JP2002117883A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2002117883A
JP2002117883A JP2001229537A JP2001229537A JP2002117883A JP 2002117883 A JP2002117883 A JP 2002117883A JP 2001229537 A JP2001229537 A JP 2001229537A JP 2001229537 A JP2001229537 A JP 2001229537A JP 2002117883 A JP2002117883 A JP 2002117883A
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fuel cell
cell
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JP2001229537A
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Yutaka Mizuno
裕 水野
Tomio Yasuma
富男 安間
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】起動、停止等の運転状態でも燃料電池のセルの
性能を維持することができる。 【解決手段】水素と酸素を含む空気を燃料電池セル10
6に供給して発電を行う燃料電池システム1において、
燃料電池6はイオン交換膜107、正の触媒電極108
及び負の触媒電極109とからなる電極基材Bを積層し
て構成されるセルスタック103と、電極基材Bの水過
剰時に電極基材B内の水を吸収し電極基材Bの水不足時
に電極基材Bに対して水を供給する水保管部Aとからな
り、水保管部Aを電極基材Bに近接して配置するととも
に、燃料電池6の発電停止直後に水保管部Aにセルスタ
ック103の外部から水を継続して供給し、水保管部A
に水を保管し、燃料電池6の起動時に水保管部Aの水を
電極基材Bに対して供給するように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原料を改質して
水素を製造し、得られた水素を燃料電池に供給して発電
を行う燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムとして、例えば加熱器
によって蒸発器を加熱し、この蒸発器で気化した原料を
触媒層に供給するようにした改質装置により、原料を改
質して水素を製造し、得られた水素を燃料電池に供給し
て発電を行うものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池では、起動か
ら定常までは水過剰気味、定常状態では水不足、発電終
了から停止までは水過剰気味となる。このため、それぞ
れの運転モードに合わせた複雑な水供給制御が必要であ
った。特に、起動時は、燃料電池のセルの温度上昇にと
もなうイオン交換膜の周辺の湿度変化が大きく、外部か
ら水を供給しても、燃料電池のセルが冷えているために
水蒸気が途中でガス通路に凝縮してしまい、電極基材の
イオン交換膜を充分に加湿できなかった。
【0004】このように、湿度制御が困難なことが、燃
料電池のセルの性能が劣化したり、発電初期にセル性能
が充分に出せない原因にもなっていた。
【0005】また、多量の水を必要としたし、それによ
るガス通路閉塞などの悪影響も発生した。
【0006】また、移動用に用いた場合、燃料電池のセ
ルに必要とされる水の供給量は、負荷レベル、セル温度
などにより激しく変動する。一方、加湿量は、その変化
の速さに対応できない。そのため、加湿量を適正に制御
することが困難であった。
【0007】さらに、加湿不足とならないように、水を
変動の最高値で供給すると水分過剰となり、電極基材で
あるカーボンペーパーの細孔などの、ガスの拡散通路が
水で詰ってしまい、セルの性能が低下するという問題が
あった。また、水の変動を考慮して、平均値で水を供給
すると、供給の過不足を繰返すこととなり、セルの性能
が充分に出せなかった。
【0008】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、起動、停止等の運転状態でも燃料電池のセルの性
能を維持することができる燃料電池システムを提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、水素と
酸素を含む空気を燃料電池のセルに供給して発電を行う
燃料電池システムにおいて、前記燃料電池はイオン交換
膜、正の触媒電極及び負の触媒電極とからなる電極基材
を積層して構成されるセルスタックと、前記電極基材の
水過剰時に前記電極基材内の水を吸収し前記電極基材の
水不足時に前記電極基材に対して水を供給する水保管部
とからなり、前記水保管部を前記電極基材に近接して配
置するとともに、前記燃料電池の発電停止直後に前記水
保管部に前記セルスタックの外部から水を継続して供給
し、前記水保管部に水を保管し、前記燃料電池の起動時
に前記水保管部の水を前記電極基材に対して供給するよ
うに構成したことを特徴としている。
【0010】このように、起動時水保管部の水を供給す
るようにすることで、起動時に、水保管部がセルとほぼ
同じ温度で上昇していくため、外部から水を供給するも
のに比べて正確な湿度管理ができる。また、停止時に、
水をセルの内部または近傍に含んだ状態で保管できるの
で、保管中もセルの電極基材の湿度をほぼ飽和状態に保
つことが可能である。
【0011】さらに、燃料電池の水の供給制御が容易で
あり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が可
能となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度と
することができるので、水使用量の低減、水供給に必要
なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換器
等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小型
軽量化が可能となる。
【0012】さらに、燃料電池の水の供給制御が容易で
あり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が可
能となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度と
することができるので、水使用量の低減、水供給に必要
なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換器
等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小型
軽量化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料電池システ
ムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は燃料電池システムの実施例を示す構
成図である。
【0015】燃料電池システム1は、例えば電気自動車
に備えられ、燃料電池によって発生する電気を駆動源と
して走行するものがある。この燃料電池システム1は、
メタノールタンク2、改質装置3、シフトコンバータ
4、選択酸化反応器5、燃料電池6、水分回収熱交換器
7、水タンク8及びコントローラ9等から構成されてい
る。コントローラ9は、バルブ、ポンプ、ファン等の各
機器及びセンサと接続されている。改質装置3、シフト
コンバータ4、選択酸化反応器5、燃料電池6の各部に
は温度センサTr、Tb、Ts、Tp、Tcが備えら
れ、これらの温度検出により各部がコントローラ9によ
って適正温度に制御される。
【0016】改質装置3には、加熱器10、蒸発器1
1、触媒層12等が備えられている。加熱器10には、
温度センサTbの温度検出によりバーナーポンプ13が
駆動されてメタノールタンク2からメタノールが供給さ
れ、またバーナーファン14の駆動で空気が供給され、
これらで燃焼されて蒸発器11を加熱する。蒸発器11
には、メタノールポンプ15の駆動でメタノールタンク
2から供給されるメタノールと、また水ポンプ16の駆
動で水タンク8から供給される水が混合して供給され
る。加熱器10により蒸発器11を加熱してメタノール
と水の混合燃料を気化し、この蒸発器11で気化した燃
料を触媒層12に供給する。
【0017】この改質装置3により、原料を改質して水
素を製造し、温度センサTrの温度検出により得られた
水素をシフトコンバータ4、選択酸化反応器5を介して
燃料電池6に供給する。改質装置3とシフトコンバータ
4との間には、切換弁17が設けられ、この切換弁17
の作動で水素が改質装置3の加熱器10に戻される。シ
フトコンバータ4は温度センサTsの温度検出により冷
却用空気ファン18で冷却される。シフトコンバータ4
から送られる水素に、反応用空気ポンプ19の駆動で供
給される空気を混合して選択酸化反応器5に供給され
る。選択酸化反応器5は温度センサTpの温度検出によ
り冷却用空気ファン20で冷却される。選択酸化反応器
5と燃料電池6との間には、切換弁21が設けられ、こ
の切換弁21の作動で水素が改質装置3の加熱器10に
戻される。
【0018】燃料電池6には、冷却加湿ポンプ22の駆
動で水タンク8から水が供給され、また温度センサTc
の温度検出により加圧空気ポンプ23の駆動で水分回収
熱交換器7から空気が供給され、これらの水、空気及び
水素から燃料電池6で発電を行う。燃料電池6で用いら
れた水は、水分回収熱交換器7で熱交換で水を得て水タ
ンク8に戻される。また、燃料電池6で発電のために用
いられた水素は、改質装置3の加熱器10に戻される。
【0019】燃料電池システム1では、加熱器10によ
って蒸発器11を加熱し、この蒸発器11で気化した原
料を触媒層12に供給するようにした改質装置3によ
り、原料を改質して水素を製造し、得られた水素をシフ
トコンバータ4及び選択酸化反応器5を介して燃料電池
6に供給して発電を行い、改質装置3は、燃料改質によ
る反応ガスの一部を触媒層12の途中から取り出して、
戻し系30を介して加熱器10に戻すように構成してい
る。戻し系30は、触媒層12側に設けられた反応ガス
取出部31と、この反応ガス取出部31と加熱器10側
とを連結する配管32と、この配管32に備えられたバ
ルブ33から構成され、バルブ33を開くことで燃料改
質による反応ガスの一部を触媒層12から取り出して加
熱器10に戻される。バルブ33は、ON/OFFバル
ブまたは流量調整バルブが用いられる。
【0020】次に、図2乃至図4に基づいて燃料電池の
具体的な実施例を説明する。図2は燃料電池の正面図、
図3は図2のIII-III線に沿う断面図、図4は図2の
X−X線及びY−Y線に沿う断面図である。
【0021】燃料電池6は、組付軸102により組み付
けられたセルスタック103を備えている。セルスタッ
ク103はセパレータ104a,104b,104cを
組みにして複数積層して組み付けて構成され、セパレー
タ104aとセパレータ104cとの間にガス遮断板1
04dが設けられている。セパレータ104cには、ガ
ス遮断板104dとの間にトンネル通路115bが形成
されている。セパレータ104a,104bの間には、
セル106が備えられている。セル106の電極基材B
は、イオン交換膜107、正の触媒電極108及び負の
触媒電極109から構成されている。イオン交換膜10
7の外周部107aは、セパレータ104a,104b
の間に挟んで保持され、イオン交換膜107の一方面に
は正の触媒電極108を有し、他方面に負の触媒電極1
09を有しており、このセル106により反応ガスの水
素と酸素とを反応させて水を生成し、その際に電気を発
生させる。
【0022】セル106の正の触媒電極108の外側に
は、ポーラス部材で形成されたポーラスガイド体110
を接触させて配置され、負の触媒電極109の外側にも
ポーラス部材で形成されたポーラスガイド体111を接
触させて配置され、ポーラス部材で電極基材の外側に水
過剰時の吸収及び水不足時の供給のための水保管部Aを
構成している。
【0023】ポーラスガイド体110,111は多孔質
なポーラス部材で成形され、それぞれ一面側には等間隔
に溝110a,111aが形成されている。ポーラスガ
イド体110は溝110aが形成された側を正の触媒電
極108と接触させ、ポーラスガイド体111は溝11
1aをポーラスガイド体110の溝110aと直交する
方向に向けて配置されている。ポーラスガイド体110
の溝110aと正の触媒電極108との間に連通する反
応ガス通路112が設けられ、ポーラスガイド体111
の溝111aと負の触媒電極109との間に連通する反
応ガス通路113が設けられている。
【0024】セルスタック103には、セル106が角
度α傾斜させて配置され、セル106の周囲を囲むセパ
レータ104b,104cの間にガスケット114が設
けられ、ガスケット114によりセル106をシールし
ている。セルスタック103の左側上方には水素の入口
部115が設けられ、右側下方には水素の出口部116
が設けられ、入口部115及び出口部116の周囲を囲
むようにセパレータ104a,104bとの間にガスケ
ット117,118が設けられ、入口部115及び出口
部116をシールしている。入口部115には、セル1
06の積層方向に入口通路115aが形成され、この入
口通路115aから4個のトンネル通路115bがガス
ケット114の下方を通ってセル106の分配通路11
5cに連通し、分配通路115cから反応ガス通路11
3に連通している。出口部116には、セル106の積
層方向に出口通路116aが形成され、この出口通路1
16aに連通された4個のトンネル通路116bはガス
ケット114の下方を通ってセル106の集合通路11
6cに連通し、集合通路116cは反応ガス通路113
と連通している。
【0025】セルスタック103の上方右側には酸素の
入口部119が設けられ、下方左側には酸素の出口部1
20が設けられ、入口部119及び出口部120の周囲
を囲むようにセパレータ104a,104bの間にガス
ケット121,122が設けられ、入口部119及び出
口部120をシールしている。入口部119には、セル
106の積層方向に入口通路119aが形成され、この
入口通路119aから4個のトンネル通路119bがガ
スケット114の下方を通ってセル106の分配通路1
19cに連通し、分配通路119cから反応ガス通路1
12に連通している。出口部120には、セル106の
積層方向に出口通路120aが形成され、この出口通路
120aに連通された4個のトンネル通路120bはガ
スケット114の下方を通ってセル106の集合通路1
20cに連通し、集合通路120cは反応ガス通路11
2と連通している。
【0026】また、ガス遮断板104dの図3での下面
であるポーラスガイド体110との接触部には水通路1
23が形成されている。水通路123の一方123a
は、ガスケット114の下方を通るトンネル通路124
aを介して水素の入口部115の近傍で上側に設けられ
た排出部124に連通され、他方123bはガスケット
114の下方を通るトンネル通路125aを介して水素
の出口部116の近傍で下側に設けられた供給部125
に連通されている。排出部124及び供給部125の周
囲を囲むようにセパレータ104a,104cの間にガ
スケット126a,127aが設けられ、排出部124
及び供給部125をシールしている。
【0027】また、セパレータ104bの図3での上面
であるポーラスガイド体110との接触部には、水通路
128が形成されている。水通路128の一方128a
はガスケット114の下方を通るトンネル通路129a
を介して酸素の入口部119の近傍で右側に設けられた
排出部129に連通され、他方128bはガスケット1
14の下方を通るトンネル通路130aを介して酸素の
出口部120の近傍で左側に設けられた供給部130に
連通されている。排出部129及び供給部130の周囲
を囲むようにセパレータ104a,104bの間にガス
ケット126b,127bが設けられ、排出部129及
び供給部130をシールしている。
【0028】従って、セルスタック103の水素の入口
部115から加温、加湿した水素を供給すると、この水
分を含む水素は入口通路115aからトンネル通路11
5bを通ってセル106の分配通路115cに導かれ、
分配通路115cから反応ガス通路113を流れる。一
方、酸素の入口部119から加温、加湿した酸素を供給
すると、この水分を含む酸素は入口通路119aからト
ンネル通路119bを通ってセル106の分配通路11
9cに連通し、分配通路119cから反応ガス通路11
2を流れる。
【0029】このとき、セル106により反応ガスの水
素と酸素の電気化学的な反応により水を生成し、その際
の自由エネルギーの変化を電気エネルギーとして取り出
す発電が行われる。セル106は、セパレータ104c
を介して隣接したセル106と直列に接続され、発生し
た電力はセルスタック103の両端部に設けられた不図
示の集電部より取り出される。
【0030】主として水素と水はセル106の集合通路
116cに集められ、トンネル通路116bを通って出
口通路116aに導かれて出口部116から排出され
る。主として酸素と水はセル106の集合通路120c
に集められ、トンネル通路120bを通って出口通路1
20aに導かれて出口部120から排出される。
【0031】セル106による水素と酸素の電気化学的
な反応は、一方では酸素と水がポーラスガイド体11
0、正の触媒電極108を通り、イオン交換膜107の
表面に供給され、他方では水素と水がポーラスガイド体
111、負の触媒電極109を通り、イオン交換膜10
7の表面に供給され、この正の触媒電極108とイオン
交換膜107の界面及び負の触媒電極109とイオン交
換膜107の界面で行われる。イオン交換膜107は、
含水率により伸びが大きく変化するので、イオン交換膜
107の加湿レベルを常に適正に保ってイオン交換膜1
07の伸びを一定に保ち、界面を安定に保つことが必要
である。
【0032】このセル106による反応ガスの水素と酸
素の電気化学的な反応で電気が発生し、その際に水が生
成されるが、このセル106内部の相対湿度による伸び
だけではなく、内部に発生する凝縮水、生成水、供給過
剰水などの過剰水が、イオン交換膜107に直接接触す
るとさらに伸び、セル106の性能が劣化するが、セル
106の両側の触媒電極108,109にポーラスガイ
ド体110,111を接触させて配置しており、セル1
06内部に発生する凝縮水、生成水、供給過剰水などの
過剰水をポーラスガイド体110,111により吸収し
て除去することができる。
【0033】このため、イオン交換膜107の伸びを防
止でき、セル106の性能を長期間、高効率に保つこと
ができ、また反応ガスの拡散性低下を防止している。こ
のように、特別な装置を使用しないで過剰水を除去する
ことができ、簡単、低価格、コンパクト及び軽量な装置
とすることができる。ポーラスガイド体110,111
により反応ガス通路112,113を形成することで、
水を供給する時にポーラスガイド体110,111によ
り吸収されて一部は反応ガス通路112,113に拡散
し、一部は直接触媒電極108,109へ移動すること
により加湿を効果的に行なうとともに、過剰水が発生し
た場合、これを吸収して不足時に供給するダンパー効果
があり、適量の加湿が可能である。
【0034】また、燃料電池6のセルスタック103内
部に、イオン交換膜107、正の触媒電極108及び負
の触媒電極109から構成されている電極基材の外側に
水過剰時の吸収及び水不足時の供給のための水保管部A
を設け、停止時水保管部Aに水を保管しておき、起動時
に水保管部Aの水を供給するように構成している。
【0035】このように、燃料電池の起動時に水保管部
Aの水を供給することで、起動時に、水保管部Aがセル
106とほぼ同じ温度で上昇していくため、外部から水
を供給するものに比べて正確な湿度管理ができる。ま
た、停止時に、水をセル106の内部または近傍に含ん
だ状態で水保管部Aに保管できるので、保管中もセル1
06のイオン交換膜107の湿度をほぼ飽和状態に保つ
ことが可能である。
【0036】さらに、燃料電池6の水の供給制御が容易
であり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が
可能となる。また、水の供給量をセル106が必要な最
小限度とすることができるので、水使用量の低減、水供
給に必要なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、
熱交換器等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効
率・小型軽量化が可能となる。
【0037】また、起動時水保管部Aに水を保管してお
き、定常時水保管部Aの水を供給するように構成してい
る。このように、定常時水保管部Aの水を供給するよう
にすることで、起動時に、凝縮水や過剰水を確保でき、
加湿水の供給量を低減できる。また、起動中、加湿に寄
与しない水がガス通路から除去されるので、発電開始か
ら性能を高く維持できる。
【0038】さらに、燃料電池6の水の供給制御が容易
であり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が
可能となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度
とすることができるので、水使用量の低減、水供給に必
要なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換
器等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小
型軽量化が可能となる。
【0039】図5乃至図8は水保管部の他の実施例を示
している。図5の水保管部Aは、多層構造になってお
り、第1保管部A1は通路300を有するポーラス部材
で形成され、第2保管部A2も同様にポーラス部材で形
成されている。水は、第1保管部A1の通路300から
第2保管部A2に吸収して保持されるが、第1保管部A
1が第2保管部A2より水の吸収が良く、水保管部Aを
多層構造にすることで保水量を増やしている。
【0040】図6の水保管部Aも、多層構造になってお
り、第1保管部A1は同様に通路300を有するポーラ
ス部材で形成され、第2保管部A2はポーラス部材また
は不浸透材で形成されている。第2保管部A2の第1保
管部A1側に凹部を有しており、この凹部と第1保管部
A1との間に空間が形成され、この空間で通路301を
形成している。水は、第1保管部A1の通路300から
第2保管部A2に吸収して保持されるが、さらに通路3
01によって水が多量に且つ確実に保持される。
【0041】図7の水保管部Aも、多層構造になってお
り、第1保管部A1は通路300を有するポーラス部材
で形成され、第2保管部A2も同様にポーラス部材で形
成されているが、この第2保管部A2の外側に不浸透材
Cが配置されている。第1保管部A1には通路300の
間に、電極基材Bの外側と第2保管部A2とを連通する
ガイド通路302が形成されている。また、第2保管部
A2には、不浸透材Cとの間に水通路303が形成され
ている。従って、負圧で引くことによって、第1保管部
A1に水が通路300から吸収され、さらにガイド通路
302により第2保管部A2に吸収され、水の吸収が速
くなっている。
【0042】図8の水保管部Aも、多層構造になってお
り、第1保管部A1は通路300を有するポーラス部材
で形成され、この第1保管部A1の外側に不浸透材Cが
配置されている。不浸透材Cには、第1保管部A1との
間に水通路304が形成され、水が水通路304から第
1保管部A1に円滑に供給される。
【0043】図9及び図10は水保管部Aの配置位置を
示している。図9の実施例では、電極基材で構成される
セル106の両側にガス通路400が形成されており、
このガス通路400の空間内に水保管部Aが形成されて
いる。このように、水保管部Aが電極基材のセル106
から離れた位置に配置され、水ポンプ401により供給
される水は水保管部Aに保管される。
【0044】図10の実施例では、電極基材で構成され
るセル106の両側に、水素の入口部115と、水素の
出口部116が設けられている。入口部115には、セ
ル106の積層方向に入口通路115aが形成され、こ
の入口通路115aから4個のトンネル通路115bが
セル106の分配通路115cに連通され、この入口側
に水保管部Aが形成される。
【0045】また、出口部116には、セル106の積
層方向に出口通路116aが形成され、この出口通路1
16aから4個のトンネル通路116bがセル106の
集合通路116cに連通され、この出口側に水保管部A
が形成される。
【0046】次に、図11に基づき燃料電池システムの
運転について説明する。図11(a)において、特性曲
線a1は従来の運転を、特性曲線b1、c1はそれぞれ
本発明を示している。また、図11(b)において、特
性曲線a2は従来の運転を、特性曲線b2、c2はそれ
ぞれ本発明を示している。
【0047】従来のものでは、停止時において、燃料電
池システムの停止操作直後に、燃料電池への水蒸気の供
給を徐々に停止する。保管時において、周囲の温度によ
り、セル内部の湿度が変化する。温度が低下により徐々
に飽和湿度に近づき、それを越えると水分が凝縮して通
路などを閉塞する。また、温度が上昇しても凝縮水が偏
在しているため、電極基材の膜への加湿効果は少ない。
起動時において、発電開始に先だって、外部から水(ま
たは水蒸気)を供給するための準備(ポンプを駆動し
て、加熱または熱交換により水蒸気を作る。)を行って
おく。発電開始にともない、セルの温度を適正温度まで
上昇させるとともに、外部から水(または水蒸気)を供
給していく。発電時において、出力及びセルの温度など
に応じて、水分供給量を変える必要があるため、頻繁に
加湿量を変えなくてはならない等の問題がある。
【0048】本発明の燃料電池システム1である図11
(b)の実施例では、燃料電池の発電停止時において、
燃料電池の外部からの(水)水蒸気の供給を停止せず、
発電時と同じかまたはそれ以上の流量を送り続け、水保
管部Aに水として吸収させる。保管時において、周囲の
温度による飽和湿度に保たれ、凝縮分は、さらに吸収さ
れる。起動時において、発電開始にともない、セル10
6の温度を適正温度まで上昇させる。これには、外部加
熱または自己発熱を用いる。外部からの水(または水蒸
気)供給は初期には行わず、水保管部Aの水を利用す
る。水保管部Aの水は、セル温度の上昇とともに温度が
上昇し、ガス通路へ蒸発していく。これにより、ガス通
路は飽和湿度近くに保たれる。保管水の自然蒸発による
加湿だけでは、時間的に限界があるので、起動時間を短
縮するために、一定時間経過後、外部から水(または水
蒸気)を供給していく。発電時において、水分の吸収・
放出効果を利用できるので、頻繁に加湿量を変えなくて
も適正加湿制御が可能である。
【0049】また、図11(c)の実施例では、停止時
において、システムの停止操作直後に、水(水蒸気)の
供給を徐々に停止する。保管時において、周囲の温度に
よる飽和湿度に保たれる。凝縮分は、さらに吸収され
る。起動時において、発電開始に先だって、外部から水
(または水蒸気)を供給するための準備(ポンプを駆動
して、加熱または熱交換により水蒸気を作る。)を行っ
ておく。発電開始にともない、セルの温度を適正温度ま
で上昇させるとともに、外部から水(または水蒸気)を
供給していく。水保管部Aの水を多少利用できるため、
外部からの水(または水蒸気)供給は初期には行わず水
保管部Aの水を利用する。そのため水供給量は従来に比
べて少なくて済む。水を供給しながら、水保管部Aに水
を保管しておき後で湿度管理に使う。発電時において、
水分の吸収・放出効果を利用できるので、頻繁に加湿量
を変えなくても適正加湿制御が可能である。
【0050】図12は燃料電池システムの他の実施例を
示す構成図である。この実施例の燃料電池6は、図1と
同様に構成されるが、図1と異なりエア用ポンプ500
の駆動で改質装置3に配置される加熱部501に水タン
ク8から空気を送り、この加熱部501で加熱された空
気を燃料電池6の入口側502に送るように構成されて
いる。また、水用加湿ポンプ510の駆動で改質装置3
に配置される加熱部511に水タンク8から水を送り、
この加熱部511で加熱された水を燃料電池6の入口側
512に送るように構成されている。
【0051】燃料電池6では、水素側は入口が水分多
く、また空気側は出口が水分多くなる。このため、所定
のタイミングでエア用ポンプ500の駆動で改質装置3
に配置される加熱部501に送り、この加熱部501で
加熱された空気を燃料電池6の入口側502に送る。ま
た、所定のタイミングで水素用加湿ポンプ510の駆動
で改質装置3に配置される加熱部511に水タンク8か
ら水素を送り、この加熱部511で加熱された水素を燃
料電池6の入口側512に送る。
【0052】このように、エア用ポンプ500及び水用
加湿ポンプ510の駆動による入換え、これにより水分
を均一に保つことができ、この入換えのタイミングは、
一定時間おき、一定電流量発生後、一定電力量発生後、
負荷が0(または一定値以下)になる度毎、或は起動/
停止の度毎に行なう。この空気の入換えは、バルブ50
3,504の作動で行ない、また水素の入換えは、バル
ブ513,514の作動で行なう。
【0053】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、燃料電池はイオン交換膜、正の触媒電極及び負の触
媒電極とからなる電極基材を積層して構成されるセルス
タックと、電極基材の水過剰時に電極基材内の水を吸収
し電極基材の水不足時に電極基材に対して水を供給する
水保管部とからなり、水保管部を電極基材に近接して配
置するとともに、燃料電池の発電停止直後に水保管部に
セルスタックの外部から水を継続して供給し、水保管部
に水を保管し、燃料電池の起動時に水保管部の水を電極
基材に対して供給するように構成し、起動時に水保管部
の水を供給するから、起動時に、水保管部がセルとほぼ
同じ温度で上昇していくため、起動時に外部から水を供
給するものに比べて正確な湿度管理ができる。また、発
電停止時に、水をセルの内部または近傍に含んだ状態で
保管できるので、保管中もセルのイオン交換膜の湿度を
ほぼ飽和状態に保つことが可能である。
【0054】さらに、燃料電池の水の供給制御が容易で
あり、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が可
能となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度と
することができるので、水使用量の低減、水供給に必要
なポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換器
等の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小型
軽量化が可能となる。
【0055】起動時に、凝縮水や過剰水を確保できるの
で、加湿水の供給量を低減できる。また、起動中、加湿
に寄与しない水がガス通路から除去されるので、発電開
始から性能を高く維持できる。
【0056】また、燃料電池の水の供給制御が容易であ
り、かつ発電時に、負荷変動に対応した水の供給が可能
となる。また、水の供給量をセルが必要な最小限度とす
ることができるので、水使用量の低減、水供給に必要な
ポンプ動力の低減、加熱量の低減、気化部、熱交換器等
の小型化、水タンクの小型化が可能で、高効率・小型軽
量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システムの実施例を示す構成図であ
る。
【図2】燃料電池の正面図である。
【図3】図2のIII-III線に沿う断面図である。
【図4】図2のX−X線及びY−Y線に沿う断面図であ
る。
【図5】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図6】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図7】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図8】水保管部の他の実施例を示す図である。
【図9】水保管部の配置を示す他の実施例を示す図であ
る。
【図10】水保管部の配置を示す他の実施例を示す図で
ある。
【図11】燃料電池システムの運転について説明するず
である。
【図12】燃料電池システムの他の実施例を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 燃料電池システム 6 燃料電池 103 セルスタック 106 燃料電池セル 107 イオン交換膜 108 正の触媒電極 109 負の触媒電極 B 電極基材 A 水保管部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素と酸素を含む空気を燃料電池のセルに
    供給して発電を行う燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池はイオン交換膜、正の触媒電極及び負の触
    媒電極とからなる電極基材を積層して構成されるセルス
    タックと、 前記電極基材の水過剰時に前記電極基材内の水を吸収し
    前記電極基材の水不足時に前記電極基材に対して水を供
    給する水保管部とからなり、 前記水保管部を前記電極基材に近接して配置するととも
    に、前記燃料電池の発電停止直後に前記水保管部に前記
    セルスタックの外部から水を継続して供給し、前記水保
    管部に水を保管し、 前記燃料電池の起動時に前記水保管部の水を前記電極基
    材に対して供給するように構成したことを特徴とする燃
    料電池システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1783851A1 (de) * 2005-11-02 2007-05-09 P21 - Power for the 21st Century GmbH Aus einem Material zur Wassersorption während der Kaltstartphase bestehende Brennstoffzellenanordnung
CN102881927A (zh) * 2012-02-29 2013-01-16 莫裕孟 转轮式磁作用燃料电池系统
CN114335596A (zh) * 2021-11-30 2022-04-12 武汉理工大学 用于氢氧燃料电池的废热综合回收与利用系统

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