JP3276149B2 - チョコレートの捏ね混ぜ方法 - Google Patents

チョコレートの捏ね混ぜ方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景及び説明 本発明は、概して、改良に係る方法及び装置によって
チョコレートを製造する技術に関する。より具体的に
は、本発明は、捏ね混ぜて形成されたチョコレート精製
物に略一定の出力を付与する段階を含むチョコレートの
製造方法に関する。捏ね混ぜて形成された中間のチョコ
レート製品の均一性の変化に応答して、捏ね混ぜ装置の
駆動速度を変化させる機構が含まれる。本発明は、一又
は複数の利点を有し、特に、カカオバターのような高価
な成分の添加を最適にするために更なるエネルギを利用
可能にすることによって、工程時間を短縮し且つチョコ
レートの製造効率を増進させるものである。
チョコレートは、細かく粉砕した固体、チョコレート
溶液、砂糖、ミルク粉又は粉末の混合体であり、これら
は、全て、通常の工程温度にて、液体を担ぶ媒体である
カカオバター及び/又は代用油脂中に懸濁させ、又は十
分に分散させる。チョコレート溶液、砂糖、水及びミル
クのような原材料は、例えば、粉末の形成、ペーストの
混合、精製、捏ね混ぜ、及び標準化を含む一連の工程段
階を経て加工されてチュコレートになる。通常、捏ね混
ぜ中に浮化剤、又は浮化物質が添加される。
捏ね混ぜ中、化学的及び物理的工程が行われる。これ
ら工程には、望ましいチョコレートの風味を発生させ、
また、粉末で粉状の精製製品をチョコレートに変換する
ことを含む。捏ね混ぜは、せん断応力及び捏ね作用を付
与し、これらは、共に、質量を液状にし、風味を発生す
る工程に影響を与え且つその工程を促進する。捏ね混ぜ
の重要な物理的作用は、脱水、即ち、水分の除去、不要
な揮発性成分の除去、固体粒子の凝集物の粉砕、粒子の
縁を丸くし且つ均質にすることである。粘度は、低下
し、流動性及び肌地が向上する。
捏ね混ぜ時間が長ければ、良質なチョコレートが製造
されると一般に考えられている。適正な肌地にし、良い
物理的性質を持たせ、又、風味を良くする等のために
は、十分な時間が必要とされる。良好な捏ね混ぜ方法で
あれば、製造中の特別のチョコレートに望まれる味及び
香りの品質に寄与するその他の風味要素を放出させつ
つ、望ましくない揮発物が除去されるようにチョコレー
ト精製物の加工が慎重に行われる。また、捏ね混ぜは、
自然に水分量を減少させ、典型的なチョコレート成分の
水分含有量は、重量比で1%以下である。捏ね混ぜ時間
は、一般に長いことが望ましいが、商業的なチョコレー
ト製造工程は、効率の方を優先させる。この効率は、望
ましいチョコレートの特性を得ることを犠牲にしないこ
とが理想的である。例えば、チョコレートの特性は、捏
ね力及び熱による影響を受ける。捏ね混ぜ工程中には、
十分に大きい出力を付与することが概ね有利であるが、
捏ね混ぜ中の材料に付与される出力は、捏ね混ぜの利点
を最大限に達成し得るものであるように製品自体の均一
性に適合したものでなければならない。温度上昇は、多
くの捏ね混ぜ方法の一つの特徴であるが、捏ね混ぜの摩
擦に起因して非制御状態の発熱状態となることは、風味
が失われる結果となる。
長年に亙って捏ね混ぜ方法及び装置の開発が為された
きた。初期の捏ね混ぜ装置、外殻を形成する背の高い側
部を有する長尺の大理石製の管を備える縦型のものであ
る。この外殻中において、みかげ石製の上下動するロー
ラが24〜36時間、作用して、チョコレートを混合させ
る。その後、ペトゾルデ(Petzoldt)によって開発され
たような古典的な垂直ミキサーが乾燥捏ね混ぜの開始時
に、プラウ及びせん断ブレードを使用して、約5乃至8
時間、乾燥精製物を撹拌し、次に、その質量を可塑化さ
せるときに、捏ね混ぜ中の材料にエネルギを付与する。
別の現在の回転型捏ね混ぜ装置は、水平型ミキサーを備
えており、該ミキサーは、捏ね混ぜ及びせん断ブレード
が取り付けられた三本のシャフトを備えている。中央ブ
レードは、一方向に回転する一方、その外側の二本のシ
ャフトは、反対方向に回転する。これらの方向は、所望
のときに逆転させることが可能である。これらの水平型
回転捏ね混ぜ装置の型式は、いわゆる「二重のオーバー
スロー」動作を付与し、完全に混合して、新たな材料を
その高せん断領域に導入して、乾燥捏ね混ぜの工程時間
を短縮する。リチャード・フリッセ(Richard Frisse)
GmbHから入手可能であるこの型式の捏ね混ぜ装置は、ス
クレープ面を可能な限り大きくして、十分なせん断応力
を提供する。水平シャフトに取り付けられたスクレーパ
及びニーダ・スターラ・アームは、互いに重なり合っ
て、質量体及び壁に強力なせん断力を付与する。
上記のような従来の捏ね混ぜ装置の作動段階中、捏ね
混ぜ撹拌器は、一定の前進速度で回転する。かかる従来
型式の工程中、捏ね混ぜ中の中間製品に付与される出力
は、時間の経過と共に変化し、特に、可塑化の開始時
点、又は、主として液体の均一性を有するバッチに成分
を添加する時点に見られる。この従来型式の方法は、一
定速度の正運転用(乾燥捏ね混ぜ)と異なる速度(通
常、より高速度)の一定速度の逆運転用(湿潤捏ね混
ぜ)という二つの駆動モータを使用する。
捏ね混ぜ方法を改善するのに可能な選択的方法は、第
一の駆動モータ及び第二の駆動モータを備える駆動機構
を備えることである。この第一の駆動モータは、捏ね混
ぜ部材に比較的遅い速度を付与する一方、第二の駆動モ
ータは、より速い速度を付与する。適当な機械的機構を
通じて、この二つのモータを使用する方法は、二つの異
なる速度で作動させることによって、捏ね混ぜ装置の改
善を試みるものである。要するに、この方法によって、
適当と考えるときに、より大きい出力を捏ね混ぜ装置に
作用させることが出来る。即ち、いかなる時点において
も、捏ね混ぜ中の製品は、モータの全負荷トルクの性能
の範囲内で全抵抗を作用させる。その一つの結果は、よ
り大きい出力を製品内に間欠的に「押し込む」ことであ
る。しかし、過度に大きいエネルギを余りにも急激に付
与することは、「グリッド」、即ち、固く小さい粒子を
形成し、これが完成チョコレート内に留まり、典型的に
殆どの適用例で望ましくない結果を生ずる傾向がある。
商業的規模で均一で優れたチョコレート製品を提供す
るために維持しなければならない微妙なバランスを必要
とするもの一つの例としては、完成チョコレートの適正
な粘度を時間的に効率の良い方法で実現することの困難
性である。チョコレートの粘度は、エンロービング又は
成形のようなその後の工程が容易であるように十分に低
下していなければならない。殆どの適用例において、粘
度を低下させるためには、レスチンのような乳化剤を添
加する必要がある。典型的に、レスチンの添加は、捏ね
混ぜ工程の開始時及び/又は終了時付近で行われる。
要するに、本発明は、チョコレートを製造する方法及
び装置、又はシステムに関するものであり、捏ね混ぜ
は、このシステムにおける主要な段階である。チョコレ
ート精製物は、捏ね混ぜられる間に、成分自体の均一さ
が変化することで実質的に決まる捏ね混ぜ条件下に置か
れる。本発明は、捏ね混ぜされる材料の均一性自体が
「フィードバック」されて、捏ね混ぜを制御する、フィ
ードバック機構に起因する顕著な利点を有する。可変の
駆動機構を使用することにより、捏ね混ぜ速度は、主と
して、捏ね混ぜされる成分の粘度に依存して、自動的に
変更され、その成分に付与される出力が捏ね混ぜ工程の
全体を通じて略一定に維持されるようにする。捏ね混ぜ
力を維持するために、捏ね混ぜ速度を変化させることに
加えて、捏ね混ぜされる成分と捏ね混ぜ装置との相互作
用によって提供されるフィードバックは、また、油脂又
は乳化剤の添加といった成分の制御、及び/又はブレー
ドの回転方向といった捏ね混ぜ工程に採用される工程条
件の制御に使用することも可能である。
従って、本発明の一つの全体的な目的は、改良に係る
チョコレートの製造方法及び装置又はシステムを提供す
ることである。
本発明の別の目的は、捏ね混ぜ条件及び/又は捏ね混
ぜ成分を制御するために捏ね混ぜ工程からのフィードバ
ックデータを利用することによって、改良に係るチョコ
レートの製造方法及び装置を提供することである。
本発明の別の目的は、捏ね混ぜ工程を行う装置に対し
及び捏ね混ぜ中のチョコレート精製物に対して略一定の
出力を維持し得る方法により改良に係る捏ね混ぜ方法及
び装置を提供することである。
本発明の別の目的は、工程時間を短縮し且つ/又はカ
カオバターのような高価な成分の添加を最適化しつつ、
チョコレートを製造する改良に係る方法及び装置又はシ
ステムを提供することである。
本発明の別の目的は、最終のチョコレート製品の適正
な均一性を維持しつつ、捏ね混ぜ装置を使用するときの
効率を最大にするチョコレートの製造方法及びシステム
を提供することである。
本発明の別の目的は、チョコレートの微妙で自然の性
質を保護し且つ保持する改良にかかる方法及び装置を提
供することである。
本発明の別の目的は、工程時間を最適にしつつ、グリ
ッドの形成を実質的に回避する改良にかかるチョコレー
トの製造方法及びシステムを提供することである。
本発明の別の目的は、格別に均一であるチョコレート
を製造する、改良に係るチョコレートの製造方法及び装
置を提供することである。
本発明の別の目的は、捏ね混ぜ工程中にチョコレート
に付与される出力が性質上、急速に低下する捏ね混ぜ工
程に適用される搬用性を有する改良に係る方法を提供す
ることである。
本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点は、以
下の詳細な説明を読むことによって、明確に理解されよ
う。
図面の詳細な説明 図1は、本発明による方法及びシステムの概略図、 図2は、典型的な捏ね混ぜステーションの一部の詳細
な斜視図、 図3は、典型的な従来技術の商業的な捏ね混ぜ装置の
出力曲線及び速度曲線の図、 図4は、本発明の特徴である自動調節機能及び一定の
出力機能を備えない二つのモータを使用する形態を具体
化する、別の選択可能な捏ね混ぜ装置から得られる出力
曲線及び速度曲線の図、 図5は、本発明による方法及びシステムの捏ね混ぜ装
置の出力曲線及び速度曲線の図、 図6は、図3、図4、図5に示した出力曲線を比較す
るプロット図、 図7は、本発明の自動予測の特徴を得るための学習に
適したデータのパターンを示す図、 図8は、従来の方法で測定したときと本発明の特徴に
より自動的に予測したときの各種のチョコレート試料の
粘度(センチポアズ単位)のプロット図、 図9は、図7に示した二つの粘度値の差のプロット図
である。
具体的な実施例の説明 図1に示した方法及びシステムは、チョコレートを製
造する原材料を変換して完成製品にするものである。公
知の原材料は、周知の方法でチョコレート粉を形成する
粉メーカー21に入る。このようにして添加される材料の
種類は、22、23、24、25にて添加されるチョコレート溶
液、砂糖のような甘味料、ミルク成分及び水を含む。こ
れらは、概ね周知の方法でフォーミュレーションを形成
し得るように添加することが出来る。具体的な成分の種
類及びその相対量は、チョコレート製造技術の当業者に
理解されよう。所望の正確な量は、任意の適当な機構、
又は方法で供給することが出来る。チョコレート粉は、
ペーストミキサー26に運ばれ、ここで、27にて、典型的
にカカオバターである油脂と混合されて、チョコレート
ペーストが形成される。次に、このチョコレートペース
トは、精製装置28内で公知の技術によって精製される。
その後、そのチョコレート精製物は、捏ね混ぜ装置29に
送られる。
任意の数の捏ね混ぜ装置が商業的に利用可能である。
何れの装置を使用しようとも、かかる装置は、チョコレ
ートの製造に使用される原材料に接触し且つその材料を
物理的に取り扱う捏ね混ぜ撹拌器を備えている。典型的
な捏ね混ぜ撹拌器は、図2に示してある。複数の回転シ
ャフト30、31が設けられている。そのシャフトには、図
示したロータアーム32及びブレード33のような混ね混ぜ
撹拌器が取り付けられている。図2から理解されるよう
に、これらのロータアーム及びブレードの方向は、互い
に係合可能に設定されている。多くの混ね混ぜ装置の場
合、付与される動作の種類は、回転方向に幾分、依存す
る。これらの装置の作用に関する詳細は、多数のメーカ
ーから入手可能な市販の捏ね混ぜ装置から公知である。
本発明に有利に具体化することの出来る基本的構造体
を提供する捏ね混ぜ装置29は、リチャード・フリッセGm
bHが製造するDUCシリーズのような二重オーバースロー
型の装置を含む。図2は、この型式の捏ね混ぜ装置29の
図である。捏ね混ぜ工程がその正作動モードで作動する
とき、その中央シャフト30は、時計方向に回転する一
方、外側シャフト31は、反時計方向に回転する。これら
の方向は、捏ね混ぜ工程が逆作動モードで作動すると
き、その逆となる。二つの外側シャフト31及びそれに関
係するロータアーム32、ブレード33の有効径は、中央シ
ャフト30及びそのアーム32、ブレード33よりも小さい。
これらは、温度を制御する水ジャケット式三重トラフ組
立体内に位置している。従来、前進モードは、充填時、
及び捏ね混ぜされたチョコレートが固い可塑化状態にあ
るいわゆる乾燥捏ね混ぜ方法にて使用される。中央シャ
フト組立体と反対方向に回転する外側シャフト組立体と
の間の領域は、強力なせん断力が作用する領域である。
また、より多くの材料を捏ね混ぜ材料に露呈させること
により、上昇又は折り込み動作も行われてより完全に混
合する。
通常、捏ね混ぜ方法は、チョコレート精製物に加えて
成分を添加する段階を含む。最も一般的な成分は、カカ
オバター、又はその他の油脂、又は油脂代替物であり、
レスチン又はその他の乳化物質のような乳化剤である。
図1には、これらの種類の成分を制御状態で供給するた
めの供給源41、42が示してある。乳化剤を捏ね混ぜ装置
29に添加し、カカオバターを粉に添加することは、従来
から公知である。これら従来の方法にて、捏ね混ぜが完
了すると、チョコレートは、いわゆる標準化装置に搬送
され、この装置にて、粘度及び通常、粒子寸法、油脂含
有量、水分量等のようなその他のパラメータを測定し
て、必要な調節が行われる。下流の標準化装置内で行わ
れる一般的な調節は、カカオバターを添加して、チョコ
レートの粘度を低下させることである。例えば、捏ね混
ぜ時間を調節し且つ/又はカカオバターを捏ね混ぜ装置
に直接、しかも標準化に必要な正確な量でカカオバター
等を添加することにより、捏ね混ぜ装置内で直接、標準
化が出来る限り、本発明は、下流の標準化装置を不要に
することが可能である。これは、機能及び装置に関する
標準化を可能にし、その結果、スペース、設備及び時間
が節約される。
捏ね混ぜ装置29は、回転するシャフト30、31に回転動
作を付与するモータ34、又はその他の装置を備えてい
る。モータ34から回転するシャフト30、31への回転動作
の伝達は、任意の適当な手段により行われる。適当なモ
ータ34は、110キロワット(Kw)及び60ヘルツ(Hz)の
定格値で作動する籠型誘導モータである。本発明の重要
な特徴によれば、捏ね混ぜ部材32、33を予め選択した範
囲内の連続的に変化する速度で駆動するため、モータ34
を可変速度の出力で作動させるべく、可変周波数駆動装
置が設けられる。監視及び制御機能が得られる。適当な
可変速度駆動装置35は、アレン・ブラッドリー・カンパ
ニー・インコーポレーテッド(Allen−Bradly Company
Inc.)から入手可能なAB1352可変周波数駆動装置であ
る。この装置は、完全にデジタル型であり、インバータ
の周波数範囲は、0Hz乃至200Hzであり、その分解能は、
0.01Hzである。この駆動装置は、該駆動装置の一体部品
として多くの工程制御機能を持つようにプログラム化す
ることが可能である。該駆動装置35の定格値は、290キ
ロボルトアンペア(KVa)である。
可変周波数駆動装置35は、その使用中にモータ34の回
転に対して加えられる抵抗力に依存して、モータの速度
を変化させる。該駆動装置は、加わる抵抗力に依存し
て、その回転速度を変化させる公知の制御回路を備えて
いる。本発明は、所定の時間が経過し、又は回転方向が
変更されるまで、回転速度が一定である、一定のモータ
速度、又は一定のシーケンスを単にプログラム化するも
のではない。本発明によれば、速度を修正するための特
定のタイミングではなく、選択した速度方向及び/又は
異なる一定の速度で回転するモータに対して、捏ね混ぜ
装置29内の材料の均一性に応答して連続的な可変速度が
付与される。成分の均一性に応答してモータ速度を連続
的に変化させることの効果は、捏ね混ぜられる材料に対
して略均一な出力が加えられることである。即ち、捏ね
混ぜられる材料によって付与される抵抗力が小さいと
き、捏ね混ぜ装置29の回転速度を速くし、また、材料に
よって付与される抵抗が大きいとき、回転速度を遅くす
ることにより、出力は一定に保たれる。図3、図4及び
図5には、概ねこれらの事項が示されている。
図3、図4及び図5を更に参照すると、これらの図
は、出力のデータ及び速度のデータをプロットしたもの
である。図3には、略単一の正作動速度及び単一の逆作
動速度で作動する従来技術の従来型式の捏ね混ぜ装置の
データが示してある。図4は、より高速のモータが、よ
り大型でより低速のモータとタンデムにオーバドライブ
ユニットとして作動するように、略一定速度の二つのモ
ータを使用することで、捏ね混ぜ混ぜ装置により効率的
に出力を付与しようとする場合の出力の特性を示すた
め、比較の目的に便宜的に掲げたものである。図5に
は、本発明の典型的な実施例の出力曲線及び速度曲線が
示してある。
図3の従来技術の出力曲線は、使用されるモータの単
一の正作動速度及び単一の逆作動速度の値と捏ね混ぜ装
置の作動時間との比を示すものである。正作動速度は、
逆作動速度よりも遅い。捏ね混ぜ工程の最初の4時間
で、モータは、捏ね混ぜ撹拌器を駆動して、その一定の
正作動速度で正方向に運転させる。実線で示した出力曲
線は、モータの最高出力に達するまで、略最初の4時間
の使用時間(図3に「充填」として表示)中に急激に増
大する。この時点で、捏ね混ぜチャンバは、満杯とな
り、それ以上の乾燥材料は追加されない。次の約3時間
(「乾燥捏ね混ぜ」として表示)にて、乾燥捏ね混ぜ工
程が行われ、モータは、その乾燥捏ね混ぜ期間中の全体
で等速度で作動する。出力は、乾燥捏ね混ぜ最初の30分
間で急激に低下し、捏ね混ぜられた材料にモータの出力
値の僅か約20%しか付与されなくなる迄、更に低下す
る。概ねこのときに、カカオバター及び乳化剤が更に追
加され、モータが逆転して、いわゆる湿潤捏ね混ぜ相
(「湿潤捏ね混ぜ」として表示)に進む。逆方向へのモ
ータ速度が速くなる結果、捏ね混ぜられる材料に付与さ
れる出力は、モータの定格値の約30%まで増大する。再
度、付与される出力は、低下し、その運転(「排出」と
して表示)の最後の15分間でチョコレートは排出され
る。モータの速度曲線は、点線で示してある。約800rpm
のモータ速度は、この装置のより低速で且つより出力の
大きいモータ(「低速前進」として表示)の正作動速度
であることが理解されよう。モータ速度が約1600rpmに
変化することは、逆作動するときの速度曲線が上昇
(「高速回転」として表示)することで示される。捏ね
混ぜられる材料に付与される実際のエネルギは、勿論、
力曲線の下側の面積で示される。
図4に示した比較可能な構成は、より速い一定の速度
のモータがより遅い一定の速度のモータのオーバ駆動装
置として使用される、二重のモータ機構によって実現さ
れる効果を示す。この図は、速い速度のモータは、逆作
動のとき、それと等しい一定の速度となることを示す。
これは、本発明を具体化するものではなく、図3に示し
た従来技術の構成の比較可能な選択例である。充填工程
(図4に「充填」として表示)は、チョコレート粉材料
が捏ね混ぜ装置の作動中(「乾燥相」として表示)の約
1時間の間に添加される、乾燥相に対応するものであ
る。点線の速度比較で示すように、最初の相において、
より高速のモータは、撹拌器を正作動方向に回転させる
(高速の正作動速度」として表示)。この流入、即ち、
乾燥相の工程中、より高速のオーバ駆動装置は、停止
し、より低速で高出力のモータが駆動力を提供する
(「低速の正作動速度」として表示)。この低速モータ
は、約800rpmで作動するものとして示してあり、より高
速のモータは、約1600rpmで作動する状態で示してあ
る。両方のモータは、約132キロワット程度の定格値と
することが出来る。このより低速のモータに切り換わる
時点で、速度曲線及び力曲線が急激に下降する。その後
に、捏ね混ぜ装置内へのチョコレート粉材料の流動が停
止する迄、力曲線は、急激に上昇する。この時点で、捏
ね混ぜが開始される(図4に「乾燥捏ね混ぜ」及び強靭
な可塑化相」として表示)。最初、出力曲線は、急激に
下降し、より高速のモータに再係合することにより、出
力が「増大」されるまで、この下降は続き、その後に、
再度、比較的急激な下降が生じる。その後、より高速の
モータは、方向を逆転し(「高速/逆転」として表
示)、その結果、再度、正作動方向ではなく、その逆作
動方向に運転するとき、主として撹拌器によって与えら
れる動作が変化するため、出力は、急激に増大する。そ
の後、間もなく、この反転的な「出力の増大」の効果も
弱まる。この回転速度は、乾燥捏ね混ぜ工程の強靭な可
塑化相が液体相(「液体」として表示)に移行するまで
続く。最初に、湿潤捏ね混ぜ工程が行われ(「湿潤」と
して表示)、その後に、チョコレートの排出が行われる
(「排出」として表示)。
本発明により得られる結果は、図5に示してある。捏
ね混ぜは、捏ね混ぜられる製品の粘稠度に基づいて自動
的に行われる。本発明は、製品の粘稠度に基づいて乾燥
相、強靭な可塑化相、柔軟な可塑化相及び液体相という
四つの異なる相を特徴とすることが出来る。図示するよ
うに、チョコレート精製物は、最初の乾燥相(図5に
「乾燥相/正作動」として表示)の全体中、及び強靭な
可塑化相(「強靭な可塑化相/正作動」として表示)の
開始段階中に連続的に充填される(「充填」として表
示)。乾燥捏ね混ぜ(「乾燥捏ね混ぜ」として表示)
は、強靭な可塑化相及び柔軟な可塑化相(「柔軟な可塑
化相/逆転」として表示)が完了するまで継続する。液
体相(「液体相/逆転」として表示)は、乳化剤を添加
したとき、出力が低下するのと略同時に開始し、湿潤捏
ね混ぜが行われる(「湿潤c」として表示)。その後、
間もなく、液体チョコレートは、捏ね混ぜ装置から排出
される用意が出来る(「排出」として表示)。乾燥捏ね
混ぜ工程中、出力は、略一定に維持され、この出力は、
可変速度駆動装置35の定格値である。
点線で示した速度曲線を分析すると、モータの略一定
で且つ最大の出力を維持し得う方法が分かる。この実施
例では、最初にこのモータの再高速度が約2100rpmに設
定され、次に、可塑化に応答して、この速度が低下す
る。チョコレート精製物に加わる力は、充填中のチョコ
レート精製物が撹拌機の比較的速い動作により可塑化さ
れ始めるまで、増大する。所望の再高出力に達し、強靭
な可塑化相が開始するまでこの力の増大は続く。充填工
程中でさえ、モータ速度は、新たに添加されるチョコレ
ート精製物により捏ね混ぜ撹拌機に付与される抵抗力が
増すことに応答して低下し、充填中でさえも可塑化状態
は、はっきりと分かる。捏ね混ぜが開始したならば、こ
の抵抗力は、更に低下し始め、可変速度駆動装置がこの
抵抗力の低下を検出し、モータが正作動方向への運転を
続ける間に、モータ速度を自動的に増速する。
目標の粘度、又はその他の適当なパラメータに達した
とき、可変速度モータ装置は、自動的に命令を発してそ
の方向を反転させることが望ましい。これは、チョコレ
ート精製物が十分に可塑化され、柔軟な可塑化奏を開始
することが可能となったときに行われる。本発明は、乾
燥捏ね混ぜ工程の比較的早期の段階で方向を逆転させる
ことは、捏ね混ぜの効率を向上させることを知見した。
図5には、一定の定格出力の値を維持するためにモータ
速度を最初に僅かな程度減速する状態が示してある。よ
り具体的には、多くの商業的捏ね混ぜ装置の撹拌器が前
方に運転するとき、撹拌器のパドルによって且つ該パド
ルの間にチョコレート精製物が動かされるとき、せん断
作用及び捏ね混ぜが生ずる。撹拌器が逆方向に運転され
るとき、チョコレート精製物は、撹拌器パドルの後側縁
と捏ね混ぜ容器の壁との間で付勢され、捏ね混ぜ中の製
品を略押し出す。
本発明の工程の任意の段階にて回転中に加わる抵抗力
は、可変速度駆動装置の公知の手段によって捏ね混ぜ装
置29内のチョコレートの粘度に対応した周波数信号に変
換される。任意の段階にて、最終のチョコレートが所期
のパラメータを呈するよう乳化剤又は油脂を添加すべき
とする粘度又は油脂量のようなその他のパラメータの値
になったとき、中央処理装置36は、供給源41、42に信号
を送り、適当な量の成分を捏ね混ぜ装置29に供給する。
捏ね混ぜ中のチョコレートに提供されるこのフィードバ
ック応答から、粘度及び/又はその他の監視パラメータ
が製造中の特定のチョコレートの所定の値の範囲内であ
ることが表示される場合、高価なカカオバターのような
成分を添加する必要はなく且つ/又は従来設定されてい
た時間が満了するまで捏ね混ぜを続行する必要もない。
いわゆる中性路網の支援により行うことの出来るこのフ
ィードバック方法は、直接捏ね混ぜ装置内でチョコレー
トを標準化し、その結果、捏ね混ぜ装置の下流に標準化
ステーションを設けることが不要となる。
図6には、チョコレート精製物にその他の可能な方法
と比較して著しく大きいエネルギが付与される、本発明
の有利な特徴が示してある。図3、図4及び図5のそれ
ぞれの出力曲線は、互いに重ね合わさり、そのそれぞれ
の曲線は、これらの出力曲線を略直接、重ね合わさるよ
うに、時間を座標軸として示してある。図3の従来技術
の出力曲線と比較したとき、図5の出力曲線による増加
分は、図6の斜線面積と実線面積との合計として示して
ある。この差の合計値は、製品1トン当り50キロワット
エネルギ時に近くなる。より具体的には、図3に示した
出力曲線に従って加工したときに付与されるエネルギ
は、約30キロワット時である一方、図5に示した本発明
の出力曲線に従って付与されたエネルギは、製品1トン
当り80キロワット時である。図6の斜線面積は、全体と
して、図4の比較可能な実施例に対する本発明の出力の
利点を示す。
図3、図4、図5及び図6に示した出力値及び速度値
は、モータ出力値として示してある。捏ね混ぜ撹拌器の
同様の値は、より小さい値であることが理解されよう。
それぞれのモータに関係する捏ね混ぜ撹拌器及び容器の
構造及び寸法が略等しい限り、これらの値が小さい程度
は、それぞれの曲線について略同一である。
モータ34及び可変速度駆動装置35に関してより詳細に
説明すると、可変速度駆動装置は、モータ自体の出力定
格値、又は寸法の約2乃至3倍の大きさであることが重
要である。例えば、当該モータの定格値は、110キロワ
ットである一方、駆動装置の定格値は、290キロボルト
アンペアであり、そのファクタは、約2.6である。この
関係は、全荷重を受けたときの捏ね混ぜ装置の始動相
中、特に有効であることが確認されている。また、低周
波数の始動も可能である。例えば、可変速度装置は、例
えば1乃至2Hzといった極めて低い周波数でモータを始
動させることを可能にし、始動中、及びモータの回路ブ
レーカの掛け外し中、過剰な電流がモータに供給される
のを回避する必要がある。
上述のように、神経回路網37により促進することが可
能なフィードバック方法が採用可能である。この点に関
する典型的な回路網は、互いに層又はスラブの群として
まとめた一群の処理要素を利用する。各層の処理要素
は、その他の層からの要素と相互に接続され、その層の
接続部分は、ウェイトと称する。この回路は、その状況
を認識し且つそれに適応し得るように学習させる。適正
に学習した回路網は、その回路網に入力される大量のデ
ータ中のパターンを検出する。本発明のこの特徴に関し
て有用な適当なソフトウェアパッケージは、ニューラル
ウェア(NeuralWare)から入手可能なニューラルワーク
ス・プロフェッショナル(Neuralworks Professional)
II+を含み、典型的な体系は、バックプロパゲーション
(Backpropagation)回路網である。入力データは、ア
ナログ・デジタル変換器を使用してデジタル式に制御さ
れる。入力には、モータを駆動するために供給される力
と、可変速度駆動装置の周波数とが含まれる。出力に
は、油脂含有量、粘度、及びチョコレートの負荷、即
ち、重量が含まれる。
図7に示したような回路網に対して多数の入力が付与
される、学習反復を略公知の原理に従って利用する。図
7は、特定の捏ね混ぜ装置における特定のチョコレート
バッチに対するパターンを示す。該7図は、粒子寸法19
μm、水含有量0.93%、油脂含有量29.07%及び粘度24,
500センチポアズの6620kgの負荷を示す。図7に示した
ような入力は、データ曲線の瞬間的な傾斜として示すこ
とが多いパターンを認識し得るように回路網を学習させ
る。学習を受けた神経回路網は、次に、捏ね混ぜ装置29
内の各運転時のパラメータを予測するために利用可能で
ある。この回路網は、捏ね混ぜられるチョコレートの負
荷、即ち重量を確認し、又は点検し、捏ね混ぜられるチ
ョコレートの油脂含有量を確認し、捏ね混ぜされたチョ
コレート製品の最終的な結果を予想することが出来る。
この機構を利用して、多数の試料について神経回路網
によって予想された粘度は、各試料に対して従来の定量
的な測定方法によって得られた粘度の測定値と比較し、
この従来の方法の誤差は、約±6%である。図8には、
測定粘度と神経回路網によって予測される粘度が良好に
相関する関係が示してある。図9には、二つの粘度値間
の「誤差」の%がプロットしてある。一つの例外を別に
して、各「誤差」は、従来の粘度測定方法の誤差の許容
範囲以下であることが理解されよう。
モータ34、可変速度駆動装置35、中央処理装置36、神
経回路網37及び成分の供給源41、42間の相互作用は、次
のようにして行われることが望ましい。連続的な相互作
用によって、可変速度駆動装置は、モータに問い合わせ
て、周波数としてその作動に対する命令を発する。ま
た、可変速度駆動装置と中央速度駆動装置との関係は、
二方向であり、ここで、中央処理装置は、可変速度駆動
装置に問い合わせして、周波数のデータを得て、駆動シ
ャフトがモータの作動を停止させるとき、及び周波数の
限界値に達したときに、モータの作動を反転させるべき
ときを命令する等して、その運転の調節命令を発する。
神経回路網は、捏ね混ぜされているチョコレートにより
発生されたデータのパターンについて可変速度駆動装置
に問い合わせる。次いで、この回路網は、中央処理装置
に情報を伝え、その他の装置、特に、可変速度駆動装
置、及び成分供給源に命令を発する。より具体的には、
神経回路網がそのパターン認識作業を実行した後、該回
路網は、中央処理装置に入力を送る。この入力によっ
て、中央処理装置は、乳化剤を添加すべきとき、及び/
又はその添加量に関して、例えば、成分供給源に命令を
発し、及び/又は捏ね混ぜ中の特定のチョコレートに必
要とされる時間について可変速度駆動装置に命令を発す
る。その結果、その特定のチョコレートについて目標と
する粘度を達成するのに必要とされる時間だけ、捏ね混
ぜを行い、また、目標とする油脂含有率を達成するのに
必要な量の油脂だけを添加する、格別に効率の良い捏ね
混ぜ方法が実現される。
粘稠度は改善される。捏ね混ぜられたチョコレート
は、捏ね混ぜ後の標準化を一切必要とせずに、バッチ毎
により均一な粘度を実現することが可能となる。不要な
捏ね混ぜは省かれるため、全体的な捏ね混ぜ時間が短縮
する。このようにして、所定の捏ね混ぜ装置は、同一の
作動時間でより多くの製品を捏ね混ぜすることが可能と
なる。本発明によるその効率的な作動の結果、各捏ね混
ぜ装置は、その捏ね混ぜ容量を向上させることが可能と
なる。例えば、捏ね混ぜ容量が6000Kgの装置で7000Kgの
チョコレート精製物を効率的に捏ね混ぜることが出来、
これは、性能が約16%、増したことになる。
上述の本発明の実施例は、本発明の原理の単に一例に
しか過ぎないことを理解すべきである。当業者は、本発
明の真の精神及び範囲から逸脱せずに、多数の変形例が
実施可能であることが理解されよう。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−226245(JP,A) 欧州特許出願公開476376(EP,A 1) Manuf.Confect., 1987,Vol.67,No.5,p.52− 56 中西喜次,チョコレート・ココア製造 の理論と実際,株式会社光琳書院,昭和 40年,p.123 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 1/00 - 1/18 WPI(DIALOG)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】捏ね混ぜ工程を備えた方法によってチョコ
    レートを製造する方法において、 捏ね混ぜ攪拌器と、可変速度駆動装置によって制御され
    るモータとを備える捏ね混ぜ装置内に、チョコレート精
    製物を含むチョコレートを製造する成分を供給する段階
    と、 前記捏ね混ぜ撹拌器を成分内で且つ該成分を通じて作動
    させる段階であって、前記捏ね混ぜ撹拌器を捏ね混ぜ撹
    拌器の一つの速度で作動させる段階と、 成分がチョコレート製品となるまで、前記作動段階をあ
    る時間継続することにより、前記成分を捏ね混ぜる段階
    と、 前記作動段階の全体を通じて成分によって捏ね混ぜに対
    する抵抗力を監視して、前記捏ね混ぜに対する成分の抵
    抗力を連続的に検出する段階と、 前記捏ね混ぜ撹拌器の速度を調節して、前記捏ね混ぜ段
    階の全体を通じて成分に対して一定の出力を維持するよ
    うに捏ね混ぜ攪拌器の速度を変える段階であって、前記
    捏ね混ぜ攪拌器の速度は前記監視段階中に検出された成
    分の抵抗力の関数として調節され、従って、前記捏ね混
    ぜ攪拌器の速度が、前記成分の抵抗力が減少するときに
    速くなる一方、前記成分の抵抗力が増大するときに遅く
    なるようにし、これにより、前記出力が捏ね混ぜ段階の
    全体を通じて一定に維持されるようにする、前記捏ね混
    ぜ攪拌器の速度を変える段階と、 前記監視段階に応答して捏ね混ぜ段階の時間の長さを制
    御し、これにより、所定の特性を有する完成したチョコ
    レート製品が提供されるようにする段階と、 該完成したチョコレート製品を捏ね混ぜ装置から排出す
    る段階と、 を備えることを特徴とするチョコレートの製造方法。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1頃に記載の方法において、
    前記捏ね混ぜ時間を制御する段階が、所定の最大の粘度
    特性が得られたとき直ちに、前記捏ね混ぜ段階を停止す
    ることにより、捏ね混ぜ時間を短縮する段階を含むこと
    を特徴とする方法。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法
    において、前記排出段階の後に完成チョコレートを標準
    化することを不要にすることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか
    に記載の方法において、完成チョコレートを所定のチョ
    コレート特性を持つように標準化する段階を備え、前記
    標準化段階が、捏ね混ぜ装置内で且つ前記排出段階の前
    に完了されることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1頃ないし第4項のいずれか
    に記載の方法において、前記可変速度駆動装置が、モー
    タの出力定格値の約2乃至約3倍の出力定格値を有し、
    前記監視段階の間に、前記可変速度駆動装置の構成要素
    が捏ね混ぜ攪拌器に対する成分の抵抗力の変化のフィー
    ドバックを受け、前記捏ね混ぜ攪拌器の速度を調節する
    段階の間に、前記駆動装置が成分の抵抗力の変化に従っ
    てモータの回転速度を変化させることを特徴とする方
    法。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項ないし第5頃のいずれか
    に記載の方法において、前記作動段階が、乾燥相、強靱
    な可塑化相、柔軟な可塑化相及び液体相を含む一定順序
    の相に成分を置く段階を備えることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1頃ないし第6頃のいずれか
    に記載の方法において、前記捏ね混ぜ攪拌器が、強靱な
    可塑化相中に第一の方向に回転し、柔軟な可塑化相中に
    該第一の方向と反対の第二の方向に回転することを特徴
    とする方法。
  8. 【請求項8】請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか
    に記載の方法において、前記捏ね混ぜ攪拌器の速度を変
    える段階が、前記モータの定格出力の約100%の一定の
    出力を維持することを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1頃ないし第8項のいずれか
    に記載の方法において、前記時間の長さを制御する段階
    が、監視段階に応答して前記供給段階を制御し、これに
    より、所定の範囲内の油脂含有率を有する完成チョコレ
    ート製品が提供されるようにして前記成分の油脂含有率
    を変化させる制御段階を備える、ことを特徴とするチョ
    コレートの製造方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載の方法におい
    て、前記油脂含有量を変化させる段階が、前記監視段階
    の関数として変化する量にてカカオバターを添加する段
    階を含み、前記カカオバターの量が完成チョコレートに
    前記油脂含有率を付与するのに十分であるが、その量を
    著しく上廻らないことを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】請求の範囲第10頃に記載の方法におい
    て、添加されたカカオバターの少なくとも一部が、前記
    捏ね混ぜ段階中に添加されることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】チョコレートを製造する成分からチョコ
    レートを製造する装置にして, チョコレート精製物を含むチョコレートを製造する成分
    を受け入れ、該成分を完成チョコレートに変換する捏ね
    混ぜ手段であって、捏ね混ぜ攪拌器と、前記捏ね混ぜ攪
    拌器を可変速度にて前記成分内で且つ該成分を通じて作
    動させる可変速度駆動手段を有するモータ手段とを備え
    る、前記捏ね混ぜ手段と、 前記可変速度駆動手段と関連し,前記捏ね混ぜ装置内で
    成分により付与される捏ね混ぜに対する抵抗力を検出す
    る監視手段であって、該捏ね混ぜ攪拌器の動きに対する
    成分の抵抗力を連続的に検出する前記監視手段と、 前記可変装置駆動手段と関係し,前記監視手段からデー
    タを受け取ると共に,該データを処理して前記モータ手
    段を制御する制御手段とを備え、 前記制御手段は、前記捏ね混ぜ攪拌器に付与される可変
    速度が、捏ね混ぜに対する成分の抵抗力が増大するとき
    に遅くなり、該捏ね混ぜ攪拌器に付与される可変速度
    が、捏ね混ぜに対する成分の抵抗力が減少するときに速
    くなるようにし、これにより、捏ね混ぜ中に成分の均一
    性が変化することにより捏ね混ぜ攪拌器の可変速度が制
    御され、かつ前記捏ね混ぜ攪拌器から成分にエネルギを
    付与する出力が、少なくとも捏ね混ぜ手段による乾燥捏
    ね混ぜ中に一定であるように制御することを特徴とする
    装置。
  13. 【請求項13】請求の範囲第12項に記載の装置におい
    て、前記可変速度駆動手段が、前記モータ手段の出力定
    格値の約2乃至約3倍の範囲の出力を有することを特徴
    とする装置。
  14. 【請求項14】請求の範囲第12項又は第13項に記載の装
    置において、前記モータ手段が、少なくとも捏ね混ぜ手
    段が成分を乾燥捏ね混ぜする間に、その定格出力の約10
    0%で作動することを特徴とする装置。
  15. 【請求項15】請求の範囲第12項ないし第14項のいずれ
    かに記載の装置において、前記制御手段に応答してチョ
    コレート成分を自動的に調節する手段を更に備え、これ
    により、前記捏ね混ぜ手段は、完成チョコレートが該捏
    ね混ぜ手段から去る前に、所定の粘度特性を含む所定の
    チョコレート特性を有する完成チョコレートを形成する
    ことを特徴とする装置。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項に記載の装置におい
    て、前記応答手段が、完成チョコレートが捏ね混ぜ手段
    から去る前に、完成チョコレートの油脂含有量を所定の
    油脂含有量の範囲内に誠節すべく、カカオバター等の成
    分を前記成分に自動的に添加する手段を備えることを特
    徴とする装置。
  17. 【請求項17】請求の範囲第15項に記載の装置におい
    て、前記応答手段が、完成チョコレートが捏ね混ぜ手段
    を去る前に、完成チョコレートの油脂含有量を所定の油
    脂含有量の範囲内に自動的に調節すべく、カカオバター
    を前記捏ね混ぜ手段に直接添加する手段を更に備えるこ
    とを特徴とする装置。
  18. 【請求項18】請求の範囲第15項ないし第17項のいずれ
    かに記載の装置において、前記応答手段が、所定の最大
    粘度特性が実現された後に直ちに、前記捏ね混ぜを停止
    させる手段を備えることを特徴とする装置。
  19. 【請求項19】請求の範囲第1項ないし第11項のいずれ
    かに記載の方法により製造され、チョコレートのコーテ
    ィングを形成するために粘度低下剤を添加することなく
    十分に低い所定の粘度を有する流動性を有していて、か
    つ脂肪成分の量は捏ね混ぜチョコレートの重量を基準に
    して約29パーセントである捏ね混ぜチョコレート。
  20. 【請求項20】請求の範囲第12項ないし第18項のいずれ
    かに記載の装置により製造され、チョコレートのコーテ
    ィングを形成するために粘度低下剤を添加することなく
    十分に低い所定の粘度を有する流動性を有していて、か
    つ脂肪成分の量は捏ね混ぜチョコレートの重量を基準に
    して約29パーセントである捏ね混ぜチョコレート。
  21. 【請求項21】最適化された脂肪成分と、チョコレート
    のコーティングを形成するために十分に低い所定の粘度
    とを有する流動性のある捏ね混ぜチョコレートにおい
    て、前記捏ね混ぜチョコレートがチョコレート精製物と
    脂肪成分とからなり、前記脂肪成分は、流動性のある捏
    ね混ぜチョコレートを形成しかつチョコレートの粘性を
    低減させるようにチョコレート精製物と共に混合されか
    つ捏ね混ぜ状態に置かれ、前記流動性のある捏ね混ぜチ
    ョコレートは所定の粘度を付与するのに必要な量を越え
    る付加的な脂肪成分は添加されずかつ粘度低下剤は添加
    されず、前記脂肪成分の量は捏ね混ぜチョコレートの重
    量を基準にして約29パーセントであり、 前記流動性のある捏ね混ぜチョコレートが所定の粘度に
    おいて脂肪成分が低減されており、そして、 前記低減された脂肪成分の量が、所定の粘度を達成する
    ために脂肪成分を更に添加することを必要とするような
    チョコレートにおける脂肪成分の量よりも少ない、こと
    を特徴とする捏ね混ぜチョコレート。
  22. 【請求項22】請求の範囲第21項に記載の捏ね混ぜチョ
    コレートにおいて、前記流動性のある捏ね混ぜチョコレ
    ートが捏ね混ぜ後の標準化を必要とせず、前記脂肪成分
    の量は、付加的な脂肪成分が付与されて捏ね混ぜ後の標
    準化がなされたチョコレートよりも少ない、ことを特徴
    とする捏ね混ぜチョコレート。
  23. 【請求項23】請求の範囲第21又は第22項に記載の混ね
    混ぜチョコレートにおいて、前記脂肪成分がココアバタ
    ーであることを特徴とする捏ね混ぜチョコレート。
  24. 【請求項24】請求の範囲第21項ないし第23項のいずれ
    かに記載の捏ね混ぜチョコレートにおいて、前記脂肪成
    分がココアバターを含む脂肪成分から形成されることを
    特徴とする糧ね混ぜチョコレート。
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