JP3282066B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP3282066B2
JP3282066B2 JP20860495A JP20860495A JP3282066B2 JP 3282066 B2 JP3282066 B2 JP 3282066B2 JP 20860495 A JP20860495 A JP 20860495A JP 20860495 A JP20860495 A JP 20860495A JP 3282066 B2 JP3282066 B2 JP 3282066B2
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catalyst layer
gas
fuel cell
reaction gas
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裕 水野
富男 安間
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01BBOILING; BOILING APPARATUS ; EVAPORATION; EVAPORATION APPARATUS
    • B01B1/00Boiling; Boiling apparatus for physical or chemical purposes ; Evaporation in general
    • B01B1/005Evaporation for physical or chemical purposes; Evaporation apparatus therefor, e.g. evaporation of liquids for gas phase reactions

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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原料を改質して
水素を製造し、得られた水素を燃料電池に供給して発電
を行う燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムとして、例えば加熱器
によって蒸発器を加熱し、この蒸発器で気化した原料を
触媒層に供給するようにした改質装置により、原料を改
質して水素を製造し、得られた水素を燃料電池に供給し
て発電を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この燃料電池システム
では、燃料電池のセルの燃料利用効率が通常20〜90
%である。これは、燃料電池システムまたは燃料電池の
セルの発電効率または運転時の経済性を考慮して決めら
れている。従って、改質装置が処理する原料の流量は、
燃料電池のセルで消費される正味の流量よりも大きいも
のとなっている。
【0004】また、定常発電時は、反応ガスを燃料電池
のセルで消費するよりも過剰に製造し、加熱器の燃料と
するのが一般的である。
【0005】さらに、反応ガス中に含まれるCOは、燃
料電池のセルの触媒を被毒してセルの性能を低下させ
る。そのために、改質装置は転化率が高いことが要求さ
れる。このため、触媒量を反応のために充分に確保する
必要があった。従って、改質装置はセルで必要とする流
量よりも多い量を、高い転化率で処理する必要があっ
た。
【0006】また、反応を進めるためには、熱を与える
必要があるが、触媒の耐熱レベルが低く、入口側は吸
熱、出口側は発熱となるため温度分布が不均一になり易
い。このため、改質装置が大型化し、構造が複雑になっ
た。よって、例えば、自動車に搭載されるような燃料電
池システムでは、小型の移動用には向かない等の問題が
ある。
【0007】また、燃料電池では、起動から定常までは
水過剰気味、定常状態では水不足、発電終了から停止ま
では水過剰気味となる。このため、それぞれの運転モー
ドに合わせた複雑な水供給制御が必要であった。特に、
起動時は、燃料電池のセルの温度上昇にともなうイオン
交換膜の周辺の湿度変化が大きく、外部から水を供給し
ても、燃料電池のセルが冷えているために水蒸気が途中
でガス通路に凝縮してしまい、電極基材のイオン交換膜
を充分に加湿できなかった。このように、湿度制御が困
難なことが、燃料電池のセルの性能が劣化したり、発電
初期にセル性能が充分に出せない原因にもなっていた。
また、多量の水を必要としたし、それによるガス通路閉
塞などの悪影響も発生した。
【0008】また、移動用に用いた場合、燃料電池のセ
ルに必要とされる水の供給量は、負荷レベル、セル温度
などにより激しく変動する。一方、加湿量は、その変化
の速さに対応できない。そのため、加湿量を適正に制御
することが困難であった。
【0009】さらに、加湿不足とならないように、水を
変動の最高値で供給すると水分過剰となり、電極基材で
あるカーボンペーパーの細孔などの、ガスの拡散通路が
水で詰ってしまい、セルの性能が低下するという問題が
あった。また、水の変動を考慮して、平均値で水を供給
すると、供給の過不足を繰返すこととなり、セルの性能
が充分に出せなかった。
【0010】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、改質装置の効率が向上し、かつ構造が簡単で、装
置が小型化でき、移動性に優れている燃料電池システム
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原料を
気化させて原料ガスを生成する蒸発器と、前記原料ガス
を改質して反応ガスを製造する触媒が充填された触媒層
と、原料を燃焼させることにより前記蒸発器と前記触媒
層を加熱する加熱器と、前記触媒層から得られた反応ガ
スを燃料電池に供給して発電を行う燃料電池システムに
おいて、前記触媒層は原料ガスが供給されるガス供給口
を有する上流測の触媒層と、反応ガスが取出されるガス
取出口を有する下流側の触媒層からなり、前記上流側の
触媒層と前記下流側の触媒層との途中に反応ガスの一部
を取り出す中間の反応ガス取出部を設け、前記中間の反
応ガス取出部から取出した反応ガスの一部を、バルブを
介して前記加熱器に供給し、原料とともに燃料させるこ
とを特徴としている。
【0012】このように、上流側の触媒層と下流側の触
媒層との途中に設けた中間の反応ガス取出部から取出し
た反応ガスの一部を、バルブを介して加熱器に供給し、
原料とともに燃料させることで、反応ガス取出部の下流
側では処理量が減少するので相対的に空間速度が低下し
て、反応に有利な状態になる。また、発熱レベルも低下
するので、平衡は反応の進む側に移り、反応転化率は向
上する。また、反応ガス取出部よりも上流側では、下流
側での発熱レベルが低下しているので、加熱器による加
熱量を高めて反応を効果的におこすことが可能となり、
触媒層の入口側に熱を集中でき、触媒層の出口側での発
熱量が減って温度均一化可能となり、改質装置の性能が
向上し、かつ小型化し、それによる加熱器の小型化が可
能となる。
【0013】さらに、反応ガス取出部から直接加熱器に
反応ガスを供給した方が、燃料電池のセル用に精製した
ガスを原料とする場合に比べて、精製のためのエネルギ
ーが不要となるから、効率が良い。また、改質装置の後
工程でも処理量を低減できるから、転化率の向上、機器
の小型化が可能となる。
【0014】請求項2記載の発明は、前記加熱器で原料
を燃焼させて発生する加熱ガスは、前記蒸発器を加熱し
た後、前記上流側の触媒層を加熱することを特徴として
いる。加熱ガスは、蒸発器を加熱した後、上流側の触媒
層を加熱することで、上流側の触媒層に熱を集中でき、
熱効率、触媒の温度分布しいては転化率をより一層高め
ることができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料電池システ
ムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1は燃料電池システムの実施例を示す構
成図である。
【0022】燃料電池システム1は、例えば電気自動車
に備えられ、燃料電池によって発生する電気を駆動源と
して走行するものがある。この燃料電池システム1は、
メタノールタンク2、改質装置3、シフトコンバータ
4、選択酸化反応器5、燃料電池6、水分回収熱交換器
7、水タンク8及びコントローラ9等から構成されてい
る。コントローラ9は、バルブ、ポンプ、ファン等の各
機器及びセンサと接続されている。改質装置3、シフト
コンバータ4、選択酸化反応器5、燃料電池6の各部に
は温度センサTr、Tb、Ts、Tp、Tcが備えら
れ、これらの温度検出により各部がコントローラ9によ
って適正温度に制御される。
【0023】改質装置3には、加熱器10、蒸発器1
1、触媒層12等が備えられている。加熱器10には、
温度センサTbの温度検出によりバーナーポンプ13が
駆動されてメタノールタンク2からメタノールが供給さ
れ、またバーナーファン14の駆動で空気が供給され、
これらで燃焼されて蒸発器11を加熱する。蒸発器11
には、メタノールポンプ15の駆動でメタノールタンク
2から供給されるメタノールと、また水ポンプ16の駆
動で水タンク8から供給される水が混合して供給され
る。加熱器10により蒸発器11を加熱してメタノール
と水の混合燃料を気化し、この蒸発器11で気化した燃
料を触媒層12に供給する。
【0024】この改質装置3により、原料を改質して水
素を製造し、温度センサTrの温度検出により得られた
水素をシフトコンバータ4、選択酸化反応器5を介して
燃料電池6に供給する。改質装置3とシフトコンバータ
4との間には、切換弁17が設けられ、この切換弁17
の作動で水素が改質装置3の加熱器10に戻される。シ
フトコンバータ4は温度センサTsの温度検出により冷
却用空気ファン18で冷却される。シフトコンバータ4
から送られる水素に、反応用空気ポンプ19の駆動で供
給される空気を混合して選択酸化反応器5に供給され
る。選択酸化反応器5は温度センサTpの温度検出によ
り冷却用空気ファン20で冷却される。選択酸化反応器
5と燃料電池6との間には、切換弁21が設けられ、こ
の切換弁21の作動で水素が改質装置3の加熱器10に
戻される。
【0025】燃料電池6には、冷却加湿ポンプ22の駆
動で水タンク8から水が供給され、また温度センサTc
の温度検出により加圧空気ポンプ23の駆動で水分回収
熱交換器7から空気が供給され、これらの水、空気及び
水素から燃料電池6で発電を行う。燃料電池6で用いら
れた水は、水分回収熱交換器7で熱交換で水を得て水タ
ンク8に戻される。また、燃料電池6で発電のために用
いられた水素は、改質装置3の加熱器10に戻される。
【0026】燃料電池システム1では、加熱器10によ
って蒸発器11を加熱し、この蒸発器11で気化した原
料を触媒層12に供給するようにした改質装置3によ
り、原料を改質して水素を製造し、得られた水素をシフ
トコンバータ4及び選択酸化反応器5を介して燃料電池
6に供給して発電を行い、改質装置3は、燃料改質によ
る反応ガスの一部を触媒層12の途中から取出して、戻
し系30を介して加熱器10に戻すように構成してい
る。戻し系30は、触媒層12側に設けられた反応ガス
取出部31と、この反応ガス取出部31と加熱器10側
とを連結する配管32と、この配管32に備えられたバ
ルブ33から構成され、バルブ33を開くことで燃料改
質による反応ガスの一部を触媒層12から取出して加熱
器10に戻される。バルブ33は、ON/OFFバルブ
または流量調整バルブが用いられる。
【0027】改質装置3での改質反応は、以下のように
示される。 CH3OH → 3H2 + CO − 21kcal・・・(1) CO+H2O → CO2 + H2 + 10kcal・・・(2) CH3OH+H2O → 3H2 + CO2 − 11kcal・・・(3) 触媒層12の加熱器10に近い入口側では吸熱反応
(1)式が支配的であり、一方、触媒層12の出口側で
は発熱反応(2)式が支配的であり、全体としては、吸
熱反応(3)式である。
【0028】触媒層12の途中から反応ガスを一部取出
すと、反応ガス取出部31の下流側では処理量が減少す
るので相対的に空間速度が低下して、反応に有利な状態
になる。また、発熱反応(2)式による発熱レベルも低
下するので、平衡は反応の進む右側に移る。よって、反
応転化率は向上する。
【0029】また、反応ガス取出部31よりも上流側で
は、下流側での発熱レベルが低下しているので、加熱器
10による加熱量を高めて吸熱反応(1)式の反応を効
果的におこすことが可能となる。よって、触媒層12の
入口側に熱を集中でき、触媒層12の出口側での発熱量
が減って温度均一化可能となり、改質装置3の性能向
上、小型化と、それによる加熱器10の小型化が可能と
なる。
【0030】さらに、反応ガス取出部31から直接加熱
器10に反応ガスを供給した方が、セル用に精製したガ
スを燃料とする場合に比べて、精製のためのエネルギー
が不要となるから、効率が良い。さらに、改質装置3の
後工程でも処理量を低減できるから、転化率の向上と機
器の小型化が可能となる。
【0031】例えば電気自動車に備えられる移動用燃料
電池システム1は、その改質装置3に使用される触媒層
12の触媒が、主として銅系の触媒である。銅系の触媒
は、耐熱性が低く、約300℃であり、これを越えると
触媒の劣化が激しいため、加熱器10による加熱時は、
触媒温度の上限を守るように配慮される。
【0032】また、吸熱反応(1)式の反応が、主に触
媒層12の上流側で起きるので、上流側には熱を積極的
に与え、下流側では熱を穏やかに与えて発熱反応(2)
式の反応を進ませることが、反応転化率を向上させるた
めに有効である。よって、反応ガス取出部31の位置
は、加熱器10の熱が直接あたり易い高温部より、下流
側とするのがよい。
【0033】図2及び図3に基づいて改質装置の具体的
な実施例を説明する。図2は改質装置の断面図、図3は
図2のIII-III線に沿う断面図である。
【0034】図において、41は改質装置3の筒状のハ
ウジングであり、その下部に設けた加熱室42にスパイ
ラル状のパイプから形成された原料気化用の蒸発器11
が設けられている。蒸発器11は連続状のパイプが螺旋
状に巻かれて構成されており、原料を気化するための蒸
発部11aと、その気化された原料ガスをさらにスーパ
ヒートさせる過熱部11bとを有している。蒸発器11
の下方には、加熱器10を構成するバーナ43が設置さ
れている。また、加熱室42にはファン44が接続さ
れ、空気が強制送風されるようになっている。
【0035】加熱室42の上方には、2枚の平行な板材
がスパイラル状に巻かれて形成された触媒層12が設け
られている。また、触媒層12と平行に隣接してスパイ
ラル状の加熱層45が形成されている。スクロール状を
した触媒層12と加熱層45との中心部に上下に貫通す
る加熱ガス通路46が設けられ、下部の加熱室42と加
熱層45とを連通している。加熱層45には、その途中
に加熱室42に通ずるバイパス47が数カ所に設けら
れ、中間域の温度分布が調整されるようになっている。
また、加熱ガス通路46の中には、蒸発器11の蒸発部
11aから延びる過熱部11bが貫通し、さらに過熱部
11bから延びるパイプ48が触媒層12に連通してい
る。
【0036】改質装置3において、加熱器10のバーナ
の加熱によって加熱室42で生成された加熱ガスは、加
熱ガス通路46を経て加熱層45に入り、その中心部か
ら外側に向けてスパイラル状に流されながら触媒層12
を加熱し、最後に外周の排出口49から排気される。一
方、蒸発器11の蒸発部11aには供給管50から原
料、例えば、メタノールと水との混合液が供給され、加
熱器10のバーナの加熱によって気化されて原料ガスに
なる。その原料ガスは過熱部11b,パイプ48を経て
触媒層12ヘ供給され、その中心部からスパイラル状に
外側に向けて流動する間に加熱層45によって加熱され
ることにより反応を行い、水素ガス主体の反応ガスにな
る。その反応ガスは排出管51から燃料電池側に供給さ
れる。
【0037】改質装置3は、触媒層12がスパイラル状
であることによって反応経路が長くなり、またスパイラ
ル状の連続層で形成するため、部品点数を少なく、単純
化することができる。
【0038】また、触媒層12では、前記(1)式と
(2)式の反応が起こり、その結果として(3)式の右
辺に示すような反応ガスが生成される。前記(1),
(2)式のうち初めの(1)式は吸熱反応であるのに対
し、後の(2)式は発熱反応であり、しかも(2)式は
高温雰囲気中では逆方向(←方向)の反応を起こしやす
い傾向がある。このため、触媒層12の原料ガスと加熱
層の加熱ガスとは同一方向に平行に流されるので、反応
初期は高温に、後期には低温になっているから、前記
(2)式の逆方向の反応は起こりにくく、極めて効率的
な反応が行われる。また、実施例のように加熱ガスを改
質装置3の中心部から外側に向けて流すようにすると、
外周部ほど低温になるので、外部に対する熱エネルギー
のロスを少なくすることができる。
【0039】この改質装置3は、燃料改質による反応ガ
スの一部を触媒層12の途中から取出して、戻し系30
を介して加熱器10に戻すように構成している。戻し系
30は、触媒層12側に設けられた反応ガス取出部31
と、この反応ガス取出部31と加熱器10側とを連結す
る配管32と、この配管32に備えられたバルブ33か
ら構成され、バルブ33を開くことで燃料改質による反
応ガスの一部を触媒層12から取出して加熱器10に戻
される。
【0040】図4及び図5に基づいて改質装置の他の実
施例を説明する。図4の実施例の改質装置3は、複数の
触媒層12a,12bが上下に直列に接続され、下側の
触媒層12aに原料が供給され、上側の触媒層12bか
ら反応ガスが排出される。直列に接続された触媒層12
a,12bの間に反応ガス取出部31が設けられ、この
反応ガス取出部31と加熱器10側とを配管32で連結
し、この配管32にバルブ33が備えられている。バル
ブ33を開くことで燃料改質による反応ガスの一部を触
媒層12aから取出して加熱器10に戻される。
【0041】図5の実施例の改質装置は、複数の触媒層
12c,12dが2重円筒で構成され、内側円筒の触媒
層12cと、外側円筒の触媒層12dとが接続されてい
る。直列に接続された触媒層12c,12dの間に反応
ガス取出部31が設けられ、この反応ガス取出部31と
加熱器10側とを配管32で連結し、この配管32にバ
ルブ33が備えられている。バルブ33を開くことで燃
料改質による反応ガスの一部を触媒層12cと触媒層1
2dの間から取出して加熱器10に戻される。
【0042】図6及び図7は図5に示す改質装置の具体
的な構成を示し、図6は改質装置の断面図、図7は図6
のVII-VII線に沿う断面図である。
【0043】改質装置3は、液体原料を気化するための
蒸発器11、この蒸発器11の下方に設置されたバーナ
からなる加熱器10が備えられている。蒸発器11の上
方には、同心状に筒状の触媒層12c,12dが配置さ
れ、このように配置された触媒層12cの内側、両触媒
層12c,12dの間、触媒層12dの外側には、それ
ぞれ加熱ガスが通る加熱層45a,45b,45cが形
成されている。
【0044】蒸発器11は連続状のパイプが螺旋状に巻
かれて構成されており、原料を気化するための蒸発部1
1aと、その気化された原料ガスをさらにスーパヒート
させる過熱部11bとを有している。蒸発部11aはパ
イプが円板状の螺旋となって加熱器10のバーナに直接
対面し、また過熱部11bはパイプが円筒状の螺旋とな
って加熱層45aの中に挿入されている。このようにパ
イプが円板状或いは円筒状になって面状に並び、その面
状に並んだ部分によって加熱器10と触媒層12c,1
2d及び加熱層45b,45cとの間を隔壁状に仕切っ
ている。このような蒸発器11に対し供給管50から反
応用の原料が供給されると、加熱器10によって外側か
ら加熱され、まず蒸発部11aで気化され、次いで過熱
部11bでスーパヒートされる。
【0045】加熱器10は燃料供給源から供給された燃
焼用燃料を、空気口51から矢印のように空気を取り入
れて燃焼させるようにしている。この燃焼によって発生
した加熱ガスは、蒸発器11を加熱したのち、面状に並
ぶパイプの隙間を抜け出て、矢印のように加熱層45
a,45b,45cをそれぞれ上昇し、触媒層12c,
12dを流下する反応ガスと向流しながら熱交換を行っ
て、上部の排気管52から排気ガスが排出される。
【0046】触媒層12cの上部は、過熱部11bの上
部と連通され、過熱部11bから反応ガスが供給され
る。触媒層12c,12dの下部側は連通室53により
互いに運結され、触媒層12dの上部側は集合室54で
集合され、集合室54に導出管55が設けられ、さらに
燃料電池本体に接続している。このような触媒層12
c、12dに、蒸発器11で気化した原料ガスが矢印の
ように供給され、そこで反応を行うことによって水素ガ
ス主体の反応ガスになり、上部の集合室54を経て導出
管55から燃料電池本体ヘ供給される。
【0047】改質装置3によると、蒸発器11が螺旋状
に巻かれたパイプから構成されているので、コンパクト
でありながら大きな熱交換面積を確保することができ、
負荷応答性を良好にすることができる。また、パイプ間
に多数の隙間を有する形態であるため、加熱ガスを低圧
損下に触媒槽12c,12d側へ導入することができ
る。
【0048】さらに、改質装置3では、蒸発器11を構
成するパイプが面状に並んで加熱器10と触媒層12
c,12dとの間を仕切るようにしているから、この面
状に並ぶパイプが隔壁効果を発揮し、1000℃以上に
もなる加熱器10の加熱ガスが触媒層12c,12dに
対して直接及ぶことがないようにしている。
【0049】この改質装置3では、複数の触媒層12
c,12dが2重円筒で構成され、内側円筒の触媒層1
2cと、外側円筒の触媒層12dとが連通室53を介し
て接続されている。この直列に接続された触媒層12
c,12dの間に反応ガス取出部31が設けられ、この
反応ガス取出部31と加熱器10側とを配管32で連結
し、この配管32にバルブ33が備えられている。バル
ブ33を開くことで改質による反応ガスの一部を触媒層
12cと触媒層12dの間から取出して加熱器10に戻
される。
【0050】次に、図8乃至図10に基づいて燃料電池
の具体的な実施例を説明する。図8は燃料電池の正面
図、図9は図8のIX-IX線に沿う断面図、図10は図8
のX−X線及びY−Y線に沿う断面図である。
【0051】燃料電池6は、組付軸102により組み付
けられたセルスタック103を備えている。セルスタッ
ク103はセパレータ104a,104b,104cを
組みにして複数積層して組み付けて構成され、セパレー
タ104aとセパレータ104cとの間にガス遮断板1
04dが設けられている。セパレータ104cには、ガ
ス遮断板104dとの間にトンネル通路115bが形成
されている。セパレータ104a,104bの間には、
セル106が備えられている。セル106の電極基材B
は、イオン交換膜107、正の触媒電極108及び負の
触媒電極109から構成されている。イオン交換膜10
7の外周部107aは、セパレータ104a,104b
の間に挟んで保持され、イオン交換膜107の一方面に
は正の触媒電極108を有し、他方面に負の触媒電極1
09を有しており、このセル106により反応ガスの水
素と酸素とを反応させて水を生成し、その際に電気を発
生させる。
【0052】セル106の正の触媒電極108の外側に
は、ポーラス部材で形成されたポーラスガイド体110
を接触させて配置され、負の触媒電極109の外側にも
ポーラス部材で形成されたポーラスガイド体111を接
触させて配置され、ポーラス部材で電極基材の外側に水
過剰時の吸収及び水不足時の供給のための水保管部Aを
構成している。
【0053】ポーラスガイド体110,111は多孔質
なポーラス部材で成形され、それぞれ一面側には等間隔
に溝110a,111aが形成されている。ポーラスガ
イド体110は溝110aが形成された側を正の触媒電
極108と接触させ、ポーラスガイド体111は溝11
1aをポーラスガイド体110の溝110aと直交する
方向に向けて配置されている。ポーラスガイド体110
の溝110aと正の触媒電極108との間に連通する反
応ガス通路112が設けられ、ポーラスガイド体111
の溝111aと負の触媒電極109との間に連通する反
応ガス通路113が設けられている。
【0054】セルスタック103には、セル106が角
度α傾斜させて配置され、セル106の周囲を囲むセパ
レータ104b,104cの間にガスケット114が設
けられ、ガスケット114によりセル106をシールし
ている。セルスタック103の左側上方には水素の入口
部115が設けられ、右側下方には水素の出口部116
が設けられ、入口部115及び出口部116の周囲を囲
むようにセパレータ104a,104bとの間にガスケ
ット117,118が設けられ、入口部115及び出口
部116をシールしている。入口部115には、セル1
06の積層方向に入口通路115aが形成され、この入
口通路115aから4個のトンネル通路115bがガス
ケット114の下方を通ってセル106の分配通路11
5cに連通し、分配通路115cから反応ガス通路11
3に連通している。出口部116には、セル106の積
層方向に出口通路116aが形成され、この出口通路1
16aに連通された4個のトンネル通路116bはガス
ケット114の下方を通ってセル106の集合通路11
6cに連通し、集合通路116cは反応ガス通路113
と連通している。
【0055】セルスタック103の上方右側には酸素の
入口部119が設けられ、下方左側には酸素の出口部1
20が設けられ、入口部119及び出口部120の周囲
を囲むようにセパレータ104a,104bの間にガス
ケット121,122が設けられ、入口部119及び出
口部120をシールしている。入口部119には、セル
106の積層方向に入口通路119aが形成され、この
入口通路119aから4個のトンネル通路119bがガ
スケット114の下方を通ってセル106の分配通路1
19cに連通し、分配通路119cから反応ガス通路1
12に連通している。出口部120には、セル106の
積層方向に出口通路120aが形成され、この出口通路
120aに連通された4個のトンネル通路120bはガ
スケット114の下方を通ってセル106の集合通路1
20cに連通し、集合通路120cは反応ガス通路11
2と連通している。
【0056】また、ガス遮断板104dの図9での下面
であるポーラスガイド体110との接触部には水通路1
23が形成されている。水通路123の一方123a
は、ガスケット114の下方を通るトンネル通路124
aを介して水素の入口部115の近傍で上側に設けられ
た排出部124に連通され、他方123bはガスケット
114の下方を通るトンネル通路125aを介して水素
の出口部116の近傍で下側に設けられた供給部125
に連通されている。排出部124及び供給部125の周
囲を囲むようにセパレータ104a,104cの間にガ
スケット126a,127aが設けられ、排出部124
及び供給部125をシールしている。
【0057】また、セパレータ104bの図9での上面
であるポーラスガイド体110との接触部には、水通路
128が形成されている。水通路128の一方128a
はガスケット114の下方を通るトンネル通路129a
を介して酸素の入口部119の近傍で右側に設けられた
排出部129に連通され、他方128bはガスケット1
14の下方を通るトンネル通路130aを介して酸素の
出口部120の近傍で左側に設けられた供給部130に
連通されている。排出部129及び供給部130の周囲
を囲むようにセパレータ104a,104bの間にガス
ケット126b,127bが設けられ、排出部129及
び供給部130をシールしている。
【0058】従って、セルスタック103の水素の入口
部115から加温、加湿した水素を供給すると、この水
分を含む水素は入口通路115aからトンネル通路11
5bを通ってセル106の分配通路115cに導かれ、
分配通路115cから反応ガス通路113を流れる。一
方、酸素の入口部119から加温、加湿した酸素を供給
すると、この水分を含む酸素は入口通路119aからト
ンネル通路119bを通ってセル106の分配通路11
9cに連通し、分配通路119cから反応ガス通路11
2を流れる。
【0059】このとき、セル106により反応ガスの水
素と酸素の電気化学的な反応により水を生成し、その際
の自由エネルギーの変化を電気エネルギーとして取り出
す発電が行われる。セル106は、セパレータ104c
を介して隣接したセル106と直列に接続され、発生し
た電力はセルスタック103の両端部に設けられた不図
示の集電部より取り出される。
【0060】主として水素と水はセル106の集合通路
116cに集められ、トンネル通路116bを通って出
口通路116aに導かれて出口部116から排出され
る。主として酸素と水はセル106の集合通路120c
に集められ、トンネル通路120bを通って出口通路1
20aに導かれて出口部120から排出される。
【0061】セル106による水素と酸素の電気化学的
な反応は、一方では酸素と水がポーラスガイド体11
0、正の触媒電極108を通り、イオン交換膜107の
表面に供給され、他方では水素と水がポーラスガイド体
111、負の触媒電極109を通り、イオン交換膜10
7の表面に供給され、この正の触媒電極108とイオン
交換膜107の界面及び負の触媒電極109とイオン交
換膜107の界面で行われる。イオン交換膜107は、
含水率により伸びが大きく変化するので、イオン交換膜
107の加湿レベルを常に適正に保ってイオン交換膜1
07の伸びを一定に保ち、界面を安定に保つことが必要
である。
【0062】このセル106による反応ガスの水素と酸
素の電気化学的な反応で電気が発生し、その際に水が生
成されるが、このセル106内部の相対湿度による伸び
だけではなく、内部に発生する凝縮水、生成水、供給過
剰水などの過剰水が、イオン交換膜107に直接接触す
るとさらに伸び、セル106の性能が劣化するが、セル
106の両側の触媒電極108,109にポーラスガイ
ド体110,111を接触させて配置しており、セル1
06内部に発生する凝縮水、生成水、供給過剰水などの
過剰水をポーラスガイド体110,111により吸収し
て除去することができる。
【0063】このため、イオン交換膜107の伸びを防
止でき、セル106の性能を長期間、高効率に保つこと
ができ、また反応ガスの拡散性低下を防止している。こ
のように、特別な装置を使用しないで過剰水を除去する
ことができ、簡単、低価格、コンパクト及び軽量な装置
とすることができる。ポーラスガイド体110,111
により反応ガス通路112,113を形成することで、
水を供給する時にポーラスガイド体110,111によ
り吸収されて一部は反応ガス通路112,113に拡散
し、一部は直接触媒電極108,109へ移動すること
により加湿を効果的に行なうとともに、過剰水が発生し
た場合、これを吸収して不足時に供給するダンパー効果
があり、適量の加湿が可能である。
【0064】また、燃料電池6のセルスタック103内
部に、イオン交換膜107、正の触媒電極108及び負
の触媒電極109から構成されている電極基材の外側に
水過剰時の吸収及び水不足時の供給のための水保管部A
を設け、停止時水保管部Aに水を保管しておき、起動時
水保管部Aの水を供給するように構成している。
【0065】このように、起動時水保管部Aの水を供給
することで、起動時に、水保管部Aがセル106とほぼ
同じ温度で上昇していくため、外部から水を供給するも
のに比べて正確な湿度管理ができる。また、停止時に、
水をセル106の内部または近傍に含んだ状態で水保管
部Aに保管できるので、保管中もセル106のイオン交
換膜107の湿度をほぼ飽和状態に保つことが可能であ
る。
【0066】さらに、燃料電池6の水の供給制御が容易
であり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が
可能となる。また、水の供給量をセル106が必要な最
小限度とすることができるので、水使用量の低減、水供
給に必要なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、
熱交換器等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効
率・小型軽量化が可能となる。
【0067】また、起動時水保管部Aに水を保管してお
き、定常時水保管部Aの水を供給するように構成してい
る。このように、定常時水保管部Aの水を供給するよう
にすることで、起動時に、凝縮水や過剰水を確保でき、
加湿水の供給量を低減できる。また、起動中、加湿に寄
与しない水がガス通路から除去されるので、発電開始か
ら性能を高く維持できる。
【0068】さらに、燃料電池6の水の供給制御が容易
であり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が
可能となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度
とすることができるので、水使用量の低減、水供給に必
要なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換
器等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小
型軽量化が可能となる。
【0069】図11乃至図14は水保管部の他の実施例
を示している。図11の水保管部Aは、多層構造になっ
ており、第1保管部A1は通路300を有するポーラス
部材で形成され、第2保管部A2も同様にポーラス部材
で形成されている。水は、第1保管部A1の通路300
から第2保管部A2に吸収して保持されるが、第1保管
部A1が第2保管部A2より水の吸収が良く、水保管部
Aを多層構造にすることで保水量を増やしている。
【0070】図12の水保管部Aも、多層構造になって
おり、第1保管部A1は同様に通路300を有するポー
ラス部材で形成され、第2保管部A2はポーラス部材ま
たは不浸透材で形成されている。第2保管部A2の第1
保管部A1側に凹部を有しており、この凹部と第1保管
部A1との間に空間が形成され、この空間で通路301
を形成している。水は、第1保管部A1の通路300か
ら第2保管部A2に吸収して保持されるが、さらに通路
301によって水が多量に且つ確実に保持される。
【0071】図13の水保管部Aも、多層構造になって
おり、第1保管部A1は通路300を有するポーラス部
材で形成され、第2保管部A2も同様にポーラス部材で
形成されているが、この第2保管部A2の外側に不浸透
材Cが配置されている。第1保管部A1には通路300
の間に、電極基材Bの外側と第2保管部A2とを連通す
るガイド通路302が形成されている。また、第2保管
部A2には、不浸透材Cとの間に水通路303が形成さ
れている。従って、負圧で引くことによって、第1保管
部A1に水が通路300から吸収され、さらにガイド通
路302により第2保管部A2に吸収され、水の吸収が
速くなっている。
【0072】図14の水保管部Aも、多層構造になって
おり、第1保管部A1は通路300を有するポーラス部
材で形成され、この第1保管部A1の外側に不浸透材C
が配置されている。不浸透材Cには、第1保管部A1と
の間に水通路304が形成され、水が水通路304から
第1保管部A1に円滑に供給される。
【0073】図15及び図16は水保管部Aの配置位置
を示している。図15の実施例では、電極基材で構成さ
れるセル106の両側にガス通路400が形成されてお
り、このガス通路400の空間内に水保管部Aが形成さ
れている。このように、水保管部Aが電極基材のセル1
06から離れた位置に配置され、水ポンプ401により
供給される水は水保管部Aに保管される。
【0074】図16の実施例では、電極基材で構成され
るセル106の両側に、水素の入口部115と、水素の
出口部116が設けられている。入口部115には、セ
ル106の積層方向に入口通路115aが形成され、こ
の入口通路115aから4個のトンネル通路115bが
セル106の分配通路115cに連通され、この入口側
に水保管部Aが形成される。
【0075】また、出口部116には、セル106の積
層方向に出口通路116aが形成され、この出口通路1
16aから4個のトンネル通路116bがセル106の
集合通路116cに連通され、この出口側に水保管部A
が形成される。
【0076】次に、図17に基づき燃料電池システムの
運転について説明する。図17(a)において、特性曲
線a1は従来の運転を、特性曲線b1は請求項1記載の
発明を、特性曲線c1は請求項2記載の発明を示してい
る。また、図17(b)において、特性曲線a2は従来
の運転を、特性曲線b2は請求項1記載の発明を、特性
曲線c2は請求項2記載の発明を示している。
【0077】従来のものでは、停止時において、燃料電
池システムの停止操作直後に、燃料電池への水蒸気の供
給を徐々に停止する。保管時において、周囲の温度によ
り、セル内部の湿度が変化する。温度が低下により徐々
に飽和湿度に近づき、それを越えると水分が凝縮して通
路などを閉塞する。また、温度が上昇しても凝縮水が偏
在しているため、電極基材の膜への加湿効果は少ない。
起動時において、発電開始に先だって、外部から水(ま
たは水蒸気)を供給するための準備(ポンプを駆動し
て、加熱または熱交換により水蒸気を作る。)を行って
おく。発電開始にともない、セルの温度を適正温度まで
上昇させるとともに、外部から水(または水蒸気)を供
給していく。発電時において、出力及びセルの温度など
に応じて、水分供給量を変える必要があるため、頻繁に
加湿量を変えなくてはならない等の問題がある。
【0078】請求項1記載の発明の燃料電池システム1
では、停止時において、水蒸気の供給を停止せず、発電
時と同じかまたはそれ以上の流量を送り続け、水保管部
Aに水として吸収させる。保管時において、周囲の温度
による飽和湿度に保たれ、凝縮分は、さらに吸収され
る。起動時において、発電開始にともない、セル106
の温度を適正温度まで上昇させる。これには、外部加熱
または自己発熱を用いる。外部からの水(または水蒸
気)供給は初期には行わず、水保管部Aの水を利用す
る。水保管部Aの水は、セル温度の上昇とともに温度が
上昇し、ガス通路へ蒸発していく。これにより、ガス通
路は飽和湿度近くに保たれる。保管水の自然蒸発による
加湿だけでは、時間的に限界があるので、起動時間を短
縮するために、一定時間経過後、外部から水(または水
蒸気)を供給していく。発電時において、水分の吸収・
放出効果を利用できるので、頻繁に加湿量を変えなくて
も適正加湿制御が可能である。
【0079】また、請求項2記載の発明の燃料電池シス
テム1では、停止時において、システムの停止操作直後
に、水蒸気の供給を徐々に停止する。保管時において、
周囲の温度による飽和湿度に保たれる。凝縮分は、さら
に吸収される。起動時において、発電開始に先だって、
外部から水(または水蒸気)を供給するための準備(ポ
ンプを駆動して、加熱または熱交換により水蒸気を作
る。)を行っておく。発電開始にともない、セルの温度
を適正温度まで上昇させるとともに、外部から水(また
は水蒸気)を供給していく。水保管部Aの水を多少利用
できるため、外部からの水(または水蒸気)供給は初期
には行わず水保管部Aの水を利用する。そのため水供給
量は従来に比べて少なくて済む。水を供給しながら、水
保管部Aに水を保管しておき後で湿度管理に使う。発電
時において、水分の吸収・放出効果を利用できるので、
頻繁に加湿量を変えなくても適正加湿制御が可能であ
る。
【0080】図18は燃料電池システムの他の実施例を
示す構成図である。この実施例の燃料電池6は、図1と
同様に構成されるが、図1と異なりエア用ポンプ500
の駆動で改質装置3に配置される加熱部501に水タン
ク8から空気を送り、この加熱部501で加熱された空
気を燃料電池6の入口側502に送るように構成されて
いる。また、水用加湿ポンプ510の駆動で改質装置3
に配置される加熱部511に水タンク8から水を送り、
この加熱部511で加熱された水を燃料電池6の入口側
512に送るように構成されている。
【0081】燃料電池6では、水素側は入口が水分多
く、また空気側は出口が水分多くなる。このため、所定
のタイミングでエア用ポンプ500の駆動で改質装置3
に配置される加熱部501に送り、この加熱部501で
加熱された空気を燃料電池6の入口側502に送る。ま
た、所定のタイミングで水素用加湿ポンプ510の駆動
で改質装置3に配置される加熱部511に水タンク8か
ら水素を送り、この加熱部511で加熱された水素を燃
料電池6の入口側512に送る。
【0082】このように、エア用ポンプ500及び水用
加湿ポンプ510の駆動による入換え、これにより水分
を均一に保つことができ、この入換えのタイミングは、
一定時間おき、一定電流量発生後、一定電力量発生後、
負荷が0(または一定値以下)になる度毎、或は起動/
停止の度毎に行なう。この空気の入換えは、バルブ50
3,504の作動で行ない、また水素の入換えは、バル
ブ513,514の作動で行なう。
【0083】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、上流側の触媒層と下流側の触媒層との途中に反応ガ
スの一部を取り出す中間の反応ガス取出部を設け、中間
の反応ガス取出部から取出した反応ガスの一部を、バル
ブを介して加熱器に供給し、原料とともに燃料させるか
ら、反応ガス取出部の下流側では処理量が減少するので
相対的に空間速度が低下して、反応に有利な状態にな
り、また発熱レベルも低下するので、平衡は反応の進む
側に移り、反応転化率は向上する。また、反応ガス取出
部よりも上流側では、下流側での発熱レベルが低下して
いるので、加熱器による加熱量を高めて反応を効果的に
おこすことが可能となり、触媒層の入口側に熱を集中で
き、触媒層の出口側での発熱量が減って温度均一化可能
となり、改質装置の性能が向上し、かつ小型化し、それ
による加熱器の小型化が可能となる。
【0084】さらに、反応ガス取出部から直接加熱器に
反応ガスを供給するから、燃料電池のセル用に精製した
ガスを燃料とする場合に比べて、精製のためのエネルギ
ーが不要となり、効率が良い。また、改質装置の後工程
でも処理量を低減できるから、転化率の向上、機器の小
型化が可能となる。
【0085】請求項2記載の発明は、加熱器で原料を燃
焼させて発生する加熱ガスは、蒸発器を加熱した後、上
流側の触媒層を加熱するから、上流側の触媒層に熱を集
中でき、熱効率、触媒の温度分布しいては転化率をより
一層高めることができる。
【0086】
【0087】
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システムの実施例を示す構成図であ
る。
【図2】改質装置の断面図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】改質装置の他の実施例を示す構成図である。
【図5】改質装置のさらに他の実施例を示す構成図であ
る。
【図6】改質装置の断面図である。
【図7】図6のVII-VII線に沿う断面図である。
【図8】燃料電池の正面図である。
【図9】図8のIX-IX線に沿う断面図である。
【図10】図8のX−X線及びY−Y線に沿う断面図で
ある。
【図11】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図12】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図13】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図14】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図15】水保管部の配置を示す他の実施例を示す図で
ある。
【図16】水保管部の配置を示す他の実施例を示す図で
ある。
【図17】燃料電池システムの運転について説明するず
である。
【図18】燃料電池システムの他の実施例を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 燃料電池システム 10 加熱器 11 蒸発器 12 触媒層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/06 H01M 8/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料を気化させて原料ガスを生成する蒸発
    器と、前記原料ガスを改質して反応ガスを製造する触媒
    が充填された触媒層と、原料を燃焼させることにより前
    記蒸発器と前記触媒層を加熱する加熱器と、前記触媒層
    から得られた反応ガスを燃料電池に供給して発電を行う
    燃料電池システムにおいて、 前記触媒層は原料ガスが供給されるガス供給口を有する
    上流測の触媒層と、反応ガスが取出されるガス取出口を
    有する下流側の触媒層からなり、 前記上流側の触媒層と前記下流側の触媒層との途中に反
    応ガスの一部を取り出す中間の反応ガス取出部を設け、 前記中間の反応ガス取出部から取出した反応ガスの一部
    を、バルブを介して前記加熱器に供給し、原料とともに
    燃料させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】前記加熱器で原料を燃焼させて発生する加
    熱ガスは、前記蒸発器を加熱した後、前記上流側の触媒
    層を加熱することを特徴とする請求項1に項記載の燃料
    電池システム。
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