JP2001348531A - 透明イオンゲッター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セル - Google Patents

透明イオンゲッター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セル

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JP2001348531A JP2000171058A JP2000171058A JP2001348531A JP 2001348531 A JP2001348531 A JP 2001348531A JP 2000171058 A JP2000171058 A JP 2000171058A JP 2000171058 A JP2000171058 A JP 2000171058A JP 2001348531 A JP2001348531 A JP 2001348531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、
絶縁性に優れ、電極膜あるいはポリイミド樹脂などの疎
水性の強い樹脂からなる膜などとの密着性にも優れ、さ
らに液晶中の不純分イオン成分を低減化できる被膜を形
成可能な透明被膜形成用塗布液を提供する。 【解決手段】(A)マトリックス形成成分および(B)
イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶
媒中に分散されてなり、該イオン吸着性微粒子(B)の
平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあり、イオン吸
着性微粒子のイオン吸着容量が0.1〜6.0mmol/gの
範囲にあり、かつイオン吸着性粒子が、アニオンおよび
/または有機カチオンを吸着しうる無機微粒子、または
アニオンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒
子である透明イオンゲッター膜形成用塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐擦傷性、耐酸性、耐ア
ルカリ性、耐水性、配向膜との密着性などに優れ、数μ
m程度の微細な凹凸を有する基板を平坦化することがで
きるとともに、液晶表示パネル中のイオン量を低減でき
る被膜を形成することのできる透明被膜形成用塗布液、
およびこのような被膜形成用塗布液から形成された被膜
を有する被膜付基材ならびにこのような被膜付基材を有
する液晶表示セルに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、ガラス基板の表面にI
TOなどの透明電極膜、ポリイミドなどの高分子からな
る配向膜が順次積層されている一対の透明電極付基板
を、それぞれの透明電極膜同士が対向するようにスペー
サを介して対向させ、このスペーサによって所定の間隔
に開けられた隙間に液晶を封入した液晶表示セルが知ら
れている。
【0003】このタイプの液晶表示セルは、製造工程で
液晶セル内部に混入した異物やスペーサによって配向膜
が傷つけられ、その結果、上下の電極間に導通が生じ、
この導通に起因する表示不良が発生することがあった。
このため、上記のような液晶表示セルでは、透明電極付
基板の透明電極膜と配向膜との間に絶縁膜が形成されて
いる(特開昭60−260021号公報、特開平1−1
50116号公報、特開平2−221923号公報など
参照)。
【0004】ところで、上記配向膜としてはポリイミド
樹脂などの疎水性の強い樹脂が多く用いられている。こ
のような疎水性の強い樹脂からなる配向膜を絶縁膜上に
形成すると、絶縁膜と配向膜との密着性が不充分とな
り、液晶表示セルにラビング傷などによる表示むらが生
じることがあった。このため、本願出願人は特開平4−
247427号公報において、配向膜との密着性に優れ
た絶縁膜を形成可能な塗布液として、特定の粒子径を有
する無機化合物を含む絶縁膜形成用の塗布液を提案して
いる。
【0005】また、透明電極と配向膜との間にこのよう
な絶縁膜を形成すると、配向膜のラビング時に発生する
静電気などによって配向膜に傷や配向不良などが生じる
こともあった。このため本願出願人は、特開平5−23
2459号公報において、導電性微粒子とマトリックス
からなり、かつ表面抵抗が109〜1013Ω/□である
保護膜を透明電極表面に形成することを提案している。
【0006】このような液晶表示セルを用いた液晶表示
装置として、TFT型液晶表示装置およびSTN型液晶
表示装置が知られている。TFT型液晶表示装置は、透
明基板上にTFT(薄膜トランジスタ)素子、データ電
極などのTFTアレイが設けられている。このTFTア
レイによる凹凸を平坦化膜により平坦化した後、その上
にITOなどの表示電極を取り付ける構成にすることに
より、開口率の向上とTFTアレイの凹凸による液晶の
配向乱れをなくすようにしている。さらにカラーフィル
ターを有する液晶表示装置においても、カラーフィルタ
ー画素の平坦化あるいは信頼性の向上のために絶縁性保
護被膜が設けられている。
【0007】このような電子材料分野における平坦化被
膜、絶縁性保護被膜の形成材料として、アクリル系樹
脂、ポリエステル樹脂などの有機樹脂、SiO2、Si3
4などの無機系被膜、有機・無機複合系のアルキルトリ
ヒドロキシシランの重合物などが用いられている。しか
しながらこれらの被膜形成材では、耐熱性、クラックの
発生、被膜の強度、該被膜上へのレジスト膜の形成性な
どに問題があった。このため、本願出願人はWO97/
49775号において、無機化合物粒子と特定の有機ケ
イ素化合物の加水分解物を含む透明被膜形成用塗布液を
提案している。
【0008】ところで、上記した各種の液晶表示装置の
うち、TFT型液晶表示装置においては高電圧保持率特
性を持たせるために、セルを構成する材料に起因するイ
オンおよびセル製造プロセスで混入するイオンを低減さ
せるなどの対策がとられているが、信頼性を高めるため
にさらに液晶中の不純分を低減することが要求されてい
る。
【0009】また、STN型液晶表示装置においては、
消費電力の低減を図るべく液晶材料の改良が進められて
いる。この消費電力の低減のために液晶材料として、低
い閾値電圧を示す極性の強い官能基を持つ液晶が用いら
れるようになってきているが、このような液晶を用いた
パネルは、従来の液晶表示装置用パネルよりも液晶中の
可動イオンによる表示不良を生じることがある。このた
め、液晶中の可動イオン(イオン性不純分)を低減する
することが行われているが、高度に、かつ効果的に除去
することが困難であり、表示不良の課題は解決に至って
いない。さらに、このようなイオン性不純分は経時的に
セル構成材料から溶出することがあり、長期信頼性に欠
けることから、長期にわたってイオン性不純分濃度を低
く保つことが要求されている。
【0010】このような状況のもと、本発明者等は、液
晶中の不純分イオン成分を低減化する方法について、鋭
意検討したところ、液晶表示セルの透明電極と配向膜と
の間にイオン吸着能を有する微粒子を含む透明イオンゲ
ッター膜を設けることによって、液晶中のイオン分を低
減させ、液晶表示装置の表示品位を改善できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【発明の目的】本発明は、前記のような従来技術におけ
る問題点を解決すべくなされたものであり、すなわち耐
擦傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性、絶縁性に優
れ、電極膜あるいはポリイミド樹脂などの疎水性の強い
樹脂からなる膜などとの密着性にも優れ、さらに液晶中
の不純分イオン成分を低減化できる被膜を形成可能な透
明被膜形成用塗布液、このような被膜を有する被膜付基
材および液晶表示セルを提供することを目的としてい
る。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る透明イオンゲッター膜形成
用塗布液は、(A)マトリックス形成成分および(B)
イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶
媒中に分散されてなり、該イオン吸着性微粒子(B)の
平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあり、イオン吸
着性微粒子のイオン吸着容量が0.1〜6.0mmol/gの
範囲にあり、かつイオン吸着性粒子が、アニオンおよび
/または有機カチオンを吸着しうる無機微粒子、または
アニオンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒
子であることを特徴としている。
【0013】前記(A)マトリックス形成成分が、アセ
チルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、金
属アルコキシドおよびポリシラザンから選ばれる少なく
とも1種の化合物からなることが好ましい。本発明に係
る透明イオンゲッター膜付基材は、基材表面に前記透明
イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透明イオ
ンゲッター膜が形成されていることを特徴としている。
【0014】前記透明イオンゲッター膜の細孔容積が
0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1
〜20nmの範囲にあることが好ましい。本発明に係る
第1の液晶表示セルは、基板の表面に透明電極膜、透明
イオンゲッター膜および配向膜が順次積層されてなる一
対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向
するように所定の間隔をあけて配置され、この一対の透
明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されて
いる液晶表示セルにおいて、透明イオンゲッター膜が、
前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成
された膜であることを特徴としている。
【0015】本発明に係る第2の液晶表示セルは、基板
の表面にカラーフィルター、透明イオンゲッター膜、透
明電極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明
電極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するよう
に所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付
基板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶
表示セルにおいて、透明イオンゲッター膜が、前記透明
イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜
であることを特徴としている。
【0016】本発明に係る第3の液晶表示セルは、基板
の表面にTFTアレイ、透明イオンゲッター膜、透明電
極膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電極
付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように所
定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基板
の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表示
セルにおいて、透明イオンゲッター膜が、前記透明イオ
ンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された膜であ
ることを特徴としている。
【0017】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る透明イオンゲッ
ター膜形成用塗布液、該膜付基材および液晶表示セルに
ついて具体的に説明する。 [透明イオンゲッター膜形成用塗布液]まず本発明に係る
透明イオンゲッター膜形成用塗布液について説明する。
【0018】本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用
塗布液は、(A)マトリックス形成成分および(B)イ
オン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶媒
に分散されている。(A)マトリックス形成成分 本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液に用いられ
る(A)マトリックス形成成分は、(a)アセチルアセト
ナトキレート化合物、(b)有機ケイ素化合物、(c)金属ア
ルコキシドおよび(d)ポリシラザンから選ばれる1種の
化合物または2種以上の混合物からなることが好まし
い。なお、このようなマトリックス形成成分は、マトリ
ックスの前駆体である。
【0019】(a)アセチルアセトナトキレート化合物 本発明に用いいられるアセチルアセトナトキレート化合
物はアセチルアセトンを配位子とするキレート化合物
で、下記化学式(1)で表される化合物またはその縮合
体である。
【0020】
【化1】
【0021】〔ただし、式中、a+bは2〜4であり、
aは0〜3であり、bは1〜4であり、Rは−Cn
2n+1(n=3または4)であり、Xは−CH3、−OC
3、−C25または−OC25である。M1は周期率表
第IB族、第IIA、B族、第III A、B族、第IVA、B
族、第VA、B族、第VIA族、第VII A族、第VIII族か
ら選ばれる元素またはバナジル(VO)である。この
内、これらの元素などとa、bの好ましい組み合わせ
は、次表の通りである。〕
【0022】
【表1】
【0023】このような化合物の具体例としては、たと
えばジブトキシ−ビスアセチルアセトナトジルコニウ
ム、トリブトキシ−モノアセチルアセトナトジルコニウ
ム、ビスアセチルアセトナト鉛、トリスアセチルアセト
ナト鉄、ジブトキシ−ビスアセチルアセトナトハフニウ
ム、モノアセチルアセトナト−トリブトキシハフニウム
などが挙げられる。
【0024】このようなアセチルアセトナトキレート化
合物が塗布液中に含まれていると、塗布液が安定でポッ
トライフが長く、このような透明被膜形成用塗布液を基
材上に塗布し、得られた被膜を乾燥・焼成すると、耐擦
傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優
れた被膜が形成される。(b)有機ケイ素化合物 本発明に用いられる有機ケイ素化合物としては、 一般式 Ra−Si(OR’)4-a (2) (ただし、式中、Rは−Cn2n+1であり、R’は−Cn
2n+1または−C24OCn2n+1であり、aは0ない
し3の整数であり、nは1ないし4の整数である。)で
示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0025】有機ケイ素化合物としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、モノメチルトリメト
キシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モノエチ
ルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、エポキシシランなどが
挙げられる。これらの有機ケイ素化合物は、そのままの
状態で使用しても、あるいは部分加水分解して使用して
もよい。このような有機ケイ素化合物の部分加水分解
は、従来から行われている通常の方法、たとえばメタノ
ールまたはエタノールなどのアルコールに有機ケイ素化
合物を混合し、水と酸とを加えて部分加水分解する方法
に従って得ることができる。
【0026】上記有機ケイ素化合物が添加された本発明
に係る透明被膜形成用塗布液を基材上に塗布し、得られ
た被膜を乾燥・焼成すると、耐擦傷性、耐酸性、耐アル
カリ性、耐水性および絶縁性に優れた被膜が形成され
る。(c)金属アルコキシド また上記マトリックス前駆体成分として、下記化学式
(3)で表される金属アルコキシドまたはその縮合体も
好適に使用することができる。
【0027】 M(OR)n (3) (式中、Mは金属原子であり、Rはアルキル基または−
m2mOCl2l+1(mは3〜10、lは1〜4であ
り、nはMの原子価と同じ整数である。) 上記式(3)においてMは、金属であれば特に限定され
ることはないが、好ましいMは、Be、Al、Sc、T
i、V、Cr、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、As、
Se、Y、Zr、Nb、In、Sn、Sb、Te、H
f、Ta、W、Pb、Bi、CeまたはCuである。
【0028】このような金属アルコキシドとしては、具
体的には、テトラブトキシジルコニウム、ジイソプロポ
キシ−ジオクチルオキシチタニウム、ジエトキシ鉛など
が好ましく用いられる。上記金属アルコキシドを含んで
いると、透明被膜形成用塗布液を塗布・乾燥・焼成した
ときに、この金属アルコキシドの重合硬化により、耐擦
傷性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性および絶縁性に優
れた被膜を形成することができる。
【0029】(d)ポリシラザン また、マトリックス形成成分として使用されるポリシラ
ザンとしては下記式(4)で表される繰り返し単位を有
するポリシラザンが用いられる。
【0030】
【化2】
【0031】〔ただし、式中、R1、R2およびR3は、
それぞれ水素原子または炭素原子数1〜8のアルキル基
である。〕 マトリックス形成成分として、前記式(4)で表される
ポリシラザンを用いる場合、アルキル基がメチル基、エ
チル基、またはプロピル基であるポリシラザンが好まし
い。この場合には、加熱時に分解するアルキル基がな
く、加熱時に膜の収縮が少なく、このため収縮ストレス
時にクラックが生じることが少なくなり、クラックのほ
とんどない透明イオンゲッター膜が得られる。
【0032】また、上記式(4)で表わされる繰り返し
単位を有するポリシラザンは、直鎖状であっても、環状
であってもよく、直鎖状のポリシラザンと環状のポリシ
ラザンとが混合して含まれていてもよい。さらに、この
ようなポリシラザンの数平均分子量は、500〜10,
000、好ましくは1,000〜4,000の範囲にあ
ることが望ましい。数平均分子量が500未満では、加
熱硬化時に低分子量のポリシラザンが揮発し、得られた
透明イオンゲッター膜が多孔質になりやすく、また、分
子量が10,000を越えると、塗布液の流動性が低下
する傾向がある。
【0033】(A)マトリックス形成成分として、上記
(a)〜(d)を2種以上併用する場合、(a)アセチルアセ
トナトキレート化合物、(b)有機ケイ素化合物、
(c)金属アルコキシド、(d)ポリシラザンをそれぞ
れ、酸化物、窒化物に換算したとき、すなわち(a)ア
セチルアセトナトキレート化合物を(M1x)で表し、
(b)有機ケイ素化合物を(SiO2)であらわし、
(c)金属アルコキシド(M2x)で表し、(d)ポリ
シラザンを(SiN)であらわしたとき、各成分の重量
比が、以下のような関係を満たしていることが好まし
い。
【0034】0.001≦M1x/(SiO2+SiN+
2x)≦10 アセチルアセトナトキレート化合物を使用する場合、こ
の値が0.001以上であると、耐アルカリ性、耐酸
性、耐塩水性、耐水性、耐溶剤性に優れた被膜を得るこ
とができる。また、有機ケイ素化合物およびポリシラザ
ンと金属アルコキシドとの配合割合は、0.001≦M
2x/(SiO2+SiN+M2x)≦1.0であること
が好ましい。(B)イオン吸着性微粒子 本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布液に用いられ
る(B)イオン吸着性微粒子は、アニオンおよび/また
は有機カチオンを吸着しうる無機微粒子、またはアニオ
ンおよび/またはカチオンを吸着しうる有機微粒子であ
って、平均粒子径が1nm〜10μmの範囲にあること
が好ましく、さらに好ましい範囲は10nm〜5μmで
ある。また、イオン吸着容量は0.1〜6.0mmol/
gの範囲にあることが好ましい。このようなイオン吸着
性微粒子は、特に液晶中に存在する有機カチオンまたは
アニオンを好適に吸着する。
【0035】なお、(B)イオン吸着性無機微粒子およ
び有機微粒子が吸着しうるアニオンとして、例えば
-、Cl-、Br-、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、PO4
3-、CO3 2-、HCO3 -などの無機アニオン、蟻酸イオ
ン、酢酸イオンなどカルボン酸イオン、石炭酸イオンな
どの有機アニオンが挙げられる。有機カチオンとして
は、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピル
アンモニウムイオン等の4級アンモニウムイオンなどの
有機カチオンが挙げられる。無機カチオンとしては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどが挙
げられる。
【0036】イオン吸着性微粒子の平均粒子径が小さく
なるとイオン吸着容量は高くなり、イオン吸着速度は早
くなる傾向があるものの、平均粒径が1nm未満になる
と、さらにイオン吸着容量が高くなることもイオン吸着
速度が早くなることもなく、さらに透明イオンゲッター
膜の表面にポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹脂から
なる別の膜を密着性よく形成することができない場合が
ある。また、平均粒子径が10μmを超えるとイオン吸
着容量およびイオン吸着速度が低下するとともにイオン
ゲッター膜の透明性が低下することがあるので好ましく
ない。
【0037】特に、平均粒子径が50nm以下、好まし
くは10〜40nmのイオン吸着性微粒子を含む塗布液
を用いて30nm〜2μmの厚さで電極膜と配向膜の間
に形成されたイオンゲッター膜は、イオンゲッター膜表
面が1〜10nmの均一な表面荒さを有するので疎水性
の配向膜との密着性に優れている。また、イオン吸着容
量が0.1mmol/gより少ないと、イオンを充分吸
着することができないので、可動イオンによる表示不良
を起こしたり、長期信頼性に欠けることがあり、6.0
mmol/g以上のイオン吸着体は得ることが困難であ
る。
【0038】このようなイオン吸着性微粒子の平均粒子
径はレーザードップラー法またはTEM観察によって求
めることが出来る。また、イオン吸着性微粒子のイオン
吸着容量は以下のような方法で測定される。(1)無機陰イオン吸着容量の測定 濃度1重量%のNaCl水溶液100gに、120℃で
乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子1.5gを加
え、室温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾
液を採取し、濾液中のClイオン濃度を原子吸光法によ
り分析し、元のNaCl水溶液のClイオン濃度との濃
度差から、イオン吸着性微粒子のClイオン吸着量(m
mol/g)を求める。
【0039】(2)有機陽イオン吸着容量の測定 濃度1重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド水溶液100gに、120℃で乾燥して恒量化し
たイオン吸着性微粒子1.5gを加え、室温(25℃)
で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中
のテトラメチルアンモニウムイオン濃度をイオンクロマ
ト法により分析し、元の水溶液との濃度差から、イオン
吸着性微粒子の有機陽イオン吸着量(mmol/g)を
求める。
【0040】(3)有機陰イオン吸着容量の測定 濃度1重量%の酢酸水溶液100gに、120℃で乾燥
して恒量化したイオン吸着性微粒子1.5gを加え、室
温(25℃)で15時間撹拌した後、濾過して濾液を採
取し、濾液中の酢酸イオン濃度をイオンクロマト法によ
り分析し、元の水溶液との濃度差から、イオン吸着性微
粒子の有機陰イオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0041】(4)有機陽イオン吸着容量の測定 濃度1重量%のNaCl水溶液100gに、120℃で
乾燥して恒量化したイオン吸着性微粒子(すなわち有機
微粒子)1.5gを加え、室温(25℃)で15時間撹
拌した後、濾過して濾液を採取し、濾液中のナトリウム
イオン濃度を原子吸光法により分析し、元のNaCl水溶
液との濃度差から、イオン吸着性有機微粒子のナトリウ
ムイオン吸着量(mmol/g)を求める。
【0042】本発明の透明イオンゲッター膜形成用塗布
液に用いるイオン吸着性微粒子としては、前記したイオ
ンを吸着することできる上に、イオン吸着容量および平
均粒子径が前記範囲にあれば特に制限はないが、たとえ
ばイオン吸着性無機微粒子を用いる場合は、これをMO
x・nH2Oで表し、付着水以外の結晶水、構造水酸基、
表面水酸基のいずれかを金属酸化物(MOx)1モル当
たり水(H2O)のモル数nが0.02〜5の範囲で有し
ている金属酸化物が好ましい。
【0043】上記したイオン吸着性無機微粒子中の水の
モル数nの値が0.02モル未満ではイオン吸着容量が
小さすぎて液晶中のイオンを効果的に吸着することがで
きず、0.3モルを越えて高い場合はイオンゲッター膜
上に、スパッタリング法でITO膜を形成する際など
に、水分子として脱離するためにスパッタリング装置内
の真空到達時間が長くなる傾向があるので好ましくな
い。
【0044】このようなイオン吸着性無機微粒子中の水
のモル数nの値は、120℃で乾燥して恒量化したイオ
ン吸着性無機微粒子の示差熱分析により、500℃まで
に減少した水の量を、金属酸化物1モルあたりの水のモ
ル数として計算することによって求めることができる。
このようなイオン吸着性無機微粒子を構成する金属酸化
物としては、SiO2、Al23、ZrO2、TiO2、SnO
2、In23、Sb25等の金属酸化物、SiO2・Al
23、SiO2・TiO2、In23・SnO2、Sb25・S
nO2、SnO2・In 23・Sb25、WO3、MoO3等の
複合金属酸化物あるいは固溶体、ゼオライト(結晶性ア
ルミノシリケート)等が挙げられる。さらに、これらの
2種以上の混合物も好ましく用いられる。
【0045】これらのAl23、SnO2、ZrO2はカ
チオンとアニオンの双方を吸着することができ、また、
MgO、ZnO等はアニオンを吸着するものとして使用
される。また、イオン吸着性有機微粒子を用いる場合
は、イオン吸着容量が上記範囲にあれば特に制限はなく
従来公知のイオン交換樹脂を用いることができる。具体
的には陽イオン交換樹脂として、ダイヤイオンSKシリ
ーズ(三菱化学(株)製)、カルボキシメチルセルロー
ス、SEセルロース、Pセルロース、セファデックス
(以上ファルマシア社製)等挙げられる。
【0046】陰イオン交換樹脂としてダイヤイオンSA
シリーズ(三菱化学(株)製)、DEAEセルロース、
トリエチルアンモニウムエチルセルロース、ECTEO
LAセルロース、セファデックス(以上ファルマシア社
製)等挙げられる。また、ダイヤイオン(三菱化学
(株)製)等の両イオン交換樹脂が挙げられる。これら
のイオン吸着性有機微粒子は、吸着させる無機イオン、
有機イオンに応じて適宜選択される。
【0047】上記各イオン吸着性微粒子は、液晶中のイ
オンの種類、液晶中に溶出するイオンの種類、これらの
量比に応じて、混合して用いることができる。さらに、
必要に応じてこれらのイオン吸着性微粒子以外の絶縁性
または導電性の無機化合物微粒子あるいは樹脂微粒子を
用いてもよい。このようなイオン吸着性微粒子のなかで
もイオン吸着性無機微粒子は、水または有機溶媒に分散
したゾルの状態で用いることが好ましいが、イオン吸着
性無機微粒子を透明イオンゲッター膜形成用塗布液中に
単分散または単分散に近い状態で分散できればゾル以外
の状態にあるイオン吸着性無機微粒子を用いてもよい。
【0048】透明イオンゲッター膜形成用塗布液組成 本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用塗布液は、
(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性
微粒子とが水と有機溶媒とからなる混合溶媒に均一に溶
解または分散されている。このような透明イオンゲッタ
ー膜形成用塗布液に使用される有機溶媒としては、アル
コール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類などか
ら選ばれる公知の有機溶媒が使用される。このような有
機溶媒は単独で、または2種以上を混合して使用しても
よい。
【0049】本発明に係る塗布液中の固形分濃度は、
(A)マトリックス形成成分および(B)イオン吸着性
微粒子を酸化物、窒化物に換算した合計値で、15重量
%以下であることが好ましい。この値が15重量%を越
えると、塗布液の保存安定性が低下する傾向が生じ、一
方、この固形分濃度が極端に低いと、目的の膜厚を得る
のに複数回の塗布操作を繰り返すことが必要となるの
で、固形分濃度は0.1重量%以上が実用的である。
【0050】マトリックス形成成分(A)は、酸化物お
よび窒化物(ポリシラザンの場合)換算で、形成したイ
オンゲッター膜中に、30〜95重量%となるような量
で塗布液中に含まれていることが望ましい。また(B)
イオン吸着性微粒子は、塗布液中に、酸化物換算で、形
成したイオンゲッター膜中に5〜70重量%の範囲とな
るような量で存在していることが好ましい。このような
範囲で、イオン吸着性微粒子がイオンゲッター膜中に存
在していると、この塗布液から得られたイオンゲッター
膜の表面に、さらにポリイミド樹脂などの疎水性の強い
樹脂からなる別の被膜が密着性よく形成できるととも
に、液晶パネル中のイオンを効果的に低減できる透明イ
オンゲッター膜が形成でき、70重量%を越えると、こ
の塗布液から形成されるイオンゲッター膜と下部基板、
TFTアレイ、カラーフィルターなどとの密着性が低下
する傾向がある。
【0051】さらに、必要に応じて透明イオンゲッター
膜形成用塗布液にはイオン吸着性微粒子以外に、絶縁性
または導電性の無機化合物微粒子あるいは樹脂微粒子が
含まれていてもよく、この場合、塗布液には、イオン吸
着性微粒子とイオン吸着性微粒子以外の微粒子は、形成
したイオンゲッター膜中に、酸化物、窒化物の合計とし
て5〜70重量%の範囲となるような量で存在している
ことが好ましい。
【0052】本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用
塗布液中の水分濃度は、0.1〜50重量%の範囲であ
ることが好ましい。この値が0.1重量%未満である
と、アセチルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化
合物、ポリシラザンおよび金属アルコキシドの加水分
解、縮重合、複合化などが充分になされず、得られる被
膜の耐擦傷性、耐久性が低下する傾向にあり、また、こ
の値が50重量%を越えると、塗布の際、塗布液が基材
からはじかれやすくなり、被膜を形成しにくくなること
がある。
【0053】本発明に係る透明イオンゲッター膜形成用
塗布液では、塗布液中に含まれる(A)マトリックス形
成成分と(B)イオン吸着性微粒子との混合割合、
(A)マトリックス形成成分に含まれる金属種、(B)
イオン吸着性微粒子の種類などによって、得られる被膜
の屈折率および誘電率を自由にコントロールすることが
できる。
【0054】このようにして透明電極付基板の透明電極
上に屈折率がコントロールされたイオンゲッター膜を形
成することにより、たとえばこの上に形成される配向膜
の屈折率より高くして電極などが透けて見えるのを防止
することができる。本発明の透明イオンゲッター膜形成
用塗布液を用いて形成された透明イオンゲッター膜は、
細孔容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均
細孔径が1〜20nmの範囲にある細孔を有しているこ
とが好ましい。
【0055】細孔容積が0.01ml/g未満では、細
孔が少ないためにイオン吸着性微粒子のイオン吸着能を
充分発現することが出来ず、0.3ml/gを超えると
膜の強度が不十分となることがある。また、平均細孔径
が1nm未満では、電圧を印加した際のイオンの拡散速
度が遅く、イオン吸着性微粒子のイオン吸着能を充分発
現することが出来ないことがある。また、平均細孔径が
20nmを超えると膜の強度が不十分となることがあ
る。
【0056】このような透明イオンゲッター膜の細孔容
積および平均細孔径は、基板上に形成した透明イオンゲ
ッター膜を剥離し、剥離した透明イオンゲッター膜につ
いてN2吸着法によって測定される。 [被膜付基材]次に、本発明に係る被膜付基材について具
体的に説明する。
【0057】本発明に係る被膜付基材は、基材表面に上
記透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透
明イオンゲッター膜が形成されていることを特徴として
いる。透明イオンゲッター膜の細孔容積は、0.01〜
0.3ml/g、好ましくは0.05〜0.2ml/gの
範囲にあることが好ましい。また、透明イオンゲッター
膜の平均細孔径は、1〜20nm、好ましくは2〜8n
mの範囲にあることが好ましい。
【0058】本発明に係る透明イオンゲッター膜付基材
は、ガラス、プラスチックなどの基材表面に上記のよう
な透明イオンゲッター膜形成用塗布液をディッピング
法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレ
キソ印刷などの方法で塗布し、次いでこのようにして基
材表面に形成された被膜を常温〜80℃で乾燥し、必要
に応じてさらに120℃以上、場合によっては300℃
以上に加熱して硬化するなどの方法によりにより形成さ
れる。
【0059】さらにこの基材に形成されている被膜は、
次のような方法で硬化促進処理が施されていてもよい。
硬化促進処理として具体的には、上記塗布工程または乾
燥工程の後に、あるいは乾燥工程中に、未硬化段階の被
膜に可視光線よりも波長の短い電磁波を照射したり、未
硬化段階の被膜を硬化反応を促進するガス雰囲気中に晒
したりする処理が挙げられる。
【0060】このような加熱前の未硬化段階の被膜に照
射する電磁波としては、具体的には紫外線、電子線、X
線、γ線などが例示され、特に紫外線が好ましい。紫外
線照射処理を行う際には、例えば、発光強度が約250
nmと360nmとにおいて極大となり、光強度が10
mW/cm2 以上である高圧水銀ランプを紫外線源とし
て使用し、100mJ/cm2 以上、好ましくは100
0mJ/cm2 以上のエネルギー量の紫外線を照射する
ことが好ましい。
【0061】また、加熱前の未硬化段階の被膜の硬化反
応を促進するガスとしては、たとえばアンモニア、オゾ
ンなどが例示される。またこのようなガス処理を行う場
合は、未硬化段階の被膜を、ガス濃度が100〜10
0,000ppm、好ましくは1000〜10,000
ppmである上記活性ガス雰囲気下に、1〜60分曝す
ことが好ましい。
【0062】なお、このガス処理は、加熱硬化後に行っ
ても同様の効果が得られる。上述したような硬化促進処
理を行うと、透明イオンゲッター膜中に含まれるアセチ
ルアセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、ポリ
シラザン、金属アルコキシドなどの(A)マトリックス
形成成分の縮重合、複合化が促進されると同時に、膜中
に残存する水および溶媒の蒸発も促進される。このた
め、次の加熱工程において必要とされる加熱温度、加熱
時間などの加熱硬化条件が緩和され、本発明に係るイオ
ンゲッター膜付基材の製造を効率よく進めることができ
る。
【0063】以上のような工程によって本発明に係る透
明イオンゲッター膜付基材が得られるが、この基材上に
形成された膜は、表面硬度が高く、密着性、透明性に優
れるとともに、耐擦傷性、耐水性、耐アルカリ性などの
耐久性にも優れている上、液晶パネル中の可動イオンを
効果的に低減でき、絶縁抵抗が高く、絶縁性の膜として
も好適である。
【0064】[液晶表示セル]次に、本発明に係る液晶表
示セルについて具体的に説明する。本発明に係る液晶表
示セルは、いずれも上記透明イオンゲッター膜形成用塗
布液を使用して形成された透明イオンゲッター膜を有す
る透明電極付基板を用いたものである。
【0065】本発明に係る第1の液晶表示セルは、少な
くとも一方の基板の表面に透明電極膜、透明イオンゲッ
ター膜および配向膜が順次積層されてなる一対の透明電
極付基板が、それぞれの透明電極同士が対向するように
所定の間隔をあけて配置され、この一対の透明電極付基
板の間に設けられた間隙に液晶が封入されている液晶表
示セルである。
【0066】図1は、本発明に係る第1の液晶表示セル
の1態様例を模式的に表す断面図である。この液晶表示
セル1は、ガラス基板11の表面に透明電極膜12、透
明イオンゲッター膜13および配向膜14が順次積層さ
れてなる一対の透明電極付基板2が、それぞれの透明電
極膜12、12同士が対向するように複数のスペーサー
粒子5により所定の間隔dを開けて配置され、この所定
間隔dに開けられた透明電極膜12、12間の隙間に液
晶4が封入されて形成されている。
【0067】透明イオンゲッター膜13は、上記透明イ
オンゲッター膜形成用塗布液を透明電極膜12上に塗布
することにより形成した膜であり、この膜は、表面硬度
が高く、透明性および耐擦傷性に優れ、絶縁抵抗が高
く、透明イオンゲッター膜13と配向膜14との密着性
が良好である上に、液晶パネル中の可動イオンを効果的
に低減することができる。
【0068】なお、本発明に係る第1の液晶表示セルで
は、ガラス基板11と透明電極膜12との間にさらにS
iO2 膜などのアルカリパッシベーション膜を形成した
透明電極付基板を用いてもよいなど、様々な変形が可能
である。本発明に係る第2の液晶表示セルは、少なくと
も一方の基板の表面にカラーフィルター、透明イオンゲ
ッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてな
る一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が
対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対
の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入さ
れている液晶表示セルである。
【0069】図2は、本発明に係る第2の液晶表示セル
の1態様例を模式的に表す断面図である。この図2にそ
の特徴的部分が示されているカラー液晶表示装置1’
は、ガラス基板21a上にアルカリパッシベーション膜
21b、複数の画素電極21c、透明イオンゲッター膜
21dおよび配向膜21eが順次積層された電極板21
と、ガラス基板22a上にアルカリパッシベーション膜
22b、カラーフィルター22c、透明イオンゲッター
膜22d、透明電極22eおよび配向膜22fが順次積
層された対向電極板22を有する液晶表示セル2’と、
この液晶表示セルの両側に一対の偏光板3’、4’とを
備えている。このうち、透明イオンゲッター膜21dお
よび22dは、前記透明イオンゲッター膜形成用塗布液
を塗布して形成された膜である。
【0070】前記液晶表示セル2の電極板21と対向電
極板22とは、それぞれのガラス基板21aおよび22
aを外側にして、複数の画素電極21cのそれぞれと複
数のカラーフィルターR、G、Bのそれぞれとが対向す
るように配置されている。また、この電極21と対向電
極板22との間の間隙には液晶23が封入されている。
【0071】さらに複数の画素電極21cのそれぞれと
透明電極22eとの間には不図示の回路が形成され、こ
の回路はカラー液晶表示装置1’本体に接続されてい
る。また、対向電極板22のアルカリパッシベーション
膜22b上に形成されたカラーフィルター22cは、R
(レッドフィルター)、G(グリーンフィルター)、B
(ブルーフィルター)の複数のカラー要素からなり、各
カラー要素が互いに隣接するように規則正しく配列さ
れ、これにより液晶表示装置1’本体から送られてくる
表示信号により特定の画素電極21cと透明電極22e
との間に形成された回路が作動し、表示信号に対応した
カラー画像が対向電極板22の外側に配置された偏光板
4を通して観察できるようになっている。
【0072】本発明に係る第3の液晶表示セルは、少な
くとも一方の基板の表面にTFTアレイ、透明イオンゲ
ッター膜、透明電極膜および配向膜が順次積層されてな
る一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同士が
対向するように所定の間隔をあけて配置され、この一対
の透明電極付基板の間に設けられた間隙に液晶が封入さ
れている液晶表示セルである図3は、本発明に係る第3
の液晶表示セルの1態様例を模式的に表す断面図であ
る。
【0073】この液晶表示セル1”は、表面にTFTア
レイ32が形成され、このTFTアレイ32表面に、透
明イオンゲッター膜33、画素電極34および配向膜3
5が順次積層された透明絶縁性基板31と、表面にブラ
ックマトリクス(遮蔽膜)42、カラーフィルター4
3、透明イオンゲッター膜44、対向電極45および配
向膜46が順次積層された対向基板41とが、液晶層5
1とを挟んで配向膜35および46が対峙するように構
成されている。
【0074】なお、図1のように配向膜35および46
の間にはスペーサ粒子が介在していてもよい。TFTア
レイ32は、TFT(薄膜トランジスタ)素子、データ
電極、補助容量などとからなるものである。上記第1〜
第3の液晶表示セルでは、透明イオンゲッター膜の細孔
容積が0.01〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径
が1〜20nmの範囲にあることが好ましい。
【0075】以上のような本発明に係る液晶表示セル
は、透明イオンゲッター膜によって液晶中の可動イオン
(イオン性不純分)が低減されている。このため本発明
に係る液晶表示セルは、高電圧保持率特性に優れ、表示
不良が生じることがなく、長期信頼性に優れ、しかも消
費電力が少なくて済むため電力効率を高めることができ
る。
【0076】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る透
明イオンゲッター膜形成用塗布液は、(A)マトリック
ス形成成分として、アセチルアセトナトキレート化合
物、有機ケイ素化合物、ポリシラザンおよび金属アルコ
キシドから選ばれる1種または2種以上の混合物または
複合物と、(B)特定のイオン吸着容量と粒子径を有す
るイオン吸着性微粒子とを含んでいる。
【0077】このため、平均粒子径が50nm以下のイ
オン吸着性微粒子を含む塗布液を用いて基材表面にたと
えば平均1〜10nmの表面粗さを有し、その凹凸の高
さがほぼ一定でその分布も均一な被膜を形成することが
でき、得られた被膜は、耐擦傷性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐水性および絶縁性に優れ、さらにこの上に形成さ
れる膜、たとえばポリイミド樹脂などの疎水性の強い樹
脂からなる膜などとの密着性にも優れている。
【0078】また、本発明に係る塗布液を用いて凹凸を
有する基板、例えばTFTアレイ付基板あるいはカラー
フィルター付基板上に形成されたイオンゲッター膜の表
面は平坦化されており、このため液晶層と接触する配向
膜表面も平坦化されているので、表面形状に起因する液
晶の表示乱れの抑制、表示ドメインの発生防止、パネル
表示時の光抜けの低減およびコントラストの向上などに
有効である。
【0079】特に、本発明に係るイオンゲッター膜は、
(無機カチオン、無機アニオン、有機カチオン、有機ア
ニオンの1種以上に対する)イオン吸着能を有するイオ
ン吸着性微粒子を含んでいるために液晶パネル中の可動
イオンを効果的に低減できる。このため、本発明に係る
透明イオンゲッター膜形成用塗布液から形成される膜
は、液晶表示セルに用いられる透明電極の透明電極膜と
配向膜との間に形成される絶縁膜用として、あるいはT
FTアレイ付基板、カラーフィルター付基板上に形成さ
れる低誘電率平坦化膜として好適であり、得られる液晶
表示装置は表示品位、長期信頼性に優れる。
【0080】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0081】
【実施例1】塗布液の調製 マトリックス形成成分としてエチルシリケート28(多
摩化学工業社製:SiO2濃度28.8重量%)14.6g
を、純水 5gおよびエチルアルコール62.3gとの混
合溶媒に添加し、これに濃度61重量%の硝酸0.1g
を加えてエチルシリケートの部分加水分解物溶液を調製
した。
【0082】この溶液に両イオン交換樹脂(ダイヤイオ
ン)5gを添加し、16時間室温で攪拌した後、イオン
交換樹脂を濾別してイオン除去したエチルシリケートの
部分加水分解物溶液とした。この溶液に、イオン吸着性
微粒子として平均粒径45nm、イオン吸着容量0.3
mmol/g(Cl)のMgO微粒子をヘキシレングリ
コールに均一分散させた固形分濃度10重量%のイオン
吸着性微粒子ゾル18gを加えて24時間攪拌し、つい
で、ヘキシレングリコール70g加えた後、減圧蒸留を
行い固形分濃度6.0重量%の塗布液(A)を調製し
た。
【0083】透明イオンゲッター膜の形成 パターニングされたITO表示電極つきガラス基板(旭
硝子(株)製:30Ω/□以下品)上にフレキソ印刷に
て塗布液(A)を塗布し、得られた塗膜を90℃で5分
間乾燥させた後、高圧水銀ランプで積算光量6,000
mJ/cm2(365nm用センサにて測定)の条件で紫外線
を照射し、次いで200℃で30分間焼成を行ないイオ
ンゲッター膜(A)を形成した。得られたイオンゲッタ
ー膜(A)の膜厚を触針式表面粗さ計で測定したところ
70nmであった。
【0084】液晶表示セルの作成 次に、イオンゲッター膜(A)上にポリイミド膜形成用
塗料(日産化学(株)製:サンエバー)をフレキソ印刷
で塗布し、100℃で5分間乾燥した後、200℃で3
0分間加熱処理してポリイミド膜を形成し、ついでラビ
ング処理を行なった。
【0085】このようにして、硝子基板上に透明電極、
イオンゲッター膜(A)およびラビング処理した配向膜
が順次積層した一対の透明電極付き基板を得た。得られ
た一対の透明電極付き基板のうち一方の基板には(2枚
の基板間距離に相当する粒子径)のスペーサを散布し、
これらの基板を透明電極同士が互いに対向するように貼
り合わせ、STN液晶を封入し、ついで封入口を封止材
て封止して液晶表示セル(A)を作成した。
【0086】可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(A)中の可動イオン量をイオン
密度測定機(東陽テクニカ社製:MTR-1)を用い
て、印加電圧10V、三角波周波数0.1Hzの条件で測
定した。印加電圧が0.8Vの付近に可動イオンによる
ピークが検出され、可動イオン量は1.2nC/cm2であっ
た。
【0087】液晶表示セルの表示ムラの観察 また、上記方法にて10枚の液晶表示セル(A)を作成
し、点灯表示テストを実施し、表示ムラの有無について
目視観察を行った。このとき、表示ムラの発生しなかっ
たパネルの枚数を調べた。結果を表2に示す。
【0088】長期信頼性の評価 上記方法にて作成した10枚の液晶表示セル(A)を、
高温高湿の環境(相対湿度95%、温度80℃)に50
0時間曝した後に、液晶表示セルの点灯表示テストを実
施し、表示ムラの有無について目視観察を行なった。こ
のとき、表示ムラの発生しなかったパネルの枚数を調べ
た。
【0089】結果を表2に示す。
【0090】
【実施例2】塗布液の調製 イオン吸着性微粒子として平均粒径20nm、イオン吸
着容量0.5mmol/g(Na)、0.3mmol/g
(Cl)のAl23微粒子(触媒化成工業(株)製:A
S-2)を用いた以外は実施例1と同様にして固形分濃
度6.0重量%の塗布液(B)を調製した。
【0091】透明イオンゲッター膜の形成および液晶表
示セルの作成 実施例1と同様にして透明イオンゲッター膜(B)の形
成および液晶表示セル(B)の作成をした。得られた透
明イオンゲッター膜(B)の特性を表2に示す。可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(B)中の可動イオン量を測定し
たところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピ
ークが検出され、可動イオン量は1.0nC/cm2であっ
た。
【0092】液晶表示セルの表示ムラの観察 また、液晶表示セル(B)について実施例1と同様に表
示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2
に示す。長期信頼性の評価 また、液晶表示セル(B)について実施例1と同様に長
期信頼性の評価を行った。
【0093】結果を表2に示す。
【0094】
【実施例3】塗布液の調製 マトリックス形成成分としてメチルトリメトキシシラン
(信越化学工業(株)製:SiO2濃度44.1重量%)
100gとトリブトキシジルコニウムアセチルアセトナ
ート(松本製薬工業(株)製:ZrO2濃度13.5重量
%)17gをイソプロピルアルコール200gとブタノ
ール60gの混合溶液に添加し、これを攪拌しながら、
純水114gと濃度61重量%の硝酸を1.0g添加
し、60℃で15時間かけてメチルトリメトキシシラン
とトリブトキシジルコニウムアセチルアセトナートの加
水分解物および重縮合物液を調製した。この液を30℃
以下に冷却し、陰イオン交換樹脂を添加して陰イオンを
除去し、ついで陰イオン交換樹脂を濾別してpH6.5
の塗布液(C-1)を得た。
【0095】イオン吸着容量2.5mmol/g(N
a)の陽イオン吸着性樹脂微粒子(三菱化学(株)製:
SK−1B)を用い、濃度20重量%の水溶液を調製し
ホモジナイザーを用いて微細化し、遠心分離器で粗粒を
除去して、平均粒子径420nmのイオン吸着性微粒子
とした。ついで減圧蒸留法にてヘキシレングルコールと
溶媒置換し、固形分濃度10重量%のヘキシレングルコ
ール分散液(C-2)を調製した。
【0096】ついで、前記塗布液(C-1)に分散液(C-
2)211g、エチルセロソルブ100g、ジエチレン
グリコール90gを加え、減圧蒸留を行い固形分濃度2
0重量%の塗布液(C)を調製した。透明イオンゲッター膜の形成 カラーフィルターが形成されたガラス基板上に、塗布液
(C)をスピンコーティング法により800rpmで塗布
し、ついで50℃で120分間乾燥した後120℃で6
0分間加熱処理を行い、膜厚1.8μmのイオンゲッタ
ー膜(C)を形成することによってカラーフィルター画
素のオーバーコートを行った。
【0097】さらに、イオンゲッター膜(C)上にスパ
ッタリング法によりITO電極膜を形成した。液晶表示セルの作成 このITO膜を常法によりパターニングして表示電極を
形成し、その上に実施例1と同様にしてポリイミド配向
膜を形成し、ついでラビング処理を行った。このように
して、ガラス基板上にカラーフィルター、イオンゲッタ
ー膜(C)、透明電極およびラビング処理した配向膜が
順次積層した一対の透明電極付き基板を得た。
【0098】つぎに、対向する共通電極付き基板をスペ
ーサを介してシール材で貼りあわせ、基板間のギャップ
にSTN液晶を注入し、注入口を封止材で封止して液晶
セル(C)を作成した。可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(C)中の可動イオン量を測定し
たところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピ
ークが検出され、可動イオン量は0.4nC/cm2であっ
た。
【0099】液晶表示セルの表示ムラの観察 また、液晶表示セル(C)について実施例1と同様に表
示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2
に示す。長期信頼性の評価 また、液晶表示セル(C)について実施例1と同様に長
期信頼性の評価を行った。
【0100】結果を表2に示す。
【0101】
【実施例4】塗布液の調製 イオン吸着容量2.1mmol/g(Cl)の陰イオン
吸着性樹脂微粒子(三菱化学(株)製:SA-12A)
の20重量%の水溶液を調製し、ホモジナイザーを用い
て微細化し、遠心分離器で粗粒を除去して、平均粒子径
500nmのイオン吸着性微粒子とした。
【0102】この樹脂微粒子を用いた以外は実施例3と
同様にして固形分濃度6.0重量%の塗布液(D)を調
製した。透明イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成 実施例1と同様にしてイオンゲッター膜(D)の形成お
よび液晶表示セル(D)を作成した。
【0103】可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(D)中の可動イオン量を測定し
たところ、印加電圧が0.9Vの付近に可動イオンによ
るピークが検出され、可動イオン量は0.3nC/cm2であ
った。液晶表示セルの表示ムラの観察 また、液晶表示セル(D)について実施例1と同様に表
示ムラの有無について目視観察を行なった。結果を表2
に示す。
【0104】長期信頼性の評価 また、液晶表示セル(D)について実施例1と同様に長
期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0105】
【比較例1】塗布液の調製 微粒子分散ゾルを使用しなかった以外は実施例1と同様
にして固形分濃度6.0重量%の塗布液(E)を調製し
た。イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成 実施例1と同様にしてイオンゲッター膜(E)の形成お
よび液晶表示セル(E)の作成をした。なお、得られた
透明イオンゲッター膜(E)の特性を表2に示す。
【0106】可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(E)中の可動イオン量を測定し
たところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピ
ークが検出され、可動イオン量は19.6nC/cm 2であっ
た。液晶パネルの表示ムラの観察 また、液晶表示セル(E)について実施例1と同様に表
示ムラの有無について目視観察を行なった。
【0107】結果を表2に示す。長期信頼性の評価 また、液晶表示セル(E)について実施例1と同様に長
期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0108】
【比較例2】塗布液の調製 微粒子分散ゾルを使用しなかった以外は実施例4と同様
にして固形分濃度20重量%の塗布液(F)を調製し
た。イオンゲッター膜の形成および液晶表示セルの作成 実施例4と同様にしてイオンゲッター膜(F)の形成お
よび液晶表示セル(F)の作成をした。なお、得られた
透明イオンゲッター膜(E)の特性を表2に示す。
【0109】可動イオン量の測定 得られた液晶表示セル(F)中の可動イオン量を測定し
たところ、印加電圧が1Vの付近に可動イオンによるピ
ークが検出され、可動イオン量は25nC/cm2であった。液晶パネルの表示ムラの観察 また、液晶パネル(セル)(F)について実施例1と同
様に表示ムラの有無について目視観察を行なった。
【0110】結果を表2に示す。長期信頼性の評価 また、液晶表示セル(F)について実施例1と同様に長
期信頼性の評価を行った。結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の液晶表示セルの一態様例の
概略断面図を示す。
【図2】本発明に係る第2の液晶表示セルの一態様例の
概略断面図を示す。
【図3】本発明に係る第3の液晶表示セルの一態様例の
概略断面図を示す。
【符号の説明】
1、1'、1"・・・液晶表示セル 2、2’・・・・・液晶表示セル 3、4・・・・・・偏光板 5・・・・・・・・スペーサ粒子 6・・・・・・・・液晶 11・・・・・・・ガラス基板 12・・・・・・・透明電極膜 13・・・・・・・透明イオンゲッター膜 14・・・・・・・配向膜 21・・・・・・・電極板 21a・・・・・・ガラス基板 21b・・・・・・アルカリパッシベーション膜 21c・・・・・・複数の画素電極 21d・・・・・・透明イオンゲッター膜 21e・・・・・・配向膜 22・・・・・・・対向電極板 22a・・・・・・ガラス基板 22b・・・・・・アルカリパッシベーション膜 22c・・・・・・カラーフィルター 22d・・・・・・透明イオンゲッター膜 22e・・・・・・透明電極 22f・・・・・・配向膜 23・・・・・・・液晶 31・・・・・・・透明絶縁性基板 32・・・・・・・TFTアレイ 33・・・・・・・透明イオンゲッター膜 34・・・・・・・画素電極 35・・・・・・・配向膜 36・・・・・・・絶縁膜 41・・・・・・・対向基板 42・・・・・・・ブラックマトリクス(遮蔽膜) 43・・・・・・・カラーフィルター 44・・・・・・・透明イオンゲッター膜 45・・・・・・・対向電極 46・・・・・・・配向膜 51・・・・・・・液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1333 505 G02B 1/10 Z (72)発明者 小 松 通 郎 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 2H090 HA03 HA07 HB12X HB13X HB17X HB18X HC05 HC15 HD02 HD05 HD07 HD14 LA04 2K009 BB22 CC03 CC09 CC42 CC45 DD02 EE00 4J038 DL021 DL031 DL171 DM021 HA216 KA12 KA20 MA07 MA10 NA04 NA11 NA12 NA21 PA18 PA19 PB08 PB09 PB11 PC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)マトリックス形成成分および(B)
    イオン吸着性微粒子が、水と有機溶媒とからなる混合溶
    媒中に分散されてなり、 該イオン吸着性微粒子(B)の平均粒子径が1nm〜1
    0μmの範囲にあり、 イオン吸着性微粒子のイオン吸着容量が0.1〜6.0mm
    ol/gの範囲にあり、 かつイオン吸着性粒子が、アニオンおよび/または有機
    カチオンを吸着しうる無機微粒子、またはアニオンおよ
    び/またはカチオンを吸着しうる有機微粒子であること
    を特徴とする透明イオンゲッター膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】マトリックス形成成分(A)が、アセチル
    アセトナトキレート化合物、有機ケイ素化合物、金属ア
    ルコキシドおよびポリシラザンから選ばれる少なくとも
    1種化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の
    透明イオンゲッター膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】基材表面に、請求項1または2に記載の透
    明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布してなる透明イ
    オンゲッター膜が形成されていることを特徴とする透明
    イオンゲッター膜付基材。
  4. 【請求項4】透明イオンゲッター膜の細孔容積が0.0
    1〜0.3ml/gの範囲にあり、平均細孔径が1〜2
    0nmの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の
    透明イオンゲッター膜付基材。
  5. 【請求項5】少なくとも一方の基板の表面に透明電極
    膜、透明イオンゲッター膜および配向膜が順次積層され
    てなる一対の透明電極付基板が、それぞれの透明電極同
    士が対向するように所定の間隔をあけて配置され、この
    一対の透明電極付基板の間にあけられた間隙に液晶が封
    入されている液晶表示セルにおいて、 透明イオンゲッター膜が、請求項1または2に記載の透
    明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成された
    膜であることを特徴とする液晶表示セル。
  6. 【請求項6】少なくとも一方の基板の表面にカラーフィ
    ルター、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向
    膜が順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それ
    ぞれの透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけ
    て配置され、この一対の透明電極付基板の間にあけられ
    た間隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、 前記透明イオンゲッター膜が、請求項1または2に記載
    の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成さ
    れた膜であることを特徴とする液晶表示セル。
  7. 【請求項7】少なくとも一方の基板の表面にTFTアレ
    イ、透明イオンゲッター膜、透明電極膜および配向膜が
    順次積層されてなる一対の透明電極付基板が、それぞれ
    の透明電極同士が対向するように所定の間隔をあけて配
    置され、この一対の透明電極付基板の間にあけられた間
    隙に液晶が封入されている液晶表示セルにおいて、 前記透明イオンゲッター膜が、請求項1または2に記載
    の透明イオンゲッター膜形成用塗布液を塗布して形成さ
    れた膜であることを特徴とする液晶表示セル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004114006A1 (en) * 2003-06-23 2004-12-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Reflective liquid crystal display with a porous auxiliary layer
CN109096803A (zh) * 2018-07-16 2018-12-28 武汉疏能新材料有限公司 透明超疏水SiO2纳米功能液的制备方法及应用

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