JP3281368B2 - 安定化トランスグルタミナーゼ組成物及び保存法 - Google Patents

安定化トランスグルタミナーゼ組成物及び保存法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は保存安定性にすぐれたトランスグルタミナー
ゼ(以下、TGaseと略記する)組成物及びTGaseの安定な
保存方法に関する。
(従来技術とその課題) 酵素には長期間保存すると活性の低下のみられるもの
がある。本発明者は、TGaseも保存により活性が低下し
やすいことを見出し、これを防止するため、低温保存に
拠るのが現状であった。しかしながら、低温保存には流
通や貯蔵段階で冷凍又は冷蔵設備とエネルギーコストを
要するという欠点があった。
そこで、本発明の目的は常温で長期間保存可能な安定
化TGase組成物を提供し、またTGaseを常温で長期間安定
に保存する方法の提供である。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、TGaseは特定の物質(安定剤)を添加することに
より及び/又は特定の状態での保存法を採用することに
より常温で長期間保存した後でも著しく安定であること
を見出し、この知見をもとに一連の発明からなる本発明
を完成した。
以下、本発明を逐次説明する。
本発明により安定化されるべきTGaseについては、そ
の起源は特に問わず、例えばモルモットの肝臓から分離
したもの(以下、MTGaseと略記する)、微生物が産生す
るもの(以下、BTGaseと略記する)、更には天然物、例
えば野菜、果実などの水抽出物液等、魚類などの水産物
の抽出液及び洗浄液等に含有されるものをあげることが
できる。MTGaseは、例えば特開昭58−149645号に記載の
方法で調製することができる。BTGaseは比較的最近発見
された酵素であって、その酵素特性、製造方法等につい
ては特開平1−27471に開示されている。そして、TGase
の純度についても問わない。すなわち、粗製物であれ、
組成して得られる高純度品であれ、同様に安定化され
る。
さて、本発明の第1は、トランスグルタミナーゼと、
(a)有機酸、そのアルカリ金属塩若しくはそのエステ
ル、(b)無機酸若しくはその塩、(c)ポリフェノー
ル、(d)チオール又は(e)糖アルコールである物質
の一とを、或いは(a′)有機酸、そのアルカリ金属塩
及びそのエステル、(b′)無機酸及びその塩、(c)
ポリフェノール、(d)チオール及び(e)糖アルコー
ルの5種の物質から選ばれる2種以上の物質とを含有す
ることを特徴とする安定化トランスグルタミナーゼ粗製
物に関する。
先ず、一の物質を安定剤として用いてTGaseを安定化
する方法について説明する。
有機酸、そのアルカリ金属塩若しくはそのエステルと
しては、クエン酸などのトリカルボン酸、そのNa塩及び
K塩、リンゴ酸、酒石酸及びL−グルタミン酸などのジ
カルボン酸、そのNa塩及びK塩、並びに没食子酸及びそ
のプロピルエステルが例示される。
無機酸若しくはその塩としては、無水亜硫酸、亜硫酸
水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウ
ム、メタ亜硫酸カリウム、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、重曹、硫酸マグネシウム及び硫酸カルシウムが
例示される。
ポリフェノールとしては、その起源や種類を限定され
るものではないが、タンニン、フラボノールが例示され
る。
チオールとしては、システィン及びグルタチオンが例
示される。
糖アルコールとしては、その種類を限定されるもので
はないが、ソルビトール、マンニトール、リビトール、
キシリトール、エリスリトール及びマルチトールが例示
される。
安定剤とトランスグルタミナーゼとを含有する組成物
の調製法はそれ自体公知の調製法によることができる
が、安定剤として有機酸、そのアルカリ金属塩若しくは
そのエステル、無機酸の塩、ポリフェノール又は糖アル
コールを使用する場合は、可能ならば次のようにしてTG
aseに安定剤を添加するとよい。すなわち、TGaseに安定
剤を添加する方法は、BTGaseの場合は、(1)BTGaseの
製造工程中で安定剤を添加する方法、(2)製造された
BTGase粉末に安定剤粉末を粉体混合する方法、及び
(3)製造されたBTGase粉末と安定剤を溶媒に分散させ
て混合し、次いで乾燥する方法などがあり、これらのい
ずれを用いてもかまわない。
詳述すると、(1)BTGaseの製造工程中で添加する場
合は、特開平1−27471に開示されている製造工程にお
いてBTGase生産のための培養終了後に添加する。添加の
時期は培養後であればいずれの時期においてもかまわな
い。しかし、BTGaseと安定剤が均一に分散するような攪
拌などを行うのが望ましい。この混合物を乾燥し、固形
(粉末、顆粒)状とすることができる。乾燥方法は限定
されるものではないが、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥
などが例示される。この場合、過度の加熱が、行われる
とBTGaseの活性が低下するので注意が必要である。
(2)製造されたBTGase粉末に安定剤粉末を粉体混合す
る場合は、混合機などを用いて行う。均一な混合ができ
るものであれば、混合機の種類は問わない。粉末の場
合、BTGaseと安定剤の接触面積は大きい方が好ましく、
よって、粒度は小さく且つ、BTGaseと安定剤の粒度が大
きく異ならない方が好ましい。又、混合時に造粒を行う
こともできる。但し、過度の加熱が行われるとBTGaseの
活性が低下するので、注意が必要である。(3)製造さ
れたBTGase粉末と安定剤を溶媒に分散させて混合する場
合は、水や緩衝液などの溶媒に安定剤とBTGaseを溶解又
は分散して均一に混合して、次いで乾燥する。又、安定
剤により前述の(1),(2),(3)と添加時期を変
えて添加することもできる。(1)や(3)において溶
液のpHが低くなりすぎる場合は、適当なアルカリ剤を用
いてpHを調整する。MTGaseなどBTGase以外のTGaseの場
合、上記のうち(2)及び(3)の方法に拠るとよい。
組成物に含有せしめられる安定剤の量は、トランスグ
ルタミナーゼに対し安定化効果を奏する量であればよい
わけであるが、有機酸、そのアルカリ金属塩及びそのエ
ステルについては、例えば、クエン酸(塩)、没食子酸
及びL−グルタミン酸ナトリウムの場合、TGaseに対し
0.01〜10,000重量%、好ましく0.1〜1,000重量%であ
る。これにより少ないと効果がみられず、多すぎるとTG
aseの単位重量あたの活性が低くなり、利用上好ましく
ない場合もある。無機酸の塩については、例えば、亜硫
酸水素アルカリ金属及び亜硫酸アルカリ金属塩の場合は
TGaseに対して0.0001〜100重量%、好ましくは0.001〜3
0重量%である。これより少ないと効果がみられず、又
多すぎると還元作用により酵素の変性がおきる場合があ
る。カルシウム及びマグネシウムの塩化物の場合は、TG
aseに対し0.01〜10,000重量%、好ましくは0.1〜1,000
重量%である。重曹の場合は、TGaseに対し0.01〜10,00
0重量%、好ましくは0.1〜1,000重量%である。ポリフ
ェノールについては、重曹の場合に同じである。チオー
ルについては、0.01〜10,000重量%、好ましくは0.1〜
1,000重量%である。糖アルコールについては、0.01〜1
00,000重量%、好ましくは0.1〜1,000重量%である。
次に、2種以上の物質を用いてTGaseのより高い安定
性を得る方法について説明する。
有機酸そのアルカリ金属塩及びそのエステル、無機酸
及びその塩、ポリフェノール、チオール並びに糖アルコ
ールの具体例は、前述の、一の物質を安定剤として用い
てTGaseを安定化する方法の場合と同じである。
2種以上の物質からなる安定剤とトランスグルタミナ
ーゼとを含有する組成物の調製は、一の物質を安定剤と
して用い、これとトランスグルタミナーゼとを含有する
組成物の調製法に準じて行なうことができる。
組成物に含有せしめられる安定剤の量は、トランスグ
ルタミナーゼに対して安定化効果を奏する量であればよ
いわけであるが、有機酸、そのアルカリ金属塩及びその
エステルについて、例えば、クエン酸(塩)などのトリ
カルボン酸(塩)及びL−グルタミン酸、L−グルタミ
ン酸ナトリウムなどのジカルボン酸(塩)の場合、TGas
eに対して0.01〜1,000重量%である。無機酸及びその塩
については、例えば、マグネシウム塩及びカルシウム塩
の場合、TGaseに対し同じく0.01〜1,000重量%である。
ポリフェノールについては、TGaseに対し0.01〜10,000
重量%である。チオールについては、TGaseに対し0.01
〜10,000重量%、好ましくは0.1〜1,000重量%である。
糖アルコールについては、TGaseに対し0.01〜100,000重
量%、好ましくは0.1〜1,000重量%である。
なお、クエン酸(塩)又はグルタミン酸ナトリウムと
没食子酸とは同じ有機酸、その塩及びそのエステルの種
類であり、又亜硫酸ナトリウム及び重曹は同じ無機塩の
種類ではあるが、組み合せて使用すると各単独で使用さ
れる場合に較べて顕著に向上した安定化をもたらす。
本発明の第2は、トランスグルタミナーゼが脱酸素剤
又は不活性ガス存在下で関連気体不透過性の材質の容器
に収容されていることを特徴とするトランスグルタミナ
ーゼの安定保存法に関する。
脱酸素剤としては、酸素を吸収するものであればいか
なるものでもかわまないが、例えば、三菱瓦斯化学
(株)製「エージレス(活性酸化鉄を成分とする脱酸素
剤)」を例示できる。
不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭
酸ガスなどが例示される。
関連気体とは、不活性ガスを使用する場合は当該不活
性ガスと酸素であり、不活性ガスを使用しない場合は酸
素ガスである。関連気体が不透過性の材質の容器を使用
する理由は、前者の場合は、容器内の不活性ガスを容器
外へ流出せしめず且つ容器外の空気中酸素を容器内に流
入せしめないためであり、後者の場合は容器外の空気中
酸素を容器内に流入せしめないためである。
本発明においては、いずれにしろ、酸素透過度の低い
酸素不透過性の容器を用いることが必要である。そのよ
うな容器は材質の酸素透過度が100ml/m2・atm・24hr以
下、好ましくは30ml/m2・atm・24hr以下であるような容
器である。容器はこのような条件を満たし、完全に密封
できるものであれば材質の種類は限定されないが、例え
ばガラス製のもの、鉄、アルミニウムなどの金属製のも
の、又アルミ箔、アルミ蒸着フイルム、ポリビニルアル
コール系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、ポバール系樹脂、アクリロニトル系樹脂製のもの等
が挙げられ、更に又ポリエステル/アルミ箔/ポリエチ
レンの3層構造製のもの、ポリ塩化ビニリデンコートナ
イロン/ポリエチレンの2層構造製のものなどが例示さ
れる。
不活性ガス及び酸素の両者に対して不透過性の材質の
容器としては、ガラス製のもの、金属製のものなどが例
示される。
安定保存のために脱酸素剤を使用する場合は、脱酸素
剤とTGaseをそれぞれ通気性材質の容器に一旦封入した
上で酸素不透過性材質の容器に収容すれば、互いが直接
接触するのを防ぐことができる。通気性材質としては、
セルロース、セルロースエステル、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどが例示される。これらは、フイ
ルム、ネットなどの形で容器とされる。
脱酸素剤は容器の容積に応じて容器内の酸素を完全に
吸収できるように十分量添加することが良いのは言うま
でもない。この際、容器内空気を排除しておくと更によ
いことはもちろんである。
安定保存のために不活性ガスを使用する場合は、例え
ば、TGaseを関連気体不透過性の材質の容器に収容し、
次いで容器内雰囲気を不活性ガスで置換し、容器を密封
するとよい。
本発明の第3は、第1発明に係わる安定化トランスグ
ルタミナーゼ組成物が脱酸素剤又は不活性ガス存在下で
関連気体不透過性の材質の容器に収容されていることを
特徴といる安定化トランスグルタミナーゼ組成物の保存
法に関する。
第3発明は、いわば第1発明と第2発明とを巧みに組
み合せたもので、この方法の実施については特に説明す
る必要はないと思うが、若干付言する。
すなわち、安定剤が糖アルコールである場合のTGase
の安定化法を例示すると、(1)TGaseに前述の糖アル
コールを添加する。添加の方法はTGaseと糖アルコール
を水などの溶媒に懸濁させ、次いで乾燥させる方法と粉
体のTGaseと粉体の糖アルコールを混合する方法のいず
れを用いてもかまわない。更にTGaseの製造工程中に添
加する方法でもかまわない。(2)TGaseと糖アルコー
ルの混合物を前述の酸素不透過性容器に脱酸素剤ととも
に入れる。脱酸素剤は容器の体積に応じて容器内の酸素
を完全に吸収できるように十分量添加することが必要で
ある。(3)(2)の容器を完全に密封する。容器が前
述のアルミ箔や合成樹脂のシートからできたものの場合
は、ヒートシールによって、簡単に密封する事が可能で
ある。脱酸素剤の代わりに不活性ガスを用いる場合に
は、(2)の段階で不活性ガスを封入し、容器を密封す
る。
糖アルコールとその他の種類の物質との組み合せ及び
糖アルコール以外の種類の物質間の組み合せの場合の安
定化法も上記の糖アルコールと脱酸素剤又は不活性ガス
との組み合せの場合に準じて又後記実施例に準じて行な
うことができる。
本発明の第4は、第1発明に係わる安定化トランスグ
ルタミナーゼ組成物が、前述の第3発明と異なり、脱酸
素剤又は不活性気体を使用することなく、単に酸素不透
過性の材質の容器に収容されていることを特徴とする安
定化トランスグルタミナーゼ組成物の保存法に関する。
安定化トランスグルタミナーゼ組成物を酸素不透過性
の材質の容器に収容、密封するに際しては、容器内の空
気はできるだけ排除すべきであることはもちろんであ
る。この方法の実施についてはこれ以上特に説明する必
要はないであろう。
(実施例) 以下、実施例により本発明を更に説明する。
各実施例において、BTGaseの活性測定は前記の特開平
1−27471に開示された方法に従った。即ち、ベンジル
オキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロ
キシルアミンを基質としてCa2+非存在下で反応を行い、
生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸共存下で鉄錯
体を形成させ525nmの吸収を測定し、ヒドロキサム酸の
量を検量線より求め活性を算出する。
<活性測定法> 試薬 A 0.2M トリス塩酸緩衝液(pH6.0) 0.1M ヒドロキシルアミン 0.01M還元型グルタチオン 0.03Mベンジルオキシカルボニル−L−グル
タミニルグリシン 試薬 B 3N 塩酸 12% トリクロロ酢酸 5% FeCl3・6H2O (0.1N−HClに溶解) 上記溶液の1:1:1の混合数を試薬Bとする。
酵素液の0.05mlに試薬Aを0.5ml加えて混合し37℃で1
0分間反応後、試薬Bを0.5ml加えて反応停止とFe錯体の
形成を行なった後、525nmの吸光度を測定する。対照と
してあらかじめ熱失活させた酵素液を用いて同様に反応
させたものの吸光度を測定し、酵素液との吸光度差を求
める。別に酵素液のかわりにL−グルタミン酸γ−モノ
ヒドロキサム酸を用いて検量線を作成し、前記吸光度差
より作成されたヒドロキサム酸の量を求め、1分間に1
μモルのヒドロキサム酸を生成する酵素活性を1単位と
した。
又、BTGaseも特開平1−27471に開示の方法によって
製造したものを用いた。
尚、以下の表1乃至表3および表5中の24℃、1年後
の活性は、各種安定化剤を加える前の粉末の値に換算し
て表示した。
実施例 1 BTGase(比活性1.0U/mg)1kgとソルビトール(東和化
成工業(株)製「ソルビット Wパウダー」)1kg又は
マルチトール(東和化成工業(株)「アマルテイ MR−
20」)1kgをホバートミキサーを用いて混合した。次い
でポリエステル/アルミ箔/ポリエチレン3層フイルム
で構成された袋に入れた。更に、脱酸素剤(三菱瓦斯化
学(株)製「エージレスZ−100」)を5個加えた。次
いで、袋のヘッドスペース部分をできるだけ少なくする
ことで袋内の空気量を最小にし、袋をヒートシールによ
って密封した。
このようにして安定化させたBTGaseを24℃で1年間保
存した。安定化効果の評価は保存後の比活性を測定する
ことにより行なった。
保存したBTGaseの活性測定結果を表1に示した。な
お、安定化剤を用いずに保存したものをコントロールと
した。
脱酸素剤、ソルビトール、マルチトールの各単独使用
でも効果があったが、特に脱酸素剤とソルビトール又は
マルチトールを組み合わせて添加することによりTGase
を著しく安定化することが出来た。
実施例 2 BTGase(比活性2.0U/mg)1kgと塩化マグネシウム10
g、塩化カルシウム10g、クエン酸ナトリウム10g、シス
ティン10g又はグルタチオン10gを水道水に懸濁した。次
いでこれを凍結乾燥し、乾燥物を得た。この乾燥物をポ
リ塩化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレン2層フ
イルムで構成された袋に入れた。更に、脱酸素剤(三菱
瓦斯化学(株)製「エージレスZ−100」)を3個加え
た。次いで、袋のヘッドスペース部分をできるだけ少な
くすることで袋内の空気量を最小にし、袋をヒートシー
ルによって密封した。
このようにして安定化させたBTGaseを24℃で1年間保
存した。安定化剤効果の評価は実施例1と同様に保存後
の比活性を測定することにより行なった。
保存したTGaseの活性測定結果を表2に示した。な
お、安定化剤を用いずに保存したものをコントロールと
した。
脱酸素剤、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、クエ
ン酸ナトリウム、システイン、グルタチオンの各単独使
用でも効果があったが、特に脱酸素剤と塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、クエン酸ナトリウム、システィン
又はグルタチオンを組み合わせて添加することによりTG
aseを著しく安定化することが出来た。
実施例 3 特開平1−27471の方法により生産されたBTGase培養
液(活性0.5U/ml)をエタノール分離した沈澱物に表3
に示した安定化剤それぞれ1種又は2種を加え、混合機
により均一に混合した。次いでこれを減圧乾燥し、BTGa
se粉末(比活性1.0U/mg)を得た。このBTGase粉末を脱
酸素剤を加えない以外は実施例1におけると同様にして
同様の袋に収容した。
このようにして安定化させたBTGaseを24℃で1年間保
存した。安定化効果の評価は実施例1と同様に保存後の
比活性を測定することにより行った。
保存したBTGaseの活性測定結果を表3に併記した。な
お、安定化剤を用いずに保存したものをコントロールと
した。表3に示されるように、コントロールに比較して
本発明のものはそれぞれ有意に効果のあることが確認で
きた。
表3において、安定剤添加量はBTGase固形分に対する
上乗せ重量%で示す。
実施例 4 特開平1−27471の方法により生産されたBTGase培養
液(活性1.0U/ml)をエタノール分離した沈澱物に表4
に示した安定剤のうち、亜硫酸ナトリウム、ポリフェノ
ール、没食子酸、塩化マグネシウム、クエン酸ナトリウ
ム及びシステインをそれぞれ加え、混合機により均一に
混合した。次いでこれを減圧乾燥し、BTGase粉末(比活
性2.0U/mg)6種を得た。得られた粉末にソルビトール
粉末又はマルチトール粉末を粉体混合機を用いて均一に
撹拌混合した。このようにして得られた表4に示す各種
のサンプル(コントロールを含めて計10種)の粉末を脱
酸素剤を加えない以外は実施例1におけると同様にして
同様の袋に収容した。
このようにして安定化させたBTGaseを24℃で1年間保
存した。安定化効果の評価は実施例1と同様に保存後の
比活性を測定することにより行った。
保存したBTGaseの活性測定結果を表4に併記した。な
お、安定化剤を用いずに保存したものをコントロールと
した。表4に示されるように、コントロールに比較して
本発明のものはそれぞれ有意に効果のあることが確認で
きた。
尚、表中での24℃、1年後の活性は、混合機により均
一に混合し、減圧乾燥して得られたBTGase粉末の値に換
算して表示した。
安定剤添加量は、表3におけると同じくBTGase固形分
に対する上乗せ重量%で示す。
実施例 5 水道水各900mlに表5に示したように安定剤それぞれ
1又は2種を加え、溶解させた。次いで特開平1−2747
1の方法により生産されたBTGase粉末(比活性2.0U/mg)
各100gを加え、均一に分散させた。この分散液を凍結乾
燥した。このようにして得られた7種の凍結乾燥物を脱
酸素剤を加えない以外は実施例1におけると同様にして
同様の袋に収容した。
このようにして安定化させたBTGase乾燥粉末を24℃で
1年間保存した。安定化効果の評価は実施例1と同様に
保存後の比活性を測定することにより行った。
保存したBTGaseの活性測定結果を表5に併記した。な
お、安定化剤を用いずに保存したものをコントロールと
した。表5に示されるように、コントロールに比較して
本発明のものはそれぞれ有意に効果のあることが確認で
きた。
安定剤添加量は表3におけると同じくBTGase固形分に
対する上乗せ重量%で示す。
(発明の効果) 本発明により常温で長期保存可能な安定化トランスグ
ルタミナーゼ組成物が提供されるところとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本木 正雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 添田 孝彦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 安藤 裕康 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城 屋敷51 天野製薬株式会社中央研究所内 (72)発明者 梅田 幸一 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城 屋敷51 天野製薬株式会社中央研究所内 (72)発明者 松浦 明 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城 屋敷51 天野製薬株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−204407(JP,A) 特開 平2−169511(JP,A) 特開 平2−23866(JP,A) 特開 昭64−27471(JP,A) 特開 昭62−111686(JP,A) 特開 昭62−19514(JP,A) 特開 昭61−67497(JP,A) 特開 昭60−49783(JP,A) 特開 昭59−25684(JP,A) 特開 昭57−68787(JP,A) 特開 昭56−35985(JP,A) 特開 昭52−117488(JP,A) 特開 昭51−54978(JP,A) 特開 昭57−29287(JP,A) 特開 平2−104297(JP,A) 特公 昭46−37866(JP,B1) 特公 昭38−26937(JP,B1) 丸尾文治 外1名監修,「酵素ハンド ブック」,1983年3月1日 株式会社朝 倉書店発行,第263頁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物が産生するトランスグルタミナーゼ
    の製造工程において、該トランスグルタミナーゼ生産の
    ための培養終了後にシステインまたはグルタチオンを添
    加した後乾燥し、固形状の組成物を得ることを特徴とす
    る安定化トランスグルタミナーゼ組成物の調製法。
  2. 【請求項2】システインまたはグルタチオンに加えて塩
    化マグネシウムまたは塩化カルシウムを添加する請求項
    1記載の安定化トランスグルタミナーゼ組成物の調製
    法。
JP33968590A 1990-11-30 1990-11-30 安定化トランスグルタミナーゼ組成物及び保存法 Expired - Lifetime JP3281368B2 (ja)

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