JPH08276190A - 排水中のセレン除去方法 - Google Patents
排水中のセレン除去方法Info
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- JPH08276190A JPH08276190A JP17661295A JP17661295A JPH08276190A JP H08276190 A JPH08276190 A JP H08276190A JP 17661295 A JP17661295 A JP 17661295A JP 17661295 A JP17661295 A JP 17661295A JP H08276190 A JPH08276190 A JP H08276190A
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Abstract
ジニウム塩および鉱酸を加え、酸性下で50℃以上に加
熱してセレン含有澱物を生成させ、該澱物を固液分離す
ることにより排水中からセレンを除去する方法。 【効果】 排水のセレン残留濃度は極めて低く排水基準
より大幅に低減できる。また澱物にはセレンが高濃度に
含有されているので、セレンを回収する上で有利であ
り、しかも澱物の量が大幅に少なく、後処理が容易であ
る。
Description
からセレンを容易に、かつ効果的に除去する排水中のセ
レン除去方法に関する。
沈澱物の処理排水には、セレンが比較的高濃度に溶存す
ることがあり、この場合、排水処理においてセレンを除
去する必要がある。一般に、セレンは水溶液中で亜セレ
ン酸イオン(SeO3 2-、SeO4 2-)の形態で溶存し
ている。そこで、処理排水に含まれるセレンを除去する
方法として、従来、(イ) Ag+ 、Cu2+、Fe3+の水溶
性イオンを加えて不溶性のセレン酸塩として沈澱除去す
る方法、(ロ) イオン交換樹脂によって吸着除去する方
法、(ハ) SeO3 2-を含む排水にFe2+を加え、更に、
Cu2+を加えてSeO3 2-によるFe2+の酸化と加水分
解を促し、Fe(OH)3 を沈澱させ、この沈殿と共に
還元されたセレンを共沈させる方法(特公昭48-30558
号)等が知られている。
オンのうちSeO4 2-はCu2+の共存下ではFe2+によ
っては還元固定され難く、排水中から除去するのが難し
い。また従来の処理方法では、中和剤や還元剤などを多
量に加えるために発生する澱物の量が多大であり、その
廃棄処理に問題を残す。さらに、澱物中のセレン濃度も
低く、除去効果が低い。
周囲に鉄イオンが局所的に過剰に溶存する状態でセレン
含有排水を電解することにより、水酸化鉄の沈澱と共に
セレンを共沈させる方法(特開平5-147907号)や、(ホ)
セレンと反応して難溶性塩を形成するBaやAgなどの
金属塩と、SeO4 2-を含有しない塩化鉄などの可溶性
鉄塩を2段階に区分して排水に添加し、排水を酸性に維
持して鉄塩とセレンを共沈させる方法(特開平5-78105
号)、(ヘ) セレン含有排水をアルカリ性にして共存する
金属イオンを水酸化物として予め沈澱除去した後に、ア
ルカリ性下で硫酸鉄などの鉄塩を加え、水酸化鉄を生成
させると共にセレンを還元して水酸化鉄に吸着させ、こ
れに高分子凝集剤を添加してセレン含有物を凝集沈澱さ
せる方法(特開平6-79286 号)などが提案されている。
(イ)〜(ヘ)よりもセレンの除去効果が優れる利点を有して
いるが、処理工程がやや繁雑であり、より簡便でしかも
除去効果の高い処理方法が求められている。
た処理方法を提供するものであり、排水中のセレン酸イ
オンを酸性下でヒドラジンによって還元し、セレン澱物
を生成させることを特徴とする排水中のセレン除去方法
であり、本発明の方法によれば容易に、しかも効果的に
排水中からセレンを除去することができ、また澱物の量
も少ない利点を有する。
なる排水中のセレン除去方法が提供される。 (1) セレンを含む排水にヒドラジンないしヒドラジ
ニウム塩および鉱酸を加え、酸性下で50℃以上に加熱
してセレン含有澱物を生成させ、該澱物を固液分離する
ことにより排水中からセレンを除去する方法。 (2) セレンを含む排水にヒドラジンと共に硫酸を加
えて加熱する上記(1) の除去方法。 (3) ヒドラジニウム塩として硫酸ヒドラジンを用
い、硫酸と共に排水に加えて加熱する上記(1) の除去方
法。 (4) セレンを含む排水に、ヒドラジンないしヒドラ
ジニウム塩および鉱酸と共に鉄または鉄化合物を加えて
加熱する上記(1) の除去方法。 (5) セレンを含む排水に、ヒドラジンないしヒドラ
ジニウム塩および鉱酸、あるいは、これらと共に鉄また
は鉄化合物を加えて、酸性下で50℃以上に加熱してセ
レン含有澱物を生成させ、該澱物を固液分離する処理工
程を繰り返す上記(1) 〜(4) の何れかの除去方法。
含有する排水にヒドラジンを加え、酸性下で加熱してセ
レン含有澱物を生成させる。ヒドラジンは一般に市販さ
れている一水和物(N2 H4 ・H2 O)でも良く、また
無水物でも良い。ヒドラジンは強力な還元剤であり、ヒ
ドラジンを加えることにより排水中に溶存するセレン酸
イオン(SeO3 2-、SeO4 2-)は何れもセレンに還
元される。ヒドラジンの添加量はセレンに対して1〜1
0倍当量、好ましくは1〜3倍当量が適当である。ヒド
ラジンの量がこれより少ないとセレンの除去効果が低
く、また10倍量を上回ってもセレンの除去率は変わら
ない。
を生成させるために、ヒドラジンと共に硫酸または塩酸
の鉱酸を加えて排水を酸性、好ましくは強酸性に保つ。
鉱酸の量は排水を強酸性にする量であればよい。ヒドラ
ジンを単独に加えても排水が酸性下でなければセレンが
除去されない。具体的には、排水中の硫酸濃度は5〜6
00 g/lが適当であり、50〜550 g/lが好ましい。
なお、処理前の排水が硫酸5 g/l以上の酸濃度であるも
のは、硫酸などを加えなくてもある程度のセレン除去効
果が得られる。本処理方法は、かかる酸性排水について
は硫酸等を添加しない場合も含む。
H4 ・H2 SO4 )ないし塩酸ヒドラジン(N2 H4 ・
HCl)などのヒドラジニウム塩を用いても良い。これ
らは排水中でヒドラジニウムイオン(N2 H5 + 、N2
H6 2+)を生じ、ヒドラジンと同様にセレンを還元す
る。これらの添加量はヒドラジンとしての換算量が前述
のようにセレンに対して1〜10倍当量であればよい。
なお、硫酸ヒドラジンなどを用いた場合にはこれらの分
解により硫酸分が生じるので、これらと共に添加する硫
酸の量はこの相当量少なくても良い。
ラジンあるいはヒドラジニウム塩を加えてセレン含有殿
物を沈殿させる方法であり、鉄ないし鉄塩の使用は任意
であるが、鉄ないし鉄塩を併用することによりセレンの
除去効果を高めることができる。鉄または鉄塩として
は、ポリ硫酸鉄、鉄粉、硫酸鉄、塩化鉄などが用いられ
る。これらの鉄または鉄塩は、従来の方法と異なり水酸
化鉄の沈澱を生じさせるものではないが、実施例に示す
ように、これらの鉄ないし鉄塩をヒドラジンあるいはヒ
ドラジニウム塩と併用することによりセレンの除去効果
が向上する。鉄および鉄塩の添加量は、セレンに対する
鉄の当量として、0.1〜5倍量、好ましくは1〜2倍
量が適当である。これより添加量が少ないと効果がな
く、また5倍量を超えてもセレンの除去率は変わらな
い。
え、50℃以上、好ましくは70〜110℃に加熱し、
セレン含有澱物を沈澱させる。加熱時間は10分〜20
時間、好ましくは1〜6時間が適当である。加熱温度が
50℃未満であり、または加熱時間が10分未満である
とセレンが還元され難い。一方、加熱時間が20時間よ
り長くてもセレンの除去率は大差がない。加熱により、
排水中のヒドラジンないしヒドラジニウムイオンは水お
よび窒素ガスに分解する。
離し、排水中から除去する。セレンは必要に応じ、上記
澱物から回収することができる。またセレンの除去効果
は極めて高く、濾液のセレン残留濃度を大幅に減少する
ことができる。また、セレン濃度が高い排水を処理する
場合でも、上記処理工程を繰り返すことにより、排水基
準以下にセレン濃度を低減できるので、排液処理しても
環境汚染の問題がない。さらに、濾液の後処理として、
通常、濾液に石灰などを添加して硫酸分を石膏として沈
澱分離するが、本処理工程を経た濾液はセレンの残留濃
度が極めて低いので、副生する石膏を石膏ボードの原料
に利用することができる。
と共に示す。なお本実施例は例示であり、本発明の範囲
を限定するものではない。
ン一水和物(80%水溶液)と98%硫酸を加え、また一
部にはポリ硫酸鉄ないし硫酸第一鉄を加え、それぞれの
温度で6時間加熱して澱物を生成させた。次いで、この
澱物を排水から濾過分離し、濾液中のセレン濃度を測定
した。この結果を添加量と共に表1に示した。また、ヒ
ドラジンに代えて硫酸ヒドラジンを用いた他は上記方法
と同様に処理し、澱物を濾別後、濾液のセレン濃度を測
定した。この結果を表1に纏めて示した。
硫酸と硫酸第一鉄をおのおの単独に加えた他は実施例1
と同様に処理し、澱物を濾別後、濾液のセレン濃度を測
定した。この結果を表2に纏めて示した。
理方法においては、濾液のセレン残留濃度は何れも著し
く低減している。一方、比較例のセレン残留濃度は大幅
に高く、殆ど除去されていない。このように、ヒドラジ
ンおよび硫酸鉄を単独に加えてもセレンを除去する効果
は殆どなく、またヒドラジンを加えても更に硫酸などを
加えないかまたは加熱しないものは、セレンの除去効果
が不十分である。
ン残留濃度は極めて低く、排水基準より大幅に低減でき
るので、これを排液しても環境汚染の問題がない。ま
た、澱物にはセレンが高濃度に含有されているので、セ
レンを回収する上で有利であり、しかも澱物の量が従来
の処理方法に比べて大幅に少なく、澱物の後処理も容易
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 セレンを含む排水にヒドラジンないしヒ
ドラジニウム塩および鉱酸を加え、酸性下で50℃以上
に加熱してセレン含有澱物を生成させ、該澱物を固液分
離することにより排水中からセレンを除去する方法。 - 【請求項2】 セレンを含む排水にヒドラジンと共に硫
酸を加えて加熱する請求項1の除去方法。 - 【請求項3】 ヒドラジニウム塩として硫酸ヒドラジン
を用い、硫酸と共に排水に加えて加熱する請求項1の除
去方法。 - 【請求項4】 セレンを含む排水に、ヒドラジンないし
ヒドラジニウム塩および鉱酸と共に鉄または鉄化合物を
加えて加熱する請求項1の除去方法。 - 【請求項5】 セレンを含む排水に、ヒドラジンないし
ヒドラジニウム塩および鉱酸、あるいは、これらと共に
鉄または鉄化合物を加えて、酸性下で50℃以上に加熱
してセレン含有澱物を生成させ、該澱物を固液分離する
処理工程を繰り返す請求項1〜4の何れかの除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17661295A JP3282452B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-06-20 | 排水中のセレン除去方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-43652 | 1995-02-09 | ||
JP4365295 | 1995-02-09 | ||
JP17661295A JP3282452B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-06-20 | 排水中のセレン除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08276190A true JPH08276190A (ja) | 1996-10-22 |
JP3282452B2 JP3282452B2 (ja) | 2002-05-13 |
Family
ID=26383455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17661295A Expired - Lifetime JP3282452B2 (ja) | 1995-02-09 | 1995-06-20 | 排水中のセレン除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3282452B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103011368A (zh) * | 2012-12-07 | 2013-04-03 | 常州大学 | 一种去除污水中砷的方法 |
-
1995
- 1995-06-20 JP JP17661295A patent/JP3282452B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103011368A (zh) * | 2012-12-07 | 2013-04-03 | 常州大学 | 一种去除污水中砷的方法 |
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Publication number | Publication date |
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JP3282452B2 (ja) | 2002-05-13 |
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