JP3283349B2 - 斜歯を有する成形体の圧縮成形装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、斜歯を有する成形体
を圧縮成形により形成する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３に示す如き、外周部に斜歯1aを有す
るとともに内周部に軸線方向のスプライン1bを有する歯
車１や、図４に示す如き、外周部に斜歯2aを有するとと
もに内周部に軸線方向のキー溝2bを有する歯車２のよう
な、外周部に斜歯を有するとともに内周部にそこに嵌ま
り合う軸に対する回転を規制する嵌合形状を有する歯車
を、粉末冶金によって製造する場合には、通常、先ず原
料粉を圧縮成形して、それらの歯車の形状を持つ成形体
を形成し、次いでその成形体を焼結させる。

【０００３】図５は、原料粉を圧縮成形して上記斜歯を
有する歯車の形状を持つ成形体を形成する従来の装置を
示し、同図中左半部には原料粉が充填された状態を、ま
た右半部には圧縮成形完了状態をそれぞれ示す。この従
来の装置は、外周フランジ3aおよび、製品としての歯車
の外周部の斜歯に対応する傾きと歯形を持つ内歯3bを有
するダイス３と、そのダイス３の内歯3aと同一の傾きを
持ちその内歯3bと摺動自在に噛合する外歯4aおよび、円
筒状の内周面4bを有する外上パンチ４と、その外上パン
チ４の内周面4bに摺動自在に嵌合する円筒状の外周面5a
および、製品としての歯車の内周部の嵌合形状に対応す
る例えば同図ではスプライン形状を持つ内周面5bを有す
る内上パンチ５と、を具えている。

【０００４】さらにこの従来の装置は、ダイス３の内歯
3bと同一の傾きを持ちその内歯3bと摺動自在に噛合する
外歯6aおよび、内上パンチ５の内周面5bと同一の形状の
内周面6bを有する下パンチ６と、内上パンチ５および下
パンチ６の内周面5b，6bに対応する例えば同図ではスプ
ライン形状を持ちそれらの内周面5b，6bに摺動自在に嵌
合する外周面7aを有するコア７と、ダイス３の外周フラ
ンジ3aおよび外上パンチ４の上端部をそれぞれ垂直な中
心軸線Ｃ周りに回転自在に支持するスラストベアリング
８，９と、下パンチ６の下端部をプレス装置のボルスタ
に対し固定するとともにスラストベアリング８およびコ
ア７をそのボルスタに対し一体的に昇降可能とし、さら
に上パンチ５の上端部とスラストベアリング９とを上記
プレス装置のスライドに対し固定するためのダイセット
10と、を具えている。

【０００５】かかる従来の装置にあっては、図５中左半
部に示すように、ダイス３の内歯3bと、下パンチ６の上
端面と、コア７の外周面7aとで画成された環状の凹部内
に原料粉11が充填された後、先ず外上パンチ４と内上パ
ンチ５とが同時に下降し、外上パンチ４と内上パンチ５
がダイス３とコア７にそれぞれ嵌合した後は、原料粉を
均一に圧縮するためダイス３とコア７も、それら外上パ
ンチ４と内上パンチ５の下降速度よりも遅い速度で下降
する。このとき、下パンチ６は固定されているので、そ
の下パンチ６の外歯6aに内歯3bが噛合しているダイス３
は、それらの歯が傾いているため回転しながら下降し、
また、下パンチ６の内周面6bに外周面7aが嵌合している
コア７は、それらの嵌合部が軸線方向へ延在しているた
め回転せずに下降する。

【０００６】この一方、外上パンチ４は、その外歯4aが
ダイス３の内歯3bと噛合した後は、それらの歯が傾いて
いるため回転しながら下降し、また内上パンチ５は、そ
の内周面5bがコア７の外周面7aと嵌合した後も、それら
の嵌合形状が軸線方向へ延在しているため回転せずにさ
らに下降する。しかして図５中右半部に示すように、外
上パンチ４と内上パンチ５とダイス３とコア７が所定の
高さまで下降すると、ダイス３の内歯3bと、コア７の外
周面7aと、外上パンチ４および内上パンチ５の下端面
と、下パンチ６の上端面とで原料粉11が高圧で閉塞され
て、成形体12の圧縮成形が完了し、その後は、ダイス３
が回転しながら下降するとともにコア７が回転せずに下
降する一方で、外上パンチ４と内上パンチ５とが上昇し
て、成形体12が、該圧縮成形装置内から抜き出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の装置にあっては、ダイス３にスラストベアリング
８を装着して圧縮成形中に回転し得るようにしているた
めダイス３が傾き易く、それゆえ、成形体12の外周部の
斜歯の歯形精度の低下や、ダイス３と外上パンチ４およ
び下パンチ６との間の嵌合摺動面の焼き付きが生じ易い
という問題があった。また、ダイス３の外周フランジ3a
にスラストベアリング８を装着しているため、そのスラ
ストベアリング８が極めて大きくなって取り付けスペー
スが嵩むという問題や、ダイス３内に原料粉11を供給し
ているのでその周囲に位置するスラストベアリング８の
粉塵対策が難しいという問題もあった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来の
装置の課題を有利に解決した装置を提供することを目的
とするものであり、この発明の斜歯を有する成形体の圧
縮成形装置は、外周フランジおよび、製品としての歯車
の外周部の斜歯に対応する傾きと歯形を持つ内歯を有す
るダイスと、そのダイスの内歯と同一の傾きを持ちその
内歯と摺動自在に噛合する外歯および、円筒状の内周面
を有する外上パンチと、その外上パンチの内周面に摺動
自在に嵌合する円筒状の外周面および、製品としての歯
車の内周部の嵌合形状に対応する嵌合形状を持つ内周面
を有する内上パンチと、ダイスの内歯と同一の傾きを持
ちその内歯と摺動自在に噛合する外歯および、円筒状の
内周面を有する外下パンチと、その外下パンチの内周面
に摺動自在に嵌合する円筒状の外周面および、内上パン
チの内周面と同一の形状の内周面を有する内下パンチ
と、内上パンチおよび内下パンチの内周面に対応する嵌
合形状を持ちそれらの内周面に摺動自在に嵌合する外周
面を有するコアと、前記ダイスを回転させずに昇降可能
に支持するとともに、前記コアを回転可能にかつ前記ダ
イスと一体的に昇降可能に支持し、さらに前記外上パン
チと内上パンチと外下パンチと内下パンチとをそれぞれ
回転可能に支持するダイセットと、原料粉の圧縮成形時
は前記内上パンチと内下パンチとの周方向位置をそれら
の内周面の嵌合形状同士の位相が合う位置で固定し、成
形品の抜き出し時は前記内上パンチと内下パンチとをそ
れぞれ回転可能に開放する位相合わせ手段と、を具えて
なる。

【０００９】

【作用】かかる装置にあっては、ダイスの内歯と、内外
下パンチの上端面と、コアの外周面とで画成された環状
の凹部内に原料粉が充填された後、該圧縮成形装置がダ
イセットを介して取り付けられたプレス装置の作動に基
づき、先ず外上パンチと内上パンチとが同時に下降し、
外上パンチと内上パンチがダイスとコアにそれぞれ嵌合
した後は、原料粉を均一に圧縮するためダイスとコア
も、それら外上パンチと内上パンチの下降速度よりも遅
い速度で下降する。このとき、内外下パンチはダイセッ
トにより回転可能とされると同時に高さを固定されてお
り、またダイスはダイセットによりその回転を阻止され
ているので、そのダイスの内歯に外歯が噛合している外
下パンチは、それらの歯が傾いているため回転する。一
方、ダイセットにより各々回転可能とされているコアお
よびその外周面に内周面が嵌合する内下パンチは、その
周方向位置を、位相合わせ手段によって所定の位置に固
定され、それによりコアの外周面の嵌合形状は、これも
周方向位置を位相合わせ手段によって所定の位置に固定
された内上パンチの内周面の嵌合形状と位相が合うの
で、上記内上パンチの下降時のその内周面とコアの外周
面との嵌合は円滑に行われる。

【００１０】この一方、外上パンチは、その外歯がダイ
スの内歯と噛合した後は、それらの歯が傾いているため
回転しながら下降し、また内上パンチは、その内周面が
コアの外周面と嵌合した後も、それらの嵌合形状が軸線
方向へ延在しているため回転せずにさらに下降する。し
かして外上パンチと内上パンチとダイスとコアが所定の
高さまで下降すると、ダイスの内歯と、コアの外周面
と、外上パンチおよび内上パンチの下端面と、外下パン
チおよび内下パンチの上端面とで原料粉が高圧で閉塞さ
れて、成形体の圧縮成形が完了し、その後は、ダイスが
回転せずに下降するとともに、位相合わせ手段によって
開放された内下パンチがそのダイスの下降によって回転
し、それによりコアも回転しながらダイスと共に下降す
る一方で、外上パンチとこれも位相合わせ手段によって
開放された内上パンチとが回転しながら上昇して、成形
体が、該圧縮成形装置内から抜き出される。

【００１１】従って、この装置によれば、ダイスを回転
させずに原料粉の圧縮成形および成形品の抜き出しを行
うことから、ダイスを回転可能に支持するベアリングが
不要となるので、ダイスの傾動を確実に防止でき、それ
ゆえ、成形体の外周部の斜歯の歯形精度を向上させ得る
とともに、ダイスと外上パンチおよび外下パンチとの間
の嵌合摺動面の焼き付きを防止でき、さらに、ダイスの
周囲からスラストベアリングの取り付けスペースを省き
得るとともに、そのスラストベアリングの粉塵対策も不
要とすることができる。

【００１２】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図１は、この発明の斜歯を有する成形体
の圧縮成形装置の一実施例を示す縦断面図であり、同図
中左半部には原料粉が充填された状態を、また右半部に
は圧縮成形完了状態をそれぞれ示す。

【００１３】この実施例の装置は、図３に示す歯車１を
粉末冶金によって製造するための成形体の形成に用いら
れるものであり、外周フランジ13a および、上記歯車１
の外周部の斜歯1aに対応する傾きと歯形を持つ内歯13b
を有するダイス13と、そのダイスの内歯13b と同一の傾
きを持ちその内歯と摺動自在に噛合する外歯14a およ
び、円筒状の内周面14b を有する外上パンチ14と、その
外上パンチの内周面14bに摺動自在に嵌合する円筒状の
外周面15a および、上記歯車１の内周部の嵌合形状であ
るスプライン形状1bに対応するスプライン形状を持つ内
周面15b を有する内上パンチ15と、を具えている。

【００１４】この実施例の装置はまた、上記ダイスの内
歯13b と同一の傾きを持ちその内歯と摺動自在に噛合す
る外歯16a および、円筒状の内周面16b を有する外下パ
ンチ16と、その外下パンチの内周面16b に摺動自在に嵌
合する円筒状の外周面17a および、上記内上パンチの内
周面15b と同一の形状の内周面17b を有する内下パンチ
17と、上記内上パンチおよび内下パンチの内周面15b, 1
7bに対応する嵌合形状としてのスプライン形状を持ちそ
れらの内周面に摺動自在に嵌合する外周面18aを有する
コア18と、を具えている。

【００１５】さらにこの実施例の装置は、上記ダイス13
を回転させずに昇降可能に支持するとともに、上記コア
18をスラストベアリング22により回転可能にかつ上記ダ
イス13と一体的に昇降可能に支持し、さらに上記外上パ
ンチ14と内上パンチ15とをスラストベアリング23, 24を
介しそれぞれ垂直な中心軸線Ｃ周りに回転可能に支持し
てプレス装置のスライドに取り付けるとともに、外下パ
ンチ16と内下パンチ17とをスラストベアリング25, 26を
介しそれぞれ垂直な中心軸線Ｃ周りに回転可能に支持し
て上記プレス装置のボルスタに取り付けるダイセット19
と、原料粉11の圧縮成形時は上記内上パンチ15と内下パ
ンチ17との周方向位置をそれらの内周面15b, 17bのスプ
ライン形状同士の位相が合う位置で固定し、成形品12の
抜き出し時は上記内上パンチ15と内下パンチ17とをそれ
ぞれ回転可能に開放する位相合わせ機構20, 21と、を具
えている。

【００１６】ここで、位相合わせ機構20は、図２（ａ）
に示すように、内上パンチ15の外周面に形成されたピニ
オン15c と、ダイセット19に摺動自在に支持されてその
ピニオン15c に噛合するラック27と、そのラック27に当
接してその移動限位置を特定するストッパ28と、空気圧
あるいは油圧により作動してラック27をストッパ28へ向
けて付勢し得るシリンダ29とを具え、そのストッパ28
は、ラック27の移動限位置を微調整し得るように、当接
ねじ28a と固定ナット28b とを有している。そしてもう
一つの位相合わせ機構21も同様に、図２（ｂ）に示すよ
うに、内下パンチ17の下端部を一体的に支持する支持部
材の外周面に形成されたピニオン17c と、ダイセット19
に摺動自在に支持されてそのピニオン17c に噛合するラ
ック30と、そのラック30に当接してその移動限位置を特
定するストッパ31と、空気圧あるいは油圧により作動し
てラック30をストッパ31へ向けて付勢し得るシリンダ32
とを具え、ここにおけるストッパ31は、固定式のものと
されている。

【００１７】従って、これらの位相合わせ機構20, 21
は、シリンダ29, 32に空気圧あるいは油圧を供給される
と、ラック27, 30をストッパ28, 31へ当接するまで前進
移動させて、内上パンチ15と内下パンチ17との周方向位
置をそれらの内周面15b, 17bのスプライン形状同士の位
相が合う位置で固定することができ、またシリンダ29,3
2への空気圧あるいは油圧の供給を停止され、それらの
シリンダ29, 32内の圧力を排出されると、ラック27, 30
を自由に進退移動可能として、内上パンチ15と内下パン
チ17とをそれぞれ回転可能に開放することができる。な
お、内上パンチ15の内周面15b と内下パンチ17の内周面
17b とのスプライン形状同士の位相合わせの微調整は、
上記当接ねじ28a の固定位置を変えることで行うことが
できる。また、シリンダ29, 32に対する圧力の給排は、
図示しない通常の空気圧あるいは油圧回路により、上記
プレス装置の作動と連動して行われる。

【００１８】かかる実施例の装置にあっては、図１中左
半部に示すように、ダイス13の内歯13b と、内外下パン
チ17, 16の上端面と、コア18の外周面18a とで画成され
た環状の凹部内に原料粉11が充填された後、上記プレス
装置の作動に基づき、先ず外上パンチ14と内上パンチ15
とが同時に下降し、外上パンチ14と内上パンチ15がダイ
ス13とコア18にそれぞれ嵌合した後は、原料粉を均一に
圧縮するためダイス13とコア18も、それら外上パンチ14
と内上パンチ15の下降速度よりも遅い速度で下降する。
このとき、内外下パンチ17, 16はダイセット19により回
転可能とされると同時に高さを固定されており、またダ
イス13はダイセット19によりその回転を阻止されている
ので、そのダイス13の内歯13b に外歯16a が噛合してい
る外下パンチ16は、それらの歯が傾いているため回転す
る。一方、ダイセット19により各々回転可能とされてい
るコア18およびその外周面18a に内周面17b が嵌合する
内下パンチ17は、その周方向位置を、位相合わせ機構21
によって所定の位置に固定され、それによりコア18の外
周面18a のスプライン形状は、これも周方向位置を位相
合わせ機構20によって所定の位置に固定された内上パン
チ15の内周面15b のスプライン形状と位相が合うので、
上記内上パンチ15の下降時のその内周面15bとコア18の
外周面18a との嵌合は円滑に行われる。

【００１９】この一方、外上パンチ14は、その外歯14a
がダイス13の内歯13b と噛合した後は、それらの歯が傾
いているため回転しながら下降し、また内上パンチ15
は、その内周面15b がコア18の外周面18a と嵌合した後
も、それらのスプライン形状が軸線方向へ延在している
ため回転せずにさらに下降する。しかして図１中右半部
に示すように、外上パンチ14と内上パンチ15とダイス13
とコア18が所定の高さまで下降すると、ダイス13の内歯
13b と、コア18の外周面18a と、外上パンチ14および内
上パンチ15の下端面と、外下パンチ16および内下パンチ
17の上端面とで原料粉11が高圧で閉塞されて、成形体12
の圧縮成形が完了し、その後は、ダイス13が回転せずに
下降するとともに、位相合わせ機構21によって開放され
た内下パンチ17がそのダイス13の下降によって回転し、
それによりコア18も回転しながらダイス13と共に下降す
る一方で、外上パンチ14とこれも位相合わせ機構20によ
って開放された内上パンチ15とが回転しながら上昇し
て、成形体12が、該圧縮成形装置内から抜き出される。

【００２０】従って、この実施例の装置によれば、ダイ
ス13を回転させずに原料粉11の圧縮成形および成形品12
の抜き出しを行うことから、ダイス13を回転可能に支持
するベアリングが不要となるので、ダイス13の傾動を確
実に防止でき、それゆえ、成形体12の外周部の斜歯の歯
形精度を向上させ得るとともに、ダイス13と外上パンチ
14および外下パンチ16との間の嵌合摺動面の焼き付きを
防止でき、さらに、ダイス13の周囲からスラストベアリ
ングの取り付けスペースを省き得るとともに、そのスラ
ストベアリングの粉塵対策も不要とすることができる。

【００２１】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、位相合
わせ機構20，21は、シリンダ29, 32に代えてスプリング
でラック27, 30をストッパ28, 31へ向けて常時付勢する
ものでも良い。また成形体12の内周面の嵌合形状は、図
４に示す歯車２を製造するために、キー溝の形状であっ
ても良い。

【００２２】

【発明の効果】かくしてこの発明の斜歯を有する成形体
の圧縮成形装置によれば、ダイスを回転させずに原料粉
の圧縮成形および成形品の抜き出しを行うことから、ダ
イスを回転可能に支持するベアリングが不要となるの
で、ダイスの傾動を確実に防止でき、それゆえ、成形体
の外周部の斜歯の歯形精度を向上させ得るとともに、ダ
イスと外上パンチおよび外下パンチとの間の嵌合摺動面
の焼き付きを防止でき、さらに、ダイスの周囲からスラ
ストベアリングの取り付けスペースを省き得るととも
に、そのスラストベアリングの粉塵対策も不要とするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の斜歯を有する成形体の圧縮成形装置
の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】（ａ），（ｂ）は、上記実施例の装置の二つの
位相合わせ機構をそれぞれ示す構成図である。

【図３】（ａ），（ｂ）は、圧縮成形により形成した成
形体から製造する、斜歯を有する歯車の一例を示す平面
図および縦断面図である。

【図４】（ａ），（ｂ）は、圧縮成形により形成した成
形体から製造する、斜歯を有する歯車の他の一例を示す
平面図および縦断面図である。

【図５】従来の斜歯を有する成形体の圧縮成形装置の一
例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

11 原料粉 12 成形体 13 ダイス 13a 外周フランジ 13b 内歯 14 外上パンチ 14a 外歯 14b 内周面 15 内上パンチ 15a 外周面 15b 内周面 15c ピニオン 16 外下パンチ 16a 外歯 16b 内周面 17 内下パンチ 17a 外周面 17b 内周面 17c ピニオン 18 コア 18a 外周面 19 ダイセット 20, 21 22〜26 スラストベアリング 27, 30 ラック 28, 31 ストッパ 29, 32 シリンダ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B22F 5/08 B22F 3/035 B30B 11/02

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 製品としての歯車(1) の外周部の斜歯(1
   a)に対応する傾きと歯形を持つ内歯(13b) を有するダイ
   ス(13)と、 そのダイスの内歯(13b) と同一の傾きを持ちその内歯と
   摺動自在に噛合する外歯(14a) および、円筒状の内周面
   (14b) を有する外上パンチ(14)と、 その外上パンチの内周面(14b) に摺動自在に嵌合する円
   筒状の外周面(15a) および、前記製品としての歯車(1)
   の内周部の嵌合形状(1b)に対応する嵌合形状を持つ内周
   面(15b) を有する内上パンチ(15)と、 前記ダイスの内歯(13b) と同一の傾きを持ちその内歯と
   摺動自在に噛合する外歯(16a) および、円筒状の内周面
   (16b) を有する外下パンチ(16)と、 その外下パンチの内周面(16b) に摺動自在に嵌合する円
   筒状の外周面(17a) および、前記内上パンチの内周面(1
   5b) と同一の形状の内周面(17b) を有する内下パンチ(1
   7)と、 前記内上パンチおよび内下パンチの内周面(15b, 17b)に
   対応する嵌合形状を持ちそれらの内周面に摺動自在に嵌
   合する外周面(18a) を有するコア(18)と、 前記ダイス(13)を回転させずに昇降可能に支持するとと
   もに、前記コア(18)を回転可能にかつ前記ダイスと一体
   的に昇降可能に支持し、さらに前記外上パンチ(14)と内
   上パンチ(15)と外下パンチ(16)と内下パンチ(17)とをそ
   れぞれ回転可能に支持するダイセット(19)と、 原料粉(11)の圧縮成形時は前記内上パンチ(15)と内下パ
   ンチ(17)との周方向位置をそれらの内周面(15b, 17b)の
   嵌合形状同士の位相が合う位置で固定し、成形品(12)の
   抜き出し時は前記内上パンチと内下パンチとをそれぞれ
   回転可能に開放する位相合わせ手段(20, 21)と、 を具えてなる、斜歯を有する成形体の圧縮成形装置。