JP3280685B2 - 異方導電性接着樹脂層及びその製造方法 - Google Patents

異方導電性接着樹脂層及びその製造方法

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  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性接着樹脂の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置により薄く、より小型
に実装する方法として、半導体パッケージを半田を用い
て実装する方法に代わり、半導体素子をベアチップのま
ま基板に実装する方法や、基板同士を接続する種々の方
法が開発されている。
【0003】その一つに、図9に示すような有機高分子
の接着シート1内に導電粒子2を分散させた異方導電性
接着シートを用い、図10に示すように半導体素子と基板
を接続する方法、また図11に示すように基板同士を接続
する方法がある。図10は、半導体素子3のA1電極部分
に形成された突起電極4が、接着シート1を押し退け、
シート1内に分散している導電粒子2を介して基板5上
の配線6と接続する構造になっている。図11も同様に、
基板5上の配線6と基板7上の配線8とが、導電粒子2
を介して接続される構造となっている。
【0004】従来の異方導電性接着樹脂層は、数μm〜
数十μmの大きさの導電粒子と樹脂とを、所定の割合で
混合して3本ロールミルなどで混練し、これを圧延ロー
ルやブレードを通して一定の厚さにし、ポリエステルな
どの剥離フィルム上にコーティングし、乾燥させて製造
する方法や、混練後ペースト状になっている樹脂をスク
リーン印刷技術を用いてシート状に印刷し、乾燥させて
製造していた。あるいはペースト状態で製品にしていた
ものもある。従って、導電粒子は接着樹脂層中にランダ
ムに混入されることになり、単位面積当りに存在する粒
子の数にばらつきを生じたり、また、導電粒子が凝集し
てしまうことも多かった。
【0005】導電粒子の分散にばらつきや凝集などがあ
ると、接続のピッチを細かくした場合に、半導体素子と
基板の接続や、基板と基板の接続において隣接電極間や
配線間で短絡してしまうショートの発生や、逆に接続部
分に導電粒子が存在せずに導通が取れないオープンの発
生等の問題があり、微細ピッチの接続は困難である。な
お、図10にはオープンの様子を示し、図11にはショート
に近い状態を示している。
【0006】また、導電粒子2は一般に接着樹脂層中に
埋設されており、樹脂層の厚み方向の導通をとるには、
樹脂層1に大きな接合加重をかける必要がある。このた
めに従来、半導体素子3に突起電極4を形成し、突起電
極4と配線6との間でシート1を十分に押し付けてい
た。
【0007】しかしながら、半導体素子に突起電極を形
成することは工程が増えると共に、歩留りの低下を招く
等の問題がある。さらに、半導体素子が樹脂を押し退け
導電粒子とコンタクトを取るために、接合加重を高くす
る必要がある。接合加重が高くなると、電極部分の下層
のパッシベーションにクラックを生じさせ、半導体素子
の信頼性を低下させる要因となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の異
方導電性接着樹脂層では、導電粒子の分散にばらつきや
凝集があるため、接続ピッチが細かくなるとショートや
オープンが生じる問題があり、微細ピッチの接続が難し
かった。
【0009】また、従来の異方導電性接着樹脂層では、
半導体素子を実装する際に、半導体素子に突起電極を設
ける必要があり、コストの上昇を招く。さらに、接合加
重を大きくする必要があり、これが半導体素子の信頼性
を低下させる要因となっていた。
【0010】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、導電粒子を均等に分散
させることができ、微細ピッチの接続を可能にする導電
性接着樹脂の製造方法を提供することにある。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、導電性粒子を摩擦する摩擦工程と、前記摩
擦工程の後に、前記導電性粒子と絶縁性の接着樹脂とを
混合する工程とを備えることを特徴とする導電性接着樹
脂の製造方法である。
【0013】
【0014】また、導電性粒子にコロナ放電を施す放電
工程と、前記放電工程の後に、前記導電性粒子と絶縁性
の接着樹脂とを混合する工程とを備えることを特徴とす
る導電性接着樹脂の製造方法である。また、導電性粒子
を帯電させる帯電工程と、帯電している前記導電性粒子
を、前記導電性粒子とは逆の電荷を持つように帯電して
いる所定の支持体に転写させる工程と、所定の接着樹脂
層の裏面側に電荷をかけ、前記導電性粒子を前記接着樹
脂層の表面に付着させる工程と、前記導電性粒子を前記
接着樹脂層内部に埋め込む工程とを備えることを特徴と
する導電性接着樹脂の製造方法である。
【0015】本発明によれば、導電粒子を帯電させるこ
とにより、導電粒子同士に反発力が作用し、この反発力
により導電粒子はより均一に分散される。従って、導電
粒子の分散のばらつきや凝集に起因する接続の際のショ
ートの発生やオープンの発生を未然に防止することがで
き、微細ピッチの接続を確実に行うことができる。
【0016】また、本発明(請求項2,3)によれば、
導電粒子を帯電させることにより、導電粒子同士に反発
力が作用し、この反発力により導電粒子は一定の間隔で
分散される。若しくはばらつきが少なくなる。従って、
導電粒子の分散のばらつきや凝集に起因する接続の際の
ショートの発生やオープンの発生を未然に防止すること
ができ、微細ピッチの接続を確実に行うことが可能とな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 <実施例1>
【0018】図1(a) は本発明の第1の実施例に係わる
異方導電性接着樹脂層を示す断面図である。この異方導
電性接着樹脂層は、有機高分子体の薄い接着樹脂層11と
微小導電粒子12から構成されている。導電粒子12は、接
着樹脂層11に導電粒子同士が接触することなく分散され
た構造になっている。あるいは、図1(b) に示すように
ペースト状になっている。
【0019】ここで、接着樹脂層11は、どのような樹脂
を主成分としても構わない。例えば、熱可塑性の樹脂で
あればスチレンブタジエン系樹脂、熱硬化性であればエ
ポキシ樹脂等がある。本実施例では、接続後の信頼性を
考慮し、接着シートの主成分としてエポキシ樹脂を用い
た。この接着樹脂層11に導電粒子12を分散させる方法
は、以下のようにして行う。まず、導電粒子12を摩擦帯
電やコロナ放電によって帯電させる。これによって導電
粒子同士は反発しあい、帯電量に比例した一定の間隔で
分散する。この帯電し分散している導電粒子12を接着樹
脂11と所望の割合で混合し、混練する。混練したままで
はペースト状であるが、ペースト状態で半導体素子の接
続等に用いることもできる。あるいは混練した後、スク
リーン印刷や圧延ローラ,ブレードを通す方法で厚さを
略均一にし、ポリエステルなどの剥離フィルム上に印刷
やコーティングしシート状にすることもできる。ペース
ト状のものも最終的にはスクリーン印刷やディペンサー
によって一定量塗布することになる。また、導電粒子12
と接着樹脂11を混合せずに、最後に接着樹脂層11に導電
粒子12を転写させ異方性導電接着樹脂を製造する方法も
ある。
【0020】本実施例では接着樹脂層11としてシート状
のものを用い、この転写を利用する方法を用いた。接着
樹脂層11は従来技術を用いて製造した厚さ約20μmのシ
ートを用いた。一方、基板やロール等の支持体を、導電
粒子12とは逆の電荷を持つようにコロナ放電などにより
帯電させる。支持体は絶縁層で構成され、全面に渡り略
一定に帯電させたものや、導電層と絶縁層がパターニン
グされ選択的に帯電させたものや、セレンなどのように
コロナ放電後、光を照射することで選択的に帯電させる
ことができるものを用いる。
【0021】次に、帯電している支持体に導電粒子12を
電気的吸引力で転写させる。また支持体を選択的に帯電
させることができることより導電粒子をランダムではな
く、例えば半導体素子の電極に対応する部分など、ほぼ
所望の分布で転写させることができる。次に接着樹脂層
11の裏面に支持体より強い電荷をかけ支持体に転写させ
た導電粒子12を接着樹脂層11側に再度転写する。このよ
うに転写された導電粒子12を加熱し、接着樹脂11に押し
つけることによりシート状分解能で高い異方導電性接着
樹脂層を製造することができる。
【0022】ここで、導電粒子12は裏面が導電性を示す
ものであればどのような材質であっても構わない。例え
ば金、ニッケル、半田、銅等の金属粒、及び樹脂粒、ガ
ラス粒等の絶縁物にニッケル,金,銀などの金属をコー
ティングし導電性を保たせたものであってもよい。絶縁
物に金属コーティングしたものは、金属粒よりも質量が
軽いので、導電粒子同士が接触せずに分散させ易いこと
や、帯電後転写させ易いことや、粒径を均一にできる特
徴がある。導電粒子13の大きさは任意でもよいが、図1
(a) の構成を考え、本実施例では樹脂粒にニッケルコー
ティングした7.5 ±2.5 μmの導電粒子とした。
【0023】このシート状の異方導電性接着樹脂層を用
い、図2に示すように、半導体素子と基板を接続した。
即ち、図2(a) に示すように、異方導電性接着樹脂層を
挾んで半導体素子13と基板15を対向させ、図2(b) に示
すようにこれらを押し付けることにより、半導体素子13
の突起電極14と基板15の配線16とを接続した。具体的に
は、電極ピッチ100 μmの半導体素子13を150 ℃に加熱
し、圧力30kg/chip 、時間2分でガラス基板15と接続
し、ショートやオープンのない半導体装置を得ることが
できた。ガラス基板15は液晶パネルに用いられているも
のと同様で、ITO配線16が形成されている。
【0024】また、同様にシート状の異方導電性接着樹
脂層を用いて、図3に示したように、このシートを介し
て基板上15の配線16と別の基板17上の配線18とを接続し
た。本実施例では、基板15としてのフレシキブルのプリ
ント基板に銅の配線16が施されたものを用い、基板17と
して液晶パネルに用いられるものと同じ、ガラス基板に
ITOの配線18が形成されているものを用いた。これら
の基板の配線ピッチは100 μmである。接合圧力は20kg
f 、ボンディングツール温度を150 ℃として行った。こ
の場合も、ショートやオープンのない半導体装置を得る
ことができた。以上の実施例ではガラス基板を用いた
が、他にガラエポ基板,アルミナ基板,アラシド基板な
ど多くの絶縁基板を用いることもできる。また配線とし
てITOを用いたが、Au,Ni,Al,Cu等多くの
金属配線を用いることもできる。
【0025】このように本実施例では、導電粒子12を凝
集させることなく、また導電粒子同士を接触させること
なく接着樹脂層11に分散させているので、接続電極部分
に導電粒子がないために生じるオープンや、逆に導電粒
子が密集しすぎで生じる隣接電極間でのショートをなく
すことができる。このため、微細ピッチの接続が可能と
なり、半導体装置より薄く、より小型に実装することが
でき、その有用性は絶大である。 <実施例2>
【0026】図4は本発明の第2の実施例方法に使用し
た導電粒子転写装置を模式的に示す図である。図中21は
導電粒子12を充填した容器であり、この容器21内の導電
粒子12は摩擦等により帯電されている。容器21内の導電
粒子12は、導電粒子12と逆に帯電したドラム22に付着さ
れ、このローラ(支持体)22に付着された導電粒子12は
接着樹脂層11上に転写されるものとなっている。
【0027】異方導電性接着樹脂層は、薄い接着シート
状の樹脂層と微小導電粒子とから構成されている。ここ
で、接着樹脂層11の材料としては、第1の実施例と同様
に、熱可塑性の樹脂や熱硬化性の樹脂を用いることがで
きるが、本実施例では接着樹脂層の主成分としてエポキ
シ樹脂を用いた。接着樹脂層11の製造は、第1の実施例
と同様にした。また、導電粒子12は表面が導電性を示す
ものであれば、どのような材質であってもよいが、本実
施例では、平均粒径7.5 ±2.5 μmのニッケル粒を用い
た。次に、本実施例に係わる異方導電性接着樹脂層の具
体的な製造方法について説明する。
【0028】まず、図4に示す装置を用い、容器21内の
導電粒子12を摩擦等により帯電させる。これによって、
導電粒子同士は反発し合い、帯電量に比例した一定の間
隔で分散する。一方、支持体としてのドラム22を導電粒
子12とは逆の電荷を持つようなコロナ放電などにより一
様に帯電させる。このように帯電しているドラム22に導
電粒子12を電気的吸引力で転写させる。
【0029】次いで、接着樹脂層11の裏面にドラム22よ
り強い電荷をかけドラム22に転写された導電粒子12を接
着樹脂層側に再度転写する。これにより、図5(a) に示
すように接着樹脂層11上に導電粒子12が均等に分散配置
されることになる。
【0030】ここで、支持体としては、複写機のドラム
のような回転体に限らず、絶縁層からなる基板やロール
を用いることもできる。また、支持体は全面に渡り略一
定に帯電させたものに限らず、導電層と絶縁層がパター
ニングされ選択的に帯電させたものや、セレンなどのよ
うにコロナ放電後、光を照射することで選択的に帯電さ
せたものを用いることもできる。支持体を選択的に帯電
させた場合、導電粒子をランダムではなく、例えば半導
体素子の電極に他応する部分など、ほぼ所望の分布で転
写させることができる。
【0031】次いで、導電粒子12を加熱されたヘッドを
備えた装置で、接着樹脂層11に押し付けることにより、
図5(b) に示すように、導電粒子12は分散配置さた状態
で接着樹脂層11内に埋め込まれることになる。
【0032】このようにして作製した異方導電性接着樹
脂層を用い、前記図2に示すようにして、半導体素子と
基板を接続した。即ち、図2(a) に示すように、異方導
電性接着樹脂層を挾んで半導体素子13と基板15を対向さ
せ、図2(b) に示すようにこれらを押し付けることによ
り、半導体素子13の突起電極14と基板15の配線16とを接
続した。これにより、ショートやオープンのない半導体
装置を得ることができた。
【0033】また、上記と同様にして異方導電性接着樹
脂層を製造し、前記図3に示したように、この接着樹脂
層を介して基板上15の配線16と別の基板17上の配線18と
を接続した。この場合も、ショートやオープンのない半
導体装置を得ることができた。
【0034】このように本実施例によれば、導電粒子12
を予め帯電させ導電粒子同士の反発力を利用して、導電
粒子12が均一に分散された状態で接着樹脂層11に転写し
ている。このため、接着樹脂層11内の導電粒子12が均等
に分散した異方導電性接着樹脂層を形成することができ
る。そして、この異方導電性接着樹脂層を用いて、半導
体素子と基板又は基板同士を接続した場合、導電粒子12
が均等に分散されていることから、ショートやオープン
を招くことなく良好な接続を行うことができる。
【0035】なお、本実施例では一旦接着樹脂層とは別
の部材(支持体)に導電粒子を分散被着させたのち、接
着樹脂層に導電粒子を転写するようにしたが、帯電した
導電粒子を接着樹脂層に直接に分散被着するようにして
もよい。また、接着樹脂層を形成するための樹脂と帯電
した導電粒子を混練して、これをシート状に延ばすよう
にしてもよい。この場合も、無帯電の導電粒子を用いる
よりは導電粒子同士の反発力により分散均一化が向上す
る。また、接着樹脂は必ずしも有機高分子材料に限るも
のではなく、絶縁材料であれば用いることが可能であ
る。 <実施例3>
【0036】図6は本発明の第3の実施例に係わる異方
導電性接着樹脂層を示す断面図である。この異方導電性
接着樹脂層は、有機高分子体の薄い接着樹脂層11と微小
導電粒子12から構成されている。そして、導電粒子12
は、接着樹脂層11の一方の面から突起状に出た構造とな
っている。
【0037】ここで、接着樹脂層11の材料としては、第
1の実施例と同様に、熱可塑性の樹脂や熱硬化性の樹脂
を用いることができるが、本実施例では接着樹脂の主成
分としてエポキシ樹脂を用いた。接着樹脂層11の製造工
程は第1の実施例と同様とし、また厚さは20μmとし
た。導電粒子12は表面が導電性を示すものであれば、第
1の実施例で説明したようにどのような材質であっても
よい。導電粒子12の大きさは任意でよいが、第6図の構
成を考え、本実施例では25±3μmとした。
【0038】この接着樹脂層11に導電粒子12を分散させ
る方法は、以下のようにして行った。まず、導電粒子12
を摩擦帯電により帯電させる。これによって、導電粒子
同士は反発し合い、帯電量に比例した一定の間隔で分散
する。一方、基板やロール等の支持体を、導電粒子12と
は逆の電荷を持つようにコロナ放電などにより帯電させ
る。支持体は絶縁層で構成され、全面に渡り略一定に帯
電させたものや、導電層と絶縁層がパターニングされた
選択的に帯電させたものや、セレンなどのようにコロナ
放電後、光を照射することで選択的に帯電させることが
できるものを用いる。 本実施例では、図8に示すよう
な導電粒子転写装置を用いた。この装置では、帯電させ
た導電粒子12を容器21内に充填しておき、支持体として
のドラム22に回転により導電粒子12をドラム22の周面に
転写する。ドラム22の帯電を上記のように選択的に行え
ば、導電粒子12を選択的に転写させることができる。
【0039】このようにして選択的に帯電しているドラ
ム22に導電粒子12を電気的吸引力で転写させる。また、
選択的に帯電させることができることにより、導電粒子
12をランダムではなく、例えば半導体素子の電極の対応
する部分など、ほぼ所望の分布で転写させることができ
る。さらに、導電粒子12は必ずしも隣接する導電粒子を
全てにおいて離間させる必要はなく、一部において接触
していても何等問題はない。本実施例では半導体素子の
電極に対応する部分に導電粒子12を分散させた。
【0040】次いで、接着樹脂層11の裏面にドラム22よ
り強い電荷をかけ、ドラム22に転写された導電粒子12を
接着樹脂層11側に再度転写する。これにより、接着樹脂
層11上に導電粒子12が選択的に分散配置されることにな
る。
【0041】次いで、導電粒子12を加熱し、接着樹脂層
11に押し付けることにより、図6に示すように、導電粒
子12は接着樹脂層11内に埋め込まれることになる。ここ
で、押し付け量を制御することにより、少なくとも導通
が得られる軸に垂直な一方の面の導電粒子12が接着樹脂
層11より突起状に出ている異方導電性接着樹脂層を形成
することができる。また、導電粒子12の粒径を接着樹脂
層11の厚みにより大きくすることで、接着樹脂層11の少
なくとも一方の面より突き出た異方導電性接着樹脂層を
容易に形成することができる。
【0042】この異方導電性接着樹脂層を用いて図7に
示すように、半導体素子と基板を接続した。即ち、異方
導電性接着樹脂層を挾んで半導体素子13と基板15とを対
向させ、これらを押し付けることにより、半導体素子13
の電極14a と基板15の配線16とを接続した。具体的に
は、電極ピッチ130 μmで突起電極のない半導体素子13
を、接続温度150 ℃圧力5kg/chip 、時間2分で基板15
と接続し、ショートやオープンのない半導体装置を得る
ことができた。
【0043】このとき、従来のように半導体素子13の電
極14a 上にさらに突起電極14を形成しなくても接続を取
ることが可能であった。これは、電極14a が接着樹脂層
11より付き出した導電粒子12に当たることで電極14a と
導電粒子12の導通が取れ、さらに圧力を加えることで導
電粒子12と基板15上の配線16の導通が取れるようになる
からである。
【0044】また、加える圧力は従来の異方導電性接着
樹脂層を用いることよりも低くすることができ、このと
き導通の取れない電極はなく、また半導体素子に損傷を
与えず信頼性良く接続できるようになった。さらに、上
述のように導電粒子を選択的に分散させることにより、
接続電極部分に導電粒子がないために生じるオープン
や、逆に導電粒子が密集しすぎで生じる隣接電極間での
ショートがなくなった。その後、一定の条件で接着樹脂
層を硬化させることで、封止構造の半導体装置を得るこ
とができた。
【0045】なお、本実施例では、導電粒子を接着樹脂
層の一方の面から突出させたが、両方の面から突出させ
るようにしてもよい。また、導電粒子の配置は必ずしも
電極位置等に対応させて選択的に行う必要はなく、均等
に分散させたものであってもよい。さらに、導電粒子を
選択的に配置しない場合は、導電粒子の帯電を省略する
ことも可能である。
【0046】本発明によれば、導電粒子を帯電させるこ
とにより、導電粒子同士に反発力が作用し、この反発力
により導電粒子をより均一に分散させることができる。
従って、より微細ピッチの接続を信頼性良く行うことが
可能となる。
【0047】また、本発明(請求項2,3)によれば、
接着樹脂層内の導電粒子を均一に分散させることによ
り、導電粒子の分散のばらつきや凝集に起因する接続の
際のショートの発生やオープンの発生を未然に防止する
ことができる。さらに、導電粒子を帯電させることによ
り、導電粒子同士に反発力を作用させ、この反発力によ
り導電粒子をより均一に分散させることができる。従っ
て、より微細ピッチの接続を信頼性良く行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例に係わる異方導電性接着樹脂層
を示す断面図。
【図2】 図1の異方導電性接着樹脂層を用いた半導体
素子と基板との接続の様子を示す断面図。
【図3】 図1の異方導電性接着樹脂層を用いた基板同
士の接続の様子を示す断面図。
【図4】 第2の実施例に使用した導電粒子転写装置を
示す模式図。
【図5】 第2の実施例に係わる異方導電性接着樹脂層
の製造工程を示す断面図。
【図6】 第3の実施例に係わる異方導電性接着樹脂層
を示す断面図。
【図7】 図6の異方導電性接着樹脂層を用いた半導体
素子と基板との接続の様子を示す断面図。
【図8】 図6の異方導電性接着樹脂層の製造に使用し
た導電粒子転写装置を示す模式図。
【図9】 従来の異方導電性接着樹脂層の問題点を説明
するための断面図。
【図10】 従来の異方導電性接着樹脂層の問題点を説
明するための断面図。
【図11】 従来の異方導電性接着樹脂層の問題点を説
明するための断面図。
【符号の説明】
11…接着樹脂層、 12…導電粒子、 13…半
導体素子、14…突起電極、 14a…電極、
15,17…基板、16,18…配線、 21…容
器、 22…ローラ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01R 43/00 H01R 43/00 H H05K 1/14 H05K 1/14 J // H05K 3/32 3/32 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 11/01 H01R 43/00 H01R 4/04 H01B 5/16 H01L 21/60 H05K 3/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性粒子を摩擦する摩擦工程と、 前記摩擦工程の後に、前記導電性粒子と絶縁性の接着樹
    脂とを混合する工程とを備えることを特徴とする導電性
    接着樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性粒子にコロナ放電を施す放電工程
    と、 前記放電工程の後に、前記導電性粒子と絶縁性の接着樹
    脂とを混合する工程とを備えることを特徴とする導電性
    接着樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性粒子を帯電させる帯電工程と、 帯電している前記導電性粒子を、前記導電性粒子とは逆
    の電荷を持つように帯電している所定の支持体に転写さ
    せる工程と、 所定の接着樹脂層の裏面側に電荷をかけ、前記導電性粒
    子を前記接着樹脂層の表面に付着させる工程と、 前記導電性粒子を前記接着樹脂層内部に埋め込む工程と
    を備えることを特徴とする導電性接着樹脂の製造方法。
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