JP4773790B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
すなわち、改質器の触媒が灯油燃料を改質可能な所定温度に達するまでの間は、燃料電池スタックに燃料ガスが供給されないため、燃料電池スタックの発電を行うことができなくなっている。
これにより、高静圧かつ大流量の送風機を用いることなく、バーナの火力を強くすることができ、改質器の温度上昇を早めることができるため、燃料電池システムの起動から発電までの時間を短縮することができる。
なお、スタック用供給管は、バーナ用供給管に設けられたバーナ用送風機の上流側または下流側に連通させることができる。
これにより、高静圧かつ大流量の送風機を用いることなく、バーナの火力を強くすることができるため、改質器の温度上昇を早めることができ、燃料電池システムの起動から発電までの時間を短縮することができる。
したがって、小型で安価な送風機を用いることができ、燃料電池システムを小型化することができるとともに、燃料電池システムの製造コストを低減することができる。
図1は、本実施形態の燃料電池システム全体を示した概略構成図である。図2は、本実施形態の燃料電池システムにおける空気の供給経路を示した概略構成図である。
本実施形態では、家庭用の電力を供給する小型の燃料電池システムを想定して説明する。
燃料電池システム1は、図1に示すように、炭化水素燃料である灯油燃料から水素を含有する燃料ガスを生成する燃料改質装置2と、水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池スタック3と、燃料電池スタック3で発電された直流電流を交流電流に変換するインバータ4と、燃料電池システム1の動作を制御する制御部5とを備えている。
制御部5は、与えられたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することにより、燃料電池システム1内の各装置の動作を制御するように構成されている。
燃料改質装置2は、燃料電池システム1の外部から供給された灯油燃料中の硫黄を除去する脱硫器2aと、硫黄が除去された灯油燃料と水を触媒によって水蒸気改質して水素を含有する燃料ガスを生成する改質器2bと、改質器2bで生成された燃料ガス中のCO(一酸化炭素)の濃度を低下させるCO変成器2cと、CO変成器2cを通過した燃料ガス中のCOの濃度を更に低下させるCO除去器2dとから構成されている。この燃料改質装置2は、公知の装置を用いているため、詳細な説明は省略する。
また、改質器2bから排出される燃料ガスの温度を測定する温度センサ2f、CO変成器2cから排出される燃料ガスの温度を測定する温度センサ2g、CO除去器2dから排出される燃料ガスの温度を測定する温度センサ2hが設けられている。さらに、改質器2bには、改質器2b内の触媒の温度を測定する温度センサ2iが設けられている。
この燃料改質装置2で生成された燃料ガスは、燃料電池スタック3のアノード極3aに供給される。
燃料電池スタック3は、燃料改質装置2から燃料ガスが供給されるアノード極3aと、反応ガスとして空気が供給されるカソード極3bとが形成されており、燃料ガス中の水素と空気中の酸素との電気化学反応によって発電が行われ、発電した直流電流をインバータ4に出力するように構成されている。この燃料電池スタック3は、公知の装置を用いているため、詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック3のカソード極3bから排出されたカソードオフガスは、燃料電池システム1の外部に排気されることになる。
また、燃料電池スタック3を冷却するための冷却器3cが設けられており、この冷却器3cから排出された冷却水は、熱交換器6で冷却された後に、再度、冷却器3cに供給され、燃料電池システム1内で循環するように構成されている。
次に、改質器2bのバーナ2eおよび燃料電池スタック3のカソード極3bに空気を供給するための供給経路について説明する。
また、一次空気用供給管10には、バーナ2eの燃焼部に空気を送り込むための一次空気用送風機12(特許請求の範囲における「バーナ用送風機」)が設けられており、この一次空気用送風機12は、フィルタ11側(上流側)からバーナ2e側(下流側)に向かって送風するように構成されている。
また、二次空気用供給管20には、バーナ2eの燃焼部に空気を送り込むための二次空気用送風機22が設けられており、この二次空気用送風機22は、フィルタ21側(上流側)からバーナ2e側(下流側)に向かって送風するように構成されている。
また、スタック用供給管30には、燃料電池スタック3のカソード極3bに空気を送り込むためのスタック用送風機32が設けられており、フィルタ31側(上流側)から燃料電池スタック3側(下流側)に向かって送風するように構成されている。
この連絡管40は、スタック用供給管30のスタック用送風機32よりも下流側で分岐し、一次空気用供給管10の一次空気用送風機12よりも上流側に連通している。
また、一次空気用供給管10において、連絡管40の連通箇所よりも上流側には、二方弁である一次空気側バルブ13が設けられており、この一次空気側バルブ13を開けることにより、一次空気用供給管10の上流側と下流側を連通させることができ、一次空気側バルブ13を閉じることにより、一次空気用供給管10の上流側と下流側を遮断することができる。
制御部5には、改質器2b内の触媒が灯油燃料を改質可能な所定温度が記憶されているとともに、燃料ガスが燃料電池スタック3で発電可能なCO濃度以下に達した状態において、改質器2b、CO変成器2c、CO除去器2dから排出される燃料ガスの各温度(以下、「燃料改質装置2の所定温度」という場合がある。)が記憶されている。
次に、燃料電池システム1の起動から燃料電池スタック3の発電までの動作について説明する。
図3は、バーナおよび燃料電池スタックへの空気の供給を示した図で、(a)は一次空気用供給管およびスタック用供給管を示した概略構成図、(b)は各送風機の吐出量、改質器の温度変化、各バルブの制御状態を示したグラフである。図4および図5は、燃料電池システムの起動から燃料電池スタックの発電までの動作を示したフローチャートである。
このように、燃料電池システム1の起動時には、一次空気用送風機12およびスタック用送風機32の送風によってバーナ2eの燃焼部に一次空気が供給される。
このとき、制御部5では、改質器2bの温度センサ2iで測定された触媒の温度と、記憶されている所定温度とを比較し(ステップS6)、触媒の温度が所定温度以下である場合には、一次空気用送風機12およびスタック用送風機32による一次空気の供給を継続する。
これにより、燃料改質装置2の改質器2b内の触媒によって灯油燃料が改質され、水素を含有する燃料ガスが生成される(ステップS7)。
なお、スタック側バルブ33を切り替えるときに、スタック用送風機32を一旦停止することにより、スタック用送風機32の送風が切り替え途中のスタック側バルブ33に遮られて過負荷状態になることを防ぐことができる。
ここで、アノードオフガスを燃焼させるために必要な空気量は、灯油燃料と比較して少ないため、バーナ2eにアノードオフガスが供給されたときには、灯油燃料のみによってバーナ2eを燃焼させていたときよりも空気量が少なくてもよい。したがって、一次空気用送風機12および二次空気用送風機22からの送風によってバーナ2eを燃焼させて火力を保つことができる。
以上のように構成された燃料電池システムは次のような作用効果を奏する。
図1に示す燃料電池システム1では、起動時に改質器2b内の触媒の温度が所定温度以下の場合には、スタック用供給管30を一次空気用供給管10に連通させることにより、スタック用送風機32の送風を一次空気用供給管10内で一次空気用送風機12の送風に合流させることができるため、バーナ2eに供給される空気の静圧を高めることができ、バーナ2eに供給される空気の流量を増やすことができる。
これにより、高静圧かつ大流量の送風機を用いることなく、バーナ2eの火力を強くすることができ、改質器2b内の触媒の温度上昇を早めることができるため、燃料電池システム1の起動から発電までの時間を短縮することができる。
したがって、小型で安価な送風機を用いることができ、燃料電池システム1を小型化することができるとともに、燃料電池システム1の製造コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。図6は、バーナおよび燃料電池スタックへの空気の供給の他の構成を示した図で、(a)は連絡管に連絡側バルブを設けた構成の概略構成図、(b)は各送風機の吐出量、改質器の温度変化、各バルブの制御状態を示したグラフである。図7は、バーナおよび燃料電池スタックへの空気の供給の他の構成を示した図で、(a)は連絡管を一次空気用送風機の下流側に連通させた構成の概略構成図、(b)は各送風機の吐出量、改質器の温度変化、各バルブの制御状態を示したグラフである。図8は、バーナおよび燃料電池スタックへの空気の供給の他の構成を示した図で、(a)は連絡管を一次空気用送風機の下流側に連通させ、連絡管に連絡側バルブを設けた構成の概略構成図、(b)は各送風機の吐出量、改質器の温度変化、各バルブの制御状態を示したグラフである。
この構成では、スタック用供給管30のスタック側バルブ33´よりも上流側で連絡管40が分岐しており、連絡管40に設けられた二方弁である連絡側バルブ41を閉じることにより、スタック用供給管30と一次空気用供給管10を遮断することができる。このように、スタック側バルブ33´を二方弁によって構成することにより、スタック側バルブ33´を簡易な構成にすることができる。
この構成では、一次空気用供給管10と連絡管40の連結箇所よりも上流側にバルブを設ける必要がなくなるため、燃料電池システムにおける空気の供給経路を簡易な構成にすることができる。
2 燃料改質装置
2b 改質器
2e バーナ
3 燃料電池スタック
3a アノード極
3b カソード極
3c 冷却器
5 制御部
10 一次空気用供給管
12 一次空気用送風機
13 一次空気側バルブ
20 二次空気用供給管
22 二次空気用送風機
30 スタック用供給管
32 スタック用送風機
33 スタック側バルブ
40 連絡管
Claims (4)
- 水素を含有する燃料ガスを燃料電池スタックのアノード極に供給して発電を行う燃料電池システムにおいて、
炭化水素燃料を触媒で改質して前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記改質器を加熱するバーナと、
前記バーナに連通しているバーナ用供給管と、
前記燃料電池スタックのカソード極または前記バーナ用供給管に連通可能なスタック用供給管と、
前記改質器の温度に基づいて、前記スタック用供給管の連通先を切り替える制御部と、を備え、
前記バーナ用供給管には、前記バーナに空気を送り込むためのバーナ用送風機が設けられ、前記スタック用供給管には、前記燃料電池スタックのカソード極または前記バーナ用供給管に空気を送り込むためのスタック用送風機が設けられており、
前記制御部は、
前記改質器が所定温度以下の場合には、前記スタック用供給管を前記バーナ用供給管に連通させるように構成されていることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御部は、
前記改質器が所定温度以上の場合には、前記スタック用供給管を前記燃料電池スタックのカソード極に連通させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムには、
前記改質器と、
前記改質器で生成された前記燃料ガス中の一酸化炭素の濃度を低下させるCO変成器と、
前記CO変成器を通過した前記燃料ガス中の一酸化炭素の濃度を低下させるCO除去器と、から構成される燃料改質装置が設けられており、
前記制御部は、
前記改質器が所定温度以上であるとともに、前記燃料改質装置が所定温度以上の場合には、前記スタック用供給管を前記燃料電池スタックのカソード極に連通させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池システムには、
前記改質器と、
前記改質器で生成された前記燃料ガス中の一酸化炭素の濃度を低下させるCO変成器と、
前記CO変成器を通過した前記燃料ガス中の一酸化炭素の濃度を低下させるCO除去器と、から構成される燃料改質装置が設けられており、
前記制御部は、
前記改質器が所定温度以上であるとともに、前記燃料改質装置によって生成された前記燃料ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度以下の場合には、前記スタック用供給管を前記燃料電池スタックのカソード極に連通させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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