JP3282612B2 - 多色カスリムラを有する複合仮ヨリ加工糸およびその製造方法 - Google Patents

多色カスリムラを有する複合仮ヨリ加工糸およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は編織物製品に新規な
多色カスリムラを有する異色効果と、凹凸手触り感のス
パンライクな風合いを与える、多色カスリムラを有する
複合仮ヨリ加工糸およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来2種のマルチフィラメント糸を複合
化し糸長さ方向に染色効果が異なることによって、カス
リ調の染色差を得る複合加工糸およびその製造方法が多
く提案されている。
【0003】例えば、特公昭55−45653号公報で
は2種のマルチフィラメント糸のいずれかのマルチフィ
ラメント糸に不規則な未延伸部を含み、仮ヨリ加工を与
えることにより特殊霜降り糸を製造する方法が提案され
ている。これは、マルチフィラメント糸の糸長さ方向の
濃淡差変化が短く、パターンが単調であること、コント
ラストが不十分であること、未延伸部では一部融着する
ことなどの欠点があった。
【0004】また、特開平7−324237号公報では
カチオン可染シックアンドシン糸とマルチフィラメント
糸を流体交絡処理し、「こなれ」の良い霜降り調ポリエ
ステル複合糸とすることが提案されている。これも、濃
淡差変化が短くパターンが単調になることや、濃淡だけ
でなく色彩の数が少ないなどの欠点があった。
【0005】その他、紡糸速度の異なるマルチフィラメ
ント糸の不完全延伸糸を2種以上引き揃え、空気交絡処
理後シックアンドシン加工を施した、空気交絡糸に延伸
仮ヨリ加工を行う杢調複合加工糸が提案されているが、
これはシックアンドシン延伸効果が弱くなるので、濃淡
差変化のコントラストが小さく、長さ変化の短かい単調
なパターンになりやすい欠点があった。
【0006】しかしながら、近年において商品の多様化
や高級化志向が進み、単色的な表面効果や風合はあきら
れてきており、自然感覚のある多色的な表面効果や手触
りによるムラ感や、基本風合いとなる「張り」「腰」を
有した、高質感のあるスパンライク風合等への要求が高
くなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は自然感覚のあ
る多色的な「ムラ」表面変化や、基本風合いとなる「張
り」「腰」を有した、高質感のあるスパンライクな風合
および、多色カスリムラを有する複合仮ヨリ加工糸およ
びその製造方法を提供するものであるる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を有する。
【0009】イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ
加工糸Aと非イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ
加工糸Bが交絡した複合仮ヨリ加工糸であって、該複合
仮ヨリ加工糸に緊張弛緩を繰り返した後の、糸長さ方向
の交絡部−開繊部−交絡部の交絡糸形態において、開繊
部の長さが不規則な長さで繰り返しかつ複合仮ヨリ加工
糸の一定長に含まれるシックアンドシン仮ヨリ加工糸の
実質糸長がA≦Bであることを特徴とした多色カスリム
ラを有する複合仮ヨリ加工糸である。
【0010】また、イオン性染色される糸のポリエチレ
ンテレフタレートの不完全延伸フィラメント糸Aと非イ
オン性染色される糸のポリエチレンテレフタレートの不
完全延伸フィラメント糸Bを引き揃え、(1.2 〜1.8)×
(NDRa/NDRb)の倍率にて同時複合延伸加工を
行い引き続き同時延伸仮ヨリ加工し、その後空気交絡処
理するとを特徴とする多色カスリムラを有する複合仮ヨ
リ加工糸の製造方法である。
【0011】ただし NDRa・・・イオン性染色糸フィラメント糸Aの自然
延伸倍率 NDRb・・・非イオン性染色糸フィラメント糸Bの自
然延伸倍率
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明をす
る。
【0013】以下、本発明について、図面に示す実施例
に従い説明する。
【0014】図1は本発明に係る、多色カスリムラを有
する複合仮ヨリ加工糸の糸形態を示す概略外観図であ
り、該複合仮ヨリ加工糸に0.1g/Dの荷重をかけ
て、緊張−弛緩処理を繰り返し施した後の糸形態であっ
て、嵩高い部分と集束した部分が不規則に繰り返して有
する。
【0015】緊張−弛緩処理を繰り返し施すとは、複合
加工糸を吊してO.1g/dの荷重をいったんかけ緊張
後、荷重を外して放縮後再びO.1g/dの荷重をかけ
緊張後、荷重を外す操作を3回繰り返すことをいう。
【0016】図において、イは交絡部から交絡部の開繊
部の長さが比較的等間隔に形成された部分を示し、ロは
開繊部の長さがイに比べて長く、かつ不規則に繰り返
し、ハは開繊部の長さが極めて短く、交絡部が連続し集
束した部分である。
【0017】これらのイ、ロ、ハの部分は糸長さ方向に
不規則な長さで順不動で繰り返す糸形態を有している。
【0018】本発明について詳細に説明するならば、ま
ず、イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ加工糸A
と非イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ加工糸B
が交絡した複合仮ヨリ加工糸である。
【0019】該仮ヨリ加工糸Aと該仮ヨリ加工糸Bは、
引き揃えられてシックアンドシンの延伸加工が施される
ので、a.両糸条のシックアンドシンの位相が仮ヨリ加
工中に容易にずれる場合は、片側のフィラメント糸が他
方のフィラメント糸に巻き付き易い糸構造を作り易くな
る。b.両糸条のシックアンドシンの位相が仮ヨリ加工
中にずれない場合は、同時に糸形成されるので引き揃え
状態の糸構造を作り易くなる。c.両糸条の、シック部
の位相が重なると、やや融着気味に巻き付き緊密状に幾
つも連なった糸構造を作り易くなる。ただし、延伸仮ヨ
リ加工倍率に左右されやすく倍率が高くなると、シック
部が減少するので緊密状には連なりにくい。
【0020】これらabcの長さは糸長手方向に順不動
で不規則に繰り返すので、この不規則さが染色した場
合、多くの色となって表れ多色のカスリムラとして効果
が出るのである。
【0021】上記の複合糸の編織物製品を染色すること
によって、図1イの交絡部と交絡部の間隔が比較的均一
な部分では、フィラメント糸A、Bの混合した淡色の中
間色が、図1ロの開繊した部分はいずれか片方のフィラ
メント糸の色が濃色に目立ち易く、図1ハの交絡部がい
くつも連なった部分では不完全延伸部が残るのでフィラ
メント糸A、Bの混合した濃色になりやすい。
【0022】そして、これらイ、ロ、ハのそれぞれの部
分の長さは不規則的に糸形成されるので、この不規則さ
が自然なカスリ調の多色表面効果として表れるのであ
る。
【0023】特に、交絡部−開繊部−交絡部の交絡糸形
態において、開繊部の長さが不規則な長さで繰り返し、
ロの開繊した部分とハの交絡が連なった部分の長さの不
規則さは、自然延伸倍率の異なる原糸の組み合わせや、
シックアンドシン加工の延伸倍率の大きさ、あるいは延
伸ゾーン長の変更によって多色設計することができる。
【0024】次に、本発明複合仮ヨリ加工糸の一定長に
含まれるシックアンドシン仮ヨリ加工糸の実質糸長がフ
ィラメント糸A≦フィラメント糸Bである。これはポリ
エチレンテレフタレート糸の自然延伸倍率に関係し、該
倍率の高い方が実質糸長が長くなる。
【0025】つまりイオン性染色糸Aは共重合物が添加
されているので、非イオン性染色糸Bに比べて自然延伸
倍率が低くなるので、したがって非イオン性染色糸Bが
長くなることから非イオン性染色糸Bの方がイオン性染
色糸Aより実質糸長が長くなる傾向にある。
【0026】しかし、糸の組み合わせによっては逆転す
ることもあり、実質糸長が長くなると、長い部分の糸の
色が目立ち易くなるのである。
【0027】用いるポリエチレンテレフタレートの品種
では、イオン性染色糸の不完全延伸糸と非イオン性染色
糸の不完全延伸糸を組み合わすことにより、異色染めを
行う組み合わせとして好ましく、イオン性染色糸の代表
的品種としてはスルホン酸ナトリウムを共重合させたポ
リエチレンテレフタレートのカチオン可染型フィラメン
ト糸が代表的である。また非イオン性染色糸は通常のポ
リエチレンテレフタレートのフィラメント糸を用いるこ
とができるのである。
【0028】次に、本発明において、多色カスリムラを
有する複合仮ヨリ加工糸の交絡特性において、平均交絡
数(CF値)が80〜200、交絡不均整度CV(%)
が40〜100の不規則さを有することが好ましい。
【0029】平均交絡数のCF値は該複合仮ヨリ加工糸
1mにおける交絡数であって、n数50個の平均値であ
る。平均交絡数のCF値を80以上とすると工程通過性
や糸扱い性は向上するが、CF値が200を越えると集
束性は高くなるものの、「モアレ」の発生が懸念される
ので200以下に押さえることが好ましい。
【0030】交絡不均整度CV(%)は糸長手方向に交
絡度合のバラツキをみるが、引き揃えた状態で同時延伸
・同時仮ヨリ加工を施しているため、シック部とシン部
の位相のずれ具合により絡みが変化するので、糸長手方
向に交絡度合がある幅をもって分散するのが特徴であ
る。
【0031】絡みが多い部分と少ない部分が混在するこ
とにより糸筋のムラや多色カスリのムラなどの表面効果
がより大きく好ましい方向になり、このバラツキ度合い
は糸の組み合わせや糸加工条件の設定により変更するこ
とができる。
【0032】交絡不均整度CV(%)は40〜100の
範囲が好ましい。40未満では多色カスリムラ効果が弱
く、100を越えると該複合糸の糸筋がより不均一とな
り工程通過性を低下させるので好ましくない。
【0033】なお、交絡数CF値および交絡不均整度C
V(%)の測定は、東レエンジニアリング(株)製の交
絡度計 ENTANGLEMENT TESTER E
T−500を使用したものである。
【0034】次に本発明の複合仮撚加工糸の製造方法に
ついて説明するならば、イオン性染色糸のポリエチレン
テレフタレートの不完全延伸フィラメント糸Aおよび非
イオン性染色糸のポリエチレンテレフタレートの不完全
延伸フィラメント糸Bを引き揃え、特定の倍率にて同時
複合延伸加工を行い引き続き同時延伸仮ヨリ加工後、空
気交絡処理することにより多色カスリムラを有する複合
仮ヨリ加工糸を製造する方法である。
【0035】まず、使用するポリエチレンテレフタレー
トの不完全延伸糸はイオン性染色糸と非イオン性染色糸
のフィラメント糸であって、それぞれデニール、断面形
状、収縮率、光沢、染色性、易溶出性などが異なるあら
ゆる種類のフィラメント糸を組み合わせることができ
る。
【0036】なお、不完全延伸糸は、紡糸速度の範囲で
いえば、1500m/minのPOYとよばれるフィラ
メント糸から、6000m/min以上のOSPと呼ば
れる高速製糸のフィラメント糸が採用できる。また、U
Yと呼ばれる未延伸糸を用いることは可能であるが、温
湿度や経時変化など原糸の取扱いには十分注意をはらう
必要がある。
【0037】上記フィラメント糸の組み合わせ方で、繊
度差、紡速差、断面形状差などを組み合わせるとより好
まし効果を得ることができる。
【0038】次に図2に示した製造工程の代表例に従い
説明するならば、ポリエチレンテレフタレートの不完全
延伸糸のフィラメント糸A(1)をガイドからフィード
ローラ(3)へ、該フィラメント糸B(2)をガイドか
らフイードローラ(3)へ供給し、両フィラメント糸を
引き揃えフィードローラ(5)との間でホットピン
(4)にて特定の倍率にて同時延伸加工を行う。
【0039】特定の同時延伸倍率とはフィードローラ
(3)とフィードローラ(5)間の機械延伸倍率であっ
て、該フィラメント糸の自然延伸倍率の高い方の倍率以
下に設定することが好ましい。
【0040】例えば、通常POYとよばれる紡糸速度が
2500m/minのイオン性染色される糸のポリエチ
レンテレフタレートからなるフィラメント糸Aと、紡糸
速度が3000m/minの非イオン性染色される糸の
フィラメント糸Bとを用いるならば、フィラメント糸A
の自然延伸倍率はフィラメント糸Bより高いとするなら
ば、フィラメント糸Aの自然延伸倍率以下の倍率で延伸
加工を行うことであり、通常この組み合わせ例では1.
2倍から1.6倍が好ましい範囲となる。
【0041】しかし、自然延伸倍率の差が大きくなれば
なるほど、自然延伸倍率の低い側のフィラメントはシッ
クアンドシン加工が形成されにくくなり、完全延伸に近
くなるので好ましくなく、フィラメント糸の組み合わせ
を適宜選択することが重要である。
【0042】特定の倍率とは、イオン性染色される糸の
ポリエチレンテレフタレートの不完全延伸フィラメント
糸Aの自然延伸倍率NDRa、非イオン性染色される糸
のポリエチレンテレフタレートの不完全延伸フィラメン
ト糸Bの自然延伸倍率NDRbとするならば、(1.2
〜1.8)×(NDRa/NDRb)の倍率であること
が好ましく、この倍率にて同時複合延伸加工を行い引き
続き同時延伸仮ヨリ加工し、その後空気交絡処理するこ
とである。
【0043】延伸加工方法について、ホットピンの温度
はTg温度近辺が好ましくポリエチレンテレフタレート
糸では70℃〜110℃の範囲が適している。
【0044】シックアンドシン加工部はホットピンを用
いたり、ホットピンに代わるヒータとして、プレート
型、鞍型、チューブ型であってもよく、高温ショートヒ
ータ、遠赤外線ヒータ、電磁波加熱ヒータなどでも構わ
ない。
【0045】さらに、延伸仮ヨリ加工部は延伸加工を施
したフィラメント糸AとBは引き揃え状態で、同時に延
伸仮ヨリ加工を施す。この延伸仮ヨリ加工の延伸倍率は
1.0〜1.6倍が好ましいが、1.0倍未満では十分
な延伸仮ヨリ加工が行われず、1.6倍を越えるとシッ
クアンドシンの効果が弱くなるので好ましくない。
【0046】次に、仮ヨリツイスター(7)にて仮ヨリ
加ネンを行い、ヒータ(6)で熱セット後、解ネンを行
いデリベリーローラ(8)から引きだし、交絡ノズル
(9)により空気交絡処理を行い、フィードローラ(1
0)から巻取ローラ(11)によりチーズに巻き上げる
方法である。
【0047】複合仮ヨリ加工条件としては通常の設定範
囲を適用できるが、特殊な条件としてヒータ(6)の仮
ヨリセット温度を70〜150℃の低温設定するこや、
仮ヨリ数においても通常用いられる、例えば150デニ
ール相当糸の仮ヨリ数2100〜2600T/mより3
〜5割低い範囲や、逆に1〜2割高い範囲で行うことが
できる。その結果、ソフトからハードなスパンライクの
風合いや、梨地調からシルキー調の光沢を有した複合仮
ヨリ加工糸を製造することができる。
【0048】ヨリ掛け具の仮ヨリツイスター(7)はス
ピンドル式、フリクションデスク式、ベルトニップ式、
旋回流式などいずれの方法であってもよい。
【0049】空気処理ノズル(9)は交絡型、乱流型あ
るいは旋回型のいずれであってもよいが、糸形成や形状
安定性からいえば交絡型が最も好ましい。
【0050】再熱処理はソフトな風合いに調整したり後
工程通過性の改善を目的として、デリベリローラ(8)
から該複合仮ヨリ加工糸を熱セットし巻き取っても構わ
ない。
【0051】
【実施例】 (実施例1) [使用原糸] 非イオン性ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 125デニール36フィラメントのセミダル糸 NDR 60% カチオン可染型ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 130デニール24フィラメントのセミダル糸 NDR 50% NRD・・・自然延伸倍率(%) [糸加工条件] 図2のプロセスを使用 複合延伸倍率(倍) 1.32 ピン温度(℃) 85 セット温度(℃) 190 仮ヨリ延伸倍率(倍) 1.20 DY比 1.7 (DY比とは仮ヨリツイスタのディスク外周速度D(m/min)、デリベリロ ーラ外周速度Y(m/min)としたときの、D/Yの比率をいう) 仮ヨリ加工速度(m/min) 400 交絡処理フィード(%) +1.5 交絡処理圧力(Kg/cm2 ) 2.0 [糸特性] 平均交絡数 CF値 112 交絡不均整度 CV(%) 49 開繊部の平均糸長さ(cm) A;12 B;16 CF値、CV(%)は大きいので多色カスリのムラ効果
が大きく、凹凸の手触りはスパンライク感が大きい。
【0052】該複合仮ヨリ加工糸を下記条件にて製織
し、染色仕上げ加工を行い織物を製造した。
【0053】 [製織条件] 経糸 ポリエステルフイラメント75デニール24フイラメント 緯糸 本発明の複合糸(S600T/m) 組織 平 [染色仕上げ加工条件] 精練 ソーダ灰2g/Lで60℃×30min リラックス 98℃×60min熱水処理 染色条件 133℃×60min 分散染料とカチオン染料の2浴染め 中間セット 乾熱180℃×90sec 減量加工 NaOH(30g/L)98℃×60min 減量加工(減量率15%) 仕上げセット 190℃×90sec (実施例2) [使用原糸] 非イオン性ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 110デニール48フィラメントのセミダル糸 NDR 55% カチオン可染型ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 130デニール24フィラメントのセミダル糸 NDR 50% NRD・・・自然延伸倍率(%) [糸加工条件] 実施例1と同一 [糸特性] 平均交絡数 CF値 156 交絡不均整度 CV(%) 72 開繊部の平均糸長さ(cm) A;11 B;15 CF値、CV(%)は大きいので多色カスリのムラ効果
が大きく、凹凸の手触りはスパンライク感が大きい。
【0054】該複合仮ヨリ加工糸を下記条件にて製織
し、染色仕上げ加工を行い織物を製造した。
【0055】 [製織条件] 実施例1と同一 [染色仕上げ加工条件] 実施例1と同一 仕上げセット 190℃×90sec (比較例1) [使用原糸] 非イオン性ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 125デニール36フィラメントのセミダル糸 NDR 60% イオン性(カチオン可染型)ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸 130デニール24フィラメントのセミダル糸 NDR 50% NDR・・・自然延伸倍率(%) [糸加工条件] 使用プロセス・・・非イオン性ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸と イオン性(カチオン可染型)ポリエチレンテレフタレート不完全延伸糸を引き揃 え、交絡処理後シックアンドシンの延伸加工を施し、延伸仮ヨリ加工を行った。
【0056】 交絡処理圧力 2.0 Kg/cm2 シックアンドシン延伸倍率(倍) 1.32 ピン温度(℃) 85 仮ヨリ加工条件は実施例1と同一 [糸特性] 平均交絡数 CF値 26 交絡不均整度 CV(%) 31 平均糸長(cm) A;12 B;12 CF値、CV(%)とも実施例1より小さく集束性は低
く、均一な交絡を有しているので、多色のカスリ効果は
得られなかった。
【0057】 [製織条件] 実施例1と同一 [染色仕上げ加工条件] 実施例1と同一 得られた織物はピッチの短い単調な色彩でカスリ効果は
得られなく、プレーンな風合いであった。
【0058】
【表1】
【0059】表1に実施例1〜3および比較例1〜3を
示した。
【0060】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の多色カスリム
ラを有する複合仮ヨリ加工糸は編織物製品において新規
な多色カスリの染色差を有する表面効果と凹凸の手触り
感のあるスパンライク風合いを与えることができる。
【0061】多色カスリムラの染色差を有する表面効果
は染色により濃淡の染差および色差を生じ、強い交絡が
連なり集束した部分では濃色になりやすく、交絡が入り
難く開繊する部分では長いカスリ状の色筋になりやす
い。
【0062】この長いカスリ状の色筋は、今までの技術
では得ることができなかった新規な効果である。
【0063】シックアンドシン加工の延伸倍率を高目に
設定すれば、本発明の複合糸の地色は淡色になりやす
く、濃色がカスリムラとして表れやすく、逆に延伸倍率
を低めに設定すれば地色が濃色になり淡色がカスリムラ
として表れやすい傾向を示し、シックアンドシン加工の
延伸倍率を変更することにより、所望の多色カスリムラ
パターンや配色を容易に設計することができるのであ
る。
【0064】本発明の複合糸の地色が淡色になる場合、
濃色部の糸の太さは凸状の手触り感が得ら柔らかい風合
いが得られやすく、地色が濃色になる場合、淡色部の糸
の太さは細く、やや硬い風合いのが得られやすくなるこ
とが特徴である。
【0065】本発明の複合加工糸の凹凸風合いについ
て、シックアンドシン加工の延伸倍率の変更により、
「ドライ」な手触り感のあるスパンライク風合いを設計
することができる。
【0066】本発明の複合加工糸の多色カスリムラの配
色構成は、交絡部分が連なり緊密状に集束した部分であ
って、(1) イオン性の該フィラメント糸が非イオン性の
該フィラメント糸を取り巻いた部分、(2) 逆に非イオン
性の該フィラメント糸がイオン性の該フィラメント糸を
取り巻いた部分、交絡部分と交絡部分の間隔が長い開繊
した引き揃え状部分では、(3) イオン性の該フィラメン
ト糸が非イオン性該フィラメント糸より表面に表れる部
分、(4) 逆に非イオン性の該フィラメント糸がイオン性
該フィラメント糸より表面に表れる部分、交絡部分がほ
ぼ規則的に絡んだ部分では、(5) イオン性の該フィラメ
ント糸と非イオン性フィラメント糸がこなれた中間色の
部分の合計5色から構成されている。
【0067】なお、これらの順序についての規則性は全
くない。その結果、カラフルな発色性を示しファッショ
ン性の高い高級感のある複合加工糸を得ることができ
る。
【0068】本発明の複合加工糸の基本的な風合いの一
例として、伸縮復元率が10〜30%の範囲であれば、
仮ヨリ加工糸特有の「ふかつき」感を減少させたり、生
糸に近い「反発」感や「張り」「腰」を有することがで
きるので好ましい。
【0069】また本発明の複合加工糸の手触り凹凸ムラ
感の一例として、ウースタームラ測定器による糸ムラU
%が4〜7%,ムラパターンを表すスペクトログラムは
8〜10cmの範囲がスパン糸に近い風合やムラ感を得
ることができるので好ましい。
【0070】なお、伸縮復元率はJIS法をウースター
ムラ測定器は計測器工業(株)製EVENNESS T
ESTER80 TYPE80を用いて糸速25m/m
inにて測定したものである。
【0071】本発明の複合加工糸の用途の一例として、
明るい色彩の多色カスリムラのファッション性を生かし
て春夏物のトロピカルな婦人織物、濃色の多色カスリム
ラを生かして秋冬用の婦人紳士織物、あるいは伸縮性や
スパン調風合いを生かして高級感のあるユニフォームな
どに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色カスリムラ複合仮ヨリ加工糸の一
例を示す外観図である。
【図2】本発明の多色カスリムラ複合仮ヨリ加工糸を製
造する工程の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:フィラメント糸A 2:フィラメント糸B 3:フィードローラ 4:ホットピン 5:フィードローラ 6:ヒータ 7:仮ヨリツイスター 8:デリベリローラ 9:交絡ノズル 10:フィードローラル 11:巻取ローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ
    加工糸Aと非イオン性染色糸のシックアンドシン仮ヨリ
    加工糸Bが交絡した複合仮ヨリ加工糸であって、該複合
    仮ヨリ加工糸に緊張弛緩を繰り返した後の、糸長さ方向
    の交絡部−開繊部−交絡部の交絡糸形態において、開繊
    部の長さが不規則な長さで繰り返し、かつ該複合仮ヨリ
    加工糸の一定長に含まれるシックアンドシン仮ヨリ加工
    糸の実質糸長が仮ヨリ加工糸A≦仮ヨリ加工糸Bである
    ことを特徴とする複合仮ヨリ加工糸。
  2. 【請求項2】複合仮ヨリ加工糸において、 平均交絡数(CF値)=80〜200 交絡不均整度(CV%)=40〜100 であって、交絡糸形態における開繊部の長さが、不規則
    な長さで繰り返すことを特徴とする請求項1記載の複合
    仮ヨリ加工糸。
  3. 【請求項3】イオン性染色される糸のポリエチレンテレ
    フタレートの不完全延伸フィラメント糸Aと非イオン性
    染色される糸のポリエチレンテレフタレートの不完全延
    伸フィラメント糸Bを引き揃え、(1.2〜1.8)×
    (NDRa/NDRb)の倍率にて同時複合延伸加工を
    行い引き続き同時延伸仮ヨリ加工し、その後空気交絡処
    理することを特徴とする複合仮ヨリ加工糸の製造方法。 (ただし、NDRa:イオン性染色糸フィラメント糸A
    の自然延伸倍率 NDRb:非イオン性染色糸フィラメント糸Bの自然延
    伸倍率)
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