JP3278349B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP3278349B2
JP3278349B2 JP11431196A JP11431196A JP3278349B2 JP 3278349 B2 JP3278349 B2 JP 3278349B2 JP 11431196 A JP11431196 A JP 11431196A JP 11431196 A JP11431196 A JP 11431196A JP 3278349 B2 JP3278349 B2 JP 3278349B2
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恒久 大沼
秀之 古山
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば各種装置
の軸封部に用いられるオイルシール等の密封装置に関
し、特に大気側摺動面にねじ部を有する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の密封装置としては、たと
えば図に示すようなものがある。すなわち、この密封
装置100は、互いに同心的に相対回転自在に組み付け
られる2部材としてのハウジング101とそのハウジン
グ101内に挿入される回転軸102間の環状の隙間を
密封するものである。
【0003】この密封装置100は、ハウジング101
の内周に嵌合される環状のシール本体103と、回転軸
102の外周面に摺動自在に密封接触する、たとえばゴ
ム状弾性体製のシールリップ104とから構成されてい
る。またシールリップ104の外周には緊迫力を付与す
るためのスプリング106が装着されている。
【0004】そして、シールリップ104の大気側摺動
面にねじ部としてねじ突起105を形成し、そのねじ突
起105によるポンピング作用により密封性能を高めて
いる(ねじ効果)。
【0005】ねじ突起105の形状としては、高さ及び
幅がほぼ一定の平行ねじ突起105A(図(a)参
照)、軸方向両端が閉じており、高さ及び幅が軸方向中
途部ほど大きい舟底ねじ突起105B(図(b)参
照)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平行ね
じ突起105Aは、高さ及び幅がほぼ一定であるため、
初期密封性は確保するが時間の経過とともにシールリッ
プ104が摩耗するとねじ効果が小さくなる。
【0007】また、一般的に、密封装置100の製造
は、成形型により形成されるキャビティ内にゴム生地を
加硫成形して行われる。このとき、図に示すようにシ
ールリップ104部にバリ104Aが形成されるため、
に示す位置(矢印B部参照)にてメスカットするこ
とで、所望のねじ突起105を有するシールリップ10
4を得ている。図(a)に平行ねじ突起105Aの場
合、図(b)に舟底ねじ突起105Bの場合を示して
いる。
【0008】また、ねじ突起105は、型に設けられて
いるねじ部にて加工される。このねじ突起加工範囲10
7は、平行ねじ突起105Aの場合、メスカットの位置
のばらつき(図中点線)を含めて広くしている。これに
より、多少のメスカットの位置のばらつきを吸収するこ
とができる。これは、平行ねじ突起105Aの形状が、
高さ及び幅がほぼ一定となっているからである。
【0009】しかしながら、舟底ねじ突起105Bの形
状は、平行ねじ突起105Aのように高さ及び幅が一定
でなく、軸方向両端が閉じており、高さ及び幅が軸方向
中途部ほど大きくなっているため、摩耗に対しては有効
であるが、製造上のばらつきにより次に示す問題を有す
る。
【0010】即ち、メスカットの位置がバリ104A側
にずれたとき、又は舟底ねじ突起105Bの位置が大気
側Aにずれたときには、舟底ねじ突起105Bの閉塞し
ている軸方向先端部がシールリップ104のリップ先端
に到達しない場合があり、初期的にねじ効果が無い場合
がある。
【0011】また、メスカットの位置が大気側Aにずれ
たとき、又は舟底ねじ突起105Bの位置がバリ104
A側にずれたときには、舟底ねじ突起105Bの高さ及
び幅が大きい部分が密封流体側Oに開口する場合があ
り、隙間漏れの心配がある。
【0012】以上のことから、舟底ねじ突起105Bの
場合、型のねじ突起加工範囲が限定される。
【0013】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、シ
ールリップの摩耗によるシール性の低下を防止でき、初
期的にも耐久的にもねじ効果を保ち得る密封装置を提供
することにある。
【0014】また、その他の目的として、製造上のばら
つきによる初期時のシール性の低下を防止することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、互いに同心的に相対回転自在に
組み付けられる2部材間の環状の隙間を密封するもの
で、前記2部材の内一方の部材に取付けられる環状のシ
ール本体と、該シール本体に設けられている前記2部材
の内他方の部材に摺動自在に密封接触するシールリップ
とを備え、該シールリップの大気側摺動面にねじ部を設
けた密封装置において、前記ねじ部の形状は主ねじ部の
リップ先端側に高さがほぼ一定で一様な形状の副ねじ部
を連続的に設け、前記主ねじ部が前記副ねじ部から大気
側へ向かって大きくなり、使用時間(摩耗)とともに接
触幅が大きくなることを特徴とする。
【0016】また、ねじ部の形状は、突起で、高さ及び
幅のうち少なくとも高さをリップ先端から大気側に向っ
て大きくしていることが好適である。
【0017】さらに、ねじ突起の形状は、高さ及び幅が
軸方向中途部ほど大きい舟底ねじ突起のリップ先端側
に、高さ及び幅が前記舟底ねじ突起の中途部より小さく
てほぼ一定の平行ねじ突起を連続的に設けたものである
ことが好適である。
【0018】さらにまた、前記高さ及び幅が軸方向中途
部ほど大きい舟底ねじ突起において、該高さにおける軸
方向中途部を大気側寄りとしていることが好適である。
【0019】上記構成の密封装置にあっては、シールリ
ップの大気側摺動面にねじ部を設けているため、ねじ効
果としてポンピング作用による高い密封性能を有するこ
とになる。
【0020】このねじ部の形状は主ねじ部のリップ先端
側に高さがほぼ一定で一様な形状の副ねじ部を連続的に
設け、主ねじ部が副ねじ部から大気側へ向かって大きく
なり、使用時間(摩耗)とともに接触幅が大きくなる
とから、シールリップが摩耗していってもねじ部を有す
ため、シールリップの部材に対してねじ効果を保つこと
ができる。これにより、摩耗によるシール性の低下を防
止することができ、初期的にも耐久的にもねじ効果によ
る高い密封性能を保つことができる。
【0021】また、ねじ部の形状を、突起とし、その高
さ及び幅のうち少なくとも高さをリップ先端から大気側
に向かって大きくすることで、シールリップが摩耗して
いっても確実にねじ部を有することになり、シールリッ
プの部材に対してねじ効果を有する良好な接触状態を保
つことができる。これにより、摩耗によるシール性の低
下をより防止することができ、初期的にも耐久的にもね
じ効果による高い密封性能をより保つことができる。
【0022】さらに、ねじ突起の形状を、舟底ねじ突起
のリップ先端側に高さ及び幅がほぼ一定の平行ねじ突起
を設けることとすることにより、製造においてシールリ
ップ部に型成形の際に生じるバリをメスカットしてねじ
突起を有する所望のシールリップを得るときに、型のリ
ップ先端側の平行ねじ突起の加工範囲を広くすること
で、メスカットの位置のばらつきを吸収することができ
る。
【0023】これにより、ねじ突起の先端がリップ先端
に到達しなかったり、ねじ突起が大きく開口しすぎたり
しなくなり、初期的に良好なねじ効果を有すると共に、
隙間漏れを防止することができる。
【0024】また、シールリップの大気側摺動面が傾斜
面となっている場合には、舟底ねじ突起の高さが一番高
い軸方向中途部を大気側寄りとすることで、軸の偏心が
大きいときであっても、使用初期における舟底ねじ突起
のつぶし量を小さくできることから、密封流体は漏れる
ことがなく、よりシール性の向上を図ることができる。
【0025】加えて、使用時間(摩耗)と共にねじ突起
の軸との接触幅が大きくなっていくため、長寿命化を図
ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0027】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
係る密封装置を示す図1において、この密封装置1は、
互いに同心的に相対回転自在に組み付けられた2部材と
してのハウジング2とハウジング2内に挿入される軸3
間の環状の隙間を密封するものである。
【0028】密封装置1は、概略、ハウジング2の内周
に嵌合されるシール本体4と、軸3の外周面に摺動自在
に密封接触するシールリップ5と、シールリップ5の軸
3の外周面との大気側摺動面51に形成されるねじ部と
してのねじ突起6とを備えている。
【0029】シール本体4は、補強環7とゴム状弾性体
8とから成っている。補強環7は、半径方向内方に伸び
る内向きフランジ部71を有する円筒状部材である。こ
の補強環7のフランジ部71の大気側A端面と円筒部7
2の外周面及び密封流体側O端面に連続してゴム状弾性
体8が一体的に焼付固定されている。
【0030】このシール本体4は、補強環7の円筒部7
2がハウジング2の内周面にゴム状弾性体8を介して嵌
合される。
【0031】そして、補強環7のフランジ部71の内端
にゴム状弾性体製のシールリップ5とダストリップ9が
設けられている。
【0032】シールリップ5は、フランジ部71の内端
からゴム状弾性体8と連続して軸方向密封流体側Oに伸
びる断面楔状を成し、そのリップ先端部が軸3の外周面
に摺動自在に密封接触するようになっている。
【0033】またシールリップ5の外周には、軸3の外
周面に対して緊迫力を付与するための緊迫力付与手段と
してのスプリング10が全周的に装着されている。
【0034】また、ダストリップ9は、補強環7のフラ
ンジ部71の内端から軸方向大気側Aに伸び、軸3側に
傾く、断面板状を成しており、そのリップ先端部が軸3
の外周面に摺動自在に密封接触するようになっている。
これにより、大気側Aからのダストの侵入を防止してい
る。
【0035】そして、シールリップ5の大気側摺動面5
1にねじ突起6を設けて、ポンピング作用による密封性
能を高めている(ねじ効果)。
【0036】このねじ突起6は、副ねじ部としての平行
ねじ突起61と主ねじ部としての舟底ねじ突起62とを
連続的に組み合わせたもので、舟底ねじ突起62のリッ
プ先端側を平行ねじ突起61としたものである。
【0037】舟底ねじ突起62は、高さ及び幅が軸方向
中途部ほど大きくなっている。図1(b),(c)に基
づき詳述すると次の通りである。
【0038】軸方向断面(図1(c)Y−Y線断面)は
弓形状となっており、中途部ほど高くなっている。外観
上は軸方向両端が尖っている略だ円形状で、中途部ほど
幅広となっており、周方向断面(図1(b)X−X線断
面)は三角形状となっている。
【0039】そして、舟底ねじ突起62のリップ先端側
端部に平行ねじ突起61がつながって設けられている。
この平行ねじ突起61は、断面三角形状で、高さ及び幅
は舟底ねじ突起62の中途部より小さくてほぼ一定とな
っている。
【0040】いわゆるねじ突起6は、高さ及び幅をシー
ルリップ5のリップ先端側を小さくし、大気側Aに向か
って(舟底ねじ突起62の軸方向中途部まで)大きくし
ている。
【0041】上記構成の密封装置にあっては、シールリ
ップ5の大気側摺動面51に設けたねじ突起6の形状
を、舟底ねじ突起62のリップ先端側を平行ねじ突起6
1として、リップ先端から大気側Aに向って舟底ねじ突
起62の軸方向中途部まで高さ及び幅を大きくしている
ので、平行ねじ突起61にてねじ効果による初期的密封
性を有し、舟底ねじ突起62にてシールリップ5の摩耗
進行中において軸3に対して良好な接触状態を良好に保
つことができ、摩耗によるシール性の低下がない。この
ように、平行ねじ突起61による初期的密封性を確保で
きると共に、摩耗によるシール性の低下を防止すること
ができることから、初期的にも耐久的にもねじ効果を有
し、シール性の向上を図ることができる。
【0042】また、一般的な密封装置の製造として、ね
じ突起加工部を有する成形型(図示せず)により形成さ
れるキャビティ内にゴム生地を加硫成形して行われる
際、シールリップ5部にバリが形成されるが、そのバリ
をメスカットすることでねじ突起6を有する所望のシー
ルリップ5を得ている。このとき、メスカットされるリ
ップ先端側が平行ねじ突起61となっているので、その
平行ねじ突起61のねじ突起加工範囲を広くすること
で、メスカットの位置のばらつきを吸収することができ
る。このことから、型成形が容易となる。
【0043】ここで、ねじ突起において、本実施の形態
に係る平行ねじ突起+舟底ねじ突起と従来の平行ねじ部
である平行ねじ突起との時間の経過におけるシールリッ
プの接触状態を表1に示す。
【0044】
【表1】 表1に示されている通り、従来の高さ及び幅がほぼ一定
の平行ねじ突起のみの場合は、シールリップの摩耗につ
れてねじ突起部分がなくなっている。したがって、シー
ルリップの摩耗につれて、ねじ効果が小さくなってい
る。
【0045】これに対して、本実施の形態に係るねじ突
起の場合は、シールリップが摩耗して、たとえ平行ねじ
突起がなくなったとしても、その大気側に高さ及び幅を
大きくした舟底ねじ突起を設けているので、シールリッ
プが摩耗していってもねじ突起部分を有していることに
なり、シールリップが軸に対してねじ突起を有する良好
な接触状態を保っている。したがって、シールリップ摩
耗後もねじ効果を有する。
【0046】次に、ねじ突起において、本実施の形態に
係る平行ねじ突起+舟底ねじ突起と従来の平行ねじ突起
との背面(密封流体側)漏れ量と試験時間との関係を図
2に示す。
【0047】図2中、実線が従来の平行ねじ突起のみ
で、一点鎖線が本実施の形態に係る平行ねじ突起+舟底
ねじ突起である。
【0048】従来の平行ねじ突起のみでは、初期的には
背面漏れ量が大きいが、時間の経過におけるシールリッ
プの摩耗の進行中急激に漏れ量が少なくなっている。す
なわち、シールリップの摩耗によりねじ効果が小さくな
りシール性が低下していることを示している。
【0049】本実施の形態に係る平行ねじ突起+舟底ね
じ突起の場合は、初期時は平行ねじ突起により背面漏れ
量が大きく、時間の経過によりシールリップが摩耗して
も高さ及び幅が平行ねじ突起より大きいため減り量が少
ない。すなわち、シールリップの摩耗によるシール性の
低下はない。
【0050】尚、図中点線は従来の舟底ねじ突起のみ
で、リップ先端に舟底ねじ突起の先端が届いていない場
合を示している。すなわち、ねじ突起先端が届いていな
いことから、初期時においてねじ効果を得ることができ
ず、背面漏れ量が非常に少ない。したがって、初期的に
高い密封性能を有していない。
【0051】ところで、上記した実施の形態1に係るね
じ突起6の高さ及び幅が軸方向中途部ほど大きくなる舟
底ねじ突起62においては、軸方向中央部が一番高くな
っている。そして、この舟底ねじ突起62が設けられて
いるシールリップ5の大気側摺動面51は傾斜面となっ
ている。
【0052】これらから、軸3の偏心が大きい場合、使
用初期におけるシールリップ5及びねじ突起6の軸3と
の接触状態は図4(a)に示すように、舟底ねじ突起6
2のつぶし量(h’)が大きくなり、リップ先端が浮き
上がり、密封流体が漏れる不具合がある。
【0053】また、密封性能を高めるためのねじ効果を
成すポンプ量を決定する軸3とのシールリップ5の接触
幅a寸法とねじ突起6の接触幅a’寸法との関係は次の
通りとなっている。
【0054】つまり、接触状態を示す図5(a)とリッ
プ接触幅とねじ接触幅の関係を表す図6の実線に示すよ
うに、時間(摩耗)と共にa’寸法は舟底ねじ突起62
の軸方向中央部を過ぎると急激に下がってしまい、長寿
命に支障をきたしている。
【0055】(実施の形態2)そこで、上記ねじ突起6
の欠点を解消すべく、図3に示すねじ突起6Aとする。
これを本発明の実施の形態2として以下に説明する。
尚、上記実施の形態1と同一の構成部分については、図
中同一の符号を付して、その構成及び作用の説明は省略
する。
【0056】この実施の形態2に係るねじ突起6Aは、
舟底ねじ突起62Aを、上記実施の形態1に係る舟底ね
じ突起62において、一番高いところを軸方向中央部で
なく大気側A寄りとし、その一番高い(図中hmax)
ところから大気側Aを切欠き、切欠き部62Bを設けた
ものである。
【0057】舟底ねじ突起62Aの一番高い部分を大気
側A寄りとするためには、舟底を形成する円弧部のRを
実施の形態1に比べて大きくすれば良い。
【0058】尚、図中hは平行ねじ突起61の高さを示
しており、Hは平行ねじ突起61の長さを示している。
【0059】上記したねじ突起6Aの使用初期における
軸3との接触状態を図4(b)に示す。図に示す通り、
舟底ねじ突起62Aの一番高い部分を大気側A寄りとし
たことから、軸3の偏心が大きい場合でも、舟底ねじ突
起62Aのつぶし量(h’)が実施の形態1に比べて小
さくなるため、密封流体が漏れることがない。即ち、シ
ール性が向上する。
【0060】また、シールリップ5の接触幅a寸法とね
じ突起6Aの接触幅a’寸法との関係は図5(b)及び
図6の点線に示すようになる。
【0061】つまり、舟底ねじ突起62Aの一番高い部
分を大気側A寄りとしたことから、時間(摩耗)と共に
ねじ突起6Aの接触幅a’寸法が大きくなる。特にシー
ルリップ5の接触幅a寸法が大きい時、ねじ突起6Aの
接触幅a’寸法が大きくなるため、実施の形態1のねじ
突起6よりも寿命が長くなる。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】尚、上記各実施の形態では、ねじ部として
のねじ突起の形状を高さ及び幅を大気側に向って大きく
したものを例にとって説明したが、多少シールリップの
摩耗に対するねじ効果は小さくなるかもしれないが、高
さを高くしていけば、摩耗してもねじ突起は有すること
ができるため、少なくとも高さを高くしていく形状であ
れば良い。
【0066】また、この実施の形態ではシールリップを
ゴム状弾性体として説明したが樹脂製であっても良い。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以上の構成および作用を有す
るもので、ねじ部の形状主ねじ部のリップ先端側に高
さがほぼ一定で一様な形状の副ねじ部を連続的に設け
主ねじ部が副ねじ部から大気側へ向かって大きくなり、
使用時間(摩耗)とともに接触幅が大きくなるので、シ
ールリップが摩耗していってもねじ部を有することにな
り、シールリップの部材に対してねじ効果を保つことが
できる。これにより、摩耗によるシール性の低下を防止
することができ、初期的にも耐久的にもねじ効果による
高い密封性能を保つことができる。
【0068】また、ねじ部の形状を、突起とし、その高
さ及び幅のうち少なくとも高さをリップ先端から大気側
に向かって大きくしているので、シールリップが摩耗し
ていっても確実にねじ部を有することになり、シールリ
ップの部材に対してねじ効果を有する良好な接触状態を
保つことができる。これにより、摩耗によるシール性の
低下をより防止することができ、初期的にも耐久的にも
ねじ効果による高い密封性能を有することができる。し
たがって、シール性の向上をより図ることができる。
【0069】さらに、幅についても大気側に向って大き
くすれば、シールリップの摩耗進行中においてねじ部を
有するより良好な接触状態を保つことができる。
【0070】そして、ねじ突起の形状を、舟底ねじ突起
のリップ先端側に高さ及び幅がほぼ一定の平行ねじ突起
を設けることとすることで、製造においてシールリップ
部に型成形の際に生じるバリをメスカットしてねじ突起
を有する所望のシールリップを得るときに、型のリップ
先端側の平行ねじ突起の加工範囲を広くすることがで
き、メスカットの位置のばらつきを吸収することができ
る。
【0071】これにより、ねじ突起の先端がリップ先端
に到達しなかったり、ねじ突起が大きく開口しすぎたり
しなくなり、初期的に良好なねじ効果を有すると共に、
隙間漏れを防止することができる。したがって、製造上
のばらつきによる初期時のシール性の低下を防止するこ
とができる。
【0072】また、シールリップの大気側摺動面が傾斜
面となっている場合には、舟底ねじ突起の高さが一番高
い軸方向中途部を大気側寄りとすることで、軸の偏心が
大きいときであっても、使用初期における舟底ねじ突起
のつぶし量を小さくできるので、密封流体は漏れること
がなく、よりシール性の向上を図ることができる。
【0073】加えて、使用時間(摩耗)と共にねじ突起
の軸との接触幅が大きくなっていくので、長寿命化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態1に係る密封
装置の断面図であり、同図(b)は同図(a)のX−X
線断面図であり、同図(c)は同図(a)のY−Y線断
面図である。
【図2】図2は背面漏れ量と試験時間の関係を示す線図
である。
【図3】図3は本発明の実施の形態2に係る密封装置の
要部断面図である。
【図4】図4は軸偏心とシールリップの接触状態を示す
模式図で、同図(a)は実施の形態1を示し、同図
(b)は実施の形態2を示している。
【図5】図5は軸とシールリップ及びねじ突起の接触幅
を示す図で、同図(a)は実施の形態1を示し、同図
(b)は実施の形態2を示している。
【図6】図6はリップ接触幅とねじ接触幅の関係を示す
線図である。
【図7】図7は従来の密封装置の断面図であり、同図
(a)はねじ突起の形状が平行ねじ突起であり、同図
(b)は舟底ねじ突起である。
【図8】図8は従来の密封装置のメスカット工程を示す
要部断面図であり、同図(a)はねじ突起の形状が平行
ねじ突起の場合を示しており、同図(b)は舟底ねじ突
起の場合を示している。
【符号の説明】
1 密封装置 2 ハウジング 3 軸 4 シール本体 5 シールリップ 51 大気側摺動面 6,6A ねじ突起(ねじ部) 6’ ねじ溝(ねじ部) 61 平行ねじ突起 61’ 平行ねじ溝 62,62A 舟底ねじ突起 62B 切欠き部 62’ 舟底ねじ溝 7 補強環 71 フランジ部 72 円筒部 8 ゴム状弾性体 9 ダストリップ 10 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−226547(JP,A) 特開 平8−291867(JP,A) 特開 平8−178082(JP,A) 特公 昭48−19811(JP,B1) 実公 昭46−9620(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/32 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同心的に相対回転自在に組み付けら
    れる2部材間の環状の隙間を密封するもので、 前記2部材の内一方の部材に取付けられる環状のシール
    本体と、該シール本体に設けられている前記2部材の内
    他方の部材に摺動自在に密封接触するシールリップとを
    備え、該シールリップの大気側摺動面にねじ部を設けた
    密封装置において、 前記ねじ部の形状は主ねじ部のリップ先端側に高さがほ
    ぼ一定で一様な形状の副ねじ部を連続的に設け、前記主
    ねじ部が前記副ねじ部から大気側へ向かって大きくな
    り、使用時間(摩耗)とともに接触幅が大きくなること
    を特徴とする密封装置。
  2. 【請求項2】 ねじ部の形状は、突起で、高さ及び幅の
    うち少なくとも高さをリップ先端から大気側に向って大
    きくしていることを特徴とする請求項1に記載の密封装
    置。
  3. 【請求項3】 ねじ突起の形状は、高さ及び幅が軸方向
    中途部ほど大きい舟底ねじ突起のリップ先端側に、高さ
    及び幅が前記舟底ねじ突起の中途部より小さくてほぼ一
    定の平行ねじ突起を連続的に設けたものであることを特
    徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 【請求項4】 前記高さ及び幅が軸方向中途部ほど大き
    い舟底ねじ突起において、該高さにおける軸方向中途部
    を大気側寄りとしたことを特徴とする請求項3に記載の
    密封装置。
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