JP3281488B2 - 発射ハンドル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、遊技機の遊技領域に遊
技球を発射する発射装置を操作するための発射ハンドル
に関する。

【０００２】

【従来の技術】パチンコ機やアレンジボール式パチンコ
機（アレパチ）等の、鋼製の遊技球を使用する遊技機で
は、その遊技領域に遊技球を発射する発射装置を操作す
るための発射ハンドルが装着されている。この発射ハン
ドルの回動部が回動されると発射装置が稼動を開始して
遊技球が発射され、回動部の時計廻りの回動量により発
射力の強弱が調節される構成となっている。また、発射
ハンドルには、回動部を反時計廻り方向に付勢するばね
が内装されており、回動部に対する遊技者の力が解除さ
れると回動部が原位置へ復帰する構成となっている。こ
うした従来の発射ハンドルは、回動部の軸やばね等を除
いて、ほぼ全体がプラスチック製であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面、
特に掌接部の表面が平滑であると、発射ハンドルを保持
する遊技者の手が滑り易かった。また上述のようにばね
の付勢力が作用しているので、ほぼ一定の強さで遊技球
を発射するために回動部を所望の回動位置に保持し続け
るには、この付勢力に抗して回動部に力を加え続けるこ
とが要求される。このように遊技者は、掌接部に接触さ
せた掌部分を支点とし、回動部の指掛に掛けた指を介し
て回動部を回動位置に保持する力を加えているが、支点
となる掌接部が滑り易いと回動部を所望の回動位置に保
持するためには大きな力が必要となり、遊技者の疲労は
少なからぬものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項１記載の発射ハンドルは、遊技機
の遊技領域に遊技球を発射する発射装置を操作するため
の発射ハンドルであって、遊技機本体に固定される固定
部と、前記遊技機本体から突出する掌接部と、突起状の
指掛を有し前記固定部と掌接部との間に回動自在に配さ
れた回動部とを備える発射ハンドルにおいて、前記掌接
部の表面に弾性ウレタン系塗料の塗膜を設けたことを特
徴とする。

【０００５】また、請求項２記載の発射ハンドルは、請
求項１記載の発射ハンドルにおいて、前記塗膜が艶消し
されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】上記の構成になる請求項１記載の発射ハンドル
では、遊技者の掌部分が接触する掌接部の表面に設けら
れた弾性ウレタン系塗料の塗膜により摩擦係数が増大さ
れている。掌接部と遊技者の掌部分との間の摩擦力が大
きくなるので、回動部を回動位置に保持するための支点
となる掌接部に大きな力を加える必要はなくなり、遊技
者の疲労は軽減される。

【０００７】また、請求項２記載の構成によれば、請求
項１記載の構成によると同様に作用する他に、表面の塗
膜を艶消しとすることで掌接部の摩擦係数はさらに増大
され、請求項１記載の構成による効果を一層良好にす
る。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の一実施例を説明する。図１に
示すように、発射ハンドル１０は、筒状の固定部１２を
備えており、この固定部１２の端部１２ａにてビス止め
されて図示しない遊技機本体に固定される。固定部１２
の他方の端部は大径の指触部１４となっている。この指
触部１４の一部には導電性のタッチ端１４ａが設けられ
ており、タッチ端１４ａは、発射ハンドル１０への遊技
者の接触を検出するために遊技機本体に組み付けられて
いる周知のタッチ回路（図示略）に接続される。

【０００９】指触部１４に隣接して、突起状の指掛１６
ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄを有する回動部１８が配さ
れている。この回動部１８は、固定部１２を貫通するシ
ャフト２０に連結されており、シャフト２０を軸として
回動可能である。なお、図示を省略するが、シャフト２
０は固定部１２に内蔵された軸受にて回動自在に軸支さ
れている。

【００１０】回動部１８に隣接して半球状の掌接部２２
が配されている。この掌接部２２は、図示しないピンを
介して固定部１２に連結、固定されており、内部には、
回動部１８を反時計廻り（矢印Ｌ）方向に付勢するばね
を収容している。掌接部２２には、商標等の装飾を施さ
れた装飾部２４が設けられており、この装飾部２４を除
いた表面には、２液型弾性ウレタン系塗料の艶消し塗膜
２６が設けられている。

【００１１】発射ハンドル１０は遊技者の右手で操作さ
れることを想定しており、指掛１６ａの凹み側に親指
を、指掛１６ｂを挟んで人差指と中指を、指掛１６ｃを
挟んで薬指を、指掛１６ｄに載せるようにして小指を、
それぞれ配置して、遊技者の右手が発射ハンドル１０を
握ると、掌部分は掌接部２２を取り囲むようにして掌接
部２２に接触する形状である。

【００１２】遊技者が、上述のように右手で発射ハンド
ル１０を握ると、いずれかの指がタッチ端１４ａに接触
するので、タッチ回路にて発射ハンドル１０への遊技者
の接触が検出される。次に、指掛１６ａ〜１６ｄを介し
て回動部１８を時計廻り（矢印Ｒ）に回動させると、そ
の回動量はシャフト２０を介して遊技機本体側へ伝達さ
れ、発射装置の発射力の強弱が調節される。

【００１３】この際、ばねの付勢力に抗して回動部１８
を所望の回動位置に保持するために、遊技者の手は、掌
接部２２に接触させた掌部分を支点として、回動部１８
の指掛１６ａ〜１６ｄに力を加えるが、支点となる掌接
部２２の表面の摩擦係数は塗膜２６により増大されてい
るので、掌接部２２と遊技者の掌部分との間の摩擦力は
大きくなる。このため、回動部１８を所望の回動位置に
保持するために、支点となる掌接部２２に加える力は少
なくて済み、遊技者の疲労は軽減される。しかも、塗膜
２６が艶消しとなっているので、掌接部２２の摩擦係数
は単なる弾性塗膜よりも大きく、疲労軽減の効果は一層
良好となっている。

【００１４】また、弾性ウレタン系塗膜は、耐擦傷性、
耐衝撃性、耐汗性に優れているので、ときに乱暴な扱い
を受けることもある掌接部２２の寿命を延長する効果も
併せ持つ。以上、実施例に従って、本発明について説明
したが、本発明はこのような実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実
施できることは言うまでもない。

【００１５】例えば、上述の例では装飾部を除いて弾性
ウレタン系の塗膜を設けているが、装飾部にも塗膜を施
しても差し支えない。また、適宜の領域を選択してスポ
ット状に施すことも可能である。要は、掌接部の遊技者
の手と接触しやすい位置に摩擦係数の大きい領域が形成
されればよいのであり、前面塗装、斑状、帯状など、任
意にできる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
射ハンドルによれば、発射ハンドルを操作する遊技者の
疲労は軽減される。また、請求項２記載の構成によれ
ば、塗膜を艶消しとすることで掌接部の摩擦係数はさら
に増大され、請求項１記載の構成による効果を一層良好
にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例の発射ハンドルの斜視図である。

【符号の説明】

１０・・・発射ハンドル、１２・・・固定部、１６ａ〜
１６ｄ・・・指掛、１８・・・回動部、２２・・・掌接
部、２６・・・塗膜。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊技機の遊技領域に遊技球を発射する発
   射装置を操作するための発射ハンドルであって、 遊技機本体に固定される固定部と、前記遊技機本体から
   突出する掌接部と、突起状の指掛を有し前記固定部と掌
   接部との間に回動自在に配された回動部とを備える発射
   ハンドルにおいて、 前記掌接部の表面に弾性ウレタン系塗料の塗膜を設けた
   ことを特徴とする発射ハンドル。
2. 【請求項２】 前記塗膜が艶消しされていることを特徴
   とする請求項１記載の発射ハンドル。