JP3278787B2 - スパイクピンとその製造方法 - Google Patents

スパイクピンとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパイクピンとその製造
方法に関し、更に詳しくは、軽量で、耐摩耗性や強度特
性に優れていて、陸上競技用スパイクシューズのスパイ
クピンとして有用なスパイクピンとそれを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】陸上競技用シューズの底にはスパイクピ
ンが着脱自在に取り付けられているが、それらスパイク
ピンは、概ね、図4で示したように、ねじ部1,鍔部2
および接地突起部3とから成る一体成形体であり、前記
ねじ部1を靴底に設けられている取付孔に鍔部2までね
じ込んで使用される。
【0003】競技中、このスパイクピンには鍔部2を中
心にして大きな曲げ応力が発生すると同時に、接地突起
部3の表面は常時激しい摩耗作用を受ける。したがっ
て、スパイクピンは、強度特性と並んで耐摩耗性に優れ
ていることが要求される。一方、スピード競技や跳躍競
技では、スパイクシューズの軽量化が要求され、その一
環として、軽量なスパイクピンの提供が求められてい
る。
【0004】この軽量化という要求に対応するために、
最近、Ti合金粉末を焼結して成るスパイクピンが開発
され、既に市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したTi合金粉末
を焼結して成るスパイクピンは、たしかに、軽量化とい
う要求を満たすことはできるが、しかし、他方では、強
度特性が充分に優れているとはいえず、また耐摩耗性も
不充分であり、折損等の損傷を起こす頻度が高いという
不都合がある。
【0006】上記したスパイクピンは、Ti合金の粉末
焼結法で製造されるので、図4のV−V線に沿う断面図
である図5に示したように、組織内には、微小な空隙が
均一に分布していて、このことが上記不都合を引き起こ
すものと考えられる。本発明は、Ti合金の粉末焼結品
である従来のスパイクピンにおける上記した問題を解決
し、同じTi合金製であるため、従来のTi合金の粉末
焼結品と同じように軽量であるにもかかわらず、強度特
性や耐摩耗性は、優れているスパイクピンとその製造方
法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、β型Ti合金から成り、ね
じ部と鍔部と接地突起部とを有する一体成形体であっ
て、長手方向には繊維組織が連続して形成され、かつ、
表面にはTiO2 およびO2 拡散層でなる硬化層が形成
されていることを特徴とするスパイクピンが提供され、
また、β型Ti合金から成る線材を切断し、得られた線
材片の長手方向に冷間鍛造または温間鍛造で鍔部と接地
突起部とを一体成形したのち、ねじ部を転造し、更に続
けて、大気中で熱処理を行って表面酸化することを特徴
とするスパイクピンの製造方法が提供される。
【0008】本発明のスパイクピンは、全体がβ型Ti
合金で構成され、図4で示したように、ねじ部1と鍔部
2と接地突起部3との一体成形体である。しかし、その
内部組織は、図1の概略図で示すように、ねじ部1の頂
部1aから接地突起部3の先端3aに至るまで、すなわ
ち長手方向には、複数条のβ型Ti合金の繊維組織5が
切れることなく連続して形成されている。そして、全体
の表面には、β型Ti合金が酸化されて成る酸化物層と
2 拡散層が硬化層6として形成されている。
【0009】このスパイクピンは次のようにして製造さ
れる。まず、β型Ti合金から成る線材が用意される。
線材の材料であるβ型Ti合金としては、格別限定され
るものではなく、例えば、Ti−22V−4Alなどを
あげることができる。このTi−22V−4Alは冷間
加工性が優れているという点で好適である。
【0010】出発素材である線材は、通常、所定組成の
β型Ti合金を溶製したのち、そのインゴットに対し熱
間鍛造または熱間圧延を行って所望の直径に整形され
る。したがって、整形後の線材にあっては、線材の長手
方向に、上記熱間加工によって結晶粒が転形して成る複
数条の繊維組織が連続して延在している。本発明におい
ては、まず、上記した線材を長手方向と直角に切断し
て、所望長さの線材片にする。
【0011】したがって、図2で示したように、この線
材片7は、その両端面7a,7b間で切れることなく連
続して延びる複数条の繊維組織7cを有している。つい
で、図2で示したように、この線材片7の長手方向か
ら、一対のパンチ8aとダイ8bとを有する鍛造機を用
いて、冷間鍛造または温間鍛造を行う。この鍛造は、通
常、4〜5段行われる。その結果、図3で示したよう
に、ねじ部を除いては、最終製品の形状をした鍔部2,
接地突起部3を有する一体成形体7’が製造される。
【0012】この鍛造の過程で、線材片7は上下方向に
圧縮され、鍔部に相当する個所では周方向に張り出して
塑性変形し、また接地突起部の先端に相当する個所では
その先端形状に対応して塑性変形していくので、当初は
略直線状であった線材片7の繊維組織7cも、全体とし
ては、切断されることなく材料塑性の流れに即応して変
形していく。
【0013】その結果、塑性変形後の張り出し部である
鍔部2,接地突起部3における繊維組織は、図1で示し
たようなフロー形状になる。すなわち、ねじ部の上端か
ら接地突起部の先端まで、切れることなく連続して延在
する複数条の繊維組織である。ついで、図3で示した一
体成形体7’を転造加工して、ねじ部相当個所1’に所
望のねじを刻設してねじ部にする。
【0014】その後、全体を大気中で熱処理する。その
結果、表面が酸化されることにより、表面全体に、Ti
2 およびO2 拡散層でなる硬化層が形成され、図1で
示した本発明のスパイクピンが得られる。なお、この熱
処理は、前段で行った鍛造による加工硬化に対する焼鈍
作用としても機能する。硬化層6の厚みが厚すぎると、
スパイクピンは全体として強度特性が低下するようにな
り、また薄すぎると耐摩耗性の低下が引き起こされるよ
うになるので、通常、硬化層6の厚みは0.1〜0.3mm程
度にすることが好適である。
【0015】硬化層6の厚みは、熱処理時の温度,時間
によって制御することができる。通常、処理温度は75
0〜950℃,処理時間は0.5〜1.0時間であることが
好ましい。最後に、全体の表面に常用のショットブラス
トを施してスケール等を除去したのち、例えば550℃
で4〜5時間の時効処理を行い、更にショットブラスト
で表面を清浄にして本発明のスパイクピンが出荷され
る。
【0016】
【作用】このスパイクピンは、長手方向に延在する複数
条の繊維組織が形成されているので、曲げ強度は高くな
る。また、表面には硬化層が形成されているので、耐摩
耗性も優れている。そして全体はβ型Ti合金で構成さ
れているので軽量である。
【0017】
【発明の実施例】
実施例,比較例1,2 組成:Ti−22V−4Al,線径4.6mmの線材を切断
して長さ14mmの線材片にした。この線材片を冷間鍛造
機に供給して5段の冷間鍛造を行って、図3で示した形
状の一体成形体7’を製造した。ついで、転造してねじ
部を刻設してスパイクピン形状にした。
【0018】得られたスパイクピンの前駆体を、大気中
で、温度850℃の熱処理炉に1時間投入して表面酸化
を行い、本発明のスパイクピンにした。ねじ部の直径5
mm,長さ5.7mm,鍔部の直径8mm,厚み1mm,接地突起
部の直径4.6mm,長さ6mmである。得られたスパイクピ
ンを長手方向に切断し、その切断面をシュウ酸で腐食し
て組織を目視観察した。図1で示したように、表面はT
iO2 およびO2 拡散層から成る酸化層(硬化層)6で
被覆され、内部には、長手方向に切れることなく伸びて
いる繊維組織5が認められた。
【0019】ついで、このスパイクピンにつき、表面に
形成されている硬化層の厚み(mm),表面のヴィッカー
ス硬さ(Hv),表面のシャルピー衝撃値(kg・m/cm2)
を測定した。その結果を表1に示した。比較のために、
酸化処理を行わない場合の上記特性も測定し、それを比
較例1として示した。
【0020】更に、市販されているTi合金の粉末焼結
品についても上記特性を測定し、その結果を比較例2と
して示した。
【0021】
【表1】
【0022】表から明らかなように、連続する繊維組織
が形成されているスパイクピン(実施例,比較例1)
は、粉末焼結品のスパイクピン(比較例2)に比べて耐
衝撃性が格段に優れている。そして、実施例と比較例1
では、表面に硬化層が形成されている本発明のスパイク
ピンは表面の硬さが比較例1に比べて優れていて、耐摩
耗性が向上している。
【0023】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
スパイクピンは全体がβ型Ti合金で形成されているの
で軽量である。そして、強度,靱性および耐摩耗性も優
れている。これは、長手方向に切れることなく延びる繊
維組織を形成し、かつ、表面にTiO2 およびO2 拡散
層である硬化層を形成したことがもたらす効果である。
【0024】本発明のスパイクピンは、陸上競技用シュ
ーズに使用して有効であるだけではなく、例えばゴルフ
シューズやスノータイヤのトレッドとして使用すること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパイクピンの断面組織を例示する断
面図である。
【図2】線材片に冷間鍛造を行う状態を示す概略図であ
る。
【図3】鍛造後に得られた一体成形体を示す側面図であ
る。
【図4】スパイクピンを示す側面図である。
【図5】Ti合金の粉末焼結品であるスパイクピンの断
面組織を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ねじ部 1’ ねじ部相当個所 2 鍔部 3 接地突起部 4 空隙 5 繊維組織 6 硬化層 7 線材片 7a,7b 線材片7の端面 7c 繊維組織 7’ 一体成形体 8a パンチ 8b ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A43C 15/02 102 B21K 1/44 C23C 8/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β型Ti合金から成り、ねじ部と鍔部と
    接地突起部とを有する一体成形体であって、長手方向に
    は繊維組織が連続して形成され、かつ、表面にはTiO
    2 およびO2 拡散層でなる硬化層が形成されていること
    を特徴とするスパイクピン。
  2. 【請求項2】 β型Ti合金から成る線材を切断し、得
    られた線材片の長手方向に冷間鍛造または温間鍛造で鍔
    部と接地突起部とを一体成形したのち、ねじ部を転造
    し、更に続けて、大気中で熱処理を行って表面酸化する
    ことを特徴とするスパイクピンの製造方法。
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