JP3278816B2 - 白金及び白金合金用ろう材 - Google Patents

白金及び白金合金用ろう材

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JP3278816B2 JP17468593A JP17468593A JP3278816B2 JP 3278816 B2 JP3278816 B2 JP 3278816B2 JP 17468593 A JP17468593 A JP 17468593A JP 17468593 A JP17468593 A JP 17468593A JP 3278816 B2 JP3278816 B2 JP 3278816B2
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聖裕 藤原
幸記 佐々木
信雄 石井
孝志 堀川
和明 小山
悟 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、白金、及び、白金合
金製の時計バンド,指輪,ネックレース等の装身具、及
び、各種精密機械器具の構造材料等の接合に用いられる
ろう材の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、白金、及び、白金合金製の
時計バンド,指輪,ネックレース等の装身具、及び、各
種精密機械器具や装置類の構造材料はその審美的外観、
或いは、利用目的、更には、構造的要因等により素材
(母材)自体を接合する態様が多い。
【0003】又、この接合を行う手段には従来よりシー
ラント等の所定の工業接着剤を用いる態様もあるが、所
謂ろう材を用いるろう付手段が一般的であり、より具体
的には酸素ガスと都市ガスの混合ガスの炎加熱によるろ
う付、或いは、電気炉加熱によるろう付手段が広く用い
られており、その際の加熱温度は金属学的要因、或い
は、作業性等の観点から1000℃以下が好ましいとさ
れている。
【0004】そして、かかる接合に用いられるろう材の
材質、特に、白金、及び、白金合金の母材の接合用とし
ては一般に金合金、或いは、パラジウム合金が用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】而して、これらに用い
られている1つのろう材としての金合金は、比較的低融
点を有することから、ろう付作業性が比較的良好である
ものの、亜鉛,カドミウム等が多量に含まれているため
に、ろう付作業時にこれらの添加元素と母材白金とが反
応し、ろう付境界部に脆い拡散層が形成され、製品の機
械的強度が弱くなる欠点を有し、又、母材白金との濡れ
性も悪く、接合性が乏しくなるという難点があり、更に
はろう付部の表面粗さが大きいという不具合があり、加
えて、ろう付後に必要とされる酸洗処理によりろう材が
変色する不都合さがあり、そのうえ、母材である白金、
及び、白金合金と色調的に異和感があり、したがって、
美的になじみ性が悪いという点があった。
【0006】そして、価格的にも低コスト化が図れない
というデメリットがあった。
【0007】又、他の1つのろう材であるパラジウム合
金はニッケル,銅,銀等を含む合金であるがために融点
が高いことから、ろう付作業性が悪いという欠点があ
り、又、母材白金との濡れ性も不良で接合性に乏しい難
点があり、更にはろう付部の表面粗さが大きい不具合が
あり、そのうえ、上述金合金同様母材である白金、及
び、白金合金と色調的に異和感を伴う審美上のなじみ性
の悪さがあった。
【0008】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく母材白金,白金合金に対するろう材の問題点を解
決すべき技術的課題とし、低融点でろう付作業性が良
く、又、母材白金,白金合金との濡れ性が良く、接合性
に優れ、そのため、充分な機械的強度を有し、しかも、
ろう付部の表面粗さが小さく、加えて、ろう付後必要と
なる酸洗処理作業にあっても変色することがなく、更に
は色調的に該母材白金、及び、白金合金と同様でなじみ
性が良く、低コスト化も図れるようにして金属製品製造
産業における接合技術利用分野に益する優れた白金、及
び、白金合金用ろう材を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、重量配合比で白金4
0.0〜68.0%未満,アンチモン19.0〜35.
0%,パラジウム5.0〜30.0%であって、残部不
純物より成る合金が低融点で、又、母材白金、及び、白
金合金との濡れ性が良く、接合性に優れ、充分な機械的
強度を有し、しかも、ろう付部の表面粗さが小さく、更
に色調的にも母材白金、及び、白金合金と同様でなじみ
性が良く、加えて、ろう付後に必要な酸洗処理作業でも
変色することがなく、そのうえ、上述基合金に対し重量
配合比がインジウム0.05〜10.0%,スズ0.0
5〜10.0%,ガリウム0.05〜10.0%,ゲル
マニウム0.05〜5.0%の少くとも一種を添加する
ことにより、融点の低下,ろう付作業性の向上,母材白
金、及び、白金合金との濡れ性改善,接合強度向上,表
面粗さ低減等の機能,効果を選択的に助長改善すること
が出来、そのうえ、低コスト化が容易に図れるようにし
た技術的手段を講じたものである。
【0010】
【発明の背景】次に、この出願の発明の定性的,定量的
背景を述べると、白金について40.0〜68.0%未
満としたのは、40.0%未満であると該母材白金との
濡れ性が低下して接合性の損われ、又、白金色調が失わ
れることが実験により確認され、一方、68.0%以上
添加すると、融点が1000℃以上となってろう付作業
が困難となることが実験により確認されたがために当該
白金については、その重量配合比について40.0〜6
8.0%未満を最適範囲としたものである。
【0011】アンチモンについて19.0〜35.0%
としたのは19.0%未満であると、融点が高く、理想
的なろう付温度である1000℃での作業が困難である
ばかりか、母材白金,白金合金との濡れ性が低下し、良
好な接合性が損われることが実験により確認され、これ
に対し、35.0%を超えると、接合強度の低下が生
じ、加えて、色調的に母材白金、及び、白金合金と異な
るようになり、ろう付後の酸洗処理作業でろう付部に変
色が生じることも実験により確認され、したがって、当
該アンチモンについては重量配合比を19.0〜35.
0%を最適範囲としたものである。
【0012】又、パラジウムについては5.0%未満で
あると、ろう付後の酸洗処理作業でろう付部に変色の生
じることが確認され、一方、30.0%を超えると融点
が高く、理想的なろう付温度である1000℃での作業
が困難であることが実験により確認され、したがって、
パラジウムについてはその重量配合比を5.0〜30.
0%を最適範囲としたものである。
【0013】又、従属発明において、重量配合比でイン
ジウムについては0.05〜10.0%,スズについて
は0.05〜10.0%,ガリウムについては0.05
〜10.0%,ゲルマニウムについては0.05〜5.
0%の少くとも一種を含有することとした金属学的根拠
は、それらの少くとも一種を添加することにより融点を
低下し、ろう付作業性を向上し、又、母材白金,白金合
金との濡れ性を改善し、更に、接合強度が向上し、加え
て、ろう付部表面粗さを低減するそれぞれの機能,効果
を選択的に助長改善する作用があることを実験により確
認したことによるものである。
【0014】又、それぞれの添加重量範囲を限定した理
由は、インジウム,スズ,ガリウムについては0.05
%以下では充分な効果が確認されず、一方、10.0%
を超えると、母材白金,白金合金との濡れ性が低下し、
ろう付接合強度が低下するばかりか、ろう付後の酸洗処
理作業でろう付部に変色の生じることが実験的に確認さ
れ、したがって、インジウム,スズ,ガリウムについて
はその重量配合材で0.05〜10.0%を最適範囲と
決定したものである。
【0015】又、ゲルマニウムについては0.05%以
下では期待する効果が確認出来ず、一方、5%を超える
と、インジウム,スズ,ガリウムと同様、母材白金,白
金合金との濡れ性が低下し、ろう付接合強度の低下が生
じることが確認され、更に、ろう付後の酸洗処理作業で
ろう付部に変色の生じることが実験により判明し、した
がって、当該ゲルマニウムについては0.05〜5.0
%を最適範囲として限定的に決定したものである。
【0016】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を在来品につ
いての従来例と対比し示すと次の表1の通りである。
【0017】
【表1】 尚、各々の試料は各素材を周知の高周波加熱溶解炉にて
溶解して直径2mm,長さ50mmの所定形状のろう材
を作製し、一方、このようにして作製されたろう材をこ
れまた周知の処理方法により微粉化し、粉末ろう材を作
製した。
【0018】それぞれ作製されたろう材は、次のろう付
試験方法により試験し、表2に示す結果を得た。
【0019】
【表2】 (1)ろう材の広がり試験 縦横30mm,厚さ1mmの白金母材を使用し、JIS Z
3191の硬ろうの広がり試験方法に準じた方法により試験
し、ろうの広がり状態、及び、表面粗れを観察した。
【0020】(2)ろう付強度試験 上述同様の白金母材を使用し、JIS Z 3192ろう付継手の
引張り、及び、せん断試験方法に準じた方法により試験
片を作製し、JIS Z 2241に準じた引張り試験方法を用い
て試験した。
【0021】(3)変色試験 上述(1)のろう材の広がり試験片を、50℃の10%
希塩酸溶液中に全浸漬して変色度合いを観察した。
【0022】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に重量配合比で白金40.0〜68.0%未満,アンチ
モン19.0〜35.0%,パラジウム5.0〜30.
0%であって、残部不純物より成るろう材としたことに
より低融点でろう付作業性が良く、又、母材白金,白金
合金との濡れ性が良く、接合性に優れ、したがって、充
分な機械的強度を有し、しかも、ろう付部の表面粗さが
小さく、加えて、ろう付後必要となる酸洗処理作業でも
変色することがなく、更には母材白金、及び、白金合金
と同様な色調に出来、更に従属的に上述合金を基合金と
したものに対し重量配合比がインジウム0.05〜1
0.0%,スズ0.05〜10.0%,ガリウム0.0
5〜10.0%,ゲルマニウム0.05〜5.0%の少
くとも一種を含有することにより、上記融点の低下,ろ
う付作業性の向上,母材白金,白金合金との濡れ性改
善,接合強度向上,表面粗さ低減等の機能,効果を助長
促進することが出来るという優れた効果が奏される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀川 孝志 埼玉県草加市青柳2丁目12番30号 石福 金属興業株式会社 草加第一工場内 (72)発明者 小山 和明 埼玉県草加市青柳2丁目12番30号 石福 金属興業株式会社 草加第一工場内 (72)発明者 小川 悟 埼玉県草加市青柳2丁目12番30号 石福 金属興業株式会社 草加第一工場内 (56)参考文献 特開 昭60−211903(JP,A) 特開 平7−9189(JP,A) 特開 昭62−275596(JP,A) 社団法人日本溶接協会貴金属ろう部会 編,新版ろうの選び方・使い方,日本, 産報出版株式会社,1990年6月20日, P.70−72 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/22 - 35/34 C22C 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量配合比が白金40.0〜68.0%未
    満,アンチモン19.0〜35.0%,パラジウム5.
    0〜30.0%であって、残部不純物より成ることを特
    徴とする白金及び白金合金用ろう材。
  2. 【請求項2】重量配合比が白金40.0〜68.0%未
    満,アンチモン19.0〜35.0%,パラジウム5.
    0〜30.0%であって、残部不純物より成る基合金に
    更に重量配合比が、インジウム0.05〜10.0%,
    スズ0.05〜10.0%,ガリウム0.05〜10.
    0%,ゲルマニウム0.05〜5.0%の少くとも一種
    が含有されていることを特徴とする白金及び白金合金用
    ろう材。
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社団法人日本溶接協会貴金属ろう部会編,新版ろうの選び方・使い方,日本,産報出版株式会社,1990年6月20日,P.70−72

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