JP3283233B2 - 耐食性に優れた合金めっき方法およびめっき製品 - Google Patents
耐食性に優れた合金めっき方法およびめっき製品Info
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Description
っきを利用した耐食性に優れた合金めっき方法に関し、
更に詳細には、屋外に数年ないし十数年放置してもほと
んど腐食を起こさない耐食性に優れた合金めっき方法お
よびこの方法により得られるめっき製品に関する。
テリア部品などの屋外で使用する製品は、風雨に曝され
ても容易に腐食しない高耐食性が要求されている。現
在、このような高耐食の要求に応えられるめっきとして
は、下地めっきとしてニッケルめっきを施してから、最
外層のめっきとしてクロムめっきを施す、いわゆるニッ
ケル−クロムめっきが唯一のものといっても過言ではな
い。
クロムめっきではあるが、いくつか解決すべき問題があ
る。 まず、第一に色調の問題が挙げられる。 クロムめ
っき被膜は、青みを帯びた色調で、冷たい感じを与えや
すいため、これと異なる色調で、より暖かみを感じる金
属外観が要望されている。 特に、現在まで屋外用のめ
っきとしては、ニッケル−クロムめっきだけであったの
で、クロムめっきの色調はすでに飽きられており、屋外
用の、別の色調を与えるめっき被膜の開発の要望は極め
て強いものがある。
展性の悪さを挙げることができる。クロムめっき被膜
は、硬度が高いため、耐摩耗性は良いが、部分的に強い
力を加えた場合は、被膜自身に大きなクラックが入り、
そこから腐食が開始するという問題があった。 屋外で
使用する製品でも、通常は部分的に大きな力が加わるこ
とが少なく、あまり問題とならないが、例えばホイール
ナットのように、タイヤの交換毎に極めて強い力で締め
付けるような部品では、クロムめっき被膜にクラックが
入り、この部品だけ腐食が進んでしまうという問題があ
った。
の作業性の悪さの問題がある。 クロムめっきは、他の
多くの金属めっきと比べ、付き回りが悪く、断続となる
電流で光沢や密着が悪くなるため、多量の部品を同時に
めっきするバレルめっきは使用できない。 この結果、
部品の一つづつをラックにかけ、めっきしなければなら
ないので、作業性が著しく低下するという問題があっ
た。 更にまた、クロムめっきで使用されるクロム酸は
排出量が規制されている有害物質であり、その処理に注
意が必要である他、クロムめっき被膜自体は、酸、特に
ハロゲン系の酸に弱いという欠点があり、このような酸
があったり、これを利用する環境下では利用できないと
いう問題があった。
の上記欠点がなく、しかも、現在屋外用に用いられてい
るニッケル−クロムと同等以上の耐食性を有する新しい
高耐食めっきの提供が求められていた。
きの欠点をなくし、これに代わる最外層めっきとして利
用しうるめっきについて、鋭意検討を重ねた結果、物性
面や作業性の面で硬質すず系合金めっきが最適であるこ
とを知った。 しかしながら、このめっきは、二重ニッ
ケルめっき等の下地めっきを施しただけでは耐食性が十
分でなく、屋外で使用することが困難であった。
めた結果、下地めっき、非電導性微粒子共析めっきを行
った後この硬質すず系合金めっきを行えば耐食性が大き
く向上し、屋外に長期間放置しても腐食が進行しないこ
とを見出し、本発明を完成した。
めっき、非電導性微粒子(フッ素化合物を除く)共析め
っき、硬質すず系合金めっきを順次施すめっき製品の製
造方法を提供するものである。また、本発明は上記方法
により得られるめっき製品を提供するものである。
っき製品上に常法に従って下地めっき、非電導性微粒子
共析めっきを順に行った後、硬質すず系合金めっきを施
せば良い。
っきとしては、すず−ニッケル合金めっき、すず−コバ
ルト合金めっき、すず−ニッケル−銅合金めっき、すず
−ニッケル−りん合金めっき等が挙げられ、これらは既
に公知である。 これらの合金めっきは、その硬度がH
v400以上のものであり、最外層めっきとして十分な
硬度を有するものである。
得るためには、0.02〜10μm程度、好ましくは、
0.2〜2.0μm程度の厚さで行えば良く、そのための
めっき条件は、許容される温度、電流密度、めっき時間
等の範囲内で適宜選択すればよい。
る下地めっきとしては、ニッケルめっき、鉄−ニッケル
合金めっき、二重ニッケルめっき、三重ニッケルめっ
き、銅−ニッケルめっき、銅−二重ニッケルめっき、銅
−三重ニッケルめっき等が挙げられる。 更に、非電導
性微粒子共析めっきとしては、非電導性微粒子を共析す
るニッケルめっき、非電導性微粒子を共析する鉄−ニッ
ケル合金めっき、非電導性微粒子を共析するニッケル−
りん合金めっき等が挙げられ、これらの浴に添加される
非電導性微粒子の例としては、0.01〜5μm程度の
粒径のSiO2、TiO2、Al2O3等の粉末を挙げ
ることができる。
ムめっきである場合と同様に行えば良く、また、下地め
っきの種類は要求される耐食性の程度により選択するこ
とができる。
にマイクロポーラスクロムめっきとして知られる最外層
めっきがクロムめっきである場合と同じ条件で行えば良
い。
得るには、通常のラックでの加工の他バレルにより加工
することができる。 これは従来のクロムめっきを利用
する方法では全く不可能であったものであり作業効率を
格段に向上させることが可能となる。
例で示すように従来のニッケル−クロムめっきと同等な
いしそれ以上の耐食性を有する。また、その硬度は、ク
ロム被膜ほどではないが、実用的には十分なものであ
り、更に延展性はクロム被膜に比べ優れており、クラッ
ク等が入りにくいものである。すなわち、耐食性が優れ
るだけでなく、耐酸性、二次加工性、耐チッピング性な
どにも優れるものである。
方法で得られるめっき製品は、屋外で使用され、しかも
力が加わる可能性のある製品の装飾めっきとして最適な
ものである。
イールナットのような部品や、他の車等に接触する可能
性のある、バンパー、ミラーカバー等の車の外装部品、
オートバイのハンドル、マフラー、フェンダーカバー等
の部品、自転車のハンドル、荷台等の部品の装飾めっき
として広く利用できるものである。
ることは、本発明のめっき製品が何かにぶつかり、表面
が凹んでも、大きなクラックが生じないため、ここから
腐食が開始する可能性が低く、耐食性の維持のために極
めて有利な点である。なお、本発明めっき方法によるめ
っき製品は、そのままで十分な耐食性、硬度等を有する
ものであるが、更に所望により、従来より硬質すず系合
金めっき上に行われているクロメート処理や電解クロメ
ート処理あるいは電着塗装を行うこともできる。
発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等にな
んら制約されるものではない。
ライト鋼板(100×50mm)にめっきを行ない、めっ
きサンプル1を調製した。
合金めっきに代える以外は、すべて実施例1と同様にし
てめっきを行ない、めっきサンプル2を調製した。
(電流密度:15A/dm2、めっき時間:3分、めっ
き膜厚:0.3μm)に代える以外は、すべて実施例1
と同様にしてめっきを行ない、めっきサンプル3を調製
した。
実施例1と同様にしてめっきを行ない、めっきサンプル
4を調製した。
について、めっき皮膜の耐食性試験、耐酸性試験および
硬球押し込み試験を行った。 耐食性試験は、キャス8
0時間後のレイティングナンバーで、耐酸性試験は6N
−塩酸に浸漬した後の状態で、硬球押し込み試験は押し
込み後の顕微鏡で観察した表面状態でそれぞれ評価し
た。 この結果を表2に示す。
れた製品の最外層めっきに利用されていた、硬質すず系
合金めっきを、下地めっき、非電導性微粒子共析めっ
き、合金と組み合わせることにより、現在広く行われて
いるニッケル−クロムめっきと同等の耐食性を与えるこ
とに成功したものである。さらに、このめっき方法は、
ラックでの加工の他バレルでの加工が可能となり、作業
効率の向上が可能となった。また、この方法で得られた
製品は、耐食性が優れるだけでなく、耐酸性、二次加工
性、耐チッピング性などにも優れたものである。従っ
て、本発明方法は、自動車部品、自転車・オートバイ部
品、エクステリア製品等を中心に、屋外で用いられる製
品の装飾めっき方法として広く使用され得るものであ
る。 以 上
Claims (6)
- 【請求項1】 被めっき製品に、下地めっき、非電導性
微粒子(フッ素化合物を除く)共析めっき、硬質すず系
合金めっきを順次施すことを特徴とするめっき製品の製
造方法。 - 【請求項2】 硬質すず系合金めっきがすず−ニッケル
合金めっき、すず−コバルト合金めっき、すず−ニッケ
ル−銅合金めっき、すず−ニッケル−りん合金めっきの
何れかである請求項第1項記載のめっき製品の製造方
法。 - 【請求項3】 被めっき製品素地を、下地めっき層、非
電導性微粒子(フッ素化合物を除く)共析めっき層、硬
質すず系合金めっき層で順次被覆したことを特徴とする
めっき製品。 - 【請求項4】 硬質すず系合金めっきがすず−ニッケル
合金めっき、すず−コバルト合金めっき、すず−ニッケ
ル−銅合金めっき、すず−ニッケル−りん合金めっきの
何れかである請求項第3項記載のめっき製品。 - 【請求項5】 自動車部品である請求項第3項または第
4項記載のめっき製品。 - 【請求項6】 ホイールナットである請求項第3項ない
し第5項の何れかの項記載のめっき製品。
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JP18020598A JP3283233B2 (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 耐食性に優れた合金めっき方法およびめっき製品 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000017481A JP2000017481A (ja) | 2000-01-18 |
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EP3241929A1 (de) * | 2016-05-04 | 2017-11-08 | Haas Food Equipment GmbH | Beschichtung von funktionsteilen aus metall |
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1998
- 1998-06-26 JP JP18020598A patent/JP3283233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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