JP2004361630A - 光通信モジュール及びその製造方法、光通信装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図ることが可能な光通信モジュールを提供すること。
【解決手段】本発明の光通信モジュール1は、第1の面21と第2の面22との間に光ファイバを挿入可能な貫通孔12を有する基板片11と、基板片11の第1の面21に、貫通孔12を覆うように配置される透光性樹脂膜16と、透光性樹脂膜16上の少なくとも一面に配置される配線膜17と、配線膜17に接続され、貫通孔12上に透光性樹脂膜16を介して設置される光素子13と、透光性樹脂膜16、配線膜17及び光素子13を含んで基板片11をその第1の面21側から第2の面22側に渡って封止すると共に該第2の面22側の貫通孔12の入口を開口する封止材15と、を含む。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の光通信モジュール1は、第1の面21と第2の面22との間に光ファイバを挿入可能な貫通孔12を有する基板片11と、基板片11の第1の面21に、貫通孔12を覆うように配置される透光性樹脂膜16と、透光性樹脂膜16上の少なくとも一面に配置される配線膜17と、配線膜17に接続され、貫通孔12上に透光性樹脂膜16を介して設置される光素子13と、透光性樹脂膜16、配線膜17及び光素子13を含んで基板片11をその第1の面21側から第2の面22側に渡って封止すると共に該第2の面22側の貫通孔12の入口を開口する封止材15と、を含む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いて好適な光通信モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいては、電気信号を光信号に変換する発光素子と光信号を電気信号に変換する受光素子相互間を光ファイバで接続する構成が基本となる。このような発光素子や受光素子などの光素子と光ファイバを着脱あるいは挿脱可能とするために、光素子と光ファィバとを光学的に接続するための光通信モジュールが利用されている。このような光通信モジュールは、例えば、特許文献1(特開2000−349307号公報)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−349307号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光通信モジュールでは、光ファイバを挿入する貫通孔上に光素子を搭載するためには、貫通孔の周囲に光素子を接続固定するためのバンプを形成する必要がある。この貫通孔は、光ファイバ又は光ファイバを保持するフェルールの径に合わせた孔径となるため、光ファイバ又はフェルールの径よりも大きな光素子が必要となり、光素子が大型化する傾向にあった。したがって、コストが高くなる傾向にあり、また、光通信モジュールの更なる小型化を図ることが困難であった。
また、一般に、光ファイバが挿脱可能な光通信モジュールでは、光学的に無調整、すなわち、光信号出力によらずに機械的な位置決めのみで組立てること(いわゆるパッシブアライメント)は困難であった。したがって、製造工程が複雑化し、コストが高くなる傾向にあった。
【0004】
そこで、本発明は、光ファイバの挿脱が可能な小型光通信モジュールを安価に提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光通信モジュールは、第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な貫通孔を有する基板片と、上記基板片の第1の面に、上記貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、上記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、上記配線膜に接続され、上記貫通孔上に上記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の上記貫通孔の入口を開口する封止材と、を含むことを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子のサイズを決定し得るので、さらなる小型化を図ることが可能となる。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子とが、一の貫通孔を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、光通信モジュールを簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材により包み込んでいるため、透光性樹脂膜や光素子等が基板に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。
【0007】
本発明の他の態様に係る光通信モジュールは、第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な複数の貫通孔を有する基板片と、上記基板片の第1の面に、上記複数の貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、上記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、上記配線膜に接続され、上記複数の貫通孔上に上記透光性樹脂膜を介してそれぞれ設置される複数の光素子と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記複数の光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の上記複数の貫通孔の入口を開口する封止材と、を含むことを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子のサイズを決定し得るので、さらなる小型化を図ることが可能となる。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子とが、一の貫通孔を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、光通信モジュールを簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材により包み込んでいるため、透光性樹脂膜や光素子等が基板に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、貫通孔を複数有するので、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0009】
上記光ファイバは、フェルールが装着されていることが好ましい。
【0010】
上記封止材が、上記基板片の第2の面側で、上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を形成することが好ましい。基板と別部材でスリーブ部を形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。また、かかるスリーブ部を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0011】
さらに、一部が上記封止材によって封止されて内部で上記配線膜に接続され、他が上記封止材の外部に存在する接続端子を含むことが好ましい。これにより、外部に存在する回路(外部回路)等と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。なお、端子の配列は、シングルインラインであってもデュアルインラインであってもよい。
【0012】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0013】
上記配線膜が上記透光性樹脂膜上の両面に配置され、上記透光性樹脂膜と両配線膜とによってマイクロストリップラインが構成されていることが好ましい。これにより、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となり、光素子の高速駆動に適した光通信モジュールの提供が可能となる。
【0014】
本発明の光通信装置(光トランシーバ)は、上記光通信モジュールを含んで構成されることを特徴としている。かかる構成によれば、上記光通信モジュールを含んで構成されているので、信頼性の高い、安価な光通信装置を提供することが可能となる。また、装置の一層の小型化も図れる。なお、ここで、「光通信装置」とは、光信号の送信にかかる構成(発光素子等)と光信号の受信にかかる構成(受光素子等)の両方を含む装置のみならず、送信に係る構成のみを備える装置(いわゆる光送信モジュール)や受信に係る構成のみを備える装置(いわゆる光受信モジュール)を含む。
【0015】
本発明の電子機器は、上記光通信モジュールを備えることを特徴としている。かかる構成によれば、上記光通信モジュールを備えているので、信頼性の高い、安価な電子機器を提供することが可能となる。また、電子機器の一層の小型化も図れる。なお、本発明の電子機器は、上記光通信モジュールを含んでなる光通信装置を備えたものであってもよい。ここで、「電子機器」とは、電子回路等を用いて一定の機能を実現する機器一般をいい、その構成には特に限定はないが、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(携帯型情報端末装置)、電子手帳などの光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種機器が挙げられる。
【0016】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、第1の面と第2の面との間に一又は複数の貫通孔を有する基板片の各貫通孔内に、該貫通孔を閉じる支持部材を挿入する第1の工程と、上記基板片の第1の面に透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を少なくとも該透光性樹脂膜が上記一又は複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、上記透光性樹脂膜上の上記一又は複数の貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、各光素子を上記配線膜に接続する第3の工程と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第4の工程と、上記基板片から上記支持部材を取除く第5の工程と、を含むことを特徴としている。
【0017】
これによれば、支持部材を、貫通孔内に配置することで、光素子の載置時に、透光性樹脂膜を光素子の載置面と反対側の面を支持部材により支えることが可能となるため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することなく、歩留まりよく光通信モジュールを製造し得る。また、透光性樹脂膜を介して貫通孔上に光素子を配置しているので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、小型で安価な光通信モジュールを提供し得る。また、基板の第1の面から第2の面に渡って基板片を覆うように封止材を形成しているため、透光性樹脂膜及び光素子等を基板に強固に固定することが可能となり、繰り返し挿入される光ファイバの嵌合時の衝撃にも耐え得る、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。
【0018】
上記第2の工程において、上記積層膜が、フレキシブルプリント基板であることが好ましい。特に、当該フレキシブルプリント基板は、マイクロストリップラインを構成するものであることが好ましい。これにより、製造プロセスの簡略化が図れる。
【0019】
上記第2の工程が、上記基板の第1の面側に、上記貫通孔を覆うように、透光性樹脂膜を形成する工程と、上記透光性樹脂膜上に上記配線膜を形成する工程と、を含んでいてもよい。
【0020】
上記第4の工程において、上記封止材が上記基板片の第2の面側で上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を備えるように一体的に形成されることが好ましい。これによれば、スリーブ部を基板と別部材(封止材)により形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、安価に製造し得る。また、かかるスリーブ部を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0021】
上記第4の工程において、封止材がトランスファーモールドにより形成されていることが好ましい。これによれば、複雑な形状のものであっても容易に形成し得るので、封止材の形状の設計の幅が広がる。また、複雑な工程によらず製造し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。
【0022】
上記第3の工程の後に、さらに、一部を上記配線膜に接続し、他部を上記基板片の外側に突出させるように接続端子を配置する第6の工程を含むことが好ましい。これによれば、外部回路と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。
【0023】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0024】
本発明の他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、第1の面と第2の面との間に複数の貫通孔を有する基板の各貫通孔内に、支持部材を挿入する第1の工程と、上記基板の第1の面に、透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を、少なくとも該透光性樹脂膜が、上記複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、上記透光性樹脂膜上の上記貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、該光素子を上記配線膜に接続する第3の工程と、上記基板を、一の領域に少なくとも1の貫通孔を有するように小片化し、基板片を得る第4の工程と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片を、その第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第5の工程と、上記基板片から上記支持部材を取除く第6の工程と、を含むことを特徴としている。
【0025】
これによれば、支持部材を、貫通孔内に配置することで、光素子の載置時に、透光性樹脂膜を光素子の載置面と反対側の面を支持部材により支えることが可能となるため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することなく、歩留まりよく光通信モジュールを製造し得る。また、透光性樹脂膜を介して貫通孔上に光素子を配置しているので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、小型で安価な光通信モジュールを提供し得る。また、基板の第1の面から第2の面に渡って基板片を覆うように封止材を形成しているため、透光性樹脂膜及び光素子等を基板に強固に固定することが可能となり、繰り返し挿入される光ファイバの嵌合時の衝撃にも耐え得る、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、一の基板で光通信モジュールの組立工程の殆どを一括バッチ処理することができるので、歩留まりがよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することが可能となる。
【0026】
上記第2の工程において、上記積層膜が、フレキシブルプリント基板であることが好ましい。特に、当該フレキシブルプリント基板は、マイクロストリップラインを構成するものであることが好ましい。これにより、製造プロセスの簡略化が図れる。
【0027】
上記第2の工程が、上記基板の第1の面側に、上記貫通孔を覆うように、透光性樹脂膜を形成する工程と、上記透光性樹脂膜上に上記配線膜を形成する工程と、を含んでいてもよい。
【0028】
上記第5の工程において、上記封止材が、上記基板片の第2の面側で、上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を備えるように一体的に形成されることが好ましい。これによれば、スリーブ部を基板と別部材(封止材)により形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、安価に製造し得る。
【0029】
上記第5の工程において、封止材がトランスファーモールドにより形成されていることが好ましい。これによれば、複雑な形状のものであっても容易に形成し得るので、封止材の形状の設計の幅が広がる。また、複雑な工程によらず製造し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。
【0030】
上記第3の工程の後に、さらに、上記配線膜に接続し、少なくとも一端が上記基板の外側に突出するように接続端子を配置する第7の工程を含むことが好ましい。これによれば、外部回路と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。
【0031】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。図1に示す光通信モジュール1は、基板片11、光素子13、封止材15、積層膜18、接続端子19を含んで構成される。
【0034】
基板片11は、光通信モジュール1を構成する各要素を支持するものであり、図示しない光ファイバを挿脱するための貫通孔12を有する。この基板片11は、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電性材料や、ガラス、樹脂、セラミックス等の非導電性材料など種々のものを用いて構成することができる。例えば本実施形態では、セラミックスを用いて基板片11を構成する。
【0035】
貫通孔12は、光ファイバ片及び光ファイバの周囲に設けられたフェルールを挿入した際にフェルールとの間に実質的な隙間が生じない形状に形成される。なお、光ファイバ片及び光ファイバにフェルールが設けられていない場合には、当該光ファイバ片及び光ファイバの形状に対応して貫通孔12が形成される。
【0036】
光素子13は、積層膜18を介して貫通孔12上に配置されており、当該貫通孔12に挿入される光ファイバへ向けて信号光を発光し、又は光ファイバから出射される信号光を受光する。例えば、光通信モジュール1が情報送信側に用いられる場合には光素子13としてVCSEL(面発光レーザ)などの発光素子が用いられる。また、光通信モジュール1が情報受信側に用いられる場合には光素子13として受光素子が用いられる。本実施形態では、光素子13と光ファイバの位置決めが貫通孔12によってなされる。したがって、光ファイバを貫通孔に挿入した際に、従来の缶パッケージを用いた場合に比べて、位置精度の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0037】
積層膜18は、透光性樹脂膜16及び配線膜17を含み構成される。
透光性樹脂膜16は、基板片11の片面に貫通孔12全体を覆うように配置されている。光素子13と光ファイバとはこの透光性樹脂膜16を介して光結合している。透光性樹脂膜16は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等の光を透過する樹脂を用いて形成することができる。光透過性が良好であり、可撓性を有し、取扱いが容易であるという点からはポリイミド膜が好適に用いられる。
【0038】
配線膜17は、光素子13と図示しない外部の電子回路等との間の信号伝送を担うものであり、例えば銅などの導電体を用いて透光性樹脂膜16上に所定の形状(配線パターン)に形成されている。光素子13の高速動作に対応するためには、透光性樹脂膜16と配線膜17とを含んで、高周波信号の伝送に適したマイクロストリップラインを構成することが好ましい。その場合の詳細については後述する。
【0039】
封止材15は、透光性樹脂膜16及び配線膜17を含み構成される積層膜18及び光素子13全体を覆い、さらに、第1の面としての基板片11の上面21側(同図中基板11の左側)から第2の面としての下面22側(同図中基板11の右側)に渡って基板片11の略全体を包み込むように形成されている。また、基板片11の下面22側で、スリーブ部(ガイド部)14が一体的に形成されている。スリーブ部14は、挿入する光ファイバ又は光ファイバに装着されたフェルールを貫通孔12内に導き得るように、貫通孔12の延長上に、その内径が貫通孔12の孔径と略同径となる孔部23が設けられている。また、図2に示すように、光ファイバ51を被覆するフェルール52の周囲に、さらに回り止めの役割を果たす部分、例えば筒状の突起部53が備えられた光コネクタプラグ5を用いる場合には、その突起部53に嵌合し得る凹部20を、封止材に一体的に形成してもよい。かかるスリーブ部14及び/又は凹部20を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0040】
また、この封止材15は、基板片11の上面21に形成される光素子13、積層膜18を保護すると共に、これら要素の基板片11への固定を強化し、光通信モジュールの機械的強度を高める役割を果たすものである。封止材15としては、このような目的を達成し得れば、セラミックス、樹脂等のいかなる材料でも使用し得るが、成形性、機械的強度、絶縁性、取扱い容易性等の観点から、エポキシ樹脂等の樹脂が好ましい。
【0041】
また、必要に応じて、光素子13と透光性樹脂膜16との間における光損失を低減するために、透光性樹脂膜16と屈折率のほぼ等しいアンダーフィル剤を充填することも好適である。具体的には、透光性樹脂膜16としてポリイミド膜を用いる場合には、ポリイミドと屈折率のほぼ等しいエポキシ樹脂等を用いることができる。これにより界面反射が抑制され、光結合効率が向上する。また、アンダーフィル剤は、着色した封止材の材料が、成形時に光素子13と透光性樹脂膜16の間に入り込み、光結合効率を低下させるのを防止する役割も果たす。
【0042】
接続端子19は、図2に示すような外部基板6に形成された回路と、配線膜17とを電気的に接続する役割を果たすものであり、かかる目的を達成し得るものであれば特に限定されない。このような接続端子としては、リードフレーム等の金属の薄板が用いられてもよく、また、後述するフレキシブル基板(FPC)が用いられてもよい。また、両者の組み合わせが用いられてもよい。外部基板6への固定を強固にし得るという観点からは、リードフレームを用いることが好ましい。また、光通信の高速性を担保するという観点からは、積層膜18として用いたマイクロストリップラインが形成されたフレキシブル基板の一端を接続端子として利用することが好ましい。この場合には、外部基板6との固定を強化するために、電気的接続に寄与しないダミー端子を用いてもよい。
【0043】
図6に、本実施形態の光通信モジュールの上面図を示す。図6(a)には、接続端子19が、ダミー端子19a及び電気的接続を果たす金属端子19bから構成される例を示す。また、図6(b)には、接続端子19がダミー端子19a及びフレキシブル基板19cから構成される例を示す。
【0044】
次に、積層膜18が、透光性樹脂膜16と配線膜17とを含んでマイクロストリップラインを構成する場合について詳細に説明する。この場合には、透光性樹脂膜16の他面側に、接地電位が接続されるべき導電膜が更に設けられる。導電膜には、光素子13の発光面又は受光面に対応する部分にくり抜き部が設けられる。これは、導電膜による信号光の遮蔽又は透過率の低減を回避するためである。ITO膜等の透明導電膜を用いた場合には、上述した信号光を通過させるためのくり抜き部を設けることは不要である。また、基板片11をステンレス等の導電体により構成した場合には、当該基板片11そのものに接地電位を接続することにより、別途接地電位を接続するための導電膜を設ける必要がなくなり、構造の簡素化及び製造工程の簡略化を図ることができる。
【0045】
このようにしてマイクロストリップラインを構成する場合に、その特性インピーダンスは以下の計算式に基づいて所望の値に設定することができる。すなわち、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0(Ω)は、伝送路(配線膜17)の線幅をB、線厚みをC、伝送路とグラウンド(接地電位用の導電膜)との間隔をH、誘電体層(透光性樹脂膜16)の比誘電率をεrとすると、以下の計算式によって求められる。
【0046】
Z0=(87/(εr+1.41)1/2)×ln(5.98H/(0.8B+C))
ここで、光素子13の入出力インピーダンスが50Ωの場合には、マイクロストリップラインの特性インピーダンスを50Ωとすることにより、インピーダンス整合を図って信号減衰を防ぐことが可能となる。例えば、透光性樹脂膜16として、比誘電率εr=3.4のポリイミドを用い、B=0.09mm、H=0.05mm、C=0.012mmとすることにより、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0を約50Ωとすることができる。
【0047】
本実施形態にかかる光通信モジュール1は、光通信装置(光トランシーバ)に用いて好適である。このような本発明にかかる光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやいわゆるPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。
【0048】
なお、上記例においては、一体的にスリーブ部等を含むレセプタクル24が形成された封止材15を備えた光通信モジュールについて説明した。しかし、レセプタクル24が一体的に形成されていなくてもよい。
【0049】
図3に、他の態様に係る光通信モジュールの断面図を示す。図3に示す光通信モジュール1aでは、基板片11aの底面の周囲には、切欠き部30が形成されており、周囲を覆う封止材15aは、切欠き部30にかかるように形成されている。このように、光素子13等を含む基板片11aの周囲を切欠き部30に渡って覆うことで、光ファイバの挿入時にかかる透光性樹脂膜16への衝突による衝撃によっても、透光性樹脂膜16と基板片11aとの接合部又は透光性樹脂膜16上に形成された各構成要素等が破壊されにくい、機械的強度に優れた光通信モジュールを提供し得る。
【0050】
本実施形態の光通信モジュール1は以上のような構成を有しており、次にその製造方法について説明する。
【0051】
図4及び図5は、第1の実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。まず、図4(a)に示すように、各光通信モジュール1の基板片11の母材となるべき貫通孔12を有する母基板101を用意する。貫通孔12は、例えば、NC加工機等により、フェルール52の径と略同径(例えば1.25mm)に形成する。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、貫通孔12に嵌合し得る母基板101の厚みより長い支持部材(冶具)102、例えば円柱状の金属製のピンを、一端が母基板101の上面21と略面一となるように貫通孔12に挿入する。ここで、冶具102は、後に光素子13の実装を行う際に、光素子13の下側に配置される透光性樹脂膜16が破損しないように当該透光性樹脂膜16を支持し得るようなものであればよい。このような支持部材102は、例えば樹脂製であっても金属製であってもよいが、後の工程で取除かれるものであるため、透光性樹脂膜16との剥離が容易なものを用いることが好ましい。なお、支持部材102を挿入する際に、母基板101の上面21側に平板などを載置しておくことも好ましい。
【0053】
次に、図4(c)に示すように、母基板101の上面に透光性樹脂膜16及び配線膜17からなる積層膜18を形成する。本工程は、複数の光通信モジュールに対応した複数の配線パターンを含むフレキシブル基板(FPC:flexible printed circuits)を用意し、当該フレキシブル基板を母基板101の上面に貼り付けることにより行うことが好適である。本実施形態では、誘電体の一方面に接地用の導電膜が配置され、他方面に信号伝送用の導電膜が配置されるマイクロストリップラインを含むフレキシブル基板を用いる。なお、透光性樹脂膜16を形成する前に、母基板101の上面を平坦化する処理を行うことも好適である。また、透光性樹脂膜16は、例えばポリイミドフィルム等のフィルムを透光性樹脂膜として貼り付けることにより形成してもよい。この場合には、透光性樹脂膜16を形成した後に、当該透光性樹脂膜16上に、スパッタリング法や又は銅箔の貼り付け等の方法によって銅等の導電体膜を形成し、その後パターニングすることによって配線膜17を形成するとよい。
【0054】
次に、図4(d)に示すように、貫通孔12の位置に対応して母基板101上(透光性樹脂膜16上)に光素子13を実装する。本工程では、例えばフリップチップボンディングにより光素子13を配線膜17と接続する。本工程においては、支持部材102によって透光性樹脂膜16が下側から支持されるので、光素子13を実装する際に、透光性樹脂膜16が変形し、或いは破損することを回避しつつ、貫通孔12上に光素子13を確実に載置することが可能となる。本工程において光素子13を実装する際のアラインメント調整は、母基板101に設けた貫通孔12を基準として行う。光ファイバは貫通孔12に挿入することにより位置合わせがなされるので、貫通孔12の位置を基準にして光素子13の実装を行うことにより、光ファイバと光素子13との光軸調整を容易に行うことが可能となる。また、本工程においては、必要に応じて光素子13を駆動するための駆動回路を併せて実装してもよい。かかる駆動回路としては、例えば発光素子を駆動するドライバや、受光素子の出力電流を増幅するアンプなどが考えられる。なお、ここで、光素子13と積層膜18との間に、アンダーフィル剤25を充填しておくことが好ましい。
【0055】
次に、図4(e)に示すように、複数の光通信モジュール1のそれぞれに対応する所定領域ごとに母基板101等を切断する。本工程における切断は、ダイシングやレーザ切断等の方法によって行うことができる。
【0056】
次に、図5(a)に示すように、積層膜18上に接続端子19を設置して、配線膜17と接続する。この際、接続端子19として、リードフレームを用いると、取扱い容易性、機械的強度等の観点から好ましい。接続端子19と配線膜17との接続法は、熱圧着による金属接合、ワイヤーボンディング、銀ペースト等のいずれを用いてもよく、特に限定されない。
【0057】
なお、本実施形態においては、接続端子19は積層膜18上に形成しているが、特に限定されず、配線膜17と接合し得る限り、積層膜18の中間層として含まれていてもよく、また、透光性樹脂膜16と積層膜18との間に配置されていてもよい。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、積層膜18及び光素子13を含み、基板片11全体を覆うように封止材15を形成する。ここで、封止材15は、接続端子19の一端が封止材15の外部に存在し、外部回路に接続し得るような形状にする。また、この際、光ファイバ又はフェルール等を貫通孔12に導く、貫通孔12に連続して連なる孔部23を有するスリーブ部14、及び、必要に応じて、光コネクタの突起部53(図2参照)が嵌合し得る凹部20を、基板片11の下部22側に一体的に形成する。このようにスリーブ部14及び凹部20を含むレセプタクル24を形成することで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0059】
このような封止材15は、例えばトランスファーモールド等による樹脂等の金型成形により好適に形成することができる。なお、本実施形態では、支持部材102を貫通孔12に入れたままで成形を行うため、例えばトランスファーモールド時に孔の中に樹脂が入り込むのを防止することができる。また、光素子13等を含む基板片11の周囲を覆いかつ支持部材102の周囲をも一体的に覆う金型を用いることで、貫通孔12の延長上に成形されるスリーブ部14を形成することが可能となる。
【0060】
次に、図5(c)に示すように、基板片11から、支持部材102を取除く。接続端子としてリードフレームを用いている場合には、この際、リードフレームを切断して個別化する。
以上の工程により、本実施形態の光通信モジュールが製造される。
なお、上記製造方法では、一の基板上で大量生産する場合について述べたが、基板片11ごとに個別に製造してもよい。
【0061】
このように、本実施形態の光通信モジュール1は、貫通孔12上に透光性樹脂膜16を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔12の孔径よりも小さい光素子13を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子13のサイズを決定し得るので、さらなる小型化が図れる。また、透光性樹脂膜16により光素子13と貫通孔12に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子13とが、一の貫通孔12を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材15により包み込んでいるため、透光性樹脂膜16や光素子13等が基板片11に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。さらに、封止材15は、レセプタクル24が一体的に形成されているので、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となり、また、一層の小型化が図れる。
【0062】
また、本実施形態の製造方法では、貫通孔12を透光性樹脂膜16で覆い、透光性樹脂膜16の光素子13の載置面と反対側の面を補助部材102により支えながら光素子13を搭載するため、光素子13の搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜16が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュール1を形成し得る。さらに、光通信モジュール1の組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することも可能となる。
【0063】
本実施形態にかかる光通信モジュール1は、光通信装置(光トランシーバ)に用いて好適である。このような本発明にかかる光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやいわゆるPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。
【0064】
なお、図2に示すように、光通信モジュール1から外方に伸びた接続端子19の少なくとも一部は、外部基板6に設けられた接続端子を挿入するための孔部61に、差し込める形状にしてあることが好ましい。このように、外部基板6に差込み形式で例えばはんだ等により接続固定することで、外部基板6との接続を強固にすることができる。したがって、光ファイバ挿脱時にかかる外力によっても光通信モジュール1が外部基板6より外れることがなく、信頼性の高い光通信装置を提供し得る。
【0065】
本発明は上述した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、第1の実施形態における光通信モジュールを複数組合わせたような構成を有することも可能である。
【0066】
図7に、複数の光素子を備えた光通信モジュールの一例を示す。
以下、第1の実施形態に共通する構成要素については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
本実施形態に係る光通信モジュール1bは、基板片11bに複数の貫通孔12とそれに対応する位置に複数の光素子13を含んで構成されている。また、封止材15は、このような複数の光素子13を全て含むよう、形成されている。また、基板11bの第2の面である下面22側には、複数の貫通孔12に対応して、複数のレセプタクル24が封止材15と一体的に形成されている。
【0068】
本実施形態においては、第1の実施形態における効果を有すると共に、さらに、このように貫通孔12を複数有することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0069】
本実施形態の光通信モジュールは、所定領域内に複数の貫通孔12が含まれるように、基板11b又は母基板101を準備する以外は、上記第1の実施形態と同様の工程により製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図2】本実施形態の光通信モジュールと光プラグとの接続の様子を説明する図である。
【図3】他の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図4】本実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。
【図5】本実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る光通信モジュールの上面図である。
第2の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図7】多チャンネルシステムに対応した光通信モジュールの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・光通信モジュール、5・・・光コネクタプラグ、6・・・外部基板、11・・・基板片、12・・・貫通孔、13・・・光素子、14・・・スリーブ部、15・・・封止材、16・・・透光性樹脂膜、17・・・配線膜、18・・・積層膜、19・・・接続端子、24・・・レセプタクル
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いて好適な光通信モジュール及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムにおいては、電気信号を光信号に変換する発光素子と光信号を電気信号に変換する受光素子相互間を光ファイバで接続する構成が基本となる。このような発光素子や受光素子などの光素子と光ファイバを着脱あるいは挿脱可能とするために、光素子と光ファィバとを光学的に接続するための光通信モジュールが利用されている。このような光通信モジュールは、例えば、特許文献1(特開2000−349307号公報)に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−349307号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光通信モジュールでは、光ファイバを挿入する貫通孔上に光素子を搭載するためには、貫通孔の周囲に光素子を接続固定するためのバンプを形成する必要がある。この貫通孔は、光ファイバ又は光ファイバを保持するフェルールの径に合わせた孔径となるため、光ファイバ又はフェルールの径よりも大きな光素子が必要となり、光素子が大型化する傾向にあった。したがって、コストが高くなる傾向にあり、また、光通信モジュールの更なる小型化を図ることが困難であった。
また、一般に、光ファイバが挿脱可能な光通信モジュールでは、光学的に無調整、すなわち、光信号出力によらずに機械的な位置決めのみで組立てること(いわゆるパッシブアライメント)は困難であった。したがって、製造工程が複雑化し、コストが高くなる傾向にあった。
【0004】
そこで、本発明は、光ファイバの挿脱が可能な小型光通信モジュールを安価に提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光通信モジュールは、第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な貫通孔を有する基板片と、上記基板片の第1の面に、上記貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、上記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、上記配線膜に接続され、上記貫通孔上に上記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の上記貫通孔の入口を開口する封止材と、を含むことを特徴としている。
【0006】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子のサイズを決定し得るので、さらなる小型化を図ることが可能となる。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子とが、一の貫通孔を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、光通信モジュールを簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材により包み込んでいるため、透光性樹脂膜や光素子等が基板に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。
【0007】
本発明の他の態様に係る光通信モジュールは、第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な複数の貫通孔を有する基板片と、上記基板片の第1の面に、上記複数の貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、上記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、上記配線膜に接続され、上記複数の貫通孔上に上記透光性樹脂膜を介してそれぞれ設置される複数の光素子と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記複数の光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の上記複数の貫通孔の入口を開口する封止材と、を含むことを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、貫通孔上に透光性樹脂膜を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子のサイズを決定し得るので、さらなる小型化を図ることが可能となる。また、透光性樹脂膜により光素子と貫通孔に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子とが、一の貫通孔を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、光通信モジュールを簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材により包み込んでいるため、透光性樹脂膜や光素子等が基板に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、貫通孔を複数有するので、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0009】
上記光ファイバは、フェルールが装着されていることが好ましい。
【0010】
上記封止材が、上記基板片の第2の面側で、上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を形成することが好ましい。基板と別部材でスリーブ部を形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。また、かかるスリーブ部を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0011】
さらに、一部が上記封止材によって封止されて内部で上記配線膜に接続され、他が上記封止材の外部に存在する接続端子を含むことが好ましい。これにより、外部に存在する回路(外部回路)等と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。なお、端子の配列は、シングルインラインであってもデュアルインラインであってもよい。
【0012】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0013】
上記配線膜が上記透光性樹脂膜上の両面に配置され、上記透光性樹脂膜と両配線膜とによってマイクロストリップラインが構成されていることが好ましい。これにより、高周波域での伝送ロスを低減することが可能となり、光素子の高速駆動に適した光通信モジュールの提供が可能となる。
【0014】
本発明の光通信装置(光トランシーバ)は、上記光通信モジュールを含んで構成されることを特徴としている。かかる構成によれば、上記光通信モジュールを含んで構成されているので、信頼性の高い、安価な光通信装置を提供することが可能となる。また、装置の一層の小型化も図れる。なお、ここで、「光通信装置」とは、光信号の送信にかかる構成(発光素子等)と光信号の受信にかかる構成(受光素子等)の両方を含む装置のみならず、送信に係る構成のみを備える装置(いわゆる光送信モジュール)や受信に係る構成のみを備える装置(いわゆる光受信モジュール)を含む。
【0015】
本発明の電子機器は、上記光通信モジュールを備えることを特徴としている。かかる構成によれば、上記光通信モジュールを備えているので、信頼性の高い、安価な電子機器を提供することが可能となる。また、電子機器の一層の小型化も図れる。なお、本発明の電子機器は、上記光通信モジュールを含んでなる光通信装置を備えたものであってもよい。ここで、「電子機器」とは、電子回路等を用いて一定の機能を実現する機器一般をいい、その構成には特に限定はないが、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(携帯型情報端末装置)、電子手帳などの光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種機器が挙げられる。
【0016】
本発明の光通信モジュールの製造方法は、第1の面と第2の面との間に一又は複数の貫通孔を有する基板片の各貫通孔内に、該貫通孔を閉じる支持部材を挿入する第1の工程と、上記基板片の第1の面に透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を少なくとも該透光性樹脂膜が上記一又は複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、上記透光性樹脂膜上の上記一又は複数の貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、各光素子を上記配線膜に接続する第3の工程と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第4の工程と、上記基板片から上記支持部材を取除く第5の工程と、を含むことを特徴としている。
【0017】
これによれば、支持部材を、貫通孔内に配置することで、光素子の載置時に、透光性樹脂膜を光素子の載置面と反対側の面を支持部材により支えることが可能となるため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することなく、歩留まりよく光通信モジュールを製造し得る。また、透光性樹脂膜を介して貫通孔上に光素子を配置しているので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、小型で安価な光通信モジュールを提供し得る。また、基板の第1の面から第2の面に渡って基板片を覆うように封止材を形成しているため、透光性樹脂膜及び光素子等を基板に強固に固定することが可能となり、繰り返し挿入される光ファイバの嵌合時の衝撃にも耐え得る、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。
【0018】
上記第2の工程において、上記積層膜が、フレキシブルプリント基板であることが好ましい。特に、当該フレキシブルプリント基板は、マイクロストリップラインを構成するものであることが好ましい。これにより、製造プロセスの簡略化が図れる。
【0019】
上記第2の工程が、上記基板の第1の面側に、上記貫通孔を覆うように、透光性樹脂膜を形成する工程と、上記透光性樹脂膜上に上記配線膜を形成する工程と、を含んでいてもよい。
【0020】
上記第4の工程において、上記封止材が上記基板片の第2の面側で上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を備えるように一体的に形成されることが好ましい。これによれば、スリーブ部を基板と別部材(封止材)により形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、安価に製造し得る。また、かかるスリーブ部を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0021】
上記第4の工程において、封止材がトランスファーモールドにより形成されていることが好ましい。これによれば、複雑な形状のものであっても容易に形成し得るので、封止材の形状の設計の幅が広がる。また、複雑な工程によらず製造し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。
【0022】
上記第3の工程の後に、さらに、一部を上記配線膜に接続し、他部を上記基板片の外側に突出させるように接続端子を配置する第6の工程を含むことが好ましい。これによれば、外部回路と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。
【0023】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0024】
本発明の他の態様に係る光通信モジュールの製造方法は、第1の面と第2の面との間に複数の貫通孔を有する基板の各貫通孔内に、支持部材を挿入する第1の工程と、上記基板の第1の面に、透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を、少なくとも該透光性樹脂膜が、上記複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、上記透光性樹脂膜上の上記貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、該光素子を上記配線膜に接続する第3の工程と、上記基板を、一の領域に少なくとも1の貫通孔を有するように小片化し、基板片を得る第4の工程と、上記透光性樹脂膜、上記配線膜及び上記光素子を含んで上記基板片を、その第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第5の工程と、上記基板片から上記支持部材を取除く第6の工程と、を含むことを特徴としている。
【0025】
これによれば、支持部材を、貫通孔内に配置することで、光素子の載置時に、透光性樹脂膜を光素子の載置面と反対側の面を支持部材により支えることが可能となるため、光素子搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜が破損することなく、歩留まりよく光通信モジュールを製造し得る。また、透光性樹脂膜を介して貫通孔上に光素子を配置しているので、貫通孔の孔径よりも小さい光素子を搭載することが可能となり、小型で安価な光通信モジュールを提供し得る。また、基板の第1の面から第2の面に渡って基板片を覆うように封止材を形成しているため、透光性樹脂膜及び光素子等を基板に強固に固定することが可能となり、繰り返し挿入される光ファイバの嵌合時の衝撃にも耐え得る、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。また、一の基板で光通信モジュールの組立工程の殆どを一括バッチ処理することができるので、歩留まりがよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することが可能となる。
【0026】
上記第2の工程において、上記積層膜が、フレキシブルプリント基板であることが好ましい。特に、当該フレキシブルプリント基板は、マイクロストリップラインを構成するものであることが好ましい。これにより、製造プロセスの簡略化が図れる。
【0027】
上記第2の工程が、上記基板の第1の面側に、上記貫通孔を覆うように、透光性樹脂膜を形成する工程と、上記透光性樹脂膜上に上記配線膜を形成する工程と、を含んでいてもよい。
【0028】
上記第5の工程において、上記封止材が、上記基板片の第2の面側で、上記光ファイバを上記貫通孔に案内するスリーブ部を備えるように一体的に形成されることが好ましい。これによれば、スリーブ部を基板と別部材(封止材)により形成するので、スリーブ部の形状の変更が容易であり、設計の自由度が増す。また、基板自体を加工して複雑な形状のスリーブ部を形成するのは難しく、コストがかかるが、このような基板の加工によらず、複雑な形状のスリーブ部を形成し得るので、安価に製造し得る。
【0029】
上記第5の工程において、封止材がトランスファーモールドにより形成されていることが好ましい。これによれば、複雑な形状のものであっても容易に形成し得るので、封止材の形状の設計の幅が広がる。また、複雑な工程によらず製造し得るので、光通信モジュールを安価に提供し得る。
【0030】
上記第3の工程の後に、さらに、上記配線膜に接続し、少なくとも一端が上記基板の外側に突出するように接続端子を配置する第7の工程を含むことが好ましい。これによれば、外部回路と配線膜との電気的接続が容易となる。このような接続端子は、複数あってもよく、その一部が、外部回路が形成された基板等に設置する際の補強部材として用いられていてもよい。また、この接続端子は、電気的接続と補強部材としての用途を兼ねていてもよい。
【0031】
上記接続端子は、リードフレームであることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。図1に示す光通信モジュール1は、基板片11、光素子13、封止材15、積層膜18、接続端子19を含んで構成される。
【0034】
基板片11は、光通信モジュール1を構成する各要素を支持するものであり、図示しない光ファイバを挿脱するための貫通孔12を有する。この基板片11は、例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等の導電性材料や、ガラス、樹脂、セラミックス等の非導電性材料など種々のものを用いて構成することができる。例えば本実施形態では、セラミックスを用いて基板片11を構成する。
【0035】
貫通孔12は、光ファイバ片及び光ファイバの周囲に設けられたフェルールを挿入した際にフェルールとの間に実質的な隙間が生じない形状に形成される。なお、光ファイバ片及び光ファイバにフェルールが設けられていない場合には、当該光ファイバ片及び光ファイバの形状に対応して貫通孔12が形成される。
【0036】
光素子13は、積層膜18を介して貫通孔12上に配置されており、当該貫通孔12に挿入される光ファイバへ向けて信号光を発光し、又は光ファイバから出射される信号光を受光する。例えば、光通信モジュール1が情報送信側に用いられる場合には光素子13としてVCSEL(面発光レーザ)などの発光素子が用いられる。また、光通信モジュール1が情報受信側に用いられる場合には光素子13として受光素子が用いられる。本実施形態では、光素子13と光ファイバの位置決めが貫通孔12によってなされる。したがって、光ファイバを貫通孔に挿入した際に、従来の缶パッケージを用いた場合に比べて、位置精度の高い光通信モジュールを提供することが可能となる。
【0037】
積層膜18は、透光性樹脂膜16及び配線膜17を含み構成される。
透光性樹脂膜16は、基板片11の片面に貫通孔12全体を覆うように配置されている。光素子13と光ファイバとはこの透光性樹脂膜16を介して光結合している。透光性樹脂膜16は、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂等の光を透過する樹脂を用いて形成することができる。光透過性が良好であり、可撓性を有し、取扱いが容易であるという点からはポリイミド膜が好適に用いられる。
【0038】
配線膜17は、光素子13と図示しない外部の電子回路等との間の信号伝送を担うものであり、例えば銅などの導電体を用いて透光性樹脂膜16上に所定の形状(配線パターン)に形成されている。光素子13の高速動作に対応するためには、透光性樹脂膜16と配線膜17とを含んで、高周波信号の伝送に適したマイクロストリップラインを構成することが好ましい。その場合の詳細については後述する。
【0039】
封止材15は、透光性樹脂膜16及び配線膜17を含み構成される積層膜18及び光素子13全体を覆い、さらに、第1の面としての基板片11の上面21側(同図中基板11の左側)から第2の面としての下面22側(同図中基板11の右側)に渡って基板片11の略全体を包み込むように形成されている。また、基板片11の下面22側で、スリーブ部(ガイド部)14が一体的に形成されている。スリーブ部14は、挿入する光ファイバ又は光ファイバに装着されたフェルールを貫通孔12内に導き得るように、貫通孔12の延長上に、その内径が貫通孔12の孔径と略同径となる孔部23が設けられている。また、図2に示すように、光ファイバ51を被覆するフェルール52の周囲に、さらに回り止めの役割を果たす部分、例えば筒状の突起部53が備えられた光コネクタプラグ5を用いる場合には、その突起部53に嵌合し得る凹部20を、封止材に一体的に形成してもよい。かかるスリーブ部14及び/又は凹部20を設けることで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0040】
また、この封止材15は、基板片11の上面21に形成される光素子13、積層膜18を保護すると共に、これら要素の基板片11への固定を強化し、光通信モジュールの機械的強度を高める役割を果たすものである。封止材15としては、このような目的を達成し得れば、セラミックス、樹脂等のいかなる材料でも使用し得るが、成形性、機械的強度、絶縁性、取扱い容易性等の観点から、エポキシ樹脂等の樹脂が好ましい。
【0041】
また、必要に応じて、光素子13と透光性樹脂膜16との間における光損失を低減するために、透光性樹脂膜16と屈折率のほぼ等しいアンダーフィル剤を充填することも好適である。具体的には、透光性樹脂膜16としてポリイミド膜を用いる場合には、ポリイミドと屈折率のほぼ等しいエポキシ樹脂等を用いることができる。これにより界面反射が抑制され、光結合効率が向上する。また、アンダーフィル剤は、着色した封止材の材料が、成形時に光素子13と透光性樹脂膜16の間に入り込み、光結合効率を低下させるのを防止する役割も果たす。
【0042】
接続端子19は、図2に示すような外部基板6に形成された回路と、配線膜17とを電気的に接続する役割を果たすものであり、かかる目的を達成し得るものであれば特に限定されない。このような接続端子としては、リードフレーム等の金属の薄板が用いられてもよく、また、後述するフレキシブル基板(FPC)が用いられてもよい。また、両者の組み合わせが用いられてもよい。外部基板6への固定を強固にし得るという観点からは、リードフレームを用いることが好ましい。また、光通信の高速性を担保するという観点からは、積層膜18として用いたマイクロストリップラインが形成されたフレキシブル基板の一端を接続端子として利用することが好ましい。この場合には、外部基板6との固定を強化するために、電気的接続に寄与しないダミー端子を用いてもよい。
【0043】
図6に、本実施形態の光通信モジュールの上面図を示す。図6(a)には、接続端子19が、ダミー端子19a及び電気的接続を果たす金属端子19bから構成される例を示す。また、図6(b)には、接続端子19がダミー端子19a及びフレキシブル基板19cから構成される例を示す。
【0044】
次に、積層膜18が、透光性樹脂膜16と配線膜17とを含んでマイクロストリップラインを構成する場合について詳細に説明する。この場合には、透光性樹脂膜16の他面側に、接地電位が接続されるべき導電膜が更に設けられる。導電膜には、光素子13の発光面又は受光面に対応する部分にくり抜き部が設けられる。これは、導電膜による信号光の遮蔽又は透過率の低減を回避するためである。ITO膜等の透明導電膜を用いた場合には、上述した信号光を通過させるためのくり抜き部を設けることは不要である。また、基板片11をステンレス等の導電体により構成した場合には、当該基板片11そのものに接地電位を接続することにより、別途接地電位を接続するための導電膜を設ける必要がなくなり、構造の簡素化及び製造工程の簡略化を図ることができる。
【0045】
このようにしてマイクロストリップラインを構成する場合に、その特性インピーダンスは以下の計算式に基づいて所望の値に設定することができる。すなわち、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0(Ω)は、伝送路(配線膜17)の線幅をB、線厚みをC、伝送路とグラウンド(接地電位用の導電膜)との間隔をH、誘電体層(透光性樹脂膜16)の比誘電率をεrとすると、以下の計算式によって求められる。
【0046】
Z0=(87/(εr+1.41)1/2)×ln(5.98H/(0.8B+C))
ここで、光素子13の入出力インピーダンスが50Ωの場合には、マイクロストリップラインの特性インピーダンスを50Ωとすることにより、インピーダンス整合を図って信号減衰を防ぐことが可能となる。例えば、透光性樹脂膜16として、比誘電率εr=3.4のポリイミドを用い、B=0.09mm、H=0.05mm、C=0.012mmとすることにより、マイクロストリップラインの特性インピーダンスZ0を約50Ωとすることができる。
【0047】
本実施形態にかかる光通信モジュール1は、光通信装置(光トランシーバ)に用いて好適である。このような本発明にかかる光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやいわゆるPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。
【0048】
なお、上記例においては、一体的にスリーブ部等を含むレセプタクル24が形成された封止材15を備えた光通信モジュールについて説明した。しかし、レセプタクル24が一体的に形成されていなくてもよい。
【0049】
図3に、他の態様に係る光通信モジュールの断面図を示す。図3に示す光通信モジュール1aでは、基板片11aの底面の周囲には、切欠き部30が形成されており、周囲を覆う封止材15aは、切欠き部30にかかるように形成されている。このように、光素子13等を含む基板片11aの周囲を切欠き部30に渡って覆うことで、光ファイバの挿入時にかかる透光性樹脂膜16への衝突による衝撃によっても、透光性樹脂膜16と基板片11aとの接合部又は透光性樹脂膜16上に形成された各構成要素等が破壊されにくい、機械的強度に優れた光通信モジュールを提供し得る。
【0050】
本実施形態の光通信モジュール1は以上のような構成を有しており、次にその製造方法について説明する。
【0051】
図4及び図5は、第1の実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。まず、図4(a)に示すように、各光通信モジュール1の基板片11の母材となるべき貫通孔12を有する母基板101を用意する。貫通孔12は、例えば、NC加工機等により、フェルール52の径と略同径(例えば1.25mm)に形成する。
【0052】
次に、図4(b)に示すように、貫通孔12に嵌合し得る母基板101の厚みより長い支持部材(冶具)102、例えば円柱状の金属製のピンを、一端が母基板101の上面21と略面一となるように貫通孔12に挿入する。ここで、冶具102は、後に光素子13の実装を行う際に、光素子13の下側に配置される透光性樹脂膜16が破損しないように当該透光性樹脂膜16を支持し得るようなものであればよい。このような支持部材102は、例えば樹脂製であっても金属製であってもよいが、後の工程で取除かれるものであるため、透光性樹脂膜16との剥離が容易なものを用いることが好ましい。なお、支持部材102を挿入する際に、母基板101の上面21側に平板などを載置しておくことも好ましい。
【0053】
次に、図4(c)に示すように、母基板101の上面に透光性樹脂膜16及び配線膜17からなる積層膜18を形成する。本工程は、複数の光通信モジュールに対応した複数の配線パターンを含むフレキシブル基板(FPC:flexible printed circuits)を用意し、当該フレキシブル基板を母基板101の上面に貼り付けることにより行うことが好適である。本実施形態では、誘電体の一方面に接地用の導電膜が配置され、他方面に信号伝送用の導電膜が配置されるマイクロストリップラインを含むフレキシブル基板を用いる。なお、透光性樹脂膜16を形成する前に、母基板101の上面を平坦化する処理を行うことも好適である。また、透光性樹脂膜16は、例えばポリイミドフィルム等のフィルムを透光性樹脂膜として貼り付けることにより形成してもよい。この場合には、透光性樹脂膜16を形成した後に、当該透光性樹脂膜16上に、スパッタリング法や又は銅箔の貼り付け等の方法によって銅等の導電体膜を形成し、その後パターニングすることによって配線膜17を形成するとよい。
【0054】
次に、図4(d)に示すように、貫通孔12の位置に対応して母基板101上(透光性樹脂膜16上)に光素子13を実装する。本工程では、例えばフリップチップボンディングにより光素子13を配線膜17と接続する。本工程においては、支持部材102によって透光性樹脂膜16が下側から支持されるので、光素子13を実装する際に、透光性樹脂膜16が変形し、或いは破損することを回避しつつ、貫通孔12上に光素子13を確実に載置することが可能となる。本工程において光素子13を実装する際のアラインメント調整は、母基板101に設けた貫通孔12を基準として行う。光ファイバは貫通孔12に挿入することにより位置合わせがなされるので、貫通孔12の位置を基準にして光素子13の実装を行うことにより、光ファイバと光素子13との光軸調整を容易に行うことが可能となる。また、本工程においては、必要に応じて光素子13を駆動するための駆動回路を併せて実装してもよい。かかる駆動回路としては、例えば発光素子を駆動するドライバや、受光素子の出力電流を増幅するアンプなどが考えられる。なお、ここで、光素子13と積層膜18との間に、アンダーフィル剤25を充填しておくことが好ましい。
【0055】
次に、図4(e)に示すように、複数の光通信モジュール1のそれぞれに対応する所定領域ごとに母基板101等を切断する。本工程における切断は、ダイシングやレーザ切断等の方法によって行うことができる。
【0056】
次に、図5(a)に示すように、積層膜18上に接続端子19を設置して、配線膜17と接続する。この際、接続端子19として、リードフレームを用いると、取扱い容易性、機械的強度等の観点から好ましい。接続端子19と配線膜17との接続法は、熱圧着による金属接合、ワイヤーボンディング、銀ペースト等のいずれを用いてもよく、特に限定されない。
【0057】
なお、本実施形態においては、接続端子19は積層膜18上に形成しているが、特に限定されず、配線膜17と接合し得る限り、積層膜18の中間層として含まれていてもよく、また、透光性樹脂膜16と積層膜18との間に配置されていてもよい。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、積層膜18及び光素子13を含み、基板片11全体を覆うように封止材15を形成する。ここで、封止材15は、接続端子19の一端が封止材15の外部に存在し、外部回路に接続し得るような形状にする。また、この際、光ファイバ又はフェルール等を貫通孔12に導く、貫通孔12に連続して連なる孔部23を有するスリーブ部14、及び、必要に応じて、光コネクタの突起部53(図2参照)が嵌合し得る凹部20を、基板片11の下部22側に一体的に形成する。このようにスリーブ部14及び凹部20を含むレセプタクル24を形成することで、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となる。
【0059】
このような封止材15は、例えばトランスファーモールド等による樹脂等の金型成形により好適に形成することができる。なお、本実施形態では、支持部材102を貫通孔12に入れたままで成形を行うため、例えばトランスファーモールド時に孔の中に樹脂が入り込むのを防止することができる。また、光素子13等を含む基板片11の周囲を覆いかつ支持部材102の周囲をも一体的に覆う金型を用いることで、貫通孔12の延長上に成形されるスリーブ部14を形成することが可能となる。
【0060】
次に、図5(c)に示すように、基板片11から、支持部材102を取除く。接続端子としてリードフレームを用いている場合には、この際、リードフレームを切断して個別化する。
以上の工程により、本実施形態の光通信モジュールが製造される。
なお、上記製造方法では、一の基板上で大量生産する場合について述べたが、基板片11ごとに個別に製造してもよい。
【0061】
このように、本実施形態の光通信モジュール1は、貫通孔12上に透光性樹脂膜16を有するので、光ファイバを挿脱する貫通孔12の孔径よりも小さい光素子13を搭載することが可能となる。したがって、光ファイバの径に依存することなく、使用可能な光素子13のサイズを決定し得るので、さらなる小型化が図れる。また、透光性樹脂膜16により光素子13と貫通孔12に挿入する光ファイバが隔離されるので、光ファイバ挿入側からの外気及び湿気等の影響を防ぎ、光素子の密封性をさらに高めることが可能となる。また、光ファイバと光素子13とが、一の貫通孔12を利用して位置決めがなされるので、光信号出力による光学的な光軸調整をすることなく、高精度に位置決めされた小型モジュールを提供することが可能となる。しかも、簡素な構造を有するため、組立ても容易であり、簡略な製造工程で安価に提供し得る。さらに、通常、光ファイバを挿入する際、透光性樹脂膜自体及び光素子と透光性樹脂膜の接合部分等に繰り返し嵌合衝突によるストレスがかかるが、基板の周囲を第1面から第2面に渡って封止材15により包み込んでいるため、透光性樹脂膜16や光素子13等が基板片11に強固に固定され、機械的強度に優れた、信頼性の高い光通信モジュールを提供し得る。さらに、封止材15は、レセプタクル24が一体的に形成されているので、フェルールの挿入位置決めを容易かつ確実にすることが可能となり、また、一層の小型化が図れる。
【0062】
また、本実施形態の製造方法では、貫通孔12を透光性樹脂膜16で覆い、透光性樹脂膜16の光素子13の載置面と反対側の面を補助部材102により支えながら光素子13を搭載するため、光素子13の搭載時の押圧や衝撃にも透光性樹脂膜16が破損することがなく、歩留まりよく光通信モジュール1を形成し得る。さらに、光通信モジュール1の組立工程の殆どを、一の基板上で一括バッチ処理することができるので、歩留まりよく、安価な光通信モジュールを大量に製造することも可能となる。
【0063】
本実施形態にかかる光通信モジュール1は、光通信装置(光トランシーバ)に用いて好適である。このような本発明にかかる光通信装置は、例えば、パーソナルコンピュータやいわゆるPDA(携帯型情報端末装置)など、光を伝送媒体として外部装置等との間の情報通信を行う各種の電子機器に用いることが可能である。
【0064】
なお、図2に示すように、光通信モジュール1から外方に伸びた接続端子19の少なくとも一部は、外部基板6に設けられた接続端子を挿入するための孔部61に、差し込める形状にしてあることが好ましい。このように、外部基板6に差込み形式で例えばはんだ等により接続固定することで、外部基板6との接続を強固にすることができる。したがって、光ファイバ挿脱時にかかる外力によっても光通信モジュール1が外部基板6より外れることがなく、信頼性の高い光通信装置を提供し得る。
【0065】
本発明は上述した各実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、第1の実施形態における光通信モジュールを複数組合わせたような構成を有することも可能である。
【0066】
図7に、複数の光素子を備えた光通信モジュールの一例を示す。
以下、第1の実施形態に共通する構成要素については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
本実施形態に係る光通信モジュール1bは、基板片11bに複数の貫通孔12とそれに対応する位置に複数の光素子13を含んで構成されている。また、封止材15は、このような複数の光素子13を全て含むよう、形成されている。また、基板11bの第2の面である下面22側には、複数の貫通孔12に対応して、複数のレセプタクル24が封止材15と一体的に形成されている。
【0068】
本実施形態においては、第1の実施形態における効果を有すると共に、さらに、このように貫通孔12を複数有することで、多チャンネルシステムに対応した光通信モジュール又は送受信一体型の光通信モジュールを提供し得る。
【0069】
本実施形態の光通信モジュールは、所定領域内に複数の貫通孔12が含まれるように、基板11b又は母基板101を準備する以外は、上記第1の実施形態と同様の工程により製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図2】本実施形態の光通信モジュールと光プラグとの接続の様子を説明する図である。
【図3】他の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図4】本実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。
【図5】本実施形態の光通信モジュールの製造方法を説明する図である。
【図6】本実施形態に係る光通信モジュールの上面図である。
第2の実施形態に係る光通信モジュールの断面図である。
【図7】多チャンネルシステムに対応した光通信モジュールの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・光通信モジュール、5・・・光コネクタプラグ、6・・・外部基板、11・・・基板片、12・・・貫通孔、13・・・光素子、14・・・スリーブ部、15・・・封止材、16・・・透光性樹脂膜、17・・・配線膜、18・・・積層膜、19・・・接続端子、24・・・レセプタクル
Claims (11)
- 第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な貫通孔を有する基板片と、
前記基板片の第1の面に、前記貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、
前記配線膜に接続され、前記貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介して設置される光素子と、
前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子を含んで前記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の前記貫通孔の入口を開口する封止材と、
を含む光通信モジュール。 - 第1の面と第2の面との間に光ファイバを挿入可能な複数の貫通孔を有する基板片と、
前記基板片の第1の面に、前記複数の貫通孔を覆うように配置される透光性樹脂膜と、
前記透光性樹脂膜上の少なくとも一面に配置される配線膜と、
前記配線膜に接続され、前記複数の貫通孔上に前記透光性樹脂膜を介してそれぞれ設置される複数の光素子と、
前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記複数の光素子を含んで前記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って封止すると共に該第2の面側の前記複数の貫通孔の入口を開口する封止材と、
を含む光通信モジュール。 - 前記封止材が、前記基板片の第2の面側で、前記光ファイバを前記貫通孔に案内するスリーブ部を形成する、請求項1又は請求項2に記載の光通信モジュール。
- さらに、一部が前記封止材によって封止されて内部で前記配線膜に接続され、他が前記封止材の外部に存在する接続端子を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の光通信モジュール。
- 前記配線膜が前記透光性樹脂膜上の両面に配置され、前記透光性樹脂膜と両配線膜とによってマイクロストリップラインが構成されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の光通信モジュール。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の光通信モジュールを含んで構成される光通信装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の光通信モジュールを備える電子機器。
- 第1の面と第2の面との間に一又は複数の貫通孔を有する基板片の各貫通孔内に、該貫通孔を閉じる支持部材を挿入する第1の工程と、
前記基板片の第1の面に透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を、少なくとも該透光性樹脂膜が前記一又は複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、
前記透光性樹脂膜上の前記一又は複数の貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、各光素子を前記配線膜に接続する第3の工程と、
前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子を含んで前記基板片をその第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第4の工程と、
前記基板片から前記支持部材を取除く第5の工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。 - 前記第4の工程において、前記封止材が、前記基板片の第2の面側で、前記光ファイバを前記貫通孔に案内するスリーブ部を備えるように一体的に形成される、請求項8に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 前記第3の工程の後に、さらに、一部を前記配線膜に接続し、他部を前記基板片の外側に突出させるように接続端子を配置する第6の工程を含む、請求項8又は請求項9に記載の光通信モジュールの製造方法。
- 第1の面と第2の面との間に複数の貫通孔を有する基板の各貫通孔内に、支持部材を挿入する第1の工程と、
前記基板の第1の面に透光性樹脂膜と配線膜とからなる積層膜を少なくとも該透光性樹脂膜が上記複数の貫通孔を覆うように形成する第2の工程と、
前記透光性樹脂膜上の前記貫通孔に対応する部位にそれぞれ光素子を配置して、該光素子を前記配線膜に接続する第3の工程と、
前記基板を一の領域に少なくとも1の貫通孔を有するように小片化し、基板片を得る第4の工程と、
前記透光性樹脂膜、前記配線膜及び前記光素子を含んで前記基板片を、その第1の面側から第2の面側に渡って覆う封止材を形成する第5の工程と、
前記基板片から前記支持部材を取除く第6の工程と、
を含む、光通信モジュールの製造方法。
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- 2003-06-04 JP JP2003159566A patent/JP2004361630A/ja active Pending
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