JP2867058B2 - 貴金属接合用合金ろう - Google Patents
貴金属接合用合金ろうInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は貴金属接合用合金ろうに係り、更に詳述す
れば貴金属製鎖(環)を大気中で突き合わせろう付けを
行なう際に使用する接合用合金ろうに関する。
れば貴金属製鎖(環)を大気中で突き合わせろう付けを
行なう際に使用する接合用合金ろうに関する。
[従来の技術] 一般に白金、白金合金製のネックレス、ブレスレット
等の装身具を形成する貴金属製鎖(環)を大気中で突き
合わせろう付けする場合、ろう材として主にCu−Sn−Zn
系合金が使用されているが、この場合特に次の条件を満
足する粉末ろうであることが望まれる。
等の装身具を形成する貴金属製鎖(環)を大気中で突き
合わせろう付けする場合、ろう材として主にCu−Sn−Zn
系合金が使用されているが、この場合特に次の条件を満
足する粉末ろうであることが望まれる。
(1) ろう付け作業温度が1300〜1500℃の範囲で作業
性が良いこと。
性が良いこと。
(2) ろう材構成成分の母材結晶粒界への侵入および
酸化反応を抑制すること。
酸化反応を抑制すること。
(3) ろう付け加熱後、900℃の高温から水中急冷処
理を行ない、ろう付け部は接合強度および塑性加工性に
優れること。
理を行ない、ろう付け部は接合強度および塑性加工性に
優れること。
[発明が解決しようとする課題] 前記した従来の技術はろう付け温度が1500℃以上と高
く作業性が悪く、またろう付け中あるいはろう付け後に
母材に生じる応力による割れがしばしば発生し、さらに
ろう付け後に苛酷な条件で冷間加工が行なわれる場合、
ろう付け部の機械的強度が劣り、この部分から割れが発
生するという問題点があった。
く作業性が悪く、またろう付け中あるいはろう付け後に
母材に生じる応力による割れがしばしば発生し、さらに
ろう付け後に苛酷な条件で冷間加工が行なわれる場合、
ろう付け部の機械的強度が劣り、この部分から割れが発
生するという問題点があった。
この発明は前記した各問題点を除去し、前記した3条
件を満足する貴金属接合用合金ろうを提供することを目
的とする。
件を満足する貴金属接合用合金ろうを提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 上記したこの発明の目的は、重量比で錫14〜25%、亜
鉛24〜40%、銀5〜10%および金属5.1〜10%、パラジ
ウム1.0〜5%、さらにボロン0.1〜2%、燐0.1〜1%
を含有し、残部が銅および微量の不可避不純物の合金か
らなる貴金属接合用合金ろうとすることで達成される。
鉛24〜40%、銀5〜10%および金属5.1〜10%、パラジ
ウム1.0〜5%、さらにボロン0.1〜2%、燐0.1〜1%
を含有し、残部が銅および微量の不可避不純物の合金か
らなる貴金属接合用合金ろうとすることで達成される。
[作用] 本発明の合金ろうを接合母材に付け、トーチ等により
該母材の接合部を1450〜1500℃に加熱することでろう合
金が溶融し母材(白金、白金合金)を溶かすことなくろ
う付け接合できる。
該母材の接合部を1450〜1500℃に加熱することでろう合
金が溶融し母材(白金、白金合金)を溶かすことなくろ
う付け接合できる。
[実施例] この発明の貴金属接合用合金ろうを説明するに先だ
ち、各種物質の名称を下記の元素記号で表記する。
ち、各種物質の名称を下記の元素記号で表記する。
銅……Cu 錫……Sn 亜鉛……Zn 銀……Ag 金……Au パラジウム……Pd ボロン……B 燐……P したがって以下の説明では上記の通りの元素記号だけ
を用いて各物質を表記する。
を用いて各物質を表記する。
以下実施例について説明する。
本発明の貴金属接合用合金ろうは、重量比でSn14〜25
%、Zn24〜40%、Ag5〜10%およびAu5.1〜10%、Pd1.0
〜5%、さらにB0.1〜2%、P0.1〜1%を含有し、残部
がCuおよび小量の不可避不純物のそれぞれ微粉末を混合
することが望ましい。
%、Zn24〜40%、Ag5〜10%およびAu5.1〜10%、Pd1.0
〜5%、さらにB0.1〜2%、P0.1〜1%を含有し、残部
がCuおよび小量の不可避不純物のそれぞれ微粉末を混合
することが望ましい。
すなわち、Sn25%以上では接合強度が低下し、14%以
下では色調が白輝色にならないのと液相線温度が上昇し
流動性が悪化する。
下では色調が白輝色にならないのと液相線温度が上昇し
流動性が悪化する。
Zn40%以上では耐食性および機械的強度を減じ、24%
以下では色調を白輝色にならないし、ろう付け時の流動
性が低下する。
以下では色調を白輝色にならないし、ろう付け時の流動
性が低下する。
Ag10%以上では単にコスト高になるのみで接合強度に
著しい向上が見られず、5%以下では液相線温度が上昇
して流動性が低下する。
著しい向上が見られず、5%以下では液相線温度が上昇
して流動性が低下する。
Au10%以上では単にコストが上るのと液相線温度を高
くても1400℃程度に押さえるためで、5.1%以下では液
相線温度が上昇して流動性ならびに機械的強度を減少さ
せないためにAuは5.1以上10%以下とした。
くても1400℃程度に押さえるためで、5.1%以下では液
相線温度が上昇して流動性ならびに機械的強度を減少さ
せないためにAuは5.1以上10%以下とした。
Pd5%以上ではコストが上るのと液相線温度が高くな
り、1%以下では機械的強度が減少する。
り、1%以下では機械的強度が減少する。
PおよびBの含有量をPが0.1%以下およびBが0.1%
以下ではその量が少なすぎて所望のぬれ性が確保でき
ず、P1%およびB2%以上ではその量が多すぎ母材の突き
合わせ隙間よりはみ出し機械的強度を減ずる原因となる
からである。
以下ではその量が少なすぎて所望のぬれ性が確保でき
ず、P1%およびB2%以上ではその量が多すぎ母材の突き
合わせ隙間よりはみ出し機械的強度を減ずる原因となる
からである。
合金ろうの製造に当っては、Cu、Sn、Zn、B、PにA
u、Ag、Pdを上記重量比とした合金をいずれもペレット
状に製造し、このペレットをオートミル等の粉砕手段を
用いて粒度10μm以下の微粉末とする。
u、Ag、Pdを上記重量比とした合金をいずれもペレット
状に製造し、このペレットをオートミル等の粉砕手段を
用いて粒度10μm以下の微粉末とする。
この様にして作られた貴金属接合用合金ろうを、第1
図に示すように白金(850Pt)のベネチアン(鎖)母体
を1m/m×1.4m/mの方形に折曲げ突き合わせ部分に付けて
ろう付け接合して試料Sを作る。
図に示すように白金(850Pt)のベネチアン(鎖)母体
を1m/m×1.4m/mの方形に折曲げ突き合わせ部分に付けて
ろう付け接合して試料Sを作る。
次に、本発明のろう合金でろう付けした試料Sを第2
図に示すように両加圧体PM1、PM2間に試料Sの一辺1.4m
/m側を縦にして挟み、両加体PM1,PM2が厚みが0.8m/mの
停止板SPを挟み込むまで加圧し、試料Sに第3図に示す
ようにU字状に潰し曲げ加工を行ない、ろう付け部BPの
割れ発生数を従来のろう合金を用いてろう付けした試料
と比較して見ると下表のようになる。
図に示すように両加圧体PM1、PM2間に試料Sの一辺1.4m
/m側を縦にして挟み、両加体PM1,PM2が厚みが0.8m/mの
停止板SPを挟み込むまで加圧し、試料Sに第3図に示す
ようにU字状に潰し曲げ加工を行ない、ろう付け部BPの
割れ発生数を従来のろう合金を用いてろう付けした試料
と比較して見ると下表のようになる。
この表からもわかるように、本発明の合金ろうでろう
付け接合した試料S1と従来のCu−Sn−Zn系合金だけで作
られた合金ろう付け接合した試料S2を前述した第2図に
示す試験方法で潰しU字曲げした結果、第4図および第
5図に示すようにろう付け部BPに割れgが発生した数は
上表のように本発明の合金ろうの場合10個中0個、従来
の合金ろうの場合10個中8個で、ろう付け部に冷間加工
を加えても割れgの発生率を大幅に改善し得た。
付け接合した試料S1と従来のCu−Sn−Zn系合金だけで作
られた合金ろう付け接合した試料S2を前述した第2図に
示す試験方法で潰しU字曲げした結果、第4図および第
5図に示すようにろう付け部BPに割れgが発生した数は
上表のように本発明の合金ろうの場合10個中0個、従来
の合金ろうの場合10個中8個で、ろう付け部に冷間加工
を加えても割れgの発生率を大幅に改善し得た。
なお、Au、Ag、Pdの貴金属を前記した重量比で加えた
貴金属系合金と、Cu,Sn,Znの卑金属を主体にこれにB、
Pを前記重量比で加えた卑金属系合金とを作り、これら
各合金をペレット状にしたあとオートミルで粒度10μm
以下の微細粉末状にした混合済合金ろうも前記した表に
示す実施例の場合と同じ効果を奏する。
貴金属系合金と、Cu,Sn,Znの卑金属を主体にこれにB、
Pを前記重量比で加えた卑金属系合金とを作り、これら
各合金をペレット状にしたあとオートミルで粒度10μm
以下の微細粉末状にした混合済合金ろうも前記した表に
示す実施例の場合と同じ効果を奏する。
本発明の合金ろうでは1400〜1500℃の範囲のろう付け
作業温度で前述した十分なろう付けができる。
作業温度で前述した十分なろう付けができる。
[発明の効果] この発明は以上説明したような合金ろうであるので、
以下に記載する効果を奏する。
以下に記載する効果を奏する。
請求項1の貴金属接合用合金ろうにおいては、Cu−Sn
−Zn系合金にAu、PdおよびAgを適重量比加えて合金とす
ることで、ろう付け部に冷間加工を加えても割れが生じ
にくいという効果を有する。
−Zn系合金にAu、PdおよびAgを適重量比加えて合金とす
ることで、ろう付け部に冷間加工を加えても割れが生じ
にくいという効果を有する。
請求項2によれば、合金ろうを微細粉末にしたので、
微小なくさり等の微細接合間隙の接合に用いて好適であ
り、合金粉末を不揮発性植物油脂と混合してペースト状
の合金ろうとすることができる、接合に当り便利とな
る。
微小なくさり等の微細接合間隙の接合に用いて好適であ
り、合金粉末を不揮発性植物油脂と混合してペースト状
の合金ろうとすることができる、接合に当り便利とな
る。
請求項3によれば、合金ろうの製造過程での貴金属の
精製ロスを極小に抑えられ経済的である。
精製ロスを極小に抑えられ経済的である。
請求項4では市販の金属粉末同志をさらに粉砕した後
粒度揃えを行なって混合すればよいので製造設備の簡素
化が計れるという効果を有する。
粒度揃えを行なって混合すればよいので製造設備の簡素
化が計れるという効果を有する。
図はいずれも本発明のろう合金によるろう付け部の強度
試験の状態を示すもので、第1図はろう付け接合した試
料の形状を示す拡大図、第2図は圧縮試験装置の概略
図、第3図は潰し曲げした試料の形状を示す図、第4図
は本発明の合金ろうをもってろう付け接合した試料の潰
し曲げ後の状態を示す図、第5図は従来の合金ろうをも
ってろう付け接合した試料の潰し曲げ後の状態を示す図
である。
試験の状態を示すもので、第1図はろう付け接合した試
料の形状を示す拡大図、第2図は圧縮試験装置の概略
図、第3図は潰し曲げした試料の形状を示す図、第4図
は本発明の合金ろうをもってろう付け接合した試料の潰
し曲げ後の状態を示す図、第5図は従来の合金ろうをも
ってろう付け接合した試料の潰し曲げ後の状態を示す図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】貴金属を大気中で突き合わせろう付けする
際に用いる銅−錫−亜鉛系(Cu−Sn−Zn系)合金ろうで
あって、重量比で錫14〜25%、亜鉛24〜40%、銀5〜10
%および金5.1〜10%、パラジウム1.0〜5%、さらにボ
ロン0.1〜2%、燐0.1〜1%を含有し、残部が銅および
不可避不純物の合金からなる貴金属接合用合金ろう。 - 【請求項2】請求項1記載の合金ろうを粉末化した貴金
属接合用合金ろう。 - 【請求項3】請求項1記載の各種物質のうち、卑金属グ
ループの金属同志の合金粉末と、貴金属グループの金属
同志の合金粉末とを混合してなる貴金属接合用合金ろ
う。 - 【請求項4】請求項1記載の各種物質を個別に粉末化し
て混合してなる貴金属接合用合金ろう。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6843090A JP2867058B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 貴金属接合用合金ろう |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6843090A JP2867058B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 貴金属接合用合金ろう |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03268890A JPH03268890A (ja) | 1991-11-29 |
JP2867058B2 true JP2867058B2 (ja) | 1999-03-08 |
Family
ID=13373477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6843090A Expired - Fee Related JP2867058B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 貴金属接合用合金ろう |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2867058B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITVI20120009A1 (it) * | 2012-01-13 | 2013-07-14 | Onekaratgold Srl | Lega per la produzione di gioielli |
CN114147386A (zh) * | 2021-12-06 | 2022-03-08 | 北京清连科技有限公司 | 一种可低温烧结连接的抗硫化铜焊膏及其制备方法 |
-
1990
- 1990-03-20 JP JP6843090A patent/JP2867058B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH03268890A (ja) | 1991-11-29 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |