JP3281518B2 - 光通信用モジュール - Google Patents

光通信用モジュール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、光ファイバと光電
変換素子とを接続する光通信用モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザーダイオードやフォト
ダイオード等の光電変換素子と、この光電変換素子に対
して光信号を導入又は導出するための光ファイバを接続
してなる光通信用モジュールが用いられている。
【0003】一般的な光通信用モジュールの構造は、光
ファイバを挿入固定したフェルールと光電変換素子を封
入したパッケージとをケーシングに備えた貫通孔の両端
に接合し、該ケーシングの内部にレンズを備えたもので
ある。しかし、このような光通信用モジュールは小型化
することが困難であり、また光ファイバ先端と光電変換
素子との間の距離が大きいため両者の光軸合わせを正確
に行うことが困難であるなどの課題があった。
【0004】そこで、光ファイバの一端を挿入固定した
フェルールの端面に直接電極を形成し、この電極上に光
電変換素子を取り付けることによって、極めて小型の光
通信用モジュールとすることが提案されている(特開昭
62−178204号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記フェル
ールの端面に直接光電変換素子を取り付けた構造の光通
信用モジュールでは、近年の光通信速度の向上に対応す
るうえで以下の問題点があった。
【0006】まず、一般にフェルールの材質は、高強
度、高靱性のジルコニアセラミックスが用いられている
が、このジルコニアセラミックスは誘電率が高いため、
端面に形成した回路(電極)部分での高周波信号の損失
が大きくなり、高速通信領域での伝送信号の符号誤り率
が劣化するという問題があった。
【0007】また、高速信号を伝送する場合は、光電変
換素子の近傍に電流電圧増幅回路を備え、インピーダン
ス整合をとった伝送線路で光電変換素子と結合すること
が一般的であるが、フェルールの端面は直径2.5mm
あるいは1.25mmと極めて小さいことから、上記増
幅回路及び伝送線路を形成する領域を確保できないとい
う問題点があった。
【0008】さらに、高速信号に対応するためには、光
電変換素子を小さくして素子の反応速度を速くする手法
がとられるため、素子を結合する際の位置精度が重要と
なる。しかし、上記の光通信用モジュールではフェルー
ル端面が小さいことから、回路と光ファイバ端面との位
置合わせ精度が±10μm以下となるように厚膜または
薄膜形成手段で回路を形成することが困難であり、その
ため上記小型の光電変換素子を高精度に結合することが
できなかった。
【0009】また、光ファイバ端面に光の不要反射を防
ぐための反射防止膜を形成しても、フェルール端面に回
路を形成する工程で反射防止膜が剥がれてしまうという
問題点もあった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、細孔中
に光ファイバの一端を挿入固定したジルコニアセラミッ
クスからなるフェルールを保持部材の取付孔中に挿通
し、上記フェルールの先端面と保持部材の先端面がほぼ
同一面となる位置で固定し、この保持部材の先端側に上
記光ファイバの端面が露出する貫通孔を備えた回路基板
を接合するとともに、該回路基板の表面に、受発光面が
上記光ファイバ端面と対向するように光電変換素子を備
えて光通信用モジュールを構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、フェルールの先端側に備えた
回路基板に光電変換素子を取り付けたことによって、回
路基板として低誘電率の材料を用いることができ、回路
部分での損失を少なくできる。
【0012】また、回路基板は所望の大きさに形成でき
るため、増幅回路や伝送線路を形成するために十分な領
域を確保することができる。
【0013】さらに、回路は充分な面積を持った回路基
板上に形成すれば良く、この回路と光ファイバ端面との
位置合わせを行いながら回路基板とフェルールとを接合
すれば良いことから、容易に回路と光ファイバ端面との
位置合わせ精度を高くでき、光電変換素子と光ファイバ
を高精度で結合することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0015】図1に示すように、本発明の光通信用モジ
ュール1は、光ファイバ11の一端を細孔12中に挿入
固定したフェルール10の先端側(図面の左方向)を、
保持部材20の取付孔21に挿通固定し、該保持部材2
0の先端面22に、光ファイバ11の端面11aを露出
させる貫通孔31を備えた回路基板30を接合し、この
回路基板30の接合面と反対側の先端面33に回路32
を形成するとともに、上記先端面33における貫通孔3
1を塞ぐ位置に、光電変換素子40をその受光又は発光
面が光ファイバ11の端面11aと対向するように接合
して構成されている。
【0016】上記光電変換素子40は、レーザーダイオ
ード等の発光素子またはフォトダイオード等の受光素子
である。光電変換素子40が発光素子の場合は、出射し
た光信号を光ファイバ11で導出することができ、光電
変換素子40が受光素子の場合は、光ファイバ11で導
入した光信号を受光することができ、いずれの場合も極
めて小型の光通信用モジュールとして作用することがで
きる。
【0017】上記フェルール10は、特に高強度、高靱
性のジルコニアセラミックスで形成する。このフェルー
ル10には軸方向に貫通する細孔12が備えられ、この
細孔12に光ファイバ11の一端を挿入し接着剤等で固
定してある。またフェルール10の先端面13は光ファ
イバ11の端面11aと同一面となるように研摩され、
上記光ファイバ11の端面11aには反射防止膜(不図
示)を形成することが好ましい。
【0018】上記保持部材20は、加工性の良いセラミ
ックス、または液晶ポリマー等の樹脂で形成されてお
り、中央にフェルール10を挿通するための取付孔21
を備えている。フェルール10はこの取付孔21に挿通
され、フェルール10の先端面13と保持部材20の先
端面22がほぼ同一面となる位置で、エポキシ系接着剤
や半田等によって接合されている。なお、保持部材20
を樹脂で形成する場合は、フェルール10の周囲にモー
ルド成形することも可能である。
【0019】上記回路基板30は、誘電率が低く電気特
性に優れたアルミナセラミックスあるいはポリイミドア
ミド等の高周波回路用材料で形成されており、中央に貫
通孔31を備えている。また、接合面と反対側の先端面
33には図2に示すような回路32を厚膜または薄膜手
段で形成してあるが、回路基板30として誘電率の低い
材料を用いることにより、回路32での損失を小さくで
きる。
【0020】この回路基板30を保持部材20の先端面
22に接合する場合は、図3に示すように貫通孔31か
ら光ファイバ11の端面11aを露出させ、この端面1
1aと貫通孔31あるいは回路32との位置合わせを行
った状態で、接着剤等により接合する。この位置合わせ
は、画像処理装置を用いることによって数μm程度の精
度で容易に位置調整することができ、極めて高精度に接
合することができる。
【0021】また、回路基板30として、セラミック積
層多層回路基板や、内部に電気素子を形成した基板を用
いることも可能である。
【0022】そして、上記回路基板30の先端面33に
おける、貫通孔31を塞ぐ位置に光電変換素子40を接
合すれば良い。また、回路基板30には十分な領域があ
るため、光電変換素子40近傍に増幅回路を備え、伝送
線路で光電変換素子40と結合する構造とすることがで
きる。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、細孔中に
光ファイバの一端を挿入固定したジルコニアセラミック
スからなるフェルールを保持部材の取付孔中に挿通し、
上記フェルールの先端面と保持部材の先端面がほぼ同一
面となる位置で固定し、この保持部材の先端側に上記光
ファイバの端面が露出する貫通孔を備えた回路基板を接
合するとともに、該回路基板の表面に、受発光面が上記
光ファイバ端面と対向するように光電変換素子を備えて
光通信用モジュールを構成したことによって、以下のよ
うな効果を奏する。
【0024】回路基板として誘電率の低い材料を用いる
ことができるため、光電変換素子の回路部分での損失を
小さくし、高速通信領域での伝送信号の符号誤り率の劣
化を防止できる。
【0025】回路基板を所望の大きさに形成できるた
め、光電変換素子の近傍に増幅回路を備え、インピーダ
ンス整合をとった伝送線路で結合する構造とすることが
可能となる。
【0026】回路基板とフェルールとの位置合わせが容
易、かつ高精度に行えるため、光電変換素子と光ファイ
バとの結合効率を高くすることができる。
【0027】予め回路を形成した回路基板を接合するだ
けでよいことから、光ファイバ先端面に形成した反射防
止膜が剥がれることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光通信用モジュールを示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の光通信用モジュールの回路基板側から
見た端面図である。
【図3】本発明の光通信用モジュールにおける回路基板
の位置合わせを説明するための図である。
【符号の説明】
10:フェルール 11:光ファイバ 12:細孔 13:先端面 20:保持部材 21:取付孔 22:先端面 30:回路基板 31:貫通孔 32:回路 33:先端面 40:光電変換素子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−170107(JP,A) 特開 昭59−111123(JP,A) 特開 昭61−80207(JP,A) 特表 昭63−500827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔中に光ファイバの一端を挿入固定した
    ジルコニアセラミックスからなるフェルールを保持部材
    の取付孔中に挿通し、上記フェルールの先端面と保持部
    材の先端面がほぼ同一面となる位置で固定し、この保持
    部材の先端側に上記光ファイバの端面が露出する貫通孔
    を備えた回路基板を接合するとともに、該回路基板の表
    面に、受発光面が上記光ファイバ端面と対向するように
    光電変換素子を備えてなる光通信用モジュール。
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JP5059735B2 (ja) * 2007-11-29 2012-10-31 株式会社巴川製紙所 光学接続部品の製造方法及びそれに用いる製造装置
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