が得られる。本処理方法は、かかる酸性排水について
は硫酸等を添加しない場合も含む。
【0010】ヒドラジンに代えて硫酸ヒドラジン(N2
4 ・H2 SO4 )ないし塩酸ヒドラジン(N2 4
HCl)などのヒドラジニウム塩を用いても良い。これ
らは排水中でヒドラジニウムイオン(N2 5 + 、N2
6 2+)を生じ、ヒドラジンと同様にセレンを還元す
る。これらの添加量はヒドラジンとしての換算量が前述
のようにセレンに対して1〜10倍当量であればよい。
なお、硫酸ヒドラジンなどを用いた場合にはこれらの分
解により硫酸分が生じるので、これらと共に添加する硫
酸の量はこの相当量少なくても良い。
【0011】本発明の処理方法は、排水に酸性下でヒド
ラジンあるいはヒドラジニウム塩を加えてセレン含有殿
物を沈殿させる方法であり、鉄ないし鉄塩の使用は任意
であるが、鉄ないし鉄塩を併用することによりセレンの
除去効果を高めることができる。鉄または鉄塩として
は、ポリ硫酸鉄、鉄粉、硫酸鉄、塩化鉄などが用いられ
る。これらの鉄または鉄塩は、従来の方法と異なり水酸
化鉄の沈澱を生じさせるものではないが、実施例に示す
ように、これらの鉄ないし鉄塩をヒドラジンあるいはヒ
ドラジニウム塩と併用することによりセレンの除去効果
が向上する。鉄および鉄塩の添加量は、セレンに対する
鉄の当量として、0.1〜5倍量、好ましくは1〜2倍
量が適当である。これより添加量が少ないと効果がな
く、また5倍量を超えてもセレンの除去率は変わらな
い。
【0012】排水にヒドラジンなどの上記添加剤を加
え、50℃以上、好ましくは70〜110℃に加熱し、
セレン含有澱物を沈澱させる。加熱時間は10分〜20
時間、好ましくは1〜6時間が適当である。加熱温度が
50℃未満であり、または加熱時間が10分未満である
とセレンが還元され難い。一方、加熱時間が20時間よ
り長くてもセレンの除去率は大差がない。加熱により、
排水中のヒドラジンないしヒドラジニウムイオンは水お
よび窒素ガスに分解する。
【0013】反応後、セレン含有澱物を排水から濾過分
離し、排水中から除去する。セレンは必要に応じ、上記
澱物から回収することができる。またセレンの除去効果
は極めて高く、濾液のセレン残留濃度を大幅に減少する
ことができる。また、セレン濃度が高い排水を処理する
場合でも、上記処理工程を繰り返すことにより、排水基
準以下にセレン濃度を低減できるので、排液処理しても
環境汚染の問題がない。さらに、濾液の後処理として、
通常、濾液に石灰などを添加して硫酸分を石膏として沈
澱分離するが、本処理工程を経た濾液はセレンの残留濃
度が極めて低いので、副生する石膏を石膏ボードの原料
に利用することができる。
【0014】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお本実施例は例示であり、本発明の範囲
を限定するものではない。
【0015】実施例1〜9 金属製錬排液(Se:1.8g/l, Cu:tr,Ca:tr)に、ヒドラジ
ン一水和物(80%水溶液)と98%硫酸を加え、また一
部にはポリ硫酸鉄ないし硫酸第一鉄を加え、それぞれの
温度で6時間加熱して澱物を生成させた。次いで、この
澱物を排水から濾過分離し、濾液中のセレン濃度を測定
した。この結果を添加量と共に表1に示した。また、ヒ
ドラジンに代えて硫酸ヒドラジンを用いた他は上記方法
と同様に処理し、澱物を濾別後、濾液のセレン濃度を測
定した。この結果を表1に纏めて示した。
【0016】比較例1〜3 実施例1の排液にヒドラジン、硫酸ヒドラジン、または
硫酸と硫酸第一鉄をおのおの単独に加えた他は実施例1
と同様に処理し、澱物を濾別後、濾液のセレン濃度を測
定した。この結果を表2に纏めて示した。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】表1の結果に示されるように、実施例の処
理方法においては、濾液のセレン残留濃度は何れも著し
く低減している。一方、比較例のセレン残留濃度は大幅
に高く、殆ど除去されていない。このように、ヒドラジ
ンおよび硫酸鉄を単独に加えてもセレンを除去する効果
は殆どなく、またヒドラジンを加えても更に硫酸などを
加えないかまたは加熱しないものは、セレンの除去効果
が不十分である。
【0020】
【発明の効果】本発明の除去方法によれば、排水のセレ
ン残留濃度は極めて低く、排水基準より大幅に低減でき
るので、これを排液しても環境汚染の問題がない。ま
た、澱物にはセレンが高濃度に含有されているので、セ
レンを回収する上で有利であり、しかも澱物の量が従来
の処理方法に比べて大幅に少なく、澱物の後処理も容易
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩堀 滋彦 香川県香川郡直島町4049番地1 三菱マ テリアル株式会社 直島製錬所内 (56)参考文献 特開 昭62−30826(JP,A) 特開 平6−3494(JP,A) 特開 昭48−25966(JP,A) 特開 平8−132074(JP,A) 特公 昭48−30558(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/58 ZAB C01B 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレンを含む排水に、セレンに対して1
    〜3倍当量のヒドラジンないしヒドラジニウム塩、およ
    び鉱酸を加え、硫酸濃度50〜550g/l相当の強酸性
    下で、70℃〜110℃℃以上に加熱してセレン含有澱
    物を生成させ、該澱物を固液分離することにより排水中
    からセレンを除去することを特徴とするセレンの除去方
    法。
  2. 【請求項2】 セレンを含む排水に、ヒドラジンないし
    ヒドラジニウム塩および鉱酸と共に鉄または鉄化合物を
    加えて加熱する請求項1に記載するセレンの除去方法。
  3. 【請求項3】 セレン含有排水が金属製錬排液である請
    求項1または2に記載するセレンの除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかの処理工程を繰り
    返すセレンの除去方法。
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