JP3277954B2 - 可変指向型マイクロホン装置 - Google Patents

可変指向型マイクロホン装置

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JP3277954B2 JP33664992A JP33664992A JP3277954B2 JP 3277954 B2 JP3277954 B2 JP 3277954B2 JP 33664992 A JP33664992 A JP 33664992A JP 33664992 A JP33664992 A JP 33664992A JP 3277954 B2 JP3277954 B2 JP 3277954B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ビデオカメ
ラなどに搭載して好適な、可変指向型マイクロホン装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、VTRと一体化され、片手で持っ
て撮影できる、小型のビデオカメラが賞用されている。
このようなビデオカメラ(カメラ一体型VTR)では、
被写体を撮影しながら、この被写体の周囲の音声を同時
に録音するように、レンズの近傍など、カメラの前部に
マイクロホンが配設されている。
【0003】この録音に当たっては、一般に、被写体の
方向、即ち、カメラの正面方向からの音声を収音するよ
うに、指向性を有する単一のマイクロホンが用いられる
が、比較的広い角度範囲にある被写体からの音声を録音
対象として、ステレオ感を得るために、1対のマイクロ
ホンが用いられるものもある。
【0004】また、カメラ一体型VTRにおいては、一
般的にズームレンズが使用され、望遠から広角まで、撮
影者の希望に応じた画角での撮影が可能である。しか
も、最近は、ズームレンズの高倍率化が進んでいる。こ
れに対して、音声の収音手段が一定の指向性のままであ
ると、映像との整合性が悪くなる場合がある。そこで、
映像の倍率に応じてマイクロホンの指向性を変えたいと
いう要望があり、ステレオマイクロホンを備える場合、
例えば、適宜の移相回路を介して、1対のマイクロホン
の出力を合成して、正面方向の単一指向性を得るように
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、1対のマイ
クロホン出力の移相合成で得られる単一指向性は、例え
ば、高次音圧傾度型マイクロホン(いわゆるガンマイ
ク)の指向性ほどには鋭くできず、音声の可変指向効果
(いわゆるズーミング効果)が充分でないという問題が
あった。そして、充分な音声ズーミング効果を得るため
に、ガンマイクを併用する場合は、ガンマイクが側壁に
多数の小孔を穿設した長管を構成要素とするため、必然
的に大型になり、小型化が困難であるという問題があっ
た。
【0006】この発明は、以上の点にかんがみ、小型化
が容易であって、しかも、構成が簡単で、ステレオ録音
から音声ズーミングまで、指向性を簡単に変化させるこ
とができる可変指向型のマイクロホン装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、第1の発明による可変指向型マイクロホン装置は、
希望音声を収音するための第1のマイクロホンと、
第1のマイクロホンの指向性の主軸方向とは異なる方向
に指向性の主軸を有し、参照音声を収音するための第2
のマイクロホンと、上記第2のマイクロホンからの音声
信号が供給される適応フィルタ手段と、上記適応フィル
タ手段の出力信号を上記第1のマイクロホンからの音声
信号と合成する合成手段と、上記合成手段の出力パワー
が最小化されるように上記適応フィルタ手段を調整する
手段と、上記第1のマイクロホンからの音声信号と、上
合成手段の出力信号とを可変の比率で混合する混合手
段とを備え、上記混合手段から出力信号を導出するよう
にしたことを特徴とする。
【0008】また、第1の発明の可変指向型マイクロホ
ン装置はステレオ仕様とした場合であり、それぞれの指
向性の主軸方向が異なり、希望ステレオ音声を収音する
ための1対のマイクロホンと、記1対のマイクロホン
いずれの指向性の主軸方向とも異なる方向に指向性の
主軸を有し、参照音声を収音するための第3のマイクロ
ホンと、上記第3のマイクロホンからの音声信号が供給
される適応フィルタ手段と、上記適応フィルタ手段の出
力信号を上記1対のマイクロホンからの音声信号の和信
と合成する合成手段と、上記合成手段の出力パワーが
最小化されるように上記適応フィルタ手段を調整する手
段と、上記対のマイクロホンからの音声信号と、上記
合成手段の出力信号とを可変の比率でそれぞれ混合する
一対の混合手段とを備え、上記一対の混合手段の出力信
号をそれぞれ導出するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】かかる構成によれば、第1の発明では、混合回
路14において、第1のマイクロホン11L(または1
1R)の音声信号SL(またはSR)と、第1のマイク
ロホンの音声信号を主要信号とし、第2のマイクロホン
21の音声信号を参照信号とする適応信号処理により得
られた適応処理信号SAとが、使用者の操作に応じた可
変の比率で混合されて、装置の総合指向性が、適応処理
信号の鋭い指向性と第1のマイクロホン単独の指向性と
の間で、連続的に変化する。
【0010】また、第2のこの発明では、混合回路14
において、1対のマイクロホン11L,11Rのステレ
オ音声信号SL,SRと、ステレオ音声信号の和信号S
Mを主要信号とし、第3のマイクロホン21の音声信号
を参照信号とする適応信号処理により得られた適応処理
信号SAとが、使用者の操作に応じた可変の比率で混合
されて、装置の総合指向性が、適応処理信号の鋭い指向
性とステレオマイクロホン単独の指向性との間で、連続
的に変化する。
【0011】
【実施例】以下、この発明による可変指向型マイクロホ
ン装置の一実施例を図を参照しながら説明するが、この
発明においては、適応雑音低減処理の考えを使用するの
で、この発明の実施例を説明する前に、適応雑音低減処
理について説明する。
【0012】図7は、適応雑音低減処理システムの基本
的構成のブロック図で、1は主要入力端子、2は参照入
力端子であって、主要入力端子1を通じて入力された主
要入力信号は遅延回路3を介して合成回路4に供給され
る。遅延回路3は、主要入力端子1に入力される主要入
力信号と、参照入力端子2に入力される参照入力信号と
の間に時間遅延が無いとした場合に、適応フィルタ回路
5での時間遅延分を補正するためのものであり、この遅
延回路3は設けなくてもよい。
【0013】そして、参照入力端子2を通じて入力され
た信号は適応フィルタ回路5を介して合成回路4に供給
され、遅延回路3からの信号から減算される。そして、
この合成回路4の出力は、適応フィルタ回路5に帰還さ
れると共に、出力端子6に導出される。
【0014】この雑音低減装置においては、主要入力端
子1には、希望信号sと、これと無相関の雑音n0 とが
加算されたものが入力される。一方、参照入力端子2に
は、雑音n1 が入力される。この参照入力の雑音n1
は、希望信号とは無相関であるが、雑音n0 とは相関が
あるようにされる。
【0015】適応フィルタ回路5は、参照入力雑音n1
をフィルタリングして、雑音n0 に近似する信号、すな
わち、雑音n0 と同相、等振幅の信号yを出力する。こ
の適応フィルタ回路5の出力信号として、雑音n0 と逆
相、等振幅の信号−yを得るようにすることもできる。
合成回路4では、遅延回路3の出力信号から適応フィル
タ回路5の出力信号を減算(出力信号が、雑音n0 と逆
相の信号−yの場合には加算)する処理が行なわれる。
【0016】適応フィルタ回路5における適応のアルゴ
リズムは、合成回路4の出力である減算出力(残差出
力)eを最小にするように働く。すなわち、今、s,n
0 ,n1 ,yが統計的に定常であり、平均値が0である
と仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、sがn0 と、
また、yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] +2E[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。適応フィルタ回路5が収束するものとすれば、
適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小になるように
調整されるものである。このとき、E[s2 ]は影響を
受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ]+Emin [(n0 −y)2 ] となる。すなわち、E[e2 ]が最小化されることによ
ってE[(n0 −y)2]が最小化され、適応フィルタ
回路5の出力yは、雑音n0 の推定量になる。そして、
合成回路4からの出力の期待値は、希望信号sのみとな
る。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して全出力パ
ワーを最小化することは、減算出力eが、希望音声信号
sの最小二乗推定値になることに等しい。
【0017】なお、適応フィルタ回路5はアナログ信号
で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現する場合
の、いずれでも可能である。適応フィルタ回路5を、デ
ジタルフィルタを用いて実現した場合の例を図8に示
す。この例は、適応のアルゴリズムとして、いわゆるL
MS(最小平均自乗)法を使用した場合の例である。
【0018】図4に示すように、この例では、FIRフ
ィルタ型の適応線形結合器300を使用する。これは、
それぞれ単位サンプリング時間の遅延時間Z-1を有する
複数個の遅延素子DL1,DL2,……DLm(mは正
の整数)と、入力雑音n1 及び各遅延素子DL1,DL
2,…,DLmの出力信号と加重係数との掛け算を行う
加重回路MX0,MX1,MX2,…,MXmと、加重
回路MX0〜MXmの出力を加算する加算回路310を
備える。加算回路310の出力はy(あるいは−y)で
ある。
【0019】加重回路MX0〜MXmに供給する加重係
数は、例えばマイクロコンピュータからなるLMS演算
回路320で、合成回路4からの残差信号eに基づいて
形成される。このLMS演算回路320で実行されるア
ルゴリズムは、次のようになる。
【0020】今、時刻k における入力ベクトルXk を、
図8にも示すように、 Xk =[x0k1k2k ・・・xmkT とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すようになる。
【0021】
【数1】 そして、時刻k における加重ベクトルWk を、 Wk =[w0k1k2k ・・・wmkT と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T ・Wk で与えられる。ここで、希望の応答をdk とすれば、残
差ek は次のように表される。 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk ……(a) なる式により順次行っていく。ここで、μは適応の速度
と安定性を決める利得因子(ステップゲイン)である。
【0022】次に、以上説明した適応雑音低減処理を使
用したこの発明による可変指向型マイクロホン装置の一
実施例のブロック図を図1に示す。この例では、適応フ
ィルタ回路は、デジタルフィルタを用いたものを使用す
るが、特にそのタップ数を1としている。また、合成回
路4としては、減算回路が用いられる。
【0023】図1において、11L,11Rは希望のス
テレオ音声を収音するための主要入力用マイクロホンで
あり、21は雑音として除去したい方向の不要音声や周
囲騒音を収音するための参照入力用マイクロホンであ
る。
【0024】この例の場合には、主要入力用マイクロホ
ン11L,11Rと、参照入力用マイクロホン21と
は、図2に示すように、いずれも単一指向性のものが使
用される。マイクロホン11L,11Rは、図上、上方
から下方に向かう矢印ARで示す正面方向に対して90
度ずつ離れた、左方向と右方向とにそれぞれ主たる感度
を有する。また、マイクロホン21は、正面方向とは逆
の背面方向に主たる感度を有する。
【0025】そして、ステレオ用マイクロホン11L,
11Rにより収音され、電気信号に変換されて得られた
左右チャンネルの音声信号SL,SRは、それぞれ対応
する増幅器12L,12Rを介して、加算回路13と、
混合回路14の第1,第2の入力端子14SL,14SRと
に供給される。この混合回路14は、例えば、1対のポ
テンショメータ14L,14Rから構成されて、それぞ
れの一端が入力端子14SL,14SRに接続されると共
に、それぞれの他端が第3の入力端子14aに接続され
る。そして、ポテンショメータ14L,14Rの摺動子
がそれぞれ出力端子15L,15Rに接続される。な
お、両ポテンショメータ14L,14Rは連動して制御
されてもよい。
【0026】一方、加算回路13から出力される和信号
SM(=SL+SR)は、A/Dコンバータ16に供給
されて、デジタル信号に変換され、遅延回路17を介し
て、減算回路18に供給される。また、参照入力用マイ
クロホン21により収音され、電気信号に変換されて得
られた不要音声信号は、増幅器22を介してA/Dコン
バータ23に供給されて、デジタル信号に変換され、適
応フィルタ回路24に供給される。
【0027】この実施例では、適応フィルタ回路24
は、前述の図7に示したような、FIRフィルタ型の適
応線形結合器300と、この線形結合器300を適応制
御する演算回路(マイクロコンピュータ)320から構
成される。適応フィルタ回路24からのデジタル信号が
減算回路18に供給され、減算回路18の出力信号は、
適応フィルタ回路24に帰還されると共に、D/Aコン
バータ19によりアナログ信号SAに戻されて、混合回
路14の入力端子14aに供給される。なお、遅延回路
17は、適応フィルタ回路24での伝播時間や適応処理
のための演算に要する時間遅れなどの時間遅延を補償す
るためのものである。
【0028】次に、図3〜図5をも参照しながら、この
発明の一実施例の動作について説明する。混合回路14
のポテンショメータ14L,14Rの摺動子がそれぞれ
s側端にある場合、第3の入力端子14aからの適応処
理信号SAが大きく減衰されて、実質的にゼロレベルと
なり、出力端子15L,15Rには、マイクロホン11
L,11Rからのステレオ音声信号SL,SRがそれぞ
れ導出される。
【0029】この場合、加算回路13〜D/Aコンバー
タ19の信号系は無きに等しく、図1の実施例は、図3
に示すようなステレオマイクロホン装置と等価となっ
て、図2に示すような、左と右とにそれぞれ主たる感度
を有する単一指向性のマイクロホン11L,11Rによ
り、ワイドなステレオ感を得ることができる。
【0030】また、ポテンショメータ14L,14Rの
摺動子がそれぞれa側端にある場合は、混合回路14で
は、入力端子14SL,14SRからのステレオ信号SL,
SRが実質的にゼロレベルまで減衰されて、出力端子1
5L,15Rには、加算回路13からのモノラルの和信
号SMが適応処理された、D/Aコンバータ19の出力
信号SAが共通に導出される。
【0031】したがって、この場合には、ステレオ機能
が減殺されて、図1の実施例は、図4に示すように、主
要入力用の無指向性マイクロホン11と、参照入力用単
一指向性マイクロホン21とを備える適応処理装置と等
価になって、以下に説明するように、等価的に鋭い指向
性を実現することができる。
【0032】基本的に、適応フィルタ回路24では、主
要入力音声信号中に含まれるノイズ(不要音声信号)
に、参照入力音声信号が近似するように制御される。前
述のような各マイクロホン11L,11R,21の配置
により、それぞれが収音対象とする入力音声の到来方向
が異なり、音源が異なるので、主要入力用マイクロホン
11(11L,11R)と、参照入力用マイクロホン2
1の出力信号は、一般に、互いに相関が少ない。
【0033】減算回路18では、主要入力用マイクロホ
ン11の音声信号から、参照入力用マイクロホン21の
不要音声信号が減算されて除去され、減算回路18から
は、希望音声信号のみが得られる。
【0034】すなわち、この実施例で、混合回路14の
ポテンショメータ14L,14Rの摺動子がそれぞれa
側の端部にある場合は、マイクロホン11L,11Rの
出力音声信号のモノラルの和信号が主要入力として供給
され、マイクロホン21の出力音声信号が、参照入力と
してのノイズ(不要音声信号)として供給される適応型
ノイズ低減システムの構成となっている。そして、出力
端子15には、ノイズ、この例では背面方向からの不要
音声信号が選択的に除去されて、結果的には、希望音声
信号だけが、所要の品位で出力され、等価的に鋭い指向
性を実現することができる。
【0035】出力端子15L,15Rから出力される各
信号の指向性のポーラパターンは、混合回路14のポテ
ンショメータ14L,14Rの摺動子がそれぞれs側端
にある場合、それぞれ図5A、Bに示すようになり、ポ
テンショメータ14L,14Rの摺動子がa側端にある
場合には、いずれも図5Eに示すようになる。
【0036】次に、ポテンショメータ14L,14Rの
摺動子が、それぞれs側端とa側端との丁度中央の位置
にある場合には、混合回路14では、入力端子14SL,
14SRからのステレオ信号SL,SRと、第3の入力端
子14aからの適応処理信号SAとが、それぞれ等レベ
ルで混合されて、その混合出力が出力端子15L,15
Rにそれぞれ導出される。
【0037】ポテンショメータ14L,14Rの中心位
置から、各摺動子がs側へ移動した場合、出力端子15
L,15Rから出力されるステレオ信号SL,SRのレ
ベルが上昇すると共に、差動的に、適応処理信号SAの
レベルが低下する。また、各摺動子がa側へ移動した場
合、出力端子15L,15Rから出力されるステレオ信
号SL,SRのレベルが低下すると共に、差動的に、適
応処理信号SAのレベルが上昇する。
【0038】混合回路14のポテンショメータ14L,
14Rの摺動子がそれぞれ丁度中央位置にある場合、出
力端子15L,15Rから出力される各信号の指向性の
ポーラパターンは、それぞれ図5C,Dに示すようにな
る。
【0039】そして、ポテンショメータ14L,14R
の各摺動子がs側へ移動した場合、出力端子15L,1
5Rから出力される各信号の指向性のポーラパターン
は、図5Aと図5Cの中間及び図5Bと図5Dの中間の
形状になり、a側へ移動した場合には、図5Aと図5E
の中間及び図5Bと図5Eの中間の形状になる。
【0040】上述のように、この実施例では、使用者が
混合回路14の両ポテンショメータ14L,14Rの摺
動子を操作することにより、図5A,Bに示すような、
ステレオマイクロホン11L,11Rのワイドな指向性
から、図5Eに示すような、適応信号処理による鋭い指
向性まで、装置の総合指向性を連続的に変化させること
ができる。
【0041】そして、この実施例では、主要入力用マイ
クロホンと参照入力用マイクロホンとは一般的な単一指
向性であればよく、両マイクロホンを近接して配置する
ことも可能であり、容易に小型化することができる。
【0042】なお、上述の実施例では、マイクロホン1
1L,11R,21がそれぞれ単一指向性であるとした
が、単一指向性マイクロホンは、それぞれ無指向性の2
個のマイクロホンユニットを用い、その出力を適宜の移
相回路を介して合成することにより、構成することがで
きる。
【0043】また、上述の実施例の混合回路14は、ポ
テンショメータ14L,14Rを用いてアナログ的に構
成したが、例えば、図6に示すように、可変係数器(係
数メモリ)と乗算回路,加算回路とを用いて、デジタル
的に構成してもよい。図6の混合回路140において
は、図1のポテンショメータ14L,14Rが連動する
場合に対応させて、ステレオ信号SL,SR用と、適応
処理信号SAとに、それぞれ1個の係数メモリ141,
142を設けてある。このメモリ141,142から、
使用者の制御操作に応じた制御信号CTLにより適宜の
係数kv,(1−kv)(ただし、0≦kv≦1)がそ
れぞれ読み出される。
【0044】一方のメモリ141からの係数kvは乗算
回路143,144に供給されて、図示を省略したA/
Dコンバータによりデジタル化された、ステレオ信号S
L,SRにそれぞれ乗算され、この乗算回路143,1
44の出力が加算回路145,146にそれぞれ供給さ
れる。他方のメモリ142からの係数(1−kv)は乗
算回路147に供給されて、図1の実施例の減算回路1
8からの、デジタル化された適応処理信号SAに乗算さ
れ、この乗算回路147の出力が加算回路145,14
6にそれぞれ供給される。
【0045】これにより、加算回路145,146の出
力は、それぞれ S145 =kv・SL+(1−kv)SA S146 =kv・SR+(1−kv)SA となって、図6の混合回路140においても、ステレオ
信号SLないしSRと、適応処理信号SAとが差動的に
混合されて、前述のような図1の実施例と同様の効果を
奏する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、左,右の方向にそれぞれ主たる感度を有する1対の
単一指向性マイクロホンからのステレオ信号の和信号を
主要信号として減算回路に供給し、参照信号として、背
面方向に主たる感度を有する単一指向性マイクロホンか
らの信号を適応フィルタに供給し、適応フィルタの出力
を和信号から減算すると共に、減算回路の出力を適応フ
ィルタにフィードバックして、適応信号処理を行ない、
得られた適応処理信号とステレオ信号とを、1対のポテ
ンショメータからなる混合回路に供給して、使用者が操
作する摺動子の位置に応じた可変の比率で混合するよう
にしたので、適応信号処理による鋭い指向性からワイド
なステレオ状態まで、連続的に指向性を変化させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による適応型のマイクロホン装置の一
実施例の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の要部の指向性を示す線図
である。
【図3】この発明の一実施例の動作を説明するためのブ
ロック図である。
【図4】この発明の一実施例の他の動作を説明するため
のブロック図である。
【図5】この発明の一実施例の指向性を示す線図であ
る。
【図6】この発明の他の実施例の要部の構成を示す結線
図である。
【図7】この発明を説明するための適応型雑音低減装置
の概要を示すブロック図である。
【図8】適応フィルタ回路の構成例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
11L,11R ステレオマイクロホン 13 加算回路 14,140 混合回路 18 減算回路 21 参照入力用マイクロホン 24 適応フィルタ回路
フロントページの続き (72)発明者 行徳 薫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−83495(JP,A) 特開 昭58−170190(JP,A) 特開 平6−113392(JP,A) 特開 平6−113391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 1/40,3/00,5/027

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希望音声を収音するための第1のマイクロ
    ホンと、 記第1のマイクロホンの指向性の主軸方向とは異なる
    方向に指向性の主軸を有し、参照音声を収音するための
    第2のマイクロホンと、上記 第2のマイクロホンからの音声信号が供給される適
    応フィルタ手段と、上記 適応フィルタ手段の出力信号を上記第1のマイクロ
    ホンからの音声信号と合成する合成手段と、上記合成 手段の出力パワーが最小化されるように上記適
    応フィルタ手段を調整する手段と、 上記第1のマイクロホンからの音声信号と、上記合成
    段の出力信号とを可変の比率で混合する混合手段とを備
    え、 上記混合手段から出力信号を導出するようにした可変指
    向型マイクロホン装置。
  2. 【請求項2】それぞれの指向性の主軸方向が異なり、希
    望ステレオ音声を収音するための1対のマイクロホン
    と、 記1対のマイクロホンのいずれの指向性の主軸方向と
    も異なる方向に指向性の主軸を有し、参照音声を収音す
    るための第3のマイクロホンと、上記 第3のマイクロホンからの音声信号が供給される適
    応フィルタ手段と、上記 適応フィルタ手段の出力信号を上記1対のマイクロ
    ホンからの音声信号の和信号と合成する合成手段と、上記合成 手段の出力パワーが最小化されるように上記適
    応フィルタ手段を調整する手段と、 上記対のマイクロホンからの音声信号と、上記合成
    段の出力信号とを可変の比率でそれぞれ混合する一対の
    混合手段とを備え、 上記一対の混合手段の出力信号をそれぞれ導出するよう
    にした可変指向型マイクロホン装置。
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