JP3282460B2 - 車両のエアバッグ装置 - Google Patents

車両のエアバッグ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエアバッグ
装置に係り、詳しくはエアバッグの膨張により破断して
エアバッグを乗員側に展開可能な蓋を有するエアバッグ
装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両の衝突時における前部
座席の乗員の安全を確保するため、運転席の前方に位置
するステアリングホイールの中央部や助手席の前方に位
置するインストルメントパネルに、衝突時においてエア
バッグが瞬間的に膨張するエアバッグ装置を備える車両
が増加している。
【0003】このエアバッグ装置では、車体に取り付け
られたハウジング内にエアバッグが折り畳んで収納され
ており、通常、このハウジングは、運転席や助手席に面
した開口部を有し、この開口部は樹脂等で成形された蓋
(リッド)により塞がれている。このエアバッグは、加
速度センサ等によって車両の衝突が検出されると、瞬間
的に膨張し、その膨張力で瞬時にリッドを開いて運転席
や助手席側に向け展開するようになっている。このリッ
ドの開き方には、リッド全体が端部に設けられたヒンジ
回りに回動する方式のものと、リッドに線状に薄肉に形
成された破断部(ティアライン)から破断して開口する
方式のものとがあり、生産コスト等との関係から、主と
して廉価な車両の助手席側のエアバッグ装置には後者の
方式のものが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なリッドにティアラインを有するエアバッグ装置では、
エアバッグの膨張時において、その膨張力で容易且つ確
実にティアラインが破断するようにティアラインの肉厚
が薄く形成される傾向にある。しかしながら、このよう
にティアラインが破断し易くなると、エアバッグの膨張
力によってだけではなく、前部座席側、つまり運転席や
助手席側からリッドに何らかの衝撃力を加えたときにお
いても簡単にティアラインが破断してしまうことにな
り、好ましいものではない。
【0005】特に、インストルメントパネルに向けて所
定重量の剛体を衝突させ、これにより主に助手席前方の
インストルメントパネルの衝撃吸収性をチェックするイ
ンストルメントパネル衝撃試験を行った場合、ティアラ
インが不所望に破断してしまう可能性が非常に高い。テ
ィアラインが破断すると、部材の破断面が露出すること
になるが、インストルメントパネル衝撃試験ではこの破
断面の露出も不適正と判断されるため、前部座席側から
の衝撃力で簡単に破断するリッドを持つエアバッグ装置
では商品化が困難である。
【0006】本発明は、上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、車両の衝突時には
容易且つ確実に蓋の破断部が切断されてエアバッグが展
開される一方、前部座席側からの衝撃力によっては破断
部が簡単に破断することのない車両のエアバッグ装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、車両の前部座席の前方に設けら
れ、車両の衝突時にはハウジング内に収納されたエアバ
ッグを瞬間的に膨張させ、この膨張力で前記ハウジング
から前記エアバッグを前記前部座席に向けて展開する車
両のエアバッグ装置において、前記ハウジングの前面に
設けられ、前記前部座席側に対向した開口部と、前記開
口部を塞ぐ蓋とを備えており、前記蓋は、蓋本体と、こ
の蓋本体の裏面から一体にして突設され、前記ハウジン
グに結合される複数の側壁と、前記蓋本体に肉厚を薄く
した薄肉ラインにより所定範囲を区分するようにして設
けられ、前記エアバッグの膨張力で前記薄肉ラインから
破断可能な破断部とを有しており、前記側壁には、前記
前部座席側から前記蓋に入力する衝撃力により衝撃力方
向と異なる方向に裂かれ開口する少なくとも一つの割裂
を具備することを特徴としている。
【0008】従って、前部座席に面する蓋本体から延び
る複数の側壁とハウジングとが結合されてハウジングの
開口部を塞ぐようになっており、蓋にはエアバッグの膨
張力で薄肉ラインから破断可能な破断部が蓋本体に設け
られている一方、側壁には前部座席から衝撃力が蓋に加
わると衝撃力方向と異なる方向に裂かれ開口するような
割裂部が施されているため、前部座席側からの衝撃力が
蓋に加わったときには割裂部が衝撃力方向と異なる方向
に開口して好適に衝撃力を吸収し、蓋本体の破断部が破
断してしまうことがない。
【0009】
【0010】また、請求項の発明では、前記割裂部
は、前記蓋本体と垂直にして前記側壁に形成され、前記
側壁の後端に向けて線状に延びる溝であることを特徴と
している。従って、割裂部は蓋本体と垂直にして側壁の
後端に向けて線状に延びているため、衝撃力が吸収され
易く、また、割裂部が薄肉に形成された溝であるため、
衝撃力が加わったときには良好に裂けて開口する一方、
エアバッグ装置の車両への取付け時には一体であって車
両への取付け作業性等がよい。
【0011】また、請求項の発明では、前記割裂部
は、前記蓋本体と垂直にして前記側壁に形成され、前記
側壁の後端に向けて延びるスリット状の切込みであるこ
とを特徴としている。従って、割裂部は蓋本体と垂直に
して側壁の後端に向けて延び、且つスリット状に予め切
り込まれて形成されているため、割裂部は良好に開口
し、より確実に衝撃力が吸収される。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づき説明する。先ず、実施例1について説明する。図1
には、車両のインストルメントパネル1の助手席側に装
着されたエアバッグ装置2の斜視図を示してある。
【0014】同図に示すように、エアバッグ装置2は、
インストルメントパネル1の開口部1a内に組み込まれ
ている。エアバッグ装置2は、主としてエアバッグ(図
3中符号30)と、このエアバッグ30を収納しておく
金属製のハウジング10と、助手席に臨んで開口するハ
ウジング10の開口部に嵌め込まれたリッド(蓋)4と
から構成されている。
【0015】エアバッグ30は火薬の爆発によって瞬時
に膨張する袋状のものであり、発火装置等を付帯的に備
えているが、ここではその構成については説明を省略す
る。リッド4は車両の衝突時の安全性を高めるため、軟
性の樹脂(例えば、オレフィン系の弾性材)で成形され
ている。同図に示すように、ハウジング10の後部には
一対のブラケット18,18が平行にして下方に延びて
設けられている。このブラケット18,18は、車体に
固定されたデッキクロスメンバ20上に固定された一対
のマウントブラケット22,22にそれぞれボルトとナ
ット等からなる一対の締結具26,26によって結合さ
れている。これにより、エアバッグ装置2は、リッド4
の前壁(蓋本体)5の外表面とインストルメントパネル
1の外表面とが連続面をなすようにして常時開口部1a
内に良好に保持されている。
【0016】リッド4の前壁5には、外周に沿うように
してティアライン(破断部)6がコの字状に延びて形成
されている。ティアライン6はハウジング10内部のエ
アバッグ30が膨張したときに膨張力によって破断する
部分であり、このティアライン6が破断したときにはエ
アバッグ30の通過可能な開口部が生成されるようにな
っている。これにより、エアバッグ30が助手席に向け
展開可能となる。
【0017】また、リッド4の前壁5からは、一体にし
て割裂部40,40を有する一対の側壁8,8がハウジ
ング10の一対の縦壁10a,10aに沿うように延び
て形成され、また一対の側壁9,9がハウジング10の
一対の横壁10b,10bに沿うように延びて形成され
ている。側壁8,8と縦壁10a,10aとはそれぞれ
ボルトとナットからなる締結具12,12で結合され、
また側壁9,9と横壁10b,10bとはそれぞれ同様
の締結具13,13で結合されており、これによりリッ
ド4がハウジング10に固定されている。
【0018】図2には、図1のA−A線に沿うエアバッ
グ装置2の断面を示してある。同図に示すように、ボル
ト12aとナット12bとからなる締結具12によって
側面8がハウジング10の縦壁10aに固定されるリッ
ド4は、その前壁5の裏面の肉が線状に削ぎ落とされ薄
肉にされてティアライン6が形成されている。これによ
り、ティアライン6は切れ易くなっており、エアバッグ
30が膨張したときには膨張力で押圧され簡単に破断す
る。尚、ボルト12aと縦壁10a間にはプレート14
とワッシャ16が介装されている。
【0019】また、図3には、図2中の矢印Bの方向か
ら見た斜視図を示してある。同図に示すように、側面8
の一対の締結具12,12間には、前壁5に垂直方向に
して、肉厚を薄く溝に形成した線状の割裂部40が設け
られている。この割裂部40は所定の長さを有してお
り、前壁5付近から側面8の後端部まで延びている。
【0020】図4には、図3中のC−C線に沿う断面図
を示してあるが、同図に示すように、割裂部40では、
ハウジング10側の肉を僅かに残した薄膜42が形成さ
れている。この薄膜42は、後述するように、助手席側
から前壁5に衝撃力が加わったときに容易に切断するよ
うになっている。または、薄膜42は、切断に至るまで
単に伸びて容易に塑性変形するものであってもよい。
【0021】以下、上記のように構成されたエアバッグ
装置2の作用を図5及び図6に基づいて説明する。同図
に示すように、リッド4の前壁5の略中央部50に向け
て衝撃力Fが付加されると、その力は側壁8,8に伝達
される。このとき、各側壁8はハウジング10に締結具
12,12によって固定されているため、側壁8は、図
示のようにハウジング10の縦壁10aから離間する方
向、つまり外側に向けて膨らむ方向に橈むことになる。
また、このとき、前壁5の外周端5aは、前壁5と側壁
8との境である不連続線8aを支点にして白抜き矢印で
示すように助手席側に向け反り返るような挙動をする。
【0022】図6は、図5中の矢印Dの方向から見たエ
アバッグ装置2の側面図であるが、衝撃力Fが付加され
た場合の外周端5aの挙動と側壁8に作用する力ベクト
ルとを合わせて示してある。同図に示すように、前壁5
の略中央部に向けて衝撃力Fが付加されると、前壁5の
外周端5aは、二点鎖線で示すような衝撃力Fの作用し
ていない通常の位置から実線で示す位置にまで反り返る
ようにして変位することになる。このとき、特に、隅部
5b及び隅部5cは衝撃力Fの作用点からの距離が遠く
なるため、その変位量はより大きくなる。
【0023】このように隅部5b及び隅部5cが大きく
変位すると、割裂部40には、衝撃力Fと同一方向の分
力FH の他に、隅部5bの変位によって不連続線8aを
支点として上方向の分力FV1が作用し、一方、隅部5c
の変位によって下方向の分力FV2が作用することにな
る。これにより、割裂部40の薄膜42は上下方向に引
き裂かれて切断され、割裂部40は、図5中に示すよう
に、外側に膨らむようにして実線矢印で示す方向に口を
開くことになる。割裂部40が開口すると、衝撃力Fの
力がここで良好に吸収されることになる。
【0024】そして、衝撃力Fの力が割裂部40におい
て良好に吸収されるようになると、前壁5のティアライ
ン6ではティアライン6が破断するほどの剪断力が働か
ないようになり、助手席側からの衝撃力Fではティアラ
イン6が簡単に破断しないようになる。次に、実施例2
について図7及び図8に基づいて説明する。尚、ここで
は実施例1との共通部分についての説明は省略する。
【0025】図7には、エアバッグ装置102を側面側
から見た斜視図を示してある。同図に示すように、リッ
ド104に前壁105と一体にして形成された側壁10
8には一対の割裂部140,140が設けられている。
この割裂部140,140は、実施例1において説明し
た割裂部40と同様に、薄肉に形成されている。
【0026】図8には、図7中に矢印Eで示す方向から
見た側面図を締結具12,12を除いて示してあるが、
同図に示すように、側壁108に設けられた割裂部14
0,140の後端部に、これらと連なるようにして締結
具12,12の貫通孔(取付け孔)144,144が穿
設されている。以下、このように構成されたエアバッグ
装置102の作用を図9に基づいて説明する。
【0027】図9中に示すように、衝撃力Fが前壁10
5の略中央部150に作用すると、通常二点鎖線で示す
位置にある前壁105の外周端105aは、実施例1の
場合と同様に、前壁105と側壁108との境である不
連続線108aを支点にして助手席側に反り返るような
挙動をし、実線で示す位置まで変位する。これにより、
実施例1の場合と同様に、割裂部140,140には、
衝撃力Fと同一方向の分力FH の他に、外周端105a
の変位に基づく不連続線108aを支点にした上方向の
分力FV1と下方向の分力FV2とが作用することになり、
割裂部140,140の薄肉は引き裂かれるようにして
切断される。
【0028】従って、助手席側から衝撃力Fが作用した
ときには、割裂部140,140はそれぞれ上下方向に
良好に広がって開口するようになり、衝撃力Fを好適に
吸収するようになる。これにより、前壁105に設けら
れたティアライン6には、このティアライン6を破断さ
せるほどの剪断力が働かないようになり、助手席側から
の衝撃力Fによってはティアライン6が簡単に破断しな
いようになる。
【0029】さらに、この実施例2の場合には、割裂部
140,140が締結具12,12の貫通孔144,1
44に連なっているため、リッド104は、図中破線で
示すように締結具12,12を割裂部140,140内
にめり込ませるようにしてハウジング10側に移動する
こともできる。従って、衝撃力Fが大きいような場合に
は、割裂部140,140の開口のみならず、割裂部1
40,140内への締結具12,12のめり込みによっ
ても衝撃力Fを良好に吸収できることになり、ティアラ
イン6はさらに破断しにくくなり効果的である。
【0030】以上、実施例1及び2に基づき詳細に説明
したように、エアバッグ装置2,102に設けられたリ
ッド4,104の一対の側壁8,8及び側壁108,1
08には各々割裂部40や一対の割裂部140,140
を設けたので、助手席側から衝撃力Fが加わった場合に
は、割裂部40や一対の割裂部140,140の口を開
かせるようにして衝撃力Fを良好に吸収することができ
る。従って、各前壁5,105に形成されたティアライ
ン6,106を、車両の衝突時には良好に破断させてエ
アバッグ30を助手席側に確実に展開できる一方、助手
席側からの衝撃力Fでは一切破断させないようにでき
る。
【0031】尚、上記実施例では、割裂部40や一対の
割裂部140,140を薄肉に形成するようにしたが、
全く肉を残すことなく予めスリット状の切込みにしてお
いてもよい。また、割裂部40や割裂部140の数は、
エアバッグ30の膨張力がリッド4,104に作用する
際必要な保持強度を損なわない限り幾つ設定してもよ
い。
【0032】また、上記実施例では、割裂部40や割裂
部140をそれぞれリッド4,104の側壁8及び側壁
108にのみ設けるようにしたが、これらの割裂部40
や割裂部140と同様の割裂部をハウジング10の横壁
10bに沿う側壁9,109に合わせて設けるようにし
てもよく、これにより、助手席側からの衝撃力をさらに
良好に吸収することができ効果的である。
【0033】
【発明の効果】上述のように、請求項1の車両のエアバ
ッグ装置によれば、車両の前部座席の前方に設けられ、
車両の衝突時にはハウジング内に収納されたエアバッグ
を瞬間的に膨張させ、この膨張力でハウジングからエア
バッグを前部座席に向けて展開する車両のエアバッグ装
置において、ハウジングの前面に設けられ、前部座席側
に対向した開口部と、開口部を塞ぐ蓋とを備えており、
蓋は、蓋本体と、この蓋本体の裏面から一体にして突設
され、ハウジングに結合される複数の側壁と、蓋本体に
肉厚を薄くした薄肉ラインにより所定範囲を区分するよ
うにして設けられ、エアバッグの膨張力で薄肉ラインか
ら破断可能な破断部とを有しており、側壁には、前部座
席側から蓋に入力する衝撃力により衝撃力方向と異なる
方向に裂かれ開口する少なくとも一つの割裂部を具備す
るようにしたので、前部座席側から衝撃力が入力したと
きには、割裂部が衝撃力方向と異なる方向に割裂開口し
衝撃力を良好に吸収でき、エアバッグの膨張時にのみ
破断させるべき前壁の破断部については破断させないよ
うにできる。
【0034】た、請求項の車両のエアバッグ装置に
よれば、割裂部は、蓋本体と垂直にして側壁に形成さ
れ、側壁の後端に向けて線状に延びる溝であるので、エ
アバッグ装置の車両への取付け時には作業性がよい一
方、前部座席側から衝撃力が入力したときには、割裂部
で良好に衝撃力を吸収するようにできる。
【0035】また、請求項の車両のエアバッグ装置に
よれば、割裂部は、蓋本体と垂直にして側壁に形成さ
れ、側壁の後端に向けて延びるスリット状の切込みであ
るので、より確実に割裂部を割裂開口させて衝撃力を良
好に吸収できる
【図面の簡単な説明】
【図1】インストルメントパネルに取付けられた実施例
1のエアバッグ装置を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線に沿うエアバッグ装置の断面
図である。
【図3】図2中の矢印B方向から見たエアバッグ装置の
斜視図である。
【図4】図3中のC−C線に沿う側壁の断面図である。
【図5】衝撃力Fが入力したときのリッドの挙動を示す
エアバッグ装置の斜視図である。
【図6】図5中の矢印D方向から見た衝撃力Fが入力し
たときのエアバッグ装置を示す側面図である。
【図7】実施例2のエアバッグ装置を示す斜視図であ
る。
【図8】図7中の矢印E方向から見た実施例2のエアバ
ッグ装置の側面図である。
【図9】衝撃力Fが入力したときのリッドの挙動を示す
実施例2のエアバッグ装置の側面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル 2 エアバッグ装置 4 リッド(蓋) 5 前壁(蓋本体) 6 ティアライン(破断部) 8 側壁 9 側壁 10 ハウジング 12 止め具 30 エアバッグ 40 割裂部 42 薄膜 102 エアバッグ装置 104 リッド(蓋) 108 側壁 140 割裂部 144 貫通孔(取付け孔)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の前部座席の前方に設けられ、車両
    の衝突時にはハウジング内に収納されたエアバッグを瞬
    間的に膨張させ、この膨張力で前記ハウジングから前記
    エアバッグを前記前部座席に向けて展開する車両のエア
    バッグ装置において、 前記ハウジングの前面に設けられ、前記前部座席側に対
    向した開口部と、 前記開口部を塞ぐ蓋とを備えており、 前記蓋は、蓋本体と、この蓋本体の裏面から一体にして
    突設され、前記ハウジングに結合される複数の側壁と、
    前記蓋本体に肉厚を薄くした薄肉ラインにより所定範囲
    を区分するようにして設けられ、前記エアバッグの膨張
    力で前記薄肉ラインから破断可能な破断部とを有してお
    り、前記側壁には、 前記前部座席側から前記蓋に入力する衝
    撃力により衝撃力方向と異なる方向に裂かれ開口する少
    なくとも一つの割裂部を具備することを特徴とする車両
    のエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 前記割裂部は、前記蓋本体と垂直にして
    前記側壁に形成され、前記側壁の後端に向けて線状に延
    びる溝であることを特徴とする、請求項記載の車両の
    エアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 前記割裂部は、前記蓋本体と垂直にして
    前記側壁に形成され、前記側壁の後端に向けて延びるス
    リット状の切込みであることを特徴とする、請求項
    載の車両のエアバッグ装置。
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