JP2004309570A - 光通信モジュール、光通信装置、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製品の信頼性が高く、小型で安価な光通信モジュールを提供する。
【解決手段】光ファイバ11を挿脱可能な貫通孔2を有する基板1と、基板1の片面に密着して前記貫通孔2全体を覆うように配置され、貫通孔2の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜6と、透光性樹脂膜6の少なくとも一面に配置される配線膜7と、配線膜7に接続され、貫通孔2上に透光性樹脂膜6を介して設置される光素子3と、を含む光通信モジュールにより課題を解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ11を挿脱可能な貫通孔2を有する基板1と、基板1の片面に密着して前記貫通孔2全体を覆うように配置され、貫通孔2の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜6と、透光性樹脂膜6の少なくとも一面に配置される配線膜7と、配線膜7に接続され、貫通孔2上に透光性樹脂膜6を介して設置される光素子3と、を含む光通信モジュールにより課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信機、光受信機、及び光トランシーバ等の光通信モジュール及びその製造方法に関し、特に、高性能で、小型で安価な光通信モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいては、電気信号を光信号に変換する発光素子と光信号を電気信号に変換する受光素子相互間を光ファイバで接続する構成が基本となる。このような発光素子や受光素子などの光素子と光ファイバを着脱あるいは挿脱可能とするために、光素子と光ファィバとを光学的に接続するための光通信モジュール(コネクタ)が利用されている。
【0003】
従来の光送信モジュールの多くは、発光素子が缶パッケージによりパッケージングされた構造を有する。缶パッケージは、一般に、金属端子(ピン)を介して、発光素子を駆動するための信号を送信する外部回路に接続され、外部回路が形成されたプリント基板上に固定されている。発光素子と光ファイバは、例えばボールレンズ等を介して光結合される。このような方式では、発光素子から出射された光は、ボールレンズを介してモジュールのスリーブ部により位置決めされた光ファイバに入射される。
【0004】
しかし、この従来の方式では、缶パッケージを使用しているため、金属ピンを介して外部回路に接続されることになり、小型化に限界があった。また、部品点数が多く、製造工程が多い上に、各部品のアラインメント調整に時間がかかるため、製造コストが高くなる傾向にあった。
【0005】
このような課題を解決するために、種々の方法が検討されている。
【0006】
例えば、特許文献1(特開2000−349307号公報)には、光ファイバを挿入する貫通穴を有し、光素子又は外部回路との電気的接続を容易にするための導電層が形成されたプラットフォームと光素子を備えた光通信モジュールが開示されている。このプラットフォームによれば、缶パッケージを用いず、また、貫通穴により光素子に対する光ファイバの位置決めがなされるので、小型化が可能となる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−349307号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光通信モジュールでは、光ファイバを挿入する貫通穴上に光素子を搭載するためには、貫通穴の周囲に光素子を接続固定するためのバンプを形成する必要がある。したがって、貫通穴よりも大きな光素子が必要となり、光素子が大型化し、製造コストが高くなる。また、光ファイバの先端には、通常、ファイバを保持し、アラインメントを取るためのフェルールが接続される。したがって、フェルールの径に合わせて貫通穴の穴径も広がるため、穴径が光素子よりも大きくなり、光素子の搭載が不可能となる場合があった。
【0008】
このような光通信モジュールは、消耗品であるため、より一層の低コスト化が望まれる。
【0009】
また、この光通信モジュールの構成では、インピーダンス整合された伝送路を組むことが困難であるため、高周波域での駆動に限界があり、高速駆動に対応した光通信モジュールの開発が望まれる。
【0010】
よって、本発明は、高性能で、安価な小型光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、さらに光通信の高速化に対応し得る光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、高性能で、安価な小型光通信モジュールを簡易に大量に製造し得る製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の少なくとも一面に配置される配線膜と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、を含むことを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されているため、光透過部が薄膜となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。
【0015】
本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の両面に形成されるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップラインに接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、を含むことを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されているため、光透過部が薄膜となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜の両面にマイクロストリップラインが形成されているため、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となり、光素子の高速駆動に適した光通信モジュールの提供が可能となる。
【0017】
また、本発明の光通信モジュールは、必要に応じて光素子が封止材により封止されていてもよい。かかる構成により、光素子の密閉性が保たれ、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、本発明では、透光性樹脂膜を介して、光素子が貫通孔上に設置されるので、透光性樹脂膜上で光素子を封止することが可能となり、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となる。したがって、光ファイバの挿脱時においても、光素子を外気や湿気から保護することが可能となり、より信頼性の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0018】
前記光素子と前記透光性樹脂膜との接続部が、前記貫通孔上に位置していることが好ましい。貫通孔上に透光性樹脂膜が形成されているので、貫通孔の孔径よりも小さな光素子を搭載することが可能となり、製品のコストを低減し得る。
【0019】
前記薄く形成された部分は前記透光性樹脂膜に形成された凹部であり、該凹部の孔径が前記貫通孔の孔径に対応していることが好ましい。かかる構成により、さらに、貫通孔に挿入した光ファイバ又は、フェルール等が装着された光ファイバを透光性樹脂膜に形成された凹部の底部まで確実に突き当てることが可能となるので、光素子と光ファイバとの距離を短くすることができ、光結合損失を低減することが可能となる。
【0020】
前記透光性樹脂膜の凹部以外の部分の膜厚を利用して、前記マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが好ましい。かかる構成によれば、インピーダンスの変動を低減することが可能となる。
【0021】
前記基板を導体として前記マイクロストリップラインの一方の配線を兼ねていることが好ましい。かかる構成によれば、基板自体を接地板として用いることができるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0022】
前記透光性樹脂膜がポリイミド膜であり、前記光素子が面発光レーザであることが好ましい。かかる構成によれば、ポリイミド膜を用いるので、光透過性が良好であり、また、面発光レーザを用いることで、小型化が可能となるので、光損失の少ないコンパクトな光通信モジュールの提供が可能となる。
【0023】
本発明の光通信装置は、上記光通信モジュールを含むことを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、上記のような光通信モジュールを用いているので、安価で精度の高い光通信装置を提供することが可能となる。
【0025】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の片面に、前記貫通孔に対応する位置に孔径が前記貫通孔の孔径と同径又は前記貫通孔の孔径より小径の凹部を有し、該基板の面に密着する型を、該凹部の開口側が前記貫通孔に向くように配置する工程と、前記基板の貫通孔及び前記型内に補助剤を充填し、その後に該補助剤を硬化させ、先端に前記型の凹部形状が転写されて前記基板の片面から突出する突出部を有する支持部材を形成する工程と、前記型を取除き、前記支持部材の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂を成膜し、前記支持部材の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記支持部材を取除く工程と、を含むことを特徴としている。
【0026】
かかる構成によれば、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、補助剤を硬化させて形成した支持部材により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。したがって、透光性樹脂膜上の貫通孔に対応する位置に光素子を備え、光透過部が薄膜部又は貫通孔である光通信モジュールを簡易な工程で形成し得る。また、支持部材に、硬化性樹脂を使用することで、設計の自由度が向上する。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0027】
本発明の更なる他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、先端に前記貫通孔の孔径より小さい径の突出部を有する冶具を挿入する工程と、前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記冶具を取除く工程と、を含むことを特徴としている。
【0028】
かかる構成によれば、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、先端に突出部を有する冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。したがって、透光性樹脂膜上の貫通孔に対応する位置に光素子を備え、光透過部が薄膜部又は貫通孔である光通信モジュールを簡易な工程で形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返し利用でき、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0029】
本発明の更なる他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、前記貫通孔の長さよりも長い冶具を少なくとも基板の一面から冶具の先端が突出するように挿入する工程と、前記基板の一面側に前記冶具の突出部を覆って透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記冶具を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0030】
かかる構成によれば、凹部を有する透光性樹脂膜を簡易な工程で形成し得るので、光透過部が薄膜となっている透光性樹脂膜を備えた光通信モジュールを容易に形成し得る。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返し利用でき、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。また、貫通孔と同径の凹部を形成することで、光ファイバを直接透光性樹脂膜に突き当てることが可能となり、光ファイバと透光性樹脂膜を直接コンタクトさせることが可能な光通信モジュールを提供し得る。
【0031】
前記貫通孔に冶具を挿入する工程において、前記冶具の挿入後に、さらに、前記冶具を硬化性樹脂にて固定することが好ましい。冶具を基板に固定することで、冶具のずれによる透光性樹脂膜の破損等を防止することが可能となる。
【0032】
前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、別途の工程にて形成された少なくとも一方の面に配線膜が形成され、前記貫通孔と対向する面側に前記支持部材又は前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記支持部材又は前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に取付ける工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0033】
前記支持部材又は前記冶具を取除く工程の前又は後に、さらに、前記基板を切断して小片化する工程を含むことが好ましい。一の基板上で、光通信モジュールの組立工程の殆どを一括バッチ処理した後、小片化することで、一度に大量のモジュールを製造することが可能である。また、基板を切断した後、冶具を除去する場合には、基板切断時の水・油等による貫通孔の汚染を防止する工程を別途設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減せしめることが可能となる。また、冶具を除去する工程の後に基板を切断する場合には、冶具を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、また、冶具の再利用が可能となり、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0034】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する複数の基板を、前記貫通孔に挿入時に該貫通孔から突出する、前記貫通孔の孔径と同径又前記貫通孔の孔径より小径の突出部を有する複数の凸部を載置板上に備えた冶具に、前記貫通孔が前記凸部に嵌るように取付ける工程と、前記複数の基板間の隙間を樹脂で埋めて、各基板を固定する工程と、前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に、透光性樹脂を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続するように光素子を実装する工程と、前記基板から冶具を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0035】
かかる構成によれば、凹部を有する透光性樹脂膜を簡易な工程で形成し得るので、光透過部が薄膜となっている透光性樹脂膜を備えた光通信モジュールを容易に形成し得る。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、先端に突起部を有する複数の凸部を備えた冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返しの利用が可能となるので、製造コストを低減することが可能となる。複数の凸部を有する冶具の、各凸部ごとに貫通孔を有する基板を装着し、後で各基板を取り外すことが可能であるので、冶具(載置板)を切断する必要がなく、繰り返し用いることができるので、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0036】
前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、少なくとも一方の面に配線膜が形成され、貫通孔と対向する面側に前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に取付ける工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0037】
前記冶具に前記基板を取付ける工程の後に、基板間の隙間に樹脂を充填し、各基板を固定する工程を含み、かつ、前記光素子を実装する工程の後に、前記透光性樹脂膜を前記樹脂を充填した前記基板間の隙間に対応する位置で切断する工程とを含むことが好ましい。かかる構成によれば、高信頼性、高性能の光通信モジュールを一括して大量に製造することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る光通信モジュールは、貫通孔2を有する基板1、貫通孔2の中心軸上に薄膜部を有する透光性樹脂膜6、及び光素子3を含む。
【0039】
基板1には、光ファイバ(図2から図4の11参照)が挿脱可能な貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、光ファイバを固定し得る形状であればよく、光ファイバを挿入した際に、光ファイバとの間に実質的な隙間が生じない形状であることが好ましい。なお、光ファイバにフェルールが接続されている場合には(図5の14参照)、フェルールを固定し得る形状であって、フェルールの挿入時に間隙が生じない形状とされることが好ましい。基板1としては、例えば、ステンレス、アルミニウム又は銅等の導電性材料(導電体)、或いは樹脂又はセラミックス等の非導電性材料を用いることができる。基板1上に、高速駆動に対応可能なマイクロストリップラインを形成する場合、基板1を導電体とすると、基板1をグラウンド電位として用いることができ、別途グラウンド電位に用いる層を設けなくてもよいので、製造工程を簡略化できる。
【0040】
基板1の片面には、基板1の貫通孔2に対向するように開口側が向けられた凹部10を有する透光性樹脂膜6が、貫通孔全体を覆うように密着して形成されている。凹部10の幅(孔径)は、透光性樹脂膜6に入射する光の幅より広いことが好ましい。すなわち、入射光が透過する部位が、薄膜部9(凹部10の底部に該当)となることで、透光性樹脂膜による光吸収を低減し得る。凹部10の孔径は、貫通孔2の孔径と同じであることが好ましい。凹部の孔径10が同じであれば、光ファイバ11の先端を凹部10の底部(薄膜部9)に突き当てることが可能となり、直接コンタクトすることが可能となる。なお、凹部10の孔径は、光ファイバ11の径よりも狭い幅であってもよい。
【0041】
凹部10の形状は、特に限定するものではないが、光ファイバと光素子3との間の光の授受に際し、膜の表面上での光の散乱を抑制し、光の伝達損失を低減し得るという観点から、凹部10の底面が略平坦であることが好ましい。なお、凹部10の形状は、光ファイバ又はフェルールが装着された光ファイバなどの挿入物が凹部内に嵌入される場合には、挿入物の嵌入部分の形状と同じ形状を有していてもよい。例えば、光ファイバを挿入する場合において、光ファイバの先端形状が平坦である場合には、凹部は断面矩形状であってもよく、また、光ファイバの先端が凸レンズ状になっている場合は、凹部は凸レンズの形状に合致する断面半円状であってもよい。これによれば、光ファイバの先端部(嵌入部)と透光性樹脂膜の凹部の形状が合致するので、光ファイバとの間の空気層をなくすことが可能となり、反射光によるリターンロス等の不具合を解消し得る。
【0042】
透光性樹脂膜6は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等の光を透過する樹脂から形成することができる。このような中でも、光透過性が良好であり、可撓性を有し、取扱いが容易という観点からは、ポリイミド膜が好ましい。
【0043】
透光性樹脂膜6上には、銅等の金属の導電体を用いた配線膜7が形成されている。この配線膜7上に、VCSEL等の発光素子又はPD等の受光素子といった光素子3が、発光部又は受光部4が貫通孔2に対向するように、例えばフリップチップボンディングにより接続形成されている。光素子3として、発光素子を用いる場合、VCSEL等の面発光レーザを用いると、光素子3の小型化が可能となり、光損失の少ないコンパクトな光通信モジュールの提供が可能となる。本実施形態では、光素子3及び光ファイバが、貫通孔を基準に位置決めされて搭載される。したがって、光ファイバを貫通孔に挿入した際に、従来の缶パッケージを用いた場合に比べて、位置精度の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0044】
光素子3は、透光性樹脂膜6及び配線膜7を介して、貫通孔2上に設けられており、光素子3と配線膜7との接続部であるバンプ5が、貫通孔2上に位置するように設置されている。光素子3は、全体が封止材8により封止されている。なお、必要に応じて、光素子3と透光性樹脂膜6との間にアンダーフィル剤(図示せず)が充填されていてもよい。
【0045】
なお、透光性樹脂膜6と基板1との間に、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属から構成される導電体層が形成されていてもよく、この導電体層をグラウンド電位として、配線膜7とともに、透光性樹脂膜6の両面にマイクロストリップラインが形成されていてもよい。また、基板1が導電体である場合には、基板1をグラウンド電位として、マイクロストリップラインが形成されていてもよい。マイクロストリップラインが形成されていることにより、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となる。
【0046】
透光性樹脂膜の両面にマイクロストリップラインを形成する場合、マイクロストリップラインが形成される、凹部以外の部分の膜厚を利用して、マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが可能である。
【0047】
具体的には、例えば、光素子3の入力インピーダンスが例えば50Ωである場合、マイクロストリップラインの特性インピーダンスも光素子3の入力インピーダンスと同様の50Ωに揃えることが好ましい。マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0(Ω)は、伝送路の線幅をB(mm)、線厚みをC(mm)、伝送路とグラウンドとの間隔をH(mm)、誘電体層として機能する透光性樹脂膜6の比誘電率εrとすると、次式により求められる。
【0048】
Z0=(87/(εr+1.41)1/2)×ln(5.98H/(0.8B+C))
透光性樹脂膜6としてポリイミド(比誘電率は3.4)を用いた場合、上記式より、例えば、H=0.05、B=0.09、C=0.012のときに、マイクロストリップラインのインピーダンスは約50Ωとなる。したがって、この寸法により、光素子3の入力インピーダンスと整合のとれたマイクロストリップラインを構成し得る。
【0049】
また、本実施形態においては、光ファイバを挿入するための貫通孔2は、一つであるが、複数の貫通孔を有していてもよい。貫通孔を複数有することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0050】
また、本実施形態では、凹部10は、開口側が基板1の貫通孔2に対向するように形成されているが、これに限らず、開口側が光素子3側を向くように凹部10が形成されていてもよい。また、透光性樹脂膜6の両面に凹部10が形成されていてもよい。
【0051】
以上の構成によれば、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されており、光透過部が薄膜部(凹部の底部)となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。また、光素子とファイバとの距離を短くし得るので、光結合損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜にマイクロストリップラインを形成することで、透光性樹脂膜の厚みで特性インピーダンスのマッチングが可能となり、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となる。また、基板の一方の面に、貫通孔を覆う透光性樹脂膜が形成され、この透光性樹脂膜上に光素子が封止材により封止されているため、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となるので、信頼性の高い光通信モジュールが得られる。さらに、光素子を透光性樹脂膜上に形成するため、光ファイバを挿入するための貫通孔の径が大きい場合にも、貫通孔の径に合わせて光素子を大型化する必要がなく、小型の光素子を搭載できるため、光通信モジュールの低コスト化を図ることが可能となる。また、光素子を透光性樹脂膜に位置調整して載置した後に、封止材で固定するため、精度のよい光通信モジュールを提供し得る。
【0052】
このような光通信モジュールは、光通信装置に用いられてもよい。
【0053】
図2は、本実施形態に係る光通信モジュールに光ファイバを挿着した態様を示す図である。また、図3〜図5は、本実施形態に係る光通信モジュールに光ファイバを挿着し、外部回路と接続した際の光通信装置の種々の態様を示す。なお、図2〜図5において、図1で説明した符号については、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
図2に示すように、本実施形態の光通信モジュールでは、光ファイバ11の光透過部に対応する部位に薄膜部9が設けられている。光ファイバ11は、基板1に設けられた貫通孔2の開口側から、透光性樹脂膜6に設けられた凹部に突き当たるまで挿入される。光ファイバ11のコア11bは、透光性樹脂膜6に設けられた薄膜部9(凹部10の底部)を介して光素子3と光結合する。したがって、光透過部が薄膜となっているので、透光性樹脂膜6による光の吸収を低減することが可能となる。また、光素子の発光部又は受光部と光ファイバの距離を短くできるので、光結合損失を低減し得る。また、透光性樹脂膜6に光ファイバの先端が突き当たることで、光ファイバと透光性樹脂膜6との間に空気層が介在することなく、直接コンタクトし得るので、光の乱反射等による損失を防止し得る。
【0055】
光素子3は、接続部としての例えばはんだバンプ5を介して透光性樹脂膜6上の配線膜7と接続されている。配線膜7は、外部基板12に設けられた外部回路に、例えば金属ピン、ボンディングワイヤ等の接続端子13により接続されている。光素子3は、外部基板12により設けられたこの外部回路により、駆動が制御される。
【0056】
図3及び図4は、本実施形態の光通信モジュールと、光ファイバ11と、外部基板12とを含む光通信装置を説明するための図である。
【0057】
光ファイバ11は、基板1に設けられた貫通孔2に挿入され、透光性樹脂膜の薄膜部9を介して光素子3と光結合する。具体的には、例えば、光素子3が受光素子である場合、光ファイバ11のコア部11(b)から出射されたビーム20は、透光性樹脂膜の薄膜部9を透過して、受光素子3aの受光部4aに至ることになる。光ファイバ11の先端は、図3に示したように、レンズ状になっていてもよい。また、図4に示すように、凹部10の形状は、光ファイバ11の先端の形状と合致する半円状であってもよい。
【0058】
図5は、基板1の貫通孔2にフェルール14を装着した光ファイバ11を挿入した例を示す。このように、基板1に形成する貫通孔2の大きさをフェルール径に合わせて形成した場合においても、透光性樹脂膜6を有するので、貫通孔2より小さい光素子3を設置することが可能である。したがって、光素子3を小型化することが可能となり、光通信装置の低コスト化が図れる。
【0059】
図6(a)〜同(h)は、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための図である。以下に、同図を参照しつつ、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法について説明する。
【0060】
まず、光ファイバを挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。貫通孔2は、光ファイバ又は光ファイバに接続されたフェルールを挿入した際に、実質的に空隙が生じないサイズであることが光素子と光ファイバとの位置調整の観点から好ましい。基板101としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電性材料を用いることが好ましい。高速駆動に対応するためには、基板上にマイクロストリップラインを形成することが好ましく、基板101に導電体を用いた場合には、基板101をグラウンド(接地)電位として用いることが可能となるからである。なお、基板101には、樹脂、又はセラミックス等の非導電性の部材を用いることもできる。この場合には、基板101の表面に導電体層を形成することにより、この導電体相をグラウンド電位とすることができる。
【0061】
貫通孔2に対応する位置に設けられた複数の凹部を有する型125を、型125の凹部が貫通孔2に対向する向きに配置する(同図(b))。型125は、特に限定されないが、例えば金属製の型が用いられる。型125の凹部は、貫通孔2よりも径が小さく、後に形成する支持部材126に突出部(突起部)の形状を転写するための型となる。
【0062】
貫通孔2及び型125の凹部内に、貫通孔2及び型125を埋める補助剤を充填する(同図(c))。ここで、補助剤としては、充填後、後に形成する透光性樹脂膜128上に光素子を載置する際に、透光性樹脂膜128が破損しないように、透光性樹脂膜128を支持し得るようなものであればよい。このような補助剤としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができ、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を貫通孔2内に充填した後、加熱硬化させ、支持部材126を形成する。また、この際、同時に、基板101の型125が設置されているのと反対側の面に、硬化性樹脂を用いて膜127を形成する。なお、基板101上に設ける膜127は、支持部材126と同一の硬化性樹脂を用いて形成されていてもよく、また、異なる硬化性樹脂を用いてもよい。支持部材126と膜127は、同時に形成されてもよく、また、別工程によってもよい。貫通孔2に充填した補助剤を取り除くのが容易という観点からは、膜127は、同一材料で一体的に形成されていることが好ましい。
【0063】
次に、型125を、基板101上から取り除く(同図(d))。
【0064】
型125が取除かれ、支持部材126と膜127が一体となった補助具129の突起部が露出している基板101の面側に、透光性樹脂を被覆することで、凹部を有する透光性樹脂膜128を形成する。次に、透光性樹脂膜128上に、例えば銅等の導電体膜をスパッタ又は銅箔の貼り付け等により一面に形成し、配線膜7を形成する(同図(e))。その後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によりパターニングを行い、配線パターンを形成してもよい。
【0065】
透光性樹脂膜128の厚みは、支持部材126の突起部の高さよりも厚く形成する。
【0066】
透光性樹脂膜128の材料としては、光を透過させる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等を用いることができる。ポリイミドを用いる場合には、例えば、所定のモノマーを所定の厚さに塗布し、加熱重合させて硬化させることにより形成することができる。なお、透光性樹脂膜128を形成する前に、必要に応じて、基板101表面を研磨等により平坦化処理してもよい。
【0067】
配線膜7は、マイクロストリップラインとすることが好ましい。例えば、基板101として、ステンレス等の導電体を用いた場合には、基板101を基準電位(グランド電位)としたマイクロストリップラインの形成が可能となる。マイクロストリップラインを利用することで、インピーダンス整合を図ることができ、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となるので、高周波での伝送路を確保し得る。なお、基板101と透光性樹脂膜128との間に、導電体層を設け、この導電体層をグラウンド電位とするマイクロストリップラインを形成してもよい。
【0068】
次に、配線膜7を形成した基板101上に、光素子3を実装する(同図(f))。例えば、光素子3としての垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を、基板101上の配線膜7に接続するように例えばフリップチップボンディングにより接合する。なお、同図(f)では、光素子3には、接続部としてのはんだバンプ5によるバンプ処理がなされている。
【0069】
上記工程(e)及び(f)で、配線膜7を形成し、光素子3を実装する際のアラインメント調整は、基板101に設けた貫通孔2を基準として行う。貫通孔2を基準にすることで、光素子3と貫通孔2により位置調整され、固定される光ファイバとの光軸調整も容易に行うことが可能となる。また、光素子3として、VCSEL等の発光素子を用いる場合には、必要に応じて、発光素子を駆動するための駆動回路(例:レーザドライバ)を同時に搭載してもよい。本実施形態においては、上記のように、貫通孔2に補助剤を充填しているため、透光性樹脂膜128が固定されるので、光素子3を実装する際に、樹脂膜が変形したり、破損したりするのを防ぐことができ、透光性樹脂膜128を介して、貫通孔2上に光素子3を確実に載置することが可能となる。
【0070】
さらに、上記のように実装された光素子3と透光性樹脂膜128との間に、透明なアンダーフィル剤(図示せず)を浸透させ、硬化させてもよい。その後、光素子3全体を例えばエポキシ樹脂等の封止材8にて封止する。なお、アンダーフィル剤は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜128の界面での反射を防止し得るという観点からは、透光性樹脂膜128とほぼ等しい屈折率の材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、透光性樹脂膜128としてポリイミドを用いた場合には、アンダーフィル剤としては、ポリイミドに屈折率が近い、透光性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0071】
このように光素子3を封止した基板101を、例えばダイサー等により縦横に切断して小片にする(同図(g))。
【0072】
小片にした各基板101から、支持部材126aと膜127aが一体となった補助具129aを除去する(同図(h))。
【0073】
なお、本実施形態においては、切断時に生じるゴミ、油等による汚染を防止し得るという観点から、基板101の切断後に、補助具129aを取り除いているが、他の汚染防止措置を採る場合には、基板101の切断前に支持部材126及び膜127が一体となった補助具129を取り除いてもよい。補助具129を除去する工程の後に基板を切断する場合には、補助具129を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、また、補助具129の再利用が可能となり、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0074】
また、上記例においては、発光素子としてVCSELを用いたが、端面発光レーザ等を用いてもよい。さらに、発光素子の代わりにフォトダイオード等の受光素子を実装してもよく、この場合には、受信モジュールが得られる。
【0075】
また、上記(e)工程においては、透光性樹脂膜128を、透光性樹脂を被覆することにより形成したが、被覆する代わりに、予め支持部材の突出部に嵌合し得る凹部を形成した、例えばポリイミドフィルム等のフィルムを透光性樹脂膜として貼り付けてもよい。なお、このような凹部は、例えば、凸部を形成した金型を加熱してフィルムに押しあてる、又は、フィルムに保護膜(マスク)を形成し、エッチングにより樹脂を適量取除くなどの方法により形成することができる。さらに、予め、両面にマイクロストリップラインが形成され、貫通孔と対向する位置に凹部が形成されたポリイミドフィルム等のフレキシブル基板(FPC:flexible printed circuits)を用いると、さらに工程を簡略化し得るので好ましい。
【0076】
また、上記(g)工程においては、一つの基板に一つの貫通孔2を備えるように小片化を行ったが、一つの基板が複数の貫通孔2を備えるように切断してもよい。貫通孔2を複数有する基板を形成することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0077】
また、金型125の凹部125aの孔径を貫通孔2の孔径と略同径にすることで、図10(a)に示すような、基端側と先端側が同径である支持部材126aを形成し得る。かかる支持部材126aによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0078】
以上の構成によれば、突起部を有する支持部材を用いることにより、透光性樹脂膜128(又は6)を形成する工程で、透光性樹脂を成膜すると同時に透光性樹脂膜(又は6)に凹部を形成することができる。また、貫通孔2に、補助剤を充填して透光性樹脂膜128(又は6)を固定するので、貫通孔2上に貫通孔2の孔径よりも小さな光素子を載置することができ、安価な光通信モジュールの提供が可能となる。また、光素子3を載置する際、透光性樹脂膜128(又は6)を裏面から支えることが可能となるので、薄い透光性樹脂膜128(又は6)を用いた場合でも、透光性樹脂膜128(又は6)の歪みや破損を防止することが可能となる。したがって、光素子3と光ファイバ間の距離を減少させることが可能となり、また、透光性樹脂膜128(又は6)による光吸収の損失を減少させることが可能となるので、歩留まりのよい光通信モジュールを提供することが可能となる。さらに、一度に大量の光通信モジュールを形成することができるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0079】
図7(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための図を示す。図6に記載の製造方法では、基板101に、型125を設置し、基板101に設けられた貫通孔2と型125に補助剤を充填し、支持部材126を形成することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜128の支えとしている。これに対し、図6に記載の製造方法では、貫通孔2に補助剤を充填する代わりに、所定の冶具135を挿入することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜128の支えとする点で異なる。
【0080】
以下、図7を参照しつつ、各工程について説明する。なお、同図中、図6と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
まず、光ファイバを挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。
【0082】
貫通孔2に、先端に突出部を有する冶具135を挿入する(同図(b))。冶具135は、後の工程で取除くことが容易となるので、貫通孔102の長さよりも長いものを用いることが好ましい。冶具135は、冶具135の突出部側の面が、突出部以外の部分が基板101の片面と同一平面に位置するように、基板101に挿入する。冶具135の素材は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜128上に光素子3を載置した後に除去するので、基板101から容易に引き抜くことができ、また、透光性樹脂膜128から容易に剥離し易いものが好ましく、例えば金属製が好ましい。
【0083】
図7(c)工程では、貫通孔2から突出した冶具135の先端を、上記補助剤として用いられるのと同様の硬化性樹脂で固定して突出部の側面又は全体を覆う膜127を形成する。なお、膜127は、冶具135の突出した先端と同じか、それ以上の厚さに形成されていることが好ましい。基板101から冶具135の先端が突出した状態にあると、基板101に負荷がかかった時に、冶具135が透光性樹脂膜128を突き抜けてしまう恐れがあるからである。
【0084】
図7の(d)〜(g)工程については、図6の(e)〜(h)と同様の工程で行うことができる。
【0085】
なお、先端に突出部を有する冶具135を用いる代わりに、図10(b)に示すような、基端側と先端側が同径である冶具135aを用いてもよい。かかる冶具135aによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0086】
以上の構成によれば、図6に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、透光性樹脂膜128を支持する部材として、冶具135を用いているので、繰り返し冶具135を利用することができ、光通信モジュールの低コスト化が図れる。
【0087】
図8(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を示す。
【0088】
同図(a)に記載するような、載置板上に規則的に縦横に整列され、先端に突出部を備えた例えば円筒状の凸部140aが複数形成された構造を有する冶具140を準備する。冶具140の各凸部140aに、貫通孔を有する基板1を、各々嵌め込む(同図(b))。
【0089】
冶具140上の各基板1の間隙を、硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)142で埋め、加熱硬化させて基板ごと固定化した後、硬化した樹脂142が基板1と面一になるように、表面を研磨する(同図(c))。
【0090】
その後、図6の(d)〜(e)工程と同様に、配線膜7が形成された透光性樹脂膜128上に、光素子3を実装して、封止材8により封止する(図8(d)〜同(e))。
【0091】
硬化性樹脂142を充填した各基板1間の間隙に対応する位置で、透光性樹脂膜128を切断し(同図(f))、完成した光通信モジュールを冶具140から外す(同図(g))。
【0092】
なお、先端に突出部を有する冶具140を用いる代わりに、図10(c)に示すような、基端側と先端側が同径である凸部140bを備えた冶具140を用いてもよい。かかる冶具140bによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0093】
上記製造方法によると、図6に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、冶具140の載置板を切断することなく、繰り返し利用することができ、簡略な工程で大量に光通信モジュールを製造し得るので、製造コストを削減することが可能となる。
(第2の実施形態)
図9に、第2の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を示す。
【0094】
図9に記載の製造方法では、透光性樹脂膜128(又は6)の光透過部が貫通孔となる光通信モジュールを製造し得る。本製造方法では、形成する透光性樹脂膜128(又は6)の膜厚を、冶具131の先端に設けられた突起部の高さと同一にするか、或いは、透光性樹脂膜128の膜厚を突起部よりも薄く形成する以外は、図7に記載の製造方法と同様の方法で行うことができる。なお、冶具131は、突出部の長さを、凹部形成の時に使用する冶具135よりも長くしてあることが好ましい。
【0095】
なお、貫通孔を形成する場合には、光が透過する部位が貫通孔となるので、透光性樹脂膜の代わりに光が透過しない膜を用いてもよい。
【0096】
以上の構成によれば、簡易な工程で、光透過部が貫通孔となる光通信モジュールを一括して大量に製造し得るので、製造コストを削減することが可能となる。
【0097】
また、図6又は図8に記載の方法においても、同様に、透光性樹脂膜128の膜厚を冶具131の突出部の高さ以下とすることで、光透過部が貫通孔となる透光性樹脂膜128を備えた光通信モジュールを製造することが可能である。
【0098】
また、図10(d)に示したように、冶具の突出部以外の本体部分も貫通孔2から突出させて、その上に透光性樹脂膜を形成することで、透光性樹脂膜に段差を有する凹部を形成してもよい。
【0099】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの貫通孔に、光ファイバを挿入した態様を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図4】図4は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図5】図5は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための工程図である。
【図8】図8は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための工程図である。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。
【図10】図10は、補助具又は冶具の種々の態様を示す図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・貫通孔、3・・・光素子、4・・・発光部又は受光部、5・・・接続部(バンプ)、6・・・透光性樹脂膜、7・・・配線膜、8・・・封止材、9・・・薄膜部、10・・・凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光送信機、光受信機、及び光トランシーバ等の光通信モジュール及びその製造方法に関し、特に、高性能で、小型で安価な光通信モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいては、電気信号を光信号に変換する発光素子と光信号を電気信号に変換する受光素子相互間を光ファイバで接続する構成が基本となる。このような発光素子や受光素子などの光素子と光ファイバを着脱あるいは挿脱可能とするために、光素子と光ファィバとを光学的に接続するための光通信モジュール(コネクタ)が利用されている。
【0003】
従来の光送信モジュールの多くは、発光素子が缶パッケージによりパッケージングされた構造を有する。缶パッケージは、一般に、金属端子(ピン)を介して、発光素子を駆動するための信号を送信する外部回路に接続され、外部回路が形成されたプリント基板上に固定されている。発光素子と光ファイバは、例えばボールレンズ等を介して光結合される。このような方式では、発光素子から出射された光は、ボールレンズを介してモジュールのスリーブ部により位置決めされた光ファイバに入射される。
【0004】
しかし、この従来の方式では、缶パッケージを使用しているため、金属ピンを介して外部回路に接続されることになり、小型化に限界があった。また、部品点数が多く、製造工程が多い上に、各部品のアラインメント調整に時間がかかるため、製造コストが高くなる傾向にあった。
【0005】
このような課題を解決するために、種々の方法が検討されている。
【0006】
例えば、特許文献1(特開2000−349307号公報)には、光ファイバを挿入する貫通穴を有し、光素子又は外部回路との電気的接続を容易にするための導電層が形成されたプラットフォームと光素子を備えた光通信モジュールが開示されている。このプラットフォームによれば、缶パッケージを用いず、また、貫通穴により光素子に対する光ファイバの位置決めがなされるので、小型化が可能となる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−349307号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光通信モジュールでは、光ファイバを挿入する貫通穴上に光素子を搭載するためには、貫通穴の周囲に光素子を接続固定するためのバンプを形成する必要がある。したがって、貫通穴よりも大きな光素子が必要となり、光素子が大型化し、製造コストが高くなる。また、光ファイバの先端には、通常、ファイバを保持し、アラインメントを取るためのフェルールが接続される。したがって、フェルールの径に合わせて貫通穴の穴径も広がるため、穴径が光素子よりも大きくなり、光素子の搭載が不可能となる場合があった。
【0008】
このような光通信モジュールは、消耗品であるため、より一層の低コスト化が望まれる。
【0009】
また、この光通信モジュールの構成では、インピーダンス整合された伝送路を組むことが困難であるため、高周波域での駆動に限界があり、高速駆動に対応した光通信モジュールの開発が望まれる。
【0010】
よって、本発明は、高性能で、安価な小型光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、さらに光通信の高速化に対応し得る光通信モジュールを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、高性能で、安価な小型光通信モジュールを簡易に大量に製造し得る製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の少なくとも一面に配置される配線膜と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、を含むことを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されているため、光透過部が薄膜となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。
【0015】
本発明の光通信モジュールは、光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、前記透光性樹脂膜の両面に形成されるマイクロストリップラインと、前記マイクロストリップラインに接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、を含むことを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、安価な光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防止することが可能となる。さらに、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されているため、光透過部が薄膜となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜の両面にマイクロストリップラインが形成されているため、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となり、光素子の高速駆動に適した光通信モジュールの提供が可能となる。
【0017】
また、本発明の光通信モジュールは、必要に応じて光素子が封止材により封止されていてもよい。かかる構成により、光素子の密閉性が保たれ、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、本発明では、透光性樹脂膜を介して、光素子が貫通孔上に設置されるので、透光性樹脂膜上で光素子を封止することが可能となり、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となる。したがって、光ファイバの挿脱時においても、光素子を外気や湿気から保護することが可能となり、より信頼性の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0018】
前記光素子と前記透光性樹脂膜との接続部が、前記貫通孔上に位置していることが好ましい。貫通孔上に透光性樹脂膜が形成されているので、貫通孔の孔径よりも小さな光素子を搭載することが可能となり、製品のコストを低減し得る。
【0019】
前記薄く形成された部分は前記透光性樹脂膜に形成された凹部であり、該凹部の孔径が前記貫通孔の孔径に対応していることが好ましい。かかる構成により、さらに、貫通孔に挿入した光ファイバ又は、フェルール等が装着された光ファイバを透光性樹脂膜に形成された凹部の底部まで確実に突き当てることが可能となるので、光素子と光ファイバとの距離を短くすることができ、光結合損失を低減することが可能となる。
【0020】
前記透光性樹脂膜の凹部以外の部分の膜厚を利用して、前記マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが好ましい。かかる構成によれば、インピーダンスの変動を低減することが可能となる。
【0021】
前記基板を導体として前記マイクロストリップラインの一方の配線を兼ねていることが好ましい。かかる構成によれば、基板自体を接地板として用いることができるので、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0022】
前記透光性樹脂膜がポリイミド膜であり、前記光素子が面発光レーザであることが好ましい。かかる構成によれば、ポリイミド膜を用いるので、光透過性が良好であり、また、面発光レーザを用いることで、小型化が可能となるので、光損失の少ないコンパクトな光通信モジュールの提供が可能となる。
【0023】
本発明の光通信装置は、上記光通信モジュールを含むことを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、上記のような光通信モジュールを用いているので、安価で精度の高い光通信装置を提供することが可能となる。
【0025】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の片面に、前記貫通孔に対応する位置に孔径が前記貫通孔の孔径と同径又は前記貫通孔の孔径より小径の凹部を有し、該基板の面に密着する型を、該凹部の開口側が前記貫通孔に向くように配置する工程と、前記基板の貫通孔及び前記型内に補助剤を充填し、その後に該補助剤を硬化させ、先端に前記型の凹部形状が転写されて前記基板の片面から突出する突出部を有する支持部材を形成する工程と、前記型を取除き、前記支持部材の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂を成膜し、前記支持部材の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記支持部材を取除く工程と、を含むことを特徴としている。
【0026】
かかる構成によれば、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、補助剤を硬化させて形成した支持部材により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。したがって、透光性樹脂膜上の貫通孔に対応する位置に光素子を備え、光透過部が薄膜部又は貫通孔である光通信モジュールを簡易な工程で形成し得る。また、支持部材に、硬化性樹脂を使用することで、設計の自由度が向上する。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0027】
本発明の更なる他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、先端に前記貫通孔の孔径より小さい径の突出部を有する冶具を挿入する工程と、前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記冶具を取除く工程と、を含むことを特徴としている。
【0028】
かかる構成によれば、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、先端に突出部を有する冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。したがって、透光性樹脂膜上の貫通孔に対応する位置に光素子を備え、光透過部が薄膜部又は貫通孔である光通信モジュールを簡易な工程で形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返し利用でき、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0029】
本発明の更なる他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、前記貫通孔の長さよりも長い冶具を少なくとも基板の一面から冶具の先端が突出するように挿入する工程と、前記基板の一面側に前記冶具の突出部を覆って透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部を有する透光性樹脂膜を得る工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、前記基板から前記冶具を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0030】
かかる構成によれば、凹部を有する透光性樹脂膜を簡易な工程で形成し得るので、光透過部が薄膜となっている透光性樹脂膜を備えた光通信モジュールを容易に形成し得る。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返し利用でき、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。また、貫通孔と同径の凹部を形成することで、光ファイバを直接透光性樹脂膜に突き当てることが可能となり、光ファイバと透光性樹脂膜を直接コンタクトさせることが可能な光通信モジュールを提供し得る。
【0031】
前記貫通孔に冶具を挿入する工程において、前記冶具の挿入後に、さらに、前記冶具を硬化性樹脂にて固定することが好ましい。冶具を基板に固定することで、冶具のずれによる透光性樹脂膜の破損等を防止することが可能となる。
【0032】
前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、別途の工程にて形成された少なくとも一方の面に配線膜が形成され、前記貫通孔と対向する面側に前記支持部材又は前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記支持部材又は前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に取付ける工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0033】
前記支持部材又は前記冶具を取除く工程の前又は後に、さらに、前記基板を切断して小片化する工程を含むことが好ましい。一の基板上で、光通信モジュールの組立工程の殆どを一括バッチ処理した後、小片化することで、一度に大量のモジュールを製造することが可能である。また、基板を切断した後、冶具を除去する場合には、基板切断時の水・油等による貫通孔の汚染を防止する工程を別途設ける必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減せしめることが可能となる。また、冶具を除去する工程の後に基板を切断する場合には、冶具を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、また、冶具の再利用が可能となり、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0034】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、一又は複数の貫通孔を有する複数の基板を、前記貫通孔に挿入時に該貫通孔から突出する、前記貫通孔の孔径と同径又前記貫通孔の孔径より小径の突出部を有する複数の凸部を載置板上に備えた冶具に、前記貫通孔が前記凸部に嵌るように取付ける工程と、前記複数の基板間の隙間を樹脂で埋めて、各基板を固定する工程と、前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に、透光性樹脂を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を形成する工程と、前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、前記配線膜に接続するように光素子を実装する工程と、前記基板から冶具を取除く工程とを含むことを特徴としている。
【0035】
かかる構成によれば、凹部を有する透光性樹脂膜を簡易な工程で形成し得るので、光透過部が薄膜となっている透光性樹脂膜を備えた光通信モジュールを容易に形成し得る。また、貫通孔を透光性樹脂膜で覆い、透光性樹脂膜の光素子の載置面と反対側の面を、先端に突起部を有する複数の凸部を備えた冶具により支えながら、光素子を搭載するため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュールを形成し得る。また、透光性樹脂膜を光素子搭載時に支える支持部材として、一時的に充填する補助剤ではなく、予めその用途に利用するために形成された冶具を使用するため、繰り返しの利用が可能となるので、製造コストを低減することが可能となる。複数の凸部を有する冶具の、各凸部ごとに貫通孔を有する基板を装着し、後で各基板を取り外すことが可能であるので、冶具(載置板)を切断する必要がなく、繰り返し用いることができるので、製造コストを低減することが可能となる。さらに、光通信モジュールの組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを製造することが可能となる。
【0036】
前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、少なくとも一方の面に配線膜が形成され、貫通孔と対向する面側に前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に取付ける工程を含むことが好ましい。かかる構成によれば、製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
【0037】
前記冶具に前記基板を取付ける工程の後に、基板間の隙間に樹脂を充填し、各基板を固定する工程を含み、かつ、前記光素子を実装する工程の後に、前記透光性樹脂膜を前記樹脂を充填した前記基板間の隙間に対応する位置で切断する工程とを含むことが好ましい。かかる構成によれば、高信頼性、高性能の光通信モジュールを一括して大量に製造することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る光通信モジュールは、貫通孔2を有する基板1、貫通孔2の中心軸上に薄膜部を有する透光性樹脂膜6、及び光素子3を含む。
【0039】
基板1には、光ファイバ(図2から図4の11参照)が挿脱可能な貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、光ファイバを固定し得る形状であればよく、光ファイバを挿入した際に、光ファイバとの間に実質的な隙間が生じない形状であることが好ましい。なお、光ファイバにフェルールが接続されている場合には(図5の14参照)、フェルールを固定し得る形状であって、フェルールの挿入時に間隙が生じない形状とされることが好ましい。基板1としては、例えば、ステンレス、アルミニウム又は銅等の導電性材料(導電体)、或いは樹脂又はセラミックス等の非導電性材料を用いることができる。基板1上に、高速駆動に対応可能なマイクロストリップラインを形成する場合、基板1を導電体とすると、基板1をグラウンド電位として用いることができ、別途グラウンド電位に用いる層を設けなくてもよいので、製造工程を簡略化できる。
【0040】
基板1の片面には、基板1の貫通孔2に対向するように開口側が向けられた凹部10を有する透光性樹脂膜6が、貫通孔全体を覆うように密着して形成されている。凹部10の幅(孔径)は、透光性樹脂膜6に入射する光の幅より広いことが好ましい。すなわち、入射光が透過する部位が、薄膜部9(凹部10の底部に該当)となることで、透光性樹脂膜による光吸収を低減し得る。凹部10の孔径は、貫通孔2の孔径と同じであることが好ましい。凹部の孔径10が同じであれば、光ファイバ11の先端を凹部10の底部(薄膜部9)に突き当てることが可能となり、直接コンタクトすることが可能となる。なお、凹部10の孔径は、光ファイバ11の径よりも狭い幅であってもよい。
【0041】
凹部10の形状は、特に限定するものではないが、光ファイバと光素子3との間の光の授受に際し、膜の表面上での光の散乱を抑制し、光の伝達損失を低減し得るという観点から、凹部10の底面が略平坦であることが好ましい。なお、凹部10の形状は、光ファイバ又はフェルールが装着された光ファイバなどの挿入物が凹部内に嵌入される場合には、挿入物の嵌入部分の形状と同じ形状を有していてもよい。例えば、光ファイバを挿入する場合において、光ファイバの先端形状が平坦である場合には、凹部は断面矩形状であってもよく、また、光ファイバの先端が凸レンズ状になっている場合は、凹部は凸レンズの形状に合致する断面半円状であってもよい。これによれば、光ファイバの先端部(嵌入部)と透光性樹脂膜の凹部の形状が合致するので、光ファイバとの間の空気層をなくすことが可能となり、反射光によるリターンロス等の不具合を解消し得る。
【0042】
透光性樹脂膜6は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等の光を透過する樹脂から形成することができる。このような中でも、光透過性が良好であり、可撓性を有し、取扱いが容易という観点からは、ポリイミド膜が好ましい。
【0043】
透光性樹脂膜6上には、銅等の金属の導電体を用いた配線膜7が形成されている。この配線膜7上に、VCSEL等の発光素子又はPD等の受光素子といった光素子3が、発光部又は受光部4が貫通孔2に対向するように、例えばフリップチップボンディングにより接続形成されている。光素子3として、発光素子を用いる場合、VCSEL等の面発光レーザを用いると、光素子3の小型化が可能となり、光損失の少ないコンパクトな光通信モジュールの提供が可能となる。本実施形態では、光素子3及び光ファイバが、貫通孔を基準に位置決めされて搭載される。したがって、光ファイバを貫通孔に挿入した際に、従来の缶パッケージを用いた場合に比べて、位置精度の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0044】
光素子3は、透光性樹脂膜6及び配線膜7を介して、貫通孔2上に設けられており、光素子3と配線膜7との接続部であるバンプ5が、貫通孔2上に位置するように設置されている。光素子3は、全体が封止材8により封止されている。なお、必要に応じて、光素子3と透光性樹脂膜6との間にアンダーフィル剤(図示せず)が充填されていてもよい。
【0045】
なお、透光性樹脂膜6と基板1との間に、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属から構成される導電体層が形成されていてもよく、この導電体層をグラウンド電位として、配線膜7とともに、透光性樹脂膜6の両面にマイクロストリップラインが形成されていてもよい。また、基板1が導電体である場合には、基板1をグラウンド電位として、マイクロストリップラインが形成されていてもよい。マイクロストリップラインが形成されていることにより、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となる。
【0046】
透光性樹脂膜の両面にマイクロストリップラインを形成する場合、マイクロストリップラインが形成される、凹部以外の部分の膜厚を利用して、マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定することが可能である。
【0047】
具体的には、例えば、光素子3の入力インピーダンスが例えば50Ωである場合、マイクロストリップラインの特性インピーダンスも光素子3の入力インピーダンスと同様の50Ωに揃えることが好ましい。マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0(Ω)は、伝送路の線幅をB(mm)、線厚みをC(mm)、伝送路とグラウンドとの間隔をH(mm)、誘電体層として機能する透光性樹脂膜6の比誘電率εrとすると、次式により求められる。
【0048】
Z0=(87/(εr+1.41)1/2)×ln(5.98H/(0.8B+C))
透光性樹脂膜6としてポリイミド(比誘電率は3.4)を用いた場合、上記式より、例えば、H=0.05、B=0.09、C=0.012のときに、マイクロストリップラインのインピーダンスは約50Ωとなる。したがって、この寸法により、光素子3の入力インピーダンスと整合のとれたマイクロストリップラインを構成し得る。
【0049】
また、本実施形態においては、光ファイバを挿入するための貫通孔2は、一つであるが、複数の貫通孔を有していてもよい。貫通孔を複数有することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0050】
また、本実施形態では、凹部10は、開口側が基板1の貫通孔2に対向するように形成されているが、これに限らず、開口側が光素子3側を向くように凹部10が形成されていてもよい。また、透光性樹脂膜6の両面に凹部10が形成されていてもよい。
【0051】
以上の構成によれば、貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚がその他の膜厚よりも薄く形成されており、光透過部が薄膜部(凹部の底部)となるので、透光性樹脂膜の光の吸収による光信号の伝送損失を低減することが可能となる。また、光素子とファイバとの距離を短くし得るので、光結合損失を低減することが可能となる。したがって、精度の良い光通信モジュールを提供し得る。また、透光性樹脂膜にマイクロストリップラインを形成することで、透光性樹脂膜の厚みで特性インピーダンスのマッチングが可能となり、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となる。また、基板の一方の面に、貫通孔を覆う透光性樹脂膜が形成され、この透光性樹脂膜上に光素子が封止材により封止されているため、光素子を封止した状態で、光ファイバの挿脱が可能となるので、信頼性の高い光通信モジュールが得られる。さらに、光素子を透光性樹脂膜上に形成するため、光ファイバを挿入するための貫通孔の径が大きい場合にも、貫通孔の径に合わせて光素子を大型化する必要がなく、小型の光素子を搭載できるため、光通信モジュールの低コスト化を図ることが可能となる。また、光素子を透光性樹脂膜に位置調整して載置した後に、封止材で固定するため、精度のよい光通信モジュールを提供し得る。
【0052】
このような光通信モジュールは、光通信装置に用いられてもよい。
【0053】
図2は、本実施形態に係る光通信モジュールに光ファイバを挿着した態様を示す図である。また、図3〜図5は、本実施形態に係る光通信モジュールに光ファイバを挿着し、外部回路と接続した際の光通信装置の種々の態様を示す。なお、図2〜図5において、図1で説明した符号については、同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
図2に示すように、本実施形態の光通信モジュールでは、光ファイバ11の光透過部に対応する部位に薄膜部9が設けられている。光ファイバ11は、基板1に設けられた貫通孔2の開口側から、透光性樹脂膜6に設けられた凹部に突き当たるまで挿入される。光ファイバ11のコア11bは、透光性樹脂膜6に設けられた薄膜部9(凹部10の底部)を介して光素子3と光結合する。したがって、光透過部が薄膜となっているので、透光性樹脂膜6による光の吸収を低減することが可能となる。また、光素子の発光部又は受光部と光ファイバの距離を短くできるので、光結合損失を低減し得る。また、透光性樹脂膜6に光ファイバの先端が突き当たることで、光ファイバと透光性樹脂膜6との間に空気層が介在することなく、直接コンタクトし得るので、光の乱反射等による損失を防止し得る。
【0055】
光素子3は、接続部としての例えばはんだバンプ5を介して透光性樹脂膜6上の配線膜7と接続されている。配線膜7は、外部基板12に設けられた外部回路に、例えば金属ピン、ボンディングワイヤ等の接続端子13により接続されている。光素子3は、外部基板12により設けられたこの外部回路により、駆動が制御される。
【0056】
図3及び図4は、本実施形態の光通信モジュールと、光ファイバ11と、外部基板12とを含む光通信装置を説明するための図である。
【0057】
光ファイバ11は、基板1に設けられた貫通孔2に挿入され、透光性樹脂膜の薄膜部9を介して光素子3と光結合する。具体的には、例えば、光素子3が受光素子である場合、光ファイバ11のコア部11(b)から出射されたビーム20は、透光性樹脂膜の薄膜部9を透過して、受光素子3aの受光部4aに至ることになる。光ファイバ11の先端は、図3に示したように、レンズ状になっていてもよい。また、図4に示すように、凹部10の形状は、光ファイバ11の先端の形状と合致する半円状であってもよい。
【0058】
図5は、基板1の貫通孔2にフェルール14を装着した光ファイバ11を挿入した例を示す。このように、基板1に形成する貫通孔2の大きさをフェルール径に合わせて形成した場合においても、透光性樹脂膜6を有するので、貫通孔2より小さい光素子3を設置することが可能である。したがって、光素子3を小型化することが可能となり、光通信装置の低コスト化が図れる。
【0059】
図6(a)〜同(h)は、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための図である。以下に、同図を参照しつつ、本実施形態に係る光通信モジュールの製造方法について説明する。
【0060】
まず、光ファイバを挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。貫通孔2は、光ファイバ又は光ファイバに接続されたフェルールを挿入した際に、実質的に空隙が生じないサイズであることが光素子と光ファイバとの位置調整の観点から好ましい。基板101としては、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電性材料を用いることが好ましい。高速駆動に対応するためには、基板上にマイクロストリップラインを形成することが好ましく、基板101に導電体を用いた場合には、基板101をグラウンド(接地)電位として用いることが可能となるからである。なお、基板101には、樹脂、又はセラミックス等の非導電性の部材を用いることもできる。この場合には、基板101の表面に導電体層を形成することにより、この導電体相をグラウンド電位とすることができる。
【0061】
貫通孔2に対応する位置に設けられた複数の凹部を有する型125を、型125の凹部が貫通孔2に対向する向きに配置する(同図(b))。型125は、特に限定されないが、例えば金属製の型が用いられる。型125の凹部は、貫通孔2よりも径が小さく、後に形成する支持部材126に突出部(突起部)の形状を転写するための型となる。
【0062】
貫通孔2及び型125の凹部内に、貫通孔2及び型125を埋める補助剤を充填する(同図(c))。ここで、補助剤としては、充填後、後に形成する透光性樹脂膜128上に光素子を載置する際に、透光性樹脂膜128が破損しないように、透光性樹脂膜128を支持し得るようなものであればよい。このような補助剤としては、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができ、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を貫通孔2内に充填した後、加熱硬化させ、支持部材126を形成する。また、この際、同時に、基板101の型125が設置されているのと反対側の面に、硬化性樹脂を用いて膜127を形成する。なお、基板101上に設ける膜127は、支持部材126と同一の硬化性樹脂を用いて形成されていてもよく、また、異なる硬化性樹脂を用いてもよい。支持部材126と膜127は、同時に形成されてもよく、また、別工程によってもよい。貫通孔2に充填した補助剤を取り除くのが容易という観点からは、膜127は、同一材料で一体的に形成されていることが好ましい。
【0063】
次に、型125を、基板101上から取り除く(同図(d))。
【0064】
型125が取除かれ、支持部材126と膜127が一体となった補助具129の突起部が露出している基板101の面側に、透光性樹脂を被覆することで、凹部を有する透光性樹脂膜128を形成する。次に、透光性樹脂膜128上に、例えば銅等の導電体膜をスパッタ又は銅箔の貼り付け等により一面に形成し、配線膜7を形成する(同図(e))。その後、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程によりパターニングを行い、配線パターンを形成してもよい。
【0065】
透光性樹脂膜128の厚みは、支持部材126の突起部の高さよりも厚く形成する。
【0066】
透光性樹脂膜128の材料としては、光を透過させる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等を用いることができる。ポリイミドを用いる場合には、例えば、所定のモノマーを所定の厚さに塗布し、加熱重合させて硬化させることにより形成することができる。なお、透光性樹脂膜128を形成する前に、必要に応じて、基板101表面を研磨等により平坦化処理してもよい。
【0067】
配線膜7は、マイクロストリップラインとすることが好ましい。例えば、基板101として、ステンレス等の導電体を用いた場合には、基板101を基準電位(グランド電位)としたマイクロストリップラインの形成が可能となる。マイクロストリップラインを利用することで、インピーダンス整合を図ることができ、高周波域での伝送ロスを防止することが可能となるので、高周波での伝送路を確保し得る。なお、基板101と透光性樹脂膜128との間に、導電体層を設け、この導電体層をグラウンド電位とするマイクロストリップラインを形成してもよい。
【0068】
次に、配線膜7を形成した基板101上に、光素子3を実装する(同図(f))。例えば、光素子3としての垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を、基板101上の配線膜7に接続するように例えばフリップチップボンディングにより接合する。なお、同図(f)では、光素子3には、接続部としてのはんだバンプ5によるバンプ処理がなされている。
【0069】
上記工程(e)及び(f)で、配線膜7を形成し、光素子3を実装する際のアラインメント調整は、基板101に設けた貫通孔2を基準として行う。貫通孔2を基準にすることで、光素子3と貫通孔2により位置調整され、固定される光ファイバとの光軸調整も容易に行うことが可能となる。また、光素子3として、VCSEL等の発光素子を用いる場合には、必要に応じて、発光素子を駆動するための駆動回路(例:レーザドライバ)を同時に搭載してもよい。本実施形態においては、上記のように、貫通孔2に補助剤を充填しているため、透光性樹脂膜128が固定されるので、光素子3を実装する際に、樹脂膜が変形したり、破損したりするのを防ぐことができ、透光性樹脂膜128を介して、貫通孔2上に光素子3を確実に載置することが可能となる。
【0070】
さらに、上記のように実装された光素子3と透光性樹脂膜128との間に、透明なアンダーフィル剤(図示せず)を浸透させ、硬化させてもよい。その後、光素子3全体を例えばエポキシ樹脂等の封止材8にて封止する。なお、アンダーフィル剤は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜128の界面での反射を防止し得るという観点からは、透光性樹脂膜128とほぼ等しい屈折率の材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、透光性樹脂膜128としてポリイミドを用いた場合には、アンダーフィル剤としては、ポリイミドに屈折率が近い、透光性エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0071】
このように光素子3を封止した基板101を、例えばダイサー等により縦横に切断して小片にする(同図(g))。
【0072】
小片にした各基板101から、支持部材126aと膜127aが一体となった補助具129aを除去する(同図(h))。
【0073】
なお、本実施形態においては、切断時に生じるゴミ、油等による汚染を防止し得るという観点から、基板101の切断後に、補助具129aを取り除いているが、他の汚染防止措置を採る場合には、基板101の切断前に支持部材126及び膜127が一体となった補助具129を取り除いてもよい。補助具129を除去する工程の後に基板を切断する場合には、補助具129を一度に抜くことが可能となるので、製造工程の簡略化が図れ、また、補助具129の再利用が可能となり、製造コストを低減せしめることが可能となる。
【0074】
また、上記例においては、発光素子としてVCSELを用いたが、端面発光レーザ等を用いてもよい。さらに、発光素子の代わりにフォトダイオード等の受光素子を実装してもよく、この場合には、受信モジュールが得られる。
【0075】
また、上記(e)工程においては、透光性樹脂膜128を、透光性樹脂を被覆することにより形成したが、被覆する代わりに、予め支持部材の突出部に嵌合し得る凹部を形成した、例えばポリイミドフィルム等のフィルムを透光性樹脂膜として貼り付けてもよい。なお、このような凹部は、例えば、凸部を形成した金型を加熱してフィルムに押しあてる、又は、フィルムに保護膜(マスク)を形成し、エッチングにより樹脂を適量取除くなどの方法により形成することができる。さらに、予め、両面にマイクロストリップラインが形成され、貫通孔と対向する位置に凹部が形成されたポリイミドフィルム等のフレキシブル基板(FPC:flexible printed circuits)を用いると、さらに工程を簡略化し得るので好ましい。
【0076】
また、上記(g)工程においては、一つの基板に一つの貫通孔2を備えるように小片化を行ったが、一つの基板が複数の貫通孔2を備えるように切断してもよい。貫通孔2を複数有する基板を形成することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0077】
また、金型125の凹部125aの孔径を貫通孔2の孔径と略同径にすることで、図10(a)に示すような、基端側と先端側が同径である支持部材126aを形成し得る。かかる支持部材126aによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0078】
以上の構成によれば、突起部を有する支持部材を用いることにより、透光性樹脂膜128(又は6)を形成する工程で、透光性樹脂を成膜すると同時に透光性樹脂膜(又は6)に凹部を形成することができる。また、貫通孔2に、補助剤を充填して透光性樹脂膜128(又は6)を固定するので、貫通孔2上に貫通孔2の孔径よりも小さな光素子を載置することができ、安価な光通信モジュールの提供が可能となる。また、光素子3を載置する際、透光性樹脂膜128(又は6)を裏面から支えることが可能となるので、薄い透光性樹脂膜128(又は6)を用いた場合でも、透光性樹脂膜128(又は6)の歪みや破損を防止することが可能となる。したがって、光素子3と光ファイバ間の距離を減少させることが可能となり、また、透光性樹脂膜128(又は6)による光吸収の損失を減少させることが可能となるので、歩留まりのよい光通信モジュールを提供することが可能となる。さらに、一度に大量の光通信モジュールを形成することができるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0079】
図7(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための図を示す。図6に記載の製造方法では、基板101に、型125を設置し、基板101に設けられた貫通孔2と型125に補助剤を充填し、支持部材126を形成することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜128の支えとしている。これに対し、図6に記載の製造方法では、貫通孔2に補助剤を充填する代わりに、所定の冶具135を挿入することで、光素子3を搭載する際の透光性樹脂膜128の支えとする点で異なる。
【0080】
以下、図7を参照しつつ、各工程について説明する。なお、同図中、図6と実質的に同じ機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
まず、光ファイバを挿入可能な、例えば丸形状の貫通孔2を1又は複数個有する基板101を準備する(同図(a))。
【0082】
貫通孔2に、先端に突出部を有する冶具135を挿入する(同図(b))。冶具135は、後の工程で取除くことが容易となるので、貫通孔102の長さよりも長いものを用いることが好ましい。冶具135は、冶具135の突出部側の面が、突出部以外の部分が基板101の片面と同一平面に位置するように、基板101に挿入する。冶具135の素材は、特に限定するものではないが、透光性樹脂膜128上に光素子3を載置した後に除去するので、基板101から容易に引き抜くことができ、また、透光性樹脂膜128から容易に剥離し易いものが好ましく、例えば金属製が好ましい。
【0083】
図7(c)工程では、貫通孔2から突出した冶具135の先端を、上記補助剤として用いられるのと同様の硬化性樹脂で固定して突出部の側面又は全体を覆う膜127を形成する。なお、膜127は、冶具135の突出した先端と同じか、それ以上の厚さに形成されていることが好ましい。基板101から冶具135の先端が突出した状態にあると、基板101に負荷がかかった時に、冶具135が透光性樹脂膜128を突き抜けてしまう恐れがあるからである。
【0084】
図7の(d)〜(g)工程については、図6の(e)〜(h)と同様の工程で行うことができる。
【0085】
なお、先端に突出部を有する冶具135を用いる代わりに、図10(b)に示すような、基端側と先端側が同径である冶具135aを用いてもよい。かかる冶具135aによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0086】
以上の構成によれば、図6に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、透光性樹脂膜128を支持する部材として、冶具135を用いているので、繰り返し冶具135を利用することができ、光通信モジュールの低コスト化が図れる。
【0087】
図8(a)〜同(g)に、本実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を示す。
【0088】
同図(a)に記載するような、載置板上に規則的に縦横に整列され、先端に突出部を備えた例えば円筒状の凸部140aが複数形成された構造を有する冶具140を準備する。冶具140の各凸部140aに、貫通孔を有する基板1を、各々嵌め込む(同図(b))。
【0089】
冶具140上の各基板1の間隙を、硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂)142で埋め、加熱硬化させて基板ごと固定化した後、硬化した樹脂142が基板1と面一になるように、表面を研磨する(同図(c))。
【0090】
その後、図6の(d)〜(e)工程と同様に、配線膜7が形成された透光性樹脂膜128上に、光素子3を実装して、封止材8により封止する(図8(d)〜同(e))。
【0091】
硬化性樹脂142を充填した各基板1間の間隙に対応する位置で、透光性樹脂膜128を切断し(同図(f))、完成した光通信モジュールを冶具140から外す(同図(g))。
【0092】
なお、先端に突出部を有する冶具140を用いる代わりに、図10(c)に示すような、基端側と先端側が同径である凸部140bを備えた冶具140を用いてもよい。かかる冶具140bによれば、透光性樹脂膜128に貫通孔の孔径と略同径の凹部10を形成し得るので、光ファイバ等の挿入物の先端を確実に凹部10の底部に突き当てることができ、光ファイバと光素子との光結合距離を短くし得る。
【0093】
上記製造方法によると、図6に記載の製造方法と同様の効果が得られる他、冶具140の載置板を切断することなく、繰り返し利用することができ、簡略な工程で大量に光通信モジュールを製造し得るので、製造コストを削減することが可能となる。
(第2の実施形態)
図9に、第2の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を示す。
【0094】
図9に記載の製造方法では、透光性樹脂膜128(又は6)の光透過部が貫通孔となる光通信モジュールを製造し得る。本製造方法では、形成する透光性樹脂膜128(又は6)の膜厚を、冶具131の先端に設けられた突起部の高さと同一にするか、或いは、透光性樹脂膜128の膜厚を突起部よりも薄く形成する以外は、図7に記載の製造方法と同様の方法で行うことができる。なお、冶具131は、突出部の長さを、凹部形成の時に使用する冶具135よりも長くしてあることが好ましい。
【0095】
なお、貫通孔を形成する場合には、光が透過する部位が貫通孔となるので、透光性樹脂膜の代わりに光が透過しない膜を用いてもよい。
【0096】
以上の構成によれば、簡易な工程で、光透過部が貫通孔となる光通信モジュールを一括して大量に製造し得るので、製造コストを削減することが可能となる。
【0097】
また、図6又は図8に記載の方法においても、同様に、透光性樹脂膜128の膜厚を冶具131の突出部の高さ以下とすることで、光透過部が貫通孔となる透光性樹脂膜128を備えた光通信モジュールを製造することが可能である。
【0098】
また、図10(d)に示したように、冶具の突出部以外の本体部分も貫通孔2から突出させて、その上に透光性樹脂膜を形成することで、透光性樹脂膜に段差を有する凹部を形成してもよい。
【0099】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの貫通孔に、光ファイバを挿入した態様を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図4】図4は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図5】図5は、本発明の光通信装置の一態様を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための工程図である。
【図8】図8は、第1の実施形態に係る光通信モジュールの別な工程による製造方法を説明するための工程図である。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る光通信モジュールの製造方法を説明するための工程図である。
【図10】図10は、補助具又は冶具の種々の態様を示す図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・貫通孔、3・・・光素子、4・・・発光部又は受光部、5・・・接続部(バンプ)、6・・・透光性樹脂膜、7・・・配線膜、8・・・封止材、9・・・薄膜部、10・・・凹部
Claims (16)
- 光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、
前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜の少なくとも一面に配置される配線膜と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、
を含む光通信モジュール。 - 光ファイバを挿脱可能な貫通孔を有する基板と、
前記基板の片面に密着して前記貫通孔全体を覆うように配置され、前記貫通孔の中心軸上に存在する膜の膜厚をその他の膜厚よりも薄く形成した透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜の両面に形成されるマイクロストリップラインと、
前記マイクロストリップラインに接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、
を含む光通信モジュール。 - 前記薄く形成された部分は前記透光性樹脂膜に形成された凹部であり、該凹部の孔径が前記貫通孔の孔径に対応している、請求項1又は請求項2に記載の光通信モジュール。
- 前記透光性樹脂膜の凹部以外の部分の膜厚を利用して、前記マイクロストリップラインの特性インピーダンスの値を設定する、請求項2又は請求項3に記載の光通信モジュール。
- 前記基板を導体として前記マイクロストリップラインの一方の配線を兼ねるようにした、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
- 前記透光性樹脂膜がポリイミド膜であり、前記光素子が面発光レーザである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光通信モジュール。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光通信モジュールを含む、光通信装置。
- 一又は複数の貫通孔を有する基板の片面に、前記貫通孔に対応する位置に孔径が前記貫通孔の孔径と同径又は前記貫通孔の孔径より小径の凹部を有し、該基板の面に密着する型を、該凹部の開口側が前記貫通孔に向くように配置する工程と、
前記基板の貫通孔及び前記型内に補助剤を充填し、その後に該補助剤を硬化させ、先端に前記型の凹部形状が転写されて前記基板の片面から突出する突出部を有する支持部材を形成する工程と、
前記型を取除き、前記支持部材の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂を成膜し、前記支持部材の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、
前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、
前記基板から前記支持部材を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、先端に前記貫通孔の孔径より小さい径の突出部を有する冶具を挿入する工程と、
前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を得る工程と、
前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、
前記基板から前記冶具を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 一又は複数の貫通孔を有する基板の該貫通孔に、前記貫通孔の長さよりも長い冶具を少なくとも基板の一面から冶具の先端が突出するように挿入する工程と、
前記基板の一面側に前記冶具の突出部を覆って透光性樹脂膜を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部を有する透光性樹脂膜を得る工程と、
前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に位置するように光素子を実装する工程と、
前記基板から前記冶具を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 前記貫通孔に冶具を挿入する工程において、前記冶具の挿入後に、さらに、前記冶具を硬化性樹脂にて固定する、請求項9又は請求項10に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、別途の工程にて形成された少なくとも一方の面に配線膜が形成され、前記貫通孔と対向する面側に前記支持部材又は前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記支持部材又は前記冶具の突出部が露出している前記基板の面に取付ける工程を含む、請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記支持部材又は前記冶具を取除く工程の前又は後に、さらに、前記基板を切断して小片化する工程を含む、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 一又は複数の貫通孔を有する複数の基板を、前記貫通孔に挿入時に該貫通孔から突出する、前記貫通孔の孔径と同径又前記貫通孔の孔径より小径の突出部を有する複数の凸部を載置板上に備えた冶具に、前記貫通孔が前記凸部に嵌るように取付ける工程と、
前記複数の基板間の隙間を樹脂で埋めて、各基板を固定する工程と、
前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に、透光性樹脂を成膜し、前記冶具の突出部の形状が転写された凹部又は前記突出部により形成された貫通孔を有する透光性樹脂膜を形成する工程と、
前記透光性樹脂膜上に導電体により配線膜を形成する工程と、
前記配線膜に接続するように光素子を実装する工程と、
前記基板から冶具を取除く工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 前記透光性樹脂膜を得る工程及び前記配線膜を形成する工程に代えて、少なくとも一方の面に配線膜が形成され、貫通孔と対向する面側に前記冶具の突出部と嵌合し得る凹部が形成された透光性樹脂膜を前記冶具の載置板が取付けられている面と反対側の前記基板の面に取付ける工程を含む、請求項14に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記冶具に前記基板を取付ける工程の後に、基板間の隙間に樹脂を充填し、各基板を固定する工程を含み、かつ、前記光素子を実装する工程の後に、前記透光性樹脂膜を前記樹脂を充填した基板間の隙間に対応する位置で切断する工程とを含む、請求項14又は請求項15に記載の光通信モジュールの製造方法。
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