JP3278043B2 - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JP3278043B2 JP26631296A JP26631296A JP3278043B2 JP 3278043 B2 JP3278043 B2 JP 3278043B2 JP 26631296 A JP26631296 A JP 26631296A JP 26631296 A JP26631296 A JP 26631296A JP 3278043 B2 JP3278043 B2 JP 3278043B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶素子及びその
製造方法に関し、詳しくは基板間の絶縁不良を防止する
ようにした液晶素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な液晶素子は、電極を有する一対
の基板を対向させ、この一対の基板間に液晶を挟持して
構成されており、それぞれの基板の液晶と接する面には
通常配向膜が形成されている。このような液晶素子にお
いては、それぞれの電極間を絶縁させるために、少なく
とも一方の電極上(電極と配向膜との間)に絶縁膜を形
成するのが一般的である。
【0003】従来、前記絶縁膜としては、スパッタリン
グ法によって形成されるSiO2 膜が一般的であった。
また、液晶として強誘電性液晶などのカイラルスメクチ
ック液晶を用いた液晶素子においては、絶縁膜として誘
電率の大きいTa25 を用いてスパッタリング法によ
り形成した膜が一般的に用いられていた。
【0004】Ta25 膜はSiO2 膜の約5倍の誘電
率を有しているが、絶縁膜上に形成された配向膜が薄膜
化されるにつれて、スパッタリングにより形成されたT
25 膜の影響によって強誘電性液晶の配向性が悪く
なるという傾向が見られる。一方、スパッタリング法に
より形成された無機酸化物膜の代わりに珪素、チタン、
タンタル、ジルコニウム等の水酸化物、又はオルガノオ
キシドなどの混合液を、例えばフレキソ印刷法により塗
布、焼成した膜を絶縁膜として用いることにより、有機
配向膜を薄膜化したとしても、強誘電性液晶の配向性を
良好に保つことができる点が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した印
刷塗布した後に焼成するタイプの無機酸化物膜を形成す
る場合には、強誘電性液晶素子の他の構成材料(例え
ば、カラーフィルター、平坦化膜など)の耐熱性の点か
ら270℃以下、より好ましくは250℃以下の温度で
焼成することが要求される。このような温度条件下で焼
成した無機酸化物膜は、スパッタリング法で形成した膜
と比べて膜の硬度が小さいという欠点がある。また、膜
の硬度が小さいと、異物の混入などによる陥没などが生
じ易くなり、結果的に絶縁不良(ショート)の原因とな
り易い。
【0006】更に、印刷を行う面に突起状(凹凸状)の
異物が存在した場合、印刷液が弾かれることによってそ
の異物を被覆することができず、ピンホールの原因とな
る。例えば、電極パターン上に導電性の異物があった場
合、その異物を絶縁膜で被覆することができず、対向す
る電極間での絶縁不良の原因となる。
【0007】そこで、上述したスパッタリング法や印刷
法の欠点を補う方法として、電極パターン上に形成され
る絶縁膜を2層構造とし、第1の絶縁層をスパッタリン
グ法、第2の絶縁層を印刷塗布法で形成して、電極間の
ショートの発生を防止し、且つ液晶分子の配向を良好に
するようした液晶素子が提案されている(例えば、米国
特許第5,270,846号明細書等)。かかる液晶素
子では、電極パターン上にスパッタリング法で形成され
た第1の絶縁層(第1の無機酸化物層)によって、膜硬
度を高めると共に導電性異物のカバーリングを達成し、
印刷塗布法で形成された第2の絶縁層(第2の無機酸化
物層)によって、良好な液晶分子の配向を達成してい
る。
【0008】ところで、上述した従来の印刷塗布、焼成
によって得られる第2の絶縁層は、一般に膜の形成後に
室内で放置することなどにより空気中の水分を多量に吸
収する性質がある。このような性質は、印刷塗布、焼成
によって得られた膜が、スパッタリングなどの真空成膜
によって形成された膜と比べて極性が大きいためと推定
される。このため、膜内に吸収された水分は絶縁層の電
気的絶縁耐圧を著しく低下させることにより、電極間の
ショートを引き起こす原因となっている。
【0009】従って、上述したような2層構造の絶縁膜
をもちいた場合、第2の絶縁層の形成から配向膜の形成
に至る工程において、その工程内の環境及び時間に関し
て厳しく管理する必要があり、液晶素子の製造設備のコ
ストアップや製造歩留まりの低下を引き起こす要因とな
っていた。
【0010】そこで、本発明は、製造設備のコストアッ
プや製造歩留まりの低下を引き起こすことなしに、電極
間の絶縁不良を確実に防止することができる液晶素子及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、本発明は、それぞれ電極を有
する一対の基板間に液晶を挟持した液晶素子において、
前記一対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有してお
り、前記絶縁膜は、印刷塗布、焼成によって形成された
第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の前記液晶側に真空成
膜によって形成された第2の絶縁層と、を少なくとも有
することを特徴としている。
【0012】また、本発明は、それぞれ電極を有する一
対の基板間に液晶を挟持した液晶素子において、前記一
対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有しており、前記
絶縁膜は、SiOとTiOとZrOからなる第1
の絶縁層と、該第1の絶縁層の前記液晶側に設けられた
Taからなる第2の絶縁層と、を少なくとも有す
ることを特徴としている。
【0013】更に、本発明は、それぞれ電極を有する一
対の基板間に液晶を挟持した液晶素子の製造方法におい
て、前記一対の基板の少なくとも一方に、印刷塗布、焼
成によって第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の
絶縁層上に真空成膜によって第2の絶縁層を形成する工
程と、を少なくとも有することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係
る実施の形態について説明する。
【0015】図1は、本発明の実施の形態に係る液晶素
子の一例を示す模式的な概略断面図である。この液晶素
子1は、偏光板2,3の間に対向して配置された一対の
ガラス基板4,5を備えている。ガラス基板4,5は、
その対向面側にそれぞれ透明電極6,7、配向膜8,9
を有しており、さらに透明電極6,7と配向膜8,9の
間には、それぞれ絶縁膜10,11が形成されている。
【0016】配向膜8と配向膜9の間には、均一な粒径
を有する複数の球状のスペーサ(粒子)12が設けられ
ている。スペーサ12は、基板間隔(ここでは配向膜8
と配向膜9との間隔)を一定に保つ役割を担っている。
ガラス基板4,5は、液晶素子1の外周乃至外周近傍に
おいて、不図示のシール材によって貼り合わされてい
る。このシール材は、液晶が注入される領域をシールす
る役割を担っている。そして、配向膜8,9間には、カ
イラルスメチック液晶13が注入されている。
【0017】ここで、スペーサ12の粒径以上に基板間
隔が広がらないようにするために、配向膜8,9間には
複数の接着性樹脂(図示省略)が設けられていることが
好ましい。
【0018】ガラス基板4,5は、必要に応じてプラス
チックなどからなる透光性基板としてもよい。また、透
明電極6,7は光透過率が高く、導電率の高い材料から
なることが好ましく、インジウム錫酸化物(ITO)が
好適に用いられる。
【0019】配向膜8,9としては、ポリイミド、ポリ
アミド、ポリシロキサンなどの有機高分子からなる膜
や、SiO等の無機化合物からなる膜などを用いること
ができる。配向膜8の少なくとも一方には、ラビング処
理などの一軸配向処理を施すことが好ましい。また、液
晶分子の配向性の点から、配向膜8,9の少なくとも一
方は、ラビング処理を施したポリイミド膜とすることが
好ましい。
【0020】図2は、図1に示した液晶素子における一
方の基板の一部を示す模式的な概略断面図である。尚、
図2ではガラス基板5側を示したが、ガラス基板4側も
同様に構成されている。
【0021】図2に示すように、透明電極7上には、抵
抗を低減するための補助電極16が形成されている。補
助電極16は透光性である必要はなく、導電率の高い金
属材料、例えば、アルミニウム、銅などからなることが
好ましく、金属単体、合金、積層膜のいずれかで形成し
てもよい。
【0022】また、絶縁膜11は、第1の絶縁層14と
第2の絶縁層15の2層構造で構成されている。第1の
絶縁層14は、透明電極7上に印刷塗布、焼成により形
成されており、その層厚は好ましくは25〜500n
m、より好ましくは50〜300nmの範囲に設定す
る。また、焼成する際の好ましい温度範囲は、150〜
270℃、より好ましくは200〜250℃である。
【0023】第1の絶縁層14の材料としては、無機酸
化物膜を使用することができ、例えば、一酸化珪素、二
酸化珪素、酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化セリウ
ム、五酸化二タンタル、二酸化チタンの中から選択され
る一つ又は複数の材料を用いることができる。
【0024】第1の絶縁層14は、無機酸化物からなる
バインダー中に無機酸化物からなるフィラーが分散され
たものであってもよい。かかるフィラーとしては、球状
の粒子、ファイバー状のものなどを用いることができ
る。
【0025】また、第1の絶縁層14を塗布する際に、
塗布するインク中に配合される有機金属化合物として
は、例えば、オルガノメトキシシラン、オルガノエトキ
シシラン等のオルガノアルキルシランや、テトライソプ
ロピルチタネート、ブチルチタネートダイマー等のチタ
ンオルソエステルや、チタンアセチルアセトネート、ポ
リチタンアセチルアセトネート等のチタンキレート等を
用いることができ、必要とする第1の絶縁層14の組成
比に応じてこれらを混合して用いることもできる。
【0026】また、第1の絶縁層14上には、第2の絶
縁層15が真空成膜法、好ましくはスパッタリング法に
よって形成される。スパッタリングする際には、先ず、
加熱脱ガスすることにより、10-4Pa程度の高真空状
態とし、その後に0.2〜1.0Paのガス雰囲気下で
スパッタリングを行う。この高真空状態において、第1
の絶縁層14中の水分の全て或いは殆どが除かれる。そ
して、第1の絶縁層14が脱水された状態で、第2の絶
縁層15が形成されるため、第1の絶縁層14中には水
分が全く或いは殆ど存在しない状態となり、第1の絶縁
層14は極めて信頼性の高い絶縁膜となる。
【0027】上述した第2の絶縁層15の膜厚は好まし
くは25〜500nm、より好ましくは50〜300n
mの範囲に設定する。第2の絶縁層15の材料として
は、無機酸化物膜を使用することができ、例えば、一酸
化珪素、二酸化珪素、酸化アルミニウム、ジルコニア、
酸化セリウム、五酸化二タンタル、二酸化チタンの中か
ら選択される一つ又は複数の材料を用いることができ
る。
【0028】尚、第2の絶縁層15の形成後に、この液
晶素子1が大気に曝されても第1の絶縁層14の表面は
直接大気に触れないため、第1の絶縁層14が水分を吸
収することはない。
【0029】更に、第2の絶縁層15上に、第3の絶縁
層(不図示)を形成してもよい。この第3の絶縁層は、
所望の材料を用いて所望の方法により形成することがで
きるが、配向膜9の液晶との界面に凹凸を設けたい場
合、無機酸化物あるいは有機金属オリゴマーからなるバ
インダー中に無機酸化物からなるフィラーが分散された
ものを印刷塗布、焼成することにより形成することが好
ましい。かかるフィラーとしては、球状の粒子、ファイ
バー状のものなどを用いることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0031】(実施例1)先ず、厚さ1.1mmの青板
ガラスからなる基板上にITOからなる透明電極をスパ
ッタリングにより成膜した後にフォトリソグラフィによ
りパターニングして、厚さ70nmの所定の透明電極パ
ターンを形成した。次に、この透明電極パターン上にM
oからなる金属電極をスパッタリングにより成膜した後
にエッチングによりパターニングし、厚さ150nmの
所定の補助電極パターンを形成した。かかる透明電極パ
ターンと補助電極パターンとを形成した基板を以後、電
極基板と呼ぶ。
【0032】次に、この電極基板上に、例えば東京応化
工業(株)社製のMOF(粘度30mPa・s、有機チ
タン化合物と有機珪素化合物との固形分を8wt%含
有)を印刷塗布した後、乾燥、焼成処理を行い、第1の
絶縁層として厚さ60nmのSiO/TiO2 の1:1
混合層を形成した。前記印刷は、基板とは異なるガラス
上にスピナーを用いて前記MOFをコーティング(展
色)し、これを印刷版に転写して、印刷版から電極基板
に印刷した。尚、この印刷版の材質はサイレルである。
また、前記乾燥、焼成処理は、ホットプレート上で80
℃で約1分間乾燥した後、低圧水銀灯により3.6Jの
紫外線を照射することによって有機物脱離の促進を行
い、最後にオーブンにより270℃で約1時間の焼成を
行った。
【0033】次に、前記第1の絶縁層上に第2の絶縁層
として、膜厚90nmのTa25からなる層をスパッ
タリング法により形成した。この時のスパッタリング条
件は、ターゲットはTa25 、入力パワーは2kw、
ガス流量比はAr/O2 =190/10、圧力(全圧)
は0.4Paとした。尚、スパッタリングを行う前に、
第1の絶縁層中の水分を除去するために、10-4Paに
減圧すると共に150℃で電極基板の予備加熱を行っ
た。
【0034】このようにして、第1の絶縁層と、第2の
絶縁層とからなる絶縁膜を形成した電極基板上にポリイ
ミドからなる配向膜を4nmの厚さで形成し、ラビング
処理を施し、液晶素子用基板とした。
【0035】そして、この液晶素子用基板上に平均粒径
2.0μmのシリカビースを散布し、シール材を用いて
2枚の液晶素子用基板を貼り合わせた(基板間ギャップ
は2.0μm)後、強誘電性液晶を等方相で真空注入し
て液晶素子を作製した。尚、注入した強誘電性液晶は、
注入後に徐冷してカイラルスメクチックC相とした。こ
のようにして本実施例に係る液晶素子を複数作製したと
ころ、透明電極間に絶縁不良(ショート)の発生は殆ど
無く、また、液晶分子の配向状態も良好であり、不良品
の発生率は1%以下であった。
【0036】(比較例)上述した液晶素子1との比較を
行うために比較用液晶素子を作製した。この比較用液晶
素子では、実施例1における第1の絶縁層と第2の絶縁
層の形成順序を逆にした。即ち、電極基板上に層厚90
nmのTa25 からなる層をスパッタリング法により
形成した後、MOF(粘度30mPa・s、有機チタン
化合物と有機珪素化合物との固形分を8wt%含有)を
印刷塗布した後、乾燥、焼成処理を行い、厚さ60nm
のSiO/TiO2 の1:1混合層を形成した。その他
の点は実施例1と同様である。
【0037】このようにして比較用液晶素子を複数作製
したところ、透明電極間に一部絶縁不良(ショート)が
発生していることが確認された。この比較用液晶素子の
ように、製造環境の管理を行わなかった場合、不良品率
は20%以上であった。
【0038】これは、絶縁層中の2層の絶縁層の上下関
係を変えただけで、透明電極間に絶縁不良が生じる原因
となることを示している。即ち、印刷塗布、焼成で形成
されるMOFからなる絶縁層は水分を吸収しやすく、こ
の膜を形成した後に何の脱水処理も行わないと、この膜
中に水分が入り込み、絶縁膜全体の電気的耐圧が低下す
るのである。
【0039】(実施例2)本実施例では、第1の絶縁層
として、SiO2 :TiO2 :ZrO2 =3:5:1の
混合物からなるバインダー中にSiO2 からなる粒径4
0nm程度のフィラー(ビーズ)を分散させた層厚80
0nmの混合層を形成した。フィラーの割合はSiO
2 :TiO2 :ZrO2 =3:5:1に対して1であ
る。それ以外は実施例1と同様にして液晶素子を作製し
た。
【0040】本実施例に係る第1の絶縁層は、電極基板
上に、例えば触媒化成工業(株)社製のセラメートPA
M−606J13(粘度25mPa・s、有機チタン化
合物と有機珪素化合物との固形分を8wt%含有)を印
刷塗布した後、乾燥、焼成処理を行うことにより形成し
た。セラメートPAM−606J13は、側鎮として有
機基を有する金属オリゴマーと無機化合物のフィラーと
を有するインク組成物の一種である。
【0041】前記印刷は、基板とは異なるガラス上にス
ピナーを用いて前記セラメートPAM−606J13を
コーティング(展色)し、これを印刷版に転写して、印
刷版から電極基板に印刷した。尚、この印刷版の材質は
サイレルである。また、前記乾燥、焼成処理は、ホット
プレート上で80℃で約1分間乾燥した後、低圧水銀灯
により3.6Jの紫外線を照射することによって有機物
脱離の促進を行い、最後にオーブンにより270℃で約
1時間の焼成を行った。
【0042】このようにして作製された本実施例に係る
液晶素子は、実施例1に係る液晶素子同様、透明電極間
に絶縁不良(ショート)の発生は殆ど無く、また、液晶
分子の配向状態も良好であった。また、不良品率は1%
以下であった。
【0043】(実施例3)本実施例では、第2の絶縁層
上に第3の絶縁層として、SiO2 :TiO2 :ZrO
2 =3:5:1の混合物からなるバインダー中に、Si
2 からなる粒径40nm程度のフィラー(ビーズ)を
1の割合で分散させた層厚800nmの混合層を形成し
た。それ以外は実施例1と同様にして液晶素子を作製し
た。尚、この第3の絶縁層の形成方法は、実施例2にお
ける第1の絶縁層の形成方法と同様である。
【0044】このようにして作製された本実施例に係る
液晶素子は、実施例1に係る液晶素子同様、透明電極間
に絶縁不良(ショート)の発生は殆ど無く、また、液晶
分子の配向状態も良好であった。また、不良品率は1%
以下であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板の電極パターン上に印刷塗布、焼成により形成され
る第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に真空成膜により形
成される第2の絶縁層とからなる絶縁膜を形成すること
により、絶縁耐圧の優れた安定した絶縁膜を形成するこ
とができるので、液晶素子の生産性及び歩留まりの向上
を図ることができ、且つ絶縁膜の製造環境及び形成時間
に関して従来よりも厳しく管理する必要がないので、製
造設備のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶素子の一例を示
す模式的な概略断面図。
【図2】図1に示し液晶素子における一方の基板の一部
を示す模式的な概略断面図。
【符号の説明】
1 液晶素子 2,3 偏光板 4,5 ガラス基板(基板) 6,7 透明電極 8,9 配向膜 10,11 絶縁膜 12 スペーサ 13 液晶(カイラルスメクチック液晶) 14 第1の絶縁層 15 第2の絶縁層 16 補助電極

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ電極を有する一対の基板間に液
    晶を挟持した液晶素子において、 前記一対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有してお
    り、前記絶縁膜は、印刷塗布、焼成によって形成された
    第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の前記液晶側に真空成
    膜によって形成された第2の絶縁層と、を少なくとも有
    する、 ことを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 前記真空成膜がスパッタリングである、 請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記スパッタリングが0.2〜1.0P
    aのガス雰囲気下で行われたものである、 請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層
    がそれぞれ独立に、一酸化珪素、二酸化珪素、酸化アル
    ミニウム、ジルコニア、酸化セルウム、五酸化ニタンタ
    ル及び二酸化チタンの中から選択される一つ又は複数の
    材料からなる、 請求項1記載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記絶縁膜が、前記第2の絶縁層の前記
    液晶側に印刷塗布、焼成によって形成された第3の絶縁
    層をさらに有する、 請求項1記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記一対の基板の少なくとも一方が前記
    液晶と接する面に配向膜を有している、 請求項1記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記液晶がカイラルスメクチック液晶で
    ある、 請求項1記載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 それぞれ電極を有する一対の基板間に液
    晶を挟持した液晶素子において、 前記一対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有してお
    り、前記絶縁膜は、SiOとTiOZrO
    らなる第1の絶縁層と、該第1の絶縁層の前記液晶側に
    設けられたTaからなる第2の絶縁層と、を少な
    くとも有する、ことを特徴とする液晶素子。
  9. 【請求項9】 それぞれ電極を有する一対の基板間に液
    晶を挟持した液晶素子において、 前記一対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有してお
    り、前記絶縁膜は、SiO とTiO 及びSiO
    らなるフィラーを含有している第1の絶縁層と、該第1
    の絶縁層の前記液晶側に設けられたTa からなる
    第2の絶縁層と、を少なくとも有する、 ことを特徴とする液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記フィラーが粒子である、 請求項記載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 それぞれ電極を有する一対の基板間に
    液晶を挟持した液晶素子において、 前記一対の基板の少なくとも一方は絶縁膜を有してお
    り、前記絶縁膜は、SiO とTiO とからなる第1
    の絶縁層と、該第1の絶縁層の前記液晶側に設けられた
    Ta からなる第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層
    の前記液晶側に設けられたSiO とTiO とZrO
    とからなる第3の絶縁層と、を少なくとも有する、 ことを特徴とする液晶素子。
  12. 【請求項12】 前記一対の基板の少なくとも一方が前
    記液晶と接する面に配向膜を有している、 請求項8、9又は11記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 前記液晶がカイラルスメクチック液晶
    である、 請求項8、9又は11記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 それぞれ電極を有する一対の基板間に
    液晶を挟持した液晶素子の製造方法において、 前記一対の基板の少なくとも一方に印刷塗布、焼成によ
    って第1の絶縁層を形成する工程と、前記第1の絶縁層
    上に真空成膜によって第2の絶縁層を形成する工程と、
    を少なくとも有する、 ことを特徴とする液晶素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記真空成膜がスパッタリングであ
    る、 請求項14記載の液晶素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記スパッタリングを0.2〜1.0
    Paのガス雰囲気下で行う、 請求項15記載の液晶素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第1の絶縁層がSiOとTiO
    とからなり、前記第2の絶縁層がTaからな
    る、 請求項14記載の液晶素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第1の絶縁層がZrOを含有し
    ている、 請求項17記載の液晶素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第1の絶縁層がSiOからなる
    フィラーを含有している、 請求項17記載の液晶素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記フィラーが粒子である、 請求項19記載の液晶素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第2の絶縁層上にSiOとTi
    とZrOとからなる第3の絶縁層を形成する工程
    をさらに有する、 請求項14記載の液晶素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記一対の基板の少なくとも一方が前
    記液晶と接する面に配向膜を有している、 請求項14記載の液晶素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記液晶がカイラルスメクチック液晶
    である、 請求項14記載の液晶素子の製造方法。
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