JP2001138002A - 成形用金型 - Google Patents

成形用金型

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JP2001138002A
JP2001138002A JP32370699A JP32370699A JP2001138002A JP 2001138002 A JP2001138002 A JP 2001138002A JP 32370699 A JP32370699 A JP 32370699A JP 32370699 A JP32370699 A JP 32370699A JP 2001138002 A JP2001138002 A JP 2001138002A
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reinforcing ring
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die insert
modulus
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Takeo Hisada
建男 久田
Tadashi Hattori
服部  正
Tatatomi Shirohashi
忠臣 白橋
Kenichi Sawai
謙一 沢井
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SAWAI NAREJJI LAB KK
SAWAI NAREJJI LABORATORY KK
Daido Steel Co Ltd
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SAWAI NAREJJI LAB KK
SAWAI NAREJJI LABORATORY KK
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイインサートの変形,破壊を抑え、その寿
命を向上させる。 【解決手段】 内部に成形キャビティ3を有したダイイ
ンサート2の外周に補強リング1を嵌着し、該補強リン
グに円周方向の引張応力を予め生じさせておくことによ
り該ダイインサートに円周方向の圧縮応力を生じさせた
成形用金型であって、前記補強リングは下記組成の金属
粉末からなるヤング率250Gpa以上,引張強度15
00Mpa以上の焼結体であること。 C:1.0〜
4.5重量%,Si:≦2.0重量%,Mn:≦2.0
重量%,Cr:3.0〜20.0重量%,Co:≦2
0.0重量%含有し、Mo,V,Ti,W,Nbの一種
以上をMo:≦25.0重量%,V:≦15重量%,T
i:≦12重量%,W:≦30.0重量%,Nb:≦1
5.0重量%含有し、しかも、40重量%≧Mo+V+
Ti+W+Nb:≧10重量%であり、残部が実質的に
Feからなる高ヤング率粉末

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加圧によって金属素
材を所定形状に成形する冷間鍛造用等の成形用金型に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に冷間鍛造等の加圧によって金属素
材を所定形状に成形する成形用金型では、そのプレス時
に加わる高い内部圧力により金型に円周方向の引張応力
が生じその値が材料強度を超すと破壊する。こうした金
型の破壊および変形を防止するために、従来からダイイ
ンサートの外周に補強リングを嵌着することが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこうした目的
で成形用金型に設けられる補強リングには、従来から構
造用鋼等の鋼が使用されていたが、従来のヤング率が十
分に高くない鋼(200Gpa)では、嵌着した時に円
周方向に伸びが発生するために十分な補強効果が得られ
ずダイインサートの寿命改善効果が小さく、成形品寸法
等の加工精度も悪くなるなどの問題があった。
【0004】そこで本発明は上記課題を解決し、ダイイ
ンサートの変形,破壊を抑え、その寿命を向上させよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために本発明に係る
成形用金型は、内部に成形キャビティを有したダイイン
サートの外周に補強リングを嵌着し、該補強リングに円
周方向の引張応力を予め生じさせておくことにより該ダ
イインサートに円周方向の圧縮応力を生じさせた成形用
金型であって、前記補強リングは下記組成の金属粉末か
らなるヤング率250Gpa以上,引張強度1500M
pa以上の焼結体からなることを特徴とする。C:1.
0〜4.5重量%,Si:≦2.0重量%,Mn:≦
2.0重量%,Cr:3.0〜20.0重量%,Co:
≦20.0重量%含有し、Mo,V,Ti,W,Nbの
一種以上をMo:≦25.0重量%,V:≦15重量
%,Ti:≦12重量%,W:≦30.0重量%,N
b:≦15.0重量%含有し、しかも、40重量%≧M
o+V+Ti+W+Nb:≧10重量%であり、残部が
実質的にFeからなる高ヤング率粉末 また本発明は上記成形用金型において、補強リングの外
周にさらに第2補強リングを嵌着することによりダイイ
ンサートに円周方向の圧縮応力を生じさせたことを特徴
とする。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の成形用金型は、図1,図2に示したよう
に、内部に成形キャビティ3を有したダイインサート2
と、その外周に嵌着した補強リング1とからなり、該補
強リング1に円周方向の引張応力σ1を生じさせておく
ことにより該ダイインサート2に円周方向の圧縮応力σ
2を生じさせる。これはダイインサート2の外周面およ
び補強リング1の内周面を予めテーパ状に形成してお
き、該ダイインサート2の外周に補強リング1を圧入す
ることでダイインサート2を圧縮させると同時に補強リ
ング1を拡張させること、あるいは、該補強リング1を
ダイインサート2の外周に焼きばめし、常温に戻る際に
ダイインサート2が圧縮され補強リング1を拡張させる
ことによりなされる。なお、図3にはこの補強リング1
の引張応力σ1の分布およびダイインサート2の円周方
向の圧縮応力σ2の分布を併記する。
【0007】しかして、本発明では上記補強リング1
は、下記組成の金属粉末からなるヤング率250Gpa
以上,引張強度1500Mpa以上の焼結体からなる。
即ち、C:1.0〜4.5重量%,Si:≦2.0重量
%,Mn:≦2.0重量%,Cr:3.0〜20.0重
量%,Co:≦20.0重量%含有し、Mo,V,T
i,W,Nbの一種以上をMo:≦25.0重量%,
V:≦15重量%,Ti:≦12重量%,W:≦30.
0重量%,Nb:≦15.0重量%含有し、しかも、4
0重量%≧Mo+V+Ti+W+Nb:≧10重量%で
あり、残部が実質的にFeからなる高ヤング率粉末であ
る。
【0008】次に本発明における上記金属粉末の組成の
限定理由を説明する。Cは、炭化物生成に必要な元素
で、その目的のために1.0重量%以上含有させる。た
だし、4.5重量%を超えて多量に含有させると靭性が
低下するので、4.5重量%以下とする。好ましくは
1.5〜4.0重量%である。
【0009】また、Siは、生地を強化して降伏点を高
める上で有用である。ただし、2.0重量%を超えて多
量に含有させると靭性を損なうので2.0重量%以下と
する。好ましくは0.2〜1.0重量%である。
【0010】Mnは、鋼の焼入性に寄与するが、粉末の
酸素量を上げるので2.0重量%以下とする。好ましく
は0.2〜1.0重量%である。
【0011】Crは、Feより比重が小さく、本発明鋼
の比重を下げるのに有効であり、また、Mo,V,T
i,W,NbとともにCと結合して複炭化物を形成させ
るため3.0%重量以上含有させる。一方、Cr主体の
炭化物は、ヤング率があまり大きくないため過度に添加
しても本発明の目的への寄与が小さいので上限を20.
0重量%とする。
【0012】Coは生地を強化して引張り強度を高める
から、20重量%までの範囲で添加量を決定する。
【0013】また、本発明においては、上記Mo,V,
Ti,W,Nbの一種以上を含有させることが必須であ
る。またその含有量は、燒結体のヤング率を所定のヤン
グ率以上に高める上で、合計量で10重量%以上添加す
ることが必要である。一方、合計含有量が40重量%を
超えると粉末製造が困難となり焼結体の強度も低下する
ので上限を40重量%とする。
【0014】上記Moは、炭化物を形成し、ヤング率を
高める上で有用な元素である。ただし、25.0重量%
を超えて過度に含有させると粉末製造が困難となるため
上限を25.0重量%とする。
【0015】またVは、比重が小さい炭化物を形成し、
ヤング率を高める上で有用な元素である。ただし、15
重量%を超えて過度に含有させると粉末製造が困難とな
るため、上限を15重量%とする。
【0016】またTiは、比重が小さい炭化物を形成
し、ヤング率を高める上で有用な元素であるが、12重
量%を越えて多量に含有させると粉末製造が困難となる
ため、上限を12重量%とする。
【0017】また、Wは炭化物を形成し、ヤング率を高
めるうえで有用な元素である。また生地中に固溶してこ
れを強化する結果、引張り強度を高める。ただし、3
0.0重量%を超えて過度に含有させると粉末製造が困
難となるため上限を30.0重量%とする。
【0018】また、Nbは炭化物を形成し、ヤング率を
高めるうえで有用な元素である。ただし、15.0重量
%を超えて過度に含有させると粉末製造が困難となるた
め上限を15.0重量%とする。
【0019】この金属粉末を、熱間静水圧圧縮機(HI
P,Hot Isostatic Pressing)により、1100℃,1
000kgf/cm2の基に2時間加熱,加圧した。そ
してこれを焼きなました後、所定形状に粗加工し、この
後1150℃焼入れ、580℃焼戻しを行い、仕上げ加
工し、図1に示したような内径D1=90mm,外径D
2=180mm,長さL=100mmの円筒形の補強リ
ング1を成形する。なお、内径D1は精密なテーパ孔に
仕上げられる。
【0020】こうして成形された補強リング1は、表1
の発明品1〜16に粉末組成を種々異ならせたものにつ
いてその特性を示したように、ヤング率を250Gpa
以上、引張強度を1500Mpa以上とすることができ
た。ちなみに比較品17,19はヤング率について所期
の値が得られない。また比較品18は引張強度が得られ
ない。
【表1】
【0021】図2に示したダイインサート2の外径は補
強リング1の内径D1より僅かに大径で、かつ精密なテ
ーパ面に仕上げられ、該ダイインサート2の外周に該補
強リング1を圧入することによって、図3に示したよう
に、該補強リング1に円周方向の引張応力σ1を生じさ
せ、該ダイインサート2には円周方向の圧縮応力σ2を
生じさせる。なお、ダイインサート2は、耐摩耗性等の
目的に応じ、一般的に金型に用いられるダイス鋼や超鋼
等の材質、または補強リング1と同一材料で成形され
る。
【0022】このように補強リング1を外嵌しダイイン
サート2に円周方向の圧縮応力を予め生じさせること
で、成形キャビティ3に装填された素材を冷間鍛造する
際のその素材の成形圧力により該ダイインサート2を拡
張させる円周方向の引張力が生じてもその引張応力は圧
縮応力により相殺されることから該ダイインサート2の
破壊を防止できる。そして、該補強リング1は成形圧力
が高く非常に大きな引張応力が掛ったとしてもヤング率
が高いことから伸びが極めて少なく、ダイインサート2
の応力振幅を大幅に縮小させ変形,破壊を抑えられる。
このため、ダイインサート2の寿命が大幅に向上すると
ともに、成形品の成形精度をも格段に向上させることが
できる。なお、この補強リング1のヤング率250Gp
a以上,引張強度1500Mpa以上の特性は上記組成
の金属粉末からなる焼結体によって初めてなし得たもの
である。
【0023】ちなみに、表1に本発明に係る成形用金型
と従来の成形用金型のダイインサートの耐久性を比較す
るために行った試験結果を併記した。この試験はダイイ
ンサートの材質を超鋼とし、成形部品の寸法精度確保の
ため50000ショットで試験を中止した。本発明品1
〜16はいずれも目標の50000ショットを超える耐
久性があった。これに対してヤング率の低い比較材1
7,19は50000ショット未達でダイインサートに
ワレを発生させた。また引張り強度の低い比較材18は
補強リングにワレが発生した。
【0024】このように本発明の成形用金型では、上記
のように固有の焼結体からなる補強リング1を設けるこ
とで、耐久性を顕著に向上させることができた。
【0025】また、図4に示した成形用金型は、ダイイ
ンサートの外周に嵌着された補強リング1の外周にさら
に第2補強リング4を嵌着し、該補強リングにも円周方
向の引張応力を予め生じさせておくことによりダイイン
サート2に円周方向の圧縮応力を生じさせているもの
で、このように補強リングを多重に設けることで、ダイ
インサート2の変形,破壊を一層強力に防止できる。な
おこの場合、該第2補強リングに取付孔5,キー溝6等
を設けることもできる。
【0026】なお本発明は冷間成形用の金型だけでな
く、温間,熱間、あるいは粉末成形用の金型、あるい
は、線引ダイス等への適用も可能である。また粉末の固
化方法についてもこの実施形態ではHIPをとりあげた
が、熱間押出し,熱間プレス等の固化方法の適用も可能
である。
【0027】
【発明の効果】このように本発明に係る成形用金型は、
特定の金属粉末組成のヤング率250Gpa以上,引張
強度1500Mpa以上の焼結体からなる補強リングを
ダイインサートの外周に嵌着し、該補強リングに円周方
向の引張応力を予め生じさせておくことにより該ダイイ
ンサートに円周方向の圧縮応力を生じさせておくもので
あるので、ダイインサートの応力振幅を大幅に縮小させ
変形,破壊が抑えられ、ダイインサートの寿命を大幅に
向上させる有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示した補強リングの斜視
図。
【図2】本発明の実施形態を示した成形用金型の縦断面
図。
【図3】図2の成形用金型の応力分布を示す平面図。
【図4】本発明の他の実施形態を示した成形用金型の平
面図。
【符号の説明】
1 補強リング 2 ダイインサート 3 成形キャビティ 4 第2補強リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 304 C22C 38/00 304 38/38 38/38 (72)発明者 白橋 忠臣 愛知県名古屋市天白区福池1丁目59番地 (72)発明者 沢井 謙一 愛知県一宮市文京2丁目8番20号 Fターム(参考) 4E087 ED01 ED04 4K018 AA35 BA16 CA16 EA13 EA32 FA09 KA18 KA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に成形キャビティを有したダイイン
    サートの外周に補強リングを嵌着し、該補強リングに円
    周方向の引張応力を予め生じさせておくことにより該ダ
    イインサートに円周方向の圧縮応力を生じさせた成形用
    金型であって、前記補強リングは下記組成の金属粉末か
    らなるヤング率250Gpa以上,引張強度1500M
    pa以上の焼結体からなることを特徴とする。C:1.
    0〜4.5重量%,Si:≦2.0重量%,Mn:≦
    2.0重量%,Cr:3.0〜20.0重量%,Co:
    ≦20.0重量%含有し、Mo,V,Ti,W,Nbの
    一種以上をMo:≦25.0重量%,V:≦15重量
    %,Ti:≦12重量%,W:≦30.0重量%,N
    b:≦15.0重量%含有し、しかも、40重量%≧M
    o+V+Ti+W+Nb:≧10重量%であり、残部が
    実質的にFeからなる高ヤング率粉末
  2. 【請求項2】 補強リングの外周にさらに第2補強リン
    グを嵌着することによりダイインサートに円周方向の圧
    縮応力を生じさせた請求項1に記載の成形用金型。
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