JP3281911B2 - 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法 - Google Patents

1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法

Info

Publication number
JP3281911B2
JP3281911B2 JP19332492A JP19332492A JP3281911B2 JP 3281911 B2 JP3281911 B2 JP 3281911B2 JP 19332492 A JP19332492 A JP 19332492A JP 19332492 A JP19332492 A JP 19332492A JP 3281911 B2 JP3281911 B2 JP 3281911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dihydroxynaphthalene
dicarboxylic acid
producing
salt
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19332492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH069490A (ja
Inventor
賢 山辺
貢二 西原
富男 西木
崇 種治
良暉 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sugai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sugai Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sugai Chemical Industry Co Ltd filed Critical Sugai Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP19332492A priority Critical patent/JP3281911B2/ja
Publication of JPH069490A publication Critical patent/JPH069490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3281911B2 publication Critical patent/JP3281911B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規物質である1,6
−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及び
その製造法に関する。より詳細には、ナフタレン骨格を
有する全芳香族ポリエステル樹脂などの原料として有用
な1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボ
ン酸及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレン骨格を有する重合体は、耐熱
性に優れ、液晶性を示すことなどから広く研究されてお
り、例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂
は、耐熱性・機械的強度・寸法安定性などの特徴からV
TRテープや液晶ポリマーなどの用途に用いられてい
る。また、特開平2−215830号には、ナフタレン
骨格を有する全芳香族コポリエステルがサーモトロピッ
ク液晶特性を有し、融点と初期熱分解温度の間の全温度
範囲内で液晶重合体融解相を形成できる樹脂であること
が開示されている。従来、このようなナフタレン骨格を
有する重合体の原料モノマーとしては、例えば、2−ヒ
ドロキシナフタレン−6−カルボン酸、2,6−ジヒド
ロキシナフタレン、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のモノマーから得
られる従来の樹脂はナフタレン骨格に置換基を有さず、
また置換基を導入することが困難であるので、置換基の
導入による樹脂の性状の改質を図ることができず、置換
基を導入し得るモノマーが望まれている。このようなモ
ノマーとして、水酸基を有するナフタレンジカルボン酸
である1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸が知られている。しかし、この化合物は黄色を
呈するため、用途が限定されるという問題がある。かか
る問題から、本発明者等は、無色であり且つ置換基を導
入し得るナフタレンジカルボン酸モノマーを鋭意検討し
た結果、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジ
カルボン酸が上記の目的を達成できるモノマーであるこ
とを見出して本発明を完成した。即ち、本発明は、ナフ
タレン骨格を有する樹脂の合成原料などとして有用な
1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン
酸及びその製造法を提供することを目的とする。なお、
1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン
酸は、その製法、用途などが知られていない新規化合物
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式 で表される1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−
ジカルボン酸及びその塩並びにその製造法に関する。上
記式で表される1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,
5−ジカルボン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属
塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ
土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩
等)などの無機塩基塩、アンモニウム塩、トリエチルア
ミン塩、ピリジン塩などの有機塩基塩が例示される。
【0005】本発明の目的化合物である1,6−ジヒド
ロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸は種々の方法
により調製することができるが、好ましくは、1,6−
ジヒドロキシナフタレンのジアルカリ金属塩に炭酸ガス
を反応させるKolbe-Schmitt反応により得ることができ
る。この反応において、原料である1,6−ジヒドロキ
シナフタレンのジアルカリ金属塩としては、ジナトリウ
ム塩、ジカリウム塩、ナトリウム・カリウム塩が挙げら
れる。これらの塩は、常法により調製することができる
が、好ましくは、適当な溶媒(例えば、スルホラン、D
MF、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ケロセン、テトラヒドロフラン等)中、1,6−ジヒド
ロキシナフタレンとアルカリ金属化合物(例えば、水素
化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムアミド、カ
リウムアミド等)とを反応させることにより調製され
る。
【0006】かくして得られた1,6−ジヒドロキシナ
フタレンのジアルカリ金属塩は、炭酸ガスと反応させる
Kolbe-Schmitt反応に付すことにより、1,6−ジヒド
ロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸を得ることが
できる。この反応は、Kolbe-Schmitt反応の常法に準じ
て行うことができ、例えば、1,6−ジヒドロキシナフ
タレンのジアルカリ金属塩を適当な溶媒(例えば、スル
ホラン、DMF、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ケロセン、テトラヒドロフラン等)に溶解又
は懸濁させた液に、加熱下、炭酸ガスを吹き込むことに
より行われるが、より好ましくは、オートクレーブ等の
加圧反応容器を用い、1,6−ジヒドロキシナフタレン
のジアルカリ金属塩液と炭酸ガスを加圧・加熱下で反応
させる方法が用いられる。より詳細には、加圧反応容器
に1,6−ジヒドロキシナフタレンのジアルカリ金属塩
液を仕込んで密封し、減圧脱気した後、昇温(100〜
200℃程度、好ましくは120〜180℃程度)し、
炭酸ガスを吹き込み、加圧下(2〜20kg/cm2
度、好ましくは5〜15kg/cm2程度)に1〜8時
間程度、通常2〜5時間程度反応させることにより行わ
れる。反応終了後、反応生成物(1,6−ジヒドロキシ
ナフタレン−2,5−ジカルボン酸のジアルカリ金属
塩)を、硫酸、塩酸、リン酸などの酸を用いた酸処理に
付すことにより、1,6−ジヒドロキシナフタレン−
2,5−ジカルボン酸が得られる。
【0007】かくして得られた1,6−ジヒドロキシナ
フタレン−2,5−ジカルボン酸は、再結晶、再沈殿、
カラムクロマトグラフィーなどの慣用の方法で精製する
ことができる。また、1,6−ジヒドロキシナフタレン
−2,5−ジカルボン酸の塩は、常法に準じて、1,6
−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸と塩
基性物質とを反応させることにより調製することができ
る。
【0008】本発明の目的化合物である1,6−ジヒド
ロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその塩
は、ナフタレン骨格を有する樹脂(例えば、ポリエステ
ル、ポリアミド等)の原料として有用である。更に、1
位と6位の水酸基又は2位と5位のカルボキシル基に種
々の手法で置換基を導入し得る化合物であり、導入する
置換基を適宜設計することによって帯電防止性・酸化防
止性・光吸収性・難燃性・液晶性あるいは射出成形性の
向上を図ることができる。なお、本発明の目的化合物
は、上記の用途に限らず、種々のナフタレン誘導体の合
成原料としても有用である。
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 300ml容の四つ口フラスコに、1,6−ジヒドロキ
シナフタレン(純度99.0%)32.3g及びスルホ
ラン130mlを仕込み、窒素気流下で、35から40
℃において、30分間撹拌し、溶解させた。一方、75
0ml容のステンレス製オートクレーブの反応釜に、油
性水素化ナトリウム(純度60%)16.3g及びスル
ホラン200mlを仕込み懸濁させた。そこに上記の
1,6−ジヒドロキシナフタレン・スルホラン溶液を、
窒素気流下で、20〜30℃において、1〜2時間かけ
てゆっくり滴下した。滴下後、2〜3時間撹拌した後、
反応釜をオートクレーブにセットし密閉した。そして排
気口をポンプと接続し、減圧度30〜40mmHgで、
2〜3時間脱気した。脱気後120〜180℃まで昇温
し、炭酸ガスを圧力5〜15kg/cm2まで吹き込
み、圧力が所定値で安定した時点から、3時間撹拌し
た。3時間経過後、冷却しオートクレーブを開封し、ス
ルホランで濾洗し、湿潤ケーキを得た。その湿潤ケーキ
を1000mlの水に完溶させ、pH2.0になるまで
10%H2SO4を滴下し、酸析した。得られた酸析湿潤
ケーキをメタノールに溶解し、活性炭で脱色した後、濃
縮して1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカ
ルボン酸の結晶を得た(収量:14.6g)。こうして
得られた1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジ
カルボン酸は、有機組成値99.5%で白色結晶であっ
た。 融点:250.7℃(初融温度:244.9℃) IR(KBr):3000,1640,1600cm-1 1 H−NMR(DMSO−d6):δ(ppm) 8.38
(1H, d),8.34 (1H, d), 7.80 (1H, s), 7.79 (1H, s),
7.27 (1H, d), 7.23 (1H, d)
【0010】
【発明の効果】本発明の目的化合物である1,6−ジヒ
ドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその塩
は、ナフタレン骨格を有するポリエステル樹脂などの原
料モノマーとして有用であり、特に分子中の水酸基又は
カルボキシル基に種々の置換基を導入することができる
ので、かかる化合物を原料モノマーとして用いることに
より、種々の特性を向上させた樹脂を得ることができ
る。また、本発明の製造法によれば、1,6−ジヒドロ
キシナフタレン−2,5−ジカルボン酸を簡便に製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種治 崇 和歌山市宇須4丁目4番6号 スガイ化 学工業株式会社内 (72)発明者 松本 良暉 和歌山市宇須4丁目4番6号 スガイ化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−215830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 65/11 C07C 51/15 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,6−ジヒドロキシナフタレン−
    2,5−ジカルボン酸又はその塩。
  2. 【請求項2】 1,6−ジヒドロキシナフタレンの
    ジアルカリ金属塩と炭酸ガスとを反応させ、1,6−ジ
    ヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸を得るこ
    とを特徴とする1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,
    5−ジカルボン酸の製造法。
JP19332492A 1992-06-27 1992-06-27 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法 Expired - Fee Related JP3281911B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19332492A JP3281911B2 (ja) 1992-06-27 1992-06-27 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19332492A JP3281911B2 (ja) 1992-06-27 1992-06-27 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH069490A JPH069490A (ja) 1994-01-18
JP3281911B2 true JP3281911B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=16306013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19332492A Expired - Fee Related JP3281911B2 (ja) 1992-06-27 1992-06-27 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3281911B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH069490A (ja) 1994-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4231934A (en) Process for the production of N-(hydroxyphenyl) maleimides
JPH05507936A (ja) 環式サルフェートの製造法
JP3281911B2 (ja) 1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸及びその製造法
JPS6289641A (ja) 6,6′−(エチレンジオキシ)−ジ−2−ナフトエ酸の製造法
JPS6322540A (ja) 4−ハイドロキシフエニル4−ハイドロキシベンゾエ−トの製法
JPS587620B2 (ja) モノマレインイミドルイ マタハ ポリマレインイミドルイノ セイゾウホウホウ
US3954840A (en) 1,3,5,7-Naphthalenetetracarboxylic acids and process for preparation thereof
JPH0522694B2 (ja)
JPS6366164A (ja) ビスマレイミド類の製造方法
US5066773A (en) Formation of poly(benzimidazole)
US3472875A (en) Process for purifying crude 3,4 - dicarboxy - 1,2,3,4 - tetrahydro - 1 - naphthalene succinic dianhydride comprising recrystallizing said dianhydride from an acetonitrile solution
JPS63188647A (ja) ビス(3−タ−シヤリ−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)酢酸類の製造方法
US3427306A (en) Process for the manufacture of n-(5 - nitro - 2 - furfuryliden) - 1 - amino-hydantoin
US4977271A (en) Reissert compound of bisbenzimidazole
JPH0552831B2 (ja)
CA2002044A1 (en) Synthesis of bisimides
JPH0522693B2 (ja)
US6018055A (en) Polyarylether containing N-substituted imide groups and process for producing the same
JPH06256262A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルの精製法
SU412185A1 (ja)
JP2540167B2 (ja) マレイミドの製造方法
US5021583A (en) Formation of Reissert compound of bisbenzimidazole
US3794684A (en) Acylation of 2,6-dioximinocyclohexanone and the monosodium salt thereof
JP3085609B2 (ja) ビスマレイミド類の製造方法
CN114213309A (zh) 马来酰亚胺的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees