JP2004119044A - 移動体用燃料電池システム - Google Patents

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Yasuhiro Numao
沼尾 康弘
Yasukazu Iwasaki
岩崎 靖和
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Abstract

【課題】効率のよい水マネジメントができる移動体用燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料、酸化ガス、水のうち少なくとも燃料と酸化ガスを用いて燃料ガスを生成する改質システムと、燃料ガスと酸化ガス(カソード空気)を用いて発電を行うスタック5と、を備える。さらに、スタック5からの排ガスを用いて加湿を行う第一加湿器12と、発電に伴って生じる熱の少なくとも一部を吸収する流体、ここでは発電に用いるカソード空気と、を備える。改質に用いる酸化ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の、少なくとも一部を、第一加湿器12とカソード空気により加湿する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料ガスと酸化ガスにより発電を生じる燃料電池スタックと、燃料を改質したガスを燃料電池スタックに供給する改質システムからなる燃料電池システムに関するもので、主として移動体、例えば燃料電池自動車等に搭載することを目的とする燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等の移動体の動力源で環境の観点から望ましいものとして、高効率の燃料電池が挙げられる。移動体用の燃料電池として有力と目されている固体高分子電解質型の燃料電池では、一般に水素と酸素の電気化学反応を用いて発電を行う。
【0003】
燃料となる水素は、貯蔵手段から供給される場合や、天然ガス、アルコール、ガソリン等の燃料を改質して水素を発生させて供給する場合等が考えられる。改質ガスを燃料電池スタックに供給する改質型燃料電池システムでは、スタックセル内だけではなく、改質システムにおいても水を使用する。このため、改質システムを含めた燃料電池システム全体として、水を枯渇させないような水収支のマネジメントが重要である。また、蒸発および凝縮に伴い大きなエネルギが吸収・放出されるので、運転効率に大きく関わってくる点からも水および熱のマネジメントは重要である。
【0004】
従来の燃料電池システムとしては、加温された水との接触により空気と炭化水素系の燃料とを含む原料ガスを加湿してから改質システムに供給し、水素を含む改質ガスを生成するものが知られている。ここでは、加湿を行う加温された水として、燃料電池を冷却して温度が上昇した冷却水を用いる。これにより、空気に含まれる水蒸気の分圧を高めてより多くの水蒸気を空気、ひいては原料ガスに含有させる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、燃料電池における発電に伴う熱を用いて水を加温する加温手段と、加温された水に接触させることにより原料ガスを加湿する水蒸気供給手段と、水蒸気供給手段の水を加熱可能な加熱手段を備えたものが知られている。ここでは、加熱手段が水蒸気供給手段の水をさらに加熱するので、水と接触して加湿される気体の水蒸気分圧を高くすることができる。その結果、原料ガスに含まれる水蒸気の混合比を増大している(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−330101号公報
【特許文献2】
特開2000−306594号公報
【0007】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら特開平10−330101号公報には、水蒸気供給装置を省きつつも改質ガスを加湿する方法が記載されているが、移動体用としての水マネジメントについては言及していない。また、特開2000−306594号公報には、改質用の水を増大するために加熱手段で水蒸気供給手段の水を加熱しているが、この追加蒸発を行うためには燃料が必要となる。ここではアノード排ガスを燃料としてエネルギを消費しているので、効率向上の面から考えると改善の余地がある。
【0008】
本発明は上記の問題を鑑みて、効率のよい水マネジメントができる移動体用燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0009】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、燃料ガスと酸化ガスを用いて発電を行うスタックと、スタックからの排ガスを用いて加湿を行う第一加湿手段と、発電に伴って生じる熱の少なくとも一部を吸収する流体と、前記流体を用いて加湿を行う第二加湿手段と、燃料、酸化ガス、水のうち少なくとも燃料と水を用いて前記燃料ガスを生成する改質システムと、を備える。改質に用いる酸化ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の、少なくとも一部を、前記第一加湿手段と前記第二加湿手段により加湿する。
【0010】
【作用及び効果】
スタックからの排ガスを用いて加湿を行う第一加湿手段と、発電に伴って生じる熱の少なくとも一部を吸収する流体と、流体を用いて加湿を行う第二加湿手段と、を備え、改質に用いる酸化ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の、少なくとも一部を、第一加湿手段と第二加湿手段により加湿する。これにより、スタックからの排ガスにより加湿するだけでなく、スタックで生じる熱を吸収した流体により、必要に応じて複数回の加湿ができる。その結果、無駄な燃料を消費することなく十分な加湿を行うことができ、効率のよいマネジメントを行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略を図1に示す。ここでは、水、燃料等を補充するのに手間のかかる、例えば移動体の駆動源として用いる改質型燃料電池システムについて説明する。以下、燃料電池システム内の水収支を合わせ、システム内で水を循環させるために消費するエネルギを抑制するための構成を中心に説明する。
【0012】
燃料電池システムに空気を導入する空気ブロア10と、導入された空気を加湿する第一加湿器12、加湿された空気のうち改質反応に用いる空気をさらに加湿する第二加湿器11、第二加湿器11で加湿された空気に改質燃料および水を混入する導入部31を備える。また、タンク等の貯蔵手段にバルブ等を備えることにより導入部31へ適量の水を供給する水供給部8と、適量の改質燃料を供給する燃料供給部9を備える。第一加湿器12および第二加湿器11を用いて十分に加湿を行った空気に、導入部31において改質燃料及び水(水蒸気)を混入することで原料ガスを生成する。
【0013】
このように生成した原料ガスを用いて改質を行う改質システムを備える。ここでは、改質反応により改質ガスを生じる改質部1、改質ガス中のCOを低減するCO変成部2およびCO除去部3を備える。改質部1で生成した改質ガス中のCOを、変成部2、CO除去部3においてスタック5の劣化原因とならない程度まで低減することにより、燃料ガスを生成する。
【0014】
スタック5は、水素と酸素を用いて起電力を生じる発電装置である。スタック5の燃料極へは前述した改質システムにおいて生成された水素を含有する燃料ガスを、空気極には第一加湿器12において加湿された空気の一部を酸化ガスとして供給し、電気化学反応を生じることにより起電力を生じる。
【0015】
ここで、スタック5の空気極に空気入口部38を介して供給された空気(以下、カソード空気)は、中間排出部36から一旦スタック5の外部に排出され、後述する折り返し部33cに配置した第二加湿器11に供給される。第二加湿器11では、発電に伴って生じたカソード空気中に含まれる生成水を用いて、改質用の空気を加湿する。ここでは例えば第二加湿器11として水を選択的に透過する水分離膜を用いた膜加湿器を用いる。カソード空気は加湿源として生成水を供給した後、第二加湿器11から排出され、中間供給部37を介して再びスタック5で発電に使用されてから、空気出口部39を介して排出される。
【0016】
スタック5の下流側には、空気出口部39から排出された排カソード空気中の水分を凝縮・回収するコンデンサ7を備える。また、燃料極からの排燃料ガスを燃焼処理する燃焼器6を備える。コンデンサ7では供給された排カソード空気および排燃料ガス中の水分を凝縮、回収する。コンデンサ7で回収された水は水供給部8に貯蔵され、必要に応じて再び導入部31へ、またはシステム内の水不足が生じた部分へ供給される。
【0017】
コンデンサ7から排出された排カソード空気と排燃料ガスの混合ガスを、前述した第一加湿器12に供給して、外部から空気ブロア10によりシステム内に導入される空気を加湿する。
【0018】
さらに、スタック5には冷却システムを備える。ここでは、冷却水を冷却水入口部20を介してスタック5内に供給し、冷却水出口部21を介して排出する冷却水循環路13を備える。冷却水循環路13には、図示しない冷却水ポンプとラジエータを備え、冷却水の流量および温度を調整可能とする。
【0019】
さらに、このような燃料電池システムを制御するためのコントローラ25を備え、各構成装置を制御する。
【0020】
次に、スタック5内のカソード空気および冷却水の流路について図2を用いて説明する。
【0021】
カソード空気は、スタック5内の流路(以下、空気流路33)の上流側33aを流れ、折り返し部33cで一旦スタック5の外部に排出されて第二加湿器11を通過してから、再びスタック5の下流部33bに供給される。折り返し部33cのスタック5から一旦排出されたカソード空気中には、空気流路33の上流側33aにおける発電反応に伴って生成された生成水が含まれる。そこで、スタック5から一旦排出されたカソード空気と、改質用の空気とを第二加湿器11に供給して、カソード空気中の水分を改質用の空気に移動させる。これにより、第一加湿器12で加湿した空気をさらに加湿してから改質システムに供給することができ、改質反応に必要な水分を確保することができる。
【0022】
また、スタック5から一旦排出されたカソード空気を、第二加湿器11を介して再びスタック5の空気流路下流側33bに供給する。下流側33bでさらに発電反応を生じるので、それに伴って生成水が生じるが、第二加湿器11においてカソード空気の除湿を行っているため、下流側33bにおけるフラッディングを抑え発電効率を維持することができる。
【0023】
また、スタック5内に冷却水循環路13の一部である冷却水流路34を構成する。ここでは、冷却水流路下流側34bを空気流路上流側33aに隣接して構成する。冷却水は冷却水流路34に沿って下流にいくに従って、発電に伴う熱を吸収して高温となる。よって、空気流路上流側33aに供給されたカソード空気を、下流側34bの冷却水から供給される熱と発電反応に伴う熱により昇温させることができる。
【0024】
さらに、空気流路上流側33aと冷却水流路下流側34bとで、カソード空気と冷却水が略同一方向に流れるように形成する。これにより、カソード空気が一旦排出される中間排出36付近でカソード空気は最も高温となる。特に、冷却水のスタック5からの出口部である冷却水出口部21と、カソード空気の中間排出部36とを近くに構成する。これにより、スタック5から一旦排出されるカソード空気を、冷却水出口部21付近で最も高温となったの冷却水を用いて加熱して、加湿源として使用するカソード空気の温度を効率的に上昇させる。
【0025】
なお、このとき折り返し部33cにおけるカソード空気の温度が、第一加湿器12におけるスタック5からの排ガスを用いた加湿を行ったときの温度より高くなるようにする。これにより、第二加湿気11において加湿用の空気の温度を上昇させて飽和水蒸気圧を増大させ、加湿用の空気をさらに加湿する。
【0026】
さらに、空気流路下流側33bと冷却水流路上流側34aとを隣接して構成し、効率的な熱交換を可能とする。このとき、空気流路下流側33bを流れるカソード空気と、冷却水流路上流側34aを流れる冷却水と、の流れが略対向するように構成することで、空気流路下流側33bから排出されるカソード空気を低温とすることができる。このように、スタック5内でカソード空気を十分冷却してからコンデンサ7に供給することで、水収支を取るための凝縮熱が少なくてすむ。
【0027】
第二加湿器11に加湿源として通過させるカソード空気が高温高湿の状態になるように構成することで、第二加湿器11を通過する改質用の空気の温度を上昇させ、十分に加湿することができる。
【0028】
次に、本実施形態で説明した燃料電池システムおける効果を説明する。
【0029】
燃料、酸化ガス、水のうち少なくとも燃料と酸化ガスを用いて燃料ガスを生成する改質システムと、燃料ガスと酸化ガス(カソード空気)を用いて発電を行うスタック5と、を備える。さらに、スタック5からの排ガスを用いて加湿を行う第一加湿器12と、発電に伴って生じる熱の少なくとも一部を吸収する流体、ここでは発電に用いるカソード空気と、カソード空気を用いて加湿を行う第二加湿器11と、を備える。改質に用いる酸化ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の、少なくとも一部を、第一加湿器12と第二加湿器11により加湿することで、排ガスを用いて加湿するだけでなく、発電により生じた熱を用いて複数回の加湿を行うことができる。排ガスを用いて加湿を行うことで、例えば排ガス中に含まれる水を再利用したり、スタック5からの廃熱を用いて加湿を行うことで、燃料電池システムのエネルギ効率を向上したりすることができる。これにより、効率良く十分な加湿を行い、燃料電池システムの水収支および燃料効率を向上することができる。
【0030】
スタック5内にカソード空気の流れる空気流路33を設け、空気流路33の途中に、カソード空気を用いて改質に用いる酸化ガス(空気)または燃料の少なくとも一方の少なくとも一部、ここでは空気を加湿する折り返し部33cを備える。このように、空気流路33に加湿を行うための折り返し部33cを形成することで、複雑な形状の空気流路33を用いても加湿を行い易い構成とすることができる。ここでは、スタック5外部に折り返し部33cを形成し、第二加湿器11を設けることにより加湿を行いやすい構成としている。
【0031】
また、改質に用いる空気または燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を、第一加湿器12により加湿してから第二加湿器11において加湿する。このとき、第二加湿器11の温度を第一加湿器12の温度より高くすることで、第二加湿器11において改質用の空気の飽和水蒸気圧を上昇させることができ、さらに多くの水分を含有させることができる。
【0032】
スタック5の熱を回収して改質用の空気または燃料の少なくとも一部の加湿に用いる流体として気体を用いる。これにより、スタック5からの排ガスを用いて加湿するだけでなく、発電によって生じた熱を回収した気体により、必要に応じて多数回の加湿ができる構成であるため、簡単な構成で多くの加湿を可能にすることができる。なお、ここでの燃料電池からの排ガスとは排燃料ガス、排カソード空気、また、燃料極の後流にバーナ等を設け、残燃料を燃焼させて生成した排ガスを指し、特に限定するものではない。
【0033】
また、気体としてスタック5における発電に用いるカソード空気を用い、スタック5を流れる空気流路33の途中に折り返し部33cを構成する。これにより、カソード空気中に含まれる発電に伴って生じた生成水を加湿に用いることができ、水収支を向上させることができる。また、加湿源としてカソード空気を用いるのはカソード空気中の水蒸気を低減することであり、空気流路下流側33bではフラッディングを抑制してスタック5の限界電流密度を向上することができる。加えて、加湿源として使用した後には、カソード空気中の酸素分圧比が上昇するのでスタック5における発電を促進することができる。
【0034】
スタック5内部を一部とする冷却水の流路である冷却水循環路13を備え、冷却水循環路13のスタック5からの冷却以出口部21を、折り返し部33cの近傍に形成する。これにより、折り返し部33cに供給されるカソード空気の温度が上昇して、スタック5からより多くの水蒸気を持ち出すことができる。したがって、カソード空気によりスタック5からより多くの排熱回収を行い、またカソード空気を用いてより多くの加湿を行うことができる。
【0035】
このように、燃料と水と酸化ガスのうち少なくとも燃料と水を用いて発電に用いる燃料ガスを生成する改質システムと、発熱を伴って発電を生じるスタック5と、スタック5からの排ガスを用いて、改質システムに用いる水の一部を供給する第一加湿器11と、スタック5で生じる熱を用いて、改質システムに用いる水の一部を供給する第二加湿器12と、を備える。これにより、水収支および燃料効率を向上した燃料電池システムを構成することができる。
【0036】
第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの概略を第1の実施形態と同様とし、スタック5内の空気流路33、冷却水流路34の概略を図3に示す。
【0037】
空気流路上流側33aを発電面の略半分、図3においては上側半分に形成し、空気流路下流側33bを下側半分に形成する。ここでは、カソード空気は左上方の空気入口部38から供給され、上側半分を上下に蛇行しながら発電面を空気流路上流側33aに沿って右方向に流れる。右側上方の中間排出部36から一旦排出されて第二加湿器11に供給され、右側下方の中間供給部37より再びスタック5に供給される。供給されたカソード空気は、発電面の下側半分を上下に蛇行しながら空気流路下流側33bに沿って左方向に流れ、左側下方の空気出口部39から排出される。
【0038】
これに対して、冷却水流路34を発電面の斜め方向に蛇行するように構成する。図3においては、左側下方の空気出口部39付近に冷却水入口部20を構成し、右上方向の冷却水出口部21に向かって発電面を覆うように蛇行する流路を形成する。ここで、冷却水出口部21と中間排出部36を近くに構成し、スタック5から一旦排出されるカソード空気が高温となるようにする。
【0039】
このように構成することで、カソード空気が空気流路上流部33aを流れる際には、近くに形成された冷却水流路34の略下流部分(下流側34bに相当)から受ける熱と発電に伴う熱により温度が上昇する。空気流路上流部33aを通って中間排出部36から排出されるカソード空気は、発電に伴う生成水を含有するとともに高温となっているので、第二加湿器11で改質用空気の温度を上昇させて効率のよい加湿を行うことができる。また、空気流路下流33bは、冷却水の高温部から低温部、つまり冷却水流路34の上流側に向かって流れる。ここでは特に、空気出口部39を冷却水入口部20の近傍に構成して、空気出口部39から排出されるカソード空気を低温とする。
【0040】
このように、空気流路上流部33aを冷却水流路34の略上流部分付近に構成し、空気流路下流部33bを冷却水流路34の略下流部付近に構成することで、より簡単な構成で第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
特に、空気出口部39を、冷却水入口部20の近傍に形成することで、スタック5からの排ガス温度を低く抑えることができるので、水収支のための水回収で排ガスを冷却する熱量が減る。すなわち、ラジエータ等で放熱する熱量が減ることを意味しており、冷却関連の部品の小型化が可能となる。
【0042】
次に第3の実施形態を説明する。ここで用いる燃料電池システムの概略を図4に示し、スタック5内の空気流路33および冷却水流路34の形状を図2または図3と同様とする。
【0043】
燃料電池システムの構成について説明する。ここでは第1の実施形態に用いた燃料電池システムと異なる点のみを説明する。
【0044】
スタック5の空気極の折り返し部33cをスタック5内部に構成する。スタック5内折り返し部33cに隣接して改質器システムに供給する空気を流し、折り返し部33cを流れるカソード空気と、改質用の空気との間に水透過膜等を配置することにより第二加湿部27(第1実施形態の第二加湿器11に相当)を構成する。
【0045】
また、冷却水循環路13に、冷却水を循環させる冷却水ポンプ28、冷却水の温度を調整するラジエータ29、ラジエータ29に供給する冷却水流量を調整するバルブ30を備える。また、冷却水出口部21付近の温度を検出する温度センサ40を備え、この検出結果をコントローラ25に入力する。ここで、コントローラ25は、燃料電池システム全体の制御手段でもよいし、または、循環する冷却水温度の調整を行う制御手段としてもよい。
【0046】
次に、このようなコントローラ25における冷却水温度の制御方法を、図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、冷却水ポンプ28により冷却水出口部21の温度を調整して、スタック5の冷却および改質用の空気の加湿を制御する。
【0047】
ステップS11において、車両のアクセル開度を検出する。ステップS12において、温度センサ40を用いて冷却水出口部21付近の冷却水の温度(燃料電池出口温度Te)を検出する。
【0048】
次に、ステップS13において、冷却水ポンプ28により循環する冷却水の流量が適切であるかどうかを判断する。ここでは、燃料電池出口温度Teと所定温度Ta、Tbとを比較することにより冷却水温度、ひいては冷却水流量が適切かどうかを判断する。ここで、所定温度の範囲をTaより大きくTb以下とし、この範囲は、スタック5の冷却および改質用の空気の加湿を効率良く行うことができる冷却水の温度範囲とする。これは例えばアクセル開度に応じて予め実験等により設定しておく。つまり、Ta以下の温度領域では、空気流路33内を流れるカソード空気が第二加湿部27において改質用の空気に水分を供給するのが困難であり、Tbより大きい温度領域ではスタック5の冷却を十分に行うのが困難であるようにTa、Tbを設定しておく。このようにアクセル開度、ひいては改質システムで必要とする水蒸気量に応じてスタック5から冷却水の出口温度を変化させることで、必要な加湿量に応じて第二加湿部27の温度を調整することができる。改質に必要な水の量は、改質器で発生させる水素の量、つまり発電量に応じて決定される。そこで、ここでは発電量に応じて制御するアクセルの開度に応じて制御する冷却水の許容温度領域を設定する。
【0049】
なお、これに加えて改質システムで生成される水素濃度等を検出することにより、改質システムの状態に応じて加湿する量を設定し、さらにその加湿を行うための冷却水温度を設定することもできる。例えば、改質触媒上に炭化物が析出したような場合に改質に用いる水量を増大することで、生成される水素の量が低減するのを抑制することができる場合がある。このように改質システムの状態に応じて、改質用の空気の加湿を制御する、ひいては冷却水温度を制御することで、発電に用いる水素を適切に生成することができる。
【0050】
ステップS13において、燃料電池出口温度Teが所定温度Ta以下であれば、改質用の空気の加湿を十分に行う事ができないと判断してステップS14に進む。ステップS14では冷却水ポンプ28を抑制して循環する冷却水の流量を減少させる。これにより、冷却水の燃料電池出口温度Teが高くなり、ひいては、第二加湿部27に供給されるカソード空気の温度も高くなるので、改質用の空気を十分に加湿することができる。
【0051】
一方ステップS13において、燃料電池出口温度Teが所定温度Taより大きく所定温度Tb以下であれば、冷却水温度が適切であると判断してステップS15に進む。ここでは冷却水ポンプ28の吐出量を維持して冷却水温度を維持する。
【0052】
また、ステップS13において、燃料電池出口温度Teが所定温度Tbより大きい場合には、スタック5の冷却が十分になされていないと判断して、ステップS16に進む。このときは、改質用の空気を加湿するには十分な冷却水温度だが、スタック5の冷却が十分でないので、冷却水ポンプ28の吐出量を増大して冷却水温度を低下させる。
【0053】
このように、冷却水ポンプ28を制御することにより冷却水温度を調整したら、ステップS17に進み改質反応に必要な燃料、空気、水の流量を算出する。特にステップS14を経た場合には、燃料電池が十分温まっておらず、第二加湿部27で加湿に用いられる水量も小さいと予測できるので、他の部分からの水の補充が必要となる。ここでは、例えば、システムに供給する燃料量または空気量を増大することにより、改質システムにおいて生成される改質ガス中の水分を増加させる。
【0054】
ステップS18において、ステップS17で算出した燃料量、空気量、水量に従って、燃料供給部9、空気ブロア10、水供給部8の吐出量を決定する。
【0055】
このような制御を所定時間毎または運転条件が変更になる毎に繰り返す。ここでは、アクセル開度の変更を検知したら繰り返し行うことで、スタック5からの排ガスを用いた加湿と、発電に伴う熱を用いた加湿の二段階の加湿を行うことができる。
【0056】
次に、本実施形態における効果を説明する。ここでは、第1、2実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0057】
折り返し部33cを、スタック5内部に形成する。これにより、燃料電池システムを小型化することができる。
【0058】
また、スタック5内部を一部とし、冷却水を循環する冷却水循環路13を備え、改質システムで必要とする水の量に応じて、冷却水出口部21における冷却水温度を制御する。これにより、折り返し部33cの温度を制御して、第二加湿部27における加湿量を改質システムに必要な水量とすることができる。
【0059】
さらに、冷却水出口部21における冷却水温度を検出する温度センサ40を備え、冷却水出口部21における冷却水温度を、温度センサ40の出力に応じて冷却水の流量を調整することにより制御する。これにより、冷却水温度を非常に簡単に制御することができ、必要な加湿を行うことができる。
【0060】
なお、本実施形態における制御(図5)は、第1、2の実施形態にも適応することができる。
【0061】
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池システムの概略を第3の実施形態と同様とし、コントローラ25で行う制御を図6のフローチャートに示す。ただし、ラジエータ29から排出される冷却水の温度(ラジエータ出口温度Tr)を検出する温度センサ41を備える。ここでは、ラジエータ出口温度Trに応じてラジエータ29を調整することにより、冷却水出口部21の冷却水温度を制御する。
【0062】
ステップS21において、アクセル開度、温度センサ40により検出する冷却水の燃料電池出口温度Te、温度センサ41により検出する冷却水のラジエータ出口温度Trを読み込む。ステップS22において、アクセル開度と、燃料電池温度Teより推定される燃料電池負荷と、から、冷却水温度がラジエータ29の出口からスタック5の出口にかけてどう変化するかを演算し、スタック5から排出される冷却水の推定温度Tgをラジエータ出口温度Trから推定する。
【0063】
次に、ステップS23において、ラジエータ29による冷却が適切かどうかを判断する。ここではスタック5から排出される冷却水の推定温度Tgと所定値Tx、Tyを比較することにより判断する。Txより大きく、Ty以下の範囲をラジエータによる冷却が適切であると判断される所定温度範囲とし、これは例えばアクセル開度に応じて予め実験等により設定しておく。
【0064】
ステップS23において、TgがTx以下の場合は、予測されるよりスタック5の負荷が小さく、スタック5から排出される際の冷却水温度が下がっていると判断する。その補正を行うためにステップS24においてラジエータ29の電力を減少して冷却を抑制することで、第二加湿部27に供給されるカソード空気の温度を上昇させて、加湿を行うのに十分な温度に調整する。
【0065】
一方、Tgが所定温度Txより大きくTy以下であった場合は、冷却水により温度調整される空気極の温度は、第二加湿部27に導入される時点で効率的な水の交換を行うのに十分な温度であると判断する。そこで、ステップS25においてラジエータ29の電力をそのままに維持し、冷却水温度を維持する。
【0066】
Tgが所定温度Tyより大きい場合には、改質部1へ導入する空気を加湿するには十分な冷却水温度であるが、スタック5を冷却するには温度が高いと判断する。そこで、ステップS26に進み、ラジエータ29の電力を増大して、冷却水温度を下げる。
【0067】
ステップS24、25、26のいずれかでラジエータ29の電力を決定したらステップS27に進み、改質に必要とされる燃料、空気、水の流量を算出する。特に、ステップS24を経た場合には、第3の実施形態と同様に改質部1に水蒸気として持ち込む水量が減少するため、他の部分からの水の補充が必要となる。従って、それに応じた燃料および空気を追加し、水を蒸発させる必要が生じる。ステップS28において、ステップS27で算出した燃料量、空気量、水量に応じて、燃料ポンプ、空気ブロア10、冷却水ポンプ28の吐出量を調整する。
【0068】
このような燃料電池システムにおける効果を説明する。ここでは、第3の実施形態と異なる効果のみを説明する。
【0069】
冷却水の放熱を行うラジエータ29と、ラジエータ29から排出される冷却水温度を検出する温度センサ41を備え、冷却水出口部21における冷却水温度を、温度センサ41に応じてラジエータ29の負荷を調整することにより制御する。これにより、ラジエータ29の駆動状態、外気温度も加味した制御ができ、よりきめ細かい制御を行うことができる。
【0070】
なお、本実施形態は、第1、第2の実施形態に示したような構成の燃料電池システムに適応することもできる。
【0071】
次に、第5の実施形態に用いる燃料電池システムの概略を、図7を用いて説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる部分を説明する。
【0072】
スタック5の空気極には、空気ブロア10によりシステム内に取り入れた空気(カソード空気)が供給される。空気ブロア10により取り入れられた空気は空気ブロア10の下流側で分岐し、一方は第一加湿器12a、他方は第一加湿器12bにおいて加湿される。ここで、第一加湿器12aは、凝縮水をコンデンサ7で回収された後の排カソード空気を加湿源として使用する。本実施形態ではコンデンサ7には排カソード空気のみを供給して、排燃料ガスは供給しない。
【0073】
一方、第一加湿器12bは、スタック5から排出された排燃料ガスを加湿源として用いる。排燃料ガスは、第一加湿器12bで水分を供給した後、燃焼器6において燃焼処理されてから排出される。
【0074】
このように、本実施形態には、第一段階の加湿を行う加湿器を二つ備え、それぞれの加湿能力に応じて、空気の供給割合を制御する。空気ブロア10で導入した空気を、第一加湿器12aまたは12bにより加湿したら、合流部32において加湿した空気を合流させる。合流した空気は再び分岐し、一方はスタック5の空気極に、他方は前述した第二加湿器27においてさらに加湿された後、改質システムに供給される。
【0075】
また、スタック5には冷却システムを備え、この冷却システムは冷却水として純水を冷却水循環路13に循環させることにより構成する。純水は、図示しない冷却水ポンプにより冷却水入口部20からスタック5内部に導入され、燃料ガスの顕熱、酸化ガスの顕熱および電気化学反応に伴う反応熱を吸収して冷却水出口部21よりスタック5から排出される。ここで、効率のよい熱交換を行うため、スタック5の空気極を流れるカソード空気および燃料極を流れる燃料ガスの流れの方向と、スタック5内を流れる冷却水の流れの方向が逆になるように構成する。
【0076】
スタック5内で熱を吸収して高温となった冷却水は、第二加湿器11に供給されて、改質用の空気の加湿を行ってから図示しないラジエータにおいて再び冷却可能な温度に調整される。
【0077】
このように構成することで、本実施形態では、スタック5内で熱を吸収した冷却水を加湿源として改質用の空気を加湿することができる。このとき、加湿に伴って冷却水循環路13を循環する純水量が減少するが、コンデンサ7により回収した水を補充することができ、移動体用の燃料電池システム内で水収支を合わせることができる。
【0078】
なお、本実施形態では、第3、第4実施形態と同様に、改質システムで必要とする水の量に応じて、冷却水出口部21における冷却水温度を制御する。これにより、多様な改質システムの状態に対応して加湿量を変えられるシステムとすることができる。また、加湿する媒体温度を直接制御するため、より応答性に優れたシステムとすることができる。
【0079】
次に、本実施形態における燃料電池システムの効果を説明する。ここでは、第1の実施形態と異なる効果を説明する。
【0080】
スタック5内部を一部とし、スタック5の冷却を行う冷却水を循環する冷却水流路33を備え、スタック5の熱を回収して加湿に用いる流体として冷却水を用いる。これにより、改質に用いる空気または燃料の少なくとも一方の全部または一部を、スタック5からの排ガスを用いた加湿と、発電によって生じた熱を回収した冷却水を用いた加湿と、複数回の加湿ができる。冷却水は、スタック5において十分に熱を吸収するので、スタック5に生じる熱を効率良く加湿に用いることができる。
【0081】
冷却水として純水を用いることで、スタック5において昇温された純水を直接改質に用いる空気または燃料の加湿に用いることができる。これにより、加湿用の水を十分に循環させることができると共に、簡単な構成で十分な加湿を行うことができる。
【0082】
本実施形態では、スタック5冷却後の冷却水を第二加湿器11に供給する。これにより、冷却水が十分高温となった状態で第二加湿気11に供給することができ、改質用の空気または燃料の温度を上昇させ、十分な加湿を行うことができる。また、スタック5内の冷却水流路34の途中で、冷却水を第二加湿器11に供給してもよい。この場合は特に、第二加湿器11に供給する冷却水の温度を第一加湿器12a、12bの温度より高くすることで、第二加湿器11においてさらに加湿を行うことができる。また、加湿を行った後の水は、加湿前に比べて温度が下がるため、より効率良くスタック5を冷却することができる。
【0083】
次に、第6の実施形態を図8に示した概略図を用いて説明する。ここでは複数の燃料電池、ここでは例えば三つのスタック5a、5b、5cを有する燃料電池システムについて説明する。 図8にはスタック5a、5b、5cと、それぞれの内部を流れるカソード空気、燃料ガス、および冷却水の流路を示す。
【0084】
スタック5aには、燃料ガスとしての改質ガスの流路42、酸化剤ガスとしてのカソード空気の流路43、冷却水流路44を形成する。ここでは、改質ガス流路42は改質ガスがスタック5a内を一方向に流れるように、図8においては上側から下側に向かって流れるように形成する。空気流路43は、スタック5a内を往復するように、ここでは下方の入口部43aから上方に向かって流れ、折り返し部43cで加湿に使用されてから、再び下方に向かって流れ、出口部43bから排出されるように構成する。また、冷却水循環路44は下方の入口部44aから導入され、発電面を往復して上方の出口部44bから排出される。
【0085】
これにより、酸化ガスの折り返し部43cは、冷却水流路44の出口部44付近に形成されるので、折り返し部43cにおいて酸化ガスは高温となる。図8には概略を示したが、これは図2や図3に示すような構成としてもよい。
【0086】
改質部1において必要な空気流量は、スタック5で必要な空気量に比べて少ないため、必ずしも全てのカソード空気を使って加湿を行う必要はない。そこで、ここではスタック5b、5cに関しては、折り返し部分43cにおける加湿は行わず、従って、改質ガスと空気が同一方向に流れる構成とする。
【0087】
スタックを複数のスタック5a、5b、5cから構成し、少なくとも一つのスタック、ここではスタック5aを用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する。これにより、改質システムへの加湿に用いるスタック5aとそうでないスタック5b、5cに分ける事ができる。すなわち、それぞれのスタックで独立した設計ができ、また別体にできるため車積時、車両レイアウト上の自由度が増すシステムとすることができる。
【0088】
次に、第7の実施形態について説明する。ここでは、図1、図4に示すような燃料電池システムにおいて、図9に示すような流路を有する単一のスタック5を備えたものについて説明する。
【0089】
図9は、模式的に一部の流路を示し、ここでは酸化ガスとしてのカソード空気の流路である空気流路45、冷却水の流路である冷却水流路46を示す。空気流路45と冷却水流路46を積層方向に交互に備え、ここではそれぞれ三つの流路、空気流路45a〜46c、冷却水流路46a〜46cを示す。ここで、燃料極に供給される改質ガスの流路は省略する。
【0090】
図9においては、カソード空気のうち空気流路45a、45bを流れるカソード空気を非加湿用として、空気流路45cを流れるカソード空気を加湿用として用いる。そのため、加湿用空気流路45cには折り返し部47を形成して図示しない加湿器等を備え、また、スタック5から折り返し部47に排出される部分と、加湿用空気流路45cに隣接する冷却水流路46cの出口部とを近くに構成する。つまり、例えば図2、図3のような構成として、カソード空気が折り返し部47に一度排出される際に、高温高湿となるようにする。
【0091】
一方、非加湿用空気流路45a、45bには折り返し部は構成せず、またそれらに隣接する冷却水流路46a、46b内の冷却水の流れと、非加湿用空気流路45a、45b内のカソード空気の流れが対向するように構成する。
【0092】
このようにスタック5を、単セルを複数積層することにより構成して、スタック5のセルの積層方向の一部に流れる流体、ここではカソード空気を用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する。これにより単セルのスタッキングを同じ配列の繰り返しとし、ガスのマニホルド長の設計で、改質空気加湿用とそうでないものとに分ける事ができ、設計効率の向上ができる。
【0093】
次に、第8の実施形態について図10を用いて説明する。ここでは一つのセル内の発電面に形成した空気流路48のうち、一部を加湿として、一部を非加湿として使用する。
【0094】
空気極を流れるカソード空気の流路を非加湿用空気流路48aと加湿用空気流路48bに分割して構成する。非加湿用空気流路48aを上方から下方に向かって流れる流路とする。一方、加湿用空気流路48bを後述する冷却水流路49に沿って上方から下方に流れ、冷却水流路49のスタック5からの出口付近を経てから折り返し部50において加湿を行う構成とする。また冷却水流路49は、一部が非加湿用空気流路48aに沿って流れ、一部が加湿用空気流路48bの折り返し部50の上流側と対向して流れるように構成する。
【0095】
ここでは、冷却水流路49の出口と加湿用空気流路48bの折り返し部50への排出部を近くに構成していないが、カソード空気が折り返し部50に排出されるまでに十分な熱や湿度を得ることができていれば、必ずしも両者を近くに構成する必要はない。また、非加湿用空気流路48aにおいて、スタック5から排出されるカソード空気の温度をさらに低温にしたい場合には、カソード空気が下方から上方に向かって流れるように構成してもよい。これにより、非加湿用空気流路48a内のカソード空気は、隣接する冷却水循環路49内の高温領域から低温領域に向かって流れるので、排出されるカソード空気を低温の冷却水により効率良く冷却することができる。
【0096】
このようにスタック5の発電面内に流体の流路、ここでは空気流路48を備え、発電面内の空気流路48の一部(加湿用空気流流路48b)を用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する。これにより改質空気加湿用とそうでないもののマニホルドを同一方向に揃えたり、スタックに対して互いに反対の位置にしたりする事ができる等、設計自由度が増える。
【0097】
次に、第9の実施形態について説明する。ここで用いるスタック5内の流体の流路の形状図11に示す。ここでは、第8の実施形態と同様の一つのプレート内に、非加湿用空気流路51aと加湿用空気流路51bを構成する。
【0098】
ここでは、冷却水循環路52を蛇行しながら上方から下方に向かう流路とする。これに対して非加湿用空気流路51aを、発電面の上方部分について下方から上方に向かうように形成する。加湿用空気流路51bは、発電面の下方部分における冷却水循環路52の低温領域から高温領域に向かって流れ、折り返し部53で加湿を行ってから、再び発電面上を冷却水循環路52の入口に向かって流れる。
【0099】
これにより、冷却水と非加湿用空気流路51aを流れるカソード空気とを対向して流すことができるので、冷却性能を向上することができる。また、加湿用空気流路51bを流れるカソード空気を、冷却水循環路52の下流側と隣接させることにより、カソード空気を高温状態にしてから折り返し部53に排出することができる。その後、冷却水循環路52の入口に向かって流れるので、効率良く冷却を行うことができる。
【0100】
このようにプレート内に非加湿用空気流路51aと加湿用空気流路51bを構成することで、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
これまで改質システムに用いる空気を再度加湿する際に、カソード空気による加湿や、直接冷却水で膜加湿を行う例について説明した。これに対して、燃料電池スタックが100℃を超える高温運転のスタックであった場合、燃料電池スタックに蒸発器を組み込んで蒸気を発生させて、この蒸気を改質器用空気に導入する構成とすれば、本発明と同様の効果を得ることができる。また、燃料ガスとして直接水素ガスを用いる場合においても、流路の途中でカソード空気の水蒸気を減じることにより空気極のフラッディング防止の効果を得ることができる。
【0102】
このように、本発明は上記実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲以内で様々な変更が成し得ることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における燃料電池システムの概略図である。
【図2】第1の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【図3】第2の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【図4】第3の実施形態における燃料電池システムの概略図である。
【図5】第3の実施形態における燃料電池システムの制御フローである。
【図6】第4の実施形態における燃料電池システムの制御フローである。
【図7】第5の実施形態における燃料電池システムの概略図である。
【図8】第6の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【図9】第7の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【図10】第8の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【図11】第9の実施形態における燃料電池内の流体流路の概略図である。
【符号の説明】
1  改質部
2  CO変成部
3  CO除去部
5  スタック
11 第二加湿器(第二加湿手段)
12 第一加湿器(第一加湿手段)
13 燃料電池循環路
20 冷却水入口部
21 冷却水出口部
29 ラジエータ
33c折り返し部
38 空気入口部
39 空気出口部
40 温度センサ(燃料電池出口温度検出手段)
41 温度センサ(ラジエータ出口温度検出手段)
33、43 空気流路
34、44、46、49、52 冷却水流路
43c、47、50、53 折り返し部
45a、45b、48a、51a 非加湿用空気流路
45c、48b、51b 加湿用空気流路

Claims (17)

  1. 燃料ガスと酸化ガスを用いて発電を行うスタックと、
    スタックからの排ガスを用いて加湿を行う第一加湿手段と、
    発電に伴って生じる熱の少なくとも一部を吸収する流体と、
    前記流体を用いて加湿を行う第二加湿手段と、
    燃料、酸化ガス、水のうち少なくとも燃料と水を用いて前記燃料ガスを生成する改質システムと、を備え、
    改質に用いる酸化ガスまたは燃料ガスの少なくとも一方の、少なくとも一部を、前記第一加湿手段と前記第二加湿手段により加湿することを特徴とした移動体用燃料電池システム。
  2. 前記スタック内に前記流体の流れる流体流路を設け、
    前記第二加湿手段を前記流体流路の途中に設けた折り返し部に備える請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  3. 改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を、前記第一加湿手段により加湿してから前記第二加湿手段において加湿し、
    前記第二加湿手段の温度を前記第一加湿手段の温度より高くする請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  4. 前記流体として気体を用いた請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  5. 前記気体として前記スタックにおける発電に用いる酸化ガスを用い、
    前記第二加湿手段を、前記スタックを流れる酸化ガスの流路の途中に設けた折り返し部に備える請求項4に記載の移動体用燃料電池システム。
  6. 前記スタック内部を一部とし、前記スタックの冷却を行う冷却水を循環する冷却水循環路を備え、
    前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部を、前記折り返し部の近傍に形成する請求項5に記載の移動体用燃料電池システム。
  7. 前記スタック内部を一部とし、前記スタックの冷却を行う冷却水を循環する冷却水循環路を備え、
    前記酸化ガスの流路の前記スタックからの出口部を、前記冷却水循環路の前記スタックへの入口部の近傍に形成した請求項5に記載の移動体用燃料電池システム。
  8. 前記折り返し部を、前記スタック内部に形成する請求項2に記載の移動多用燃料電池システム。
  9. 前記改質システムで必要とする水の量に応じて、前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部における冷却水温度を制御し、前記第二加湿手段の温度を制御する請求項6に記載の移動体用燃料電池システム。
  10. 前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部における冷却水温度を検出するスタック出口温度検出手段を備え、
    前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部における冷却水温度を、前記スタック出口温度検出手段の出力に応じて冷却水の流量を調整することにより制御する請求項9に記載の移動体用燃料電池システム。
  11. 前記冷却水循環路に、冷却水の放熱を行うラジエータと、
    前記ラジエータから排出される冷却水温度を検出するラジエータ出口温度検出手段を備え、
    前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部における冷却水温度を、前記ラジエータ出口温度検出手段に応じてラジエータの負荷を調整することにより制御する請求項9に記載の移動体用燃料電池システム。
  12. 前記スタック内部を一部とし、前記スタックの冷却を行う冷却水を循環する冷却水循環路を備え、
    前記流体として前記冷却水を用いる請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  13. 前記冷却水として純水を用いる請求項12に記載の移動体用燃料電池システム。
  14. 前記改質システムで必要とする水の量に応じて、前記冷却水循環路の前記スタックからの出口部における冷却水温度を制御する請求項12に記載の移動体用燃料電池システム。
  15. 前記スタックを複数のスタックから構成し、前記複数のスタックのうち少なくとも一つを用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  16. 前記スタックを、単セルを複数積層することにより構成し、
    前記スタックのセルの積層方向の一部の前記流体を用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
  17. 前記スタックの発電面内に前記流体の流路を備え、
    前記発電面内の前記流体流路の一部を用いて、改質に用いる酸化ガスまたは燃料の少なくとも一方の、少なくとも一部を加湿する請求項1に記載の移動体用燃料電池システム。
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