JP4002385B2 - 透明イオンゲッター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セル - Google Patents

透明イオンゲッター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、配向膜との密着性などに優れ、数μm程度の微細な凹凸を有する基板を平坦化することができるとともに、液晶表示パネル中のイオン量を低減できる被膜を形成することのできる透明被膜形成用塗布液、およびこのような被膜形成用塗布液から形成された被膜を有する被膜付基材ならびにこのような被膜付基材を有する液晶表示セルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来より、ガラス基板の表面にITOなどの透明電極膜、ポリイミドなどの高分子からなる配向膜が順次積層されている一対の透明電極付基板を、それぞれの透明電極膜同士が対向するようにスペーサを介して対向させ、このスペーサによって所定の間隔に開けられた隙間に液晶を封入した液晶表示セルが知られている。
【0003】
このタイプの液晶表示セルは、製造工程で液晶セル内部に混入した異物やスペーサによって配向膜が傷つけられ、その結果、上下の電極間に導通が生じ、この導通に起因する表示不良が発生することがあった。
このため、上記のような液晶表示セルでは、透明電極付基板の透明電極膜と配向膜との間に絶縁膜が形成されている(特開昭60−260021号公報、特開平1−150116号公報、特開平2−221923号公報など参照)。
【0004】
ところで、上記配向膜としてはポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂が多く用いられている。このような疎水性の強い樹脂からなる配向膜を絶縁膜上に形成すると、絶縁膜と配向膜との密着性が不充分となり、液晶表示セルにラビング傷などによる表示むらが生じることがあった。このため、本願出願人は特開平4−247427号公報において、配向膜との密着性に優れた絶縁膜を形成可能な塗布液として、特定の粒子径を有する無機化合物を含む絶縁膜形成用の塗布液を提案している。
【0005】
また、透明電極と配向膜との間にこのような絶縁膜を形成すると、配向膜のラビング時に発生する静電気などによって配向膜に傷や配向不良などが生じることもあった。このため本願出願人は、特開平5−232459号公報において、導電性微粒子とマトリックスからなり、かつ表面抵抗が109〜1013Ω/□である保護膜を透明電極表面に形成することを提案している。
【0006】
このような液晶表示セルを用いた液晶表示装置として、TFT型液晶表示装置およびSTN型液晶表示装置が知られている。
TFT型液晶表示装置は、透明基板上にTFT(薄膜トランジスタ)素子、データ電極などのTFTアレイが設けられている。このTFTアレイによる凹凸を平坦化膜により平坦化した後、その上にITOなどの表示電極を取り付ける構成にすることにより、開口率の向上とTFTアレイの凹凸による液晶の配向乱れをなくすようにしている。さらにカラーフィルターを有する液晶表示装置においても、カラーフィルター画素の平坦化あるいは信頼性の向上のために絶縁性保護被膜が設けられている。
【0007】
このような電子材料分野における平坦化被膜、絶縁性保護被膜の形成材料として、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などの有機樹脂、SiO2、Si34などの無機系被膜、有機・無機複合系のアルキルトリヒドロキシシランの重合物などが用いられている。しかしながらこれらの被膜形成材では、耐熱性、クラックの発生、被膜の強度、該被膜上へのレジスト膜の形成性などに問題があった。このため、本願出願人はWO97/49775号において、無機化合物粒子と特定の有機ケイ素化合物の加水分解物を含む透明被膜形成用塗布液を提案している。
【0008】
ところで、上記した各種の液晶表示装置のうち、TFT型液晶表示装置においては高電圧保持率特性を持たせるために、セルを構成する材料に起因するイオンおよびセル製造プロセスで混入するイオンを低減させるなどの対策がとられているが、信頼性を高めるためにさらに液晶中の不純分を低減することが要求されている。
【0009】
また、STN型液晶表示装置においては、消費電力の低減を図るべく液晶材料の改良が進められている。この消費電力の低減のために液晶材料として、低い閾値電圧を示す極性の強い官能基を持つ液晶が用いられるようになってきているが、このような液晶を用いたパネルは、従来の液晶表示装置用パネルよりも液晶中の可動イオンによる表示不良を生じることがある。このため、液晶中の可動イオン(イオン性不純分)を低減するすることが行われているが、高度に、かつ効果的に除去することが困難であり、表示不良の課題は解決に至っていない。さらに、このようなイオン性不純分は経時的にセル構成材料から溶出することがあり、長期信頼性に欠けることから、長期にわたってイオン性不純分濃度を低く保つことが要求されている。
【0010】
このような状況のもと、本発明者等は、液晶中の不純分イオン成分を低減化する方法について、鋭意検討したところ、
液晶表示セルの透明電極と配向膜との間にイオン吸着能を有する微粒子を含む透明イオンゲッター膜を設けることによって、液晶中のイオン分を低減させ、液晶表示装置の表示品位を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の目的】
本発明は、前記のような従来技術における問題点を解決すべくなされたものであり、すなわち耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、絶縁性に優れ、電極膜あるいはポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂からなる膜などとの密着性にも優れ、さらに液晶中の不純分イオン成分を低減化できる被膜を形成可能な透明被膜形成用塗布液、このような被膜を有する被膜付基材および液晶表示セルを提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】
本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液は、
(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶媒中に分散されてなり、
該イオン吸着性微粒子(B)の平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあり、イオン吸着性微粒子のイオン吸着容量が0.1〜6.0mmol/gの範囲にあり、
かつイオン吸着性粒子が、アニオンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒子であることを特徴とする透明イオンゲッター膜形成用塗布液。
【0013】
前記(A)マトリックス形成成分が、アセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、金属アルコキシドおよびポリシラザンから選ばれる少なくとも1種の化合物からなることが好ましい。
本発明に係る透明イオンゲッター膜付基材は、基材表面に前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透明イオンゲッター膜が形成されていることを特徴としている。
【0014】
前記透明イオンゲッター膜の細孔容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1〜20nmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る第1の液晶表示セルは、
基板の表面に透明電極膜、透明イオンゲッター膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、
透明イオンゲッター膜が、前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る第2の液晶表示セルは、
基板の表面にカラーフィルター、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、
透明イオンゲッター膜が、前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る第3の液晶表示セルは、
基板の表面にTFTアレイ、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、
透明イオンゲッター膜が、前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴としている。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セルについて具体的に説明する。
[透明イオンゲッター膜形成用塗布液]
まず本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液について説明する。
【0018】
本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液は、(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶媒に分散されている。
(A)マトリックス形成成分
本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液に用いられる(A)マトリックス形成成分は、(a)アセチルアセトナトキレート化合物、(b)有機ケイ素化合物、(c)金属アルコキシドおよび(d)ポリシラザンから選ばれる1種の化合物または2種以上の混合物からなることが好ましい。なお、このようなマトリックス形成成分は、マトリックスの前駆体である。
【0019】
(a) アセチルアセトナトキレート化合物
本発明に用いいられるアセチルアセトナトキレート化合物はアセチルアセトンを配位子とするキレート化合物で、下記化学式(1)で表される化合物またはその縮合体である。
【0020】
【化1】
Figure 0004002385
【0021】
〔ただし、式中、a+bは2〜4であり、aは0〜3であり、bは1〜4であり、Rは−Cn2n+1(n=3または4)であり、Xは−CH3、−OCH3、−C25または−OC25である。M1は周期率表第IB族、第IIA、B族、第III A、B族、第IVA、B族、第VA、B族、第VIA族、第VII A族、第VIII族から選ばれる元素またはバナジル(VO)である。この内、これらの元素などとa、bの好ましい組み合わせは、次表の通りである。〕
【0022】
【表1】
Figure 0004002385
【0023】
このような化合物の具体例としては、たとえばジブトキシ−ビスアセチルアセトナトジルコニウム、トリブトキシ−モノアセチルアセトナトジルコニウム、ビスアセチルアセトナト鉛、トリスアセチルアセトナト鉄、ジブトキシ−ビスアセチルアセトナトハフニウム、モノアセチルアセトナト−トリブトキシハフニウムなどが挙げられる。
【0024】
このようなアセチルアセトナトキレート化合物が塗布液中に含まれていると、塗布液が安定でポットライフが長く、このような透明被膜形成用塗布液を基材上に塗布し、得られた被膜を乾燥・焼成すると、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優れた被膜が形成される。
(b) 有機ケイ素化合物
本発明に用いられる有機ケイ素化合物としては、
一般式 Ra−Si(OR’)4-a (2)
(ただし、式中、Rは−Cn2n+1であり、R’は−Cn2n+1または−C24OCn2n+1であり、aは0ないし3の整数であり、nは1ないし4の整数である。)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0025】
有機ケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、エポキシシランなどが挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、そのままの状態で使用しても、あるいは部分加水分解して使用してもよい。このような有機ケイ素化合物の部分加水分解は、従来から行われている通常の方法、たとえばメタノールまたはエタノールなどのアルコールに有機ケイ素化合物を混合し、水と酸とを加えて部分加水分解する方法に従って得ることができる。
【0026】
上記有機ケイ素化合物が添加された本発明に係る透明被膜形成用塗布液を基材上に塗布し、得られた被膜を乾燥・焼成すると、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優れた被膜が形成される。
(c) 金属アルコキシド
また上記マトリックス前駆体成分として、下記化学式(3)で表される金属アルコキシドまたはその縮合体も好適に使用することができる。
【0027】
M(OR)n (3)
(式中、Mは金属原子であり、Rはアルキル基または−Cm2mOCl2l+1(mは3〜10、lは1〜4であり、nはMの原子価と同じ整数である。)
上記式(3)においてMは、金属であれば特に限定されることはないが、好ましいMは、Be、Al、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Pb、Bi、CeまたはCuである。
【0028】
このような金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラブトキシジルコニウム、ジイソプロポキシ−ジオクチルオキシチタニウム、ジエトキシ鉛などが好ましく用いられる。
上記金属アルコキシドを含んでいると、透明被膜形成用塗布液を塗布・乾燥・焼成したときに、この金属アルコキシドの重合硬化により、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優れた被膜を形成することができる。
【0029】
(d) ポリシラザン
また、マトリックス形成成分として使用されるポリシラザンとしては下記式(4)で表される繰り返し単位を有するポリシラザンが用いられる。
【0030】
【化2】
Figure 0004002385
【0031】
〔ただし、式中、R1、R2およびR3は、それぞれ水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基である。〕
マトリックス形成成分として、前記式(4)で表されるポリシラザンを用いる場合、アルキル基がメチル基、エチル基、またはプロピル基であるポリシラザンが好ましい。この場合には、加熱時に分解するアルキル基がなく、加熱時に膜の収縮が少なく、このため収縮ストレス時にクラックが生じることが少なくなり、クラックのほとんどない透明イオンゲッター膜が得られる。
【0032】
また、上記式(4)で表わされる繰り返し単位を有するポリシラザンは、直鎖状であっても、環状であってもよく、直鎖状のポリシラザンと環状のポリシラザンとが混合して含まれていてもよい。
さらに、このようなポリシラザンの数平均分子量は、500〜10,000、好ましくは1,000〜4,000の範囲にあることが望ましい。数平均分子量が500未満では、加熱硬化時に低分子量のポリシラザンが揮発し、得られた透明イオンゲッター膜が多孔質になりやすく、また、分子量が10,000を越えると、塗布液の流動性が低下する傾向がある。
【0033】
(A)マトリックス形成成分として、上記(a)〜(d)を2種以上併用する場合、
(a)アセチルアセトナトキレート化合物、(b)有機ケイ素化合物、(c)金属アルコキシド、(d)ポリシラザンをそれぞれ、酸化物、窒化物に換算したとき、すなわち(a)アセチルアセトナトキレート化合物を(M1x)で表し、(b)有機ケイ素化合物を(SiO2)であらわし、(c)金属アルコキシド(M2x)で表し、(d)ポリシラザンを(SiN)であらわしたとき、各成分の重量比が、以下のような関係を満たしていることが好ましい。
【0034】
0.001≦M1x/(SiO2+SiN+M2x)≦10
アセチルアセトナトキレート化合物を使用する場合、この値が0.001以上であると、耐アルカリ性、耐酸性、耐塩水性、耐水性、耐溶剤性に優れた被膜を得ることができる。
また、有機ケイ素化合物およびポリシラザンと金属アルコキシドとの配合割合は、0.001≦M2x/(SiO2+SiN+M2x)≦1.0であることが好ましい。
(B)イオン吸着性微粒子
本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液に用いられる(B)イオン吸着性微粒子は、アニオンおよび/または有機カチオンを吸着しうる無機微粒子、またはアニオンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒子であって、平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましい範囲は10nm〜5μmである。また、イオン吸着容量は0.1〜6.0mmol/gの範囲にあることが好ましい。このようなイオン吸着性微粒子は、特に液晶中に存在する有機カチオンまたはアニオンを好適に吸着する。
【0035】
なお、(B)イオン吸着性無機微粒子および有機微粒子が吸着しうるアニオンとして、例えばF-、Cl-、Br-、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、PO4 3-、CO3 2-、HCO3 -などの無機アニオン、蟻酸イオン、酢酸イオンなどカルボン酸イオン、石炭酸イオンなどの有機アニオンが挙げられる。有機カチオンとしては、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン等の4級アンモニウムイオンなどの有機カチオンが挙げられる。無機カチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが挙げられる。
【0036】
イオン吸着性微粒子の平均粒子径が小さくなるとイオン吸着容量は高くなり、
イオン吸着速度は早くなる傾向があるものの、平均粒径が1nm未満になると、さらにイオン吸着容量が高くなることもイオン吸着速度が早くなることもなく、さらに透明イオンゲッター膜の表面にポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂からなる別の膜を密着性よく形成することができない場合がある。また、平均粒子径が10μmを超えるとイオン吸着容量およびイオン吸着速度が低下するとともにイオンゲッター膜の透明性が低下することがあるので好ましくない。
【0037】
特に、平均粒子径が50nm以下、好ましくは10〜40nmのイオン吸着性微粒子を含む塗布液を用いて30nm〜2μmの厚さで電極膜と配向膜の間に形成されたイオンゲッター膜は、イオンゲッター膜表面が1〜10nmの均一な表面荒さを有するので疎水性の配向膜との密着性に優れている。
また、イオン吸着容量が0.1mmol/gより少ないと、イオンを充分吸着することができないので、可動イオンによる表示不良を起こしたり、長期信頼性に欠けることがあり、6.0mmol/g以上のイオン吸着体は得ることが困難である。
【0038】
このようなイオン吸着性微粒子の平均粒子径はレーザードップラー法またはTEM観察によって求めることが出来る。
また、イオン吸着性微粒子のイオン吸着容量は以下のような方法で測定される。
(1)無機陰イオン吸着容量の測定
濃度1重量%のNaCl水溶液100gに、120℃で乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子1.5gを加え、室温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中のClイオン濃度を原子吸光法により分析し、元のNaCl水溶液のClイオン濃度との濃度差から、イオン吸着性微粒子のClイオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0039】
(2)有機陽イオン吸着容量の測定
濃度1重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液100gに、120℃で乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子1.5gを加え、室温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中のテトラメチルアンモニウムイオン濃度をイオンクロマト法により分析し、元の水溶液との濃度差から、イオン吸着性微粒子の有機陽イオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0040】
(3)有機陰イオン吸着容量の測定
濃度1重量%の酢酸水溶液100gに、120℃で乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子1.5gを加え、室温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中の酢酸イオン濃度をイオンクロマト法により分析し、元の水溶液との濃度差から、イオン吸着性微粒子の有機陰イオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0041】
(4)有機陽イオン吸着容量の測定
濃度1重量%のNaCl水溶液100gに、120℃で乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子(すなわち有機微粒子)1.5gを加え、室温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中のナトリウムイオン濃度を原子吸光法により分析し、元のNaCl水溶液との濃度差から、イオン吸着性有機微粒子のナトリウムイオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0042】
本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液に用いるイオン吸着性微粒子としては、前記したイオンを吸着することできる上に、イオン吸着容量および平均粒子径が前記範囲にあれば特に制限はないが、
たとえばイオン吸着性無機微粒子を用いる場合は、これをMOx・nH2Oで表し、付着水以外の結晶水、構造水酸基、表面水酸基のいずれかを金属酸化物(MOx)1モル当たり水(H2O)のモル数nが0.02〜5の範囲で有している金属酸化物が好ましい。
【0043】
上記したイオン吸着性無機微粒子中の水のモル数nの値が0.02モル未満ではイオン吸着容量が小さすぎて液晶中のイオンを効果的に吸着することができず、0.3モルを越えて高い場合はイオンゲッター膜上に、スパッタリング法でITO膜を形成する際などに、水分子として脱離するためにスパッタリング装置内の真空到達時間が長くなる傾向があるので好ましくない。
【0044】
このようなイオン吸着性無機微粒子中の水のモル数nの値は
、120℃で乾燥して恒量化したイオン吸着性無機微粒子の示差熱分析により、500℃までに減少した水の量を、金属酸化物1モルあたりの水のモル数として計算することによって求めることができる。
このようなイオン吸着性無機微粒子を構成する金属酸化物としては、SiO2、Al23、ZrO2、TiO2、SnO2、In23、Sb25等の金属酸化物、SiO2・Al23、SiO2・TiO2、In23・SnO2、Sb25・SnO2、SnO2・In23・Sb25、WO3、MoO3等の複合金属酸化物あるいは固溶体、ゼオライト(結晶性アルミノシリケート)等が挙げられる。さらに、これらの2種以上の混合物も好ましく用いられる。
【0045】
これらのAl23、SnO2、ZrO2はカチオンとアニオンの双方を吸着することができ、また、MgO、ZnO等はアニオンを吸着するものとして使用される。
また、イオン吸着性有機微粒子を用いる場合は、イオン吸着容量が上記範囲にあれば特に制限はなく従来公知のイオン交換樹脂を用いることができる。具体的には陽イオン交換樹脂として、ダイヤイオンSKシリーズ(三菱化学(株)製)、カルボキシメチルセルロース、SEセルロース、Pセルロース、セファデックス(以上ファルマシア社製)等挙げられる。
【0046】
陰イオン交換樹脂としてダイヤイオンSAシリーズ(三菱化学(株)製)、DEAEセルロース、トリエチルアンモニウムエチルセルロース、ECTEOLAセルロース、セファデックス(以上ファルマシア社製)等挙げられる。また、ダイヤイオン(三菱化学(株)製)等の両イオン交換樹脂が挙げられる。
これらのイオン吸着性有機微粒子は、吸着させる無機イオン、有機イオンに応じて適宜選択される。
【0047】
上記各イオン吸着性微粒子は、液晶中のイオンの種類、液晶中に溶出するイオンの種類、これらの量比に応じて、混合して用いることができる。
さらに、必要に応じてこれらのイオン吸着性微粒子以外の絶縁性または導電性の無機化合物微粒子あるいは樹脂微粒子を用いてもよい。
このようなイオン吸着性微粒子のなかでもイオン吸着性無機微粒子は、水または有機溶媒に分散したゾルの状態で用いることが好ましいが、イオン吸着性無機微粒子を透明イオンゲッター膜形成用塗布液中に単分散または単分散に近い状態で分散できればゾル以外の状態にあるイオン吸着性無機微粒子を用いてもよい。
【0048】
透明イオンゲッター膜形成用塗布液組成
本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液は、(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性微粒子とが水と有機溶媒とからなる混合溶媒に均一に溶解または分散されている。
このような透明イオンゲッター膜形成用塗布液に使用される有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類などから選ばれる公知の有機溶媒が使用される。このような有機溶媒は単独で、または2種以上を混合して使用してもよい。
【0049】
本発明に係る塗布液中の固形分濃度は、(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性微粒子を酸化物、窒化物に換算した合計値で、15重量%以下であることが好ましい。この値が15重量%を越えると、塗布液の保存安定性が低下する傾向が生じ、一方、この固形分濃度が極端に低いと、目的の膜厚を得るのに複数回の塗布操作を繰り返すことが必要となるので、固形分濃度は0.1重量%以上が実用的である。
【0050】
マトリックス形成成分(A)は、酸化物および窒化物(ポリシラザンの場合)換算で、形成したイオンゲッター膜中に、30〜95重量%となるような量で塗布液中に含まれていることが望ましい。
また(B)イオン吸着性微粒子は、塗布液中に、酸化物換算で、形成したイオンゲッター膜中に5〜70重量%の範囲となるような量で存在していることが好ましい。このような範囲で、イオン吸着性微粒子がイオンゲッター膜中に存在していると、この塗布液から得られたイオンゲッター膜の表面に、さらにポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂からなる別の被膜が密着性よく形成できるとともに、液晶パネル中のイオンを効果的に低減できる透明イオンゲッター膜が形成でき、70重量%を越えると、この塗布液から形成されるイオンゲッター膜と下部基板、TFTアレイ、カラーフィルターなどとの密着性が低下する傾向がある。
【0051】
さらに、必要に応じて透明イオンゲッター膜形成用塗布液にはイオン吸着性微粒子以外に、絶縁性または導電性の無機化合物微粒子あるいは樹脂微粒子が含まれていてもよく、この場合、塗布液には、イオン吸着性微粒子とイオン吸着性微粒子以外の微粒子は、形成したイオンゲッター膜中に、酸化物、窒化物の合計として5〜70重量%の範囲となるような量で存在していることが好ましい。
【0052】
本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液中の水分濃度は、0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。この値が0.1重量%未満であると、アセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、ポリシラザンおよび金属アルコキシドの加水分解、縮重合、複合化などが充分になされず、得られる被膜の耐擦傷性、耐久性が低下する傾向にあり、また、この値が50重量%を越えると、塗布の際、塗布液が基材からはじかれやすくなり、被膜を形成しにくくなることがある。
【0053】
本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液では、塗布液中に含まれる(A)マトリックス形成成分と(B)イオン吸着性微粒子との混合割合、(A)マトリックス形成成分に含まれる金属種、(B)イオン吸着性微粒子の種類などによって、得られる被膜の屈折率および誘電率を自由にコントロールすることができる。
【0054】
このようにして透明電極付基板の透明電極上に屈折率がコントロールされたイオンゲッター膜を形成することにより、たとえばこの上に形成される配向膜の屈折率より高くして電極などが透けて見えるのを防止することができる。
本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を用いて形成された透明イオンゲッター膜は、細孔容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1〜20nmの範囲にある細孔を有していることが好ましい。
【0055】
細孔容積が0.01ml/g未満では、細孔が少ないためにイオン吸着性微粒子のイオン吸着能を充分発現することが出来ず、0.3ml/gを超えると膜の強度が不十分となることがある。
また、平均細孔径が1nm未満では、電圧を印加した際のイオンの拡散速度が遅く、イオン吸着性微粒子のイオン吸着能を充分発現することが出来ないことがある。また、平均細孔径が20nmを超えると膜の強度が不十分となることがある。
【0056】
このような透明イオンゲッター膜の細孔容積および平均細孔径は、基板上に形成した透明イオンゲッター膜を剥離し、剥離した透明イオンゲッター膜についてN2吸着法によって測定される。
[被膜付基材]
次に、本発明に係る被膜付基材について具体的に説明する。
【0057】
本発明に係る被膜付基材は、基材表面に上記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透明イオンゲッター膜が形成されていることを特徴としている。
透明イオンゲッター膜の細孔容積は、0.01〜0.3ml/g、好ましくは0.05〜0.2ml/gの範囲にあることが好ましい。また、透明イオンゲッター膜の平均細孔径は、1〜20nm、好ましくは2〜8nmの範囲にあることが好ましい。
【0058】
本発明に係る透明イオンゲッター膜付基材は、ガラス、プラスチックなどの基材表面に上記のような透明イオンゲッター膜形成用塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷などの方法で塗布し、次いでこのようにして基材表面に形成された被膜を常温〜80℃で乾燥し、必要に応じてさらに120℃以上、場合によっては300℃以上に加熱して硬化するなどの方法によりにより形成される。
【0059】
さらにこの基材に形成されている被膜は、次のような方法で硬化促進処理が施されていてもよい。
硬化促進処理として具体的には、上記塗布工程または乾燥工程の後に、あるいは乾燥工程中に、未硬化段階の被膜に可視光線よりも波長の短い電磁波を照射したり、未硬化段階の被膜を硬化反応を促進するガス雰囲気中に晒したりする処理が挙げられる。
【0060】
このような加熱前の未硬化段階の被膜に照射する電磁波としては、具体的には紫外線、電子線、X線、γ線などが例示され、特に紫外線が好ましい。
紫外線照射処理を行う際には、例えば、発光強度が約250nmと360nmとにおいて極大となり、光強度が10mW/cm2 以上である高圧水銀ランプを紫外線源として使用し、100mJ/cm2 以上、好ましくは1000mJ/cm2 以上のエネルギー量の紫外線を照射することが好ましい。
【0061】
また、加熱前の未硬化段階の被膜の硬化反応を促進するガスとしては、たとえばアンモニア、オゾンなどが例示される。またこのようなガス処理を行う場合は、未硬化段階の被膜を、ガス濃度が100〜100,000ppm、好ましくは1000〜10,000ppmである上記活性ガス雰囲気下に、1〜60分曝すことが好ましい。
【0062】
なお、このガス処理は、加熱硬化後に行っても同様の効果が得られる。
上述したような硬化促進処理を行うと、透明イオンゲッター膜中に含まれるアセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、ポリシラザン、金属アルコキシドなどの(A)マトリックス形成成分の縮重合、複合化が促進されると同時に、膜中に残存する水および溶媒の蒸発も促進される。このため、次の加熱工程において必要とされる加熱温度、加熱時間などの加熱硬化条件が緩和され、本発明に係るイオンゲッター膜付基材の製造を効率よく進めることができる。
【0063】
以上のような工程によって本発明に係る透明イオンゲッター膜付基材が得られるが、この基材上に形成された膜は、表面硬度が高く、密着性、透明性に優れるとともに、耐擦傷性、耐水性、耐アルカリ性などの耐久性にも優れている上、液晶パネル中の可動イオンを効果的に低減でき、絶縁抵抗が高く、絶縁性の膜としても好適である。
【0064】
[液晶表示セル]
次に、本発明に係る液晶表示セルについて具体的に説明する。
本発明に係る液晶表示セルは、いずれも上記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を使用して形成された透明イオンゲッター膜を有する透明電極付基板を用いたものである。
【0065】
本発明に係る第1の液晶表示セルは、少なくとも一方の基板の表面に透明電極膜、透明イオンゲッター膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルである。
【0066】
図1は、本発明に係る第1の液晶表示セルの1態様例を模式的に表す断面図である。
この液晶表示セル1は、ガラス基板11の表面に透明電極膜12、透明イオンゲッター膜13および配向膜14が順次積層されてなる一対の透明電極付基板2が、それぞれの透明電極膜12、12同士が対向するように複数のスペーサー粒子5により所定の間隔dを開けて配置され、この所定間隔dに開けられた透明電極膜12、12間の隙間に液晶4が封入されて形成されている。
【0067】
透明イオンゲッター膜13は、上記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を透明電極膜12上に塗布することにより形成した膜であり、この膜は、表面硬度が高く、透明性および耐擦傷性に優れ、絶縁抵抗が高く、透明イオンゲッター膜13と配向膜14との密着性が良好である上に、液晶パネル中の可動イオンを効果的に低減することができる。
【0068】
なお、本発明に係る第1の液晶表示セルでは、ガラス基板11と透明電極膜12との間にさらにSiO2 膜などのアルカリパッシベーション膜を形成した透明電極付基板を用いてもよいなど、様々な変形が可能である。
本発明に係る第2の液晶表示セルは、少なくとも一方の基板の表面にカラーフィルター、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルである。
【0069】
図2は、本発明に係る第2の液晶表示セルの1態様例を模式的に表す断面図である。
この図2にその特徴的部分が示されているカラー液晶表示装置1’は、ガラス基板21a上にアルカリパッシベーション膜21b、複数の画素電極21c、透明イオンゲッター膜21dおよび配向膜21eが順次積層された電極板21と、ガラス基板22a上にアルカリパッシベーション膜22b、カラーフィルター22c、透明イオンゲッター膜22d、透明電極22eおよび配向膜22fが順次積層された対向電極板22を有する液晶表示セル2’と、この液晶表示セルの両側に一対の偏光板3’、4’とを備えている。このうち、透明イオンゲッター膜21dおよび22dは、前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜である。
【0070】
前記液晶表示セル2の電極板21と対向電極板22とは、それぞれのガラス基板21aおよび22aを外側にして、複数の画素電極21cのそれぞれと複数のカラーフィルターR、G、Bのそれぞれとが対向するように配置されている。また、この電極21と対向電極板22との間の間隙には液晶23が封入されている。
【0071】
さらに複数の画素電極21cのそれぞれと透明電極22eとの間には不図示の回路が形成され、この回路はカラー液晶表示装置1’本体に接続されている。また、対向電極板22のアルカリパッシベーション膜22b上に形成されたカラーフィルター22cは、R(レッドフィルター)、G(グリーンフィルター)、B(ブルーフィルター)の複数のカラー要素からなり、各カラー要素が互いに隣接するように規則正しく配列され、これにより液晶表示装置1’本体から送られてくる表示信号により特定の画素電極21cと透明電極22eとの間に形成された回路が作動し、表示信号に対応したカラー画像が対向電極板22の外側に配置された偏光板4を通して観察できるようになっている。
【0072】
本発明に係る第3の液晶表示セルは、少なくとも一方の基板の表面にTFTアレイ、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルである
図3は、本発明に係る第3の液晶表示セルの1態様例を模式的に表す断面図である。
【0073】
この液晶表示セル1”は、表面にTFTアレイ32が形成され、このTFTアレイ32表面に、透明イオンゲッター膜33、画素電極34および配向膜35が順次積層された透明絶縁性基板31と、
表面にブラックマトリクス(遮蔽膜)42、カラーフィルター43、透明イオンゲッター膜44、対向電極45および配向膜46が順次積層された対向基板41とが、液晶層51とを挟んで配向膜35および46が対峙するように構成されている。
【0074】
なお、図1のように配向膜35および46の間にはスペーサ粒子が介在していてもよい。
TFTアレイ32は、TFT(薄膜トランジスタ)素子、データ電極、補助容量などとからなるものである。
上記第1〜第3の液晶表示セルでは、透明イオンゲッター膜の細孔容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1〜20nmの範囲にあることが好ましい。
【0075】
以上のような本発明に係る液晶表示セルは、透明イオンゲッター膜によって液晶中の可動イオン(イオン性不純分)が低減されている。このため本発明に係る液晶表示セルは、高電圧保持率特性に優れ、表示不良が生じることがなく、長期信頼性に優れ、しかも消費電力が少なくて済むため電力効率を高めることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液は、
(A)マトリックス形成成分として、アセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、ポリシラザンおよび金属アルコキシドから選ばれる1種または2種以上の混合物または複合物と、(B)特定のイオン吸着容量と粒子径を有するイオン吸着性微粒子とを含んでいる。
【0077】
このため、平均粒子径が50nm以下のイオン吸着性微粒子を含む塗布液を用いて基材表面にたとえば平均1〜10nmの表面粗さを有し、その凹凸の高さがほぼ一定でその分布も均一な被膜を形成することができ、得られた被膜は、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優れ、さらにこの上に形成される膜、たとえばポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂からなる膜などとの密着性にも優れている。
【0078】
また、本発明に係る塗布液を用いて凹凸を有する基板、例えばTFTアレイ付基板あるいはカラーフィルター付基板上に形成されたイオンゲッター膜の表面は平坦化されており、このため液晶層と接触する配向膜表面も平坦化されているので、表面形状に起因する液晶の表示乱れの抑制、表示ドメインの発生防止、パネル表示時の光抜けの低減およびコントラストの向上などに有効である。
【0079】
特に、本発明に係るイオンゲッター膜は、(無機カチオン、無機アニオン、有機カチオン、有機アニオンの1種以上に対する)イオン吸着能を有するイオン吸着性微粒子を含んでいるために液晶パネル中の可動イオンを効果的に低減できる。
このため、本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液から形成される膜は、液晶表示セルに用いられる透明電極の透明電極膜と配向膜との間に形成される絶縁膜用として、あるいはTFTアレイ付基板、カラーフィルター付基板上に形成される低誘電率平坦化膜として好適であり、得られる液晶表示装置は表示品位、長期信頼性に優れる。
【0080】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0081】
参考例1】
塗布液の調製
マトリックス形成成分としてエチルシリケート28(多摩化学工業社製:SiO2濃度28.8重量%)14.6gを、純水 5gおよびエチルアルコール62.3gとの混合溶媒に添加し、これに濃度61重量%の硝酸0.1gを加えてエチルシリケートの部分加水分解物溶液を調製した。
【0082】
この溶液に両イオン交換樹脂(ダイヤイオン)5gを添加し、16時間室温で攪拌した後、イオン交換樹脂を濾別してイオン除去したエチルシリケートの部分加水分解物溶液とした。
この溶液に、イオン吸着性微粒子として平均粒径45nm、イオン吸着容量0.3mmol/g(Cl)のMgO微粒子をヘキシレングリコールに均一分散させた固形分濃度10重量%のイオン吸着性微粒子ゾル18gを加えて24時間攪拌し、ついで、ヘキシレングリコール70g加えた後、減圧蒸留を行い固形分濃度6.0重量%の塗布液(A)を調製した。
【0083】
透明イオンゲッター膜の形成
パターニングされたITO表示電極つきガラス基板(旭硝子(株)製:30Ω/□以下品)上にフレキソ印刷にて塗布液(A)を塗布し、得られた塗膜を90℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプで積算光量6,000mJ/cm2(365nm用センサにて測定)の条件で紫外線を照射し、次いで200℃で30分間焼成を行ないイオンゲッター膜(A)を形成した。得られたイオンゲッター膜(A)の膜厚を触針式表面粗さ計で測定したところ70nmであった。
【0084】
液晶表示セルの作成
次に、イオンゲッター膜(A)上にポリイミド膜形成用塗料(日産化学(株)製:サンエバー)をフレキソ印刷で塗布し、100℃で5分間乾燥した後、200℃で30分間加熱処理してポリイミド膜を形成し、ついでラビング処理を行なった。
【0085】
このようにして、硝子基板上に透明電極、イオンゲッター膜(A)およびラビング処理した配向膜が順次積層した一対の透明電極付き基板を得た。得られた一対の透明電極付き基板のうち一方の基板には(2枚の基板間距離に相当する粒子径)のスペーサを散布し、これらの基板を透明電極同士が互いに対向するように貼り合わせ、STN液晶を封入し、ついで封入口を封止材て封止して液晶表示セル(A)を作成した。
【0086】
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(A)中の可動イオン量をイオン密度測定機(東陽テクニカ社製:MTR-1)を用いて、印加電圧10V、三角波周波数0.1Hzの条件で測定した。印加電圧が0.8Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は1.2nC/cm2であった。
【0087】
液晶表示セルの表示ムラの観察
また、上記方法にて10枚の液晶表示セル(A)を作成し、点灯表示テストを実施し、表示ムラの有無について目視観察を行った。このとき、表示ムラの発生しなかったパネルの枚数を調べた。
結果を表2に示す。
【0088】
長期信頼性の評価
上記方法にて作成した10枚の液晶表示セル(A)を、高温高湿の環境(相対湿度95%、温度80℃)に500時間曝した後に、液晶表示セルの点灯表示テストを実施し、表示ムラの有無について目視観察を行なった。このとき、表示ムラの発生しなかったパネルの枚数を調べた。
【0089】
結果を表2に示す。
【0090】
参考例2】
塗布液の調製
イオン吸着性微粒子として平均粒径20nm、イオン吸着容量0.5mmol/g(Na)、0.3mmol/g(Cl)のAl23微粒子(触媒化成工業(株)製:AS-2)
を用いた以外は参考例1と同様にして固形分濃度6.0重量%の塗布液(B)を調製した。
【0091】
透明イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成
参考例1と同様にして透明イオンゲッター膜(B)の形成および液晶表示セル(B)の作成をした。得られた透明イオンゲッター膜(B)の特性を表2に示す。
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(B)中の可動イオン量を測定したところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は1.0nC/cm2であった。
【0092】
液晶表示セルの表示ムラの観察
また、液晶表示セル(B)について参考例1と同様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2に示す。
長期信頼性の評価
また、液晶表示セル(B)について参考例1と同様に長期信頼性の評価を行った。
【0093】
結果を表2に示す。
【0094】
【実施例3】
塗布液の調製
マトリックス形成成分としてメチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:SiO2濃度44.1重量%)100gとトリブトキシジルコニウムアセチルアセトナート(松本製薬工業(株)製:ZrO2濃度13.5重量%)17gをイソプロピルアルコール200gとブタノール60gの混合溶液に添加し、これを攪拌しながら、純水114gと濃度61重量%の硝酸を1.0g添加し、60℃で15時間かけてメチルトリメトキシシランとトリブトキシジルコニウムアセチルアセトナートの加水分解物および重縮合物液を調製した。この液を30℃以下に冷却し、陰イオン交換樹脂を添加して陰イオンを除去し、ついで陰イオン交換樹脂を濾別してpH6.5の塗布液(C-1)を得た。
【0095】
イオン吸着容量2.5mmol/g(Na)の陽イオン吸着性樹脂微粒子(三菱化学(株)製:SK−1B)を用い、濃度20重量%の水溶液を調製しホモジナイザーを用いて微細化し、遠心分離器で粗粒を除去して、平均粒子径420nmのイオン吸着性微粒子とした。ついで減圧蒸留法にてヘキシレングルコールと溶媒置換し、固形分濃度10重量%のヘキシレングルコール分散液(C-2)を調製した。
【0096】
ついで、前記塗布液(C-1)に分散液(C-2)211g、エチルセロソルブ100g、ジエチレングリコール90gを加え、減圧蒸留を行い固形分濃度20重量%の塗布液(C)を調製した。
透明イオンゲッター膜の形成
カラーフィルターが形成されたガラス基板上に、塗布液(C)をスピンコーティング法により800rpmで塗布し、ついで50℃で120分間乾燥した後120℃で60分間加熱処理を行い、膜厚1.8μmのイオンゲッター膜(C)を形成することによってカラーフィルター画素のオーバーコートを行った。
【0097】
さらに、イオンゲッター膜(C)上にスパッタリング法によりITO電極膜を形成した。
液晶表示セルの作成
このITO膜を常法によりパターニングして表示電極を形成し、その上に参考例1と同様にしてポリイミド配向膜を形成し、ついでラビング処理を行った。このようにして、ガラス基板上にカラーフィルター、イオンゲッター膜(C)、透明電極およびラビング処理した配向膜が順次積層した一対の透明電極付き基板を得た。
【0098】
つぎに、対向する共通電極付き基板をスペーサを介してシール材で貼りあわせ、基板間のギャップにSTN液晶を注入し、注入口を封止材で封止して液晶セル(C)を作成した。
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(C)中の可動イオン量を測定したところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は0.4nC/cm2であった。
【0099】
液晶表示セルの表示ムラの観察
また、液晶表示セル(C)について参考例1と同様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2に示す。
長期信頼性の評価
また、液晶表示セル(C)について参考例1と同様に長期信頼性の評価を行った。
【0100】
結果を表2に示す。
【0101】
【実施例4】
塗布液の調製
イオン吸着容量2.1mmol/g(Cl)の陰イオン吸着性樹脂微粒子(三菱化学(株)製:SA-12A)の20重量%の水溶液を調製し、ホモジナイザーを用いて微細化し、遠心分離器で粗粒を除去して、平均粒子径500nmのイオン吸着性微粒子とした。
【0102】
この樹脂微粒子を用いた以外は実施例3と同様にして固形分濃度6.0重量%の塗布液(D)を調製した。
透明イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成
参考例1と同様にしてイオンゲッター膜(D)の形成および液晶表示セル(D)を作成した。
【0103】
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(D)中の可動イオン量を測定したところ、印加電圧が0.9Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は0.3nC/cm2であった。
液晶表示セルの表示ムラの観察
また、液晶表示セル(D)について参考例1と同様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2に示す。
【0104】
長期信頼性の評価
また、液晶表示セル(D)について参考例1と同様に長期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0105】
【比較例1】
塗布液の調製
微粒子分散ゾルを使用しなかった以外は参考例1と同様にして固形分濃度6.0重量%
の塗布液(E)を調製した。
イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成
参考例1と同様にしてイオンゲッター膜(E)の形成および液晶表示セル(E)の作成をした。なお、得られた透明イオンゲッター膜(E)の特性を表2に示す。
【0106】
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(E)中の可動イオン量を測定したところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は19.6nC/cm2であった。
液晶パネルの表示ムラの観察
また、液晶表示セル(E)について参考例1と同様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。
【0107】
結果を表2に示す。
長期信頼性の評価
また、液晶表示セル(E)について参考例1と同様に長期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0108】
【比較例2】
塗布液の調製
微粒子分散ゾルを使用しなかった以外は実施例4と同様にして固形分濃度20重量%の塗布液(F)を調製した。
イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成
実施例4と同様にしてイオンゲッター膜(F)の形成および液晶表示セル(F)の作成をした。なお、得られた透明イオンゲッター膜(E)の特性を表2に示す。
【0109】
可動イオン量の測定
得られた液晶表示セル(F)中の可動イオン量を測定したところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピークが検出され、可動イオン量は25nC/cm2であった。
液晶パネルの表示ムラの観察
また、液晶パネル(セル)(F)について参考例1と同様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。
【0110】
結果を表2に示す。
長期信頼性の評価
また、液晶表示セル(F)について参考例1と同様に長期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
Figure 0004002385

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の液晶表示セルの一態様例の概略断面図を示す。
【図2】本発明に係る第2の液晶表示セルの一態様例の概略断面図を示す。
【図3】本発明に係る第3の液晶表示セルの一態様例の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1、1'、1"・・・液晶表示セル
2、2’・・・・・液晶表示セル
3、4・・・・・・偏光板
5・・・・・・・・スペーサ粒子
6・・・・・・・・液晶
11・・・・・・・ガラス基板
12・・・・・・・透明電極膜
13・・・・・・・透明イオンゲッター膜
14・・・・・・・配向膜
21・・・・・・・電極板
21a・・・・・・ガラス基板
21b・・・・・・アルカリパッシベーション膜
21c・・・・・・複数の画素電極
21d・・・・・・透明イオンゲッター膜
21e・・・・・・配向膜
22・・・・・・・対向電極板
22a・・・・・・ガラス基板
22b・・・・・・アルカリパッシベーション膜
22c・・・・・・カラーフィルター
22d・・・・・・透明イオンゲッター膜
22e・・・・・・透明電極
22f・・・・・・配向膜
23・・・・・・・液晶
31・・・・・・・透明絶縁性基板
32・・・・・・・TFTアレイ
33・・・・・・・透明イオンゲッター膜
34・・・・・・・画素電極
35・・・・・・・配向膜
36・・・・・・・絶縁膜
41・・・・・・・対向基板
42・・・・・・・ブラックマトリクス(遮蔽膜)
43・・・・・・・カラーフィルター
44・・・・・・・透明イオンゲッター膜
45・・・・・・・対向電極
46・・・・・・・配向膜
51・・・・・・・液晶層

Claims (6)

  1. (A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶媒中に分散されてなり、
    該イオン吸着性微粒子(B)の平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあり、イオン吸着性微粒子のイオン吸着容量が0.1〜6.0mmol/gの範囲にあり、
    かつイオン吸着性粒子が、アニオンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒子であり、
    マトリックス形成成分(A)が、アセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、金属アルコキシドおよびポリシラザンから選ばれる少なくとも1種化合物からなることを特徴とする透明イオンゲッター膜形成用塗布液。
  2. 基材表面に、請求項1に記載の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透明イオンゲッター膜が形成されていることを特徴とする透明イオンゲッター膜付基材。
  3. 透明イオンゲッター膜の細孔容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1〜20nmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の透明イオンゲッター膜付基材。
  4. 少なくとも一方の基板の表面に透明電極膜、透明イオンゲッター膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間にあけられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、透明イオンゲッター膜が、請求項1に記載の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴とする液晶表示セル。
  5. 少なくとも一方の基板の表面にカラーフィルター、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間にあけられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、前記透明イオンゲッター膜が、請求項1に記載の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴とする液晶表示セル。
  6. 少なくとも一方の基板の表面にTFTアレイ、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板の間にあけられた間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、前記透明イオンゲッター膜が、請求項1に記載の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であることを特徴とする液晶表示セル。
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