JPH08155062A - ゴルフクラブ用Ti合金製中空クラブヘッドの製造方法 - Google Patents

ゴルフクラブ用Ti合金製中空クラブヘッドの製造方法

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JPH08155062A JP7134403A JP13440395A JPH08155062A JP H08155062 A JPH08155062 A JP H08155062A JP 7134403 A JP7134403 A JP 7134403A JP 13440395 A JP13440395 A JP 13440395A JP H08155062 A JPH08155062 A JP H08155062A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Ti合金を用い鋳造法又は鍛造法で形成した
ゴルフクラブ用中空クラブヘッド素材における表面およ
び/または内面の全面もしくは各面の少なくとも一部を
化学的研磨し、該中空クラブヘッド素材の重量および肉
厚を調整する。また素材としてβ型Ti合金を使用した
場合は、前記中空クラブヘッド素材における少なくとも
フェース部の内面側を化学的研磨することにより、鋳造
プロセスまたは鍛造プロセス時の酸素拡散に基づく前記
内面側の硬化層を全部或は部分的に除去する。 【効果】 鋳造もしくは鍛造によって成形した素材を化
学的研磨法によって処理することにより、薄肉化の求め
られる部位を簡単な操作で容易に薄肉化することがで
き、それによりヘッドの重心やバランスに悪影響を与え
ることなく軽量化を達成すると共に、ヘッド容量の拡大
によって反発力を容易に高めることができる。また、本
発明をβ型Ti合金を用いたクラブヘッドの製造に適用
すると、フェースの割れを生じない優れたβ型Ti合金
性クラブヘッドを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ti合金を用いてゴル
フクラブの中空クラブヘッドを製造する方法に関し、詳
細には、鋳造法又は鍛造法によって中空クラブヘッド素
材を製造すると共に、該中空クラブヘッドの重量と肉厚
を簡単な方法で適正に調整し、バランスの良いクラブヘ
ッドを安価に製造することのできる方法に関し、更に
は、素材として拡散性の良好なβ型Ti合金を用いて鋳
造や鍛造を行ったときに生じる不具合を解消し、優れた
打球性能を長期間にわたり安定して発揮することのでき
る中空クラブヘッドを製造する方法に関するものであ
る。尚本発明の中空クラブヘッドは、中空ウッドのみな
らず中空アイアンにも適用することができる。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブのクラブヘッドは、中実の
パーシモン製から中空のメタル製あるいはカーボン製ま
で広く使用されているが、近年は慣性モーメントが大き
いという点から飛距離を期待することのできる中空のメ
タル製あるいはカーボン製が主流となりつつある。これ
らのうちメタル製のものとしては、ステンレス鋼製、A
l合金製、Ti合金製などが好まれている。
【0003】メタル製クラブヘッドの中でも最近特に注
目を集めているのはTi合金ヘッドであり、これは、T
i合金が軽量で比強度が高いという利点によるものであ
る。そしてその特徴を一段と高めるため、中空Ti合金
ヘッドの容量を大きくして反発力を高め一層の飛距離増
大を図る目的で、いわゆるラージヘッドへと移行する傾
向もうかがわれる。
【0004】ところで、この様なTi合金製中空ゴルフ
ヘッドを鋳造や鍛造成形法によって製造する場合、ヘッ
ド重量と製造工程上の制約との関係から最薄肉部の厚み
は1.5〜1.8m/m程度、ヘッドの容量は220〜
230cc程度が限界とされている。この場合、容量が
230ccを超える大容量のヘッド、あるいは230c
c以下のものであってもクラウン面の広いヘッドを製造
しようとすると、ヘッド内で肉厚を最も薄くしたいクラ
ウン面の重量が増大し、ヘッド重量が重くなったり重心
高さが高くなり、ヘッド全体としてのバランスが悪くな
るという問題が生じてくる。従ってTi合金製中空ゴル
フヘッドの性能を一段と高めるには、ヘッド全体として
のバランスを損なうことなく該ヘッドの所望部位を薄肉
化してヘッド容量を高めることのできる技術を確立する
必要がある。
【0005】他方、Ti合金製中空ゴルフヘッドの素材
としては、従来α型チタン合金が多用されており、β型
Ti合金を使用するものについては冷間プレス加工法或
は鍛造法を採用した例が知られているが、該β型チタン
合金を用いた場合に見られる後述する様な問題点にまで
言及したクラブヘッドは知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記の様
な事情に着目してなされたものであって、その第1の目
的は、Ti合金製中空ゴルフヘッド全体としてのバラン
スを損なうことなく、該ヘッドの所望部位を薄肉化して
容量を高め、飛距離を一段と高めることのできる技術を
確立しようとするものである。
【0007】また本発明の第2の目的は、Ti合金素材
としてβ型Ti合金を選択し、一段と優れた性能のクラ
ブヘッドを製造することのできる方法を提供しようとす
るものである。これは、β型Ti合金が優れた拡散性を
有することに着眼し、拡散に基づく硬化層の形成によっ
て一層の飛距離を獲得できるのではないかと期待された
ことによる。しかしながら硬化層の形成はクラブヘッド
の割れにつながる危険があり、この様な割れを生じずに
飛距離の増大のみを享受することのできる製造技術の確
率を第2の目的として挙げた。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明に係る製法の構成は、Ti合金を用い鋳
造法又は鍛造法で形成したゴルフクラブ用中空クラブヘ
ッド素材における表面および/または内面の全面もしく
は各面の少なくとも一部を化学的研磨し、該中空クラブ
ヘッド素材の重量および肉厚を調整するところに要旨を
有している。
【0009】上記本発明を実施するに際し、素材として
β型Ti合金を選択し、前記中空クラブヘッド素材にお
ける少なくともフェース部の内面側を化学的研磨するこ
とにより、鋳造プロセスまたは鍛造プロセス時の酸素拡
散に基づく前記内面請の硬化層を全部或は部分的に除去
する方法を採用すれば、性能の一段と優れたβ型Ti合
金製中空クラブヘッドを得ることができる。
【0010】
【作用】Ti合金素材を用いた一般的なゴルフヘッドの
製造は、Ti合金素材の加熱溶融→所定砂型への鋳込み
成形→脱型・砂落し→ソール溶接→仕上げ研磨→塗装の
手順を追って実施されるが、こうした工程のうち殊に鋳
込み工程で中空ヘッド素材の肉厚を薄くし過ぎると、鋳
込み不良が起こって製品欠陥を招く原因になるので、例
えばクラウン部の如く最も薄くしたい部分であっても、
その肉厚はせいぜい1.8mm程度が限界であり、それ
以上に薄くすることは難しい。その結果、該Ti合金製
中空ヘッド素材は概して重く且つヘッド容量も小さくな
らざるを得ず、前述の如く最終製品としてのヘッド重量
が重くなったり重心高さが高くなり、ヘッド全体として
のバランスが悪くなる。
【0011】従ってこうした難点を解消するには、鋳込
み成形された素材の外面側を研削処理して所定部位を薄
肉化し軽量化とバランスの改善を図ることが必要となる
が、ゴルフヘッドの外面形状は複雑な曲面を有している
ので、研削作業は非常に複雑かつ煩雑であり、製品コス
トの大幅上昇が避けられない。しかもこの様な研削加工
では、中空ヘッドの外面側の研削が行なえるだけである
から、容量拡大によるラージヘッド化に適用することは
難しい。
【0012】そこで、上記の様な問題を生じることな
く、所望部位を適宜薄肉に形成し得ると共にヘッド容量
の拡大を可能にし、ヘッドの軽量化と反発力の一層の向
上を達成すべく種々検討を進めた結果、前述の如くTi
合金製中空クラブヘッド素材における表面および/また
は内面の全面もしくは各面の少なくとも一部を化学的に
研磨処理する方法を採用すれば、該中空クラブヘッド素
材の重量および肉厚の調整を極めて簡単に行なうことが
できることを知り、こうした知見を基にして上記本発明
を完成した。
【0013】従って本発明では、Ti合金を用い鋳造法
又は鍛造法で形成した中空クラブヘッド素材における表
面および/または内面の全面もしくは各面の少なくとも
一部を化学的研磨し、該中空クラブヘッド素材の重量お
よび肉厚を調整するところにその特徴を有している。
【0014】本発明を実施するに当たっては、Ti合金
を使用し常法に従って中空クラブヘッド素材を成形した
後、該素材の内外面全域あるいはそれらのうち特に薄肉
化を必要とする部位を化学研磨処理(酸洗あるいは電解
研磨処理を包含する)によって研磨する方法を採用すれ
ば、必要部位の肉厚を簡単に薄肉化できると共に、内面
側でも簡単に研磨できるところから、ヘッド容量も容易
に拡大することができ、それにより薄肉化不足による重
量増加が回避されて軽量化や重心位置の上昇といった問
題を生じることなく、通常サイズのものはもとより大型
のクラブヘッドであっても、軽量で反発力の高い優れた
性能のTi合金製クラブヘッドを得ることができるので
ある。
【0015】尚中空ゴルフクラブヘッドにおいては、特
に重心位置を極力下げると共に、最も外力が作用するフ
ェース部、ソール部、ヒール部等は相対的に高強度化を
図るため、それらの部分は相対的に厚肉とし、外力の作
用を受けにくいクラウンやバックフェースは相対的に薄
肉にすることが好まれるが、本発明によれば、上記フェ
ース部、ソール部、ヒール部等を化学研磨処理に先立っ
て耐酸性塗料等によってマスキングしておき、薄肉化を
必要とするクラウン等の内面および/もしくは外面のみ
に化学研磨処理液が作用する様にしておけば、当該部分
のみを選択的に研磨して薄肉化とそれに伴う軽量化を進
めることができ、また該研磨部位を中空部の内面側に設
定してやれば、同時にヘッド容量の拡大も進めることが
可能となる。
【0016】本発明で用いられる化学研磨処理液の種類
には特に制限がなく、要はTi合金素材を変質すること
なくその表面側からTi素材を逐次溶解し得るものであ
ればよいが、最も一般的なのは硝酸とフッ素酸との強酸
混合水溶液であり、中でも硝酸濃度が10〜20重量
%、フッ素酸濃度が10〜20重量%程度の混合水溶液
が最も好ましいものとして推奨される。但し、本発明で
はこれら化学的研磨液の種類には一切制限されず、Ti
合金の種類や処理温度、更には電解研磨処理との併用等
によっては他の酸、例えば硫酸、塩酸、フッ酸、シュウ
酸等の1種もしくは2種以上を適宜使用することができ
る。
【0017】尚、本発明による化学研磨処理が、クラブ
ヘッドの内外面全域に適用できることは先に述べた通り
であるが、外面側は表面を清浄化する程度の軽度に止
め、内面側主体の研磨処理を行なえば、同時に中空部容
量の拡大効果を高めることができるので好ましく、また
前述の如くクラウン部の内面側を集中的に研磨処理する
ことは、軽量化と重心位置の適正化に特に有利となる。
【0018】ところで上記本発明の化学的研磨処理は、
中空ヘッドの薄肉化による軽量化と重量調整、更にはヘ
ッド容量の拡大に主眼をおくものであるから、使用する
Ti合金の種類には一切制限がなく、通常のα型Ti合
金やβ型Ti合金よりなる中空クラブヘッドを製造する
際の全て適用することができる。また本発明では、上記
の用に中空部内面側の研磨処理に適用することによって
ヘッド容量の拡大を同時に達成することができるので、
特に大型クラブヘッドの製造にその利点が有効に発揮さ
れるが、通常サイズのクラブヘッドの製造にも勿論に活
用することができる。
【0019】ところが本発明者らが更に研究を進めたと
ころによると、上記化学研磨処理法を採用すると、Ti
合金としてβ型Ti合金を選択したときに見られる以下
に示す様な欠陥も可及的に抑えられ、飛距離の一段と高
められた中空クラブヘッドが得られることを確認したの
で、以下、β型Ti合金を使用した場合について説明を
進める。
【0020】β型Ti合金とは、β安定化元素であるM
o,V,Nb,Ta(以上全率固溶型)あるいはFe,
Cr,Mn,Co,Ni(以上共析型)の他、SnやZ
rを含むものが代表的に示されるが、時効硬化型のβ合
金ではα安定化元素であるAlが添加されることもあ
る。従って特に代表的なβ型Ti合金を非限定的に例示
しておくと、 Ti−13V−11Cr−3Al Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn Ti−15Mo−5Zr Ti−15Mo−5Zr−3Al Ti−15V−3Al−3Sn−3Cr 等を挙げることができる。尚上記例示合金における合金
元素の配合量は、夫々若干の増減が許されることは言う
までもない。
【0021】上記した様なβ型Ti合金を用いてクラブ
ヘッドを製造する方法として、まず鋳造法から説明する
と、鋳造用の鋳型としては、一般にジルコニアサンド鋳
型が用いられており、鋳造過程で鋳型中の酸素原子が鋳
造品中に拡散し、該拡散層が硬化する。そしてフェース
部の外表面に形成された硬化層は、打球時に優れた反発
力を発揮して飛距離を長くする方向に作用することが期
待され、現に種々実験したところによれば、非常に良好
な飛距離が得られた。
【0022】しかしながら更に種々検討したところによ
れば、上記鋳造されたクラブヘッドは中空構造である
為、クラブヘッド内面側は打球時に中空内面側へ大きく
張出しその表面に過大な引張応力が繰り返し与えられる
結果、微細な割れが発生してクラブヘッドに品質上の重
大な欠陥を与えるということが判明した。尚クラブヘッ
ド外面側は打球時に大きな圧縮応力を受けることになる
が、上記硬化層は圧縮応力に対して強く、フェース外面
側には割れが発生しなかった。
【0023】また鍛造法によって形成した場合について
も検討したところ、特に熱間鍛造プロセス中の高熱条件
下では、大気中の酸素原子が鍛造品の表面部に深く拡散
浸入し、鋳造品と全く同様の製品状況となる(飛距離は
長くなるが、フェース内面側に割れを生じる)ことが分
かった。
【0024】そこでフェース内面側の硬化層について研
究したところ、β型合金は既述のごとく拡散性が高い
為、前記硬化層はかなり厚く成長し、延性の少ない脆い
ものとなっていた。従って前記割れの発生を防止する為
には、フェース内面側の硬化層を除去する必要があると
の示唆を得た。しかしながら硬化層除去の手段について
は、フェース内面側がキャビティの奥部に位置している
為機械的手段による研磨の適用は困難であると思われ
た。そこで、前述の様な化学的研磨法の活用を考え、上
記フェース内面側の硬化層に化学研磨処理を施したとこ
ろ、短時間の内に希望する部分の硬化層のみを除去でき
ることが分かった。この際の硬化層除去はフェース内面
の広さ方向及び深さ方向全部に渡って行ってもよいが、
前記した打球時の内面側張り出しによる割れを防止し得
る限度において任意の広さ、任意の深さに止めておくこ
ともできる。またフェースに隣接した部分、例えばクラ
ウン部への移行部分についても硬化層を除去すれば、当
り所が悪い様な使用方法に対しても良好な耐割れ性を発
揮することができる。
【0025】なおフェース外面側の硬化層については、
硬化による飛距離の増大という観点から、前記化学的研
磨からの保護が望まれるが、若干の除去は本発明の本質
に悪影響を与えるものではない。またフェース部以外の
各部分、例えばクラウンやバックフェースなどについて
は、研磨の有無を問わない。
【0026】かくして、本発明の化学的研磨法をフェー
ス内面側の硬化層の除去に利用すれば、前述の様な中空
壁の薄肉化とそれに伴う軽量化、更には内部空間の容量
拡大効果に加えて、フェース部の耐割れ性強化を同時に
達成することが可能となる。従ってこの方法を実施する
際には、硬化層の除去を必要とするフェース内面側と最
も薄肉化が望まれるクラウン内面側に研磨液が作用する
様に研磨位置を設定するのが有利である。
【0027】尚上記化学的研磨方法の実施は、クラブヘ
ッドのソール溶接に先立って行うことが必要であり、ソ
ール溶接後のプロセスは従来方法のそれと格別変わる訳
ではない。またTi合金製品において汎用されている時
効硬化処理は本発明においても任意に採用することが可
能である。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の構成および作用
効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記
実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の
趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施するこ
とも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的
範囲に包含される。
【0029】実施例1 Ti−6Al−4Vを溶解し、ジルコニアサンド鋳型を
用いてクラブヘッド素材を鋳造した(クラウン厚み:
1.8mm、重量205g、ヘッド容量:180c
c)。得られた鋳造品を2個準備し、下記処方の酸洗液
を用いて (1) 内外面全面研磨処理と、(2) 表面を耐酸性塗料で全
面マスキングし内面側のみの全面研磨処理を行ない、い
ずれの場合も目標重量を170g、クラウン部の目標厚
さを1.3mmとする化学的研磨処理を行なった。その
結果、上記(1) では約2分の処理で目標の重量とクラウ
ン部厚みに調整され、また(2) では約5分の処理で目標
とする重量とクラウン部厚みに調整された。尚上記(2)
の方法では研磨処理に若干長時間を要するが、この方法
であれば、ヘッドの外面側に研磨液を作用させることな
く中空部の内面側のみを研磨する方法であるから、全体
としてのヘッド容量の減少も起こらず、従って大型ヘッ
ドの製造により有効であることが分かる。 (研磨液処方) 70%HF : 40g 67.5%HNO3 : 40g 水 :120g 液 温 :30〜60℃
【0030】実施例2 Ti−15V−3Cr−3Sn−3Alを溶解し、ジル
コニアサンド鋳型を用いてクラブヘッド(フェース厚
み:3.0mmと3.5mmの2系列)を鋳造した。フ
ェース厚み3.5mmの鋳造品についてフェース厚さ方
向断面の硬さ分布を調べたところ、図1に示す通りの結
果が得られた。図から分かるように、酸素の拡散浸入に
よって厚さ220〜240μmの領域(酸素リッチ層)
は高硬度を示した。
【0031】次いで上記鋳造品を、下記処方(A),
(B)の酸洗液で化学研磨した。尚処理温度は43〜5
7℃とし、処方(A)を用いたものではフェースの両面
を化学研磨し、処方(B)を用いたものではフェースの
外面側を耐酸塗料で保護して酸洗液処理し、処理後に該
保護を除去したので、内面側のみが化学研磨されたこと
になる。化学研磨の所要時間は80〜90秒であり、深
さ250μmに渡って硬化層が除去された。従って処方
(A)を用いたものでは、フェース両面で合計500μ
m除去され、処方(B)を用いたものでは、フェース内
面側のみで250μm除去されたことになる。
【0032】処方(A) 70%HF:75g 67.5%HNO3 :1078g 尿素:31g 安息香酸:4.9g 硝酸ソーダ:12g 燐酸:9.6g 上記混合物80重量部に水20重量部を加えて全量を1
00部とする。 処方(B) 70%HF:150g 67.5%HNO3 :200g 水:650g
【0033】(試験例)処方(A)の酸洗液でフェース
の両面を化学研磨して得たクラブヘッド(実施例)と、
化学研磨を行わずに製造したクラブヘッド(比較例)を
用い、ロボットによる試打実験を行った。試打条件 ボール:ラージサイズ 2ピース ヘッドスピード:50m/秒 打撃位置:フェースセンター 使用クラブ:1番ウッド試打結果
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかである様に、本発明
の方法によって製造されたクラブへッドは繰返し打球に
対して優れた耐割れ性を示した。また弾性力の作用によ
り良好な飛距離を得ることができた。
【0036】尚処方(B)の酸洗液でフェースの内面側
のみを化学研磨して得たクラブヘッドを用いて発明者ら
が試打したところ、フェース表面の反発作用により従来
品より優れた飛距離を示し、またフェースの割れも観察
されなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されており、T
i合金を用いた中空クラブヘッドを製造する際に、鋳造
もしくは鍛造によって成形した素材を化学的研磨法によ
って処理することにより、薄肉化の求められる部位を簡
単な操作で容易に薄肉化することができ、それによりヘ
ッドの重心やバランスに悪影響を与えることなく軽量化
を達成すると共に、ヘッド容量の拡大によって反発力を
容易に高めることができ、飛距離の一段と高められたT
i合金製中空クラブヘッドを提供し得ることになった。
また、本発明をβ型Ti合金を用いたクラブヘッドの製
造に適用すると、フェースの割れを生じない優れたβ型
Ti合金性クラブヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳造されたクラブヘッドにおけるフェース厚み
方向断面の硬度分布を示す図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti合金を用い鋳造法又は鍛造法で形成
    したゴルフクラブ用中空クラブヘッド素材における表面
    および/または内面の全面もしくは各面の少なくとも一
    部を化学的研磨し、該中空クラブヘッド素材の重量およ
    び肉厚を調整することを特徴とするゴルフクラブ用Ti
    合金製中空クラブヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 素材としてβ型Ti合金を使用し、前記
    中空クラブヘッド素材における少なくともフェース部の
    内面側を化学的研磨することにより、鋳造プロセスまた
    は鍛造プロセス時の酸素拡散に基づく前記内面側の硬化
    層を全部或は部分的に除去する請求項1に記載のゴルフ
    クラブ用Ti合金製中空クラブヘッドの製造方法。
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